説明

水性膏体用貼付支持体

【課題】膏体保持性及び保水性に優れ、膏体中の薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させ、薄くて良好な伸縮性により拘束感やゴワツキを感じず、透湿性を制御してベタツキも感じ難い着用感の良好な水性膏体用貼付支持体の提供。
【解決手段】不織布層Aおよび不織布層B間に貫通孔を有するフィルム層が積層された三層からなる積層体であって、そのフィルム層がオレフィン系エラストマーを含有する樹脂で構成され、貫通孔が1個当りの面積が0.02〜0.18mmの貫通孔であり、開孔率が1〜10%である積層体からなる水性膏体用貼付支持体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた特性を有する水性膏体用貼付支持体に関する。更に詳しくは、本発明は、膏体保持性及び保水性に優れ、膏体中の薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させ、そして伸縮性に優れ、ベタツキ感を与えない、薄くて着用感の良好な水性膏体用貼付支持体を提供することにある。
【背景技術】
【0002】
微多孔を有する合成樹脂フィルムの少なくとも片側面に不織布を積層してなる支持体のフィルム面側に水分を含有する粘着剤層を積層した貼付剤が特許文献1に記載されている。しかし、この貼付剤は、合成樹脂フィルム及び不織布の伸縮性が不足しており、着用感に問題がある。
【0003】
オレフィン共重合体成分と熱可塑性エラストマー成分を含有する組成物からなる弾性フィルムと、その少なくとも片面に弾性不織布が積層された複合弾性フィルムからなる貼付材基布が特許文献2に記載されている。そして、前記弾性フィルムに穿孔や多孔化しても良いことが記載されている。しかし、膏体に関しての検討はなされていないため、弾性フィルムの開孔率、単孔当たりの開孔面積の検討は一切されておらず、水性膏体を使用した際の膏体保持性及び保水性、薬剤の昇華による薬効持続性に問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−143503号公報
【特許文献2】特開2004−049544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、膏体保持性及び保水性に優れ、膏体中の薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させ、薄くて良好な伸縮性により拘束感やゴワツキを感じず、透湿性を制御してベタツキも感じ難い着用感の良好な水性膏体用貼付支持体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の態様からなる。
1.不織布層Aおよび不織布層B間に貫通孔を有するフィルム層が積層された三層からなる積層体であって、該フィルム層がオレフィン系エラストマーを含有する樹脂で構成され、貫通孔が1個当りの面積が0.02〜0.18mmの貫通孔であり、開孔率が1〜10%である積層体からなる水性膏体用貼付支持体。
2.支持体の透湿度が1000〜5500g/m・24時間である上記1に記載の水性膏体用貼付支持体。
3.50%伸張回復率が70%〜100%、目付が50〜140g/m、厚みが0.2〜0.8mmである上記1または2に記載の水性膏体用貼付支持体。
4.不織布層Aおよび不織布層Bがオレフィン系樹脂からなる上記1〜3のいずれかに記載の水性膏体用貼付支持体。
5.不織布層Aおよび不織布層Bがオレフィン系エラストマーを含有する樹脂からなる上記1〜3のいずれかに記載の水性膏体用貼付支持体。
【発明の効果】
【0007】
本発明の水性膏体用貼付支持体(以下、「貼付支持体」と記すこともある)は、不織布層Aおよび不織布層B間にオレフィン系エラストマーを含有する組成からなるフィルム層が積層された三層からなる積層体の、フィルム層が孔形態を保持した貫通孔を形成しており、その開孔率を1〜10%とすることで、エラストマーでも開孔が閉塞されず、透湿性を保持して蒸れを低減し、且つ、フィルムの未開孔面積が広いので、水分の急速な蒸発抑制と膏体中の薬剤の昇華を抑制して薬効持続性が優れた貼付剤を製造できる貼付支持体である。また、伸張回復性に優れるので、皮膚伸縮への追随性に優れ、圧迫拘束感を低減した貼付剤となる。貼付支持体両面が不織布層で構成されているため、不織布層を構成する繊維によるアンカー効果で膏体の剥離が生じ難く、また、貼付支持体の厚みを小さくできるので、着用時のゴワツキ感も低減でき、着用感の良好な貼付剤が得られる貼付支持体である。さらに、膏体保持性及び保水性にも優れ、膏体中の薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させ、良好な伸縮性とベタツキを感じ難く、薄くて着用感の良好な水性膏体用貼付支持体を提供できる。
