説明

水性塗料用含フッ素共重合体組成物

【課題】特殊な添加剤を配合することなく、着色の無い塗膜を形成することができる水性塗料用含フッ素共重合体組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】イソシアネート基と反応する官能基を有する含フッ素共重合体(A)、下式(1)で表わされる基を有するブロックポリイソシアネート(B)、及び水を含有することを特徴とする水性塗料用含フッ素共重合体組成物。


[式(1)において、Rはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、N−置換カルバミル基、フェニル基、ニトロ基、ハロゲン原子又は式−C(O)−O−R(Rは水素またはアルキル基である。)で表される基であり、nは0〜3の整数であり、nが2以上の場合には、Rは同一であっても異なっていてもよい。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性塗料用含フッ素共重合体組成物に関し、詳細には、含フッ素共重合体と所定のブロックポリイソシアネートとの組合わせによって、着色なく塗膜を形成することができる水性塗料用含フッ素共重合体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
イソシアネート系架橋剤は、主としてウレタン系塗料用途に広く使用されている。ライン用塗料等、一液性であることが必要とされる場合には、イソシアネート基をブロックした、ブロックイソシアネートとして使用される。しかし、塗料貯蔵時の着色、焼付け硬化時の着色が問題となっており、これを解決するために種々のブロックイソシアネートが提案されている(例えば特許文献1、2)。
【0003】
主剤として、フッ素含有ポリオールを用いた場合にも、上記着色が問題となっている。これを解決する方法として、ヒンダードフェノール化合物、燐含有化合物、及びセミカルバジド化合物のうちの少なくとも2種を、塗料に配合することが提案されている(特許文献3)。しかし、このような添加物は、塗膜特性に悪い影響を与える場合があり、配合する手間も煩瑣である。焼付け温度は100〜300℃とされているが、実施されているのは180℃と高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−101220号公報
【特許文献2】特表平11−512772号公報
【特許文献3】特開平9−40905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、特殊な添加剤を配合することなく、着色の無い塗膜を形成することができる水性塗料用含フッ素共重合体組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、イソシアネート基と反応する官能基を有する含フッ素共重合体(A)、下式(1)で表わされる基を有するブロックポリイソシアネート(B)、及び水を含有することを特徴とする水性塗料用含フッ素共重合体組成物である。
【化1】

[式(1)において、Rはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、N−置換カルバミル基、フェニル基、ニトロ基、ハロゲン原子又は式−C(O)−O−R(Rは水素またはアルキル基である。)で表される基であり、nは0〜3の整数であり、nが2以上の場合には、Rは同一であっても異なっていてもよい。]
【発明の効果】
【0007】
上記本発明の水性塗料用含フッ素共重合体組成物によれば、特殊な添加剤を配合することなく、着色が無く、色味の綺麗な塗膜を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<ブロックポリイソシアネート(B)>
本発明において、ブロックポリイソシアネート(B)は、下記式(1)で表される、ピラゾール誘導体でブロックされたイソシアネート基を有する。斯かるブロックポリイソシアネート(B)としては、特表平11−512772号公報に記載のものを使用することができる。
【化2】

