説明

水性毛髪化粧料

【課題】髪のまとまり性及びスタイル性を向上させる効果に優れ、特に乾燥後及び翌日においてもパサついた手触り及びべとつきがなく、かつ髪のまとまり性及びスタイル性を維持できる水性毛髪化粧料を提供することにある。
【解決手段】水性毛髪化粧料の全質量を基準として、0.1〜20質量%のカチオン界面活性剤(A);0.01〜10質量%の、炭素数12〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸と多価アルコールから導かれる脂肪酸エステル(B);0.01〜10質量%のアルキル変性シリコーン(C);及び0.1〜10質量%のカルボキシルエチルセルロース(D)を含む水性毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボキシルエチルセルロースを含む水性毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪は、常にドライヤー、ヘアアイロン、コテ等による熱、ブラッシング等の日常的なヘアケア行動による物理的刺激、及びパーマ、ヘアカラー、ブリーチ等による化学的刺激に曝されているため、その成分及び構造体の部分的欠損を伴う損傷状態にある。このような状態を放置しておくと、枝毛及び切れ毛の発生、パサついた手触り、まとまりのないヘアスタイル等の原因となり、ヘアケア的観点から好ましくない。
【0003】
従来、毛髪化粧料には、毛髪にパサつきをなくし、光沢又は滑らかさを与える目的で、種々のシリコーン油、エステル油、炭化水素油等の油分が、それらを可溶化、乳化又は溶解することにより用いられている。特にシリコーン油は、その表面張力が低いので毛髪へのなじみ易さに優れ、良い光沢が得られるため、近年多用されている。例えば、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン及び尿素を含有する毛髪化粧料が、塗布時の使用性、乾燥後の感触に優れ、毛髪の損傷を防止するものとして提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、シリコーン油に代表される油分には、油分特有の制限があり、例えば、それらを多量に用いるか、又は消費者が長期に亘り使用すると、毛髪のきしみ感が増加し、そして毛髪が脂ぎったりするという好ましくない欠点があった。また、毛髪化粧料にセルロース類を含有させる試みは、これまでに具体的に開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−285835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、髪のまとまり性及びスタイル性を向上させる効果に優れ、特に乾燥後及び翌日においても毛髪にパサついた手触り及びべとつきを与えず、かつ髪のまとまり性及びスタイル性を維持できる水性毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、アルキル変性シリコーン、カチオン界面活性剤及び脂肪酸エステルだけでなく、更にカルボキシルエチルセルロースを含む水性毛髪化粧料が、上記要求を満たすものであることを見出した。すなわち、本発明は下記の通りである。
【0008】
[1] 水性毛髪化粧料の全質量を基準として、
0.1〜20質量%のカチオン界面活性剤(A);
0.01〜10質量%の、炭素数12〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸と多価アルコールから導かれる脂肪酸エステル(B);
0.01〜10質量%のアルキル変性シリコーン(C);及び
0.1〜10質量%のカルボキシルエチルセルロース(D)
を含む水性毛髪化粧料。
【0009】
[2] 前記カルボキシルエチルセルロース(D)が、0.2〜2.8のカルボキシルエチル基の置換度、0.04以下のカルバモイルエチル基の置換度及び2〜3000の重合度である、[1]に記載の水性毛髪化粧料。
【発明の効果】
【0010】
本発明の水性毛髪化粧料は、乾燥後の髪のまとまり及び湿度を保ちながら、髪にべとつき及びパサつきを与えず、髪の滑らかさ並びにくし、ブラシ及び指の通りの易さに優れており、髪の束感を綺麗に揃え、かつ傷んだ髪を回復させる効果を有する。更に、水性毛髪化粧料は、翌日の洗髪時まで髪のまとまり/スタイルを持続させ、さらに髪の安定性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<水性毛髪化粧料>
本発明の水性毛髪化粧料には、カルボキシルエチルセルロース(D)が含まれていることが重要である。本発明の水性毛髪化粧料は、カチオン界面活性剤(A)、炭素数12〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸と多価アルコールから導かれる脂肪酸エステル(B)及びアルキル変性シリコーン(C)と、カルボキシルエチルセルロース(D)とを特定の質量比で組み合わせることによって、アルキル変性シリコーン(C)特有のしっとり感を持ちながら、べとつかない水性毛髪化粧料を提供することができる。
【0012】
<カルボキシルエチルセルロース(D)>