上記特性を活かし経皮吸収剤(バンテージ)など各種薬剤用途への展開も可能な貼付支持体として不織布用途分野への寄与が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳述する。
本発明は不織布層Aおよび不織布層B間に貫通孔を有するフィルム層が積層された三層からなる積層体において、該フィルム層がオレフィン系エラストマーを含有する樹脂で構成されたフィルムである水性膏体用貼付支持体に関する。更に本発明は、オレフィン系エラストマーフィルムが孔形態を保持した貫通孔を形成している水性膏体用貼付支持体である。
【0009】
本発明では、貼付剤の形態を安定に保持して伸縮性を付与するために、積層されるフィルム層が膏体中の薬剤に安定な特性を保持し、伸縮性を発現できるオレフィン系エラストマーを含有する樹脂から構成される必要がある。
他の樹脂組成、たとえば、ポリエステル系樹脂では、膏体に含有する薬剤によっては、耐薬品性が低い組成もあり、皺の発生原因など形態安定性が劣る可能性があり好ましくない。なお、スチレン系エラストマーは有用ではあるが、スチレンオリゴマーとの皮膚接触の可能性を危惧し、本願では使用を回避した。
【0010】
本発明では、形態安定性の観点からは、不織布層Aおよび不織布層Bを構成する繊維がオレフィン系樹脂からなることが好ましく、伸縮性の観点からは、不織布層Aおよび不織布層Bを構成する繊維もオレフィン系エラストマーを含有する樹脂から構成されることがより好ましい。
【0011】
本発明で用いられるオレフィン系エラストマーとは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどのα−オレフィンのランダムまたはブロック共重合体で、結晶化度が50%未満の低結晶性または非晶性のもので、MFRが20〜100g/10分、好ましくは50〜80g/10分の範囲にあるものが挙げられる。具体的には、エチレン・プロピレンランダム又はブロック共重合体、エチレン・1−ブテンランダム又はブロック共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム又はブロック共重合体、エチレン・1−オクテンランダム又はブロック共重合などのα−オレフィンのランダム又はブロック共重合体などが挙げられる。本発明での好ましいオレフィン系エラストマーとしては、α−オレフィンブロック又はランダム共重合があげられ、特に好ましくは、平滑性と伸縮性を併せ持つエチレン・1−オクテンブロック又はランダム共重合体である。
本発明で用いられるオレフィン系エラストマーを含有する樹脂とは、上記オレフィン系エラストマーを5重量%〜100重量%含有する熱可塑性樹脂組成物である。このような組成からなる市販の樹脂としては、プライムポリマー社製モアテック(エチレン−1−オクテン共重合体)などが例示できる。
【0012】
本発明で用いられるオレフィン系樹脂とは、オレフィンモノマー又はアルケンモノマーを重合した熱可塑性樹脂およびその共重合物をいい、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレンビニルアルコールなどが例示できる。好ましいオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体であり、より好ましくは、エチレン・1−オクテン共重合体などが例示できる。
本発明では、構成不織布が、通気性を有する不織布が使用されるが、オレフィン系樹脂からなるのが好ましく、オレフィン系樹脂からなり、伸縮性を有する不織布がより好ましい。このような要件を満たす市販の伸縮性不織布としては、出光ユニテック社製のストラフレックスUタイプ(オレフィン系長繊維伸縮不織布)などが例示できる。
【0013】
本発明の貼付支持体は、不織布層Aに貫通孔を有するフィルム層が積層され、フィルム層側に不織布層Bが更に積層された三層からなる積層体において、該フィルム層がオレフィン系エラストマーを含有する樹脂で構成されたフィルム層である水性膏体用貼付支持体、あるいは不織布層Aとオレフィン系エラストマーを含有する樹脂からなるフィルム層(以下、「エラストマーフィルム層」と記すこともある)が積層された積層体が孔形態を保持した貫通孔を形成しており、フィルム層側に不織布層Bが更に積層された積層構造を形成している。
【0014】
本発明では、不織布層Aとエラストマーフィルム層が積層された構造体が孔形態を保持した貫通孔を形成していることが必要である。
不織布層Aとエラストマーフィルム層はニードルパンチなどの力学的手段で不織布層とエラストマーフィルム層に貫通孔を開孔しても、エラストマーフィルム層の伸縮性で開孔形態を維持できず、開孔部が閉塞してしまい開孔効果が低減してしまうので、透湿性が低下して好ましくない。
本発明では、開孔部を溶融開孔させて、開孔の孔形態を保持することで、伸縮変形しても貫通開孔部の孔形態が保持できるので高い透湿性を維持でき、皮膚からの発汗による水分を高い透湿性で放出できるので蒸れ感(ベタツキ感)を低減できる。