式(1)において、Rはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、N−置換カルバミル基、フェニル基、ニトロ基、ハロゲン原子又は式−C(O)−O−R(Rは水素またはアルキル基である。)で表される基であり、nは0〜3の整数であり、nが2以上の場合には、Rは同一であっても異なっていてもよい。
【0009】
アルキル基としては、C1〜C6アルキル基が好ましく、C1〜Cアルキル基がより好ましい。アルケニル基としては、C2〜C6のアルケニル基が好ましい。アラルキル基としては、フェニル基を有するC1〜C6アルキル基が好ましい。N−置換カルバミル基としては、式 −C(O)NR(式中R3およびR4は、水素、またはアルキル或いはアルケニル基であり、ただしR3およびR4の両方が水素であることはない)で表される基が好ましい。ハロゲンとしては、塩素または臭素が好ましい。これらのうちRとしては、メチル基が最も好ましい。nは、2または3であることが好ましく、より好ましくは2である。
【0010】
さらに、ブロックポリイソシアネート(B)は、前記式(1)で表される基を有するが、さらに式−(CH2CH2O)p−(式中pは3以上の整数)で表されるポリオキシエチレン基及び/又はポリヒドロキシアルキルカルボン酸残基を有することが好ましい。
【0011】
ポリオキシエチレン基及び/又はポリヒドロキシカルボン酸残基を有するブロックポリイソシアネート(B)は、例えばポリイソシアネート化合物を、イソシアネート基と反応性の基を有するポリオキシエチレン化合物及び/又はポリヒドロキシアルキルカルボン酸とを反応させて、ポリオキシエチレン基及び/又はポリヒドロキシアルキルカルボン酸残基を有するポリイソシアネートを形成し、次いでピラゾール化合物と反応させブロックイソシアネートとすることにより得られる。なお、ポリイソシアネート化合物を、イソシアネート基と反応する官能基を有するポリオキシエチレン化合物及び/又はポリヒドロキシアルキルカルボン酸とを反応させる際の、ポリイソシアネート化合物と、ポリオキシエチレン化合物及び/又はポリヒドロキシアルキルカルボン酸の量比は、反応させるポリイソシアネート化合物の100質量部に対して、0.01〜25質量部が好ましく、0.5〜25質量部がより好ましい。前記ポリオキシエチレン化合物としては、例えばポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシエチレンジオール等が挙げられる。前記ポリヒドロキシアルキルカルボン酸としては、例えばジメチロールプロピオン酸等が挙げられる。
【0012】
<含フッ素共重合体(A)>
本発明における含フッ素共重合体(A)は、イソシアネート基と反応する官能基を有するものであれば特に制限はない。具体的には、含フッ素単量体(a)(以下、単に「単量体(a)」と言う場合がある。)と、イソシアネート基と反応する官能基を有する単量体(b)(以下、単に「単量体(b)」と言う場合がある。)との共重合体を挙げることができる。
単量体(a)としては、含フッ素不飽和化合物、例えば、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、フッ化ビニリデン(VdF)、フッ化ビニル(VF)、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)が挙げられる。これらの中でも単量体(a)としては、塗膜の耐候性が優れることからCTEF、TFEが好ましい。
【0013】
イソシアネート基と反応する官能基としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基がこのましく、単量体(b)としては、水酸基、カルボキシ基、又はアミノ基を有する不飽和化合物が挙げられる。これらの中でもイソシアネート基と反応する官能基としては水酸基が好ましく、単量体(b)としては水酸基を有する不飽和化合物が好ましい。
水酸基を有する単量体としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ-2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル等のエチレングリコールモノビニルエーテル類;1−ヒドロキシエチルアリルエーテル、3−ヒドロキシブチルアリルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類;2−ヒドロキシエチルビニルエステル、4−ヒドロキシブチルビニルエステル等のヒドロキシアルキルビニルエステル類;2−ヒドロキシエチルアリルエステル、4−ヒドロキシブチルアリルエステル等のヒドロキシアルキルアリルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類等が挙げられる。
【0014】
カルボキシル基を有する単量体としては、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、2−ヘプテン酸、3−ヘプテン酸、6−ヘプテン酸、3−オクテン酸、7−オクテン酸、2−ノネン酸、3−ノネン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸または10−ウンデセン酸、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、桂皮酸、などの不飽和カルボン酸類;ビニルオキシ吉草酸、3−ビニルオキシプロピオン酸、3−(2−ビニルオキシブトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−ビニルオキシエトキシカルボニル)プロピオン酸などの飽和カルボン酸ビニルエーテル類;アリルオキシ吉草酸、3−アリルオキシプロピオン酸、3−(2−アリロキシブトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−アリロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸などの飽和カルボン酸アリルエーテル類;3−(2−ビニロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−ビニロキシブトキシカルボニル)プロピオン酸などのカルボン酸ビニルエーテル類;アジピン酸モノビニル、こはく酸モノビニル、フタル酸ビニル、ピロメリット酸ビニルなどの飽和多価カルボン酸モノビニルエステル類;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物などの不飽和ジカルボン酸類またはその分子内酸無水物;イタコン酸モノエステル、マレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステルなどの不飽和カルボン酸モノエステル類等が挙げられる。
【0015】
アミノ基を有する単量体としては、CH=C−O−(CH−NH(x=1〜10)で示されるアミノアルキルビニルエーテル類;CH=CH−O−CO(CH−NH(x=1〜10)で示されるアミノアルキルカルボン酸ビニルエステル;そのほかアミノメチルスチレン、ビニルアミン、アクリルアミド、ビニルアセトアミド、ビニルホルムアミド等が挙げられる。
【0016】
イソシアネート基と反応する官能基が水酸基である場合には、含フッ素共重合体(A)の水酸基価は、0〜150mgKOH/gが好ましく、40〜125mgKOH/gがより好ましい。
【0017】
上記単量体に加えて、フッ素原子及びイソシアネート基と反応する官能基のいずれも有しない単量体(c)(以下、単に「単量体(c)」と言う場合がある。)を用いてもよい。単量体(c)としては、例えば、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、プロペニルエーテル類、プロペニルエステル類およびアクリル酸エステル類、メタアクリル酸エステル類が挙げられ、具体的にはエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ピバリン酸ビニル、ベオバ9およびベオバ10(シェル化学社製、炭素数9または10の分岐脂肪酸のビニルエステルの商品名)などが挙げられる。
これらの中でも単量体(a)との交互共重合性がよく、共重合体のガラス転位温度を調整しやすい点で、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルが好ましい。
【0018】
単量体(a)、単量体(b)、及び単量体(c)の含有割合としては、含フッ素共重合体中の全繰り返し単位に対して、単量体(a)が、40〜60モル%、単量体(b)が4〜30モル%、単量体(c)が3〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは、単量体(a)が、45〜55モル%、単量体(b)が8〜25モル%、単量体(c)が20〜45モル%である。
単量体(a)の含有割合が上記範囲である共重合体は、ガラス転移温度が高くなりすぎず、非晶質で良好な膜を構成する。また、単量体(b)の含有割合が少なすぎると、硬化後の、架橋密度が低くなり、単量体(b)の含有割合が多すぎると、得られる塗膜の耐水性の低下が懸念される。
【0019】
より好ましい含フッ素共重合体(A)としては、国際公開WO2007/125970号公報に記載の含フッ素共重合体(以下「含フッ素共重合体(a)とする」)が挙げられる。該含フッ素共重合体(a)は、以下で説明する式(a1)で表される繰り返し単位、及び式(a2)で表される繰り返し単位を有していることが好ましい。以下、式(a1)で表される繰り返し単位を「繰り返し単位(a1)」のように記す。
【0020】
繰り返し単位(a1)は、下式(a1)で表される。
【化3】

