Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
水性分散体
説明

水性分散体

【課題】集束性および密着性に優れ、かつ工業的に有利に製造できる高分子量ポリオレフィン樹脂の水性分散体を提供する。
【解決手段】重量平均分子量が2万以上であるポリオレフィン樹脂(A)と、不飽和カルボン酸(b−1) 3.5〜90質量部および(メタ)アクリルアミド単量体(b−2) 10〜96.5質量部(ただし、(b−1)と(b−2)との合計は100質量部)を含む単量体成分を共重合して得られる高分子分散剤(B)と、を含む、水性分散体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性分散体に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化プラスチック(FRP)は、金属材料に比べて軽量であり、かつ強化繊維を含まないプラスチックに比べて機械的強度や弾性率が高い材料である。このような特性を有することから、繊維強化プラスチックは、航空機、自動車、鉄道車両、船舶などの多くの分野で利用されている。
【0003】
従来、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂がマトリックス樹脂である繊維強化プラスチックの補強剤として使用されるガラス繊維としては、酸変性ポリプロピレン系樹脂の水性エマルジョンを含む集束剤が塗布されたガラス繊維が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、チョップドストランドの集束性を改善する目的で、高分子分散剤としてスチレン−無水マレイン酸共重合体を用いた高分子量のポリオレフィンの水性エマルジョンが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平6−96463号公報
【特許文献2】国際公開第2004/074353号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1で用いられている酸変性ポリプロピレン系樹脂の分子量は低いものであるため、水性エマルジョンから形成される乾燥皮膜の強度が低く、ガラス繊維のチョップドストランドの集束性は満足できるものではなかった。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、高分子量ポリオレフィン樹脂の分散が不十分であり、さらに乳化剤として脂肪酸を併用しなければエマルジョンにすることができず、ミスト化した脂肪酸により火災になる虞があるため、製造方法の改善が求められていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、集束性および密着性に優れ、かつ工業的に有利に製造できる高分子量ポリオレフィン樹脂の水性分散体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討を積み重ねた。その結果、不飽和カルボン酸と(メタ)アクリルアミド単量体とを共重合して得られる高分子分散剤を用いることにより、高分子量のポリオレフィン樹脂が効率よく水性媒体中に分散し、また工業的にも安全に製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、重量平均分子量が2万以上であるポリオレフィン樹脂(A)と、不飽和カルボン酸(b−1) 3.5〜90質量部および(メタ)アクリルアミド単量体(b−2) 10〜96.5質量部(ただし、(b−1)と(b−2)との合計は100質量部)を含む単量体成分を共重合して得られる高分子分散剤(B)と、を含む、水性分散体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、集束性および密着性に優れ、かつ工業的に有利に製造できる高分子量ポリオレフィン樹脂の水性分散体が提供されうる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の水性分散体を詳細に説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。(メタ)アクリル酸等の(メタ)を含む化合物等も同様に、名称中に「メタ」を有する化合物と「メタ」を有さない化合物の総称である。このため、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリル双方を包含する。例えば、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸双方を包含する。
【0013】
[ポリオレフィン樹脂]
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(A)は、重量平均分子量が2万以上である。重量平均分子量が2万未満であると、得られる乾燥皮膜の強度が低くなる。該重量平均分子量は、好ましくは3万以上、より好ましくは5万以上である。また、重量平均分子量の上限は特に制限されないが、乳化性を考慮すれば、好ましくは40万以下であり、より好ましくは20万以下である。なお、ポリオレフィン樹脂(A)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定した値を採用するものとする。
【0014】
ポリオレフィン樹脂(A)としては、オレフィン化合物の単独重合体または共重合体を用いることができる。該オレフィン化合物の単独重合体としては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、または線状低密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(1−ヘキセン)等の炭素数2〜20のα−オレフィンの単独重合体を挙げることができ、共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体等を挙げることができる。
【0015】
また、極性基が導入されたポリオレフィン樹脂も使用できる。極性基が導入されたポリオレフィン樹脂の具体例としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレン、アクリル酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、アクリル酸変性ポリプロピレンなどの酸変性ポリオレフィン;エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニリデン共重合体、エチレン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−メタクリロニトリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリルアミド共重合体、エチレン−メタクリルアミド共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリルレート共重合体、エチレン−イソプロピル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−イソブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸金属塩共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物、エチレン−ビニルプロピオネート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン−ビニル単量体共重合体;塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどの塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
【0016】