また、開孔されているので透湿による水分蒸発が顕著になり、水性膏体中の薬剤まで昇華させて薬効持続時間を短くしてしまう可能性があると考えられていたが、貫通孔の1個当りの面積を0.02〜0.18mmとし、貫通孔の開孔率を1〜10%に制御することで、エラストマーフィルム層がバリアー効果を発揮して水性膏体中の薬剤の昇華を抑制して薬効効果の持続性を、蒸れ感(ベタツキ感)の低減化と同時に向上できる。
【0015】
本発明では、不織布層Aとエラストマーフィルム層は接合一体化された後、フィルム層面側から貫通孔を形成されているのが好ましい。本発明での好ましい貫通孔の開孔率は1〜10%、より好ましくは、1〜8%である。貫通孔の開孔率が10%を超える場合は、水性膏体中の薬剤が昇華し薬効持続性が低下し、1%未満では蒸れ感(ベタツキ感)を低減ができない。本発明の貫通孔はフィルム層面から不織布層面まで貫通しており、開孔分布は実質的に均一な分布(格子配列、千鳥配列、ランダム配列などでもよい)となるように開孔されることが望ましく、偏ると部分的な蒸れ(ベタツキ)や薬効持続性が偏るので好ましくない。
【0016】
また、貫通孔1個当りの面積は、0.02〜0.18mmであり、好ましくは0.05〜0.17mmである。0.02mm未満では透湿率が低下する場合があり、0.18mmを越えると水性膏体の滲みを生じる。
【0017】
貼付支持体の透湿度は、透湿度が1000〜5500g/m・24時間の範囲になるよう設定するのが望ましい。透湿度が1000g/m・24時間未満では、蒸れ感(ベタツキ感)に問題を生じる場合があり、5000g/m・24時間を越えると、薬効持続性に問題を生じる場合がある。
本発明の貼付支持体での好ましい透湿度は2000〜4500g/m・24時間であり、より好ましくは2500〜4000g/m・24時間である。
【0018】
本発明の貼付支持体は、貫通孔を形成したフィルム積層体のエラストマーフィルム層側に開孔部を形成していない不織布層Bが更に積層された積層構造を形成している。
エラストマーフィルム層面が露出していると、エラストマーのタッグ性で引っ掛りやすくなり、貼付された貼付剤が衣服と接触して剥離し易い問題がある。
開孔部を形成していない不織布を積層することで、耐摩耗性と衣服との接触での平滑効果を付与するために必要である。更には、貫通孔を有するフィルム層、あるいはもう一方の不織布層/フィルムエラストマー層積層体の透湿性を調整する機能も有する。
【0019】
本発明の貼付支持体において、その50%伸張回復率は70%〜100%、目付は50〜140g/m、厚みは0.2〜0.8mmであるのが望ましい。
貼付支持体の50%伸張回復率が70%未満では、皮膚伸縮への追随性が劣り、圧迫感や剥離を生じる場合がある。本発明の好ましい伸張回復率は80%〜100%、より好ましくは85%〜100%である。本発明での実施形態として、貼付支持体の伸縮性をより向上させる方法として、不織布層を構成する繊維にオレフィン系エラストマー成分を含有させることで伸縮性を向上させる方法が選択できる。
【0020】
貼付支持体の目付は少ないほど軽量化できるが、目付が50g/m未満では、補強効果が不充分で、損傷を生じ、形態保持が困難となる場合がある。又、水性膏体では滲み出しを生じる場合もある。150g/mを越えるとゴワツキや拘束感を生じる場合があり推奨できない。本発明の貼付支持体のより好ましい目付は60〜120g/m、更に好ましくは80〜110g/mである。
【0021】
貼付支持体の厚みは0.1mm未満では、水性膏体ではアンカー効果が不充分になり膏体が剥離する場合がある。厚みが1.0mmを越えるとゴワゴワ感を感じる場合がある。本発明の貼付支持体の厚みはより好ましくは0.2〜0.6mm、更に好ましくは0.3〜0.5mmである。このような薄い貼付支持体では、貼付剤も薄くなり装着による違和感が少なくなる効果が発揮される。
【0022】
本発明の貼付支持体を構成する不織布層は特には限定されないが、強力が高い不織布である長繊維不織布が好ましく、より好ましくは、生産性が高く、形態保持性の良好であるスパンボンド不織布が推奨できる。不織布層を構成する繊維の繊度は、柔軟性と緻密な補強性を保持できる0.5dtex〜10dtexが望ましい。0.5dtex未満では、糸切れし易く、10dtexを越えると緻密性と柔軟性が低下するので、好ましくは、1.0dtex〜8dtex、より好ましくは1.5dtex〜6dtexである。
【0023】
