説明

水性塗料組成物用アクリル系共重合体の製造方法

【課題】 本発明は、耐高加工性、耐レトルト性、傷付き性、及び光沢に優れた塗膜を形成し得る、金属缶、ポリエステルフィルム被膜絞り缶の外面被膜用水性塗料組成物に好適なアクリル系共重合体を提供し、優れた水性塗料組成物を提供する事を目的とする。
【解決手段】 アクリル系共重合体を構成するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド部のアルコキシ部分の20〜80重量%を、特定の温度及び圧力下で重合時に使ったエチレングリコール系モノアルキルエーテル等とエーテル交換し、沸点の相違する複数のアルコールのアルコキシ部分とする、水性塗料組成物用アクリル系共重合体(b)の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性塗料組成物用アクリル系共重合体の製造方法に関するものであり、詳しくは金属缶やポリエステルフィルム被膜絞り缶の外面被覆に最適な水性塗料組成物を構成し得るアクリル系共重合体の製造方法に関するものである。更に詳しくは、高加工性、耐レトルト性、傷付き性、透明性(黄色性)、光沢に優れる塗膜を形成し得る水性塗料組成物に好適なアクリル系共重合体の製造方法に関するものである。並びに前記製造方法により得られるアクリル系共重合体、該共重合体を含有する水性塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
清涼飲料水を収容する飲料缶や食品を収容する食缶(以下、両者を合わせて飲料缶等という)の外面は、缶材の腐食を防止し、美的商品価値を高め、かつ内容物を殺菌処理時の熱水(レトルト)処理工程に耐え得る塗膜が必要とされてきた。
近年、様々な形態の飲料缶が出現するようになった。例えば、意匠性付与を目的として缶胴部にダイヤカット状に凸凹の加工を施したキラキラ光をアピールした缶や縦、横、斜め等にビード加工を施しストライプ感をイメージさせた缶やロゴ等をエンボス加工した缶等の出現により缶を被膜するための塗料には今まで以上の加工性が必要になる。更に、PETボトルの普及に対抗するためにキャップで開閉できるタイプの缶により、ネジキリ部に対し今まで以上の高加工性が必要とされている。
【0003】
飲料缶の搬送スピードは近年益々速くなっている。搬送スピードが速くなるに従い、飲料缶の外面の塗膜は傷つき易くなり、外観意匠性を損なうトラブルが多発するようになる。塗膜を傷つきにくくする手段の1つに塗膜の厚みを厚くする方法もあるが、塗膜を厚くすると加工性が低下してしまう。
【0004】
近年、グラビア印刷したフィルムを缶に貼り付けた飲料缶が出現した。フィルムを缶に貼り付けた飲料缶の外面は、缶胴部にインキ及び仕上げニスを塗布する従来タイプの飲料缶よりも一般に光沢に富む。そこで、缶胴部にインキ及び仕上げニスを塗布するタイプの飲料缶の外面も、従来の同タイプの飲料缶よりも光沢及び透明性に優れることが要求されるようになってきた。
【0005】
更に、2ピース缶(缶胴・缶底部が一体成型された有底円筒状部材と缶蓋との2つのパーツからなる缶)用途で使用される場合、この金属素材、或いはポリエステルフィルム素材、あるいは各種サイズ(ホワイト、クリアー、シルバー等)のベースコート上に油性インキの印刷が施され、このインキ上にウエットオンウエットで仕上げニスクリヤーを塗装し乾燥される。この場合、インキウエット適性を上げるために仕上げニス塗料のアクリル樹脂等にラウリル基、ヘキシル基等の長鎖アルキル基を導入しインキウエット適性を上げる手段が一般的である。しかし、この方法では長鎖アルキル基(Tgが低い)の存在により、缶流通工程等で異臭物が仕上げニス塗膜に吸着してしまうという問題も発生している。
【0006】
例えば、加工性向上目的として特許文献1にはN−アルコキシメチルアクリルアマイドを共重合してなるアクリル系共重合体を含有する水性塗料組成物が提案されている。しかし、特許文献1記載の発明の場合、アクリル共重合体を得、次いで80℃に冷却した後、重合時に用いた有機溶剤を減圧下に留去している。このような低温では、アクリル系共重合体を構成するN−アルコキシメチルアクリルアマイド部のアルコキシ基部分と重合時に用いた有機溶剤とのエーテル交換はほとんど進行しない。その結果、アクリル系共重合体を構成するN−アルコキシメチルアクリルアマイド部のアルコキシ基部分のほとんどは、共重合に供したN−アルコキシメチルアクリルアマイド由来のアルコキシ基部分のままとなる。
このようなアクリル系共重合体を用いた塗料は、塗膜を焼付け・硬化する際に、N−アルコキシメチルアクリルアマイド部のアルコキシ基部分の離脱及びそれに続く硬化反応が一斉に起こるので、形成される塗膜は硬化歪みの大きなもののとなる。硬化歪みの大きな塗膜は、近年の加工性に対する厳しい要求に十分には応えられなかった。
【0007】
なお、アクリル系共重合体を得た後、アクリル系共重合体を構成するN−アルコキシメチルアクリルアマイド部のアルコキシ基部分と重合時に用いた有機溶剤とのエーテル交換を減圧することなく単に高温で進行させるという方法もある。
