説明

水性分散体、それを用いた水性接着剤、その接着剤を用いた積層体

【課題】熱可塑性樹脂基材と異種基材との貼り合わせの際に良好な密着性を示し、さらにヒートシール性にも優れた塗膜を形成することが可能な、水性分散体を提供する。
【解決手段】水性分散体であって、水性媒体中に、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部と、ポリウレタン樹脂10〜60質量部と、ポリエステル樹脂5〜40質量部とを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性分散体、それを用いた水性接着剤、その接着剤を用いた積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
食品包装や梱包包装などの分野において、各種プラスチックフィルムが使用されている。特に、機能性を高めるため複数種のフィルムを接着剤などによりラミネートしたラミネートフィルムが多用されている。これらのフィルムの接着剤としては、通常、有機溶剤を用いたラテックス型のSBR系接着剤や、アクリル樹脂系接着剤などが使用されている。しかし、作業環境あるいは大気汚染などの環境面の問題や、火災の危険性や、作業時の曝露や、貯蔵時の安全性等の問題を有している。
【0003】
上記の問題を解決することを目的として、熱可塑性樹脂基材と異種基材との貼り合わせをするために、水性分散体からなる接着剤が用いられている。なかでも、様々な熱可塑性樹脂フィルムへの接着性、ヒートシール性が良好な水性分散体として、特許文献1にはポリオレフィン樹脂からなる水性分散体、特許文献2にはポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂からなる水性分散体、特許文献3にはポリオレフィン樹脂とウレタン樹脂からなる水性分散体、特許文献4にはポリウレタン樹脂水性分散体にポリイソシアネートを混合させた水性分散体が、それぞれ開示されている。
【特許文献1】特開2003−103734号公報
【特許文献2】特開2003−327756号公報
【特許文献3】特開2004−148729号公報
【特許文献4】特開2005−076013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ポリウレタン樹脂水性分散体の接着性では、ポリウレタン樹脂基材と異種基材との貼り合わせの際の接着性については、改善の余地がある。
本発明は、上記のような問題に対して、種々の熱可塑性樹脂基材との密着性、特にポリウレタン樹脂基材と異種基材との貼り合わせの際に良好な密着性を示し、さらにヒートシール性にも優れた塗膜を形成することが可能な、水性分散体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、水性分散体を、酸変性ポリオレフィン樹脂とポリウレタン樹脂とポリエステル樹脂とを特定の割合で含有したものとすることで、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
【0006】
(1)水性媒体中に、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部と、ポリウレタン樹脂10〜60質量部と、ポリエステル樹脂5〜40質量部とを含有することを特徴とする水性分散体。
【0007】
(2)上記(1)の水性分散体を用いたものであることを特徴とする水性接着剤。
【0008】
(3)上記(1)の水性分散体から得られるものであることを特徴とするコーティング材。
【0009】
(4)上記(3)のコーティング材にて形成された塗膜を基材上に設けたものであることを特徴とする積層体。
【0010】
(5)第1の基材と第2の基材とを、上記(3)のコーティング材にて形成された塗膜を介して積層したものであることを特徴とする積層体。
【0011】
(6)第1の熱可塑性樹脂基材と、上記(2)の水性接着剤から水性媒体を除去してなる接着剤層と、第2の熱可塑性樹脂基材とをこの順に積層したものであることを特徴とする積層体。
【0012】
(7)一方の熱可塑性樹脂基材がポリウレタン樹脂基材であることを特徴とする上記(6)の積層体。
【0013】
(8)ポリエチレンテレフタレート樹脂基材と、上記(2)の水性接着剤から水性媒体を除去してなる接着剤層と、ポリウレタン樹脂基材とをこの順に積層したものであることを特徴とする積層体。
【0014】
(9)熱可塑性樹脂基材にて開口容器を構成し; この開口容器の開口部をポリウレタン樹脂フィルムにて覆うとともに、前記開口容器とポリウレタン樹脂フィルムとを、上記(2)の水性接着剤から水性媒体を除去してなる接着剤層によって互いに接着して、容器半体を構成し; 一対の容器半体のポリウレタン樹脂フィルムどうしを向かい合わせて、これら容器半体どうしを一体化させることで、ポリウレタン樹脂フィルムどうしの間に商品を介在させたときに、これらポリウレタン樹脂フィルムを弾性変形させてこれらポリウレタン樹脂フィルムどうしの間に前記商品を挟み込んで保持可能であるとともに、前記商品を一対の開口容器どうしの内部に収容可能であるようにしたことを特徴とする商品包装容器。
【発明の効果】
【0015】