不織布層Aおよび不織布層Bは同じ構成の不織布層でもよく、目付や厚み、構成繊維の繊度や組成が異なるものも許容されるが、目付が15g/m未満では滲み出しを生じる場合があるので15〜80g/mの目付のものを随時組合せて、貼付支持体としたときに50〜140g/mとなるよう選択するのが好ましい。不織布層を構成する繊維は、好ましくは不織布層Aおよび不織布層Bがオレフィンエラストマーを含有する樹脂からなるものであるが、片方の不織布層がオレフィンエラストマーを含有しない樹脂、もう一方の不織布層がオレフィンエラストマーを含有する樹脂で構成されていても許容されるが、貼付支持体としての伸縮性が本願の好ましい伸張回復率を満たす構成となるよう選択するのが望ましい。本発明の実施形態としては、生産性の観点からは、不織布層Aおよび不織布層Bは同一構成の不織布層であるのも好ましいが、少なくとも不織布層Bの目付は、不織布層Aの1〜2倍の目付とするのが被覆性の観点から好ましい。
【0024】
本発明の貼付支持体の力学特性は特には制限されないが、繊維構造体の形態保持に必要な引張強度は、少なくとも10N/25mm以上、好ましくは15N/25mm以上とするのが望ましい実施形態である。
【0025】
以下に本発明の貼付支持体の製法についての一例を開示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
最も好ましいオレフィン系樹脂を例にとり、これを用いた本発明の貼付支持体の製造法について以下に述べる。
主成分としてポリエチレンとエチレン−1−オクテン共重合体を不織布に必要な所望の伸縮性に応じて混合した樹脂を、通常の溶融紡糸機にて、紡糸温度(180)℃にて紡糸する。吐出量は所望の繊度を得るために、設定牽引速度に応じて設定する。例えば、2dtexの繊維を得たい場合、牽引による紡糸速度を2000m/分に設定する時は、単孔吐出量を0.4g/分にて吐出する。
【0026】
紡糸された吐出糸条はノズル直下〜10cm下で冷却風により冷却されつつ、下方に設置された牽引ジェットにて牽引細化されて固化しつつ弾性回復力が発現する直前に吸引装置をもつネット又はドラムにひきとり、所望の目付(不織布の目付は、20〜60g/mが推奨される)に積層される。連続して、ウエッブはバラケないように予備圧着されてハンドリング性を確保される。次いで、巻き取られ、又は、必要に応じて、エンボス加工される。エンボス加工は、柔らかい素材なので低温でのドット圧着が推奨される。不織布Bも所望の目付のものを同様にして得ることができる。
【0027】
次いで、得られた不織布は、常法により、エチレンαオレフィン樹脂をラミネートされる。ラミネートフィルムの厚みは特には制限されないが、5μm未満では、均質にラミネート加工し難く、加工工程で損傷しやすい課題が残る。50μmを越えると、貼付支持体の伸縮性がフィルムだけの伸縮性に依存して拘束感を与える原因になる場合があるので、本発明でのエラストマーフィルム層の厚みは、5μm以上50μm以下とするのが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。エラストマーフィルム層の厚みは、加工速度とダイからの樹脂の吐出量で調整され、所望の厚みのエラストマーフィルム層がラミネートできる。
【0028】
本発明では、ついで、エラストマーフィルム層がラミネートされた不織布積層体は、開孔形態を保持できる貫通孔を形成される。孔形態を保持した貫通孔を形成する方法としては、熱針加工が好ましい。ニードルパンチやウオータージェットによる開孔では、エラストマーフィルムが伸張されて開孔され、開孔後収縮により孔が閉塞される場合があるので、本発明では、溶融開孔させて孔形態を保持できる熱針加工が推奨される。熱針加工は常法にて所望の孔径とピッチで孔開け加工ができる。本発明では、貫通孔の開孔率を1〜10%で、1個当りの貫通孔面積が0.02〜0.18mmの範囲とする。不織布層Bを積層接合した3層積層体である貼付支持体として、透湿度を1000〜5500g/m・24時間の範囲になるよう開孔率と貫通孔面積を設定するのが好ましい。なお、熱針加工の孔明けは、フィルム側から孔開け加工を行うのが好ましい。
【0029】
貫通孔加工された不織布層Aとエラストマーフィルム層の積層体は、次いで、エラストマーフィルム層側に不織布層Bが積層接合される。
不織布層Bは、貼付支持体に必要な伸縮性、透湿度、耐摩耗性及び軽量化に必要な厚みと目付を満たせば特には限定されないが、好ましくは不織布層Aと同一のものを使用するか、不織布層Aより目付の高いものを用いるのが、耐磨耗性と被覆性の観点から好ましい。
【0030】
接合方法は特には制限されないが、エラストマーフィルム層に変形を与えない方法として、接着剤(αオレフィン系、アクリル樹脂系、ポリプロピレン系などを使用できる)を付与して接合する方法が推奨される。接着剤を付与する方法として、スプレー法、グラビア転写法などがあげられる。接着剤の付与量は、不織布層Bがエラストマーフィルム層に均一に接合され、外力で剥離しない範囲で少なくするのが好ましく、1〜10g/m、より好ましくは2〜5g/mである。
【0031】
かくして、常法にて、不織布層A/エラストマーフィルム層の二層積層体に、不織布層Bが積層接合され、巻き取られて本発明の3層積層体である貼付支持体が得られる。
得られた貼付支持体は、水性膏体をライナーフィルムに塗布され、貼付支持体と積層接合され、裁断、密封し、エイジングされて各種貼付剤となる。
