説明

水性切削加工剤及びそれを用いた固体材料の切削加工方法

【課題】切削加工におけるチッピング及びクラックの発生を十分に抑制することができ、加工後の洗浄性にも優れる水性切削加工剤、及びこれを用いた固体材料の切削加工方法の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤と、下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、を含有する水性切削加工剤。RO(RO)H…(1)


[式(2)中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルケニル基を示し、R及びRは同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、y及びzはそれぞれ独立に0〜14の整数を示し、yが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよく、zが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよい。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性切削加工剤及びそれを用いた固体材料の切削加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子部品の飛躍的な小型化及び高性能化にともない、半導体チップ及び電子デバイス用基板等はさらに薄厚化又は微小化される傾向にある。半導体チップ及び電子デバイス用基板は、通常、シリコン、セラミックス、サファイア及び水晶等の脆性が高い材料(高脆性材料)を切削加工することにより製作される。
【0003】
高脆性材料の切削加工方法としては、レーザダイシング加工法及びブレードダイシング加工法の2つの方法が主流となっている。レーザダイシング加工法は、短パルスレーザ等の短波長のレーザを使用した非接触の加工方法であり、高速の加工が可能であるという利点を有する。その一方でレーザダイシング加工法は、装置が極めて高価であることや、短パルスレーザの照射による熱の影響で材料の特性が変化したり、溶融した材料の飛散物が半導体チップの表面に付着したりする等によって半導体チップ及び半導体製品の信頼性が損なわれる場合がある等の不利な点を有する。
【0004】
ブレードダイシング加工法は、切削液として供給される超純水をクーラントとし、薄刃のダイヤモンドブレード等の切削体を被切削体に接触させて切削を行う加工方法であり、装置が安価であることや、ブレードの幅を変えることで極薄化に適応できるという利点を有している。しかし、ブレードダイシング加工法は、切削体と被切削体との摩擦により、欠け(チッピング)及びひび割れ(クラック)等の欠損が発生しやすく、歩留まりが低下する場合がある。このため、LED用基板に使用されるサファイアの切削においてはその約9割がレーザダイシング加工法で行われているのが現状である。
【0005】
ブレードダイシング加工法における切削性を向上させる目的で、切削部位に供給される切削液に切削加工剤を配合することが行われている。このような切削加工剤には油性の切削加工剤及び水性の切削加工剤(水性切削加工剤)があるが、このうち水性切削加工剤は、その後の洗浄工程で加工後の高脆性材料から除去しやすいという利点を有している(例えば、特許文献1及び2を参照)。油性の切削加工剤を使用した場合は、加工後の高脆性材料に加工剤が残留しやすく、製品の性能に影響が出ることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−150844号公報
【特許文献2】特開平11−191540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の水性切削加工剤は、切削加工時に発生する切り屑の被加工材料への付着を抑制するものであり、チッピング及びクラックの発生を十分に抑制することはできない。また、特許文献2では、ダイシング前の固体材料に家庭用の中性洗剤などの界面活性剤を塗布するか、又はダイシング工程時に、使用される切削水の中に、上記界面活性剤を混ぜ合わせてダイシングを行っているが、チッピング及びクラックの発生を十分に抑制することはできず、切削能力を更に向上させるにはさらなる改良の余地がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、切削加工におけるチッピング及びクラックの発生を十分に抑制することができ、加工後の洗浄性にも優れる水性切削加工剤、及びこれを用いた固体材料の切削加工方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する非イオン界面活性剤と、特定の構造を有するジヒドロキシ化合物とを含む水性切削加工剤が、固体材料の切削加工、特に高脆性材料のブレードダイシング加工において、切削加工におけるチッピング及びクラックの発生を十分に抑制することができ、加工後の洗浄性にも優れることを見出し、この知見に基づき本発明を完成させた。
【0010】
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤と、下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、を含有する、水性切削加工剤を提供する。
O(RO)H …(1)
式(1)中、Rは炭素数6〜22のアルキル基、アルケニル基若しくはアリール基、又は、炭素数7〜22のアルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を示し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、xは1〜30の整数を示し、xが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよい。
【化1】


式(2)中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルケニル基を示し、R及びRは同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、y及びzはそれぞれ独立に0〜14の整数を示し、yが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよく、zが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよい。
【0011】
本発明の水性切削加工剤を配合した切削液を固体材料の切削部位に供給することにより、切削加工におけるチッピング及びクラックの発生を十分に抑制することができ、加工後の洗浄工程では本発明の水性切削加工剤を十分除去することができる。本発明の水性切削加工剤は、切削部位への浸透性に優れることから、潤滑成分を効果的に切削部位に供給することが可能となり、上記の切削性の向上効果を有効に得ることができる。
【0012】
上記水性切削加工剤は、下記一般式(3)で表されるモノヒドロキシ化合物を更に含有することが好ましい。この場合、固体材料の切削加工において切削部位への浸透性が更に向上し、潤滑性が向上した潤滑成分をより効果的に切削部位に供給することが可能となり、切削性を更に向上させることができる。
OH …(3)
