説明

水性下地被膜を有する合成不織壁紙

【課題】健康上や火災上の危険性を示さず、環境に優しく、高強度で、耐久性が良好で、経済的で、寸法的安定性があり、容易に剥離可能であり、印刷性が好物な壁紙を提供する。
【解決手段】不織合成基材40の表面30に、エマルジョンポリマー顔料バインダーおよび鉱物性顔料組成物を含む水ベースの下地被膜層20を形成する。下地被膜は、不織基材により優れた印刷および耐久性を与え、装飾的な図柄で印刷50されても良い。
【効果】環境、健康、および安全上優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に下地被膜層を備える合成不織基材を含む壁紙に関する。下地被膜は、水性エマルジョン樹脂および鉱物性顔料組成物を含む。本発明の壁紙は、改善された強度および耐久力を示し、そして健康上および環境上の観点から望ましい。
【背景技術】
【0002】
壁紙製品は、伝統的に紙基材または織物裏地のビニル材料で出来ている。紙壁紙は、鉱物性顔料を含む片面上の下地被膜を含む、接着されたパルプ繊維の基材を一般的に含む。壁紙は、通常図柄を機械印刷される。紙系の壁紙は、安価であるが、低強度、一貫性のない濡れ膨張、並びに取り扱いおよび吊り下げ中の寸法安定性、並びに壁紙を替えるときの貧弱な可剥性を含む顕著な欠点に悩まされる。耐火性が無く、そしてかびが生えやすいことから、紙系の壁紙は、健康上および安全上の懸念にも関係する。
【0003】
商業施設内で広く使用されるビニル系の壁紙は、典型的には繊維スクリム裏地に付けられる印刷されたポリビニルクロライド(PVC)基材を含む。スクリム裏地は、PVC基材により高い強度および支持性を付与するために加えられる。PVC基材は吊り下げた場合過度に伸びるので、スクリム裏地は取り付け中に寸法安定性を与えるためにも含まれる。PVC壁紙は、紙の壁紙よりも多少耐久性があるが、多くの健康上の懸念と関係する。例えば、悪臭があることは別としても、PVC壁紙は、残留するビニルクロライドモノマー、および重金属またはビニル添加物として使用されるフタル酸エステル等の毒素および発癌性物質を含む。PVC壁紙は、着火するとHClおよびダイオキシン等の毒物排出も生み出し、失火の際には危険である。さらに、ビニル壁紙は、高い湿度環境で壁の内側に危険なかび成長を促進する低空気透過性を有する。埋め立て地で生物分解性でないため、環境の観点からPVC壁紙には問題がある。
【0004】
今日市販されている多くの壁紙は、パルプ繊維およびさらに少ない量の合成繊維(約15質量%)を含む不織基材を含む。合成繊維を含むと基材の強度が増すものの、ビニル基材の耐久力には近づかず、そしてまだセルロース系壁紙に関係する多くの欠点を有する。さらに、より少量の合成繊維を含む壁紙シートは、一般的に経済的な理由から好ましくない湿式横置き工程によって製造される。
【0005】
織物は一般的に不充分な物理的性質を有するため、主に合成繊維を含む不織布は、通常壁紙として使用されない。例えば、スパンボンド合成織物は、一般的には不透明が劣り、そして適度な印刷に充分な程滑らかでない。スパンレース不織織物は、壁紙用途のためには伸び過ぎる。種々の従来技術の壁紙の簡単な説明を下記にまとめる。
【0006】
ジャクソンの米国特許第5,876,551号明細書および米国特許第6,238,789号明細書は、セルロース系および合成繊維系の不織ハイドロエンタグルド(hydroentagled)基材に融合されたプラスチゾル層を含む通気性のある壁紙に関する。ジャクソンによれば、不織層は壁紙の湿気浸透性を改善し、そしてプラスチゾル層は、ポリマー受容性インクで印刷されてもよい滑らかな層を提供する。
【0007】
リサネンらの米国特許第5,302,404号明細書は、セルロース系ベース基材を含む壁紙、並びにラテックスバインダーおよび水不溶性の顔料を含む下地被膜層に関する。リサネンらの壁紙組成物は、PVC壁紙より優れた物理的性質を有し、そして環境上および健康上の問題を減少させると言われている。
【0008】
スティーブンスらの米国特許第4,460,643号明細書は、プラスチゾル被膜に結合した複層の不織裏地を含む壁紙を開示する。スティーブンスらによれば、不織裏地は、他の特徴の中でもより良い強靱性、エンボス加工性、および可剥性を有する壁紙を提供する。同様に、フェトストーンの米国特許第4,874,019号明細書および米国特許第4,925,726号明細書は、ビニル壁紙のための不織ガーゼ裏地を記載し、裏地は合成ポリマーでできた織地マルチフィラメント糸を含む。フェトストーンで使用されるガーゼ裏地は、界面活性剤を糸に添加することによりさらに親水性になり、そして水ベースの接着剤を使用した、壁へのビニル壁紙の接着を可能にするため、ガーゼは好都合と言われている。トベッツの米国特許出願公開第2004/0248488号明細書は、トップシートのある壁紙およびそこに接着されるスクリム裏地も開示する。トップシートはビニル材料であってよく、そしてスクリム裏地は合成不織であってよい。
【0009】
ハーストの米国特許第4,246,311号明細書は、ポリエステル不織織物および裏地被膜を含み、壁紙接着剤が織物に染み通るのを防ぐ壁紙を開示する。不織基材は、含浸剤が被膜層と適合性がよい様に選択される含浸剤で含浸されている;ハーストによれば、これは分離を防ぐ2つの層の間で結合を作り出す。パターンが、グラビアまたはスクリーン印刷工程によって、ポリエステル不織布の表面に適用されてもよい。
【0010】