【0032】
本発明の貼付支持体を用いた水性膏体貼付剤は、膏体保持性及び保水性に優れ、薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させ、良好な伸縮性とベタツキを感じ難く薄くて着用感の良好な水性膏体貼付剤が得られる。
【実施例】
【0033】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、本発明における実施例で記載する評価は以下の方法による。
<単繊維繊度>
不織布表面の任意の場所10点から1cmを取り、各n=20を測定して求めて得た繊維径の総平均値φaより、繊維の比重各n=3を測定して得た平均値ρaより下記式にて繊度(dtex)を求める。
繊度(dtex)=π×φa2×ρa/400
<目付>
JIS L−1096(2000)に準じて測定した単位面積あたりの質量(g/m)。
<厚み>
JIS L−1096(2000)に準じ、荷重0.196Nにて測定した厚み(mm)。
【0034】
<貫通孔>
貼付支持体の不織布層A面側から表面観察を行い、不織布層B面が見える状態を貫通孔と判断し、2〜10倍の倍率でSEM写真撮影してその開孔面積(S)を次の計算で求めた。観察点は任意場所3点から各1cmの範囲の写真を撮影し、1cm範囲の貫通孔の数(n)、個々の面積(Si)を求める。各測定位置で貫通孔の面積(Si)の平均値(Sj)を求め、そのSjの平均値を開孔面積とする。
開孔面積(mm)=(1/3)Σ(Sj)=(1/3)Σ((1/n)Σ(Si))
開孔率は、上記の各測定位置の個々の貫通孔面積(Si)の合計より算出した開孔率の平均値で示す。
各測定位置の開孔率=Σ(Si)
【0035】
<50%伸張回復率>
試料幅25mm、試料長100mmとし、引張速度100%として、50%まで伸張した以外、JIS L−1096 8.13.2に準拠して求めた伸張弾性率を50%伸張回復率(%)とする。
【0036】
<透湿度>
JIS L−1099(2006)7.1のA法(塩化カルシウム法)に準拠して測定した。
<貼付剤の作成>
水性膏体(特開2007−176854号公報の実施例1中に記載された(b)膏体2及びトレーサーとしてサルチル酸メチル3重量部を混練りして膏体を調製して用いた)を剥離用ポリプロピレンフィルム面にフィルムアプリケーターにて1000μmとなるよう塗布し、次いで、切断した貼付支持体を不織布A面を膏体面側として、膏体と積層接合して、アルミ蒸着されたチャック付きパックに密封して、40℃×24時間エイジングを施して貼付剤とした。
【0037】
<貼付剤の外観評価>
作成した貼付剤をパックから取り出して目視で観察し、以下の評価を行った。
(1)皺:支持体に皺が発生しているか観察;皺なし:○、皺微小:△、皺あり:×で判定。
(2)支持体の伸縮:支持体が伸び又は収縮していないか観察;伸縮なし:○、伸縮微小:△、伸縮あり:×で判定。
(3)滲み出し:支持体表面への水分や膏体の滲みを観察:滲みなし:○、滲みあり:×で判定。
【0038】
<貼付剤の着用評価>
パネラーを10名に膝及び肘に貼付剤を貼り付けて12時間着用した結果を官能評価及び目視判定で以下の評価を行った。
(1)ベタツキ感(蒸れ含む):着用時の蒸れ又はベタツキ感を官能評価した。なお、10人中1人以上でランクを切り下げた。ベタツキなし:○、少しベタツク:△、ベタツク:×で評価。
(2)着用感:着用時のフィット感を官能評価した。なお、10人中1人以上でランクを切り下げた。フィット感良好:○、フィット感少し難あり:△、フィット感不良:×で評価。
(3)膏体保持性:着用時に剥れ捲れの有無を評価、なお、10人中1人以上でランクを切り下げた。剥離、捲れなし:○、少し捲れのみあり:△、捲れ剥がれあり:×で評価。
(4)毛羽立ち損傷:着用後の支持体表面の状態を目視評価で判定、平均値四捨五入で評価した。毛羽立ちなし:○、毛羽立ちわずか:△、毛羽立ちあり:×で評価。
【0039】
<保水性>
初期の貼付剤の重量(WO)、及び、40℃の乾燥条件で4時間乾燥した後の貼付剤の重量(Wi)を測定して、重量減少量(ΔW)を求め、減少量が水分であると仮定し、水分保持率(W)を求めた。
水分保持率(W)={1−(W0−Wi)/W0}×100(%)
【0040】
<薬効持続性>
着用した貼付剤をすぐに剥離して、膏体中の薬効成分であるサリチル酸メチルの残存量を測定した。測定方法は、貼付剤をエタノール中に浸漬、超音波振動を加え溶出させた後、ガスクロマトグラフィにより定量分析して求めた。未着用貼付剤に比べて、12時間着用後の貼付剤中のサルチル酸メチルの残存量が50%以上:○、30%以上:△、30%未満:×で評価。
【0041】
<実施例1>