式(a1)において、XおよびXは、それぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、Xは塩素原子、フッ素原子または−CY(Y、Y、Yはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。)である。
【0021】
繰り返し単位(a1)としては、前記単量体(a)に関して例示したもののうち、上記式(a1)で表される繰り返し単位を与える単量体、又はこれらの混合物から誘導される繰り返し単位が好ましい。好ましい態様、好ましい含有量も、前記単量体(a)と同様である。
【0022】
繰り返し単位(a2)は、下式(a2)で表される。
【化4】

式(a2)中のRは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜10の2価のシクロアルキル基であり、mは0〜8の整数、nは0または1である。
【0023】
繰り返し単位(a2)としては、前記単量体(b)における水酸基を有する単量体として例示したもののうち、上記式(a2)で表される繰り返し単位を与える単量体、又はこれらの混合物から誘導される繰り返し単位が好ましい。これらの中で繰り返し単位(a2)に誘導される単量体としては、重合性、架橋性などからヒドロキシアルキルビニルエーテル類が好ましく、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルが好ましい。
【0024】
含フッ素共重合体(a)における繰り返し単位(a2)の含有割合は、前記含フッ素共重合体(A)の共重合に用いられる単量体(b)の含有割合と同様である。
【0025】
フッ素共重合体(A)は、上記繰り返し単位に加えて、一部または全部が中和されていてもよい酸基を有する繰り返し単位を有していてよい。該酸基を有する繰り返し単位の含有割合は、含フッ素共重合体(A)中の全繰り返し単位に対して0.4〜7モル%が好ましく、より好ましくは1.5〜7モル%である。
【0026】
該一部または全部が中和されていてもよい酸基を有する繰り返し単位としては、下式(a3)で表される繰り返し単位(a3)が好ましい。
【化5】

式(a3)中のR、Rは、式(a2)における各々と同じ意味であり、Rは炭素数2〜10のアルキレン基または炭素数4〜10の2価のシクロアルキル基であり、Rは水素原子または−NHZ(Z、Z、Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)であって、少なくともRの一部は−NHZであり、pは0〜8の整数、qは0または1である。
含フッ素共重合体(A)が有する全繰り返し単位(a3)のうち、Rが−NHZである割合は30〜100モル%であることが好ましく、50〜100モル%であることがより好ましい。
【0027】
含フッ素共重合体(A)における繰り返し単位(a3)の含有割合は、含フッ素共重合体の繰り返し単位全体に対して0.4〜7モル%が好ましく、より好ましくは1.5〜7モル%である。繰り返し単位(a3)の割合が上記範囲であると、水への溶解性または分散性に優れ、水中での安定性に優れる。
繰り返し単位(a3)は、例えば2価カルボン酸の酸無水物を繰り返し単位(a2)と反応させてエステル化し、中和する等の方法で誘導することができる。
【0028】
含フッ素共重合体(A)は、さらに、下式(a4)で表される繰り返し単位(a4)を有していてもよい。
【化6】