キンブレルらの米国特許出願公開第2005/0233662号明細書は、複合物が感圧接着剤を有する裏地に結合した合成基材を含む、壁紙として使用されてもよい複合物材料を開示する。キンブレルらによると、繊維製品の表面は、転写印刷されていてもよい。キンブレルらの製品は、壁への適用に便利な壁紙を提供しようとするものである。
【0011】
ボーダギアンらの欧州特許番号第0375244号明細書は、セルロース系壁紙被覆のための有色素性下地被膜中の水性エマルジョン樹脂の使用に関する。エマルジョン樹脂は、有効量のエポキシシラン組成物と反応するアクリルまたはエチレン/ビニルアセテートポリマーを含む。このエマルジョンポリマーは、壁紙上へ適用する前に粘土ベースの被膜と混合される。
【0012】
関心のあるほかの参照文献には、すべてジェネグレネタルの米国特許第6,368,990号明細書;米国特許第6,620,746号明細書;および欧州特許出願番号第0896081号明細書を含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この分野での進歩にもかかわらず、健康上または火災上の危険性を示さず、環境に友好的であり、そして幾つかの設計基準に合致する壁紙へのニーズが依然として存在する。設計目標は、他の考慮すべき点の中でも、特に高い強度、耐久性、経済的、寸法的に安定性、容易な剥離可能性、および印刷良好物が含まれる。下地被膜層および織物上に印刷された図柄を有する合成不織織物を使用することによって、優れた性質を有する壁紙を製造することができることが本発明によって発見された。望ましい特徴の中でも特に、本発明の壁紙は、(1)実質量の毒素または発癌性物質を放出せず; (2)耐火性であり; (3)悪臭がひどくなく; (4)優れた物理的性質を有し;そして(5)経済的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一つの形態にしたがって、表側および裏側を有する不織基材を含む壁紙シートが提供され、該不織基材は、少なくとも50質量%の合成ポリマー繊維を含む。エマルジョンバインダーおよび鉱物性顔料組成物を含む下地被膜は、不織布の表側に適用され、そして直接接着される。下地被膜層は、次に印刷されて図柄、パターンまたはその同類のものを提供する。
【0015】
いくつかの態様では、不織基材は、少なくとも75重量%の合成繊維を含んでもよく、そして通常少なくとも95重量%の合成繊維を含む。合成繊維は、好ましくはポリエチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維を含む。不織基材はスパンボンド工程によって形成され、そして実質的に含侵バインダー樹脂を好適に含まない。好適には、不織基材は50〜300gsmの範囲の坪量を有してもよい。
【0016】
発明の壁紙中で使用される下地被膜は、乾燥量基準で5〜50重量%のエマルジョンポリマー、および50〜95重量%の鉱物性顔料組成物を含んでもよい。さらに好ましくは、被膜は15〜35重量%エマルジョンポリマーおよび65〜85重量%の鉱物性顔料組成物を含む。
【0017】
下地被膜中で使用される鉱物性顔料組成物は、例えば、以下の1種または2種以上の成分を含んでもよい:粘土、炭酸カルシウム、二酸化チタン、アルミナ三水和物、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、タルク、スルホアルミン酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、およびそれらの組み合わせ。粘土が使用される場合は、焼成粘土、葉片状粘土、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0018】
下地被膜中で使用されるエマルジョンポリマーバインダーは、特に限定されず、そしてアクリルポリマー、ビニルエステルポリマー、アクリルアミドポリマー、スチレン性ポリマー、およびそれらの組み合わせを含んでもよい。前記共重合体は、ビニルアセテートエチレン共重合体等も考えられる。エマルジョンポリマーは界面活性剤で安定化されていてもよい。樹脂は、一般的に40℃未満、そして好ましくは25℃未満のガラス転移点を有する。
【0019】
下地被膜は、下地被覆が全壁紙シートの5〜20重量%、好ましくは8〜15重量%を構成するように、一般的に不織基材に適用される。
【0020】
本発明の壁紙は、良好な印刷特性を有し、そして水ベースのインクまたはトナーで印刷されてもよい。印刷適性の一つの尺度は滑らかさであり;本発明の壁紙不織基材だけより、少なくとも10%より滑らか、好ましくは少なくとも20%より滑らかであってもよい。表面粗さは、下記の例に記載されたパーカープリント粗さテストに従い測定された。
【0021】
本発明の別の形態では、不織基材、下地被膜層、下地被膜層上の図柄、および任意選択的に、予ペースト層を含む壁紙シートが提供される。壁紙シートは、実質的に不透明であり、そして図柄が壁紙の上に印刷されおよび/又はエンボスされていてもよい。
【0022】
さらに本発明の別の形態では、スパンボンド式不織基材および基材に適用された下地被膜を含む壁紙が提供され、不織基材は、ポリエステル繊維を含み、そして実質的に含侵バインダーを含まない。壁紙シートは1:1〜15:1、または2:1〜10:1の好適な範囲でインク非浸透性(holdout)/受容性比を示す可能性がある。
【0023】