本発明の水性分散体は、水系であるため安全で環境への負荷も小さい。さらに、酸変性ポリオレフィン樹脂とポリウレタン樹脂とポリエステル樹脂とを特定の割合で水性媒体中に含有したものであるため、ポリウレタン樹脂基材と、ポリオレフィン樹脂に代表される様々な熱可塑性樹脂基材や、ポリエステル樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂に代表される他の様々な熱可塑性樹脂基材との貼り合わせ、すなわち、ポリウレタン樹脂基材と、ポリウレタン樹脂基材との接着性が困難な熱可塑性樹脂基材とを貼り合わせるときの貼り合わせ性に優れた接着剤とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性分散体は、酸変性ポリオレフィン樹脂と、ポリウレタン樹脂と、ポリエステル樹脂とを特定の配合割合で水性媒体中に含有するものである。このような組み合わせによって、熱可塑性樹脂基材と異種基材との密着性、ヒートシール性などの性能を向上可能である。
【0017】
まず、酸変性ポリオレフィン樹脂について説明する。
本発明の水性分散体においては、酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることで、種々の熱可塑性樹脂との密着性、ヒートシール性を向上させることができる。なかでも、ポリオレフィン樹脂基材への密着性、ヒートシール性が特に良好になる。水性分散体が酸変性ポリオレフィン樹脂を含まないと、このような特性を得ることができなくなる。
【0018】
本発明の水性分散体においては、ポリオレフィン樹脂は、酸変性されたものであることが必要である。その理由は、酸変性することで水性媒体中に安定に分散することができるためである。酸変性されていない一般のポリオレフィン樹脂を用いると、水性媒体に樹脂が十分に分散せず、水性分散体が得られないことになる。
【0019】
酸変性ポリオレフィン樹脂を構成するポリオレフィン樹脂は、塗膜と基材との密着性の点から、不飽和カルボン酸成分を0.1〜25質量%含有していることが好ましい。この含有割合は、0.5〜15質量%であることがより好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましく、1〜5質量%であることが特に好ましい。不飽和カルボン酸成分は、不飽和カルボン酸やその無水物により導入されるものであり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸成分は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよい。その形態は限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
【0020】
ポリオレフィン樹脂のオレフィン成分としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。オレフィン成分の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。オレフィン成分の含有量が50質量%未満では、基材密着性等の、ポリオレフィン樹脂由来の特性が失われてしまう。
【0021】
ポリオレフィン樹脂中には、熱可塑性樹脂基材との密着性、特にポリプロピレン等のポリオレフィン基材との密着性を向上させる点から、(メタ)アクリル酸エステル成分を含有していることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分の含有率は、0.5〜40質量%であることが好ましく、様々な熱可塑性樹脂フィルム基材との良好な接着性を持たせるために、この範囲は1〜35質量%であることがより好ましく、3〜30質量%であることがさらに好ましく、5〜25質量%であることが特に好ましく、10〜25質量%であることが最も好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分の比率が0.5質量%未満では、基材フィルムとの接着性が低下する恐れがある。一方、(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量が40質量%を超えると、オレフィン由来の樹脂の性質が失われ、かえって基材との密着性が低下する恐れがある。
【0022】
(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられる。中でも、入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、基材フィルムとの接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルが好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜」または「メタクリル酸〜」を意味する。
【0023】
ポリオレフィン樹脂には、上記成分以外の他の成分を、樹脂全体の10質量%以下程度、含有していてもよい。そのための他の成分としては、1−オクテン、ノルボルネン類等の炭素数6を超えるアルケン類やジエン類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類;ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール;2−ヒドロキシエチルアクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリル;スチレン;置換スチレン:一酸化炭素;二酸化硫黄などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。さらに、ポリオレフィン樹脂は5〜40質量%の範囲で塩素化されていてもよい。