式(3)中、Rは、炭素数4〜26のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、炭素数6〜26のアリール基、又は、炭素数7〜26のアルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を示す。
【0013】
上記非イオン界面活性剤と上記ジヒドロキシ化合物との質量比が、1:0.06〜1:1であることが好ましい。
【0014】
また、本発明の水性切削加工剤がモノヒドロキシ化合物を更に含有する場合、上記非イオン界面活性剤と、上記ジヒドロキシ化合物及び上記モノヒドロキシ化合物と、の質量比が、1:0.1〜1:1であり、上記ジヒドロキシ化合物と、上記モノヒドロキシ化合物と、の質量比が、3:7〜7:3であることが好ましい。上記非イオン界面活性剤、上記ジヒドロキシ化合物及び上記モノヒドロキシ化合物の含有割合を上記の範囲とすることにより、固体材料の切削加工において切削部位への浸透性と切削部位での潤滑性を更に向上させることができる。また、固体材料の切削部位に、浸透性に加え潤滑性の効果も向上した上記水性切削加工剤が浸透することで潤滑性がより向上し、結果として切削性を更に向上させることができる。
【0015】
さらに本発明は、上記本発明の水性切削加工剤が含まれる切削液を固体材料の切削部位に供給することを特徴とする固体材料の切削加工方法を提供する。本発明の切削加工方法によれば、本発明の水性切削加工剤が含まれる切削液を固体材料の切削部位に供給することによって、切削加工におけるチッピング及びクラックの発生を十分に抑制することができる。また、本発明の水性切削加工剤は洗浄により十分除去することができることから、加工品の品質低下を十分防止することができる。これにより、固体材料の切削加工の効率を向上させることができ、加工品を歩留まりよく製造することができる。
【0016】
上記切削加工方法は、ブレードダイシング加工であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、切削加工におけるチッピング及びクラックの発生を十分に抑制することができ、加工後の洗浄性にも優れる水性切削加工剤、及びこれを用いた固体材料の切削加工方法の提供が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の好ましい形態について説明する。
【0019】
本実施形態に係る水性切削加工剤は、下記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤と、下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、を含有する。
O(RO)H …(1)
【0020】
式(1)中、Rは炭素数6〜22のアルキル基、アルケニル基若しくはアリール基、又は、炭素数7〜22のアルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を示し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、xは1〜30の整数を示し、xが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよい。
【0021】
【化2】

【0022】
式(2)中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルケニル基を示し、R及びRは同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、y及びzはそれぞれ独立に0〜14の整数を示し、yが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよく、zが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよい。
【0023】
ここで、Rで示される炭素数6〜22のアルキル基、アルケニル基若しくはアリール基、又は、炭素数7〜22のアルキルアリール基若しくはアリールアルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基としてはヒドロキシ基及びハロゲン基等が挙げられる。上記アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基及びアリールアルキル基は直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。
【0024】
切削性、洗浄性及び製品安定性の観点から、Rは炭素数10〜22のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基であることが好ましく、炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基であることがより好ましい。
【0025】
炭素数6〜22のアルキル基としては、例えば、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、イソトリデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、n−オクタデシル基、イソオクタデシル基、n−ノナデシル基、イソノナデシル基、n−エイコシル基、イソエイコシル基、n−ヘンエイコシル基、イソヘンエイコシル基、n−ドコシル基及びイソドコシル基が挙げられる。
【0026】
炭素数6〜22のアルケニル基としては、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基、ドコセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基及びリシノレイル基が挙げられる。
【0027】
炭素数6〜22のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、クミルフェニル基及びフェニルフェニル基、並びに、それらのスチレン類(スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン等)付加物及びそれらのベンジルクロライド反応物が挙げられる。なお、上記スチレン類付加物及び上記ベンジルクロライド反応物は、炭素数22を超えない化合物である。
【0028】
炭素数7〜22のアルキルアリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、メチルナフチル基、ブチルナフチル基、ヘキシルナフチル基、オクチルナフチル基、ノニルナフチル基、デシルナフチル基及びウンデシルナフチル基、並びに、それらのスチレン類(スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン等)付加物及びそれらのベンジルクロライド反応物が挙げられる。なお、上記スチレン類付加物及び上記ベンジルクロライド反応物は、炭素数22を超えない化合物である。
【0029】
炭素数7〜22のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、1−ベンジル−2−メチルプロピル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、クミニル基、p−メチルベンジル基、γ−ジメチルフェネチル基及びシンナミル基、並びに、それらのスチレン類(スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン等)付加物及びそれらのベンジルクロライド反応物が挙げられる。なお、上記スチレン類付加物及び上記ベンジルクロライド反応物は、炭素数22を超えない化合物である。