本発明の水性毛髪化粧料は、水性毛髪化粧料の全質量を基準として、0.1〜10質量%のカルボキシルエチルセルロース(D)を含む。カルボキシルエチルセルロース(D)の含有量が、0.1質量%未満であると、カルボキシルエチルセルロース(D)のべとつきを抑える特性が働かず、水性毛髪化粧料がべとついてしまう。一方で、カルボキシルエチルセルロース(D)の含有量が、10質量%を超えると、カルボキシルエチルセルロース(D)の水に対する溶解性が低下する。アルキル変性シリコーン(C)特有のしっとり感を保ちながら、べとつかない感触及び滑らかな感触を化粧料に付与するために、カルボキシルエチルセルロース(D)の含有量は、0.15〜5.0質量%であることが好ましく、0.2〜3.0質量%であることがより好ましく、0.3〜2.0質量%であることが特に好ましい。
【0013】
本発明で用いるカルボキシルエチルセルロース(D)は、主にカルボキシルエチル基を有し、かつ微量のカルバモイルエチル基を有するセルロースを意味する(以下、「カルボキシルエチルセルロース(D)」という)。本発明で用いるカルボキシルエチルセルロース(D)においては、カルボキシルエチル基の置換度が0.2〜2.8であることが好ましい。本明細書でいう置換度とは、セルロース単分子内の3つの水酸基(−OH)が、他の官能基によって、どれだけ置換されたかを示す(例えば、置換度3は、3つの官能基全てが置換されていることを示す)。カルボキシルエチル基の置換度が0.2未満であると、カルボキシルエチルセルロース(D)は水溶性を示さない。一方、カルボキシルエチル基の置換度が2.8を超えると、水溶液の透明性が著しく低下し、化粧料にべとつき感が発生する。水溶性及び水溶液の透明性の観点から、カルボキシルエチル基の置換度は、0.3〜2.7であることがより好ましく、0.4〜2.5であることが更に好ましい。
【0014】
また、カルボキシルエチルセルロース(D)においては、カルバモイルエチル基の置換度が、0.04以下であることが好ましい。カルバモイルエチル基の置換度が、0.04を超えると、化粧料の状態で保存している間に黄変してしまう。好ましくは、カルバモイルエチル基の置換度は、0.03以下であり、より好ましくは、0.01以下である。
【0015】
本発明で用いるカルボキシルエチルセルロース(D)の重合度は、組成物の安定性を向上させる観点から、水性毛髪化粧料として適切な粘度を発現させるために2〜3000であることが好ましい。カルボキシルエチルセルロース(D)の重合度は、好ましくは200〜2500、より好ましくは300〜2000である。
【0016】
<カチオン界面活性剤(A)>
本発明で使用されるカチオン界面活性剤(A)としては、一級〜三級アミン型化合物と四級アンモニウム塩型化合物が挙げられる。好ましいカチオン界面活性剤(A)としては、一般式(1):
【化1】

{式中、Aは、水素原子、又は炭素数12〜24の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の、アミド基、N−炭化水素カルバモイル基、アシルオキシ基若しくは炭化水素オキシ基を示し、Bは、炭素数1〜22の2価の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のヒドロキシ基を有してもよい炭化水素基を示し、R、R及びRの少なくとも1つは、炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R、R及びRの残りは、炭素数1〜3のアルキル基を示し、そしてXは、ハロゲン化物イオン又は有機アニオンを示す。}
で表される四級アンモニウム塩型化合物、並びに一般式(2):
【化2】

{式中、A及びBは、前記一般式(1)について説明されたものと同じであり、Y及びYは、独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す。}
で表される三級アミン型化合物及びその塩が挙げられる。
【0017】
一般式(1)で表される四級アンモニウム塩型化合物(以下、「四級アンモニウム塩(1)」ともいう。)としては、モノ長鎖アルキル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル又はアルケニル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩、分岐鎖アルキル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩、アルキルアミド(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩、N−炭化水素カルバモイル(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩、アシル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩、及びアルキル又はアルケニル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0018】
モノ長鎖アルキル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アラキルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0019】
