説明

水性分散体

【課題】分散安定性、経時安定性、着色力に優れた水性分散体を提供すること。
【解決手段】酸性カーボンブラック、カチオン系活性剤、下記一般式(I)で示される銅フタロシアニン誘導体、カルバミド類、及び、水性溶剤を含有する水性分散体。
一般式(1)

CuPc−(X−Y)m

(式中、CuPcは、フタロシアニン残基を表す。
Xは、−SO2−、−SO2NH−、−SO2CH2−、−CH2−、−CO−、−CONH−、−COO−、または、−COONH−を表す。
Yは、−(CH2n−N(R1)R2を表す。
1およびR2は、それぞれ独立に、置換または未置換の炭素数1〜4のアルキル基を表す。ここで、R1とR2が一体となって環を形成し、窒素原子を含む複素環となってもよい。
nは0〜3の整数を表わす。
mは1〜4の整数を表わす。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い着色力を有し、経時安定性に優れた水性分散体に関する。さらに詳しくは、高い着色力を有し、経時安定性、筆記特性に優れた水性分散体、特に筆記具用水性分散体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、筆記具としての水性ボールペン、サインペン、プラスチックペン、筆ペン、フェルトペン等に用いられる水性インキには、色素成分として主に水溶性の染料が用いられてきた。しかし、これら染料インキから得られる描線は、耐光性、耐水性等の点で問題が有るという欠点があった。そこで近年、耐光性、耐水性に優れた顔料を色素成分に使用する試みが行われ、それに関する提案も数多く案出され、多くの用途に使用されている。
【0003】
しかしながら、従来の筆記具用水性顔料インキは、水性分散体にゲル化剤を添加した、所謂ゲルインキとして製品化されてきたが、経時で増粘して目詰まりを引き起こし、その結果、ボールペン先端部のボールからインキが吐出できなくなって印字物がかすれる、あるいは、ゲル化剤との相性が悪く、インキが非常に不安定となって凝集し易く筆記できなくなる等の問題があった。そこで、顔料を分散させるための分散剤として各種界面活性剤が使用されているが、未だ十分なものとは言えなかった。
【0004】
特開2000−327984号公報には、カーボンブラックを、界面活性剤、樹脂または顔料誘導体いずれか一つを使用して300nm以下に分散した後、このカーボンブラックを含む分散体を酸化処理することで経時安定性に優れた水性顔料分散体を製造する記載があるが、その用途はインクジェットインキに限定されており、ゲルインキの場合にはゲル化剤との相性があるためその効果は不明である。
【0005】
特開2006−232867号公報には、酸性基を有する分散剤と有機顔料とを分散した易分散性顔料組成物を筆記具用途で用いることで、高濃度で且つ低粘度で安定分散させることができる分散体の製造法の記載がある。有機顔料は、PIGMENT VIOLET 23やPIGMENT BLUE 80に限定しており、カーボンブラックを使用した場合の記載はない。特開2001−172528号公報及び特開2001−172530号公報には、アミノアントラキノンのアミノ基を介してトリアゾン環が結合した骨格を主成分とする塩基性基を有する分散剤、カーボンブラック、アルコール系溶剤に可溶な皮膜形成樹脂を使用して、低粘度で且つ顔料分散性が良好な筆記用又は記録用黒色インキの製造法が記載されているが、分散剤は上記のものに限定されている。
【0006】
また、特開2004−224955号公報及び特開2004−107513号公報には、酸性カーボンブラックの製造法が記載されている。この酸性カーボンブラックの製造法は、酸化剤として過硼酸塩、過炭酸塩、過燐酸塩などを用い、湿式酸化によってカーボンブラック表面にカルボキシル基を化学的に付加させるというものであり、このカーボンブラックを用いた水分散体や水性インキは分散安定性や印字濃度等のインキ性能に優れるとの記載がされているが、この製造法による酸性カーボンブラックは、その製造のために大掛かりな製造設備を必要とし、通常の市販酸性カーボンブラックではその性能は得られない。
【0007】
特開2000−239582号公報には、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステルモノマーから合成される樹脂、アルコール系溶剤、有機顔料からなる分散体が記載されており、低粘度で且つ顔料分散性が良好で、粘度安定性にも優れ、筆記具使用者及びその周囲の人の健康に及ぼす影響が少ない筆記具及びインクジェットインキに関する記載があるが、有機顔料としては、赤色不溶性アゾ顔料(P.R.258)の例示しかない。
【0008】
特開2005−213405号公報には、誘電率が15以上でプロトン性の有機溶剤中、酸の存在下で、塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体をカーボンブラック表面に吸着させ、分散処理するカーボンブラック分散液の製造法の記載がある。しかし、使用される溶剤は有機溶剤系に限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−327984号公報
【特許文献2】特開2006−232867号公報
【特許文献3】特開2001−172528号公報
【特許文献4】特開2001−172530号公報
【特許文献5】特開2004−224955号公報
【特許文献6】特開2004−107513号公報
【特許文献7】特開2000−239582号公報
