説明

水性液用ゲル化剤、水性液ゲル及び水性液ゲルの製造方法

【課題】 容易に水性液ゲルを製造することができ、生成した水性液ゲルも透明性かつ保形性の良好なる水性液用ゲル化剤を得る。
【解決手段】 ゼラチンのカルボキシル基のプロトンがオニウムカチオンで置換されてなる置換ゼラチン(A)と、架橋剤(B)との反応物を含んでなる水性液(C)用ゲル化剤であり、本水性液用ゲル化剤を使用することにより、透明性かつ保形性を有し、水性液ゲル製造時の取り扱いも容易な水性液ゲルが得られる。これを利用して消臭及び/又は芳香剤が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性液用ゲル化剤及び水性液ゲルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲルタイプの消臭及び/又は芳香剤として、溶剤として水を、ゲル化剤として寒天、カラギーナンなどを用いて形成させた水系タイプの芳香剤(特許文献1〜4)、および溶剤としてテルペン系炭化水素などを、ゲル化剤として金属せっけんなどを用いて形成させた油性ゲルタイプの芳香剤(特許文献5〜8)が知られおり、市販されているのは水系ゲルタイプのものが主流を占めている。
しかし、このような水系ゲルタイプの芳香剤は、有機系溶液、例えばアルコール−水混合溶液の吸収能力が極めて低かったり、あるいは吸収後のゲル強度が低いという欠点がある。
上記の問題を解決したものとして、
(1)香料と水及び/又はエタノールとの混合物を主剤とする液体を、カルボキシルビニルポリマーとアルカリとの中和によりゲル化せしめてなる透明ゲル芳香剤(特許文献9参照)。
(2)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートにN−ビニルピロリドン、ステアリルアクリレート及び架橋性モノマーを共重合したカチオン性増粘剤(特許文献10参照)。
(3)N−ビニルアセトアミド共重合体の架橋物(特許文献11参照)。
(4)ジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールを架橋剤で架橋させたもの(特許文献12参照)。
(5)(a)N,N−ジメチルアクリルアミド(共)重合体架橋物、(b)揮発性物質及び(c)水及び/又は水溶性溶剤を含有することを特徴とする透明ゲル状組成物(特許文献13参照)が知られている。
【特許文献1】特公昭55−1812号公報
【特許文献2】特開昭50−70532号公報
【特許文献3】特開昭56−57451号公報
【特許文献4】特開平10−226749号公報
【特許文献5】特開昭53−91149号公報
【特許文献6】特開昭56−89261号公報
【特許文献7】特開昭60−53148号公報
【特許文献8】特開昭61−4310号公報
【特許文献9】特開平1−119258号公報
【特許文献10】特開平9−66095号公報
【特許文献11】特開2002−80681号公報
【特許文献12】特開2003−3029号公報
【特許文献13】特開2005−8832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記(1)、(2)、(5)は、容器を移動したり倒した場合、ゲルが変形したりゲルがこぼれたりするなどの不都合があり、上記(3)、(4)は、離液現象を起こす不都合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは上記問題点を改善した水性液用ゲル化剤及び水性液ゲルの製造方法を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、ゼラチンのカルボキシル基のプロトンがオニウムカチオンで置換されてなるオニウムカチオン置換ゼラチン(A)と、架橋剤(B)との反応物を含んでなる水性液用(C)用ゲル化剤;このゲル化剤で(C)をゲル化させてなる水性液ゲル;並びに、(A)、(B)及び(C)を含んでなる組成物を、架橋反応させることを特徴とする水性液ゲルの製造方法である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の水性液用ゲル化剤、水性液ゲル及び水性液ゲルの製造方法は、以下の効果を奏する。
(1)本発明の水性液用ゲル化剤で水性液をゲル化したゲル及び本発明の製造方法で得られたゲルは保形性が良いため、容器を移動したり倒した場合、ゲルが変形したり、ゲルがこぼれることがなく、取り扱いやすい。
(2)本発明の水性液用ゲル化剤で水性液をゲル化したゲル及び本発明の製造方法で得られたゲルは透明感があるので、美観に優れる。
(3)本発明の水性液用ゲル化剤で水性液をゲル化したゲル及び本発明の製造方法で得られたゲルは、ゲルからの離液現象やゲルのひび割れなどが発生しないので,貯蔵安定性に優れる。
また、本発明の水性液用ゲル化剤は、以下の効果を奏する。
(4)本発明の水系ゲル化剤は、高濃度のエタノール水性液をゲル化できるので、冬場の気温が低い場合でも香料などの揮散性に優れる。
またさらに、本発明の水性液ゲルの製造方法は、以下の効果を奏する。
(5)本発明の製造方法で得られたゲルは、高濃度のエタノール水性液をゲル化したものも得られるので、冬場の気温が低い場合でも香料などの揮散性に優れる。
(6)本発明の製造方法は、低い温度でゲルを製造できるので、製造時の香料の揮散や香料の変質が起こりにくい。
以上のことから、本発明の水性液用ゲル化剤で得られた水性液ゲル及び水性液ゲルの製造方法により得られたゲルは、消臭及び/又は芳香剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明においてオニウムカチオン置換ゼラチン(A)は、ゼラチンのカルボキシル基のプロトンに対して同当量以下のオニウムカチオンで置換された組成物並びに同当量を超えるオニウムカチオンが存在してなる組成物である。ゼラチンとしては、アルカリ処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンを用いてもよく、またゼラチン加水分解物も用いることができ、少なくとも1個の遊離のカルボキシル基と1個の遊離のアミノ基を持っていればよい。例えば、牛骨の無機物をとり除いてオセインとした後、消石灰の懸濁液中に漬けておき、牛皮は適当な大きさに切断し、水洗してから石灰液中に通常2〜3ケ月間漬ける。このような石灰液による前処理を行って得られるゼラチンをアルカリ処理ゼラチンという。これに対して豚皮を希塩酸又は希硫酸に数十時間漬けて処理して得られるゼラチンを酸処理ゼラチンという。ゼラチンの形状としては、粒状、粉末、シート状のものが市販されており、通常、数万〜数百万の分子量分布をもっている。
【0007】
本発明においてオニウムカチオンとしては、第4級アンモニウムカチオン(I)、3級スルホニウムカチオン(II)、第4級ホスホニウムカチオン(III)及び3級オキソニウムカチオン(IV)からなるカチオンの群から選ばれる1種又は2種以上である。第4級アンモニウムカチオン(I)としては、下記(I−1)〜(I−11)が挙げられる(以下カチオンの言葉は省略)。
(I−1)炭素数4〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族第4級アンモニウム;
テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム、エチルメチルジプロピルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ジメチルジブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等;
【0008】
(I−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族第4級アンモニウム;
トリメチルフェニルアンモニウム、ジメチルエチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム等;
【0009】
(I−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式第4級アンモニウム;
N,N−ジメチルピロジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロジニウム、N,Nジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N,Nジエチルモルホリニウム、N,Nジメチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム等;
【0010】
(I−4)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム;
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム,4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシ−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム等;
【0011】
(I−5)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリウム;
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−カルボキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、N,N’−ジメチルベンゾイミダゾゾリム、N,N’−ジエチルベンゾイミダゾゾリム、N−メチル−N’−エチルベンゾイミダゾリウム等;
【0012】
(I−6)炭素数4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム;
1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチルテトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチル−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム等;
【0013】
(I−7)炭素数4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム;
1,3−ジメチル−2,4−もしくは−2,6−ジヒドロピリミジニウム[これらを1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表現を用いる。]、1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−2,4,(6)−ジヒドロピミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカンジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム等;
【0014】