また本発明の別の形態では、不織基材、下地被膜、および印刷層を含む壁紙シートを提供し、不織基材は、少なくとも75質量%のポリエチレンテレフタレート繊維を含み、そして下地被膜は、ビニルアセテートエチレン共重合体および鉱物性顔料組成物を含む。
【0024】
本発明は、壁紙シートの製造の方法も与え、該方法は、(a)少なくとも50質量%の合成繊維を含む不織基材を形成すること; (b)下地被膜組成物が、エマルジョンポリマーおよび鉱物性顔料組成物を含む不織基材の、少なくとも片側へ水性下地被膜組成物を適用すること; (c)コートされた不織基材を乾燥すること;そして(d)基材のコートされた表面上に図柄を印刷することの工程を含む。まださらに本発明の特徴および利点が以下の記載から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、例示および図解の目的のためだけに多数の態様を参照して、下記で詳細に記載される。請求項に記載される本発明の精神および範囲内の特別な態様への改変は、直ちに当業者に明らかであろう。下記でさらに具体的に規定しない限り、本願中で使用される用語は通常の意味である。
【0026】
本発明に従い、壁紙は、不織織物、下地被膜層、および被膜層上に印刷されるパターンまたは図柄を含んで提供される。本発明の構造が図1中の具体的に説明され、本発明の壁紙の断面図を示す。図1に見るように、壁紙10は、合成不織織物40の表面30に直接適用される下地被膜層20を含む。下地被膜層20は、エマルジョンポリマー顔料バインダーおよび鉱物性顔料組成物を含む。層50は、所望のパターンまたは図柄を壁紙に与える下地被膜上の印刷を表す。
【0027】
上に記載するように、本発明の不織基材は、主に合成繊維を含み、すなわち、少なくとも合成繊維で50質量%を有する。基材は、望ましくは少なくとも75質量%の合成繊維、少なくとも95質量%の合成繊維で、そして多くの態様では100%の合成繊維であってもよい。合成繊維の非限定の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、およびその同類のもの等のポリエステル繊維を含む。2成分繊維の使用が同様に考えられる。好ましくは、本発明中で使用される合成繊維は、PET繊維である。
【0028】
天然繊維も、50質量%以下の量で不織基材中に含めても良い。好適な天然繊維は、例えば、面、レーヨン、および羊毛等の長繊維;落葉および針葉樹からのもの等の木質繊維;およびとりわけ亜麻、エスパルト草、トウワタ、麦わら、ジュート、およびバガス、等の他のセルロース系を含む。これらを含む場合、セルロース系繊維は、一般的に共生成技術によって不織基材に加えられる。
【0029】
不織基材は、種々の方法、最も好ましくは、スパンボンド工程で製作される。典型的なスパンボンド工程に従って、ポリマー組成物は、融解するまで加熱され、そして複数の小さいオリフィスを含む出糸突起を通って押し出される。出糸突起を出る際に、融解繊維空気で急冷される。繊維は次に、可動ベルトまたはワイヤー上に堆積される前に、機械的にまたは高速の空気圧で細められる。ダイの型によっては、個々の長繊維は、形成ベルト上に堆積される前に分離される必要がある可能性がある。これは、沈着前の繊維束の上へ帯電を伴う。長繊維は、生成ベルト上にランダムに堆積していてもよく、または機械的なまたは空気装置によって多少配向していてもよい。堆積織物は、機械的な穿刺、熱結合、および/又は化学的結合によってさらに接着されていてもよい。スパンボンド基材を生産するための種々の装置および方法がヒルズらの米国特許第6,338,814号明細書;ナジョールらの第6,692,601号明細書およびグレイサーらの第4,627,811号明細書に記載され、これらの全体は参照により本明細書中に取り込まれる。
【0030】
有利なことに、本発明の合成不織基材中で、セルロース系基材ではよくあるような含侵バインダーまたは類似組成物を使用する特別な必要は無い。"含浸剤"は、不織基材へ適用されるポリマーバインダーのことを言い、そして織物の厚みにわたって実質的に含浸され、繊維を伴に結合させる、またはある場合では他の層との接着を促進する。本発明の多くの態様では、不織基材には、含浸剤は実質的になく、すなわち、約1質量%未満である。それにもかかわらず、本発明の親水性下地被膜は、含侵バインダーまたは接着結合層なしでも、疎水性の合成繊維によく接着する。これは接着が難しいことで有名なある合成繊維、特にPET繊維、では珍しい。本発明と対照的に、上記で検討した参照ハーストの米国特許番号第'311号明細書は、例えば、被膜と不適合な含浸剤は、充分な接着を達成するために、最初にポリエステル織物にしみこまなければならないことを教示する。欄3、第14〜18行を参照のこと。
【0031】
本発明に従い、合成不織は、エマルジョン樹脂および鉱物性顔料組成物を含む水性下地被膜層を備えている。下地被膜は、とりわけ、増加した耐久力、改善された印刷適性、より高い不透明性、および表面滑らかさを含む壁紙適用のために望ましい多数の性質を基材に与える。
【0032】
多くの壁紙では、不透明性は、一般的に所望の特徴であり、そして下地被膜の組成物が選択され、そして被膜がコートされた不織基材(乾燥)が実質的に不透明である量および方式で適用される。本発明の目的のために、TAPPIテスト法T425om−06によって不透明性が測定された。壁紙基材がTAPPIテストで少なくとも約90%の不透明を示せば、基材は"実質的に不透明と考えられる。"この点で、スパンボンドPET織物の2つの写真を示す図2および3を参照する。図2は、下地被膜を含まないPET基材を示し、基材が2つの暗い(酸化された)ペニー硬貨の前に置かれ;見てわかるように、コインの輪郭は、依然基材を通して明らかに見ることができる。対照的に、図3は、本発明に従い水性下地被膜でコートされるスパンボンドPET織物の写真である。ここで、コートされた基材の後ろに置かれたコインは、大部分識別できない。