【特許文献8】特開2005−213405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
酸性カーボンブラックは表面に酸性官能基を有しており、オフセットインキの製造では、通常の中性カーボンブラックより分散が優れているために広く使用されている。水性分散体の製造においても、酸性カーボンブラックとの親和性が高いカチオン系活性剤で分散することで、安定性に優れた水性分散体を製造できることは公知であるが、このような水性分散体を筆記具用に使用する場合、ゲル化剤との相溶性の問題もあり、まだ充分な性能が得られていないのが現状である。また、酸性カーボンブラックを、塩基性基を末端に持つ銅フタロシアニン誘導体を用いて分散することで、高着色力な筆記具用水性分散体を作成することは可能であるが、経時安定性に難があった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、高い着色力を有し、経時安定性、筆記特性に優れた水性分散体、特に筆記具用水性分散体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、酸性カーボンブラック、一般式(I)で示される銅フタロシアニン誘導体、カルバミド類とを含有する水性分散体において、上記の組み合わせが、分散安定性、経時安定性、着色力の点で著しく優れていることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、酸性カーボンブラック、カチオン系活性剤、下記一般式(I)で示される銅フタロシアニン誘導体、カルバミド類、及び、水性溶剤を含有する水性分散体に関する。
【0013】
一般式(1)

CuPc−(X−Y)m

(式中、CuPcは、フタロシアニン残基を表す。
Xは、−SO2−、−SO2NH−、−SO2CH2−、−CH2−、−CO−、−CONH−、−COO−、または、−COONH−を表す。
Yは、−(CH2n−N(R1)R2を表す。
1およびR2は、それぞれ独立に、置換または未置換の炭素数1〜4のアルキル基を表す。ここで、R1とR2が一体となって環を形成し、窒素原子を含む複素環となってもよい。
nは0〜3の整数を表わす。
mは1〜4の整数を表わす。)
【0014】
また、本発明は、さらにゲル化剤を含む上記水性分散体に関する。
【0015】
また、本発明は、カチオン系活性剤が、アルキルアミン塩系、第四級アンモニウム塩系、または、ポリオキシエチレンアルキルアミン系である上記水性分散体に関する。
【0016】
また、本発明は、銅フタロシアニン誘導体の割合が、酸性カーボンブラックに対して0.5〜20重量%である上記水性分散体に関する。
【0017】
また、本発明は、カルバミド類の割合が、酸性カーボンブラックに対して1.0〜50重量%である上記水性分散体に関する。
【0018】
また、本発明は、カルバミド類が、カルバミド、チオカルバミド、または、セミカルバジドである上記水性分散体に関する。
【0019】
また、本発明は、筆記具用途である水性分散体に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、高い着色力を有し、経時安定性と筆記特性に優れた筆記具用水性分散体を得ることができる。そのため、耐光性や耐水性が要求される水性ボールペン、サインペン、プラスチックペン、フェルトペン、万年筆、筆ペン、毛筆、製図用ドローイングペン等のあらゆる筆記具に利用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書では、「筆記具用水性顔料分散体」を「ゲルインキ」と称することがある。
【0022】
(酸性カーボンブラック)
本発明で使用される酸性カーボンブラックは、表面にカルボキシル基(−COOH)、フェノール性水酸基(−OH)、キノン基(>C=O)等の酸性官能基を有し、JIS K6221に準じて測定されるpHが7未満のカーボンブラックであるならば特に限定はされない。
【0023】
水性分散体中の酸性カーボンブラックの最大分散粒径は300nm以下であることが好ましく、これ以上大きいと凝集して沈殿が起こりやすくなり、安定な水性分散体が得られにくくなる。
【0024】
また、本発明の水性分散体中の酸性カーボンブラックの含有量は、0.1〜50重量%が望ましい。カーボンブラックの含有量が、0.1重量%未満だと、印字濃度が不十分となり、着色剤としての機能に欠けてしまう。逆に、酸性カーボンブラックの含有量が、50重量%を超えると水性分散体が凝集して、保存時に沈降が起こりやすくなる。従って、酸性カーボンブラックの含有量は、水性分散体の全重量に対して、1〜15重量%が好ましく、5〜10重量%の範囲がさらに好ましい。
【0025】
(カチオン系活性剤)
本発明で使用されるカチオン系活性剤としては、アルキルアミン塩系、第四級アンモニウム塩系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系などが挙げられる。具体的には、ステアリルアミンアセテート、トリメチルヤシアンモニウムクロライド、トリメチル牛脂アンモニウムクロライド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロライド、メチルオレイルジエタノールクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ラウリルピリジニウムクロライド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムバイサルフェート、アセチルピリジニウムブロマイド、4−アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)−ドデシルブロマイド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンスレアリルアミンなどが挙げられる。