しかし、この方法では、アクリルアマイド部の窒素原子が発色し重合体の黄色度が増してしまい、透明性が高く、光沢に優れる塗膜は提供できない。
【0008】
また、アクリル系共重合体の平均分子量を大きくして加工性向上を目指すという方法もある。分子量を大きくする手段としては、過酸物等の反応開始剤を減らす方法や反応温度を下げる方法等がある。この方法では単純に数平均分子量Mnが大きくなり、樹脂粘度の上昇につながり塗装性に問題が生じ、加工性と塗装性の両立が難しい。
【特許文献1】特開平05−320564号公報
【特許文献2】特開平11−106700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記現状に鑑みてなされたものであり、耐加工性、耐レトルト性、耐傷付き性、及び光沢に優れた塗膜を形成し得る、金属缶、ポリエステルフィルム被膜絞り缶の外面被覆用の水性塗料組成物に好適なアクリル系共重合体を提供し、優れた水性塗料組成物を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、塗料中に含まれるアクリル系共重合体を構成するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド部のアルコキシ部分を沸点の相違する複数のアルコールのアルコキシ部分とすること、更に、特定の分子量分布を有することによって、本発明を完成した。
即ち、本発明は、沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテル及び/または沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテル中で、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1):15〜55重量%、α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸(2):3〜15重量%、および前記(1)、(2)と共重合可能な(メタ)アクリレート類及び/またはビニルモノマー(3):40〜80重量%を共重合し(但し、(1)〜(3)の合計を100重量%とする)、重量平均分子量(Mw)7000〜12000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=2〜2.5の共重合体(a)を得、
次いで減圧下に、前記共重合体(a)を構成するN−アルコキシメチル基部分から離脱するアルキルアルコールの前記減圧下における沸点よりも40℃以上高い温度、且つ100℃以上で前記共重合体(a)を構成するN−アルコキシ部分の20〜80重量%を、前記エチレングリコール系モノアルキルエーテル及び/または前記プロピレングリコール系モノアルキルエーテルとエーテル交換反応させ、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1)由来のアルキルアルコールを留去することを特徴とする、重量平均分子量(Mw)15000〜25000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=3〜5の水性塗料組成物用アクリル系共重合体(b)の製造方法に関する。
【0011】
また、本発明は、前記の製造方法によって得られる水性塗料組成物アクリル系共重合体(b)に関する。
【0012】
更に本発明は、アミノ樹脂、イソシアネート基を有する化合物及びブロック化されたイソシアネート基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、前記の水性塗料組成物用アクリル系共重合体(b)とを含有することを特徴とする水性塗料物に関し、
また、本発明は、アミノ樹脂が部分的にアルコールでエーテル化されたベンゾグアナミン樹脂であり、ベンゾグアナミン核1個あたり0.5〜2.0個のイミノ基を有するアミノ樹脂である事を特徴とする前記発明に記載の水性塗料組成物に関する。
【0013】
さらにまた本発明は、前記発明に記載の水性塗料組成物を金属缶又はポリエステルフィルム被膜絞り缶に塗布し、200℃以上で加熱、硬化して成る事を特徴とする被塗物にも関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の製造方法により得られるアクリル系共重合体を用いた水性塗料組成物は、高温での焼き付けに際し、硬化歪が発生し難く、更に特定の分子量分布を持つ事により加工性にも優れ、金属缶やポリエステルフィルム被膜絞り缶の外面被膜に好適な加工性、耐レトルト性、耐傷付き性に優れた塗膜であって、光沢の良好な塗膜を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、アクリル系共重合体(a)を得た後に、該アクリル系共重合体(a)を構成するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド部の一部を重合時に使用した沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルや沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテルとエーテル交換反応させ、更に特定の分子量分布を持つアクリル系共重合体(b)を得る方法であると換言できる。