不織布層Aとして出光ユニテック社製UN5050(オレフィン系エラストマー樹脂使用スパンボンド不織布、目付50g/m、厚み0.3mm、繊度5dtex)にプライムポリマー社製モアテック0218CN(エチレン−1−オクテン共重合体)の20μm厚みのフィルムをラミネートして、エラストマーフィルム側から針径0.7mmの針による熱針加工にて、1個当りの貫通孔面積が0.05mm、開孔率が1.4%の孔形状を保持した貫通孔を付与し、次いで、不織布層Bとして出光ユニテック社製UN5040R(オレフィン系エラストマー樹脂使用スパンボンド不織布、目付45g/m、厚み0.25mm)を貫通孔加工した不織布層A/エラストマーフィルム積層体のエラストマーフィルム面に常法により、接着剤をスプレー法にて5g/m付与して不織布Bを積層接合して目付105g/m、厚み0.4mm、50%伸張回復率92%、透湿度3500g/m・24時間の支持体を得た。
得られた支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
実施例1の支持体を用いた貼付剤は、優れた伸縮性と膏体保持性を有し、ベタツキ感がなく着用感が良好で、保水性にも優れ、かつ薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させた水性膏体用貼付剤であった。
【0042】
<実施例2>
実施例1のエラストマーフィルムの1個当りの貫通孔面積を0.17mm、開孔率を1.4%とした以外は、実施例1と同様の支持体を得た。得られた支持体は目付105g/m、厚み0.4mm、50%伸張回復率91%、透湿度5300g/m・24時間の支持体を得た。
得られた支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
実施例2の支持体を用いた貼付剤は、優れた伸縮性と膏体保持性を有し、ベタツキ感がなく着用感が良好で、保水性にも優れ、かつ薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させた水性膏体用貼付剤であった。
【0043】
<実施例3>
不織布層Aとして出光ユニテック社製Uタイプ30g/m(オレフィン系エラストマー樹脂使用スパンボンド不織布、目付30g/m、厚み0.2mm、繊度5dtex)にプライムポリマー社製モアテック0218CN(エチレン−1−オクテン共重合体)の15μmフィルムをラミネートして、エラストマーフィルム側から針径0.7mmの針による熱針加工にて、1個当りの貫通孔面積が0.05mm、開口率が1.4%の孔形状を保持した貫通孔を付与し、次いで、不織布層Bとして出光ユニテック社製Uタイプ30g/m(オレフィン系エラストマー樹脂使用スパンボンド不織布、目付30g/m、厚み0.2mm)を貫通孔加工した不織布層A/エラストマーフィルム積層体のエラストマーフィルム面に常法により、接着剤をスプレー法にて4g/m付与して不織布層Bを積層接合して支持体を得た。
得られた支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
実施例3の支持体を用いた貼付剤は、優れた伸縮性と膏体保持性を有し、ベタツキ感がなく着用感が良好で、保水性にも優れ、かつ薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させた水性膏体用貼付剤であった。
【0044】
<比較例1>
熱針加工しなかった以外、実施例1と同様にして貼付支持体を得た。
得られた貼付支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
比較例1は透湿度が本発明の規定の範囲を外れるため、ベタツキ感があり、着用感に問題が残る貼付支持体であった。
【0045】
<比較例2>
熱針加工に変えて、ペネ50にて、ニードルパンチ加工により孔開け加工した以外、実施例2と同様にして、貼付支持体を得た。
得られた貼付支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
比較例2は透湿度が本発明の規定の範囲を外れるため、ベタツキ感が残り、着用感に問題が残る貼付支持体であった。
【0046】
<比較例3>
ラミネートフィルム素材に、ポリエステル系の東洋紡績社製ペルプレンP30Aを用い、ラミネートフィルムの厚みを20μmとした以外、実施例2と同様にして貼付支持体を得た。
得られた貼付支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
比較例3はラミネートフィルムの素材が本発明の構成要件であるオレフィン系でないので、膏体薬剤の吸収により膨潤したためか微少な皺を発生し、商品価値が悪くなる問題が残る貼付支持体であった。
【0047】
<比較例4>
不織布層Aおよび不織布層Bとして、実施例3で用いた出光ユニテック社製Uタイプ30g/mを用いて、フィルムラミネート及び熱針加工をせず、積層接着時の接着剤は10g/mを付与した以外、実施例3と同様にして積層接合して貼付支持体を得た。
得られた貼付支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