【0030】
で示される炭素数2〜4のアルキレン基は、例えば、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基が挙げられる。Rは洗浄性、低泡性及び製品安定性の観点から、エチレン基及びプロピレン基が好ましい。
【0031】
xは1〜30の整数であるが、切削性及び製品安定性の観点から3〜20であることが好ましい。xが1未満の場合、製品安定性が十分でなくなる傾向があり、xが30を超えると切削性が低下する傾向がある。
【0032】
xが2以上のとき、複数のRは同一でも異なっていてもよい。xが2以上で、複数のRがエチレン基及びプロピレン基である場合、エチレン基とプロピレン基とのモル比が1:1〜1:0.1が好ましく、1:0.7〜1:0.1がより好ましい。(RO)で示される炭素数2〜4のアルキレンオキシ基は、ブロック付加でもよいし、ランダム付加でもよい。
【0033】
上記非イオン界面活性剤は、炭素数6〜22の脂肪族アルコール類、フェノール類及び芳香族アルコール類等に、アルカリ触媒下でアルキレンオキサイドを130〜170℃で付加させることにより得ることができる。脂肪族アルコール類としては、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール等が挙げられる。脂肪族アルコールの市販品としては、コノール1098(新日本理化株式会社製)、コノール20P(新日本理化株式会社製)、コノール30S(新日本理化株式会社製)及びコノール2280(新日本理化株式会社製)等が挙げられる。
【0034】
上記非イオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
及びRで示される炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルキル基、又は、炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルケニル基は、同一でも異なっていてもよい。
【0036】
炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
【0037】
炭素数2〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、n−ブテニル基、イソブテニル基、n−ペンテニル基、イソペンテニル基、n−ヘキセニル基、イソヘキセニル基、n−ヘプテニル基、イソヘプテニル基、n−オクテニル基、イソオクテニル基及び2−エチルヘキセニル基が挙げられる。
【0038】
本実施形態においては、切削部位への浸透性及び切削性の観点から、R及びRはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ビニル基、アリル基、n−ブテニル基、イソブテニル基、n−ペンテニル基、イソペンテニル基、n−ヘキセニル基及びイソヘキセニル基が好ましい。
【0039】
及びRで示される炭素数2〜4のアルキレン基は、同一でも異なっていてもよく、例えば、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基が挙げられる。本実施形態においては、切削部位への浸透性、切削性及び製品安定性の観点から、エチレン基及びプロピレン基であることが好ましい。
【0040】
y及びzはそれぞれ独立に0〜14の整数である。切削部位への浸透性と切削性の観点から、y及びzは0〜10であることが好ましい。y及びzが14より大きい場合、切削部位への浸透性が十分でなくなる傾向にある。
【0041】
yが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよく、zが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよい。y又はzが2以上で、複数のR又はRが、エチレン基及びプロピレン基である場合、エチレン基とプロピレン基とのモル比は1:1〜1:0であることが好ましい。
【0042】
上記ジヒドロキシ化合物は市販品を用いることができ、例えば、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール(東京化成工業株式会社製)、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール(東京化成工業株式会社製)、サーフィノール104E(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール/エチレングリコール=50/50)及びADO−626(丸善石油化学株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール)等のアセチレンジオール、並びに、オルフィンE1004(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(4モル)付加物)、オルフィンE1010(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(10モル)付加物)、サーフィノール2502(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(5モル)プロピレンオキサイド(2モル)付加物)、サーフィノール420(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(20%)付加物)、サーフィノール440(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(40%)付加物)、サーフィノール465(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(65%)付加物)及びサーフィノール485(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(85%)付加物)等のアセチレンジオールのアルキレンオキサイド付加物であるアセチレングリコールを使用することができる。
【0043】
この中でも切削部位への浸透性及び切削性の観点から、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール(東京化成工業株式会社製)、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール(東京化成工業株式会社製)、サーフィノール104E(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール/エチレングリコール=50/50)、ADO−626(丸善石油化学株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール)、オルフィンE1004(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(4モル)付加物)、サーフィノール2502(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(5モル)プロピレンオキサイド(2モル)付加物)、サーフィノール420(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(20%)付加物)及びサーフィノール440(日信化学工業株式会社製、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(40%)付加物)が好ましい。