エーテル交換前のアクリル系共重合体(a)を得る際に使用されるN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1)とは、(メタ)アクリルアマイドとホルマリンとを反応せしめてN−メチロール(メタ)アクリルアマイドを得、かかるN−メチロール(メタ)アクリルアマイドとアルコールとを反応せしめてなるものである。具体的には、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアマイド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアマイド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアマイド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアマイド等が挙げられる。これらのモノマー(1)は、アクリル系共重合体(a)を得る際に共重合体(a)全量に対して15〜55重量%使用することが重要であり、20〜45重量%使用する事が好ましい。15重量%未満では、塗膜の耐レトルト性、硬度が低下し、55重量%を超えると反応中にゲル化しやすくなるばかりでなく、ゲル化せずに共重合体が得られても該共重合体を用いた場合塗膜の加工性が低下する。
【0016】
エーテル交換前のアクリル系共重合体(a)を得る際に使用されるα、β―モノエチレン性不飽和カルボン酸(2)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸などがあり、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。α、β−エチレン不飽和カルボン酸(2)は、アクリル系共重合体(a)を得る際に共重合体(a)全量に対して3〜15重量%使用することが重要であり、4〜7重量%使用することが好ましい。3重量%未満ではアクリル系共重合体(a)の水性化が困難となり、15重量%を超えると塗膜の耐水性が不良となる。
【0017】
エーテル交換前のアクリル系共重合体(a)を得る際に用いる上記(1)、(2)と共重合可能な(メタ)アクリレート系モノマー及び/またはビニルモノマーとは、上記(1)、(2)のモノマーと共重合し得るものであればよく、(メタ)アクリレート系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートや、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性アクリレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルFA−1、プラクセルFA−3」)等の水酸基含有モノマーが挙げられる。
また、後者としては、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマーや、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルモノマーなども使用することができる。
【0018】
アクリル共重合体(a)は、後述する沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルや沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテル中で通常の溶液重合することによって得ることができる。
アクリル共重合体(a)を得る際に用いられる重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物、又は2,2−アゾビスイソブチルニトリルのようなアゾ化合物が挙げられ、これを使用し(1)〜(3)をラジカル重合する。
重合時の固形分、即ち、前記エチレングリコール系モノアルキルエーテル等溶液媒体とモノマーの比率、モノマー/(モノマー+前記エチレングリコール系モノアルキルエーテル等溶液媒体)×100は、40〜55重量%であることが好ましい。
【0019】
アクリル系共重合体(a)を合成する際に使用する有機溶剤は、沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテル、沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテルであり、いずれか一方を使用することもできるし、両方を併用することもできる。
沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルとは、エチレングリコールないしはエチレングリコール縮合物の一方の末端が水酸基であり、他方がアルキル基でエーテル化されたものである。沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテルとは、プロピレングリコールないしはプロピレングリコール縮合物の一方の末端が水酸基であり、他方がアルキル基でエーテル化されたものである。エーテル交換後のアクリル系共重合体(b)を水性化、すなわち水性媒体に溶解ないし分散するという点から、エーテル交換の原料でもあるこれら重合時の溶剤としては、沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルが好ましい。また、沸点は140〜230℃であることがより好ましい。
【0020】
沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点124℃、以下同様)、エチレングリコールモノエチルエーテル(135℃)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(144℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(171℃)、エチレングリコールモノイソブチルエーテル(160℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(202℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(230℃)が挙げられる。
沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(121℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(133℃)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(170℃)等が挙げられる。
【0021】
このようにして得られるアクリル系共重合体(a)としては、重量平均分子量Mw7000〜12000、数平均分子量Mn3000〜7000、Mw/Mn=2〜2.5であることが重要であり、Mw/Mn>2.5であるとエーテル交換後のアクリル系共重合体(b)がMw/Mn>5になり高粘度になる事により水性塗料組成物にした時に塗装性不良を生じる。Mw/Mn<2であると、Mw/Mn=3〜5の範囲のアクリル系共重合体(b)を得られず、目的の高加工性を得られない。
酸価10〜150(mgKOH/g)、水酸基価0〜150(mgKOH/g)、ガラス転移温度0〜80℃である事が好ましく、酸価30〜70(mgKOH/g)、水酸基価0〜60(mgKOH/g)、ガラス転移温度20〜60℃である事がより好ましい。
【0022】
次にアクリル系共重合体(b)、及びそれを得るためのエーテル交換反応について説明する。
前記したようにアクリル系共重合体(b)は、アクリル系共重合体(a)を構成するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド部の一部を重合時に使用した沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルや沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテルとエーテル交換反応したものである。
エーテル交換反応は、減圧条件下、好ましくは200〜60mmHgの減圧下、および前記共重合体(a)を構成するN−アルコキシメチル基部分から脱離するアルキルアルコールの前記減圧下における沸点よりも40℃以上高い温度、且つ100℃以上で行う。好ましくは110〜130℃で行う。
つまり、前記条件下に前記共重合体(a)を構成するN−アルコキシ部分の20〜80重量%が、沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルや沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテルでエーテル交換されるまで、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1)由来のアルキルアルコールを留去することによって、特定の分子量分布をもつアクリル系共重合体(b)を得ることができる。N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1)由来のアルコキシ基部分のエーテル交換率は30〜60重量%が好ましい。なお、エーテル交換率は、1H−NMRのデータから求めることができる。
100℃より低温でエーテル交換を行うと、得られる共重合体(b)のエーテル交換は起きるが、アマイド同士の縮合が起こらず目的の分子量分布を得ることができない。
【0023】
例えば、アクリル系共重合体(a)を構成するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1)がN−ブトキシメチルアクリルアマイドの場合、N−ブトキシ基より誘導され、留去されるアルキルアルコールはブタノールであり、200mmHgの時、沸点は84.3℃であるので+40℃以上の130℃で行う。
【0024】