式(a4)中のRは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数4〜10の1価のシクロアルキル基であり、jは0〜8の整数、kは0または1である。好ましくは、式(a2)において、j=0であり、k=0または1である。
【0029】
繰り返し単位(a4)としては、前記単量体(c)に関して例示したもののうち、上記式(a4)で表される繰り返し単位を与える単量体、又はこれらの混合物から誘導される繰り返し単位が好ましい。好ましい態様、好ましい含有量も、前記単量体(c)と同様である。
【0030】
含フッ素共重合体(A)における繰り返し単位(a4)の含有割合は、含フッ素共重合体(A)の繰り返し単位全体に対して、3〜50モル%が好ましく、より好ましくは20〜45モル%である。
【0031】
含フッ素共重合体(A)は、繰り返し単位(a1)、繰り返し単位(a2)、繰り返し単位(a3)、繰り返し単位(a4)以外の繰り返し単位(以下、「その他の繰り返し単位」という場合がある。)を、繰り返し単位全体に対して20モル%以下の含有割合で含んでいてもよい。その他の繰り返し単位としては、繰り返し単位(a1)、(a2)、(a3)、(a4)を形成する単量体以外であって、エチレン性不飽和結合を有する単量体に基づく繰り返し単位が挙げられる。
【0032】
含フッ素共重合体(a)の特に好ましい構成は、繰り返し単位(a1)が45〜55モル%、繰り返し単位(a4)が14〜46モル%、繰り返し単位(a2)が8〜25モル%、繰り返し単位(a3)が1.4〜6モル%であって、その他の繰り返し単位を含有しない構成である。
【0033】
含フッ素共重合体(A)は、定法に従い、乳化重合によりエマルジョンとして、また、溶液重合で得られる共重合体溶液の溶媒を水性媒体に転換してディスパージョンとして、調製することができる。
【0034】
<水性塗料用含フッ素共重合体組成物の調製>
本発明の水性塗料用含フッ素共重合体組成物(以下、単に「水性塗料用組成物」と言う場合がある。)は、含フッ素共重合体(A)を含むエマルジョンもしくはディスパージョンに、ブロックポリイソシアネート(B)及び所望により後述する各種添加剤を、ミキサー等の公知の手段で混合することによって調製することができる。
【0035】
含フッ素共重合体(A)と、ブロックポリイソシアネート(B)との配合割合は、含フッ素共重合体(A)のイソシアネート基と反応する官能基に対する、ブロックポリイソシアネート(B)が有する前記式(1)で表される基のモル比が0.2〜2であることが好ましく、0.5〜1.5であることがより好ましい。
ただし、ブロックイソシアネート(B)が、前記式(1)で表される基以外にブロック化されていないイソシアネート基を有する場合には、含フッ素共重合体(A)のイソシアネート基と反応する官能基に対する、ブロックポリイソシアネート(B)が有する前記式(1)で表される基とブロック化されていないイソシアネート基との合計のモル比が、前記の比となることが好ましい。
【0036】
水性塗料用組成物における、含フッ素共重合体(A)とブロックポリイソシアネート(B)との質量比としては、上記モル比の条件が確保された上で、含フッ素共重合体(A)とブロックポリイソシアネート(B)の合計量を100質量%として、含フッ素共重合体(A)の割合が50〜95質量%が好ましく、特に65〜90質量%が好ましい。
【0037】
水性塗料用組成物における水の量は、水性塗料用組成物中20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%とすることがより好ましい。
【0038】
水性塗料用組成物には、造膜助剤、表面調整剤、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤等の添加剤を適宜含有してよい。造膜助剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノ(2−メチルプロピオネート)、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。なお、造膜助剤は、有機溶媒の1種である。よって、造膜助剤を含有させる場合は、造膜助剤とそれ以外の有機溶媒の含有割合の合計が、水性組成物において10質量%以下となるようにする。造膜助剤の含有量は、樹脂固形分の100質量部に対し、3質量部以下、特には1質量部以下とするのが好ましい。
【0039】
表面調整剤としては、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン等が好ましく挙げられる。増粘剤としては、ポリウレタン系会合性増粘剤等が好ましく挙げられる。
【0040】