【0044】
上記アセチレンジオールは、アセチレンと、ケトン又はアルデヒドとを反応させるレッペ反応によって得ることができる。上記アセチレングリコールは、アセチレンジオールにアミン触媒下又はルイス酸触媒下でアルキレンオキサイドを付加させることによって得ることができる。
【0045】
上記アセチレングリコールは、切削部位への浸透性及び切削性の観点から親水親油バランス値(HLB値)が15以下であることが好ましく、HLB値が12以下であることがより好ましい。ここで、HLB値とは、次式:(HLB値)=20×(アセチレングリコール中のエチレンオキシ基の式量の総和)/(アセチレングリコールの分子量)によって求められるHLB値を意味し、界面活性剤の水及び水に不溶性の有機化合物への親和性の程度を表す値である。
【0046】
上記ジヒドロキシ化合物は、切削部位への浸透性の観点から、分子量が100〜1000であることが好ましく、100〜700であることがより好ましく、100〜600であることが更により好ましい。分子量が100未満の場合、又は1000を超える場合、水性切削加工剤の切削部位への浸透性が十分でなく切削性が低下する傾向がある。なお、上記分子量は、化合物の構造式から算出した分子量を意味する。
【0047】
上記ジヒドロキシ化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
本実施形態に係る水性切削加工剤は、下記一般式(3)で表されるモノヒドロキシ化合物を更に含有することが好ましい。
OH …(3)
【0049】
式中、Rは炭素数4〜26のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、炭素数6〜26のアリール基、又は、炭素数7〜26のアルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を示す。
【0050】
で表される炭素数4〜26のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、炭素数6〜26のアリール基、又は、炭素数7〜26のアルキルアリール基若しくはアリールアルキル基は、置換基を有していても良い。置換基としてはヒドロキシ基及びハロゲン基等が挙げられる。炭素数4〜26のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、又は、炭素数7〜26のアルキルアリール基若しくはアリールアルキル基は、直鎖でも、分岐鎖でも良い。
【0051】
炭素数4〜26のアルキル基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、イソトリデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n−オクタデシル基、イソオクタデシル基、n−ノナデシル基、イソノナデシル基、n−エイコシル基、イソエイコシル基、n−ヘンエイコシル基、イソヘンエイコシル基、n−ドコシル基、イソドコシル基、n−トリコシル基、イソトリコシル基、n−テトラコシル基、イソテトラコシル基、n−ペンタコシル基、イソペンタコシル基、n−ヘキサコシル基及びイソヘキサコシル基が挙げられる。
【0052】
炭素数4〜26のアルケニル基としては、例えば、n−ブテニル基、イソブテニル基、n−ペンテニル基、イソペンテニル基、n−ヘキセニル基、イソヘキセニル基、n−ヘプテニル基、イソヘプテニル基、n−オクテニル基、イソオクテニル基、2−エチルヘキセニル基、n−ノネニル基、イソノネニル基、n−デセニル基、イソデセニル基、n−ウンデセニル基、イソウンデセニル基、n−ドデセニル基、イソドデセニル基、n−トリデセニル基、イソトリデセニル基、n−テトラデセニル基、イソテトラデセニル基、n−ペンタデセニル基、イソペンタデセニル基、n−ヘキサデセニル基、イソヘキサデセニル基、n−ペンタデセニル基、イソペンタデセニル基、n−オクタデセニル基、イソオクタデセニル基、n−ノナデセニル基、イソノナデセニル基、n−エイコセニル基、イソエイコセニル基、n−ヘンエイコセニル基、イソヘンエイコセニル基、n−ドコセニル基、イソドコセニル基、n−トリコセニル基、イソトリコセニル基、n−テトラコセニル基、イソテトラコセニル基、n−ペンタコセニル基、イソペンタコセニル基、n−ヘキサコセニル基及びイソヘキサコセニル基が挙げられる。
【0053】
炭素数4〜26のシクロアルキル基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、1−シクロプロピルエチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロペンチル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘシル基、4−メチルシクロヘキシル基、2−シクロペンチルエチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルエチル基、3−シクロヘキシル−1−プロピル基、4−イソプロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、2−シクロヘキシルシクロヘキシル基、4−シクロヘキシルシクロヘキシル基、1−シクロヘキシル−1−ペンチル基、シクロドデシル基及びシクロペンタデシル基が挙げられる。
【0054】
炭素数4〜26のシクロアルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル基が挙げられる。
【0055】
炭素数6〜26のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、クミルフェニル基及びフェニルフェニル基、並びに、それらのスチレン類(スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン等)付加物及びそれらのベンジルクロライド反応物を挙げることができる。なお、上記スチレン類付加物及び上記ベンジルクロライド反応物は、炭素数26を超えない化合物である。
【0056】
炭素数7〜26のアルキルアリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、メチルナフチル基、ブチルナフチル基、ヘキシルナフチル基、オクチルナフチル基、ノニルナフチル基、デシルナフチル基及びウンデシルナフチル基、並びに、それらのスチレン類(スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン等)付加物及びそれらのベンジルクロライド反応物が挙げられる。なお、上記スチレン類付加物及び上記ベンジルクロライド反応物は、炭素数26を超えない化合物である。
【0057】