これらポリオレフィン樹脂(A)は、単独で用いてもまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記ポリオレフィン樹脂(A)が共重合体である場合、共重合体の形態は特に限定されず、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
【0017】
上記ポリオレフィン樹脂(A)には、必要に応じて、他の樹脂またはゴムを本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
【0018】
前記の他の樹脂またはゴムとしては、例えば、プロピレン/ブテン−1共重合体などのα−オレフィン共重合体;エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン−α−オレフィン−ジエン単量体共重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン;スチレン−ブタジエン共重合体などのビニル単量体−ジエン共重合体;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのビニル単量体−ジエン−ビニル単量体ブロック共重合体;水素化(スチレン−ブタジエンランダム共重合体)などの水素化(ビニル単量体−ジエンランダム共重合体);水素化(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)などの水素化(ビニル単量体−ジエン−ビニル単量体ブロック共重合体);アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレングラフト共重合体などのビニル単量体−ジエン−ビニル単量体グラフト共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンなどのビニル重合体;塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体などのビニル共重合体等が挙げられる。
【0019】
これらポリオレフィン樹脂(A)の中でも、乳化性および乾燥皮膜の強度の観点から、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、アクリル酸変性ポリプロピレンが好ましい。
【0020】
ポリオレフィン樹脂(A)は市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。市販品の例としては、例えば、EASTMAN G3216、EASTMAN G3003、 EASTMAN G3015(以上、EASTMAN CHEMICAL COMPANY製)、POLYBOND(登録商標)3200、POLYBOND(登録商標)1001(以上、Chemtura Corporation社製)、ハイワックス(登録商標) NP0555A(三井化学株式会社製)、Exxelor(登録商標)PO 1015、Exxelor(登録商標)PO 1020(以上、Exxonmobil Chemical社製)、TOYOTAC(登録商標)H1000P、TOYOTAC(登録商標)H3000P(以上、東洋紡績株式会社製)、ユーメックス(登録商標)1001(三洋化成工業株式会社製)等が挙げられる。また、合成するための重合方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができ、例えば、高圧ラジカル重合法、中低圧重合法、溶液重合法、スラリー重合法、塊状重合法、気相重合法等を挙げることができる。また、重合に使用する触媒も特に制限はなく、例えば、過酸化物触媒、チーグラー−ナッタ触媒、メタロセン触媒等が挙げられる。
【0021】
[高分子分散剤]
本発明で用いられる高分子分散剤(B)は、不飽和カルボン酸(b−1)および(メタ)アクリルアミド単量体(b−2)を含む単量体成分を共重合して得られるポリマーである。高分子分散剤(B)の形態は特に限定されず、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
【0022】
<不飽和カルボン酸>
本発明の高分子分散剤の(b−1)成分である不飽和カルボン酸の例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。これらは単独でも、または2種以上組み合わせても用いることができる。これらの中でも、メタクリル酸、イタコン酸が好ましい。
【0023】
高分子分散剤中の(b−1)成分の量は、(b−1)成分と(b−2)成分との合計を100質量部として3.5〜90質量部であり、好ましくは7〜80質量部であり、より好ましくは30〜70質量部である。(b−1)成分の量が3.5質量部未満であるとポリオレフィン樹脂(A)の分散性が不足となり、一方、90質量部を超えると、高分子分散剤の粘度が高くなりハンドリング性に劣るようになる。
【0024】
<(メタ)アクリルアミド単量体>
本発明の高分子分散剤の(b−2)成分である(メタ)アクリルアミド単量体の例としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。これらは単独でも、または2種以上組み合わせても用いることができる。これらの中でも、分散剤の水溶液中での安定性を得る観点から、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0025】
高分子分散剤中の(b−2)成分の量は、(b−1)成分と(b−2)成分との合計を100質量部として10〜96.5質量部であり、好ましくは20〜93質量部であり、より好ましくは30〜70質量部である。(b−2)成分の量が10質量部未満であると親水性不足となり、一方、96.5質量部を超えると、ポリオレフィン樹脂(A)の分散性が低下する。
【0026】
本発明で用いられる高分子分散剤は、必要に応じて他の単量体成分を含んでいてもよい。他の単量体成分の例としては、(メタ)アクリル酸エステル、エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。これら他の単量体成分は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。以下、他の単量体成分について説明する。
【0027】
<(メタ)アクリル酸エステル>
本発明で用いられる(メタ)アクリル酸エステルは特に制限されないが、エステル部分に炭素数1〜22の直鎖状、分枝状、または環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0028】
エステル部分に炭素数1〜22の直鎖状、分枝状、または環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、iso−アミル(メタ)アクリレート、tert−ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、3−メチルペンタン−2−イル(メタ)アクリレート、3−メチルペンタン−3−イル(メタ)アクリレート、4−メチルペンチル(メタ)アクリレート、4−メチルペンタン−2−イル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、3,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、3,3−ジメチルブタン−2−イル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、1−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、3−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、4−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