【0033】
本発明の水性下地被膜は、典型的には乾燥基準で、5〜50質量%のエマルジョン樹脂、および50〜95質量%鉱物性顔料組成物を含む。さらに好ましくは、乾燥基準で、被膜は、10〜30質量%エマルジョン樹脂、および60〜90質量%の鉱物性顔料を有する。本発明で使用される下地被膜は、水性スラリーまたはディスパージョンとして提供され、そして10〜90%、およびさらに好ましくは40〜70%の範囲の典型的な固形内容物を有してもよい。被膜は、以下の好適な範囲1〜2,000cps、100〜1,500cps、および好ましくは250〜750cpsの粘度を有していてもよい。
【0034】
水性下地被膜中で使用されるエマルジョンポリマーバインダーは、特に限定されない。エマルジョンポリマーは、水性媒体中でエマルジョンポリマー化される任意の合成樹脂を含んでもよく、そして乳化剤および/又は保護コロイドで安定化されていてもよい。好適なポリマーは、とりわけ、アルキルアクリレートモノマーまたはアルキルメタクリレートモノマーを有するもの等のアクリル樹脂;ビニルアセテート、ビニルアセテートエチレン共重合体、およびVeoVa含有ポリマー等のビニルエステル樹脂;スチレン性樹脂;ならびにアクリルアミドポリマーを含んでもよい。エマルジョンポリマーは、官能性モノマー、例えばカルボン酸官能化、ヒドロキシル官能化、またはスルホン酸官能化モノマーも含んでもよい。官能性モノマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、AMPS、およびその同類のものを含む。
【0035】
エマルジョン樹脂は、架橋または非架橋のいずれでもよい。架橋樹脂は、前架橋または後架橋モノマーを含んでもよい。前架橋モノマーは、ジビニルベンゼン、アリル(メタまたはア)クリレート、ジアリルフタル酸エステル、マレイン酸ジアリル、およびシアヌール酸トリアリル等の2官能基を有するものを含む。後架橋モノマーは、乾燥/硬化で自らと反応するものを含む。後架橋モノマーは、N−メチロール(メタまたはア)クリルアミドおよび/又はN−アルコキシメチル(メタまたはア)アクリルアミド化合物を含む。 具体的に、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールアリルカルバメート、イソブトキシメチルアクリルアミド、n−ブチオキシメチルアクリルアミド、またはそれらの組み合わせが考えられる。
【0036】
例えば、γ−アクリルおよびγ−メタクリルオキシプロピルトリ(アルコキシ)シラン、γ−メタクリロキシメチルトリ(アルコキシ)シラン、γ−メタアシロキシプロピルメチルジ(アルコキシ)シラン、ビニルアルキルジ(アルコキシ)シラン、ビニルトリ(アルコキシ)シラン、およびそれらの組み合わせを含む、シリコンおよび/又はエポキシ化合物も架橋剤として使用されてもよい。エポキシシランは、グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン等と同様に、架橋剤として使用されてもよい。さらに、ポリマーは、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、およびビニルグリシジルエーテル中に存在する可能性があるエポキシ基を有するコモノマーを含んでもよい。他の好適なシリコンおよび/又はエポキシ化合物は、スタークらの米国特許第6,624,243号明細書(欄4を参照)およびムラセらの米国特許出願公開第2004/0077781号明細書に開示されている可能性があり、全体を参照することにより本明細書中に取り込まれる。
【0037】
本発明中で使用されるエマルジョン樹脂は、典型的には室温でフィルムを形成可能であるようなガラス転移点(Tg)を有する。好適なTg値は、40℃未満、および好ましくは25℃未満のものを含んでもよい。さらに、ポリマー組成物は、ポリマーの効果的なフィルム形成温度を低下させる一過性の可塑剤を含んでもよい。好適な一過性の可塑剤は、カーンの米国特許第4,071、645号明細書中に記載され、全体を参照することにより本明細書中に取り込まれる。
【0038】
上記のように、エマルジョンポリマーは、安定剤として界面活性剤および/又は保護コロイドを含んでもよい。界面活性剤は疎水性繊維をぬらす傾向があるので、界面活性剤は下地被膜と合成繊維との接着を多少促進する可能性があると考えられていることから、好ましくは、組成物は界面活性剤を含む。
【0039】