炭素数7〜26のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、1−ベンジル−2−メチルプロピル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、クミニル基、p−メチルベンジル基、γ−ジメチルフェネチル基及びシンナミル基、並びに、それらのスチレン類(スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン等)付加物及びそれらのベンジルクロライド反応物が挙げられる。なお、上記スチレン類付加物及び上記ベンジルクロライド反応物は、炭素数26を超えない化合物である。
【0058】
切削部位への浸透性、切削性及び引火性の観点から、Rは炭素数8〜26のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、炭素数7〜26のアリール基、アルキルアリール基、又は、アリールアルキル基であることが好ましく、炭素数14〜26のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基であることがより好ましく、炭素数14〜26のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基であることが更により好ましい。
【0059】
上記モノヒドロキシ化合物は、切削部位への浸透性の観点から、分子量が50〜500であることが好ましく、100〜500であることがより好ましく、200〜500であることが更により好ましい。なお、上記分子量は、化合物の構造式から算出した分子量を意味する。
【0060】
上記モノヒドロキシ化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0061】
本実施形態において、上記非イオン界面活性剤、上記ジヒドロキシ化合物及び上記モノヒドロキシ化合物の合計が、水性切削加工剤中に2〜100質量%であることが好ましい。取り扱いの容易さ及び水への溶解性の観点から、2〜80質量%であることがより好ましい。2質量%未満であると、水性切削加工剤を原液で切削加工に使用した場合であっても、切削性が低下する傾向にある。
【0062】
本実施形態において、上記非イオン界面活性剤と上記ジヒドロキシ化合物との質量比は、特に制限はないが、1:0.06〜1:1であることが好ましく、1:0.2〜1:0.5であることがより好ましい。上記非イオン界面活性剤に対する上記ジヒドロキシ化合物の質量比が1:0.06より小さい場合、水性切削加工剤の切削部位への浸透性が十分でなくなる傾向がある。一方、1:1を超える場合は、水性切削加工剤の製品安定性が十分でなくなる傾向があり、また水性切削加工剤の洗浄性が十分でなくなる傾向がある。
【0063】
また、本実施形態に係る水性切削加工剤において、上記非イオン界面活性剤及び上記ジヒドロキシ化合物に加え、さらに上記モノヒドロキシ化合物を含む場合、上記非イオン界面活性剤と、上記ジヒドロキシ化合物及び上記モノヒドロキシ化合物と、の質量比は、特に制限はないが、1:0.1〜1:1であることが好ましく、1:0.2〜1:0.5であることがより好ましい。上記非イオン界面活性剤に対する、上記ジヒドロキシ化合物及び上記モノヒドロキシ化合物の質量比が1:0.1より小さい場合、水性切削加工剤の切削部位への浸透性が十分でなくなる傾向がある。一方、1:1を超える場合は、水性切削加工剤の製品安定性が十分でなくなる傾向があり、また水性切削加工剤の洗浄性が十分でなくなる傾向がある。
【0064】
さらに、上記ジヒドロキシ化合物と、上記モノヒドロキシ化合物と、の質量比が、3:7〜7:3であることが好ましい。
【0065】
本実施形態に係る水性切削加工剤は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、一般的な切削加工剤に添加されている防錆剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤、極圧添加剤、及びpH調整剤等の添加剤を必要に応じて含有させることができる。また、製品安定性の向上を目的として、アルコール類、グリコール類及びグリコールエーテル類等を必要に応じて含有させることができる。
【0066】
本実施形態に係る水性切削加工剤は、必要に応じて、使用の際に水、又は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン、ブチルグリコール及びソルフィット等の親水性溶剤で希釈することも可能である。
【0067】
また、本実施形態に係る切削加工方法は、上記水性切削加工剤が含まれる切削液を固体材料の切削部位に供給することを特徴とする。切削加工の方法は、切断加工、精密研磨加工及びブレードダイシング加工等が挙げられるが、好ましくはブレードダイシング加工である。
【0068】
本実施形態に係る水性切削加工剤を使用して、固体材料を切削加工するには、通常の切削加工で用いられる手段を使用すればよく、切削加工の際に、上記水性切削加工剤が含まれる切削液の供給量及び固体材料の加工の速度等の諸条件を適時調整することができる。例えば、下記のような条件で固体材料の切削加工を行うことができる。なお、下記有効成分とは、非イオン界面活性剤、ジヒドロキシ化合物及びモノヒドロキシ化合物を意味する。
【0069】
切削液の液温:5〜30℃、
切削液の供給量:0.1〜20.0L/min、
切削液中の有効成分の濃度:2〜50質量%、
切削液の供給方法:噴霧法、シャワー法又はノズル法、
切削液のpH:5.5〜8.0、
ブレードのスピンドル回転数:5000〜30000rpm、
固体材料の送り速度:0.5〜75mm/s。
【0070】
上記切削液は、上記水性切削加工剤を水、又は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン、ブチルグリコール及びソルフィット等の親水性溶剤で希釈することで調製することができる。または、上記水性切削加工剤を原液で使用してもよい。
【0071】
切削液の液温は、5〜30℃が好ましく、15〜25℃がより好ましい。5℃未満の場合、切削液の粘度が高くなり、固体材料への供給が困難になる傾向があり、30℃を超える場合、切削液がミスト化し、濃縮し易い傾向にある。
【0072】
切削液の供給量は、0.1〜20.0L/minが好ましく、0.1〜10.0L/minがより好ましく、0.1〜5.0L/minが更により好ましい。0.1L/min未満の場合、切削性が十分でなくなる傾向がある。20.0L/minを超える場合、ブレードがぶれてチッピング及びクラックが発生しやすくなり、また切削性のさらなる向上が十分でなくなる傾向がある。また、経済的な観点からも20.0L/minを超えないことが好ましい。
【0073】
切削液中の有効成分の濃度は、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、2〜10質量%であることが更により好ましい。2質量%未満の場合、切削性が十分でなくなる傾向がある。50質量%を超える場合、切削液の粘度が高くなり、固体材料への供給が困難になる傾向にあり、また固体材料を固定するための粘着シートの接着剤が溶解しやすくなる傾向がある。
【0074】
切削液の供給方法としては、噴霧法、シャワー法、ノズル法、塗布法及び浸漬法等が挙げられる。効率的な供給法という観点から、噴霧法、シャワー法、及びノズル法が好ましい。
【0075】
切削液のpHは5.5〜8.0が好ましく、6.0〜7.5がより好ましく、6.5〜7.0が更により好ましい。pHが5.5より小さい場合、切削液を保存するストックタンクの金属部分等が腐食し易い傾向にあり、pHが8.0を超える場合、固体材料を固定するための粘着シートの接着剤が溶解する傾向にある。