このようにして得られるアクリル系重合体(b)としては、重量平均分子量Mw15000〜25000、Mw/Mn=3〜5であることが重要であり、重量平均分子量Mw15000〜22000、Mw/Mn=3.5〜4.5、数平均分子量Mn4000〜6000であることがより好ましい。Mw/Mn<3以下であると、キャップ開閉タイプ缶のネジキリ部加工に耐得る高加工性がでず、Mw/Mn>5であると高粘度になることより水性塗料組成物にした時に塗装性不良を生じる。
酸価10〜150(mgKOH/g)、水酸基価0〜150(mgKOH/g)、ガラス転移温度0〜80℃である事が好ましく、酸価30〜70(mgKOH/g)、水酸基価0〜60(mgKOH/g)、ガラス転移温度20〜60℃である事がより好ましい。
【0025】
N−アルコキシメチル基を有するアクリル系共重合体を含有する塗料は、硬化の際、(ア)まず、N−アルコキシメチル基からアルキルアルコールが脱離し、メチロール基が生成され、(イ)かかるメチロール基同士が反応したり、メチロール基が後述するアミノ樹脂等と反応したりして硬化塗膜を形成する。
(ア)の工程において、アルキルアルコールが脱離し易ければし易いほど、即ち脱離するアルキルアルコールの沸点が低いほど、メチロール基が速やかに生成されるので、硬化が速い。しかし、脱離し易過ぎるアルキルアルコールが一気に脱離すると硬化反応は迅速に進行するとは言うものの、その反面硬化に伴う収縮を緩和する時間がなく、形成される塗膜は硬化歪みの大きなものとなる。
一方、アルキルアルコールが脱離し難いほど、即ちアルキルアルコールの沸点が高いほど、メチロール基の生成が遅くなり、前記(イ)の工程の反応にも時間がかかる。
【0026】
アクリル系共重合体(b)中のN−アルコキシメチル部は、前記したようにN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1)由来の部分と、沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルや沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテルでエーテル交換されたN−アルコキシメチル部分とが混在する。N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1)由来のN−アルコキシメチル部分からはアルキルアルコールが比較的脱離し易い。一方、沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルや沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテルでエーテル交換されたN−アルコキシメチル部分からは前記エチレングリコール系モノアルキルエーテルやプロピレングリコール系モノアルキルエーテルが相対的に脱離し難い。
アルコールの脱離し易さの相違する、即ちメチロール基の生成し易さの相違する官能基を有するアクリル系共重合体(b)を含有する塗料組成物は、硬化歪みの発生を抑制しながら迅速に硬化し得る。
【0027】
更に、沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルや沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテルでエーテル交換されたN−アルコキシメチル部分は、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1)由来のN−アルコキシメチル部分よりも親油性に富む。従って、エーテル交換されていないアクリル系共重合体(a)に対して、アクリル系共重合体(b)を含有する塗料組成物は、インキとのウエット適性が向上し、結果的に光沢の優れた塗膜が提供できる。
しかも、インキとの親和性向上に寄与した沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテルや沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテルは、焼き付けに際し脱離し、硬化後は塗膜に残らないので異臭吸着性も優れる。
【0028】
得られたアクリル系共重合体(b)溶液に水とともにアンモニアまたは有機アミン等の揮発性塩基を加えるか、又はアンモニアまたは有機アミン等の揮発性塩基を加えた後に水を加え、アクリル系共重合体(b)中のカルボン酸の全部または一部を中和することによって、アクリル系共重合体(b)を水性媒体中に溶解もしくは分散させることができる。
揮発性塩基は、沸点400℃以下のものが好ましく、例えば有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
【0029】
次に上記アクリル共重合体(b)と併せて用い得るアミノ樹脂について説明する。アミノ樹脂としては、ベンゾグアナミン、メラミン、スピログアナミン、アセトグアナミン、フタログアナミン等のアミノ基の一部または全部にホルムアルデヒドを付加しメチロール化した後縮合させてなるものであり、イミノ基、メチロール基、またはメチロール基の一部、または全部をアルコールでエーテル化されたアルコキシ基、これらの基を併せ持つものである。アミノ樹脂としては、ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。