(I−8)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム骨格を有するグアニジウム;
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、2−ジメチル−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム等;
【0015】
(I−9)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリウム骨格を有するグアニジウム;
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド−[1,2a]イミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム等;
【0016】
(I−10)炭素数4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジウム;
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボキシメチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム等;
【0017】
(I−11)炭素数4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジウム;
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム等;
【0018】
3級スルホニウムカチオン(II)としては、下記(II−1)〜(II−3)が挙げられる。
(II−1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族3級スルホニウム;
トリメチルスルホニウム、トリエチルスルホニウム、エチルジメチルスルホニウム、ジエチルメチルスルホニウム等;
(II−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族3級スルホニウム;
フェニルジメチルスルホニウム、フェニルエチルメチルスルホニウム、フェニルメチルベンジルスルホニウム等;
(II−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式3級スルホニウム;
メチルチオラニウム、フェニルチオラニウム等;
【0019】
第4級ホスホニウムカチオン(III)としては、下記(III−1)〜(III−3)が挙げられる。
(III−1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族第4級ホスホニウム;
テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、メチルトリエチルホスホニウム、メチルトリプロピルホスホニウム、メチルトリブチルホスホニウム、ジメチルジエチルホスホニウム、ジメチルジプロピルホスホニウム、ジメチルジブチルホスホニウム、トリメチルエチルホスホニウム、トリメチルプロピルホスホニウム、トリメチルブチルホスホニウム等;
(III−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族4級ホスホニウム;
トリフェニルメチルホスホニウム、ジフェニルジメチルホスホニウム、トリフェニルベンジルホスホニウム等;
(III−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式4級ホスホニウム;
【0020】
3級オキソニウムカチオン(IV)としては、下記(IV−1)〜(IV−3)が挙げられる。
(IV−1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族3級オキソニウム;
トリメチルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、エチルジメチルオキソニウム、ジエチルメチルオキソニウム等;
(IV−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族3級オキソニウム;
フェニルジメチルオキソニウム、フェニルエチルメチルオキソニウム、フェニルメチルベンジルオキソニウム等;
(IV−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式3級オキソニウム;
メチルオキソラニウム、フェニルオキソラニウム等;
【0021】
これらの中で、好ましいオニウムカチオンは(I)であり、ゲル化後のゲルの透明性、ゲルの保形性及びゲル強度の観点から、更に好ましいものは(I−1)、(I−4)及び(I−5)であり、特に好ましいのは(I−4)及び(I−5)である。
これらオニウムカチオンは、1種又は2種以上を併用しても良い。
【0022】
本発明において、ゼラチンのカルボキシル基のプロトンをオニウムカチオンで置換する方法としては、所定量オニウムカチオンに置換できる方法であればいずれの方法でも良いが、例えば、上記オニウムカチオンの水酸化物(例えば、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド)やモノメチル炭酸塩(例えば、1,2,3,4−トリメチルイミダゾリニウムモノメチル炭酸塩等)をゼラチン水溶液に添加し、必要により脱水や脱炭酸、脱メタノールを行うことで容易に置換できる。
【0023】
ゼラチンのカルボキシル基のプロトンを前記オニウムカチオンにより置換する度合い(オニウムカチオンの添加量)については、オニウムカチオン置換ゼラチン(A)がゲル化させる水性液(C)に溶解できる置換度合いであればよく、ゲル化後のゲルの透明性、ゲル化能及びゲル強度の観点から、(A)が水性液(C)に透明に溶解できる置換度合いが好ましい。アルカリ処理ゼラチン、ゼラチン加水分解物にあっては、これらのゼラチン水溶液は通常pH約5以下を示すが、オニウムカチオンによる置換により、(A)の水溶液のpHがオニウムカチオン置換前のアルカリ処理ゼラチン水溶液のpH値を上回り、且つ(A)の水溶液のpHが7〜14となるようにオニウムカチオンを添加することが、水性液への(A)の溶解性、ゲル化後のゲルの透明性及びゲル化能、並びに、水性液に溶解した場合の(A)水溶液の臭気抑制及びゲル化後のゲルの強度の観点から、好ましい。酸処理ゼラチンにあっては、このゼラチン水溶液は通常pH約6〜9を示すが、オニウムカチオンによる置換により、(A)の水溶液のpHがオニウムカチオン置換前のアルカリ処理ゼラチンのpH値を上回り、且つ(A)の水溶液のpHが7〜14となるようにオニウムカチオンを添加することが水性液への(A)の溶解性、ゲル化後のゲルの透明性及びゲル化能、並びに、水性液に溶解した場合の(A)水溶液の臭気抑制及びゲル化後のゲルの強度の観点からの観点から、好ましい。
pHの測定値は、JIS K6503:2001[にかわ及びゼラチン]に準拠する。
【0024】
水性液ゲルに配合されるオニウムカチオン置換ゼラチン(A)の含有量は、ゲル化剤の重量を基準として、ゲル化後のゲルの保形性及びゲル強度の観点から、9.0〜99.0重量%が好ましく、さらに好ましくは11.7〜98.3重量%、次にさらに好ましくは14.1〜98.2重量%、特に好ましくは16.6〜97.5重量%、最も好ましくは16.6〜91.0重量%である。又、水性液ゲル中のオニウムカチオン置換ゼラチン(A)の含有量は、ゲル強度及び水性液ゲルの美観(ゲルから水分や揮発成分が飛散した後の残存オニウム置換ゼラチンの量が多くなり残存するゲルの美観が悪くなる)の観点から、1.0〜10.0重量%が好ましく、さらに好ましくは1.2〜9.0重量%、次にさらに好ましくは1.4〜8.5重量%、特に好ましくは1.6〜8.0重量%である。
【0025】
架橋剤(B)としては、従来から使用されている公知(国際公開2003/002075号パンフレット及び特開昭59−189103号公報等に記載の多価グリシジル、特開昭58−180233号公報及び特開昭61−16903号公報等に記載の多価アルコール、多価アミン、多価アジリジン及び多価イソシアネート、並びに特許第3,321,123号公報、特開2002−293879号公報、特開平9−70428号公報、特表2002−538792号公報、特開昭51−136588号公報及び特開昭61−257235号公報等等に記載の架橋剤が適用できる。
【0026】
具体的な例としては、下記(1)〜(13)等が上げられる。
(1)エポキシ基を有する架橋剤:1分子中にエポキシ基を2〜10個有するポリグリシジルエーテル[エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1,3−ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(重合度2〜100)ジグリシジルエーテル、ポリグリセロール(重合度2〜100)ポリグリシジルエーテル等]、ポリアミドエポキシ樹脂[ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂{湿潤紙力増強剤(星光PMC社製:商品名:WSシリーズ)、カチオン性エポキシド等}];
【0027】
(2)水酸基を有する架橋剤:2価〜20価のポリオール[グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度2〜100)等]等;
(3)アミノ基を有する架橋剤:2価〜20価のポリアミン[エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等]等;
(4)イソシアネート基を有する架橋剤:ジイソシアネート、ポリイソシアネート等;
(5)アクリレート基を有する架橋剤:N,N−エチレンビス(メタ)アクリレート等;
(6)ホルミル基(アルデヒド基)を有する架橋剤:ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド等;
(7)アミド基を有する架橋剤:エチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体とアンモニアとの反応による反応生成物、エチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体とアンモニア及びオニウムカチオンとの反応による反応生成物等;
【0028】
(8)アジリジン基を有する架橋剤:2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジル)プロピオネート]、ポリアジリジン(日本触媒社製、商品名:ケミタイト)等;
(9)オキサゾリン基を有する架橋剤;
(10)オキサゾリン有ポリマー[日本触媒社製 商品名:エポクロス等];
(11)イミン基を有する架橋剤:ポリエチレンイミン(日本触媒社製、商品名:エポミン)、アミノエチル化アクリルポリマー(日本触媒社製、商品名:ポリメント)等;
(12)酵素性架橋剤:トランスグルタミナーゼ等;