【0024】
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、たとえば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−無水マレイン酸共重合体、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン、酸変性エチレン−プロピレン樹脂、酸変性エチレン−ブテン樹脂、酸変性プロピレン−ブテン樹脂、酸変性エチレン−プロピレン−ブテン樹脂、あるいはこれらの酸変性樹脂にさらにアクリル酸エステル等でアクリル変性したもの等が挙げられる。なお、酸変性とは、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸によって変性(具体的には、グラフト変性)することをいう。
【0025】
酸変性ポリオレフィン樹脂は、分子量の目安となる、温度190℃、荷重20.2N(2160g)におけるメルトフローレートが、通常0.01〜5000g/10分、好ましくは0.1〜1000g/10分、より好ましくは1〜500g/10分、さらに好ましくは2〜300g/10分、特に好ましくは2〜200g/10分のものを用いることができる。酸変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、基材との密着性が低下する。一方、酸変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが5000g/10分を超えると、塗膜は硬くてもろくなり、接着性や基材フィルムとの密着性が低下してしまう。
【0026】
本発明の水性分散体を得るのに適した水系のポリオレフィン樹脂としては、市販のものを使用することができる。たとえば、日本製紙ケミカル社製の商品名:スーパークロンシリーズ(品番:E−723、E−503など)、ユニチカ社製の商品名:アローベースシリーズ(品番:SB−1200、SE−1200など)、三井化学社製の商品名:ケミパールシリーズ(品番:S−300、S−100など)等が挙げられる。
【0027】
次に、ポリウレタン樹脂について説明する。
本発明の水性分散体は、ポリウレタン樹脂を配合することで、ポリウレタン樹脂基材との密着性、ヒートシール性を向上させることができる。ポリウレタン樹脂を配合しないと、このような特性を得ることができなくなる。
【0028】
ポリウレタン樹脂は、主鎖中にウレタン結合を含有する高分子であり、例えばポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応で得られるものである。
本発明において、ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分としては、特に限定されず、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの低分子量グリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの低分子量ポリオール類、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド単位を有するポリオール化合物、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類などの高分子量ジオール類、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類、ダイマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマージオール等が挙げられる。
【0029】
また、ポリイソシアネート成分としては、芳香族、脂肪族および脂環族の公知のジイソシアネート類の1種または2種以上の混合物を用いることができる。ジイソシアネート類の具体例としては、トリレンジジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメチルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート、およびこれらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。また、ジイソシアネート類には、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソシアネート類を用いてもよい。
【0030】
本発明の水性分散体を得るのに適した水系のポリウレタン樹脂としては、市販のものを使用することができる。このような市販の水系のポリウレタン樹脂としては、三井武田社製の商品名:タケラックシリーズ(品番:W−615、W−6010、W−511など)、旭電化工業社製の商品名:アデカボンタイターシリーズ(品番:HUX−232、HUX−320、HUX−380、HUX−401など)、第一工業製薬社製の商品名:スーパーフレックスシリーズ(品番:500、550、610、650など)、大日本インキ化学工業社製の商品名:ハイドランシリーズ(品番:HW−311、HW−350、HW−150など)等が挙げられる。
【0031】