ジ長鎖アルキル又はアルケニル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩としては、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ジイソステアリルジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジ[(2−ドデカノイルアミノ)エチル]ジメチルアンモニウムクロライド、ジ[(2−ステアロイルアミノ)プロピル]ジメチルアンモニウムエトサルフェート等が挙げられる。
【0020】
分岐鎖アルキル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩としては、2−デシルテトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ドデシルヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ−2−ヘキシルデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−2−オクチルドデシルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0021】
アルキルアミド(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、ステアラミドプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。N−炭化水素カルバモイル(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、N−ステアリルカルバモイルプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0022】
アシル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、ステアロキシプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。アルキル又はアルケニル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
【0023】
一般式(2)で表される三級アミン型化合物(以下、「三級アミン型化合物(2)」ともいう。)において、Aが水素原子以外である場合、Aは、炭素数14〜22、更には炭素数18〜22のアミド基又は炭化水素オキシ基であることが好ましく、また、その炭化水素部分が飽和しているもの、更には直鎖であるものが好ましい。Aが好ましい態様である場合におけるBは、トリメチレン基又は2−ヒドロキシトリメチレン基であることが好ましい。Aが水素原子である場合、Bは、炭素数18〜22の基であることが好ましく、また飽和基、更には直鎖基であることが好ましく、そしてヒドロキシ基を有することが好ましい。Y及びYとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、特にメチル基及びエチル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
【0024】
三級アミン型化合物(2)の好ましい態様としては、下記一般式(2a)で表されるエーテルアミン化合物及び下記一般式(2b)で表されるアミドアミン化合物:
【化3】

{式中、Y及びYは、前記一般式(2)について説明されたものと同じであり、Aは、炭素数12〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Xは、水素原子又はヒドロキシ基を示し、Aは、炭素数11〜23の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、mは、2〜4の数を示す。}
が挙げられる。
【0025】
一般式(2a)で表されるエーテルアミン化合物の具体例としては、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン〔ヘキサデシルオキシプロピルジメチルアミン〕、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン〔オクタデシルオキシプロピルジメチルアミン〕、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピルアミン〔ヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン〕、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピルアミン〔オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン〕、N,N−ジメチル−3−ベヘニルオキシ−2−ヒドロキシプロピルアミン〔ベヘニルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン〕等が挙げられる。一般式(2a)で表されるエーテルアミン化合物の市販品の一例として、カチナールSHPA(東邦化学社;N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピルアミン,INCI名 ステアリルPG−ジメチルアミン)が挙げられる。
