説明

水性導電プライマー塗料組成物及び塗装物品

【課題】充分な導電性を付与し、かつ、淡彩色で意匠性に悪影響を与えない水性導電プライマー塗料組成物及びそれにより塗装された塗装物品を提供する。
【解決手段】平均粒径が0.1〜12μmであり、導電性金属酸化物層を表面に有する球状導電性物質(A)並びに平均粒径が1〜25μmの箔状及び/又は針状導電性物質(B)からなり、上記導電性物質(A)及び(B)の合計量(A+B)が塗料固形分に対して15〜45質量%である水性導電プライマー塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性導電プライマー塗料組成物及び塗装物品に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック素材等の非導電性物質上に導電性塗膜を形成する場合、導電性プライマー塗料組成物を塗布する方法が一般的に行なわれている。このような導電性プライマー塗料組成物としては、導電性のフィラーを配合して導電性を付与したものが挙げられる。導電性フィラーとしては、カーボン粉末、カーボン繊維、金属粉末、金属系繊維等が汎用されてきた。しかしながら、カーボン粉末、カーボン繊維を使用すると、黒〜灰色であるため、淡彩色の塗料組成物を作成することができないという問題があった。
【0003】
また、金属粉末や金属系繊維は、導電性は高いものの、塗膜中で粒子同士が導電経路を形成するためには粒子同士が近接する必要があるため、充填量としては大きなものとなり、意匠性や塗料の安定性を損なったりする。
【0004】
このような問題を解決するため、特許文献1〜3には導電性フィラーとして導電性を有する金属酸化物の粉末、又は、導電性を有する金属酸化物により表面処理した物質等を使用する方法が開示されており、導電性と意匠性の両立を図った淡彩色導電プライマー塗料組成物の開発が望まれてきた。
【0005】
【特許文献1】特開平9−157552号公報
【特許文献2】特開2000−191955号公報
【特許文献3】特開2004−075735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、充分な導電性を付与し、かつ、淡彩色で意匠性に悪影響を与えない水性導電プライマー塗料組成物及びそれにより塗装された塗装物品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、平均粒径が0.1〜12μmであり、導電性金属酸化物層を表面に有する球状導電性物質(A)並びに平均粒径が1〜25μmの箔状及び/又は針状導電性物質(B)からなり、上記導電性物質(A)及び(B)の合計量(A+B)が塗料固形分に対して15〜45質量%であることを特徴とする水性導電プライマー塗料組成物である。
上記導電性金属酸化物層は、酸化錫からなることが好ましい。
上記導電性金属酸化物層は、厚さが10nm以上であることが好ましい。
【0008】
上記導電性物質(A)と導電性物質(B)との含有比(A/B)が固形分質量比で1/4〜4/1であることが好ましい。
上記導電性物質(B)は、導電性金属酸化物層を有するものであることが好ましい。
上記水性導電プライマー塗料組成物は、更に、白色顔料(C)を含有し、導電性物質(A)及び(B)、並びに、上記白色顔料(C)の合計量が塗料固形分に対して45〜75質量%であることが好ましい。
上記導電性物質(A)及び(B)と、白色顔料(C)との含有比[(A+B)/C]が固形分質量比で25/75〜70/30であることが好ましい。
本発明は、上述の水性導電プライマー塗料組成物により塗装されたことを特徴とする塗装物品でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明の水性導電プライマー塗料組成物は、平均粒径が0.1〜12μmであり、導電性金属酸化物層を表面に有する球状導電性物質(A)及び平均粒径が1〜25μmの箔状及び/又は針状導電性物質(B)を含有し、上記導電性物質(A)及び(B)の合計量(A+B)が塗料固形分に対して15〜45質量%であるものである。上記導電性物質(A)及び(B)を上述の範囲で含有することにより、高い導電性と塗膜明度を両立することができるものである。
【0010】