(13)その他の架橋剤:アルキレンカーボネイト(エチレンカーボネイト等)、アルデヒド樹脂(メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアニジンホルムアルデヒド等)、カルボジイミド(カルボジイミド樹脂[日清紡社製 商品名:カルボジライト])、多価カチオン(炭酸ジルコニウムアンモン、水酸化アルミニウム等)及びアセテート等。
【0029】
これらの架橋剤は1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの架橋剤は、架橋官能基(エポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基等)を1分子中に2個以上有する架橋剤が好ましい。
【0030】
これらのうちで比較的低い温度で架橋を行わせることができるという点で、(1)エポキシ基を有する架橋剤、(6)ホルミル基(アルデヒド基)を有する架橋剤、(7)アミド基を有する架橋剤、(8)アジリジン基を含有する架橋剤、(12)酵素性架橋剤が好ましく、さらに好ましくは(1)及び(7)である。
【0031】
架橋剤(B)の含有量は、架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、ゲル化剤の重量を基準として、ゲル化後のゲルの保形性及びゲルの強度の観点から、1.0〜91.0重量%が好ましく、さらに好ましくは1.7〜88.3重量%、次にさらに好ましくは1.8〜85.9重量%、特に好ましくは2.5〜83.4重量%、最も好ましくは9.0〜83.4重量%である。又、水性液ゲル中の架橋剤(B)の含有量は、ゲル化後のゲルの透明性、ゲルの保形性及びゲルの強度、ゲルの臭気抑制の観点から、0.01〜10.0重量%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜9.0重量%、次にさらに好ましくは0.025〜8.5重量%、特に好ましくは0.04〜8.0重量%、最も好ましくは1.0〜8.0重量%である。
【0032】
本発明のゲル化剤におけるゲル化剤の重量を基準とする(A)の含有量とゲル化剤の重量を基準とする(B)の含有量の比{(A)の含有量/(B)の含有量}は、0.1〜99が好ましく、さらに好ましくは0.13〜58、次にさらに好ましくは0.16〜55、特に好ましくは0.20〜39、最も好ましくは0.20〜10である。
【0033】
架橋剤(B)のうち、比較的低い温度での架橋性並びにゲル化後のゲルの透明性、ゲル化能及びゲル強度の観点から、特に前述の(7)アミド基を有する架橋剤が好ましく、最も好ましくはエチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体とアンモニア及びオニウムカチオンとの反応による反応生成物{架橋剤(D)}、および/または、エチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体とオニウムカチオンとの反応による反応生成物{架橋剤(E)}である。
なお、ここでオニウムカチオンとしては、前述のオニウムカチオンと同様であり、好ましいものも同様である。
【0034】
本発明において架橋剤(D)及び架橋剤(E)は、エチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体を作成した後に、アンモニア及びオニウムカチオン、もしくは、オニウムカチオンと反応させたものでもよいし、無水マレイン酸とアンモニア及びオニウムカチオンとの反応物、もしくは、無水マレイン酸とオニウムカチオンとの反応物をエチレン性不飽和化合物と共重合したものでもよい。前者はエチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸とを溶媒中で共重合して得られる共重合体にアンモニア及びオニウムカチオン、もしくは、オニウムカチオンを反応させることによって得られるものであり、後者は溶剤の存在下又は不存在下に無水マレイン酸とアンモニア及びオニウムカチオンとの反応物、もしくは、無水マレイン酸とオニウムカチオンとの反応物をエチレン性不飽和化合物と共重合して得られるものである。共重合体の反応し易さの観点から、好ましくは前者である。
【0035】
エチレン性不飽和化合物は、無水マレイン酸と共重合しうる不飽和化合物なら特に限定はなく、具体的には例えば、
(1)オレフィン系不飽和化合物
(i)直鎖状又は分岐状の炭素数2〜24のオレフィン[エチレン、プロピレン、ブテン−1,ブテン−2、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、n−ヘキサン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ジイソブチレン、2−メチル−4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−4−ジメチル−2−ペンテン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、ビニリデン(塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等)];
(ii)芳香族系オレフィン(スチレン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンスルホン酸等);
(iii)ハロゲン含有オレフィン(塩化ビニル、フッ化ビニル、四フッ化エチレン等);
(iv)窒素含有オレフィン(ニトロエチレン、アクリロニトリル等);
(v)その他オレフィン(アリルアミン、ビニルスルホン酸等);
【0036】
(2)非オレフィン系不飽和化合物
(i)ビニルエーテル(メチルビニルエーテル等)、ポリオキシアルキレン(n=2〜200)モノアリルモノアルキル(炭素数1〜24)エーテル等;
(ii)アルキル基、ヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜22の(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はヒドロキシアルキルエステル(アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ベヘニル等);
(iii)カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、イタコン酸グリコールモノエーテル等];
(iv)スルホン酸基含有不飽和化合物[3−スルホプロピル(メタ)アクリレート等];
(v)燐酸基含有不飽和化合物[(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル燐酸モノエステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート等];
【0037】
(vi)アクリルアミド[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等];
(vii)3級アミン又は第4級アンモニウム塩基含有不飽和化合物[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、その4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等];
(viii)エポキシ基含有不飽和化合物[グリシジル(メタ)アクリレート等];
(ix)その他(N−ビニルピロリドン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニルをケン化して得られるビニルアルコール等);等である。
これらのエチレン性不飽和化合物を単独で用いても良いし、また2種類以上を組み合わせても良い。
【0038】
これらの内好ましくは、ゲル化後のゲルの保形性及びゲル強度の観点から、直鎖状又は分岐状の炭素数2〜24のオレフィン及びビニルエーテルであり、好ましくはイソブチレン、メチルビニルエーテル及びポリオキシアルキレンモノアリルモノアルキルエーテルであり、特に好ましくはイソブチレン及びメチルビニルエーテルである。
【0039】
重合は上記エチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸とを溶媒の存在下又は不存在下、熱ラジカル重合、光ラジカル重合、アニオン重合等の公知の方法で重合出来る。重合は例えば0〜200℃で常圧下又は加圧下にて行われる。
熱ラジカル重合の場合はアゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル等)、過酸化物(t−ブチルパーオキシベンゾエート等)等の重合触媒が、光ラジカル重合の場合は光ラジカル開始剤(ベンゾインアルキルエーテル等)、増感剤(アントラキノン等)が、アニオン重合の場合はチーグラーナッタ系触媒、メタロセン系触媒等が重合開始剤として使用される。得られた共重合物は溶媒を脱溶媒して使用してもよいし溶媒が存在したままで使用しても良い。好ましくは脱溶媒したものである。
【0040】
重合体中におけるエチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との組成比は、架橋剤(D)又は架橋剤(E)が水性液(C)に溶解するものであればどの程度であっても差し支えない。無水マレイン酸とエチレン性不飽和化合物との組成比はモル比(無水マレイン酸:エチレン性不飽和化合物)で、ゲル化後のゲルの保形性及びゲル強度の観点から、好ましくは100:1〜1:100であり、より好ましくは10:1〜1:10、特に好ましくは5:1〜1:5である。また、生成した架橋剤(D)、(E)の分子量は、ゲル化後のゲルの保形性及びゲル強度の観点から、好ましくは2,000〜5,000,000であり、より好ましくは3,000〜3,000,000である。
【0041】
共重合体とアンモニアとの反応は種々の方法を採用することができるが、共重合体の固体粉末を溶剤中にスラリー状に分散させてアンモニアガスを溶媒中にバブリングしながら接触させる方法あるいは共重合体粉末をアンモニア水に溶解する方法等が好ましく採用される。
【0042】
アンモニアとの反応において、架橋剤(D)のアンモニアの反応量は共重合体に含まれる無水マレイン酸基1モルに対して、ゲル化後のゲルの保形性及びゲル強度の観点から、アンモニア0.2〜1.5モルが好ましく、より好ましくは0.2〜1.2モル、次により好ましくは0.2〜0.8モル、特に好ましくは0.2〜0.5モルである。
【0043】
共重合体とオニウムカチオンとの反応は種々の方法を採用することができるが、共重合体の固体粉末を溶剤中にスラリー状に分散させてオニウムカチオンを溶媒中に添加しながら接触させる方法あるいは共重合体粉末を溶剤中に溶解したオニウムカチオンに溶解する方法等が好ましく採用される。
【0044】