、5−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルペンチル(メタ)アクリレート、1−(n−プロピル)ブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルペンチル(メタ)アクリレート、1,4−ジメチルペンチル(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルプロピル(メタ)アクリレート、1,3,3−トリメチルブチル(メタ)アクリレート、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、1−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、2−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、5−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、1−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、1−プロピルペンチル(メタ)アクリレート、2−プロピルペンチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルヘキシル(メタ)アクリレート、1,4−ジメチルヘキシル(メタ)アクリレート、1,5−ジメチルヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチル−1−メチルペンチル(メタ)アクリレート、1−エチル−4−メチルペンチル(メタ)アクリレート、1,1,4−トリメチルペンチル(メタ)アクリレート、2,4,4−トリメチルペンチル(メタ)アクリレート、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピル(メタ)アクリレート、1,1,3,3−テトラメチルブチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、1−メチルオクチル(メタ)アクリレート、6−メチルオクチル(メタ)アクリレート、1−エチルヘプチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、1−メチルノニル(メタ)アクリレート、1−エチルオクチル(メタ)アクリレート、1−(n−ブチル)ヘキシル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、1−メチルデシル(メタ)アクリレート、1−エチルノニル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、1−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、n−ペンタデシル(メタ)アクリレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n−ヘプタデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−ノナデシル(メタ)アクリレート、n−エイコシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、シアノノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、フェンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。これらの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。特に、乾燥後の皮膜強度調整および得られる分散剤の乳化性の観点から、シクロヘキシル(メタ)アクリレートと、n−ブチル(メタ)アクリレートまたは2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートとを併用することがより好ましい。
【0029】
単量体成分が上記の(メタ)アクリル酸エステル成分をさらに含む場合の含有量は、(b−1)成分と(b−2)成分との合計を100質量部として、2〜90質量部であることが好ましく、25〜85質量部であることがより好ましい。かような範囲であれば、ハンドリング性と乳化性を両立した分散剤を得ることができる。
【0030】
<エチレン性不飽和単量体>
エチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン等のジエン化合物;ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等のエチレン性不飽和スルホン酸もしくはその塩;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、ハロゲンで核置換されたスチレン、1−ビニルナフタレン、p−メチルスチレン、p−プロピルスチレン、p−シクロヘキシルスチレン、p−ドデシルスチレン等の芳香族ビニル単量体;酢酸ビニル等が挙げられる。
【0031】
単量体成分が上記のエチレン性不飽和単量体成分をさらに含む場合の含有量は、(b−1)成分と(b−2)成分との合計を100質量部として、6.5〜67.0質量部であることが好ましく、8.0〜20質量部であることがより好ましい。かような範囲であれば、分散剤の機械的安定性を向上させることができる。
【0032】
高分子分散剤(B)は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。合成する場合は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合など従来公知の重合方法により合成することができる。溶液重合の場合は水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールなどの低級アルコール類やアセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン等の溶剤を、単独または2種以上組み合わせて使用して重合を行えばよい。乳化重合や懸濁重合の場合は、従来公知のアニオンおよび/またはノニオン界面活性剤を使用し、前記の溶剤中において重合を行えばよい。
【0033】
重合開始剤も、従来公知のものが使用できる。具体的には、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、これら過硫酸塩と還元剤との組み合わせによるレドックス系重合触媒、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ系もしくはジアゾ系触媒、または過酸化水素、t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジンなどの過酸化物を挙げることができる。これら重合開始剤の使用量は特に制限されないが、単量体の合計量100質量部に対して、概ね0.01〜0.50質量部であることが好ましい。
【0034】
高分子分散剤(B)を合成する際には、高分子分散剤(B)の分子量の調節をより容易にするために、分子量調節剤を用いることが好ましい。
【0035】
分子量調節剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、チオフェノール、チオ安息香酸、チオサリチル酸、ナフタレンチオール、トルエンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトグリコール、チオグリセリン、システアミン塩酸もしくはその塩、メルカプトプロピオン酸もしくはその塩、チオグリコール酸もしくはその塩、チオ酢酸もしくはその塩、チオリンゴ酸もしくはその塩、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基を有するチオグリコール酸エステルもしくはメルカプトプロピオン酸エステル、チオグリコール酸とエチレングリコール、トリメチロールプロパンなど多価アルコールとのエステル、ターピノーレン、α−メチルスチレン、またはα−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。分子量調節剤の量は特に制限されないが、単量体の合計量100質量部に対して概ね0.1〜10質量部であることが好ましい。