【0076】
ブレードのスピンドル回転数は5000〜30000rpmが好ましく、7000〜20000rpmがより好ましく、10000〜15000rpmが更により好ましい。上記スピンドル回転数が5000rpm未満である場合、ブレードが変形し切削不良になる傾向がある。30000rpmを超える場合、チッピング及びクラックが発生しやすい傾向にある。
【0077】
固体材料の送り速度は0.5〜75.0mm/sが好ましく、1.0〜50.0mm/sがより好ましく、3.0〜25.0mm/sが更により好ましい。上記送り速度が0.5mm/s未満の場合、切削の速度が遅く、加工時間が増大してしまう傾向がある。75mm/sを超える場合、チッピング及びクラックが発生しやすい傾向にある。
【0078】
本実施形態に係る固体材料の切削加工方法は、どのような材料、材質及び形状の切削加工にも用いることができるが、ガラス、セラミック、シリコン、水晶、石英及びサファイア等の高脆性の材料に使用することが好ましい。本発明に係る方法は、破壊じん性の値が20MPa・m1/2以下(JIS R 1607:2010 SEPB法)である高脆性の材料に適用することがより好ましく、破壊じん性の値が15MPa・m1/2以下である高脆性の材料に適用することが更により好ましい。具体的には、ガラス、セラミック、シリコン、水晶、石英及びサファイア等に加え、シリコン及び酸化珪素等を含む半導体ウエハ等の半導体材料、水晶及びサファイア等を含む電子デバイス基板材料、酸化アルミニウム等の金属酸化物からなるセラミックス材料、並びに、フェライト及びネジウム磁石等の各種磁性材料等が挙げられる。なお、上記半導体材料には、その表面が樹脂製の保護膜及びマイクロレンズに覆われているものも含まれる。
【0079】
本実施形態に係る水性切削加工剤が、加工後の洗浄性に優れたものでありながらも、切削加工におけるチッピング及びクラックの発生を十分に抑制することができることの理由について、本発明者らは以下のように考えている。本実施形態に係る水性切削加工剤は、上記一般式(2)で表される特定の構造を有するジヒドロキシ化合物が有する優れた浸透性により、良好な潤滑作用を有する一般式(1)で表される特定の構造を有する非イオン界面活性剤を素早く切削部位に浸透することができる。また上記一般式(2)で表される特定の構造を有するジヒドロキシ化合物はブレード等の切削体の表面と高脆性の材料等の被切削体の表面への優れた配向性と潤滑性を有するため、ブレード等の切削体の表面と高脆性の材料等の被切削体の表面との間に切削体−被切削体間の摩擦を十分低減できる潤滑膜を形成することができたと考えられる。更に上記水性切削加工剤は、摩擦により発生した熱を冷却する効果を有するため、固体材料やブレードに焼付きが生じないことも、切削性向上の理由のひとつと考えられる。
【0080】
また、上記一般式(2)で表される特定の構造を有するジヒドロキシ化合物と上記一般式(3)で表されるモノヒドロキシ化合物とを組み合わせて用いることにより、上記ジヒドロキシ化合物単独の場合に比べて切削部位への浸透性が向上し、切削性が向上することについては、ブレード等の切削体の表面と高脆性の材料等の被切削体の表面への配向性と潤滑性が相乗的に向上するために切削加工に十分な油膜強度と潤滑性を与える潤滑膜を形成できたことによるものと考えられる。
【0081】
本実施形態に係る水性切削加工剤は、有効成分が水に溶けやすい又は水に乳化分散しやすいため優れた洗浄性を示し、切削加工後の洗浄工程によって加工物から十分除去することができ、切削加工剤が加工物に残留することに起因する不具合が発生しにくい。
【実施例】
【0082】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
【0083】
<一般式(1)で表される非イオン界面活性剤>
(合成例1)(デシルアルコールのエチレンオキサイド10モル−プロピレンオキサイド2モル付加物)
コノール1098(新日本理化株式会社製)158質量部(1モル)と苛性ソーダ4.5質量部をオートクレーブに仕込み、加熱昇温して約130℃にした後、エチレンオキサイド440質量部(10モル)を加え、温度150℃〜160℃、圧力0.39MPa以下にて反応させた。その後、プロピレンオキサイド116質量部(2モル)を更に加え、温度150℃〜160℃、圧力0.39MPa以下にて反応させた。プロピレンオキサイドの付加反応が終了した後に冷却し、氷酢酸にてpH7に中和して微黄色で透明な液状の非イオン界面活性剤を得た。
【0084】
(合成例2)(ラウリルアルコールのエチレンオキサイド7モル−プロピレンオキサイド4モル−エチレンオキサイド8モル付加物)
コノール20P(新日本理化株式会社製)187質量部(1モル)と苛性ソーダ4.5質量部をオートクレーブに仕込み、加熱昇温して約130℃にした後、エチレンオキサイド308質量部(7モル)を加え、温度150℃〜160℃、圧力0.39MPa以下にて反応させた。その後、プロピレンオキサイド232質量部(4モル)を更に加え、温度150℃〜160℃、圧力0.39MPa以下にて反応させた。その後、再度エチレンオキサイド352質量部(8モル)を加え、温度150℃〜160℃、圧力0.39MPa以下にて反応させた。エチレンオキサイドの付加反応が終了した後に冷却し、氷酢酸にてpH7に中和して微黄色で透明な液状の非イオン界面活性剤を得た。
【0085】
(合成例3)(ステアリルアルコールのプロピレンオキサイド7モル−エチレンオキサイド11モル付加物)
コノール30S(新日本理化株式会社製)270質量部(1モル)と苛性ソーダ4.5質量部をオートクレーブに仕込み、加熱昇温して約130℃にした後、プロピレンオキサイド406質量部(7モル)を加え、温度150℃〜160℃、圧力0.39MPa以下にて反応させた。その後エチレンオキサイド484質量部(11モル)を更に加え、温度150℃〜160℃、圧力0.39MPa以下にて反応させた。エチレンオキサイドの付加反応が終了した後に冷却し、氷酢酸にてpH7に中和して微黄色で透明な液状の非イオン界面活性剤を得た。
【0086】
(合成例4)(ベヘニルアルコールのエチレンオキサイド14モル付加物)
コノール2280(新日本理化株式会社製)326質量部(1モル)と苛性ソーダ4.5質量部をオートクレーブに仕込み、加熱昇温して約130℃にした後、エチレンオキサイド616質量部(14モル)を加え、温度150℃〜160℃、圧力0.39MPa以下にて反応させた。エチレンオキサイドの付加反応が終了した後に冷却し、氷酢酸にてpH7に中和して白色で固体の非イオン界面活性剤を得た。
【0087】
炭素数12〜14の直鎖型第2級アルコールのエチレンオキサイド9モル付加物(以下「S90」と略す)(商品名、ソフタノール90、日本触媒化学株式会社製)は、購入したものを用いた。
【0088】
<一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物>
下記の化合物を用意した。
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール/エチレングリコール=50/50(以下「104E」と略す)(商品名、サーフィノール104E、日信化学工業株式会社製)。
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(4モル)付加物(以下「E1004」と略す)(商品名、オルフィンE1004、日信化学工業株式会社製、HLB=8.7)。