紫外線吸収剤としては、公知の種々のものが使用できる。例えば、サリチル酸メチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸クレジル、サリチル酸ベンジル等のサリチル酸エステル類;2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、アデカ・アーガス社製のT−57として販売されているような高分子量変性品等のベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−ネオペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、チバ・ガイギー社製のチヌビン900、1130として販売されているような高分子量変性品等のベンゾトリアゾール類;2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−シアノ−β−メチル−4−メトキシ桂皮酸メチル等の置換アクリロニトリル類;2,2’−チオビス(4−オクチルフェノレート)ニッケル錯塩、{2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)}−n−ブチルアミン・ニッケル錯塩等のニッケル錯塩;p−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチル、レゾルシノールモノ安息香酸エステル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等の紫外線吸収剤;及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等があり、これらは1種または2種以上の混合物として組み合わせて用いることもできる。紫外線吸収剤は、水性組成物中の共重合体固形分100質量部あたり0.1〜15質量部、特には0.1〜5質量部の範囲で使用することが好ましい。
【0041】
光安定剤としてはアデカアーガス社製のMARK LA 57,62,63,67,68、チバ・ガイギー社製のチヌビン622LDなどのようなヒンダードアミン系の光安定剤が挙げられる。これらは、1種または2種以上の混合物として紫外線吸収剤と組み合わせて用いることもできる。
【0042】
消泡剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸塩類、液体脂肪油硫酸エステル類、脂肪族アミン及び脂肪族アミドの硫酸塩類、脂肪族アルコールリン酸エステル類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アクリル系ポリマー、シルコーン混合アクリル系ポリマー、ビニル系ポリマー、ポリシロキサン化合物などが挙げられる。これらの消泡剤のうち、消泡効果は親水基と疎水基のバランス(HLB価)で左右され、HLBが6以下、特に4以下のものが好ましく採用される。
【0043】
さらに、本発明の効果を阻害しない量の、含フッ素共重合体(A)以外の樹脂を含んでもよい。他の樹脂としては、フッ素系、フェノール系、アルキド系、メラミン系、ユリア系、ビニル系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系などの樹脂が挙げられる。これらの中でも、相溶性の点からフッ素系樹脂、アクリル系樹脂がより好ましい。
【0044】
フッ素系樹脂としては、特許第2955336号に記載のフルオロオレフィンに基づく重合単位及び親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合単位を必須構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。ここで、親水性部位とは、親水性基を有する部位、又は親水性の結合を有する部位、及びこれらの組合せからなる部位を意味する。また、マクロモノマーとは片末端にラジカル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマー又はオリゴマーのことである。この含フッ素共重合体を含有させた場合は、水性塗料用組成物の安定性が改良される点で好ましい。
【0045】
<塗膜形成法>
塗膜は、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法等の公知の方法で、本発明の水性塗料用組成物を基材上に塗布し、加熱することによって形成することができる。加熱温度及び時間は、塗膜の厚さ等に依存して異なるが、80〜150℃、好ましくは100〜140℃で、約30秒〜24時間、好ましくは1分〜1時間、加熱することによって行なう。
【0046】
[実施例]
<合成例1:含フッ素共重合体水溶液1>
内容積2500mlの撹拌機付きステンレス鋼製耐圧反応器にキシレンの590g、エタノールの170g、エチルビニルエーテル(EVE)の76g、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の168g、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の136g、炭酸カリウムの11g、及びパーブチルパーオキシピバレート(PBPV)の3.5gを仕込み、窒素による脱気により液中の溶存酸素を除去した。
