説明

水性顔料型インクジェット用インク組成物および画像形成方法

【課題】良好な吐出安定性を維持し、速乾性で、普通紙やオフセット紙等の未コート紙に印字してもにじまず、高い印字濃度が得られる水性顔料型インクジェット用インク組成物を提供する。
【解決手段】
少なくとも、顔料、水不溶性樹脂及び水性媒体を含有する水性顔料型インクジェット用インク組成物であって、上記水不溶性樹脂は、酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体Aと他のラジカル重合性不飽和単量体Bとを共重合して高分子乳化剤を調製し、更に、上記高分子乳化剤の存在下で、他のラジカル重合性不飽和単量体Bと芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cとを乳化重合して得られた、ガラス転移温度が40〜80℃である水性エマルジョン樹脂であり、上記芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cの含有量が、上記酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体A、上記他のラジカル重合性不飽和単量体B、及び、上記芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cの総量の50〜85質量%であり、上記高分子乳化剤は、ガラス転移温度0〜50℃、酸価100〜200mgKOH/g、及び、質量平均分子量3000〜15000であり、かつ、上記顔料と上記水不溶性樹脂との含有比(顔料/水不溶性樹脂)が質量比で1/0.5〜1/3である、水性顔料型インクジェット用インク組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速印字に適応できる良好な吐出安定性を有し、普通紙やオフセット紙等の未コート紙に印字してもにじまず、高い印字濃度が得られる水性顔料型インクジェット用インク組成物に関する。本発明はまた、さらに、その水性顔料型インクジェット用インク組成物を使用した画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を紙などの記録媒体に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。近年、インクジェット記録方式は、家庭用途から、オフィス用途、商業印刷用途にまで適用範囲が拡大し、それに伴って印字(印刷)効率が求められるようになっている。そして、このような印字効率を高めるには、高速印字の技術が不可欠であり、プリンター(装置)とインクの両面から開発が進められてきた。
【0003】
例えば、プリンターで印字の高速化を実現する方法としては、固定式ラインヘッドを最大印字幅に並べ、記録媒体の通過に合わせて、各色インクを必要な時に吐出するシングルパス印刷方式が採用されることが多くなっている。しかし、この方式では、シリアル方式と異なり、ノズル詰まり等のトラブルが起きた際、容易に回復動作を行えないという装置上の問題がある。従って、使用されるインクについても、十分な吐出安定性が要求される。
【0004】
一方、高速印字のためにインクに求められる性能は、基本的に乾燥性が速いことである。プリンターの性能が向上して、せっかく高速で印字が可能になっても、印字物が乾燥するまでに時間がかかれば、その間は印字面などに他の物が触れることはできない。そうすると、特に商業印刷用途のように多量に印字物を製造する場合、印字物を巻き取りや積み重ねで保管できるまでに、広い乾燥スペースを要したり、次工程に移ることができず効率化につながらないという問題が発生する。
【0005】
ところで、非硬化性の液状媒体中に着色剤、樹脂等を分散・溶解させた水系や有機溶剤系のインクジェットインクの乾燥形態には、液状媒体の蒸発と記録媒体への浸透があるが、蒸発乾燥は往々にして吐出安定性と相反する性能となる。そこで、記録媒体として浸透性の高いものを利用する場合、インクがプリンター側にある時に蒸発乾燥を極力抑えて吐出安定性を維持し、記録媒体に到達した後はすぐに浸透乾燥により速乾性を持たせるという技術が、インクジェットインクの開発の指針となっている。
【0006】
しかしながら、オフィス用途や商業印刷用途では印字物自身のコストを抑えなければならず、記録媒体としては、印字適性を高めるような特別な処理が行われていない安価なコピー紙やオフセット紙などの未コート紙が使用されることが多い。この種の紙の記録媒体で、浸透乾燥によりインクの速乾性を高めようとすると、インクの着色剤も記録媒体中に浸透してしまい、今度は高い印字濃度が得られず、にじみやすいという問題が発生する。
【0007】
したがって、インクジェットインク組成物には、高速印字の際に十分な吐出安定性を有すること、また高い印字濃度が発現するよう高濃度・高発色で且つ、特に未コート紙に印字した際には、紙内部に浸透することを抑制しなければならないことなど、インクジェット記録方式ならではの非常に困難な技術が要求される。
【0008】
そこで、上記の性能を具備するための技術として、顔料、顔料分散剤、水、水に不溶な樹脂エマルジョンを含む水性顔料型インクジェット用インク組成物が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
【0009】
しかし、この水性顔料型インクジェット用インク組成物を未コート紙等に印字して得られた印字物は、より高速で印字されるような状況では、高い印字濃度を得ることが難しいという問題を有している。