オニウムカチオンとの反応において、架橋剤(D)のオニウムカチオンの反応量は共重合体に含まれる無水マレイン酸基1モルに対して、ゲル化後のゲルの透明性、ゲルの保形性及びゲル強度の観点から、オニウムカチオン0.5〜1.8モルが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5モル、次により好ましくは0.5〜1.3モル、特に好ましくは0.5〜1.0モルである。
【0045】
オニウムカチオンとアンモニアとの反応において、架橋剤(D)のオニウムカチオンとアンモニアの合計した反応量は共重合体に含まれる無水マレイン酸基1モルに対してゲル化後のゲルの透明性、ゲルの保形性及びゲル強度の観点から、オニウムカチオンとアンモニアとの合計0.7〜2.0モルが好ましく、より好ましくは0.7〜1.7モル、次により好ましくは0.5〜1.5モル、特に好ましくは0.7〜1.2モルである。
【0046】
オニウムカチオンとの反応において、架橋剤(E)のオニウムカチオンの反応量は共重合体に含まれる無水マレイン酸基1モルに対して、ゲル化後のゲルの透明性、ゲルの保形性及びゲル強度の観点から、オニウムカチオン0.5〜2.0モルが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5モル、次により好ましくは0.5〜1.3モル、特に好ましくは0.5〜1.0モルである。
【0047】
反応生成物の水溶液(5重量%の濃度)の25℃における架橋剤(D)又は(E)の粘度は、ゲル化後のゲルの透明性、ゲルの保形性及びゲル強度の観点から、好ましくは5〜100,000mPa・sであり、より好ましくは10〜10,000mPa・sであり、特に好ましくは15〜5,000mPa・sである。
【0048】
水性液(C)としては、水単独、水と混合可能な水溶性アルコール単独又はこの水溶性アルコールと水との混合物のことであり、オニウムカチオン置換ゼラチン(A)と架橋剤(B)の何れも溶解できるものが好ましい。水溶性アルコールとしては、炭素数1〜6で、価数が1〜5の脂肪族アルコールが好ましく挙げられ、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等が好ましく挙げられる。疎水性化合物(消臭剤及び/又は芳香剤等)を可溶化させる観点から、メタノール、エタノール、i−プロパノール、プロピレングリコール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールが好ましい。
水性液(C)において、水溶性アルコールと水の重量比(水溶性アルコールの重量/水の重量)は、オニウムカチオン置換ゼラチン(A)と架橋剤(B)の何れも溶解できる水性液となる重量比が好ましく、疎水性化合物(消臭剤及び/又は芳香剤等)の溶解のし易さ及びゲル化後の疎水性化合物(消臭剤及び/又は芳香剤等)の揮散し易さの観点から、0/100〜100/0が好ましく、より好ましくは10/90〜99/1、次に好ましくは、30/70〜98.5/1.5、特に好ましくは50/50〜95/5である。
【0049】
本発明のゲル化剤の使用方法としては、ゲル化剤と水性液(C)を使用して、公知の方法(特開2000−192011号公報等)と同様の方法が用いられ、具体的には(i)(A)と(B)と(C)を直接混合した後、反応させる方法、(ii)(A)の水性液(C)溶液に(B)を混合した後、反応させる方法、(iii)(A)に(B)の水性液(C)溶液を混合した後、反応させる方法、(iv)(A)、(B)それぞれの水性液(C)溶液を予め調整した後、両者を混合した後、反応させる方法等で水性液ゲルを作成することができる。均一なゲルを得やすい観点から、好ましいゲル化剤の使用方法は(iv)である。
【0050】
水性液ゲルとしては、オニウムカチオン置換ゼラチン(A)、架橋剤(B)及び水性液(C)の他に消臭性及び/又は芳香性を有する物質(F)や他の添加剤等を混合しゲル化させることが出来る。他の添加剤としては水溶性又は水不溶性であれ特に制限はないが、例えば溶剤(アルコール、アセトンなど)、顔料、染料、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤、界面活性剤、防腐剤等が挙げられる。目的に応じこれらの配合物の任意の濃度のものが使用出来る。水性液に不溶性の添加物を配合すれば透過率が低下するので、水性液ゲルの透明性の観点から、水不溶性のものは水性液ゲルの透過率が70%以上になる様に少なく配合することが好ましい。
【0051】
本発明において、消臭性及び/又は芳香性を有する物質(F)としては、消臭性、芳香性又は消臭兼芳香性を有する物質として一般的に使用されているものでよく、特に制限されない。
消臭性を有する物質としては、例えばイネ、松、ヒノキ、笹等の植物からの抽出物質、酸又はアルカリ性の水性液等があり、このものを水又は一部溶剤を含んだ水溶液で希釈した水性液とすることができる。
芳香性を有する物質としては、例えば天然香料や合成香料が挙げられ、これらは水溶性のものであればその水溶液、非水溶性のものであれば水と乳化剤、必要により溶剤などからなる水性エマルジョン又は水性液とすることができる。ここで、芳香性を有する物質はマスキング効果を兼備するため、実用上消臭性を有するとも言えることがある。
【0052】
天然香料としては、じゃ香、霊猫香及び竜挺香等の動物性香料、アビエス油、アジヨクン油、アルモンド油、アンゲリカルート油、ベージル油、ベルガモット油、バーチ油、ボアバローズ油、カヤブテ油、カナンガ油、カブシカム、キャラウエー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シンナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、キュベブ油、クミン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーリカ油、フエンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、ジュニパーベリー油、ローレルリーフ油、レモン油、レモングラス油、ロベージ油、メース油、ナツメグ油、マンダリン油、タンゼリン油、カラシ油、はっか油、燈花油、玉ねぎ油、こしょう油、オレンジ油、セイジ油、スターアニス油、テレピン油、ウォームウッド油及び、ワニラ豆エキストラクト等の植物性香料等が含まれる。
【0053】
合成香料としては、ピネン、リモネンなどの炭化水素、リナロール、ゲラニオール、シトロネオール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、β−フェニルエチルアルコール等のアルコール、アネノール、オイゲノール等のフェノール、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデフド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、ワニリン等のアルデヒド、メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセチルブチリン、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、P−メチルアセトフェノン、イオノン等のケトン、アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シネオール等のラクトン又はオキシド、メチルフオーメート、イソプロピルフオーメート、リナリールフオーメート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ吉草酸ゲラニル、カプロン酸アリル、ヘプチル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン酸メチル、ベラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリル酸メチル、ミリスチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチン酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルビルベート、エチルα−ブチルブチレート等のエステル等が含まれる。
【0054】
消臭性及び/又は芳香性を有する物質(F)は一種類のみでもよいし、二種類以上を調合した調合物質でもよい。
上述した消臭性及び/又は芳香性を有する物質(F)とともに、バッチュリ油などの揮発保留剤、オイゲノールなどの変調剤、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル等の可溶化溶剤もしくは揮散調整剤、その他香料工業に使用される種々の成分を添加しても差し支えない。
消臭性及び/又は芳香性を有する物質(F)の使用量は、その種類により多少異なるが消臭性能及び/又は香りの持続性の観点から、水性液ゲルの重量を基準として、0.1〜15重量%が好ましい。
本発明において消臭性及び/又は芳香性を有する物質(F)単独又は(F)の水性液には、必要により他の添加物を配合することができる。この添加物としては、例えば顔料(蛍光性顔料や蓄光顔料を含む)、染料、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤、脱酸素剤、酸化防止剤、界面活性剤、アルコール、充填剤、増量剤などが挙げられる。
【0055】
本発明の水性液ゲルの製造方法は、例えば(i)(A)と(B)と(C)を直接混合した後、反応させる方法、(ii)(A)の水性液(C)溶液に(B)を混合した後、反応させる方法、(iii)(A)に(B)の水性液(C)溶液を混合した後、反応させる方法、(iv)(A)、(B)それぞれの水性液(C)溶液を予め調整した後、両者を混合した後、反応させる方法等があるが、均一なゲルを得やすく、好ましい方法は(iv)である。
【0056】
(A)と(B)との反応が進むと反応系の粘度が上昇してくる。更に進むとゲル化する。(A)と(B)とを反応する際の温度及び反応時間は特に限定はないが、水性液が揮散せず、且つ架橋反応のし易さの観点から、反応温度としては、5〜60℃が好ましく、さらに好ましくは15〜58℃、次にさらに好ましくは20〜55℃、特に好ましくは30〜50℃である。
反応時間としては、5〜39℃で反応させる場合は、半日から10日間で反応が完結し、40〜60℃で反応させる場合には数時間〜1日間を要する。
【0057】
オニウムカチオン置換ゼラチン(A)と架橋剤(B)との反応において、(A)及び(B)の含有量はゼラチンの遊離アミノ基の数により調整すればよいが、ゲル化剤の重量((A)の重量と(B)の重量の合計)を基準として、ゲル化後のゲルの保形性及びゲル強度の観点から、オニウムカチオン置換ゼラチン(A)の含有量は、9.0〜99.0重量%が好ましく、さらに好ましくは11.7〜98.3重量%、次にさらに好ましくは14.1〜98.2重量%、特に好ましくは16.6〜97.5重量%、最も好ましくは16.6〜91.0重量%である。同じく架橋剤(B)の含有量は、1.0〜91.0重量%が好ましく、さらに好ましくは1.7〜88.3重量%、次にさらに好ましくは1.8〜85.9重量%、特に好ましくは2.5〜83.4、最も好ましくは9.0〜83.4重量%重量%である。同じく(A)の含有量と(B)の含有量の比{(A)の含有量/(B)の含有量}は、0.1〜99が好ましく、さらに好ましくは0.13〜58、次にさらに好ましくは0.16〜55、特に好ましくは0.20〜39、最も好ましくは0.20〜10で反応させるのがよい。