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(10モル)付加物(以下「E1010」と略す)(商品名、オルフィンE1010、日信化学工業株式会社製、HLB=13.2)。
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド(5モル)プロピレンオキサイド(2モル)付加物(以下「2502」と略す)(商品名、サーフィノール2502、日信化学工業株式会社製、HLB=8)。
【0089】
<一般式(3)で表されるモノヒドロキシ化合物>
下記の化合物を用意した。
n−ブタノール。
2−エチルヘキサノール。
ラウリルアルコール。
イソテトラデカノール。
オレイルアルコール。
イソエイコシルアルコール。
ベヘニルアルコール。
【0090】
<その他化合物(比較例にて使用)>
下記の化合物を用意した。
イソプロピルアルコール。
ポリアクリル酸Na(商品名、アロンA−20L、有効成分18質量%、東亞合成株式会社製)。
市販の中性洗剤(商品名、チャーミーグリーン、有効成分18質量%、ライオン株式会社製)。
カチオン界面活性剤(塩化ベンザルコニウム(商品名、ニッカノン50、有効成分50質量%、日華化学株式会社製))。
アニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン(商品名、エマール20T、有効成分40質量%、花王株式会社製))。
【0091】
比較合成例1:非イオン界面活性剤(トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド20モル付加物)
フェノール94質量部(1モル)と濃硫酸0.7質量部をオートクレーブに仕込み、加熱昇温して約130℃にした後、スチレン312質量部(3モル)を温度120℃〜130℃、圧力0.39MPa以下にて反応させてトリスチレン化フェノールを得た。その後、得られたトリスチレン化フェノールにNaOH3.0質量部を更に加え、加熱昇温して約130℃にした後、エチレンオキサイド880質量部(20モル)を温度140℃〜150℃、圧力0.39MPa以下にて反応させた。エチレンオキサイドの付加反応が終了した後、冷却し、氷酢酸にてpH7に中和して淡黄色で液状の非イオン界面活性剤を得た。
【0092】
なお、表1〜3に示されるHBLは上記HBL値を意味し、MWは各化合物の構造式から算出した分子量を意味する。
【0093】
<水性切削加工剤の調製>
(実施例1)
一般式(1)で表される非イオン界面活性剤として合成例2の化合物(2.5質量部)及び合成例3の化合物(2.5質量部)、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物として104E(1質量部)、並びに、水(94質量部)をガラス容器に加えた。これをガラス棒にて5分間撹拌することによって、有効成分6質量%の透明で液状の水性切削加工剤を得た。
【0094】
(実施例2〜13)
一般式(1)で表される非イオン界面活性剤及び一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物を表1に示す配合量(質量部)で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜13の水性切削加工剤を得た。ただし、固体の化合物を混合する場合は、混合物を加熱溶融した後、撹拌して均一にした。
【0095】
(実施例14)
一般式(1)で表される非イオン界面活性剤として合成例2の化合物(2.5質量部)及び合成例3の化合物(2.5質量部)、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物としてE1004(0.5質量部)、一般式(3)で表されるモノヒドロキシ化合物としてブタノール(0.5質量部)、並びに、水(94質量部)をガラス容器に加えた。これをガラス棒にて5分間撹拌することによって、有効成分6質量%の透明で液状の水性切削加工剤を得た。
【0096】
(実施例15〜24)
一般式(1)で表される非イオン界面活性剤、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物及び一般式(3)で表されるモノヒドロキシ化合物を表2に示す配合量(質量部)で用いたこと以外は、実施例14と同様にして、実施例15〜24の水性切削加工剤を得た。ただし、固体の化合物を混合する場合は、混合物を加熱溶融した後、撹拌して均一にした。
【0097】
(比較例1)
水性切削加工剤を配合せずに、水のみを用いた。
【0098】
(比較例2)
一般式(1)で表される非イオン界面活性剤として合成例2の化合物(2.5質量部)及び合成例3の化合物(2.5質量部)、並びに、水(95質量部)をガラス容器に加えた。これをガラス棒にて5分間撹拌することによって、有効成分5質量%の透明で液状の水性切削加工剤を得た。
【0099】
(比較例3〜12)
一般式(1)で表される非イオン界面活性剤、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物、一般式(3)で表されるモノヒドロキシ化合物及びその他の化合物を表3に示す配合量(質量部)で用いたこと以外は、比較例2と同様にして、比較例3〜12の水性切削加工剤を得た。
【0100】
[評価項目]
実施例及び比較例で得られた水性切削加工剤について以下のような評価を行った。
【0101】
(評価試験1:製品安定性)
実施例1〜24及び比較例2〜12で得られた水性切削加工剤100mlをガラス容器に入れ、密閉して45℃にて1週間静置した。その後、水性切削加工剤の状態について、以下の評価基準に従って製品安定性を評価した。
<製品安定性評価基準>
○:安定(分離なし)
△:やや安定(白濁するが、分離なし)
×:不安定(分離)
【0102】
(評価試験2:浸透性)
実施例1〜24及び比較例2〜12で得られた水性切削加工剤をイオン交換水にて10倍に希釈した水溶液を調製した。比較例1の水は、このまま用いた。この水溶液をガラス容器に30ml入れて、その水面にウール試験片(ウールトロピカル)(1.5cm×1.5cm)を静かに置いた。ウール試験片全体が沈降するまでの時間を測定した。この試験を3回繰り返し、平均沈降時間を算出し、以下の評価基準に従って浸透性を評価した。
<浸透性評価基準>
◎:平均沈降時間が90秒以下
○:平均沈降時間が90〜120秒
△:平均沈降時間が120〜300秒
×:平均沈降時間が300秒以上
【0103】
(評価試験3:切削性)
サファイア基板(φ50X0.26t、株式会社斉藤光学製作所製)を樹脂フィルム(ADWILL D−201/テープ厚120μm、リンテック株式会社製)で固定した。次いで、実施例1〜24及び比較例2〜12で得られた水性切削加工剤を原液のままで、又は比較例1の水をこのままで用いて下記の条件にてサファイア基板をブレードダイシング加工した。
使用装置:「DAS110番」(株式会社ダステック製)
ブレード条件 : 電鋳ブレード 幅50μm/番手 #3000、#2000、#1500
メタルブレード 幅50μm/番手 #800
切削条件 : 送り速度3.0mm/s〜25.0mm/s
切り込みの深さ5μm、10μm又は50μm
スピンドル回転数13000rpm
切削液流量0.5L/min(マルチノズル、幅17mm)