ポリウレタン樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂を100質量部として、10〜60質量部とする必要があり、密着性と接着性との点から、10〜50質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることがより好ましく、10〜30質量部であることがさらに好ましく、10〜20質量であることが特に好ましい。ポリウレタン樹脂の含有量が10質量部未満の場合には、ポリウレタン基材との密着性、接着性の向上の効果が小さく、60質量部を超える場合には、異種基材との接着性が低下する傾向がある。
【0032】
次に、ポリエステル樹脂について説明する。
本発明の水性分散体は、ポリエステル樹脂を配合することで、ポリエステル樹脂基材、ポリ塩化ビニル樹脂基材との密着性、ヒートシール性を向上させることができる。ポリエステル樹脂を配合しないと、このような特性を得ることができなくなる。
【0033】
ポリエステル樹脂は、酸成分とアルコール成分から構成されるものである。なお、重合法については特に限定されず、常法により適宜重合すればよい。
ポリエステル樹脂の酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸及びその無水物等を例示できる。また、酸成分として、3官能以上の多塩基酸、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が含まれていてもよい。
【0034】
ポリエステル樹脂のアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、1,3‐プロパンジオール、1,4‐ブタンジオール、1,5‐ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6‐ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。また、アルコール成分としては、3官能以上の多価アルコール、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が含まれていてもよい。
【0035】
ポリエステル樹脂には、必要に応じて、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸やそのエステル形成性誘導体;安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸等の高沸点のモノカルボン酸;ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等の高沸点のモノアルコール;ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸等が共重合されていてもよい。
【0036】
本発明の水性分散体を得るのに適した水系のポリエステル樹脂としては、市販のものを使用することができる。このような市販の水系のポリエステル樹脂としては、東洋紡社製の商品名:バイロナール(品番:MD−1400、MD−1480など)、ユニチカ社製の商品名:エリーテルシリーズ(品番:KT-8904、KZA-0134など)等が挙げられる。
【0037】
ポリエステル樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂を100質量部として、5〜40質量部とする必要があり、密着性と接着性との点から、10〜40質量部であることが好ましく、10〜35質量部であることがより好ましく、10〜30質量部であることがさらに好ましく、10〜20質量であることが特に好ましい。ポリエステル樹脂の含有量が5質量部未満の場合には、異種基材との密着性、接着性の向上の効果が小さく、40質量部を超える場合には、ポリウレタン基材との密着性、接着性が低下する傾向にある。
【0038】
本発明の水性分散体中には、水以外に親水性の有機溶剤が含まれていても差し支えない。このような有機溶剤として、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類;イソプロパノ−ル、ノルマルプロパノール、ブタノ−ル、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体;水溶性のアミン類などが挙げられる。中でも、イソプロパノール、ノルマルプロパノールが好ましい。また、これらの有機溶剤が水性分散体全量に占める量は50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
【0039】
本発明の水性分散体の製造方法としては、酸変性ポリオレフィン樹脂とポリウレタン樹脂とポリエステル樹脂とが水性媒体中に均一に混合されて、それらを分散させる方法であれば、特に限定されるものではない。たとえば、それぞれ予め調製された酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体とポリウレタン樹脂の水性分散体とポリエステル樹脂の水性分散体とを混合したり、さらに必要に応じて水または親水性溶媒などを添加する方法が挙げられる。また、酸変性ポリオレフィン樹脂とポリウレタン樹脂とポリエステル樹脂との原料樹脂を混合し、水や溶媒と共に撹拌・加熱を行って水性分散体を得る方法が挙げられる。これらの方法によれば、所望の成分比の水性分散体を簡単に調製することができる。