【0058】
又、水性液ゲルの重量を基準として、ゲル強度及び水性液ゲルの美観(ゲルから水分や揮発成分が飛散した後の残存オニウム置換ゼラチンの量が多くなると残存するゲルの美観が悪くなる)の観点から、オニウムカチオン置換ゼラチン(A)の含有量は1.0〜10.0重量%が好ましく、さらに好ましくは1.2〜9.0重量%、次にさらに好ましくは1.4〜8.5重量%、特に好ましくは1.6〜8.0重量%である。同じく、同様の観点から、架橋剤(B)の含有量は、0.01〜10.0重量%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜9.0重量%、次にさらに好ましくは0.025〜8.5重量%、特に好ましくは0.04〜8.0重量%、最も好ましくは1.0〜8.0重量%である。同じく水性液(C)の含有量は、80.0〜98.99重量%が好ましく、さらに好ましくは82.0〜98.78重量%、次にさらに好ましくは83.0〜98.575重量%、特に好ましくは84.0〜98.36重量%である。同じく、同様の観点から、(C)の含有量に対する(A)と(B)の合計含有量の比率は、0.010〜0.25が好ましく、さらに好ましくは0.012〜0.21、次にさらに好ましくは0.014〜0.20、特に好ましくは0.016〜0.19である。
【0059】
本発明の製造方法により、透明性の大きな水性液ゲルが得られる。水性液ゲルの透明性は透過率(%)で測定が出来る。水性液ゲルの透過率(%)は水性液ゲルの美観及びインテリア性の観点(特に、消臭剤及び/又は芳香剤として使用した場合)から、70〜100が好ましく、さらに好ましくは75〜100、特に好ましくは80〜100である。
【0060】
(透過率の測定法)
密栓付きの10mm厚のガラス製セル中に架橋前の水性液ゲルを仕込み密閉とし、50℃で24時間架橋反応させて水性液ゲルを作成する。更に25℃で6時間温調した後、分光光度計(島津製作所製、UV−1200)にて可視光(700nm)の透過率を測定する。
【0061】
本発明の水性液ゲル及び本発明の製造方法により得られる水性液ゲルは、消臭及び/又は芳香剤に広く用いることができる。
【実施例】
【0062】
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、部は質量部、%は重量%を表す。
【0063】
実施例1
(1)オニウムカチオン置換ゼラチン(A1)の調整
ゼラチンSE−1(9.5部)にイオン交換水(85.7部)を加え60〜70℃に加温して均一に溶解後、TEAH−40W(4.8部)を加え均一で透明な水溶液を調整した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径450μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)のオニウムカチオン置換ゼラチン(A1)を得た。
ゼラチンSE−1:アルカリ処理ゼラチン、ニッピゼラチン工業社製。
TEAH-40W:テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(分子量:147)の40%水溶液、ライオン・アクゾ社製。
(2)架橋剤(B1)の調整
GANTREZ AN139(8.0部)にエタノール(72.0部)、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(16.9部)、アンモニア含有量28%のアンモニア水溶液(3.1部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径350μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)、オニウムカチオン中和率37.5モル%、アンモニア中和率30.0モル%の架橋剤(B1)を得た。なお、中和率は無水マレイン酸由来のカルボキシル基全てに対する比率であり、以下の実施例及び比較例においても同様である。
GANTREZ AN139:メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、分子量6.90×105、アイエスピー・ジャパン社製。
(3)水性液(C1)の調整
イオン交換水(50部)にエタノール(50部)を加えて均一で透明な水性液(C1)を調整した。
(4)水性液ゲル(D1)の調整
A1(3.57部)にB1(1.43部)とC1(95.00部)を加えた後、30℃で30分間攪拌して均一で透明な水性液を調整した。このようにして得られた水性液を50℃恒温槽で24時間反応を行い、均一で透明な水性液ゲル(D1)を得た。本水性液ゲル(D1)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0064】
実施例2
(1)架橋剤(B2)の調整
実施例1の架橋剤(B1)の調整において、GANTREZ AN139に代えてイソバン−04、エタノール(72.0部)に代えて71.9部、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(16.9部)に代えて17.0部を用いた以外は同様な方法によりオニウムカチオン中和率37.5モル%、アンモニア中和率30.0モル%の架橋剤(B2)を得た。
イソバン−04:イソブチレン/無水マレイン酸共重合体、分子量6×104、クラレ社製。
(2)水性液ゲル(D2)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、B1に代えてB2を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D2)を得た。本水性液ゲル(D2)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0065】
実施例3
(1)オニウムカチオン置換ゼラチン(A2)の調整
実施例1のオニウムカチオン置換ゼラチン(A1)の調整において、ゼラチンSE−1(9.5部)に代えて9.7部、イオン交換水(85.7部)に代えて87.4部、TEAH−40W(4.8部)に代えて2.9部を用いた以外は同様な方法により体積平均粒径450μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)のオニウムカチオン置換ゼラチン(A2)を得た。
(2)架橋剤(B3)の調整
GANTREZ AN139(7.5部)にエタノール(67.3部)、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(25.2部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径350μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)、オニウムカチオン中和率62.5モル%の架橋剤(B3)を得た。
(3)水性液ゲル(D3)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、A1に代えてA2、B1に代えてB3を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D3)を得た。本水性液ゲル(D3)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0066】
実施例4
(1)架橋剤(B4)の調整
実施例3の架橋剤(B3)の調整においてGANTREZ AN139に代えてイソバン04、エタノール(67.3部)に代えて67.0部、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(25.2部)に代えて25.5部を用いた以外は同様な方法によりオニウムカチオン中和率62.5モル%の架橋剤(B4)を得た。
(2)水性液ゲル(D4)の調整
実施例3の水性液ゲル(D3)の調整において、B3に代えてB4を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D4)を得た。本水性液ゲル(D4)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0067】
実施例5
(1)水性液ゲル(D5)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、A1に代えて実施例3で作成したA2を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D5)を得た。本水性液ゲル(D5)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0068】
実施例6
(1)オニウムカチオン置換ゼラチン(A3)の調整
実施例1の オニウムカチオン置換ゼラチン(A1)の調整において、ゼラチンSE−1(9.5部)に代えて9.4部、イオン交換水(85.7部)に代えて84.3部、TEAH−40W(4.8部)に代えて6.3部を用いた以外は同様な方法により体積平均粒径450μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)のオニウムカチオン置換ゼラチン(A3)を得た。
(2)水性液ゲル(D6)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、A1に代えてA3を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D6)を得た。本水性液ゲル(D6)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0069】
実施例7
(1)架橋剤(B5)の調整
GANTREZ AN139(8.7部)にエタノール(78.4部)、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(11.9部)、アンモニア含有量28%のアンモニア水溶液(1.0部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径350μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)、オニウムカチオン中和率25.0モル%、アンモニア中和率10.0モル%の架橋剤(B5)を得た。
(2)水性液ゲル(D7)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、B1に代えてB5を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D7)を得た。本水性液ゲル(D7)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0070】