【0030】
ベンゾグアナミン樹脂とは、ベンゾグアナミン中のアミノ基にホルムアルデヒドを付加せしめてなるメチロール化合物が縮合したものや、前記メチロール化物の一部または全部をアルコールもしくはアルコール系溶剤でエーテル化せしめて成るものである。
具体的には、メチルエーテル化ベンゾグアナミン、ブチルエーテル化ベンゾグアナミン等が挙げられる。
【0031】
本発明においては、ベンゾグアナミン核一個あたり0.5〜2.0個のイミノ基を有することが好ましい。
イミノ基が2.0個以上だと塗料の経時安定性が悪く、0.5個以下だと硬化反応性が劣る。イミノ基とは、通常、=NHであって環骨格でないものを示すが、ここで言うイミノ基とは、ベンゾグアナミン骨格に二つ存在する−NH2の−NH基であり、通常アミノ樹脂業界の分野では−NH2部分をホルムアルデヒドで付加しメチロール基を生成した後、アルコール(ROH)でエーテル化した−NH−CH2−O−Rなる構造の窒素含有基の−NHの部分をイミノ基という。そして、アミノ樹脂を扱う業界では、ホルムアルデヒド未変性部分の−NH2(アミノ基)もイミノ基2.0個とカウントする。従って、すなわちホルムアルデヒド変性前のベンゾグアナミンの官能基はイミノ基4.0個とカウントする。
【0032】
メチロール基をエーテル化する際に供されるアルコールとしては、メタノール、ブタノールの他にn−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エタノール、イソブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルキルアルコールや、アルコール系溶剤としては、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ブチルカルビトール、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、メチルプロピレングリコール等のセロソルブ系も挙げられ、これらを混合で使用してもかまわない。
【0033】
本発明の水性塗料組成物は、アクリル系共重合体(b)とアミノ樹脂(ベンゾグアナミン樹脂)との合計100重量%中にアクリル系共重合体(b)を40〜70重量%、アミノ樹脂を30〜60重量%含むことが好ましい。
【0034】
上記アクリル系共重合体(b)は、前記アミノ樹脂の他、イソシアネート基を有する化合物とも組み合わせて使用することができる。
イソシアネート基を有する化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のポリイソシアネート類を使用することが出来る。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4‘−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1、4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンー4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソアイネート等が挙げられる。更に、上記のイソシアネート基を有する化合物を、活性メチレン、MEKオキシム、ε−カプロラクタム等のブロック化剤でブロックしてなるイソシアネート化合物をアクリル系共重合体(b)と併用することができる。
【0035】
本発明の水性塗料組成物には、必要に応じて硬化助剤として酸触媒、またはそのアミンブロック体、例えばp−トルエンスルフォン酸、ドジシルベンゼンスルフォン酸、ジノリルナフタレンスルフォン酸等、あるいはそれらのアミンブロック体をアクリル系共重合体(b)およびアミノ樹脂等の合計100重量部に対し0.05〜4重量部を添加することが出来る。
更に必要に応じて従来公知のレベリング剤、スリップ剤、消泡剤、WAX等の潤滑剤を添加することもできる。また、サンドミル、ディスパー等の公知の分散機を用いて酸化チタン、アルミニウム顔料、キナクリドン等の顔料と前記アクリル系共重合体(b)とを練肉し、前述と同様の方法で塗料化できる。
【0036】
本発明の水性塗料組成物には、一般的に用いられる水溶性樹脂や水分散樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、マレイン化脂肪酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物の樹脂あるいはエポキシ樹脂のグリシジル基にアミン、リン酸を付加し末端がリン酸エステル化されたエポキシ樹脂を添加して使用することも可能である。
【0037】
本発明の水性塗料組成物は、ロールコート、スプレー、ハケ塗り等の公知の手段により各種基材に塗装することができる。