この様に、吐出安定性、速乾性、高い印字濃度をすべて兼ね備えたインクジェットインクを得ることは困難であり、せっかく高速印字が可能なプリンターが開発されても、その性能を十分に引き出すことができないというのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平06−145570号公報
【特許文献2】特開平09−249838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、ますます印字の高速化が進むと予想される中で、良好な吐出安定性を維持し、速乾性で、普通紙やオフセット紙等の未コート紙に印字してもにじまず、高い印字濃度が得られる水性顔料型インクジェット用インク組成物を提供することを目的とする。さらに、その水性顔料型インクジェット用インク組成物を使用してなる、より高い印字濃度が得られる画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、新たに以下の開発の指針に基づいて鋭意検討した結果、特定の成分からなる水性エマルジョン樹脂を含有する水性顔料型インクジェット用インク組成物を利用することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)インクの水性媒体が記録媒体中に浸透したとき、すぐに乾燥状態になるような高固形分化を図ること。
(2)インクの固形分濃度が高くても、印字に適した低粘度を維持し、さらに吐出安定性への影響を極力少なくすること。
(3)インクの水性媒体が記録媒体中に浸透したときに、インク皮膜が記録媒体の表面にとどまり、また、にじみを防止するための皮膜凝集力を付与すること。
(4)水性媒体の離脱を促進するために、樹脂については疎水性成分を多くすること。
(5)水不溶性樹脂の材料に高結晶性成分を多用して、乾燥したときに樹脂の白色度(隠ぺい性)を高めること。
【0013】
すなわち、本発明は、少なくとも、顔料、水不溶性樹脂及び水性媒体を含有する水性顔料型インクジェット用インク組成物であって、上記水不溶性樹脂は、酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体Aと他のラジカル重合性不飽和単量体Bとを共重合して高分子乳化剤を調製し、更に、上記高分子乳化剤の存在下で、他のラジカル重合性不飽和単量体Bと芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cとを乳化重合して得られた、ガラス転移温度が40〜80℃である水性エマルジョン樹脂であり、上記芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cの含有量が、上記酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体A、上記他のラジカル重合性不飽和単量体B、及び、上記芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cの総量の50〜85質量%であり、上記高分子乳化剤は、ガラス転移温度0〜50℃、酸価100〜200mgKOH/g、及び、質量平均分子量3000〜15000であり、かつ、上記顔料と上記水不溶性樹脂との含有比(顔料/水不溶性樹脂)が質量比で1/0.5〜1/3であることを特徴とする水性顔料型インクジェット用インク組成物である。
また、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、さらに、顔料分散剤として、質量平均分子量5000〜5万のアニオン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる高分子樹脂分散剤を含有することが好ましい。
また、本発明は、水溶性多価金属塩及び/又はカチオン性有機化合物を含有する処理液を、記録媒体の印字形成領域に塗布する工程、並びに、該処理液が塗布された印字形成領域に上述の水性顔料型インクジェット用インク組成物を印字する工程を含むことを特徴とする画像形成方法に関する。
【0014】
ここで、本明細書におけるガラス転移温度及び酸価は、以下の方法により求めることができる。
<ガラス転移温度>
ガラス転移温度は、下記のWoodの式により求めた理論ガラス転移温度である。
Woodの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3+・・・・・・・・・+Wx/Tgx
(式中、Tg1〜Tgxは共重合体を構成する重合性単量体1、2、3・・・xのそれぞれの単独重合体のガラス転移温度、W1〜Wxは単量体1、2、3・・・xのそれぞれの質量分率、Tgは理論ガラス転移温度を表す。ただし、Woodの式におけるガラス転移温度は絶対温度である)。
<酸価>
酸価は、共重合組成から計算により求めた理論酸価である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0015】
まず、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物について説明する。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、少なくとも、顔料、水不溶性樹脂、及び、水性媒体を含有する。
【0016】