実施例8
(1)架橋剤(B6)の調整
GANTREZ AN139(7.3部)にエタノール(65.8部)、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(21.5部)、アンモニア含有量28%のアンモニア水溶液(5.4部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径350μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)、オニウムカチオン中和率50.0モル%、アンモニア中和率50.0モル%の架橋剤(B6)を得た。
(2)水性液ゲル(D8)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、B1に代えてB6を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D8)を得た。本水性液ゲル(D8)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0071】
実施例9
(1)架橋剤(B7)の調整
GANTREZ AN139(6.6部)にエタノール(59.1部)、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(33.0部)、アンモニア含有量28%のアンモニア水溶液(1.3部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径350μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)、オニウムカチオン中和率90.0モル%、アンモニア中和率10.0モル%の架橋剤(B7)を得た。
(2)水性液ゲル(D9)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、B1に代えてB7を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D9)を得た。本水性液ゲル(D9)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0072】
実施例10
(1)水性液ゲル(D10)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、A1(3.57部)に代えて1.00部、B1(1.43部)に代えて0.41部、C1(95.00部)に代えて98.59部を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D10)を得た。本水性液ゲル(D10)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量1.00%、架橋剤の量0.41%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.4、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0073】
実施例11
(1)水性液ゲル(D11)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、A1(3.57部)に代えて10.00部、B1(1.43部)に代えて4.01部、C1(95.00部)に代えて85.99部を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D11)を得た。本水性液ゲル(D11)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量10.00%、架橋剤の量4.01%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0074】
実施例12
(1)水性液ゲル(D12)の調整
実施例2の水性液ゲル(D2)の調整において、A1に代えてA2を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D12)を得た。本水性液ゲル(D12)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0075】
実施例13
(1)水性液ゲル(D13)の調整
実施例2の水性液ゲル(D2)の調整において、A1に代えてA3を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D13)を得た。本水性液ゲル(D13)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0076】
実施例14
(1)架橋剤(B8)の調整
実施例7の架橋剤(B5)の調整において、GANTREZ AN139に代えてイソバン04、エタノール(78.4部)に代えて78.3部、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(11.9部)に代えて12.0部を用いた以外は同様な方法によりオニウムカチオン中和率25.0モル%、アンモニア中和率10.0モル%の架橋剤(B8)を得た。
(2)水性液ゲル(D14)の調整
実施例2の水性液ゲル(D2)の調整において、B2に代えてB8を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D14)を得た。本水性液ゲル(D14)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0077】
実施例15
(1)架橋剤(B9)の調整
実施例8の架橋剤(B6)の調整において、GANTREZ AN139に代えてイソバン04、エタノール(65.8部)に代えて65.5部、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(21.5部)に代えて21.8部を用いた以外は同様な方法によりオニウムカチオン中和率50.0モル%、アンモニア中和率50.0モル%の架橋剤(B9)を得た。
(2)水性液ゲル(D15)の調整
実施例2の水性液ゲル(D2)の調整において、B2に代えてB9を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D15)を得た。本水性液ゲル(D15)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0078】
実施例16
(1)架橋剤(B10)の調整
実施例9の架橋剤(B7)の調整において、GANTREZ AN139(6.6部)に代えてイソバン04(6.5部)、エタノール(59.1部)に代えて58.9部、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(33.0部)に代えて33.3部を用いた以外は同様な方法によりオニウムカチオン中和率90.0モル%、アンモニア中和率10.0モル%の架橋剤(B10)を得た。
(2)水性液ゲル(D16)の調整
実施例2の水性液ゲル(D2)の調整において、B2に代えてB10を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D16)を得た。本水性液ゲル(D16)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0079】
実施例17
(1)水性液ゲル(D17)の調整
実施例2の水性液ゲル(D2)の調整において、A1(3.57部)に代えて1.00部、B2(1.43部)に代えて0.19部、C1(95.00部)に代えて98.81部を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D17)を得た。本水性液ゲル(D17)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量1.00%、架橋剤の量0.19%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比5.0、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0080】
実施例18
(1)水性液ゲル(D18)の調整
実施例2の水性液ゲル(D2)の調整において、A1(3.57部)に代えて10.00部、B2(1.43部)に代えて4.00部C1(95.00部)に代えて86.00部を用いた以外は同様な方法により均一で透明な水性液ゲル(D18)を得た。本水性液ゲル(D18)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量10.00%、架橋剤の量4.00%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0081】
実施例19
(1)オニウムカチオン置換ゼラチン(A4)の水性液(A−1)調整
ゼラチンSE−1(6部)にイオン交換水(45.4部)を加え50〜60℃に加温して均一に溶解し、TEAH−40W(2部)を加え均一に溶解後、更にエタノール(46.6部)を加え均一に溶解し、オニウムカチオン置換ゼラチン(A4)の水性液(A−1)を得た。
(2)架橋剤(B11)の調整
GANTREZ AN139(3部)に1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(6.3部)、アンモニア含有量28%のアンモニア水溶液(0.7部)、イオン交換水(46.4部)及びエタノール(43.6部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解し、オニウムカチオン中和率37.5モル%、アンモニア中和率17.5モル%の架橋剤(B11)溶液を得た。
(3)水性液ゲル(D19)の調整
水性液(A−1)(66.2部)に架橋剤(B11)溶液(33.8部)を加えた後、30℃で30分間攪拌して均一で透明な水性液を調整した。このようにして得られた水性液を50℃恒温槽で24時間反応を行い、均一で透明な水性液ゲル(D19)を得た。本水性液ゲル(D19)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量4.5%、架橋剤の量1.8%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びアルコール/水の比率50/50であった。
【0082】
実施例20
(1)水性液(C2)の調整
消臭性を有する物質としてエポリオンSK−500(5部)にイオン交換水(46.0部)とエタノール(49.0部)を加え均一に溶解し、水性液(C2)を調整した。
エポリオンSK−500:有機酸塩等の水溶液(純分40%)、エポリオン社製