次にクロロトリフルオロエチレン(CTFE)の432gを導入して徐々に昇温し、温度65℃に維持しながら反応を続けた。10時間後、反応器を水冷して反応を停止した。この反応液を室温まで冷却した後、反応器を開放して未反応モノマーをパージし、次いでキシレン、エタノールを減圧留去し固体の含フッ素重合体を得た。得られたフッ素重合体のCTFE/EVE/CHVE/HBVEのモル比は50/15/15/20であった。
得られた含フッ素重合体を、メチルエチルケトン(MEK)に溶解させて固形分60質量%のワニスを得た。このワニスの300gに、無水こはく酸の4.8g、及び触媒としてトリエチルアミンの0.072gを加え、70度で6時間反応させエステル化した。反応液の赤外吸収スペクトルを測定したところ、反応前に観測された無水酸の特性吸収(1850cm−1、1780cm−1)が反応後では消失しており、カルボキシル基(1710cm−1)およびエステル基(1735cm−1)の吸収が観測された。エステル化後の含フッ素共重合体の水酸基価は85mg/KOH、酸価は15mgKOH/gであった。
次に、エステル化後の含フッ素共重合体に、トリエチルアミンの4.9gを加え室温で20分攪拌し、含フッ素共重合体中のカルボキシル基を中和した後、イオン交換水の160gを徐々に加えた。
最後に、アセトンおよびメチルエチルケトンを減圧留去した。さらにイオン交換水の20g部を加えて、固形分濃度50質量%の含フッ素共重合体水溶液1を得た。
【0047】
<合成例2:含フッ素共重合体水溶液2>
内容積2500mlの撹拌機付きステンレス鋼製耐圧反応器中に、水1280g、エチルビニルエーテル(EVE)の185g、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の244g、親水性マクロモノマー(CM−EOVE)の47g、水酸基含有単量体(CHMVE)の194g、イオン交換水の1280g、炭酸カリウム(KCO)の2.0g、過硫酸アンモニウム(APS)の1.3g、ノニオン性乳化剤(Newcol−2320:日本乳化剤社製)の33g、アニオン性乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)の1.4gを仕込み、氷で冷却して、窒素ガスを3.5kg/cmになるよう加圧し脱気した。この加圧脱気を2回繰り返した後10mmHgまで脱気して溶存空気を除去した後、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)の664gを仕込み、50℃で24時間反応を行った後、反応器を水冷して反応を停止した。この反応液を室温まで冷却した後、未反応モノマーをパージし、含フッ素ポリマー共重合体水溶液2を得た。該含フッ素共重合体の水酸基価は55mgKOH/g、該含フッ素共重合体水溶液の固形分濃度は50%であった。
なお親水性マクロモノマー(CM−EOVE)と水酸基含有単量体(CHMVE)の構造は次の通りである。
CM−EOVE:CH=CHOCH−cycloC10−CHO(CHCHO)nH(平均分子量830)
CHMVE:CH=CHOCH−cycloC10−CHOH
【0048】
<顔料組成物の調製>
酸化チタン(Tipure R−706、デュポン社製)の210部、顔料分散剤Disperbyk190(ビックケミー社製、顔料に親和性のある共重合物、酸価10mgKOH/g)の21部、消泡剤デヒドラン1620(コグニス社製)の4.5部、イオン交換水の64.5部、ガラスビーズの300部を混合し、分散機を用い分散し、ガラスビーズを濾過により除去して顔料組成物を調製した。
【0049】
<実施例1〜4及び比較例1〜4>
表1に示す処方(質量%)で、含フッ素共重合体溶液、ブロックポリイソシアネート溶液及び顔料を、分散機を用いて混合し、水性塗料用組成物を調製した。表1において、各成分は以下のとおりである。
含フッ素共重合体水溶液1:合成例1
含フッ素共重合体水溶液2:合成例2
ブロックポリイソシアネート溶液:Baxenden社製、水分散性ブロックイソシアネート、TrixenDP9C/214(40質量%溶液(溶媒は水とCoasolの混合物である。なお、Coasolとはジカルボン酸とジイソブチルエーテルの混合物である。))
比較ブロックポリイソシアネート溶液:Bayer社製、水分散性ブロックイソシアネート、バイヒジュールTPLS2310(38質量%溶液(溶媒は水、nーメチルピロリドン、アミンの混合物である。)。)
【0050】
<塗膜の調製>
各組成物を、クロメート処理アルミ板上に厚み30ミクロンになるように、アプリケーターを用いて塗布し、表1に記載の各温度で、1時間焼付けた。比較用に常温で48時間乾燥させた塗膜も作成した。
【0051】
得られた塗膜を下記方法で評価した。
<白化>
顔料を含まない透明塗膜(実施例1、3、比較例1、3)の、白化、即ち、濁り、の有無を日本電食性ヘイズメーターで測定し、ヘイズ値が10以下を○、10超〜20以下を△、20超を×とした。
<着色>
白色顔料を含む塗膜(実施例2、4、比較例2、4)のYI値を日本電食性色差計で測定し、それぞれ同じ塗料から23℃で48時間乾燥させて得られる塗膜のYI値との差、△YI、を求め、△YIが2以下のものを○、2以上のものを×とした。
【0052】
【表1】