本発明における顔料としては、一般にインクジェット記録液で使用される各種の無機顔料や有機顔料を挙げることができる。具体的には、上記無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミニウムイエロー、コバルトブルー、群青、紺青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料(白色、黒色等の無彩色の着色顔料も含める)、及び、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。上記有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記顔料としては、特に、鮮明な色相の表現を可能とする点から、具体的には、C.I.Pigment Red、5、7,12,57:1、122、146,202,282等の赤色系顔料;C.I.Pigment Blue 1、2、15:3、15:4、16、17、60等の青色系顔料;C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment Yellow12、13、14、17、74、83、93、128、139、151、154、155、180、185、213等の黄色系顔料、C.I.Black 7(カーボンブラック)等が好ましい。
【0017】
尚、本発明においては、顔料として、顔料粒子の表面に極性官能基を化学反応で導入した自己分散顔料、顔料をポリマー粒子で被覆したマイクロカプセル型顔料粒子も使用可能である。尚、上記自己分散顔料、マイクロカプセル型顔料粒子以外の顔料を使用する場合は、後述する樹脂分散剤を使用して顔料を分散させるとよい。
【0018】
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物中の上記顔料の含有量は、0.5〜30質量%であることが好ましく、1.0〜10質量%であることがより好ましい。
【0019】
本発明における水不溶性樹脂は、酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体Aと他のラジカル重合性不飽和単量体Bとを共重合して高分子乳化剤を調製し、更に、該高分子乳化剤の存在下で、他のラジカル重合性不飽和単量体Bと、ラジカル重合性不飽和単量体Cとを乳化重合して得られた水性エマルジョン樹脂である。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、このような特定の方法で得られた水性エマルジョン樹脂を含有することにより、印字濃度が高く、吐出安定性や保存安定性に優れたものとすることができる。
【0020】
上記酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体Aとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、フマル酸ハーフエステル、イタコン酸ハーフエステル等カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体、3−スルホプロピルアクリレート等のスルホン酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体等が挙げられる。
【0021】
上記他のラジカル重合性不飽和単量体Bとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル等の酸基を含有しないラジカル重合性不飽和単量体を挙げることができる。
【0022】
上記高分子乳化剤は、上記酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体Aと上記他のラジカル重合性不飽和単量体Bとの共重合体である。
上記高分子乳化剤は、ガラス転移温度が0〜50℃であり、酸価が120〜200mgOH/gであり、かつ、質量平均分子量が3000〜15000である。
上記高分子乳化剤において、ガラス転移温度が0℃未満の場合は、得られる印字物のブロッキング性が低下する。
また、酸価が120mgOH/g未満の場合は、重合体の水中での溶解性が低下し、一方、200mgOH/gを超える場合は、得られる印字物の耐水性が低下する。
また、質量平均分子量が、3000未満の場合は、高分子乳化剤としての作用が低下し、一方、15000より大きい場合は、共重合体の溶解性が低下する。
なお、上記質量平均分子量は、ゲル浸透パーミエーション(GPC)法により測定して得られる値である。
【0023】
上記高分子乳化剤は、上記酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体Aと上記他のラジカル重合性不飽和単量体Bとを、これらの単量体A及びBから得られる共重合体のガラス転移温度が0〜50℃、酸価が120〜200mgOH/gとなるように配合した混合物を、公知の方法で重合して、質量平均分子量3000〜15000の重合体を得、その後、塩基性化合物で中和することにより調製することができる。
【0024】
また、上記塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン等の有機塩基性化合物等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