従来、球状導電性物質は、導電性付与効果に優れるものの、安定した導電性を発揮するためには多量配合が必要条件であった。本発明の水性導電プライマー塗料組成物は、箔状及び/又は針状導電性物質(B)を併用することにより、導電性物質の配合量を塗料固形分に対して15〜45質量%に抑えつつ、優れた導電性を安定に発揮することができるものである。
【0011】
上記導電性物質(A)は、導電性金属酸化物層を表面に有するものである。このような導電性物質(A)は、基材に導電性金属酸化物を表面コーティングすることにより得られるものを挙げることができる。上記導電性金属酸化物としては特に限定されないが、酸化錫、又は、酸化錫を主成分としてアンチモンドープされたものが好ましい。上記基材としては特に限定されないが、表面コーティングの際の加熱処理等においても劣化しない無機顔料であることが好ましく、酸化チタン、シリカ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等を挙げることができるが、なかでも酸化チタン及びシリカが淡彩色で意匠性発現の自由度が高く、かつ、経済的であり好ましい。
【0012】
上記導電性金属酸化物層は、厚さが10nm以上であることが好ましい。上記厚さが10nm未満であると、充分な導電性が得られないおそれがある。上記厚さの上限としては特に限定されないが、不経済であるため50nm以下であることが好ましい。
【0013】
上記導電性物質(A)は、平均粒径が0.1〜12μmである。上記平均粒径が0.1μm未満であると導電性が不充分となり、上記平均粒径が12μmを超えると得られる塗膜の密着性が低下する。ここで、上記平均粒径は、レーザー回折法に基づき得られたものである。
【0014】
上記導電性物質(A)の体積抵抗率は、1〜35Ω・cmの範囲内であることが好ましい。上記体積抵抗率が1Ω・cm未満であると、高価となり経済的でなく、35Ω・cmを超えると、良好な導電性を付与できないおそれがある。
【0015】
上記導電性物質(A)のL値は、75以上であることが好ましい。上記L値が75未満であると、塗膜明度が低下し、淡彩色の塗膜を得られない場合がある。
【0016】
上記導電性物質(A)としては、AT003、AT010(いずれもアドマテックス社製)、ET500W、ET521W、ETX12(いずれも石原産業社製)等の市販の製品を使用することができる。
【0017】
上記導電性物質(B)は、導電性を有し、平均粒径が1〜25μmの箔状及び/又は針状形状を有するものであれば特に限定されない。上記平均粒径が1μm未満であると導電性が不充分となる。上記平均粒径が25μmを超えると得られる塗膜の密着性が低下する。ここで、上記平均粒径は、レーザー回折法に基づき得られたものである。
【0018】
上記導電性物質(B)の体積抵抗率は、0.05〜15Ω・cmの範囲内であることが好ましい。上記体積抵抗率が0.05Ω・cm未満であると、高価となり経済的でなく、15Ω・cmを超えると、良好な導電性を付与できないおそれがある。
【0019】
上記導電性物質(B)は、例えば、SnO/Sb等を挙げることができることができるが、導電性金属酸化物層を表面に有するものであってもよい。ここで、導電性金属酸化物層は、上記導電性物質(A)で述べたものを挙げることができる。また、上記導電性物質(B)が導電性金属酸化物層を有するものである場合、その基材としては酸化チタン、シリカ等が淡彩色であることから好適に用いられる。上記導電性物質(B)のL値は、60以上であることが好ましい。上記L値が60未満であると、塗膜明度が低下し、淡彩色の塗膜が得られないおそれがある。
【0020】
上記導電性金属酸化物層を有する導電性物質(B)としては特に限定されず、例えば、箔状導電性物質としてデントールWK−1000、デントールTM−200(いずれも大塚化学社製)、針状導電性物質としてデントールWK−200B、デントールTM−100、デントールWK−500(いずれも大塚化学社製)、FT−2000(石原産業社製)等を使用することもできる。
【0021】
本発明の水性導電プライマー塗料組成物において、上記導電性物質(A)及び(B)の合計量(A+B)は、塗料固形分に対して15〜45質量%の範囲内である。上記合計量(A+B)が15質量%未満であると、導電性が不充分となり、塗膜としての性能を発揮することができない。上記合計量(A+B)が45質量%を超えると、塗膜の密着性や意匠性に悪影響を及ぼす。