比較例4は不織布層Aにフィルムラミネートしていないため、本発明の構成要件を外れ、少し薬剤の滲みを生じ、水分保持性及び薬効持続性が劣る問題が残る貼付支持体であった。
【0048】
<比較例5>
実施例1で得た不織布層Aにラミネート加工したのみの支持体を貼付支持体として、フィルム側と膏体を接合して貼付剤とした結果を表1に示す。
比較例5は、フィルムと膏体との接合力が不充分で、膏体が剥離する問題とベタツキ感が生じる問題ある貼付支持体であった。
【0049】
<比較例6>
実施例1で得た不織布層Aにラミネート加工し、熱針加工により開孔したのみの支持体を貼付支持体として、フィルム側と膏体を接合して貼付剤とした結果を表1に示す。
比較例6は、ベタツキ感は低減するが、フィルムと膏体との親和性が不充分で、膏体が剥離する問題がある貼付支持体であった。
【0050】
<比較例7>
実施例1で得た不織布層Aにラミネート加工したのみの支持体を貼付支持体として、不織布A側と膏体を接合して貼付剤とした結果を表1に示す。
比較例7は、不織布層Aと膏体との接合は良好であるが、ラミネートフィルムの摩擦抵抗が衣服との接触で拘束力として働き、ゴワツキと捲れを招きやすく、ベタツキ感にも問題がある貼付支持体であった。
【0051】
<比較例8>
実施例1で得た不織布層Aにラミネート加工して、熱針加工により開孔したのみの支持体を貼付支持体として、不織布層A側と膏体を接合して貼付剤とした結果を表1に示す。
比較例8は、ベタツキ感は低減するが、ラミネートフィルムの摩擦抵抗が衣服との接触で拘束力として働き、ゴワツキと捲れを招きやすい問題がある貼付支持体であった。
【0052】
<比較例9>
ラミネートフィルム用素材として、エチレン−1−オクテン共重合体に変えて、日本ポリプロ社製メルトインデックス2.0のノバテックFL02(ポリプロピレン)を用いて、厚み20μmのフィルムラミネートを行った以外、実施例1と同様にして貼付支持体を得た。
得られた貼付支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
比較例9はラミネートフィルムに非エラストマーのポリプロピレンを用いたため、伸縮性が劣り、着用時のゴワツキや不織布にたるみを生じてフィルムと部分的な剥離を生じるなどの問題が残る貼付支持体であった。
【0053】
<比較例10>
針径0.05mmの針による熱針加工にて、1個当りの貫通孔面積が0.05mm、開孔率が0.5%の孔形状とした以外、実施例3と同様にして支持体を得た。
得られた支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
比較例11は、伸縮性には優れるが、開孔した孔が小さく、開孔率も低いため、透湿性がやや劣り、ベタツキ感がやや劣る問題が残る貼付支持体であった。
【0054】
<比較例11>
針径3.0mmの針による熱針加工にて、1個当りの貫通孔面積が3.0mm、開孔率が15.0%の孔形状とした以外、実施例3と同様にして支持体を得た。
得られた支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
比較例12は、伸縮性には優れるが、開孔した孔が大きく、開孔率も高いため、透湿性が高すぎて水分保持性や薬効持続性がやや劣り、薬剤の滲みが極僅か発生する問題が残る貼付支持体であった。
【0055】
<比較例12>
針径0.8mmの針による熱針加工にて、1個当りの貫通孔面積が0.2mm、開孔率が1.4%の孔形状とした以外、実施例1と同様にして支持体を得た。
得られた支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
比較例12は、伸縮性には優れるが、開孔した孔が大きいため、透湿性が高く、水分保持性や薬効持続性がやや劣り、薬剤の滲みが極僅か発生する問題が残る貼付支持体であった。
【0056】
<実施例4>
不織布層A及び不織布層Bに、プライムポリマー社製モアテック0218CN(エチレン−1−オクテン共重合体)を常法にて溶融紡糸して得た、目付30g/m、厚み0.2mm、繊度6dtexのスパンボンド不織布を用い、不織布層Aへのラミネートフィルムには、三井化学社製ミラストマー5030N(ポリプロピレン/エチレン・プロピレン・ジエン系エラストマーのブレンド樹脂)を用いて厚み15μmのフィルムをラミネートし、針径0.8mmの針による熱針加工で、1個当りの貫通孔面積が0.1mm、開孔率が2.8%とした孔形状を保持した貫通孔を付与した以外、実施例3と同様にして得られた支持体の特性及び貼付剤とした評価結果を表1に示す。
実施例4は、良好な膏体保持性と優れた伸縮性及びベタツキ感を感じず良好な着用感を示し、保水性に優れ、薬剤の昇華も抑制して薬効持続性も良好な貼付支持体であった。
【0057】
<実施例5>