例えば、電気メッキ錫鋼板、アルミニウム鋼板、ステンレス鋼板、またはこれらの金属板にポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムをラミネートしたラミネート鋼板に本発明の水性塗料組成物を塗布、加熱、硬化して塗装物を得ることができる。特に本発明の水性塗料組成物は、飲料用の金属缶、ポリエステルフィルム被膜絞り缶の外面を塗装し被膜するのに最適である。
【実施例】
【0038】
以下、実施例により本発明を説明する。例中、「部」とは重量部、「%」とは重量%をそれぞれ表す。
【0039】
実施例1(アクリル系共重合体b1溶液の製造)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素ガス吹き込み管を備えた四つ口フラスコに反応溶剤エチレングリコールモノイソプロピルエーテル100部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ攪拌しながら温度を105℃に保ち、滴下槽から下記モノマーの混合物に過酸化ベンゾイル5部を溶解させたものを3時間にわたって滴下した。
・N−n−ブトキシメチルアクリルアマイド 30部
・アクリル酸 5部
・スチレン 20部
・メチルメタクリレート 15部
・エチルアクリレート 30部
その後、105℃に保ち1時間反応し、過酸化ベンゾイル1部を添加し、さらに1時間反応させ、Mn:4400、Mw10500のアクリル系共重合体a1溶液を得た。
得られたアクリル系共重合体a1溶液を130℃、200mmHgの減圧下でブタノールと、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを不揮発分70%まで留去(脱溶剤)し、N−ブトキシメチルアクリルアマイドのブトキシ基とエチレングリコールモノイソプロピルエーテルとをエーテル交換、およびアマイドどうしの縮合反応をさせて、Mn4700、Mw19200、Mw/Mn=4.08のアクリル系共重合体を得、次いで、80℃以下まで冷却しジメチルエタノールアミン5.2部と水とを加え、固形分50%の水性アクリル系共重合体b1水溶液を得た。
GPCにて重量平均分子量Mw、数平均分子量MnおよびN−n−ブトキシメチルアクリルアマイドのブトキシ部分とエチレングリコールモノイソプロピルエーテルのエーテル交換率をNMRにて算出した結果を表1に示す。
【0040】
実施例2〜8、比較例1〜3(アクリル系共重合体b2〜11水溶液の製造)
実施例1に従って表1に示したモノマー組成、反応条件にて同様に重合、エーテル交換を行い、固形分50%の水性アクリル系共重合体b2〜11の水溶液を得た。
N−アルコキシメチルアクリルアマイド由来のアルコキシ部分と重合時の溶剤とのエーテル交換率をNMRにて算出した結果を表1に示す。表1中の反応溶剤IPCはエチレングリコールモノイソプロピルエーテルの略である。
【0041】
製造例1 (ベンゾグアナミン樹脂c1の製造)
温度計、攪拌機、還流冷却装置、滴下槽、窒素ガス吹き込み管を備えた四つ口フラスコに、ベンゾグアナミン187部、80%パラホルムアルデヒド281部、メタノール320部を仕込み、25%水酸化ナトリウム溶液0.7部を添加後、60℃で3時間加熱した。その後60%硝酸溶液を溶液がPH3.5になるまで仕込み、引き続き4時間反応した。反応終了後、25%水酸化ナトリウム溶液にて中和した後、70℃以下でメタノール水を減圧除去した後、減圧濾過して取りだし、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを加え、固形分75%のベンゾグアナミン樹脂c1溶液を調整した。ベンゾグアナミン核1個当たりのイミノ基、メチロール基の数をNMRにて算出した結果を表2に示す。
イミノ基は、第31段落の定義でカウントを行った。
【0042】
製造例2,3(ベンゾグアナミン樹脂c2、c3の製造)
製造例1に従って表2に示したベンゾグアナミン、パラホルムアルデヒド、メタノールの量で反応させベンゾグアナミン樹脂c2、c3を得た。ベンゾグアナミン核一個当たりのイミノ基、メチロール基の数をNMRにて算出した結果を表2に示す。ここでのイミノ基は、第31段落に記載の方法でカウントした結果を示す。
【0043】
実施例10
実施例1で得たアクリル系共重合体(b1)60重量部(固形分)、製造例1で得たベンゾグアナミン樹脂(c1)40重量部(固形分)、酸触媒としてp−トルエンスルフォン酸アミン塩を0.2重量部、シリコーン系レベリング剤0.3重量部を混合し、これにエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、およびイオン交換水を添加、混合して不揮発分40%、有機溶剤量20%の水性塗料組成物を得た。
【0044】
実施例11〜19、比較例4〜6
表3に示す配合(重量部)に従って各成分を実施例10に従って実施例11〜19、比較例4〜6の水性塗料組成物を得た。
【0045】
実施例、および比較例で作成した、水性塗料組成物の安定性、および塗膜物性について調べた結果を表3に示した。
各試験法は、下記の通りである。
【0046】
[塗膜性能試験]