【0036】
重合時間や重合温度も特に制限されないが、一例をあげれば、重合時間は2〜7時間の範囲であり、重合温度は70〜90℃の範囲である。
【0037】
得られた共重合体(高分子分散剤)は、必要に応じて共重合体中の不飽和カルボン酸部分を、無機アルカリおよび/または有機アルカリにより中和してもよい。中和に用いる無機アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ、有機アルカリとしてはアンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類が挙げられる。該アルカリによる共重合体の中和は、完全中和であってもよいし部分中和であってもよい。
【0038】
得られる高分子分散剤(B)の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜700,000であることが好ましく、1,500〜500,000であることがより好ましい。重量平均分子量がこのような範囲であれば、ポリオレフィン樹脂(A)を効率良く分散させることができる。なお、高分子分散剤(B)の重量平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定した値を採用するものとする。
【0039】
高分子分散剤(B)は単離して用いてもよいし、溶液や水性分散液の形態で用いてもよい。ただし、本発明の水性分散体をより簡便に製造するという観点から、水性分散液の形態であることが好ましい。
【0040】
[水性分散体]
本発明の水性分散体は、上記の重量平均分子量が2万以上であるポリオレフィン樹脂(A)と、上記の高分子分散剤(B)とを含む。
【0041】
本発明の水性分散体中のポリオレフィン樹脂(A)の含有量(濃度)は、水性分散体の全質量に対して、10〜40質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。また、高分子分散剤(B)の含有量は、ポリオレフィン樹脂(A)の量を100質量部として、1〜35質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましい。
【0042】
本発明の水性分散体の製造方法は特に制限されないが、例えば、オートクレーブなどの加圧可能で通常の剪断力を有する装置に、ポリオレフィン樹脂(A)、高分子分散剤(B)、水性媒体、および必要に応じて乳化剤や中和剤等を仕込み、ポリオレフィン樹脂(A)の軟化温度付近または軟化温度以上の温度まで加熱し撹拌することによって得られる。ここで、水性媒体とは、水を主成分とする液体であり、水溶性の有機溶剤を含有していてもよい。
【0043】
使用できる有機溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、t−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル、1,2−ジメチルグリセリン、1,3−ジメチルグリセリン、トリメチルグリセリン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でもまたは2種以上を混合して用いてもよい。
【0044】
有機溶媒を用いる場合の添加量は特に制限されないが、水性媒体全体に対して0〜10質量部であることが好ましい。
【0045】
乳化剤は特に制限されないが、乳化性、安全性および各種添加剤を加えた時のゲル化抑制の観点から、ノニオン界面活性剤を用いることが好ましい。
【0046】
ノニオン界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(合成系)、ナロー型ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンβ−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル、ポリエチレングリコールモノアルキル脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。
【0047】
さらに安定な水性分散体を得るために、乳化剤として上記ノニオン界面活性剤の他に、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、反応性界面活性剤、または上記(B)成分以外の高分子分散剤等を併用してもよい。
【0048】
カチオン界面活性剤としては、例えば、ドデシルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩等の高級アルキルモノアミン塩、N−ドデシル−1,3−ジアミノプロパンアジピン酸塩、N−ドデシルプロピレンジアミンジオレイン酸塩等のアルキルジアミン塩、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0049】
アニオン界面活性剤としては、半硬化牛脂脂肪酸石鹸ナトリウム塩、ステアリン酸石鹸ナトリウム塩、オレイン酸石鹸カリウム塩、ガムロジン系不均化ロジンナトリウム塩、アルケニルコハク酸ジカリウム塩、ドデシル硫酸エステルナトリウム塩、無水重亜硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキル(C12,C13)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンドデシル硫酸エステルアンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等が挙げられる。
【0050】
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン系、スルホベタイン系、ホスホベタイン系、アミドアミノ酸系、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
【0051】
反応性界面活性剤としては、例えば、アルキルプロペニルフェノールポリエチレンオキサイド付加物やこれらの硫酸エステル塩、アリルアルキルフェノールポリエチレンオキサイド付加物やこれらの硫酸エステル塩、アリルジアルキルフェノールポリエチレンオキサイド付加物やこれらの硫酸エステル塩等の反応性2重結合を有する化合物等が挙げられる。
【0052】
(B)成分以外の高分子分散剤としては、例えば、分子内に複数のカルボキシル基を有するポリカルボン酸系高分子分散剤、分子内に複数のアミノ基を有するポリアミン系高分子分散剤、分子内に複数のアミド基を有する高分子分散剤、分子内に複数の多環式芳香族化合物を含有する高分子分散剤などが挙げられる。
【0053】
また、上記中和剤としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、モノラウリルアミン、トリメチルアミン、ジメチルモノエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、アンモニア等があげられる。
【0054】
本発明の水性分散体は、通常用いられる配合剤、例えば、酸化防止剤、表面処理剤、潤滑剤、滑剤(あるいは風合改良剤)、帯電防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤熱安定剤、消泡剤、老化防止剤、レベリング剤等をさらに含んでいてもよい。
【0055】