【0026】
一般式(2b)で表されるアミドアミン化合物は、毛髪への吸着性が高く、毛髪の濯ぎ時及び乾燥時に毛髪に滑らかさを付与する。また、一般式(2b)で表されるアミドアミン化合物は、他の成分の分散安定性にも寄与するものである。
【0027】
一般式(2b)で表されるアミドアミン化合物の具体例としては、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、オレイン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジブチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジブチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、
【0028】
パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、アラキン酸ジメチルアミノエチルアミド、アラキン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。これらのアミドアミン化合物のなかでも、性能、安定性、入手容易性等の観点から、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が特に好ましい。
【0029】
三級アミン型化合物(2)は、該三級アミン型化合物(2)に等モル以上の酸を添加して酸付加塩を形成させ、さらに酸付加塩を酸性に調整してアミンを解離状態にすることによって、使用されることが好ましい。酸付加塩を形成させるために添加される酸としては、後述の水性毛髪化粧料のpH調整に用いられるもの(pH調整剤)と同様のものが挙げられ、pH調整剤と兼用されることができる。四級アンモニウム塩型化合物(1)及び三級アミン型化合物(2)は、2種以上を併用してもよい。
【0030】
カチオン界面活性剤(A)の含有量は、濯ぎ又は乾燥後に髪をなめらかにするという観点から、水性毛髪化粧料の全質量を基準として、0.1〜20質量%であり、好ましくは、0.05〜15質量%であり、より好ましくは、0.1〜10質量%であり、特に好ましくは0.1〜2.3質量%である。なお、カチオン界面活性剤(A)が三級アミン型化合物(2)の塩である場合には、カチオン界面活性剤(A)の含有量とは、三級アミン型化合物(2)に換算した量をいう。
【0031】
<脂肪酸エステル(B)>
本発明で使用される脂肪酸エステル(B)は、炭素数12〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸と多価アルコールから導かれるエステル化合物である。
【0032】
炭素数12〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸としては、炭素数18〜22の飽和脂肪酸、好ましくは、ステアリン酸及びベヘニン酸が挙げられる。また、多価アルコールとしては、好ましくは、グリセリン、ポリグリセリンが挙げられる。これらの脂肪酸と多価アルコールから導かれる脂肪酸エステルとしては、トリステアリン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、デカステアリン酸デカグリセリル等が挙げられる。
【0033】
脂肪酸エステル(B)は、2種以上を併用してもよい。また、脂肪酸エステル(B)の含有量は、水性毛髪化粧料の全質量を基準として、0.01〜10質量%であり、好ましくは0.05〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。脂肪酸エステル(B)の含有量が、0.01質量%未満であると、乾燥後の髪がぱさついてしまい、含有量が10質量%を超えると、乾燥後の髪がべたついてしまう。
【0034】
<アルキル変性シリコーン(C)>
アルキル変性シリコーン(C)としては、その分子中に下記ポリシロキサン単位(a)及び下記ポリシロキサン単位(b):
【化4】

{式中、R及びRは、独立して炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは、炭素数7〜40の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基又はアルケニル基を示し、aは、2以上の数であり、bは、3以上の数であり、そしてa+b=5〜6000である。}
を有するもの(以下、「アルキル変性シリコーン(ab)」ともいう。)が挙げられる。
【0035】
アルキル変性シリコーン(ab)は、1分子当たり少なくとも3個の炭素数7〜40の炭化水素基を有し、そして分岐鎖状又は環状でよい。
【0036】