好適な界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、またはカチオン性のいずれでもよい。可能なアニオン性界面活性剤は、脂肪酸石鹸、アルキルカルボン酸、アルキルサーレート(surlates)、アルキルスルホン酸、アルカリ金属アルキルアリールスルホン酸、アルカリ金属アルキルサルフェートおよびスルホン化アルキルエステルを含み;特定の例は、とりわけナトリウムドデシルベンゼンスホネート(sufonate)、ナトリウムジ第2−ブチルナフタレン(naphtalne)スルホン酸、ナトリウムラウリルサルフェート、ジナトリウムドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ジナトリウムn−オクタデシルスルホコハク酸、スルホコハク酸ナトリウムジオクチルを含む。好適な非イオンの界面活性剤の例は、6〜22炭素原子を有する直鎖および分枝鎖アルカノールへの5〜50モルのエチレンオキサイド付加の付加生成物、または高次脂肪酸のアルキルフェノール、または高次脂肪酸アミド、または第1および第2高次アルキルアミン;プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとのブロック共重合体、並びにそれらの混合物である。カチオン性界面活性剤は、アミン、ニトリル、および他の窒素塩基を含む。カチオン性界面活性剤の例は、アルキルトリメチル塩化アンモニウム、ジエイコシルジメチル塩化アンモニウム、ジドコシルジメチル塩化アンモニウム、ジオクタデシルジメチル塩化アンモニウム;ジオクタデシルジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジテトラデシルジメチル塩化アンモニウム、および上記脂肪族の自然発生混合物、例えば、ジ(水素化獣脂)ジメチル塩化アンモニウム;ジ(水素化獣脂)ジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジ獣脂ジメチル塩化アンモニウム、およびジオレイルジメチル塩化アンモニウム等のアルキル第四級アンモニウム塩およびアルキル第四級ホスホニウム塩を含んでもよい。カチオン性改質ポリビニルアルコールおよびカチオン性改質でんぷんも乳化剤として使用されてもよい。
【0040】
保護コロイドが安定剤として使用されてもよい。技術的に使用される保護コロイドは、ポリビニルアルコールポリマー、でんぷん誘導体、およびセルロース誘導体を含む。
本発明中で使用される下地被膜も、鉱物性顔料組成物を含む。本発明中で使用される鉱物性顔料組成物は、乾燥基準で下地被膜中にエマルジョンポリマーの少なくとも約2倍量で、および好ましくは少なくとも約3倍量で存在してもよい。鉱物性顔料の非限定の例は、粘土、炭酸カルシウム、二酸化チタン、アルミナ三水和物、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、タルク、スルホアルミン酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、およびそれらの組み合わせを含む。アルミナ三水和物も鉱物性顔料として使用されてもよく、そして壁紙に耐炎性を与える利点を有する。好ましい態様では、鉱物性顔料組成物は、粘土化合物を含み;好適な粘土化合物は、カオリン、ベントナイト、およびその同類のものを含む。粘土は、焼成、葉片状、水洗浄またはエアーフロート(airfloat)硬質粘土であってもよい。
【0041】
エマルジョン樹脂バインダーおよび鉱物性顔料組成物に加えて、他の添加物が下地被膜中に含まれてもよい。非限定の例は、とりわけ、顔料分散剤、レオロジー改質剤、増粘剤、非粘着剤、滑剤、消泡剤、遊離性アルカリ剤、吸湿剤、および保存料を含む。
【0042】
下地被膜は、合成基材の表面に直接接着され乾燥後に印刷可能層を形成するように、調製され、そして不織織物に適用されるべきである。本発明の下地被膜は、ブレードコーティング、エアーナイフ、棒、ロールコーティング法、カーテンコーティング、フォームコーティング、およびサイズプレスコーティングを含む任意の好適な手段によって合成不織基材に適用してもよい。下地被膜は、被膜が、5〜25質量%の壁紙、好ましくは8〜15%を含むような量で与えられるべきである。上記のように、下地被膜は、一般的に不織織物の光学および印刷特性を改善する働きをする。例えば、より滑らかな表面は印刷のためによりよく、そして本発明中で使用される下地被膜は、不織基材の滑らかさを(5kgの力の硬質裏地を使用するパーカープリント粗さテストによって測定された場合)少なくとも10%、好ましくは20%増加させるのに効果的である。壁紙も、以下の例から明らかであるように、よい光沢、輝度、および黄色度を示す。
【0043】
この点で、本発明の壁紙シートは、印刷および/又はエンボス加工によってパターンまたは図柄を直ちに与えられる。例えば、図4を参照すると、本発明に従って生産された印刷壁紙の見本の写真である。図4中の壁紙は、下地被膜層を含むスパンボンドPET織物を含み、そしてそこに印刷された図柄を有する。種々の印刷および/又はエンボス加工工程が、壁紙の表面にパターンまたは図柄を与えるために使用されてもよい。当技術分野で公知の好適な印刷工程は、グラビア印刷、スクリーン印刷、デジタル印刷、およびその同類のものを含む。さらに、親水性下地被膜の存在により、発明の壁紙は、印刷中の水ベースインクの使用を可能にし、多くの工程で好ましい。トナーもまた本発明の壁紙で使用されてもよい。エンボス加工工程は、織地ロールまたは板を使用して、シートを圧力および/又は熱にさらすことを伴い、織地パターンを基材に与える。印刷方法および/又はエンボス加工壁紙は、フリッシャーの米国特許第5,989,380号明細書およびキルダンらの米国特許第5,950,533号明細書に記載されており、全体を参照することにより本明細書中に取り込まれる。
【0044】
本発明の壁紙は、予ペースト層を任意選択的に含んでもよい。予ペースト層は、壁紙シートの裏側に適用され、そして乾燥された接着剤を含み、壁紙は、予ペースト層をぬらすことによって便利に取り付けられるようになっている。従って、予ペースト層が提供される態様では追加の接着剤適用の必要性は除かれる。