上記酸化防止剤の例としては、例えば、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、カテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤;チオ尿素、テトラメチルチウラムジサルファイド、ジメチルジチオカルバミン酸およびその塩、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、2−メルカプトベンゾチアゾールおよびその塩、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)等の含硫黄化合物;トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、トリフェニルホスファイト(TPP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)等の含リン化合物;オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、尿素、グアニジンなどの含窒素化合物;等が挙げられる。
【0056】
上記表面処理剤の例としては、例えば、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、ビニルシラン系カップリング剤、メタクリロシラン系カップリング剤、ウレイドシラン系カップリング剤、ボラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、クロム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤などのカップリング剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナなどのコロイダルゲル等が挙げられる。
【0057】
上記潤滑剤としては、例えば、動植物油水添硬化物、パラフィンワックス、エステル系合成油などが挙げられる。
【0058】
上記滑剤(あるいは風合改良剤)としては、例えば、ブチルステアレート、テトラエチレンペンタミンジステアレート、水添ひまし油、イミダゾリン系脂肪酸アミド、カチオン性脂肪酸アミド、カチオン性ポリエチレンイミンポリアミド、ビスフェノールAポリ(オキシエチレン)エーテルグリコール等が挙げられる。
【0059】
上記帯電防止剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等の各種界面活性剤が挙げられる。
【0060】
上記pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸などの無機酸やクエン酸、コハク酸、りんご酸、乳酸などの有機酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカリなどが挙げられる。
【0061】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、環状イミノエステル系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0062】
上記光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
【0063】
さらに、本発明の水性分散体は、下記化学式(1)で表されるリン酸エステル化合物を含んでもよい。下記化学式(1)で表されるリン酸エステル化合物を含むことにより、本発明の水性分散体をガラス繊維用集束剤として用いた場合、ガラス繊維の集束性がより向上する。
【0064】
【化1】

【0065】
前記化学式(1)中、Rは炭素数1〜22の直鎖状または分枝状のアルキル基であり、nは0〜30の整数であり、mは1〜3の整数であり、Mは水素原子、アルカリ金属、第2族金属、アンモニウム基、または有機アンモニウム基である。
【0066】
前記一般式(1)中のRで用いられる炭素数1〜22の直鎖状または分岐状のアルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−アミル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、3−メチルペンタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、4−メチルペンチル基、4−メチルペンタン−2−イル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブタン−2−イル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−(n−プロピル)ブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキサン−2−イル基、2,4−ジメチルペンタン−3−イル基、1,1−ジメチルペンタン−1−イル基、2,2−ジメチルヘキサン−3−イル基、2,3−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,4−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−メチルヘプタン−2−イル基、3−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−4−イル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,3,4−トリメチルペンタン−3−イル基、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、n−ノニル基、1−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−(n−ブチル)ペンチル基、4−メチル−1−(n−プロピル)ペンチル基、1,5,5−トリメチルヘキシル基、1,1,5−トリメチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、2−メチルオクタン−3−イル基、n−デシル基、イソデシル基、1−メチルノニル基、1−エチルオクチル基、1−(n−ブチル)ヘキシル基、1,1−ジメチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、3,7−ジメチルオクタン−3−イル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、1−エチルノニル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、2−(n−ブチル)オクチル基、2,3,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−3−イル基、n−トリデシル基、イソトリデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、2−(n−ヘキシル)オクチル基、1−メチルトリデシル基、n−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、3,7,11−トリメチルドデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、イソステアリル基、n−ノナデシル基、n−エイコサデシル基、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基、ヘニコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
【0067】
これらのうち、炭素数8〜22の分枝状のアルキル基が好ましく、特に、2−エチルヘキシル基、イソステアリル基、またはイソデシル基が好ましい。
【0068】