【0040】
本発明の水性分散体における樹脂含有率は、この水性分散体を用いたときの成膜条件、目的とする樹脂塗膜の厚さやその性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではない。しかし、コーティング組成物の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、5〜45質量%であることが特に好ましい。
【0041】
本発明の水性分散体は、そのままで、水性接着剤あるいはコーティング材として用いることができる。
【0042】
本発明の水性分散体は、熱可塑性樹脂基材に塗布後、水性媒体を除去することで、熱可塑性樹脂基材上に良好な接着剤層あるいは塗膜を形成させることができる。また、形成された接着剤層はヒートシール性に優れているため、その接着剤層上にさらに別の基材を加熱圧着することにより、積層体を得ることができる。積層化させる相手の基材としては、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、紙、合成紙、木材、織布、編布、不織布、金属などが挙げられる。特に、ポリウレタン樹脂フィルムとポリオレフィン樹脂フィルムとの積層、ポリウレタン樹脂フィルムとポリエステル樹脂フィルムとの積層、ポリウレタン樹脂フィルムと金属との積層などに好適である。
【0043】
たとえば本発明によれば、ポリエチレンテレフタレート樹脂基材と、水性接着剤から水性媒体を除去してなる接着剤層と、ポリウレタン樹脂基材とをこの順に積層した積層体を形成することができる。このような積層体は、後述の商品包装容器に好適に使用することができる。
【0044】
ここにいうポリウレタン樹脂フィルムとは、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート化合物や、ポリプトピレングリコール、テトラメチレングリコール等のポリエーテルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール及びジプロピレングリコール等のポリオール化合物と、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸とを反応させて形成される、シート状ポリウレタンまたはフィルム状ポリウレタンのことをいう。本発明においては、一般にポリウレタンシートあるいはポリウレタンフィルムとして市販されているものを使用することができる。例えば、バイエルン社製のポリウレタンフィルムを挙げることができる。
【0045】
本発明の水性分散体を用いて形成される樹脂塗膜の厚さは、その用途によって適宜選択されるものであるが、0.01〜30μmであることが好ましく、0.02〜10μmであることがより好ましく、0.03〜9μmであることがさらに好ましく、0.05〜8μmであることが特に好ましい。樹脂塗膜の厚さが0.01μm未満では、ヒートシール性が悪化する。なお、本発明の水性分散体は、数μm以下の厚さでヒートシール性を含めた各種の優れた性能を発現するため、格別の理由がなければ10μmを超えて塗装する必要はない。なお、樹脂塗膜の厚さを調節するためには、コーティングに用いる装置やその使用条件を適宜選択することに加えて、目的とする樹脂塗膜の厚さに適した濃度の水性分散体を使用することが好ましい。
【0046】
本発明の水性分散体を基材に塗工する方法は、特に限定されるものではないが、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等が採用できる。水性分散体の塗布量は、基材によって適宜決定すればよい。
【0047】
本発明の水性分散体の塗布後の乾燥温度は、特に限定されず、基材の耐熱温度等によって適宜決定すればよい。通常、50〜150℃であればよく、60〜100℃であることがより好ましく、70〜90℃であることがさらに好ましい。乾燥温度が50℃未満の場合は、水性媒体を十分に揮発させることが困難となりやすく、あるいは揮発させるのに時間を要するため、良好な接着性能を発現させにくくなる。一方、乾燥温度が150℃を超えると、接着性能が低下してしまう傾向がある。
【0048】
本発明の水性分散体を用いて、次のような商品包装容器を作製することができる。一例を説明すると、まず熱可塑性樹脂基材として厚さ50〜1000μmたとえば600μmのポリエチレンテレフタレート製のシートを準備し、このシートに成形加工を施して、箱形の開口容器を製造する。開口容器の開口縁の外周には、つば部を一体に形成しておく。次に、厚さ10〜100μmたとえば50μmのポリウレタン樹脂フィルムを準備し、このポリウレタン樹脂フィルムによって、上記した開口容器を覆う。そして、このとき、ポリウレタン樹脂フィルムと、開口容器の開口縁の外周のつば部とを、本発明の水性分散体を用いた接着剤層によって熱接着する。水性分散体は、あらかじめ必要箇所に塗布したうえで、乾燥させて水性媒体を除去しておく。接着剤層の厚さは、0.01〜30μmたとえば5μmとすることが適当である。
【0049】
以上によって、ポリエチレンテレフタレート製の開口容器の開口部がポリウレタン樹脂フィルムにて覆われた容器半体が構成される。そこで、一対の容器半体を準備し、これら容器半体のポリウレタン樹脂フィルムどうしを向かいあわせて、これらポリウレタン樹脂フィルムどうしの間に商品を介在させる。この状態で一対の容器半体のつば部どうしを重ね合わせて、これら容器半体どうしを一体化させる。