上記水不溶性樹脂は、上記高分子乳化剤の存在下で、さらに他のラジカル重合性不飽和単量体B及び上記芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cを所定量配合して、公知の乳化重合法により重合することにより得ることができる。
【0026】
上記他のラジカル重合性不飽和単量体Bとしては、上述した他のラジカル重合性不飽和単量体Bと同じ単量体を挙げることができる。
上記芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレートまたはアクリレート等を挙げることができる。
【0027】
上記芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cは、含有量が、上記単量体A、上記単量体B、及び、上記単量体Cの総量の50〜85質量%である。
上記含有量が50質量%未満であると、得られる印字物の印字濃度の向上がみられない。85質量%を超えると、吐出安定性が低下する。
上記含有量は、70〜80質量%であることがより好ましい。
なお、上記水不溶性樹脂においては、調製時の各単量体の配合比と、得られた水不溶性樹脂の各単量体由来成分の含有比とは、ほぼ一致する。
【0028】
上記水不溶性樹脂は、ガラス転移温度が40〜80℃である。40℃未満であると、得られる印字物の印字濃度が低下するおそれがある。80℃を超えると、水性顔料型インクジェット用インク組成物の経時安定性、吐出安定性が低下するおそれがある。上記ガラス転移温度は、40〜60℃であることがより好ましい。
上記水不溶性樹脂は、酸価が10〜30mgOH/gであることが好ましい。
【0029】
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物において、上記顔料と上記水不溶性樹脂との含有比(顔料/水不溶性樹脂)は、質量比で1/0.5〜1/3である。上記含有比が上記範囲外であると、吐出安定性や印字濃度が不充分となりやすい。上記含有比は、1/0.5〜1/1.5であることが好ましい。
【0030】
本発明における水性媒体としては、水及び水溶性補助剤から構成される水性媒体を挙げることができる。
上記水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水ないし蒸留水が好ましく、水性顔料型インクジェット用インク組成物の全質量の50〜97重量%含有されることが好ましい。
【0031】
また、上記水溶性補助剤を含有することにより、信頼性、保存安定性、吐出性等に、より優れたインクジェット記録適性を、水性顔料型インクジェット用インク用組成物に付与する事ができる。上記水溶性補助溶剤としては、例えば、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ケトン類、エーテル類、エステル類、窒素含有化合物類等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を併用してもよい。
【0032】
上記アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、またはこれらの異性体、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜6のアルコールである。
【0033】
上記多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、18−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール等が挙げられる。
【0034】
上記多価アルコールの低級アルキルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等が挙げられる。
【0035】
上記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
上記エステル類としては、例えば、エチルアセテート、プロピレンカルボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エステル、酪酸エステル、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、及びε−カプロラクトン、ε−カプロラクタム等の環状エステル等が挙げられる。
上記窒素含有化合物としては、尿素、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、オクチルピロリドン等が挙げられる。
【0036】
上記水溶性補助溶剤の含有量は、特に限定されないが、水性顔料型インクジェット用インク組成物中30〜70質量%が好ましい。
【0037】
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、更に、樹脂分散剤を含有していてもよい。
上記樹脂分散剤は、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物において、上記自己分散顔料、マイクロカプセル型顔料粒子以外の顔料を使用する場合に併用すると特に好ましい。
上記樹脂分散剤としては、質量平均分子量5,000〜30,000のアニオン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる高分子樹脂分散剤や、酸価100〜300mgKOH/gのアニオン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる高分子樹脂分散剤等を挙げることができる。