アルキル変性シリコーン(ab)中のR及びRで示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等が挙げられるが、特にメチル基が好ましい。また、アルキル変性シリコーン(ab)中のR及びRで示されるアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよいが、Rが、炭素数1〜4のアルキル基であり、かつRが、炭素数7〜40(より好ましくは12〜22、特に好ましくは16〜18)のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。
【0037】
の具体例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、トリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、オクタトリアコンチル基、テトラコンチル基、2−ヘプチルウンデシル基、2−ウンデシルペンタデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−デシルペンタデシル基、2−エチルヘキシル基、2−オクチルドデシル基、2−ウンデシルテトラデシル基、メチル分岐イソステアリル基、メチル分岐ドデシル基(プロピレンテトラマー)、メチル分岐ノニル基(プロピレントリマー)等が挙げられる。
【0038】
また、アルキル変性シリコーン(ab)中のa+bは、200〜3000であることが好ましい。より好ましくは、アルキル変性シリコーン(ab)中のa及びbは、それぞれ独立して150〜750の数であり、そしてa+bは、300〜1500である。本明細書で使用されるときには、a及びbは、重量平均分子量から算出した平均重合度として求められる。
【0039】
また、アルキル変性シリコーン(C)の融点が、10〜60℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましい。なお、アルキル変性シリコーン(C)の融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した場合の値である。
【0040】
前記アルキル変性シリコーン(ab)は、前記ポリシロキサン単位(a)及び(b)を、分子中のいずれの位置に有している構造であってもよい。好ましくは、前記アルキル変性シリコーン(ab)は、製造の容易性の観点から、両単位1ブロックずつが直接に結合しており、この結合体に両末端残基が結合している単純な構造を有する。また、この両末端残基は、−OSiR10{式中、R、R及びR10は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。}であることが好ましい。
【0041】
上記の通り、アルキル変性シリコーン(C)としては、オルガノポリシロキサンが挙げられる。オルガノポリシロキサンの具体例としては、下記一般式(3):
【化5】

{式中、a、b及びRは、前記ポリシロキサン単位(a)及び(b)について説明されたものと同である。}
で表わされるものが挙げられる。
【0042】
一般式(3)で表わされるオルガノポリシロキサンの市販品としては、東芝シリコーン社のXF42−A7154、XF42−A5048、XF42−A5047等が挙げられる。
【0043】
アルキル変性シリコーン(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。また、アルキル変性シリコーン(C)の含有量は、髪のまとまり性及びスタイル性を向上させ、乾燥後の髪のパサつきを抑え、かつ髪を毛先まで滑らかにするために、水性毛髪化粧料の全質量を基準として、0.01〜10質量%であり、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
【0044】
<その他の成分>
本発明の水性毛髪化粧料は、すすぎ時の髪の感触、乾燥後の髪の仕上がり感を向上させるために、アルキル変性シリコーン(C)以外のシリコーン類を含むことができる。シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン、カルボン酸変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン等が挙げられる。これらのシリコーン類は、2種以上を併用してもよい。また、これらのシリコーン類の含有量は、水性毛髪化粧料の全質量を基準として、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%である。
【0045】
水性毛髪化粧料には、乾燥後の髪の仕上がり感(サラサラ感、しっとり感など)を向上させるために、油剤類を含むことができる。油剤類としては、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、ハイブリッドヒマワリ油、アーモンド油、ナタネ油、ゴマ油、大豆油、落花生油、メドウフォーム油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂;オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸ヘキサデシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、イソステアリン酸イソプロピル、イソパルミチン酸オクチル、オレイン酸イソデシル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、コハク酸2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル等のエステル油;流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、セレシン等の炭化水素類;並びにラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸などが挙げられる。
【0046】
これらの油剤類は、2種以上を併用してもよい。また、油剤類の含有量は、水性毛髪化粧料の全質量を基準として、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。
【0047】
水性毛髪化粧料は、高級アルコールを含むことができる。高級アルコールとしては、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ペヘニルアルコール等が挙げられるが、特に炭素数18〜24の直鎖アルカノール、ステアリルアルコール、及びべへニルアルコールが好ましい。これらの高級アルコールは、2種以上を併用してもよい。また、塗布からすすぎまでの工程中及び乾燥後の水性毛髪化粧料の平滑性の観点、並びに水性毛髪化粧料の系を安定させ、かつ使い易い粘度に調整するという点から、高級アルコールの含有量は、カチオン界面活性剤(A)の使用量(モル)に対して、好ましくは0.5〜20倍モルであり、より好ましくは1〜10倍モルであり、さらに好ましくは2〜8倍モルである。
【0048】
本発明の水性毛髪化粧料は、有機溶剤を含むことができる。有機溶剤としては、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等の芳香族アルコール;N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、ルラウリルピロリドン;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
【0049】
これらの有機溶剤は、2種以上を併用してもよい。また、有機溶剤の含有量は、水性毛髪化粧料の使用感、並びに髪のツヤ及び柔軟性を向上させるために、水性毛髪化粧料の全質量を基準として、好ましくは0.01〜50質量%であり、より好ましくは0.1〜35質量%であり、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。
【0050】
本発明の水性毛髪化粧料は、多価アルコールを含むことができる。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(特に分子量200〜700のもの)、グリセリン、ジグリセリン及びトリグリセリン等のポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチルプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、グルコース、ソルビトール、マルチトール、シュクロース、ラフィノース、トレハロース、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。
【0051】
これらの多価アルコールは、2種以上を併用してもよい。また、多価アルコールの含有量は、塗布時の水性毛髪化粧料の液体の伸ばし易さ及び濯ぎ時の水性毛髪化粧料の滑らかさを向上させるために、水性毛髪化粧料の全質量を基準として、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.01〜15質量%であり、さらに好ましくは0.01〜10質量%である。
【0052】
<水性毛髪化粧料のpH>
本発明の水性毛髪化粧料のpHは、水で20質量倍に希釈したときの25℃におけるpHとして、好ましくは2〜6、より好ましくは2.5〜5、さらに好ましくは2.8〜4.7に調整される。pHの調整には、有機酸又は無機酸が使用される。前述した通り、三級アミン型化合物(2)の酸付加塩を形成するための中和に用いられる酸と同じものが、使用されることができる。
【0053】
有機酸としては、ヒドロキシ酸、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、ポリカルボン酸、アルキル硫酸、アルキルリン酸等が挙げられる。ヒドロキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられる。モノカルボン酸としては、酢酸等が挙げられる。ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等が挙げられる。トリカルボン酸としては、クエン酸等が挙げられる。
【0054】
無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。これらの無機酸のうち、有機酸が好ましく、α−ヒドロキシカルボン酸がより好ましく、乳酸及びリンゴ酸が、毛髪のつや、柔軟性及びまとまり性を向上させるので、特に好ましい。有機酸又は無機酸の含有量は、水性毛髪化粧料の全質量を基準として、好ましくは0.05〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0055】