(2)水性液ゲル(D20)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、C1に代えてC2を用いた以外は同様な方法で水性液ゲル(D20)を調整した。このようにして得られた水性液ゲル(D20)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0083】
実施例21
(1)水性液(C3)の調整
フローラル系香料(0.5部)にノニポール120(0.5部)、エタノール(49.5部)およびイオン交換水(49.5部)を加え均一に溶解し、水性液(C3)を調整した。
ノニポール120:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤、三洋化成工業(株)製
(2)水性液ゲル(D20)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)において、C1に代えてC3を用いた以外は同様な方法で水性液ゲル(D21)を調整した。このようにして得られた水性液ゲル(D21)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0084】
実施例22
(1)水性液(C4)の調整
フローラル系香料(5部)にノニポール120(5部)、エタノール(63部)およびイオン交換水(27部)を加え均一に溶解し、水性液(C4)を調整した。
ノニポール120:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン界面活性剤、三洋化成工業(株)製
(2)水性液ゲル(D22)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)において、C1に代えてC4を用いた以外は同様な方法で水性液ゲル(D22)を調整した。このようにして得られた水性液ゲル(D22)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率70/30であった。
【0085】
実施例23
(1)水性液(C5)の調整
イオン交換水(10部)にエタノール(90部)を加えて均一で透明な水性液(C5)を調整した。
(2)水性液ゲル(D23)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)において、C1に代えてC5を用いた以外は同様な方法で水性液ゲル(D23)を調整した。このようにして得られた水性液ゲル(D23)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率90/10であった。
【0086】
実施例24
(1)水性液(C6)の調整
イオン交換水(50部)にプロピレングリコールモノメチルエーテル(50部)を加えて均一で透明な水性液(C6)を調整した。
(2)水性液ゲル(D24)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)において、C1に代えてC6を用いた以外は同様な方法で水性液ゲル(D24)を調整した。このようにして得られた水性液ゲル(D24)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル/水の比率50/50であった。
【0087】
実施例25
(1)水性液(C7)の調整
イオン交換水(48.4部)にエタノール(51.6部)を加えて均一で透明な水性液(C7)を調整した。
(2)水性液ゲル(D25)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、A1(3.57部)に代えて5.00部、B1(1.43部)に代えてWS4024(4.00部)、C1(95.0部)に代えてC7(91.0部)を用いた以外は、同じ方法で調整し水性液ゲル(D25)を得た。本水性液ゲル(D25)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量5.00%、架橋剤の量1.0%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比5.0、及びエタノール/水の比率50/50であった。
WS4024:ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂水溶液(固形分25%)、星光PMC社製
【0088】
実施例26
(1)オニウムカチオン置換ゼラチン(A5)の調整
ゼラチンSE−1(9.5部)にイオン交換水(85.0部)を加え60〜70℃に加温して均一に溶解後、TEAH−40W(5.5部)を加え均一で透明な水溶液を調整した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径450μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)のオニウムカチオン置換ゼラチン(A5)を得た。
(2)架橋剤(B12)の調整
GANTREZ AN139(8.0部)にエタノール(72.4部)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・モノメチル炭酸塩(分子量:187)の45%メタノール溶液(16.6部)、アンモニア含有量28%のアンモニア水溶液(3.0部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径350μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)、オニウムカチオン中和率37.5モル%、アンモニア中和率30.0モル%の架橋剤(B12)を得た。
(3)水性液ゲル(D26)の調整
A5(3.57部)にB12(1.43部)と実施例1で調整したC1(95.0部)を加えた後、30℃で30分間攪拌して均一で透明な水性液を調整した。このようにして得られた水性液を50℃恒温槽で24時間反応を行い、均一で透明な水性液ゲル(D26)を得た。本水性液ゲル(D26)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0089】
実施例27
(1)架橋剤(B13)の調整
GANTREZ AN139(8.8部)にエタノール(79.4部)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・モノメチル炭酸塩(分子量:187)の45%メタノール溶液(11.8部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径350μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)、オニウムカチオン中和率25.0モル%の架橋剤(B13)を得た。
(2)水性液ゲル(D27)の調整
実施例26で作成したA5(3.57部)にB13(1.43部)と実施例1で調整したC1(95.0部)を加えた後、30℃で30分間攪拌して均一で透明な水性液を調整した。このようにして得られた水性液を50℃恒温槽で24時間反応を行い、均一で透明な水性液ゲル(D27)を得た。本水性液ゲル(D27)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0090】
実施例28
(1)オニウムカチオン置換ゼラチン(A6)の調整
ゼラチンSE−1(9.3部)にイオン交換水(83.7部)を加え60〜70℃に加温して均一に溶解後、TEAH−40W(7.0部)を加え均一で透明な水溶液を調整した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径450μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)のオニウムカチオン置換ゼラチン(A6)を得た。
(2)架橋剤(B14)の調整
イソバン−04(7.9部)にエタノール(70.6部)、1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(21.5部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径350μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)、オニウムカチオン中和率50.0モル%架橋剤(B14)を得た。
)水性液ゲル(D28)の調整
A6(1.00部)、B14(10.00部)に実施例23で作成したC5(89.00部)を加えた後、30℃で30分間攪拌して均一で透明な水性液を調整した。このようにして得られた水性液を50℃恒温槽で24時間反応を行い、均一で透明な水性液ゲル(D28)を得た。本水性液ゲル(D28)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量1.00%、架橋剤の量10.00%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比0.1、及びエタノール/水の比率90/10であった。
【0091】
実施例29
(1)水性液ゲル(D29)の調整
実施例1で作成したA1(9.90部)、実施例28で作成したB14(0.10部)に実施例1で作成したC1(90.0部)を加えた後、30℃で30分間攪拌して均一で透明な水性液を調整した。このようにして得られた水性液を50℃恒温槽で24時間反応を行い、均一で透明な水性液ゲル(D29)を得た。本水性液ゲル(D29)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量10.00%、架橋剤の量1.00%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比99、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0092】
実施例30
(1)オニウムカチオン置換ゼラチン(A7)の水性液(A−2)調整
ゼラチンSE−1(0.89)にイオン交換水(1.33部)を加え50〜60℃に加温して均一に溶解し、TEAH−40W(0.31部)を加え均一に溶解後、更にエタノール(47.47部)を加え均一に溶解し、オニウムカチオン置換ゼラチン(A7)の水性液(A−2)を得た。
(2)架橋剤(B15)の調整
イソバン−04(5.48部)に1,2,3,4−テトラメチレンイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩(分子量:204)の48%メタノール溶液(15.00部)及びエタノール(29.52部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解し、オニウムカチオン中和率50.0モル%の架橋剤(B15)溶液を得た。
(3)水性液ゲル(D30)の調整
水性液(A−2)(50.0部)に架橋剤(B15)溶液(50.0部)を加えた後、30℃で30分間攪拌して均一で透明な水性液を調整した。このようにして得られた水性液を50℃恒温槽で24時間反応を行い、均一で透明な水性液ゲル(D30)を得た。本水性液ゲル(D30)は、オニウムカチオン置換ゼラチンの量1.0%、架橋剤の量10.0%、オニウムカチオン置換ゼラチン/架橋剤比0.1、及びアルコール/水の比率98.5/1.5であった。