【0038】
上記アニオン性水溶性樹脂としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(開環してカルボキシル基を与える酸無水物基含有不飽和単量体を含む)の1種又は2種以上と、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレート、及び、アクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート等のアルキルメタクリレート等から選択されるラジカル重合性不飽和単量体の1種あるいは2種以上とを、酸価100〜300mgKOH/gとなるように選択し、質量平均分子量が5,000〜30,000となるように反応させて得られた共重合体が好ましい。
【0039】
なお、上記アニオン性水性樹脂の酸価が100mgKOH/g未満の場合は、水性媒体中へのアニオン性水溶性樹脂の溶解性が低下するおそれがある。一方、300mgKOH/gを超えると、得られる印字物の耐水性が低下するおそれがある。
また、上記アニオン性水溶性樹脂の質量平均分子量が5,000未満の場合は、顔料分散安定性が低下し、一方、30,000を超えると、水性媒体中へのアニオン性水溶性樹脂の溶解性が低下する。
【0040】
上記アニオン性水性樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンジル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。
【0041】
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン等の有機塩基性化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
上記樹脂分散剤は、水性顔料型インクジェット用インク組成物中の含有量が、顔料100質量部に対して10〜50質量部が好ましく、より好ましくは15〜30質量部である。樹脂分散剤の上記含有量が10質量部未満の場合は、水性媒体への顔料分散性が低下するおそれがある。一方、50質量部を超える場合は、粘度が高くなるため好ましくない。
【0043】
さらに、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、目的に応じて公知の界面活性剤、防黴剤、防錆剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保存性向上剤、消泡剤、PH調整剤等の添加剤を含有していてもよい。
【0044】
以上の成分を用いて本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物を製造する方法としては、まず、上記顔料、上記水不溶性樹脂、上記水性媒体、必要に応じて上記樹脂分散剤、及び、添加剤を混合した後、各種分散機、例えば、ボールミル、アトライター、ロールミル、サンドミル、アジテーターミル等を利用して顔料を分散し、さらに残りの材料を添加して、インク組成物を調製する方法が挙げられる。
【0045】
次に、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物を用いた画像形成方法について説明する。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物を印字する記録媒体としては、普通紙やオフセット紙等の未コート紙、コート紙、アート紙、インクジェット専用紙、インクジェット光沢紙等が挙げられる。
上記記録媒体への印字は、例えば、本発明の上記水性顔料型インクジェット用インク組成物を、インクカートリッジに収容して、該インクカートリッジをシングルパス方式等のインクジェット記録装置に挿入して、インクジェット記録方法を実施することにより行うことができる。
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物を使用して記録媒体に印字することにより印字濃度が向上する。特に、従来高い印字濃度が得られなかった未コート紙に対して、その効果が大きい。
【0046】
さらに、高い印字濃度を得る画像形成方法としては、水溶性多価金属塩及び/又はカチオン性有機化合物を含有する処理液を、記録媒体の印字形成領域に塗布する工程、及び、該処理液が塗布された印字形成領域に水性顔料型インクジェット用インク組成物を印字する工程、を含む画像形成方法を例示できる。
上記処理液を記録媒体の印字形成領域に塗布する工程の後に、必要に応じて、上記記録媒体に塗布された該処理液を乾燥させる工程を有していてもよい。
このような本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物を用いた画像形成方法もまた、本発明の一つである。
【0047】
上記水溶性多価金属塩としては、例えば、Ca、Mg等のアルカリ土類金属の解離性塩が挙げられる。具体的な上記水溶性多価金属塩としては、例えば、硝酸カルシウム、CaCl、Ca(OH)、(CHCOO)Ca、MgCl、Mg(OH)、(CHCOO)Mg、(HCOO)Ca、MgSO等が挙げられる。中でも、硝酸カルシウム、CaCl、Ca(OH)、(CHCOO)Ca、(HCOO)Ca等のカルシウムの塩類が好ましい。
【0048】