不織布層Aおよび不織布層Bに出光ユニテック社製のストラフレックスUN5100(オレフィン系伸縮性スパンボンド不織布、目付100g/m、厚み0.5mm、繊度5dtex)を用いた以外、実施例1と同様にして得た貼付支持体の特性及び貼付剤とした評価結果を表1に示す。
実施例5は、不織布の伸縮性は良好であるが、貼付支持体の厚みが大きくなり過ぎて、皮膚伸縮に追随する応力が大きくなるので、実施例1から4に比べて着用感にゴワツキを若干感じる貼付支持体であった。
【0058】
<実施例6>
不織布層A及び不織布層Bに、プライムポリマー社製モアテック0218CN(エチレン−1−オクテン共重合体)を常法にてメルトブロー法にて得た、目付10g/m、厚み0.1mm、繊度0.4dtexのメルトブロー不織布を用い、不織布層Aへのラミネートフィルムには、三井化学社製ミラストマー5030N(ポリプロピレン/エチレン・プロピレン・ジエン系エラストマーのブレンド樹脂)を用いて厚み15μmのフィルムをラミネートし、針径0.8mmの針による熱針加工で、1個当りの貫通孔面積が0.1mm、開孔率が2.8%とした孔形状を保持した貫通孔を付与した以外、実施例3と同様にして得られた支持体の特性及び貼付剤とした評価結果を表1に示す。
実施例6は、伸縮性は良好だが、不織布層A及び不織布層Bの目付及び厚みが少ないため、水性膏体に適用した場合、実施例1から4に比べて膏体の薬剤又は水の滲み出しが若干生じる貼付支持体であった。
【0059】
<実施例7>
不織布層A及び不織布層Bとして、東洋紡績株式会社製エクーレ3201A(ポリエステルスパンボンド、目付20g/m、厚み0.15mm)を用いた以外、実施例1と同様にして貼付支持体を得た。
得られた貼付支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
実施例7は、実施例1から4に比べて伸縮性について若干劣るが、膏体保持性及びベタツキ感がなく着用感が良好で、保水性にも優れ、薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させた水性膏体用貼付剤であった。
【0060】
<実施例8>
不織布層A及び不織布層Bとして、三井化学株式会社製シンテックス(ポリプロピレンスパンボンド、目付30g/m、厚み0.3mm)を用いた以外、実施例1と同様にして貼付支持体を得た。
得られた貼付支持体の性能及び貼付剤としたときの評価結果を表1に示す。
実施例8は、実施例1から4に比べて伸縮性について若干劣るが、膏体保持性及びベタツキ感がなく着用感が良好で、保水性にも優れ、薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させた水性膏体用貼付剤であった。
【0061】
【表1−1】

【0062】
【表1−2】

【0063】
【表1−3】

【0064】
【表1−4】

【0065】
【表1−5】

【0066】
【表1−6】

【0067】
【表1−7】

【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の水性膏体用貼付支持体を用いた貼付剤は、優れた膏体保持性及び保水性にも優れ、薬剤の昇華を抑制して薬効持続性を向上させ、薄くて伸縮性に優れるので拘束感がなく、透湿性を最適化してあるのでベタツキ感も感じ難く、着用感の良好な水性膏体用貼付剤に最適な貼付支持体を提供することを可能にすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布層Aおよび不織布層B間に貫通孔を有するフィルム層が積層された三層からなる積層体であって、該フィルム層がオレフィン系エラストマーを含有する樹脂で構成され、貫通孔が1個当りの面積が0.02〜0.18mmの貫通孔であり、開孔率が1〜10%である積層体からなる水性膏体用貼付支持体。
【請求項2】
支持体の透湿度が1000〜5500g/m・24時間である請求項1に記載の水性膏体用貼付支持体。
【請求項3】
50%伸張回復率が70%〜100%、目付が50〜140g/m、厚みが0.2〜0.8mmである請求項1または2に記載の水性膏体用貼付支持体。
【請求項4】
不織布層Aおよび不織布層Bがオレフィン系樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の水性膏体用貼付支持体。
【請求項5】
不織布層Aおよび不織布層Bがオレフィン系エラストマーを含有する樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の水性膏体用貼付支持体。

【公開番号】特開2012−36171(P2012−36171A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152476(P2011−152476)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【出願人】(000215958)帝國製薬株式会社 (44)
【Fターム(参考)】