【0093】
比較例1
(1)架橋剤(B16)の調整
GANTREZ AN139(9.4部)にイオン交換水(84.7部)、アンモニア含有量28%のアンモニア水溶液(5.9部)を加え50〜60℃で攪拌すると4時間で均一に溶解した。このようにして得られた水溶液を、減圧乾燥機を用いて乾燥温度80℃、減圧度−100kPaで3時間乾燥した後、クッキングミキサーで粉砕して体積平均粒径350μmミクロン(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)、アンモニア中和率70.0モル%の架橋剤(B16)を得た。
(2)水性液ゲル(D31)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、A1に代えてゼラチンSE−1、B1に代えてB16を用いた以外は同様な方法により水性液ゲル(D31)を調整したがゼラチンが溶解せずゲル化できなかった。本水性液ゲル(D31)は、ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率50/50であった。
【0094】
比較例2
(1)水性液ゲル(D32)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、A1に代えてゼラチンSE−1、B1に代えてB16、C1に代えて実施例24で作成したC6を用いた以外は同様な方法により水性液ゲル(D32)を調整したがゼラチンが溶解せずゲル化できなかった。本水性液ゲル(D32)は、ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、ゼラチン/架橋剤比2.5、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル/水の比率50/50であった。
【0095】
比較例3
(1)水性液ゲル(D33)の調整
実施例1の水性液ゲル(D1)の調整において、A1に代えてゼラチンSE−1、B1に代えてB16、C1に代えて実施例23で作成したC5を用いた以外は同様な方法により水性液ゲル(D33)を調整したがゼラチンが溶解せずゲル化できなかった。本水性液ゲル(D33)は、ゼラチンの量3.57%、架橋剤の量1.43%、ゼラチン/架橋剤比2.5、及びエタノール/水の比率90/10であった。
【0096】
実施例1〜30及び比較例1〜3の評価結果を表1及び表2に示す。
【0097】
【表1】

【0098】
【表2】

【0099】
評価方法は、以下の通りである。
(1)ゲルの外観(1)
上記に記載した透過率の評価方法に準じて作成したゲルの外観を透過率により次のように評価した。
○…透過率100〜70のもの
△…透過率69〜31のもの
×…透過率30〜0のもの
(2)ゲルの外観(2)
ゲルの外観(1)で使用したゲルを−20℃で16時間冷却させたものを25℃で8時間放置し、上記に記載した透過率の評価方法に準じてゲルの外観を透過率により次のように評価した。
○…透過率100〜70のもの
△…透過率69〜31のもの
×…透過率30〜0のもの
【0100】
(3)透過率
上記に記載した評価法に準じて行った。
(4)低温安定性
直径4cmの円柱状の密栓付き容器に試料50gとり、50℃で24時間反応させて作成したゲルを4℃恒温槽中に1週間放置し、さらに25℃で8時間放置した後、ゲルの表面の分離物をキムワイフで拭き取り、キムワイフの重量増加分により次のように評価した。
○…重量増加分0.10g以下のもの
△…重量増加分0.11〜0.19gのもの
×…離水する重量増加分0.20以上のもの
(5)ゲルの保形性
直径3.5cm、高さ12cmの円柱状密栓付きガラス製の容器に半量(底面から6cm)のゲルを50℃で24時間反応させてゲルを調整し、さらに25℃で6時間放置した。ゲル上部表面に接する位置(A)に印を付けた後、容器を真横に寝かせ、寝かせてから1時間後のゲルの先端からガラス面に垂直に下ろした位置(B)に印を付けた。位置(A)から位置(B)までの距離をゲルの移動距離とし、ゲルの保形性を評価した。
○…ゲルの移動距離が2cm以下のもの
△…ゲルの移動距離が2cmを超えて、4cm以下のもの
×…ゲルの移動距離が6cmを超えて、流動したもの
(6)高温安定性
上記に記載の「ゲルの保形性」評価方法で作成した試料を50℃恒温槽中に72時間放置し、50℃の雰囲気下で容器を真横に寝かせ、寝かせてから1時間後に上記に記載の「ゲルの保形性」評価方法に準じてゲルの移動距離を測定し、高温安定性を次のように評価した。
○…ゲルの移動距離が2cm以下のもの
△…ゲルの移動距離が2cmを超えて、4cm以下のもの
×…ゲルの移動距離が6cmを超え、流動したもの
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の水性液用ゲル化剤、水性液ゲル及び水性液ゲルの製造方法は、以下の効果を奏する。
(1)本発明の水性液ゲルは保形性が良いため、容器を移動したり倒した場合、変形したりこぼれることがなく、取り扱いやすい。
(2)本発明の水性液ゲルは透明感があるので、美観に優れる。
(3)香料を高濃度のアルコールを含有する水性液に混合・ゲル化できるので、冬場の気温が低い場合でも香料などの揮散性に優れる。
(4)5〜60℃の比較的低い温度でゲルを製造できるので、製造時の香料の揮散や香料の変質が起こりにくい。
(5)水性液ゲルからの離液現象や水性液ゲルのひび割れなどが発生しないので,貯蔵安定性に優れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼラチンのカルボキシル基のプロトンがオニウムカチオンで置換されてなるオニウムカチオン置換ゼラチン(A)と、架橋剤(B)との反応物を含んでなる水性液(C)用ゲル化剤。
【請求項2】
ゲル化剤の重量を基準として、オニウムカチオン置換ゼラチン(A)の含有量が9.0〜99.0重量%、架橋剤(B)の含有量が1.0〜91.0重量%、及び(A)の含有量と(B)の含有量の比{(A)の含有量/(B)の含有量}が0.1〜99である請求項1に記載の水性液用ゲル化剤。
【請求項3】
架橋剤(B)が下記架橋剤(D)及び/又は架橋剤(E)である請求項1又は2に記載の水性液用ゲル化剤。
架橋剤(D):エチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体とアンモニア及びオニウムカチオンとの反応による反応生成物
架橋剤(E):エチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体とオニウムカチオンとの反応による反応生成物
【請求項4】
架橋剤(D)が、エチレン不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体に含まれる無水マレイン酸基1モルに対してアンモニアとオニウムカチオンとの合計が0.7〜2モル反応しており、アンモニアが0.2〜1.5モル及びオニウムカチオンが0.5〜1.8モル反応している架橋剤である請求項3に記載の水性液用ゲル化剤。
【請求項5】
架橋剤(E)が、エチレン不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体に含まれる無水マレイン酸基1モルに対してオニウムカチオンが0.5〜2モル反応している架橋剤である請求項3に記載の水性液用ゲル化剤。
【請求項6】
水性液(C)の水溶性アルコールと水の重量比(水溶性アルコールの重量/水の重量)が0/100〜100/0である請求項1〜5のいずれかに記載の水性液用ゲル化剤。
【請求項7】
請求項1〜6いずれかに記載の水性液用ゲル化剤で水性液(C)をゲル化させてなる水性液ゲル。
【請求項8】
水性液(C)の水溶性アルコールと水の重量比(水溶性アルコールの重量/水の重量)が0/100〜100/0である請求項7に記載の水性液用ゲル。
【請求項9】
水性液(C)が、水性液ゲルの重量を基準として80.0〜98.99重量%である請求項7又は8に記載の水性液ゲル。
【請求項10】
透過率が70〜100%である請求項7〜9いずれかに記載の水性液ゲル。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれかに記載の水性液用ゲル化剤、消臭性及び/又は芳香性を有する物質(F)並びに水性液(C)を含んでなる消臭及び/又は芳香剤。
【請求項12】
ゼラチンのカルボキシル基のプロトンがオニウムカチオンで置換されてなるオニウムカチオン置換ゼラチン(A)、架橋剤(B)及び水性液(C)を含んでなる組成物を架橋反応させることを特徴とする水性液ゲルの製造方法。
【請求項13】
ゲル化剤の重量を基準として、オニウムカチオン置換ゼラチン(A)の含有量が9.0〜99.0重量%、架橋剤(B)の含有量が1.0〜91.0重量%、及び(A)の含有量と(B)の含有量の比{(A)の含有量/(B)の含有量}が0.1〜99である請求項12に記載の水性液ゲルの製造方法。
【請求項14】
架橋剤(B)が下記架橋剤(D)及び/又は架橋剤(E)である請求項12又は13に記載の水性液ゲルの製造方法。
架橋剤(D):エチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体とアンモニア及びオニウムカチオンとの反応による反応生成物
架橋剤(E):エチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体とオニウムカチオンとの反応による反応生成物
【請求項15】
架橋剤(D)が、エチレン不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体に含まれる無水マレイン酸基1モルに対してアンモニアとオニウムカチオンとの合計が0.7〜2モル反応しており、アンモニアが0.2〜1.5モル及びオニウムカチオンが0.5〜1.8モル反応している架橋剤である請求項14に記載の水性液ゲルの製造方法。
【請求項16】
架橋剤(E)が、エチレン不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体に含まれる無水マレイン酸基1モルに対してオニウムカチオンが0.5〜2モル反応している架橋剤である請求項14に記載の水性液ゲルの製造方法。
【請求項17】
水性液(C)の水溶性アルコールと水の重量比(水溶性アルコールの重量/水の重量)が0/100〜100/0である請求項12〜16のいずれかに記載の水性液ゲルの製造方法。
【請求項18】
架橋反応させる温度が5〜60℃である請求項12〜17のいずれかに記載の水性液ゲルの製造方法。

【公開番号】特開2009−203274(P2009−203274A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44335(P2008−44335)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】