また、上記カチオン性有機化合物としては、1級、2級乃至3級アミン塩型の化合物、具体的にはラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等の他、第4級アンモニウム塩型の化合物、具体的にはテトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド等があり、更にピリジニウム塩型化合物、具体的にはセチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド等、更には、イミダゾリン型カチオン性化合物、具体的には2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等があり、更に第二級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物、具体的にはジヒドロキシエチルステアリルアミン等が好ましい例として挙げられる。更に、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、N−ビニルホルムアミドを共重合成分としたポリマーの加水分解物等のカチオン性ポリマーが例示できる。
【0049】
上記処理液中における上記水溶性多価金属塩及びカチオン性有機化合物の含有量は、特に限定されず、例えば処理液中に水溶性多価金属塩及びカチオン性有機化合物の合計量で2〜20質量%程度であることが好ましい。
【0050】
上記処理液に使用する水性媒体としては、特に限定はなく、従来からインクジェット画像形成方法の処理液に使用されている水、又は、水と水混和性溶剤との混合物を使用することができる。上記水混和性溶剤の具体例としては、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類、グリセリン等の多価アルコール類、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコールとそのアルキルエーテル類等が例示でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。
上記処理液は、上記水性媒体に、上記水溶性多価金属塩及び/又はカチオン性有機化合物を添加し、攪拌することにより得ることができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物を使用することにより、普通紙やオフセット紙等の未コート紙に高速印字しても、高い印字濃度が得られ、吐出安定性、保存安定性にも優れる効果が得られる。さらに、未コート紙に予め処理剤を塗工後、本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物を印字すると、さらに高い印字濃度が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものとする。
【0053】
<水不溶性樹脂>
表1の組成のモノマー混合物を重合し、得られた共重合体に水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和させて、高分子乳化剤1〜15を調製した。次に、表1の配合組成となるように、上記高分子乳化剤1〜15の樹脂分に対して各ラジカル重合性不飽和単量体を添加し、公知の方法により乳化重合し、水性エマルジョン1〜15を得た。
【0054】
<樹脂分散剤>
ガラス転移温度40℃、重量平均分子量10,000、酸価150mgKOH/gの、アクリル酸/n−ブチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体25部を水酸化ナトリウム3.2部と水71.8部との混合溶液に溶解させて固形分25%の高分子樹脂分散剤を得た。
【0055】
<水性顔料型インクジェット用インクベースの調製>
上記高分子樹脂分散剤の32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、更にカーボンブラック(MA−100、三菱化学社製)の20質量部を加え、攪拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性顔料型インクジェット用インクベースを調製した。
【0056】
<実施例1〜14、比較例1〜6の水性顔料型インクジェット用インク組成物>
表2又は3の質量割合となるように、上記水性顔料型インクジェット用インクベース、上記水性エマルジョン1〜15、グリセリン、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、界面活性剤としてのアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(アセチレノールE100、川研ファインケミカル(株)製)を攪拌混合して、実施例1〜14、比較例1〜6の水性顔料型インクジェット用インク組成物を得た。
【0057】
<実施例1〜14、比較例1〜6の水性顔料型インクジェット用インク組成物の印字>
オフセット未コート紙に、SPECTRA社製ヘッドを搭載した評価用プリンターを用いて実施例1〜14、比較例1〜6の水性顔料型インクジェット用インク組成物を印字した。
【0058】
<印刷物の性能評価>
(画像濃度)
実施例1〜14、比較例1〜6の水性顔料型インクジェット用インク組成物を印字した各印字物のベタ部の画像濃度(OD値)を、マクベス濃度計(マクベス社製、商品番号:TD−931)を用いて測定した。