【0045】
追加の層も本発明の壁紙中に含まれても良く;例えば、追加の不織層、ポリマーフィルム層、他の被膜およびその同類のものが含まれてもよい。
望ましくは、壁紙は、50〜300g/mの範囲、および好ましくは100〜200g/mの範囲の坪量を有するように形成される。
さらに本発明の特徴が、以下に示す例で具体的に説明される。
【実施例】
【0046】
本発明の12個の水性下地被膜を、エマルジョン顔料バインダーおよび鉱物性顔料を用いて調製し、そして次にスパンボンドPET基材に適用した。例1〜12で使用されるエマルジョン顔料バインダーの一般的な組成物は、概観を下記表1に示す。個々のエマルジョン顔料バインダーのpHを、アンモニウムで最小の約5〜5.5に調製し、顔料との相溶性を高めた。
【0047】
表1−エマルジョンバインダー組成物
【表1】

エマルジョン顔料バインダーは鉱物顔料組成物と化合して、下地被膜を生成する。(乾燥重量基準の)例1〜12の水性下地被膜の組成の概要を下記表2に示す。
【0048】
表2−下地被膜組成物
【表2】

上記の下地被膜組成物では、%固形、ブルックフィールド(Brookfield)粘度、および被膜pHを測定し;結果を下記表3に示す。
【0049】
表3−被膜性質
【表3】

【0050】
ワイヤーを巻いた棒を使用してPETスパンボンドストックの最も滑らかな側にコーティングして織物サンプルを調製し、ターゲットの被膜重量を約15〜20gsmの範囲にした。スパンボンドPET基材は、約130gsmの坪量を有した。コートされたPET基材では、光沢、輝度、輝度安定性、黄色度、印刷適性、洗浄可能性(scrubbability)、不透明性、インク非浸透性、インク受容性、およびある場合には耐炎性を測定した。比較のために、なんら下地被膜のないスパンボンドPET繊維の織物を参照("C")としてテストした。
テスト手順の簡単な記載は以下のようである。
【0051】
75°ハンター(Hunter)光沢テストは、基材の表面に75°の入射角度で当たる場合の光の反射を測定する。より高い値は、より高い光沢を示す。
【0052】
TAPPI輝度(時々白色度と呼ばれる)は、457nmの青色光の反射として基材の輝度を規定し、そしてTAPPI法T452om−02に従って測定する。より高い輝度値は、より白色の基材(スケール0〜100、ここで100=完全白色)を示し、壁紙産業中で一般的に好ましい。基材の輝度または白色度は、逆にその黄色度と関係する。
【0053】
輝度安定性テストは、壁紙の色の経時安定性を測定する。これは光堅牢性(light−fastness)またはQUV蛍光テストとも呼ばれる。この実験では、コートされた基材の積層を(太陽光を模擬する)UV光に何日間か暴露する。UV光への暴露で、基材は壁紙用途で望ましくないいくらか基材黄色化する。輝度安定性テストは、経時の黄色化への基材の抵抗性を具体的に示す。
【0054】
"ハンターb値"テストは、基材の白色度を測定するための別の方法である。ここで、より高いb値は、より黄色い色である。正の数が黄色度に関係し、そして負の数が青色度/白色度に関係する。従って、数が低いほど、基材はより白く見える。これらのサンプルはエージング安定性もテストしたことに注意のこと。
【0055】
パーカープリント粗さテスト(パーカープリント滑らかさテストとも呼ばれる)は、基材の表面滑らかさを測定する。パーカープリントテストを、5kg/cmクランプ力(H.5)または10kg/cmクランプ力(H.10)のいずれかを有する硬質裏地を使用して、TAPPI T55m−04に従って測定した。
より高い値が、より粗い表面に対応する粗さの結果をμm単位で報告する。壁紙の印刷に普通に使用されるグラビア印刷工程での基材の印刷適性に不利に影響するため、粗さは一般的に望ましくないと考えられている。
【0056】
ガードナー洗浄可能性テストは、ありふれた洗浄に耐える壁紙の耐久力を測定し、そして下地層のスパンボンド基材への接着指標でもある。洗浄可能性テストは、壁紙分野では公知であり、そして不織基材の見本を毛ブラシ使用して1%石鹸溶液(pH9.6w/NaOH)で洗浄することによって行う。テスト結果は、表面損傷の最初の視覚標識が現れるまでの周期数を示す。好ましくは、壁紙は、少なくとも50、少なくとも100、または150以上までも大きい洗浄可能性テストの値を達成する。
【0057】
不透明テストをTAPPIテスト方法T425om−06に従って測定する。不透明結果を%で報告する。好ましくは本発明の壁紙は、少なくとも約90%の不透明値を示す。
【0058】
K&Nインク非浸透性およびインク受容性テストは印刷適性の尺度であり;"インク受容性"は、基材へのインクの接着を言い、そして"インク非浸透性"は、基材の表面に残留するインク量を言う。プリンターは(基材の表面への良いインク接着のための)インク受容性/吸収性およびインク非浸透性(乾燥後の高い印刷光沢のために望ましい)のバランスを必要とする。K&Nテストは次のように行う:まず、実験技師が、受容した状態の基材の輝度(TAPPI)をテストする。次に、K&Nインク(暗い灰色)の厚い被膜を基材の表面に適用し、そして2分間吸収させる。2分後に、インクをスパチュラで除去し、そして非吸収性織物できれいに拭い、表面にインクによるしみを残す。しみの付いた表面の輝度を再び測定する。インク非浸透性およびインク受容性は次のように計算される:
【0059】