【0050】
すると、一対のポリウレタン樹脂フィルムどうしの間に商品が挟み込まれ、ポリウレタン樹脂フィルムが商品の形に対応して弾性変形し、これによって商品はポリウレタン樹脂フィルムどうしの間に保持される。また、その状態で、商品は、互いに一体化された一対の開口容器の内部に収容されることになる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、下記の実施例、比較例における各種の特性については、以下の方法によって測定または評価した。
【0052】
1.水性分散体の特性
(1)水性分散体の平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計、型式:UPA150(MODEL No.9340、動的光散乱法)を用い、数平均粒子径および重量平均粒子径を求めた。ここで、粒子径算出に用いる樹脂の屈折率は1.50とした。
【0053】
2.塗膜の特性
以下の評価においては、熱可塑性樹脂フィルムとして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ユニチカ社製、商品名:エンブレットPET12、厚み12μm)、塩化ビニル(PVC)フィルム(tatsuta製、商品名:ドラゴンズベルファンFE−33PHP、厚み200μm)、延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(東セロ社製、厚み20μm)を用いた。
【0054】
(1)密着性評価:テープ剥離試験
各種熱可塑性樹脂フィルム(PETフィルム、PPフィルム、PVCフィルム)のコロナ処理面に、各実施例・比較例の水性分散体を、乾燥後の塗膜厚が2μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、60℃で1分間乾燥させた。得られたコートフィルムは、室温で1日放置した後に、評価に供した。すなわち、コート面にセロハンテープ(ニチバン社製、品番:TF−12)を貼り付け、そのテープを一気に剥がしたときの剥がれの程度を、目視により下記のように評価した。
【0055】
○:全く剥がれなし
△:一部、剥がれた
×:全て剥がれた
【0056】
(2)ポリウレタン基材とのヒートシール性の評価方法
各種熱可塑性樹脂フィルム(PETフィルム、PPフィルム、PVCフィルム)のコロナ処理面に、各実施例・比較例の水性分散体を、乾燥後の塗膜厚が2μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、90℃で90秒間、乾燥させた。得られた積層体フィルムの塗膜と、厚み50μmのポリウレタン基材とが接するようにして、ヒートプレス機(条件:温度120℃、シール圧0.3MPaで1秒間)でプレスした。このサンプルを15mm幅で切り出し、1日放置した後、引張試験機(インテスコ社製、インテスコ精密万能材料試験機2020型)を用い、引張速度200mm/分、引張角度180度で、塗膜の剥離強度を測定した。その測定結果によって、ヒートシール強度を評価した。
【0057】
[原料]
(酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体:S)
市販の、ユニチカ社製、商品名:アローベースSE−1200(酸変性共重合ポリエチレンの固形分濃度20質量%、イソプロピルアルコール20質量%、水分60質量%)を使用した。
【0058】
(ポリウレタン樹脂水性分散体:U)
市販の、三井武田ケミカル製、商品名:タケラックW−6010(固形分濃度30質量%、水分70質量%)を使用した。
【0059】
(ポリエステル樹脂水性分散体:E)
市販の、ユニチカ社製、商品名:エリーテルKT−8803(固形分濃度30質量%、水分70質量%)を使用した。
【0060】
実施例1
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体:Sと、ポリウレタン樹脂水性分散体:Uと、ポリエステル樹脂水性分散体:Eとを、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、ポリウレタン樹脂が10質量部、ポリエステル樹脂が5質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで混合、撹拌して、水性分散体J−1を得た。この水性分散体J−1は、水/イソプロピルアルコール=80/20(質量比)の水性媒体中に、樹脂含有率が24質量%となるように均一に樹脂が分散されたものであった。これを用いた塗膜の性能評価結果を表1示す。
【0061】
実施例2〜9
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体:Sと、ポリウレタン樹脂水性分散体Uと、ポリエステル樹脂水性分散体Eとの樹脂成分の混合比を、表1に示すように変えた。そして、それ以外は実施例1と同様の操作を行って、実施例2〜9の水性分散体J−2〜J−9を得た。各水性分散体を用いた塗膜の性能評価結果を表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
比較例1
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体:Sのみを単独で使用した。そして、それ以外は実施例1と同様の操作を行って、比較例1の水性分散体H−1を得た。これを用いた塗膜の性能評価結果を表2に示す。