評価結果
◎:画像濃度が1.4以上のもの
○:画像濃度が1.2以上、1.4未満のもの
△:画像濃度が1.0以上、1.2未満のもの
×:画像濃度が1.0未満のもの
【0059】
(水性顔料型インクジェット用インク組成物の経時安定性)
実施例1〜14、比較例1〜6の水性顔料型インクジェット用インク組成物について、それぞれガラス瓶にとり、25℃の粘度を粘度計(東機産業社製 RE100L型)を用い測定した。その後、密栓し60℃、1ヵ月保存し、保存後の粘度(25℃)を粘度計により測定した。経時安定性は、粘度変化率(60℃、1ヵ月後の粘度−保存前の粘度/保存前の粘度)で評価した。
評価結果
◎:粘度変化率が5%未満のもの
○:粘度変化率が5%以上、10%未満のもの
△:粘度変化率が10%以上、30%未満のもの
×:粘度変化率が30%以上のもの
【0060】
(水性顔料型インクジェット用インク組成物の吐出安定性)
実施例1〜14、比較例1〜6の水性顔料インクジェット用インク組成物をSPECTRA社製ヘッドを搭載した評価用プリンターのカートリッジに詰めて、オフセット未コート紙に印字を行い、吐出安定性を評価した。
◎:印字の乱れがなく、安定して吐出できるもの
○:印字の乱れがほとんどなく、安定して吐出できるもの
△:多少印字の乱れがあるものの、吐出できるもの
×:印字の乱れがあり、安定して吐出できないもの
【0061】
(表面張力)
実施例1〜14、比較例1〜6の水性顔料インクジェット用インク組成物の温度25℃における表面張力を、レスカ社製自動濡れ性試験機(WET−6000)を用いて測定した。
【0062】
<実施例15〜18>
<処理液の調製>
水89部に、塩化カルシウム5部、ポリエチレングリコール5部、界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(アセチレノールE100、川研ファインケミカル(株)製)を加えて攪拌し、処理液を得た。
【0063】
<処理液を塗布後、水性顔料型インクジェット用インク組成物を印字>
オフセット未コート紙に、上記で得られた処理液をエアブラシを用い、単位面積あたり、7g/mとなるように付着させ、乾燥させた後、SPECTRA社製ヘッドを搭載した評価用プリンターを用いて実施例1、10、11、12の水性顔料型インクジェット用インク組成物で印字した。
【0064】
<印刷物の性能評価>
(画像濃度)
各印字物のベタ部の画像濃度(OD値)を、マクベス濃度計(マクベス社製、商品番号:TD−931)を用いて測定した。
評価結果
◎:画像濃度が1.4以上のもの
○:画像濃度が1.2以上、1.4未満のもの
△:画像濃度が1.0以上、1.2未満のもの
×:画像濃度が1.0未満のもの
【0065】
上記評価結果を表2及び3に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は、普通紙やオフセット紙等の未コート紙にも好適に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、顔料、水不溶性樹脂及び水性媒体を含有する水性顔料型インクジェット用インク組成物であって、
前記水不溶性樹脂は、酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体Aと他のラジカル重合性不飽和単量体Bとを共重合して高分子乳化剤を調製し、更に、前記高分子乳化剤の存在下で、他のラジカル重合性不飽和単量体Bと芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cとを乳化重合して得られた、ガラス転移温度が40〜80℃である水性エマルジョン樹脂であり、
前記芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cの含有量が、前記酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体A、前記他のラジカル重合性不飽和単量体B、及び、前記芳香環を有するラジカル重合性不飽和単量体Cの総量の50〜85質量%であり、
前記高分子乳化剤は、ガラス転移温度0〜50℃、酸価100〜200mgKOH/g、及び、質量平均分子量3000〜15000であり、かつ、
前記顔料と前記水不溶性樹脂との含有比(顔料/水不溶性樹脂)が質量比で1/0.5〜1/3である
ことを特徴とする水性顔料型インクジェット用インク組成物。
【請求項2】
さらに、顔料分散剤として、質量平均分子量5000〜5万のアニオン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる高分子樹脂分散剤を含有する請求項1記載の水性顔料型インクジェット用インク組成物。
【請求項3】
水溶性多価金属塩及び/又はカチオン性有機化合物を含有する処理液を、記録媒体の印字形成領域に塗布する工程、並びに、前記処理液が塗布された印字形成領域に請求項1又は2記載の水性顔料型インクジェット用インク組成物を印字する工程を含む
ことを特徴とする画像形成方法。

【公開番号】特開2012−116924(P2012−116924A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266887(P2010−266887)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000105947)サカタインクス株式会社 (123)
【Fターム(参考)】