【0026】
水性分散体中のカチオン系活性剤の量は特に限定されないが、酸性カーボンブラックに対して、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは5〜30重量%の範囲が好ましい。
【0027】
(銅フタロシアニン誘導体)
本発明で使用される銅フタロシアニン誘導体は、前記一般式(1)で示される銅フタロシアニン誘導体が挙げられる。
【0028】
一般式(1)において、Xは、−SO2−、−SO2NH−、−SO2CH2−、−CH2−、−CO−、−CONH−、−COO−、または、−COONH−が挙げられるが、−SO2NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、または、−COONH−が好ましい。
【0029】
また、R1およびR2の炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
【0030】
また、これら炭素数1〜4のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、脂肪族ないし芳香族複素環基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基、ベンゾイル基、メルカプト基、アルキルシオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファモイル基等が挙げられる。
【0031】
ここで、R1とR2が一体となって環を形成し、窒素原子を含む複素環となってもよいが、そのようなYの具体例としては、例えば、ピペリジノ基やモルホリノ基で置換された炭素数1〜3のアルキレン基などが挙げられる。
【0032】
また、一般式(1)において、nは0〜3の整数であるが、nは1〜3が好ましく、2〜3がより好ましく、3がさらに好ましい。
【0033】
また、一般式(1)において、mは1〜4の整数であるが、mは1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1がさらに好ましい。
【0034】
水性分散体中の銅フタロシアニン誘導体の量は、特に限定されないが、酸性カーボンブラックに対して、好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%の範囲である。
【0035】
(カルバミド類)
本発明で使用されるカルバミド類としては、カルバミド、チオカルバミド、セミカルバジド、チオセミカルバジドがあげられる。これらカルバミド類を使用することで、分散性や経時安定性の向上に効果があるが、同時に保湿効果も期待できる。これらカルバミド類は、酸性カーボンブラックに対して、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは5〜30重量%の範囲である。
【0036】
(水性溶剤)
本発明で使用される水性溶剤としては、主溶剤である水の他に、各種の水溶性有機溶剤を使用することができる。水溶性有機溶剤は、水性分散体としての種々の品質、例えばペン先の乾燥防止、低温時の凍結防止、酸性カーボンブラックの分散媒等の目的で使用するものである。水溶性有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、テトラリン、グリセリンなどのグリコール類やエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のエーテル類、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンなどがあげられ、これらは1種又は2種以上混合して使用しても良い。
【0037】
これら水性溶剤は、水性分散体中での含有率が低くなると、他の成分の溶解不足や分散不足によって凝集物が発生し易くなり、逆に水性分散体中での含有率が大きくなると、着色力が低くなるといった不具合が発生するので、所望とする着色力や経時安定性等に応じて適宜調整する必要がある。
【0038】
また、本発明の水性分散体には、水性溶剤の浸透性を向上させる目的で、フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤、ノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤や酸化防止剤を添加することもできる。
【0039】
(ゲル化剤)
本発明で使用されるゲル化剤としては、増粘性のある水溶性高分子や無機系増粘剤などを使用する。具体的には、合成系のポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルモノマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、N−ビニルアセトアミド重合架橋物、アクリル樹脂のアルカリ金属塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体、天然系のアラビアガム、トラガカントガム、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、デキストリン、半合成系のメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、及びこれらの誘導体などの水溶性高分子、合成スメクタイト、無機系のベントナイ卜等の水膨潤性粘土鉱物、ベーマイト等の含水酸化物、珪酸アルミニウムマグネシウム等の珪酸塩、無水珪酸等があげられる。