前記一般式(1)中、nはエチレンオキサイドの付加モル数であり、0〜30の整数であるが、好ましくは0〜10の整数である。mは1〜3の整数であり、好ましくは1または2である。
【0069】
前記一般式(1)中、Mは水素原子、アルカリ金属、第2族金属、アンモニウム基、または有機アンモニウム基である。アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられ、第2族金属としては、例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等が挙げられる。有機アンモニウム基とは、有機アミン由来のアンモニウム基であり、前記有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
【0070】
なお、上記リン酸エステル化合物は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。また、上記リン酸エステル化合物は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
【0071】
上記リン酸エステル化合物の含有量は、ポリオレフィン樹脂(A)の量を100質量部として、1〜30質量部であることが好ましい。
【0072】
本発明の水性分散体は、例えば、ガラス繊維等の無機繊維用集束剤、炭素繊維用集束剤、金属塗装、潤滑剤、トナーバインダー、ガラス繊維とオレフィン樹脂とのヒートシール剤、フロアーポリッシュなどに好適に用いられる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例により何ら制限されるものではない。また、重量平均分子量の測定は下記表1に記載の条件により測定を行った。
【0074】
【表1】

【0075】
また、粘度の測定にはB型粘度計(株式会社東京計器製造所製 形式:BM)を用い、25℃での粘度を測定した。
【0076】
<分散剤の製造>
(製造例1)
温度計、冷却器、攪拌機、および窒素導入管を備えた五つ口フラスコに、シクロヘキシルメタクリレート 100.5質量部、2−エチルヘキシルアクリレート 28.7質量部、メタクリル酸 71.7質量部、40質量%アクリルアミド水溶液 215.3質量部、ターピノーレン 1質量部、メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル 0.5質量部、およびエチレングリコールビスチオグリコレート 1.5質量部をそれぞれ仕込んだ。さらに、水 290.9質量部、イソプロピルアルコール 280質量部を仕込み、80℃まで加熱を行った。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル 5.8質量部を加え、80℃で4時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを留去し、さらに水で濃度を調製することで、重量平均分子量が101,000である高分子分散剤1を濃度30質量%で含む水性分散液1(分散液の粘度:960mPa・s)を得た。
【0077】
(製造例2)
製造例1と同様の反応装置に、シクロヘキシルメタクリレート 57.2質量部、n−ブチルアクリレート 57.2質量部、メタクリル酸 85.8質量部、40質量%アクリルアミド水溶液 214.5質量部、ターピノーレン 2.9質量部、α−メチルスチレンダイマー 2.9質量部、およびトリメチロールプロパントリスチオグリコレート 2.6質量部をそれぞれ仕込んだ。さらに、水 291.3質量部、イソプロピルアルコール 280質量部を仕込み、80℃まで加熱を行った。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム 5.7質量部を加え、80℃で4時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを留去し、さらに水で濃度を調製することで、重量平均分子量が101,000である高分子分散剤2を濃度30質量%で含む水性分散液2(分散液の粘度:860mPa・s)を得た。
【0078】
(製造例3)
製造例1と同様の反応装置に、シクロヘキシルメタクリレート 56.7質量部、n−ブチルメタクリレート 28.4質量部、2−エチルヘキシルアクリレート 28.4質量部、40質量%アクリルアミド水溶液 248質量部、イタコン酸 56.7質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム 8.5質量部、ビニルスルホン酸ナトリウム 5.7質量部、ターピノーレン 2.8質量部、α−メチルスチレンダイマー 2.8質量部、2−メルカプトエタノール 2.8質量部、およびエチレングリコールビスチオグリコレート 1.2質量部をそれぞれ仕込んだ。さらに、水 271.2質量部、イソプロピルアルコール 280質量部を加え、80℃まで加熱を行った。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム 5.7質量部を添加し、80℃で4時間反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを留去し、水で濃度調整を行うことにより、重量平均分子量が120,000である高分子分散剤3を濃度30質量%で含む水性分散液3(分散液の粘度:800mPa・s)を得た。
【0079】
(製造例4)
製造例1と同様の反応装置に、シクロヘキシルメタクリレートを34.2質量部、2−エチルヘキシルアクリレート 22.8質量部、40質量%アクリルアミド水溶液 320.3質量部、イタコン酸 71.2質量部、メタアリルスルホン酸ナトリウム 14.2部、ビニルスルホン酸ナトリウムを14.2部、ターピノーレン 0.6質量部、2−メルカプトエタノール 5.7質量部、エチレングリコールビスチオグリコレート 1.0質量部、水 227.9質量部、およびイソプロピルアルコール 280質量部を加え、さらに重合開始剤としてアゾイソブチロニトリルを5.7質量部添加し、40℃で溶解した。その後80℃に加熱し、重合反応を4時間行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを留去し、水で濃度調整を行うことにより、重量平均分子量が140,000である高分子分散剤4を濃度30質量%で含む水性分散液4(分散液の粘度:700mPa・s)を得た。
【0080】
(製造例5)
製造例1と同様の反応装置に、シクロヘキシルメタクリレート 76.1質量部、2−エチルヘキシルアクリレート 25.1質量部、40質量%アクリルアミド水溶液 379.02質量部、イタコン酸 190.05質量部、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート 12.3質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム 30質量部、β−メルカプトプロピオン酸 10.7質量部、水 1109.0質量部、およびイソプロピルアルコール 291.0質量部を加え、さらに重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル 4.8質量部を添加し40℃で溶解した。その後80℃まで加熱し、4時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールの留去を行い、水で濃度調整を行うことにより、重量平均分子量が150,000である高分子分散剤5を濃度30質量%で含む水性分散液5(分散液の粘度:800mPa・s)を得た。
【0081】
(製造例6)