【0022】
更に、上記導電性物質(A)と導電性物質(B)との含有比(A/B)が固形分質量比で1/4〜4/1であることが好ましい。上記含有比(A/B)が範囲外となると、導電性が不充分となるおそれがある。
【0023】
本発明の水性導電プライマー塗料組成物は、更に、白色顔料(C)を含有することが好ましい。上記白色顔料(C)を含有することにより、塗膜が白色化され、より明度を高めることができる。上記白色顔料(C)としては特に限定されず、例えば、ルチル型酸化チタン、鉛白、硫化亜鉛、リトポン等を挙げることができるが、耐薬品性等の観点から酸化チタンが好ましい。
【0024】
上記導電性物質(A)及び(B)、並びに、上記白色顔料(C)の合計量は、塗料固形分に対して45〜75質量%であることが好ましい。上記合計量を上記範囲内とすることにより、得られる塗膜の明度を確保し、明度の膜厚依存性を低下させることができる。膜厚依存性を低下させることによって、塗膜外観のブレを減少させることができるため好ましい。また、導電性及び密着性を確保することもできる。更に、上記導電性物質(A)及び(B)と、上記白色顔料(C)との含有比[(A+B)/C]が固形分質量比で25/75〜70/30であることが好ましい。上記含有比[(A+B)/C]が上記範囲内であると、導電性や明度を確保し、明度の膜厚依存性を低下させることができるため好ましい。
【0025】
本発明の水性導電プライマー塗料組成物は、更に、バインダー成分を含有するものである。上記バインダー成分としては、水溶化又は水分散化するのに充分な親水性基を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の従来塗料に汎用されている樹脂を挙げることができる。上記バインダー成分としては、非極性基材に対する密着性の観点から塩素化ポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。上記ポリオレフィンとしては特に限定されず、例えば、1種又は2種以上のエチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類の重合体、更にこれらのオレフィン類と酢酸ビニル、ブタジエン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等とのラジカル共重合体等を挙げることができる。更に、上記塩素化ポリオレフィンとしては、マレイン酸、無水マレイン酸等で変性したものを使用してもよい。上記バインダー成分の配合量としては特に限定されず、例えば、塗料固形分に対して25〜55質量%であることが好ましい。
【0026】
上記水性導電プライマー塗料組成物は、更に、消泡剤、増粘剤、pH調整剤、界面活性剤、表面調整剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等のその他の添加剤を配合してもよい。上記消泡剤としては特に限定されず、例えば、鉱物油、アセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。上記増粘剤としては特に限定されず、例えば、アクリル系高分子増粘剤、ポリエーテルポリオール系ウレタンポリマー等を挙げることができる。上記界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等を挙げることができる。上記添加剤の配合量としては特に限定されず、例えば、塗料固形分に対して0.1〜5質量%であることが好ましい。
【0027】
上記水性導電プライマー塗料組成物の調製方法としては特に限定されず、例えば、白色顔料と上記バインダー成分の一部又は顔料分散樹脂と、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等を混合し、サンドグラインダーミル等を用いて顔料ペーストを作成し、得られた顔料ペーストをその他の配合成分と共に攪拌する方法等を挙げることができる。
【0028】