【0040】
また、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルローズ誘導体、デキストリン等の水溶性樹脂もゲル化剤として用いることができる。これら水溶性樹脂は、1種又は2種以上混合して使用することができる。
【0041】
これらのゲル化剤を水性分散体に用いる場合、その含有量が少ないと増粘効果が得られず、含有量が多いと、著しい粘度上昇や凝集等の問題を生じるため、所望とする着色力や経時安定性等に応じて適宜調整する。例えば、筆記具用水性分散体の一つであるボールペンインキ用水性分散体として使用する場合、ボールペンのインキ収容部に充填されたインキがインキ吸蔵体を使用しなくてもボールペン内部より漏れ出さず、分散安定化に寄与する効果がある。
【0042】
(水性分散体の製造方法)
本発明の水性分散体は、まず水性溶媒中に、酸性カーボンブラック、カチオン系活性剤、銅フタロシアニン誘導体、カルバミド類とを分散機で混合分散して水性分散体を製造することができる。使用できる分散機としては、サンドミル、ダイノミル、ホモジナイザー、アトライター、ボールミル、ペイントシェーカー、フルイダイザー、高速ミキサー、超音波分散機等があげられ、ミル媒体としてガラスビーズ、ジルコニアビーズ、ステンレスビーズなどを用いることができる。分散時間は、特に限定されないが、品質面から水性分散体の最大分散粒径が、300nm以下になるまで分散させることが望ましい。分散終了後、粗大粒子を除去するため遠心分離工程を実施してもよい。また、酸性カーボンブラックに未吸着の過剰な成分を限外ろ過等によって除去してもよい。
【0043】
本発明の水性分散体を筆記具用、即ち筆記具用水性分散体(ゲルインキ)として使用する際には、上記水性分散体に、さらに、水、ゲル化剤、必要に応じて水性溶剤、各種添加剤等を加えて製造することができる。筆記具用水性分散体として好適な粘度範囲は、10mPa・s以上、1000mPa・s以下である。粘度が10mPa・s未満では分散安定性が低下し、1000mPa・sを超えると筆感の低下や、筆跡が擦れるといった問題が発生する恐れがある。
【0044】
(pH調整剤)
本発明の水性分散体には、さらにpH調整剤を含んでも良い。pH調整剤は、分散液のpHを制御する目的で使用されるが、必要に応じて酸性、塩基性の各種化合物が使用可能である。
【0045】
(乾燥防止剤)
本発明の水性分散体には、さらに乾燥防止剤を含んでも良い。乾燥防止剤は、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、2−ヘキサンジオール、2、4、6−ヘキサントリオール等の多価アルコール類が好適である。
【0046】
(防腐剤・防カビ剤)
本発明の水性分散体には、さらに防腐剤や防カビ剤を含んでも良い。防腐剤や防カビ剤は、分散液へのカビや細菌の発生による腐敗や吐出不良を低減するために用いられる。具体的には、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩、石炭酸、1 , 2 − ベンズイソチアゾリン− 3 − オンのナトリウム塩、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2 , 3 , 5 , 6 − テトラクロロ−4− ( メチルスルフォニル) ピリジン等が挙げられる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、実施例および比較例中、「部」とは、特に断りの無い限り、「質量部」を意味する。また、実施例および比較例中、「ゲルインキ」とは、本発明の「筆記具用水性分散体」を意味する。
【0048】
本実施例および比較例において、水性分散体およびゲルインキの製造にあたって、下記材料を使用した。
【0049】
<カーボンブラック>
酸性カーボンA:ラーベン14(コロンビアカーボン社製)
酸性カーボンB:三菱カーボン1000(三菱化学社製)
中性カーボンC:ラーベン2300UB(コロンビアカーボン社製)
【0050】
<カチオン系活性剤>
カチオン系界面活性剤E(成分28%): ステアリルアミンアセテート(アルキルアミン塩系)
カチオン系界面活性剤F(成分70%): ジメチルジオレイルアンモニウムクロライド(第四級アンモニウム塩系)
カチオン系界面活性剤G(成分20%):ポリオキシエチレンラウリルアミン(ポリオキシエチレンアルキルアミン系)
【0051】
<銅フタロシアニン誘導体>
顔料誘導体H:CuPc−SO2NH(CH23N(CH2CH32
顔料分散剤K:CuPc−CONH(CH23N(CH32
顔料誘導体J:CuPc−CONH(CH23N(CH2CH2CH32
顔料誘導体O:CuPc−CO(CH22N(CH2CH2CH32
顔料誘導体L:CuPc−COO(CH23N(CH32
顔料誘導体M:CuPc−COONH(CH23N(CH2CH2CH2CH32
顔料誘導体N:CuPc−SO2NH(CH23N(CH25
※CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
【0052】
<カルバミド類>
カルバミド(P):H2N(CO)NH2
セミカルバジド(R):H2N(CO)NHNH2
チオカルバミド(S):H2N(CS)NH2
【0053】
<消泡剤>
SNデフォーマ777(サンノプコ社製)
【0054】
<防腐剤>
レバナックスBX150(昌栄化学社製)
【0055】
<ゲル化溶液(ゲル化剤)>
ゲル化剤溶液W:キサンタンガム5部、アクリル樹脂20部、水75部からなる溶液
ゲル化剤溶液X:デキストリン5部、ポリビニルアルコール、15部、水80部からなる溶液
【0056】
また、水性分散体の平均分散粒径(D50)および最大分散粒径(D99)は、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)で測定した。
【0057】
実施例1
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0部
顔料誘導体H 0.4部
カルバミド(P) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 66.1部
【0058】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0059】
実施例2
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0部
顔料誘導体H 1.0部
カルバミド(P) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 65.5部
【0060】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0061】
実施例3
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0部
顔料誘導体H 2.0部
カルバミド(P) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 64.5部
【0062】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0063】
実施例4
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤F(成分70%) 7.0部
顔料誘導体H 1.0部
セミカルバジド(R) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 65.5部
【0064】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液X 70.0部
【0065】
実施例5
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤G(成分20%) 6.0部
顔料誘導体K 1.0部
チオカルバミド(S) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 66.5部
【0066】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液X 70.0部
【0067】
実施例6
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンB 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0部
顔料誘導体J 1.0部
カルバミド(P) 2.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 68.5部
【0068】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液X 70.0部
【0069】
実施例7
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0部
顔料誘導体H 1.0部
セミカルバミド(R) 8.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 62.5部
【0070】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液X 70.0部
【0071】
実施例8
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0部
顔料誘導体O 1.0部
カルバミド(P) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 65.5部
【0072】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
ゲルインキの作成法
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0073】
実施例9
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0 部
顔料誘導体L 1.0部
カルバミド(P) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 65.5部
【0074】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0075】