製造例1と同様の反応装置に、シクロヘキシルメタクリレート 76.1質量部、2−エチルヘキシルアクリレート 25.1質量部、イタコン酸 190.1質量部、40質量%アクリルアミド水溶液 189.5質量部、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート 12質量部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム 30.0質量部、β−メルカプトプロピオン酸 7.2質量部、水 463.0質量部、およびイソプロピルアルコール 291質量部を加え、さらに重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル 4.8質量部を添加し40℃で溶解した。その後80℃まで加熱し、4時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールの留去を行い、水で濃度調整を行うことにより、重量平均分子量が160,000である高分子分散剤6を濃度30質量%で含む水性分散液6(分散液の粘度:800mPa・s)を得た。
【0082】
(製造例7)
製造例1と同様の反応装置に、イタコン酸 129.7質量部、40質量%アクリルアミド水溶液 252.7質量部、β−メルカプトプロピオン酸 7.1質量部、水 342.4質量部、およびイソプロピルアルコール110.0質量部を加え、さらに重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル 3.2質量部を添加し、40℃で溶解した。その後80℃まで加熱を行い、4時間重合反応行った。反応終了後、イソプロピルアルコールの留去を行い、水で濃度調整を行うことにより、重量平均分子量が180,000である高分子分散剤7を濃度30質量%で含む水性分散液7(分散液の粘度:1000mPa・s)を得た。
【0083】
<水性分散体の製造>
(実施例1)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.0Lの乳化設備を有するオートクレーブに、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(EASTMAN CHEMICAL COMPANY製「EASTMAN G3216」、重量平均分子量:60,000、酸価:16)170g、製造例5で製造した水性分散液5(高分子分散剤5の濃度:30質量%)25.6g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(青木油脂工業株式会社製、セフティカットLI−3085)16.8g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(東邦化学工業株式会社製、ペグノールO−4)18.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(テイカ株式会社製、テイカパワーBN2060、有効成分:60質量%)6.5g、無水重亜硫酸ソーダ 0.7g、ジメチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール 2Mabs)13.5g、イオン交換水 291.9gを加え、165℃まで加熱し500rpmで1時間熟成した。その後、140℃まで冷却し内圧を下げた後、別途用意した165℃のイオン交換水 170.0gを加え再度165℃まで加熱し、500rpmで1時間熟成した。熟成後40℃まで冷却し、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの濃度が30質量%である水性分散体1を得た。
【0084】
(実施例2)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.0Lの乳化設備を有するオートクレーブに、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(EASTMAN CHEMICAL COMPANY製「EASTMAN G3216」、重量平均分子量:60,000、酸価:16)170g、製造例5で製造した水性分散液5(高分子分散剤5の濃度:30質量%)25.6g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(青木油脂工業株式会社製、セフティカットLI−3085)15.2g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(東邦化学工業株式会社製 ペグノールO−4)16.6g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(テイカ株式会社製、テイカパワーBN2060、有効成分:60質量%)6.1g、無水重亜硫酸ソーダ 0.7g、ジメチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール 2Mabs)5.8g、イオン交換水 286.3gを加え、165℃まで加熱し500rpmで1時間熟成した。その後、140℃まで冷却し内圧を下げた後、別途用意した165℃のイオン交換水 320gを導入し再度165℃まで加熱し、500rpmで1時間熟成した。熟成後40℃まで冷却し、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの濃度が25質量%である水性分散体2を得た。
【0085】
(実施例3)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.0Lの乳化設備を有するオートクレーブに無水マレイン酸変性ポリプロピレン(EASTMAN CHEMICAL COMPANY製「EASTMAN G3216」、重量平均分子量:60,000、酸価:16)170g、製造例6で製造した水性分散液6(高分子分散剤6の濃度:30質量%)28.4g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(青木油脂工業株式会社製、セフティカットLI−3085)16.8g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(東邦化学工業株式会社製 ペグノールO−4)18.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(テイカ株式会社製、テイカパワーBN2060、有効成分:60質量%)6.5g、無水重亜硫酸ソーダ 0.7g、ジメチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール 2Mabs)13.5g、およびイオン交換水 267.6g 165℃まで加熱し500rpmで1時間熟成した。その後、140℃まで冷却し内圧を下げた後、別途用意した165℃のイオン交換水 170.0gを導入し再度165℃まで加熱し、500rpmで1時間熟成した。熟成後40℃まで冷却し、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの濃度が30質量%である水性分散体3を得た。
【0086】
(実施例4)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.0Lの乳化設備を有するオートクレーブに、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(EASTMAN CHEMICAL COMPANY製「EASTMAN G3216」、重量平均分子量:60,000、酸価:16)170g、製造例7で製造した水性分散液7(高分子分散剤7の濃度:30質量%)28.4g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(青木油脂工業株式会社製、セフティカットLI−3085)16.8g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(青木油脂工業株式会社製、ブラウノンEN−1502)18.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(テイカ株式会社製、テイカパワーBN2060、有効成分:60質量%)6.5g、無水重亜硫酸ソーダ 0.7g、ジメチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール 2Mabs)13.5g、およびイオン交換水 267.6gを加え、165℃まで加熱し500rpmで1時間熟成した。その後、140℃まで冷却し内圧を下げた後、別途用意した165℃のイオン交換水 170.0gを添加し再度165℃まで加熱し、500rpmで1時間熟成した。熟成後40℃まで冷却し、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの濃度が30質量%である水性分散体4を得た。