【0104】
1回の切り込み深さを5μm、10μm又は50μmでサファイア基板をブレードダイシング加工した後、ダイシングした部分をマイクロスコープ(倍率100倍、株式会社ニコン製)にてサファイア基板の表面を観察した。ダイシング加工によるチッピング及びクラックの有無を下記基準に従って目視で判定することによって、切削性を評価した。
<性能評価基準>
◎:チッピング及びクラックが少なく、良品。
○:チッピング及びクラックが有るが、良品。
△:チッピング及びクラックが多く、不良品。
×:チッピング及びクラックが非常に多く、不良品。
【0105】
(評価試験4:洗浄性)
実施例1〜24及び比較例2〜12で得られた水性切削加工剤又は比較例1の水を付着させた基材を作製した後、基板を下記条件で洗浄した。
<水性切削加工剤の付着条件>
基材 :サファイア基板(大きさ:75mm×25mm)
水性切削加工剤の付着量:サファイア基板の中央部に、2.0gの水性切削加工剤を付着させた
処理 :水性切削加工剤を付着させた後、20℃にて10分間放置した
<洗浄条件>
使用した水:イオン交換水に塩化カルシウムを溶解させ、硬度(炭酸カルシウム換算)を80ppmに調整した水を使用
流量 :0.5L/min
時間 :1min
【0106】
洗浄前後のサファイア基板の質量より、サファイア基板に残存した水性切削加工剤の量を測定し、下記の式から洗浄率を求め、下記の評価基準に従って洗浄性を評価した。
洗浄率(%)=((b−c)/a)×100
a:水性切削加工剤の付着量(g)
b:洗浄前のサファイア基板の質量(g)
c:洗浄後のサファイア基板の質量(g)
【0107】
<性能評価基準>
○:水性切削加工剤の残存が全くない(洗浄率99.5%〜100%)
×:水性切削加工剤の残存がある(洗浄率99.5%未満)
【0108】
【表1】

【0109】
【表2】

【0110】
【表3】

【0111】
表1より、一般式(1)で表される特定の構造を有する非イオン界面活性剤及び一般式(2)で表される特定の構造を有するジヒドロキシ化合物を含む実施例1〜13の水性切削加工剤は、切削部位への浸透性及び切削性が良好であり、切込みの深さが5〜10μmであるときにおいてチッピング及びクラックが殆どない結果であった。
【0112】
表1及び2より、上記非イオン界面活性剤及び上記ジヒドロキシ化合物に加え、更に一般式(3)で表される特定の構造を有するモノヒドロキシ化合物を含むことで、切削部位への浸透性及び切削性がより向上していることが分かった。特に炭素数14以上のモノヒドロキシ化合物を用いた実施例17〜24の水性切削加工剤では、実施例1〜13の水性切削加工剤に比べ切削部位への浸透性及び切削性が共に向上しており、切込みの深さが50μmであるときにおいてもチッピング及びクラックが全くない結果が得られた。また、実施例1〜24の水性切削加工剤はいずれも洗浄性が良好で、サファイア基板上に水性切削加工剤の残存はなかった。
【0113】
一方、表3より、上記非イオン界面活性剤のみを使用した比較例2〜4の水性切削加工剤は切削部位への浸透性及び切削性が不良であった。上記非イオン界面活性剤及び上記モノヒドロキシ化合物を併用した比較例5の水性切削加工剤では良好な切削性が得られるものの、実施例で得られる切削性に比べると劣る結果であった。
【0114】
上記ジヒドロキシ化合物又は上記モノヒドロキシ化合物のみを使用した比較例6〜7では、剤型化できず性能評価ができなかった。
【0115】
ポリアクリル酸Naを使用した比較例8、市販の中性洗剤を使用した比較例9では、洗浄性は良好であるものの切削部位への浸透性及び切削性が共に不良であった。カチオン界面活性剤にジヒドロキシ化合物を併用した比較例10、アニオン界面活性剤にジヒドロキシ化合物を併用した比較例11、比較合成例1の非イオン界面活性剤にジヒドロキシ化合物を併用した比較例12では、いずれも洗浄性は良好であるものの切削部位への浸透性及び切削性が共に不良であった。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明の水性切削加工剤及び固体材料の切削加工方法を用いることにより固体材料の切削加工、特に、高脆性材料のブレードダイシング加工において切削性を飛躍的に向上させることができるため、高能率な作業が可能になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤と、
下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、
を含有する、水性切削加工剤。
O(RO)H …(1)
[式(1)中、Rは炭素数6〜22のアルキル基、アルケニル基若しくはアリール基、又は、炭素数7〜22のアルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を示し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、xは1〜30の整数を示し、xが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよい。]
【化1】


[式(2)中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルケニル基を示し、R及びRは同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、y及びzはそれぞれ独立に0〜14の整数を示し、yが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよく、zが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよい。]
【請求項2】
下記一般式(3)で表されるモノヒドロキシ化合物を更に含有する、請求項1に記載の水性切削加工剤。
OH …(3)
[式(3)中、Rは、炭素数4〜26のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、炭素数6〜26のアリール基、又は、炭素数7〜26のアルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を示す。]
【請求項3】
前記非イオン界面活性剤と前記ジヒドロキシ化合物との質量比が、1:0.06〜1:1である、請求項1又は2に記載の水性切削加工剤。
【請求項4】
前記非イオン界面活性剤と、前記ジヒドロキシ化合物及び前記モノヒドロキシ化合物と、の質量比が、1:0.1〜1:1であり、前記ジヒドロキシ化合物と、前記モノヒドロキシ化合物と、の質量比が、3:7〜7:3である、請求項2に記載の水性切削加工剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性切削加工剤が含まれる切削液を固体材料の切削部位に供給することを特徴とする固体材料の切削加工方法。
【請求項6】
前記切削加工方法がブレードダイシング加工である、請求項5に記載の固体材料の切削加工方法。

【公開番号】特開2012−201750(P2012−201750A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66264(P2011−66264)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000226161)日華化学株式会社 (208)
【Fターム(参考)】