インク非浸透性=(しみのある基材のTAPPI輝度/しみの無い基材のTAPPI輝度)×100
インク受容性=[1−(しみのある基材のTAPPI輝度/しみの無い基材のTAPPI輝度)]×100
【0060】
しみのある表面上のより高い輝度値は、より高いインク非浸透性に相当し、そして逆も同様である。非浸透性および受容性値合計100になる。インク非浸透性がインク受容性より多少高いことが一般的に望ましい。好ましいインク非浸透性:インク受容性比は、1:1〜15:1、そしてさらに好ましくは2:1〜10:1の範囲である。
【0061】
耐炎性テストでは、基材の積層をプロパントーチの炎に暴露し、そして点火までの時間を観察し、延焼および煙の色を記録した。
上記評価の結果を下記表4で具体的に説明する。
【0062】
表4−コートされた織物性質例
【表4】

【0063】
表4−コートされた織物性質例
【表5】

【0064】
表4−コートされた織物性質例
【表6】

【0065】
上記のデータから解るように、本発明の織物は、優れた耐久力および視覚特性を有する合成壁紙を提供する。例えば、不織基材は、受け入れられる輝度および黄色度を備えることが可能であり、経時で比較的安定であり続ける。光沢度も同様に受け入れられ、そして鉱物性顔料のタイプおよび量を選択することによって変化させても良い。さらに、より滑らかな表面、より大きな不透明性、および良好なインク非浸透性/インク受容性比から明らかなように、基材の印刷適性が実質的に改善される。非コート表面より典型的には少なくとも8フォールド(fold)、そしてある場合では15フォールド優れている結果を示すコートされた基材により、基材の洗浄可能性等のほかの性質が、はっきりと改善される。
【0066】
より優れた壁紙を、下地被膜層中で広範のエマルジョンポリマーおよび鉱物性顔料を使用して与えることが可能であることをはっきりと具体的に示す。
【0067】
本発明が幾つかの例に関連して具体的に説明されたが、本発明の精神および範囲内のこれらの例の改変は、当業者に直ちに明らかになるであろう。上記説明、技術分野での関連知識および背景技術および発明の詳細な説明に関連して論じられ関連知識を見ると、これらの開示は全て参照することにより本明細書中に取り込まれ、さらなる説明は不要と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
特許または出願ファイルは、少なくとも1つのカラーの図を含む。カラー図を有するこの特許または特許出願公開のコピーは、請求し必要な費用を支払えば、庁から与えられるであろう。
本発明は、下記の以下の図を参照して詳細に記載される:
【図1】図1は、本発明に従い調製した壁紙シートの断面の説明図である;
【図2】図2は、下地被膜層を有さないポリエチレンテレフタレート繊維のスパンボンド織物の写真であり、2つのコインが基材の裏側におかれ、織物を通して見えることが解り;
【図3】図3は、下地被膜層を備えたポリエチレンテレフタレート繊維のスパンボンド織物の写真であり、基材の裏側におかれた2つのコインがはっきりと見えることが解り;そして、
【図4】図4は、図柄印刷された本発明に従って製造された壁紙の見本の写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む壁紙シート:
a)表側および裏側を有する不織基材であって、該不織基材が、少なくとも50質量%合成ポリマー繊維を含み;
b)不織基材の表側に適用されて且つ直接表側に接着されている下地被膜層であって、該下地被膜が
i)エマルジョンポリマー顔料バインダー;および
ii)鉱物性顔料組成物
を含む、並びに
c)下地被膜層上に適用された印刷。
【請求項2】
該不織基材が、少なくとも75質量%の合成繊維を含む請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項3】
該不織基材が、少なくとも95質量%の合成繊維を含む請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項4】
該不織基材が、ポリエステル繊維を含む請求項3に記載の壁紙シート。
【請求項5】
該ポリエステル繊維が、ポリエチレンテレフタレート繊維を含む請求項4に記載の壁紙シート。
【請求項6】
該不織基材が、含侵バインダー樹脂を実質的に含まない請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項7】
該下地被膜が、乾燥量基準で5〜50質量%のエマルジョンポリマー、および50〜95質量%の鉱物性顔料組成物を含む、請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項8】
該下地被膜が、乾燥量基準で15〜35質量%のエマルジョンポリマー、および65〜85重量%の鉱物性顔料組成物を含む請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項9】
該鉱物性顔料組成物が、粘土、炭酸カルシウム、二酸化チタン、アルミナ三水和物、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、タルク、スルホアルミン酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項10】
該鉱物性顔料組成物が、粘土を含む請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項11】