2ピース缶用のアルミニウム缶胴部を開缶し平らに延ばしたものに、油変性ポリエステル樹脂をビヒクルの主成分とするインキを印刷(2μm)し、インキが未乾燥の状態で上記水性塗料組成物を塗装し(焼付け後の膜厚4〜5μm)、ガスオーブンにて雰囲気温度220℃にて1分間焼き付けたものを試験塗装板として評価した。
【0047】
<耐レトルト性試験>
塗装板をレトルト処理(130℃−30分間の加圧スチーム処理)を行った後、塗膜の白化状態を目視評価した。
評価(白化面積):0%(◎)、0〜2%未満(○)、2以上〜10%未満(△、不合格)、10%以上(×、不合格)
【0048】
<高加工密着性試験>
塗装板を直径25mm×高さ10mmのキャップ状に打ち抜き加工し、レトルト処理(130℃−30分間の加圧スチーム処理)前後における、キャップの胴部の塗膜にセロハンテープを付着させ、次いでセロハンテープを剥離し、塗膜の剥離面積を目視評価した。
評価(剥離面積):0%(◎)、0〜1%未満(○)、1以上〜5%未満(△、不合格)、5%以上(×、不合格)
【0049】
<湯中硬度>
塗装板を80℃の湯中に30分浸漬した後、80℃の湯中で鉛筆硬度を測定した。
評価 :F以上(◎)、HB(○)、B(△、不合格)、2B以下(×、不合格)
【0050】
<耐傷付き性>
130℃−30分間レトルト処理した塗装板を新東科学(株)製トライボギアHEIDON−22H型を使用して、サファイア針にかかる荷重を変化させながら塗膜上を滑らせ、傷が発生しない最大の荷重を求めた。
測定条件 ; 連続荷重方式
引っ掻き速度:300mm/分
引っ掻き針 :サファイア100μm
測定温度 :25℃
評価(g): 300g以上(◎)、250g以上〜300g未満(○)、200g以上〜250g未満(△、不合格)、200g未満(×、不合格)
【0051】
<光沢>
試験板をグロスメーターΣ−80、VG−1D(日本電子工業(株)製)にて光源入射角度60°条件での光沢を未処理、及び130℃−30分レトルト処理後について測定した。
評価 : 90以上(◎)、90未満〜85以上(○)、85未満〜80以上(△、不合格)、80未満(×、不合格)
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸点120℃以上のエチレングリコール系モノアルキルエーテル及び/または沸点120℃以上のプロピレングリコール系モノアルキルエーテル中で、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1):15〜55重量%、α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸(2):3〜15重量%、および前記(1)、(2)と共重合可能な(メタ)アクリレート類及び/またはビニルモノマー(3):40〜80重量%を共重合し(但し、(1)〜(3)の合計を100重量%とする)、重量平均分子量(Mw)7000〜12000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=2〜2.5の共重合体(a)を得、
次いで減圧下に、前記共重合体(a)を構成するN−アルコキシメチル基部分から脱離するアルキルアルコールの前記減圧下における沸点よりも40℃以上高い温度、且つ100℃以上の条件下に、
前記共重合体(a)を構成するN−アルコキシ部分の20〜80重量%を、前記エチレングリコール系モノアルキルエーテル及び/または前記プロピレングリコール系モノアルキルエーテルとエーテル交換反応させ、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(1)由来のアルキルアルコールを留去することを特徴とする、重量平均分子量(Mw)15000〜25000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=3〜5の水性塗料組成物用アクリル系共重合体(b)の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の製造方法によって得られる水性塗料組成物用アクリル系共重合体(b)。
【請求項3】
アミノ樹脂、イソシアネート基を有する化合物及びブロック化されたイソシアネート基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、請求項2記載の水性塗料組成物用アクリル系共重合体(b)とを含有することを特徴とする水性塗料組成物。
【請求項4】
アミノ樹脂が部分的にアルコールでエーテル化されたベンゾグアナミン樹脂であり、ベンゾグアナミン核1個あたり0.5〜2.0個のイミノ基を有するアミノ樹脂である事を特徴とする請求項3記載の水性塗料組成物。
【請求項5】
請求項3又は4記載の水性塗料組成物を金属缶又はポリエステルフィルム被膜絞り缶に塗布し、200℃以上で加熱、硬化して成る事を特徴とする被塗物。


【公開番号】特開2006−299139(P2006−299139A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−124622(P2005−124622)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】