本発明の水性毛髪化粧料は、水を媒体として含むことができる。本発明の水性毛髪化粧料は、本発明の用途に応じて、上記の成分以外に、カチオン界面活性剤(A)以外の界面活性剤;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のpH調整剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート剤;アミノ酸及びその誘導体;ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ナイロン、シリコーン等のポリマー微粉末及びそれらの疎水化処理物;保湿剤、動植物由来の抽出エキス、薬効成分、タンパク質、抗菌剤、紫外線吸収剤、パール化剤、防腐剤、殺菌剤、抗フケ剤、色素、香料などの他の添加剤を配合されることができる。
【0056】
<水性毛髪化粧料の製造方法及び形態>
本発明の水性毛髪化粧料は、カチオン界面活性剤(A)、脂肪酸エステル(B)、アルキル変性シリコーン(C)及びカルボキシルエチルセルロース(D)、並びに本発明の用途に応じて適宜使用されるその他の成分を水中で配合することにより、製造されることができる。また、本発明の水性毛髪化粧料は、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント等の浴室内で使用される形態でよい。
【実施例】
【0057】
以下の実施例及び比較例において、全てのpHは、水性毛髪化粧料を水で20質量倍に希釈したときの25℃における測定値である。
【0058】
[実施例1〜6並びに比較例1及び2]
下記方法により、表1に示す組成を有するヘアコンディショナーの製造及び評価を行った。
【0059】
(ヘアコンディショナーの製造法)
精製水を80℃に加熱し、カルボキシルエチルセルロース(D)を添加して、実施例のための水溶液を調製する(水相)。一方で、比較例では、単なる精製水を水相として使用する。また、カチオン界面活性剤(A)、高級アルコール(ステアリルアルコール)、油剤(ハイブリッドヒマワリ油等)及び溶剤(ベンジルアルコール等)を80℃で混合溶解する(油相)。水相をプロペラ攪拌(1L程度の製造で約250rpm)しながら、水相に油相を添加し、さらに約30分攪拌して乳化させる。混合物を60℃に冷却し、残りの酸(pH調整剤)を添加し、更に約30分攪拌する。混合物に脂肪酸エステル(B)及びアルキル変性シリコーン(C)を添加し、さらに他のシリコーン類を添加する。その後、混合物を45℃に冷却した後、その他の成分を添加し、30℃まで攪拌及び冷却して、全成分の配合を終了する。
【0060】
(ヘアコンディショナーの評価法)
未だパーマ、ヘアカラー等の化学処理をしたことのない20名の日本人女性の毛髪それぞれ約20g(約15〜20cm)に対し、プリティアハイブリーチ(花王社)を用いて、40℃及び20分での処理(浴比1:1)を2回行なった。毛髪をシャンプーで洗浄した後、表1の組成を有するヘアコンディショナー2gを毛髪に均一に塗布し、次いで30秒間流水ですすぎ流した後、ドライヤーで乾燥した。このようにしてヘアコンディショナーを使用した後、毛髪の乾燥状態の「髪のまとまりやすさ」、「髪のしっとり感」、「パサつきのなさ」、「滑らかさ」、「髪の束感が綺麗に揃う」、「くし、ブラシ及び指の通りの良さ」、「傷んだ髪に効果がある」及び「翌日の洗髪時までの髪のまとまり/スタイルの持続性」を、以下の基準に従って官能評価した。表1に20名の総得点スコアを示す。(最高点100点,最低点20点)
5:非常に効果がある。
4:やや効果がある。
3:どちらともいえない。
2:やや効果がない。
1:効果がない。
【0061】
【表1】

【0062】
1):単位(a)は、R=R=CH、a=750であり、単位(b)は、R=CH、R=C1837、b=750である。
2):単位(a)は、R=R=CH、a=500であり、単位(b)は、R=CH、R=C1837、b=500である。
3):単位(a)は、R=R=CH、a=50であり、単位(b)は、R=CH、R=C1837、b=50である。
4):単位(a)は、R=R=CH、a=500であり、単位(b)は、R=CH、R=C1633、b=500である。
5):単位(a)は、R=R=CH、a=75であり、単位(b)は、R=CH、R=C1633、b=75である。
6):単位(a)は、R=R=CH、a=500であり、単位(b)は、R=CH、R=C2245、b=500である。
【0063】
[実施例7]ヘアコンディショナー
下記組成(質量%):
カルボキシルエチルセルロース(D) 0.5
ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド 1.5
ステアリルアルコール 3
セチルアルコール 2
ジプロピレングリコール 5
グリセリン 1
ドコシル変性シリコーン6) 0.3
トリステアリン酸グリセリル 0.3
ビスメトキシプロピルアミドイソドコサン 0.2
ジメチコーン含有エマルジョン
(東レ・ダウコーニング社,CF−2460) 2.5