実施例10
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0部
顔料誘導体M 1.0部
カルバミド(P) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 65.5部
【0076】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0077】
実施例11
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0部
顔料誘導体N 1.0部
カルバミド(P) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 65.5部
【0078】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0079】
比較例1
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0部
顔料誘導体H 1.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 70.5部
【0080】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0081】
比較例2
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0部
カルバミド(P) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 66.5部
【0082】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0083】
比較例3
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
酸性カーボンA 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0 部
銅フタロシアニン(CuPC) 1.0部
カルバミド(P) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 65.5部
【0084】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0085】
比較例4
下記組成のミルベースを、ビーズミル分散機(ダイノミルKDL型)、メディア:ハイビーD16で充填率80%として1時間循環分散し、水性分散体を得た。得られた水性分散体の最大分散粒径は、測定の結果、300nm以下であった。
<ミルベース組成>
中性カーボンC 20.0部
カチオン系界面活性剤E(成分28%) 7.0 部
顔料誘導体H 1.0部
カルバミド(P) 5.0部
消泡剤 1.0部
防腐剤 0.5部
水 65.5部
【0086】
次いで、得られた水性分散体を下記組成の通り、カーボンブラック含有率が6.0%となるようにディスパーで60℃に保持しながら混合し、ゲルインキを得た。
<ゲルインキ組成>
水性分散体 30.0部
ゲル化剤溶液W 70.0部
【0087】
以下、表1に水性分散体およびゲルインキの評価結果を示す。本発明の水性分散体を用いたゲルインキでは、反射率濃度、経時安定性、筆記性能、いずれも良好であったが、比較例の水性分散体を用いたゲルインキでは、経時安定性、筆記性能、いずれも不良であった。
【0088】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性カーボンブラック、カチオン系活性剤、下記一般式(I)で示される銅フタロシアニン誘導体、カルバミド類、及び、水性溶剤を含有する水性分散体。
一般式(1)

CuPc−(X−Y)m

(式中、CuPcは、フタロシアニン残基を表す。
Xは、−SO2−、−SO2NH−、−SO2CH2−、−CH2−、−CO−、−CONH−、−COO−、または、−COONH−を表す。
Yは、−(CH2n−N(R1)R2を表す。
1およびR2は、それぞれ独立に、置換または未置換の炭素数1〜4のアルキル基を表す。ここで、R1とR2が一体となって環を形成し、窒素原子を含む複素環となってもよい。
nは0〜3の整数を表わす。
mは1〜4の整数を表わす。)
【請求項2】
さらにゲル化剤を含む請求項1記載の水性分散体。
【請求項3】
カチオン系活性剤が、アルキルアミン塩系、第四級アンモニウム塩系、または、ポリオキシエチレンアルキルアミン系である請求項1または2記載の水性分散体。
【請求項4】
銅フタロシアニン誘導体の割合が、酸性カーボンブラックに対して0.5〜20重量%である請求項1〜3いずれか記載の水性分散体。
【請求項5】
カルバミド類の割合が、酸性カーボンブラックに対して1.0〜50重量%である請求項1〜4いずれか記載の水性分散体。
【請求項6】
カルバミド類が、カルバミド、チオカルバミド、または、セミカルバジドである請求項1〜5いずれか記載の水性分散体。
【請求項7】
筆記具用途である請求項1〜6いずれか記載の水性分散体。

【公開番号】特開2012−176997(P2012−176997A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39149(P2011−39149)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】