上記水性導電プライマー塗料組成物は、静電塗装により好適に塗装することができる。次に、得られた塗膜を40〜80℃で1〜10分程度乾燥することが好ましい。本発明の水性導電プライマー塗料組成物を塗装することにより得られる塗膜は、淡彩色で意匠性に優れ、かつ、高い導電性を有するものである。上記塗膜の乾燥膜厚としては特に限定されないが、10〜30μmの範囲内であることが好ましい。上記乾燥膜厚が10μm未満であると、充分な効果が得られないおそれがあり、30μmを超えるとそれ以上の効果が得られず不経済である。
【0029】
上記水性導電プライマー塗料組成物により塗装されたことを特徴とする塗装物品も本発明の一つである。上記塗装物品としては特に限定されず、例えば、自動車内外装品、家庭電化製品の外板部等を挙げることができる。また、上記塗装物品の基材としては特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン、ポリフェニレンオキサイド樹脂等を挙げることができる。上記基材は、必要に応じて脱脂処理、水洗処理等を施したものであってもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明にしたがい球状導電性物質(A)並びに箔状及び/又は針状導電性物質(B)を併用することにより、意匠性に優れ、かつ、高い導電性を付与することができる水性導電プライマー塗料組成物を得ることができる。また、白色顔料を本発明の範囲で配合することにより、得られる塗膜の明度を確保し、明度の膜厚依存性を改善することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を意味する。
【0032】
製造例1 エポキシ樹脂エマルジョン溶液の製造
攪拌機付き容器にEPI−REZ6006W−70(NV:70質量%、ジャパネポキシレジン社製)500質量部を仕込み、攪拌下脱イオン水200質量部を滴下し、その後30分保持して、固形分50質量%のエポキシ樹脂エマルジョン溶液を得た。
【0033】
製造例2 顔料ペーストC1〜C3の製造
表1に示した組成を有する顔料ペーストC1〜C3を調製した。酸化チタン(TI−PURE R−960、デュポンジャパン社製)をアルキド樹脂ディスパージョン(アロロン581、日本触媒社製、NV:34.5%)、又は、アルキド樹脂ディスパージョンとマレイン酸変性塩素化ポリプロピレン樹脂エマルジョン(M−128P、東洋化成工業社製、NV:29.2%)との混合物に添加し、界面活性剤(サーフィノールGA、エアープロダクト社製、NV:78%)、消泡剤(ノプコ8034L、サンノプコ株式会社製、NV:100%)及び脱イオン水を添加した後、サンドグラインダーミルで30分間分散させ、固形分65質量%の顔料ペーストC1〜C3を得た。配合成分の単位はすべて質量部である。
【0034】
【表1】

【0035】
実施例1〜16及び比較例1〜6
攪拌機付き容器に、バインダー(アルキド樹脂ディスパージョン、マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン樹脂エマルジョン及びエポキシ樹脂エマルジョン溶液)及び消泡剤を仕込み、攪拌下球状導電性物質、箔状及び/又は針状導電性物質を添加し30分間保持した。その後、攪拌下顔料ペースト、増粘剤(プライマルASE−60、日本アクリル化学社製)、pH調整用アミン(AMP−90、ダウケミカル社製)及び脱イオン水を添加し、30分間攪拌して表2〜5に示した組成を有する水性導電プライマー塗料組成物を調製した。表中の配合成分の単位はすべて質量部である。なお、表中の白色着色顔料は、配合した顔料ペーストに含まれる酸化チタン量である。
【0036】
得られた水性導電プライマー塗料組成物を♯4フォードカップ、25℃で30秒に希釈し、イソプロパノ−ルで洗浄後乾燥した70×150×3mmのポリプロピレン製試験片に乾燥膜厚15μmとなるよう静電塗装した。次に、80℃で5分間乾燥した。
【0037】
得られた塗膜について以下の評価を行なった。
<導電性>
得られたポリプロピレン製試験片上の乾燥させた淡彩色水性導電プライマー塗料組成物塗膜の抵抗値をトレックインコーポレーテッド社製表面抵抗計モデル150にて測定した。結果を以下の基準で評価した。
○:1×10Ω/cm
△:1×10Ω/cm<測定値<1×10Ω/cm
×:1×10Ω/cm
【0038】
<塗膜明度(L値)>