【0053】
表1から分かるように、ジメチルピラゾールでブロックされたポリイソシアネートを用いた場合には(実施例1〜4)、120℃で、白化及び着色の無い綺麗な塗膜を形成することができた。特に、実施例1及び2のディスパージョン型の含フッ素共重合体水溶液1を含む組成物は、エマルジョン型の含フッ素共重合体2を含む組成物(実施例3)のように、実用には支障が無い程度ではあるものの、塗膜の濁りを生じることもなく、優れた塗膜を形成した。これらに対して、比較例の組成物は、160℃以上の温度でなければ硬化せず、特に顔料を含む場合、着色が顕著であった。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の水性塗料用含フッ素共重合体組成物は、綺麗な塗膜を低温で形成するために大変有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基と反応する官能基を有する含フッ素共重合体(A)、
下式(1)で表わされる基を有するブロックポリイソシアネート(B)、及び
水を含有することを特徴とする水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【化1】

[式(1)において、Rはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、N−置換カルバミル基、フェニル基、ニトロ基、ハロゲン原子又は式−C(O)−O−R(Rは水素またはアルキル基である。)で表される基であり、nは0〜3の整数であり、nが2以上の場合には、Rは同一であっても異なっていてもよい。]
【請求項2】
前記官能基の少なくとも一部が水酸基であり、かつ、前記含フッ素共重合体(A)が20〜150mgKOH/gの水酸基価を有する、請求項1に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【請求項3】
前記含フッ素共重合体(A)が、更に、一部または全部が中和されていてもよい酸基を有する繰り返し単位を有し、かつ、該酸基を有する繰り返し単位の含有割合が、含フッ素共重合体(A)中の全繰り返し単位に対して1.5〜7モル%である、請求項1または2に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【請求項4】
前記含フッ素共重合体(A)が、更に、下記式(a1)で表される繰り返し単位及び下式(a2)で表される繰り返し単位を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【化2】