【0064】
比較例2
ポリウレタン樹脂水性分散体:Uのみを単独で使用した。そして、それ以外は実施例1と同様の操作を行って、比較例2の水性分散体H−2を得た。これを用いた塗膜の性能評価結果を表2に示す。
【0065】
比較例3
ポリエステル樹脂水性分散体:Eのみを単独で使用した。そして、それ以外は実施例1と同様の操作を行って、比較例3の水性分散体H−3を得た。これを用いた塗膜の性能評価結果を表2に示す。
【0066】
比較例4
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体:Sおよびポリウレタン樹脂水性分散体:Uのみを用い、ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリウレタン樹脂が25質量部になるように、実施例1と同様に混合・撹拌して、比較例4の水性分散体H−4を得た。これを用いた塗膜の性能評価結果を表2に示す。
【0067】
比較例5
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体:Sおよびポリエステル樹脂水性分散体:Eのみを用い、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリエステル樹脂が5質量部になるように、実施例1と同様に混合・撹拌して、比較例5の水性分散体H−5を得た。これを用いた塗膜の性能評価結果を表2に示す。
【0068】
比較例6〜9
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体:Sと、ポリウレタン樹脂水性分散体:Uと、ポリエステル樹脂水性分散体:Eとの樹脂成分の混合比を、表2に示すように変えた。そして、それ以外は実施例1と同様の操作を行って、比較例6〜9の水性分散体H−6〜H−9を得た。これを用いた塗膜の性能評価結果を表2に示す。
【0069】
【表2】

【0070】
実施例1〜9の水性分散体J−1〜J−9では、基材フィルムの種類に関わらず、十分なヒートシール強度を示し、ヒートシール性に優れていた。密着性にも優れていた。
【0071】
これに対して、比較例1〜3の水性分散体H−1〜H−3は、単独の水性分散体単独のみで用いたため、異種基材との密着性やヒートシール性が悪化した。比較例4の水性分散体H−4は、ポリエステル樹脂水性分散体:Eを用いていなかったため、ウレタンvsPET、ウレタンvsPVCのヒートシール性が良好でなく、密着性も不良であった。比較例5の水性分散体H−5は、ポリウレタン樹脂水性分散体:Uを用いていなかったため、ウレタンvsPPのヒートシール性が良好でなく、密着性も不良であった。比較例6〜9の水性分散体H−6〜H−9は、酸変性ポリオレフィン樹脂とポリウレタン樹脂とポリエステル樹脂との質量比が本発明の範囲を外れていたため、ヒートシール性が良好でなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性媒体中に、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部と、ポリウレタン樹脂10〜60質量部と、ポリエステル樹脂5〜40質量部とを含有することを特徴とする水性分散体。
【請求項2】
請求項1記載の水性分散体を用いたものであることを特徴とする水性接着剤。
【請求項3】
請求項1記載の水性分散体から得られるものであることを特徴とするコーティング材。
【請求項4】
請求項3記載のコーティング材にて形成された塗膜を基材上に設けたものであることを特徴とする積層体。
【請求項5】
第1の基材と第2の基材とを、請求項3記載のコーティング材にて形成された塗膜を介して積層したものであることを特徴とする積層体。
【請求項6】
第1の熱可塑性樹脂基材と、請求項2記載の水性接着剤から水性媒体を除去してなる接着剤層と、第2の熱可塑性樹脂基材とをこの順に積層したものであることを特徴とする積層体。
【請求項7】
一方の熱可塑性樹脂基材がポリウレタン樹脂基材であることを特徴とする請求項6記載の積層体。
【請求項8】
ポリエチレンテレフタレート樹脂基材と、請求項2記載の水性接着剤から水性媒体を除去してなる接着剤層と、ポリウレタン樹脂基材とをこの順に積層したものであることを特徴とする積層体。
【請求項9】
熱可塑性樹脂基材にて開口容器を構成し、
この開口容器の開口部をポリウレタン樹脂フィルムにて覆うとともに、前記開口容器とポリウレタン樹脂フィルムとを、請求項2記載の水性接着剤から水性媒体を除去してなる接着剤層によって互いに接着して、容器半体を構成し、
一対の容器半体のポリウレタン樹脂フィルムどうしを向かい合わせて、これら容器半体どうしを一体化させることで、ポリウレタン樹脂フィルムどうしの間に商品を介在させたときに、これらポリウレタン樹脂フィルムを弾性変形させてこれらポリウレタン樹脂フィルムどうしの間に前記商品を挟み込んで保持可能であるとともに、前記商品を一対の開口容器どうしの内部に収容可能であるようにしたことを特徴とする商品包装容器。

【公開番号】特開2008−88332(P2008−88332A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272362(P2006−272362)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】