【0087】
(比較例1)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.0Lの乳化設備を有するオートクレーブに、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(EASTMAN CHEMICAL COMPANY製「EASTMAN G3216」、重量平均分子量:60,000、酸価:16)170g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(青木油脂工業株式会社製、セフティカットLI−3085)18.9g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(東邦化学工業株式会社製、ペグノールO−4)20.6g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(テイカ株式会社製、テイカパワーBN2060、有効成分:60質量%)6.1g、無水重亜硫酸ソーダ 0.7g、ジメチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール 2Mabs)5.8g、イオン交換水 290.0gを加え、165℃まで加熱し500rpmで1時間熟成した。その後、140℃まで冷却し内圧を下げた後、別途用意した165℃のイオン交換水 320gを加え、再度165℃まで加熱し、500rpmで1時間熟成した。熟成後40℃まで冷却したが、未乳化物が多量に発生した。
【0088】
(比較例2)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.0Lの乳化設備を有するオートクレーブに、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(EASTMAN CHEMICAL COMPANY製「EASTMAN G3216」、重量平均分子量:60,000、酸価:16)170g、高分子分散剤(サートマー社製、スチレン−マレイン酸共重合体、SMA−1000)8.5g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(青木油脂工業株式会社製、セフティカットLI−3085)16.8g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(東邦化学工業株式会社製、ペグノールO−4)18.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(テイカ株式会社製、テイカパワーBN2060、有効成分:60質量%)6.5g、無水重亜硫酸ソーダ 0.7g、ジメチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール 2Mabs)13.5g、イオン交換水 311.8gを加え、165℃まで加熱し1時間熟成した。その後、140℃まで冷却し内圧を下げた後、別途用意した165℃のイオン交換水 170.0gを導入し再度165℃まで加熱し、1時間熟成した。熟成後40℃まで冷却したが、未乳化物が多量に発生した。
【0089】
(比較例3)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.0Lの乳化設備を有するオートクレーブに、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(EASTMAN CHEMICAL COMPANY製「EASTMAN G3216」、重量平均分子量:60,000、酸価:16)170g、高分子分散剤(サートマー社製、スチレン−マレイン酸共重合体、SMA−3000)8.5g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(青木油脂工業株式会社製、セフティカットLI−3085)16.8g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(東邦化学工業株式会社製、ペグノールO−4)18.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(テイカ株式会社製、テイカパワーBN2060、有効成分:60質量%)6.5g、無水重亜硫酸ソーダ 0.7g、ジメチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール 2Mabs)13.5g、イオン交換水 311.8gを加え、165℃まで加熱し1時間熟成した。その後、140℃まで冷却し内圧を下げた後、別途用意した165℃のイオン交換水 170.0gを加え165℃まで加熱し、1時間熟成した。熟成後40℃まで冷却したが、未乳化物が多量に発生した。
【0090】
<評価>
1.揮発残分
JIS K−6833(1980年)に準じて測定した。
【0091】
2.pH
JIS K−6833(1980年)に準じて測定した。
【0092】
3.粘度
JIS Z−8803(1959年)に準じて測定した。
【0093】
4.平均粒径
Particle sizing systems社製、NICOMP 380にて、散乱光の光強度分布より、樹脂粒子の平均粒径を測定した。
【0094】
5.液安定性
水性分散体製造後、常温(25℃)で1ヶ月保存した後の状態を、目視にて観察した。
【0095】
実施例1〜4で得られた水性分散体の性状および各種評価結果を表2に示す。
【0096】
【表2】

【0097】
表2から明らかなように、本発明の水性分散体においては、重量平均分子量が2万以上であるポリオレフィン樹脂が良好に分散していた。一方、上記のように、比較例1〜3の水性分散体では、未乳化物が多量に発生した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量平均分子量が2万以上であるポリオレフィン樹脂(A)と、
不飽和カルボン酸(b−1) 3.5〜90質量部および(メタ)アクリルアミド単量体(b−2) 10〜96.5質量部(ただし、(b−1)と(b−2)との合計は100質量部)を含む単量体成分を共重合して得られる高分子分散剤(B)と、
を含む、水性分散体。
【請求項2】
前記単量体成分が、さらに(メタ)アクリル酸エステルを(b−1)と(b−2)との合計100質量部に対して2〜90質量部含む、請求項1に記載の水性分散体。
【請求項3】
前記ポリオレフィン樹脂(A)の含有量が前記水性分散体の全質量に対して10〜40質量%であり、
前記高分子分散剤(B)の含有量がポリオレフィン樹脂(A)の量を100質量部として、1〜35質量部である、請求項1または2に記載の水性分散体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性分散体を含む、ガラス繊維用集束剤。

【公開番号】特開2013−79340(P2013−79340A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220487(P2011−220487)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000221797)東邦化学工業株式会社 (188)
【Fターム(参考)】