該粘土が、焼成粘土、葉片状粘土、またはそれらの組み合わせを含む請求項12に記載の壁紙シート。
【請求項12】
該エマルジョンポリマーが、アクリルポリマー、ビニルエステルポリマー、アクリルアミドポリマー、スチレン性ポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項13】
該エマルジョンポリマーが、ビニルアセテートエチレン共重合体を含む請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項14】
該エマルジョンポリマーが、界面活性剤を含む請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項15】
該エマルジョンポリマーが、40℃未満のガラス転移点を有する請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項16】
該エマルジョンポリマーが、25℃未満のガラス転移点を有する請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項17】
該下地被膜が、壁紙シートの5〜20重量%を構成する請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項18】
該下地被膜が、壁紙シートの8〜15重量%を構成する請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項19】
硬質裏地と5kgのクランプ力を使用するパーカープリント粗さテストに従って測定された場合、不織基材が少なくとも約10%粗さの減少を示す様に、該下地被膜を適用する請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項20】
硬質裏地と5kgのクランプ力使用するパーカープリント粗さテストに従って測定された場合、不織基材が少なくとも約20%粗さの減少を示す様に、該下地被膜を適用する請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項21】
該パターンが水ベースのインクおよび/又はトナーで印刷される請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項22】
該不織基材が、スパンボンド式不織布である請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項23】
該不織基材が、50〜300g/mの範囲内の坪量を有する請求項1に記載の壁紙シート。
【請求項24】
以下を含む壁紙シート:
a)該不織基材が、少なくとも75質量%の合成ポリマー繊維を含み、表側および裏側を有する不織基材;
b)該不織基材の表側へ適用され且つ表側へ直接的に接着された下地被膜層であって、該下地被膜が以下を含む
i)エマルジョンポリマー顔料バインダー;および
ii)鉱物性顔料組成物
c)該下地被膜層の上に与えられた図柄、および
d)任意選択的に、該不織基材の裏側に適用された予ペースト層、
ここで該壁紙シートが実質的に不透明であるように、該組成物、および該下地被膜層の厚さがコントロールされている。
【請求項25】
該図柄が、エンボスされている請求項24に記載の壁紙シート。
【請求項26】
以下を含む壁紙シート:
a)ポリエステル繊維を含むスパンボンド式不織基材;および
b)該不織基材の少なくとも片側に適用された下地被膜層であって、該下地被膜が以下を含む
i)エマルジョンポリマー顔料バインダー;および
ii)隠蔽鉱物性顔料組成物
ただし該不織基材は実質的に含侵バインダーを含まない。
【請求項27】
該壁紙シートが、K&Nテストで測定して、インク非浸透性:受容性比で1:1〜15:1の範囲を示す請求項26に記載の壁紙シート。
【請求項28】
該壁紙シートが、K&Nテストで測定して、インク非浸透性:受容性比で2:1〜10:1の範囲を示す請求項26に記載の壁紙シート。
【請求項29】
以下を含む壁紙シート:
a)表側および裏側を有する不織基材、ここで該不織基材が、少なくとも75質量%のポリエチレンテレフタレート繊維を含む;
b)該不織基材の表側に適用される下地被膜層が
i)ビニルアセテートエチレンエマルジョン共重合体;および
ii)鉱物性顔料組成物
並びに、
c)該下地被膜層の上に適用される印刷。
【請求項30】
下記の工程を含む壁紙シートを製造する方法:
a)合成繊維の少なくとも50質量%を構成する不織基材を形成すること;
b)該不織基材の少なくとも片側に水性下地被膜組成物を適用すること、ここで該被膜組成物が以下を含む
i)エマルジョンポリマーバインダー、および
ii)鉱物性顔料組成物、
c)該コートされた不織基材を乾かすこと;
並びに
d)該不織基材のコートされた表面上に図柄を印刷すること。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−332527(P2007−332527A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−153261(P2007−153261)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(500270974)セラニーズ・インターナショナル・コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】