リンゴ酸 0.1
乳酸 0.7
ハイブリッドヒマワリ油 0.3
加水分解シルク液 0.1
椿油 0.1
ベンジルオキシエタノール 0.3
ベンジルアルコール 0.2
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル
(日清製油社、コスモール168AR) 0.3
フェノキシエタノール 0.1
イオン交換水 残量
6):単位(a)は、R=R=CH、a=500であり、単位(b)は、R=CH、R=C2245、b=500である。
を使用したこと以外は、上記製造法と同様にして、ヘアコンディショナーを調製した。
【0064】
上記ヘアコンディショナー(pH3.2)は、乾燥後の髪のまとまり、しっとり感、パサつきのなさ、滑らかさ並びにくし、ブラシ及び指の通りの易さに優れており、髪の束感が綺麗に揃い、かつ傷んだ髪に効果がある。更に、翌日の洗髪時まで髪のまとまり/スタイルが持続し、しかも安定性にも優れるものであった。
【0065】
[実施例8]ヘアトリートメント
下記組成(質量%):
カルボキシルエチルセルロース(D) 0.5
オクタデシロキシプロピルジメチルアミン 2.3
ステアリルアルコール 8
ジプロピレングリコール 3
オクタデシル変性シリコーン2) 0.1
トリベヘン酸グリセリル 0.1
ビスメトキシプロピルアミドイソドコサン 0.5
アミノ変性シリコーン 0.6
高重合メチルポリシロキサン(平均重合度2500) 1.0
ジメチルポリシロキサン(重合度600) 2.5
リンゴ酸 0.2
ベンジルアルコール 0.5
乳酸 1.8
ハイブリッドヒマワリ油 0.2
モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油 0.3
イオン交換水 残量
2):単位(a)は、R=R=CH、a=500であり、単位(b)は、R=CH、R=C1837、b=500である。
を使用したこと以外は、上記ヘアコンディショナーの製造法と同様にして、ヘアトリートメントを調製した。
【0066】
上記のヘアトリートメント(pH3.3)は、乾燥後の髪のまとまり、しっとり感、パサつきのなさ、滑らかさ並びにくし、ブラシ及び指の通りの易さに優れており、髪の束感が綺麗に揃い、かつ傷んだ髪に効果がある。更に、翌日の洗髪時まで髪のまとまり/スタイルが持続し、しかも安定性にも優れるものであった。
【0067】
[実施例9]ヘアトリートメント
下記組成(質量%):
カルボキシルエチルセルロース(D) 0.5
セチルトリメチルアンモニウムクロライド 0.5
セトステアリルアルコール 1.6
高重合メチルポリシロキサンエマルション
(東レ・ダウコーニング社,シリコーンBY22−060) 1.0
パルミチン酸イソプロピル 2.0
オクタデシル変性シリコーン2) 0.2
トリベヘン酸グリセリル 0.1
ビスメトキシプロピルアミドイソドコサン 0.3
アミノ変性シリコーン 0.05
リンゴ酸 0.1
乳酸 0.05
ハイブリッドヒマワリ油 0.5
椿油 0.1
加水分解シルク液 0.1
香料 0.03
イオン交換水 残量
2):単位(a)は、R=R=CH、a=500であり、単位(b)は、R=CH、R=C1837、b=500である。
を使用したこと以外は、上記ヘアコンディショナーの製造法と同様にして、ヘアトリートメントを調製した。
【0068】
上記ヘアトリートメント(pH3.3)は、乾燥後の髪のまとまり、しっとり感、パサつきのなさ、滑らかさ並びにくし、ブラシ及び指の通りの易さに優れており、髪の束感が綺麗に揃い、かつ傷んだ髪に効果がある。更に、翌日の洗髪時まで髪のまとまり/スタイルが持続し、しかも安定性にも優れるものであった。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の水性毛髪化粧料は、髪のまとまり性及びスタイル性を向上させる効果に優れ、特に、乾燥後及び翌日においても髪にパサついた手触り及びべとつきを与えないため、髪のまとまり性若しくはスタイル性が重要視されるヘアケア分野に非常に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性毛髪化粧料の全質量を基準として、
0.1〜20質量%のカチオン界面活性剤(A);
0.01〜10質量%の、炭素数12〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸と多価アルコールから導かれる脂肪酸エステル(B);
0.01〜10質量%のアルキル変性シリコーン(C);及び
0.1〜10質量%のカルボキシルエチルセルロース(D)
を含む水性毛髪化粧料。
【請求項2】
前記カルボキシルエチルセルロース(D)が、0.2〜2.8のカルボキシルエチル基の置換度、0.04以下のカルバモイルエチル基の置換度及び2〜3000の重合度である、請求項1に記載の水性毛髪化粧料。

【公開番号】特開2012−116755(P2012−116755A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264725(P2010−264725)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【Fターム(参考)】