得られたポリプロピレン製試験片上の乾燥させた淡彩色水性導電プライマー塗料組成物塗膜のL値をミノルタ社製色彩色差計CR−300にて測定した。L値70以上が合格範囲とする。
【0039】
<L値の膜厚依存性>
得られたポリプロピレン製試験片上の乾燥させた淡彩色水性導電プライマー塗料組成物塗膜の下記膜厚におけるL値をミノルタ社製色彩色差計CR−300にて測定した。乾燥膜厚15μmの塗膜のL値と乾燥膜厚5μmの塗膜のL値の差を算出する。15μm膜厚のL値から5μm膜厚のL値を引いた値が7以下が合格範囲とする。
【0040】
<密着性>
水性導電プライマー塗料組成物を塗装後、80℃で5分間乾燥する代わりに80℃で3分間乾燥させた後、アクリルメラミン系白色カラーベース塗料(商品名:R6331−1、日本ビー・ケミカル社製)を乾燥膜厚15μmとなるように静電塗装し、次いでアクリルメラミン系クリヤー塗料(商品名:R6341−1、日本ビー・ケミカル社製)を乾燥膜厚25μmとなるように静電塗装し、プライマー塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜からなる複層膜を120℃で20分間焼き付けた。得られた試験片に対して、JIS K−5400に準拠して碁盤目テープ剥離試験を行なった。結果を以下の基準で評価した。
○:剥離、カット部の欠けなし。
△:剥離、カット部の欠けが100枡中1から3枡認められる
×:剥離、カット部の欠けが100枡中4枡以上認められる。
【0041】
【表2】

【0042】
【表3】

【0043】
【表4】

【0044】
【表5】

【0045】
表より、本発明の水性導電プライマー塗料組成物により、高い明度を保持し、かつ、良好な導電性を有するとともに、明度の膜厚依存性が低く、良好な密着性を有する塗膜が得られることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の水性導電プライマー塗料組成物により、導電性に優れた淡彩色の塗膜を得ることができる。このため、上記水性導電プライマー塗料組成物は、自動車内外装品、家庭電化製品の外板部等に好適に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径が0.1〜12μmであり、導電性金属酸化物層を表面に有する球状導電性物質(A)並びに平均粒径が1〜25μmの箔状及び/又は針状導電性物質(B)からなり、
前記導電性物質(A)及び(B)の合計量(A+B)が塗料固形分に対して15〜45質量%である
ことを特徴とする水性導電プライマー塗料組成物。
【請求項2】
導電性金属酸化物層は、酸化錫からなる請求項1記載の水性導電プライマー塗料組成物。
【請求項3】
導電性金属酸化物層は、厚さが10nm以上である請求項1又は2記載の水性導電プライマー塗料組成物。
【請求項4】
導電性物質(A)と導電性物質(B)との含有比(A/B)が固形分質量比で1/4〜4/1である請求項1、2又は3記載の水性導電プライマー塗料組成物。
【請求項5】
導電性物質(B)は、導電性金属酸化物層を有するものである請求項1、2、3又は4記載の水性導電プライマー塗料組成物。
【請求項6】
更に、白色顔料(C)を含有し、導電性物質(A)及び(B)、並びに、前記白色顔料(C)の合計量が塗料固形分に対して45〜75質量%である請求項1、2、3、4又は5記載の水性導電プライマー塗料組成物。
【請求項7】
導電性物質(A)及び(B)と、白色顔料(C)との含有比[(A+B)/C]が固形分質量比で25/75〜70/30である請求項6記載の水性導電プライマー塗料組成物。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の水性導電プライマー塗料組成物により塗装されたことを特徴とする塗装物品。

【公開番号】特開2006−219521(P2006−219521A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−31759(P2005−31759)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(593135125)日本ビー・ケミカル株式会社 (52)
【Fターム(参考)】