[式(a1)において、XおよびXは、それぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、Xは塩素原子、フッ素原子または−CY(Y、Y、Yはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。)である。]
【化3】

[式(a2)において、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、または炭素数4〜10の2価のシクロアルキル基であり、mは0〜8の整数、nは0または1である。]
【請求項5】
前記一部または全部が中和されていてもよい酸基を有する繰り返し単位が、下式(a3)で表される、請求項3又は4に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【化4】

[式(a3)において、RおよびRは式(a3)における各々と同じ意味であり、Rは炭素数2〜10のアルキレン基または炭素数4〜10の2価のシクロアルキル基であり、Rは水素原子または−NHZ(Z、Z、Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。)であって、少なくともRの一部は−NHZであり、pは0〜8の整数、qは0または1である。]
【請求項6】
前記含フッ素共重合体(A)が、更に、該含フッ素共重合体(A)中の全繰り返し単位に対して3〜50モル%の下式(a4)で表される繰り返し単位を含む、請求項3〜5のいずれか一項に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【化5】

[ただし、式(a4)において、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数4〜10の1価のシクロアルキル基であり、jは0〜8の整数、kは0または1である。]
【請求項7】
前記ブロックポリイソシアネート(B)が水分散性である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【請求項8】
前記ブロックポリイソシアネート(B)が、−(CHCHO)−(式中pは3以上の整数)で表されるポリオキシエチレン基及び/又はポリヒドロキシカルボン酸残基を有する、請求項7に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【請求項9】
前記含フッ素共重合体(A)中のイソシアネート基と反応する官能基に対する、ブロックポリイソシアネート(B)中の上式(1)で表わされる基のモル比が、0.2〜2である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【請求項10】
前記含フッ素共重合体(A)の含有量が、前記含フッ素共重合体(A)とブロックポリイソシアネート(B)の合計質量に対して50〜95質量%である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【請求項11】
含フッ素共重合体(A)以外の樹脂を含有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。
【請求項12】
含フッ素共重合体(A)以外の樹脂の含有量が、含フッ素共重合体(A)の100質量部に対して10〜50質量部である請求項11に記載の水性塗料用含フッ素共重合体組成物。

【公開番号】特開2012−255097(P2012−255097A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129119(P2011−129119)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】