説明

水性2,6―ジイソプロピルフェノール医薬組成物

【課題】2,6―ジイソプロピルフェノール(プロポフォール)を含む水性の医薬組成物を提供する。
【解決手段】プロポフォールおよび一つまたはそれ以上の賦形剤を含む水性医薬組成物。該賦形剤は、ポロキサマー、塩化ベンザルコニウム、クレモフォアEL、デオキシコール酸塩、ステアリン酸ポリオキシエチレン100、ポリソルベート80、ビタミンETPGS等選ばれる。プロポフォールを含む該組成物は、無菌であり、人間を含めてあらゆる動物に非経口的に投与でき、広範な環境条件にわたって化学的及び物理的に安定である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
化合物2,6―ジイソプロピルフェノール(プロポフォール)(propofol)は、よく知られた麻酔薬である。麻酔の開始は、主として脳血液関門を通過する薬物の拡散速度によって調節される。プロポフォールは親油性であり、このことが化合物の急速な麻酔作用に役立っている。しかしながら、この親油性のために、プロポフォールは室温で比較的水に不溶性の液体となる。その結果、プロポフォールは脂質成分を含む水中油型乳濁液として(点滴またはボーラス注入によって直接血流に)投与されるのが普通である。しかしながら、脂質は細菌の増殖にとって好都合の基質であり、またベンジルアルコールのような少なくとも多少水溶性である保存薬とは不適合でもありうる。その上、脂質乳濁液を大量に非経口投与したり、または長期間にわたって脂質乳濁液を投与したりすることによって、高脂血症となる可能性がある。
【0002】
水中油型乳濁液にこうした欠点が存在するにもかかわらず、プロポフォールは支持されている麻酔薬であり、ディプリバン(Diprivan)(登録商標)注射用乳濁液(AstraZeneca;ディプリバン(登録商標)はImperial Chemical IndustriesPLCの登録商標である)として、ヒトへの投与用に市販されている。プロポフォールはまた、ラピノベット(Rapinovet)(登録商標)麻酔注射液(Schering−Plough Animal Health Corp;ラピノベット(登録商標)はSchering−Plough Animal Health Corpの登録商標である)およびプロポフロ(PropoFlo)(登録商標)麻酔注射液(Abbott Laboratories;プロポフロ(登録商標)はAbbott Laboratoriesの登録商標である)として、獣医学上の使用のために販売されている。
【0003】
ディプリバン(登録商標)注射用乳濁液は、乳濁液1mlあたり10mgのプロポフォールに加えて、100mg/mlの大豆油、22.5mg/mlのグリセロール、12mg/mlの卵のレシチン、0.005%エデト酸ジナトリウム、および水酸化ナトリウムを含む白色の水中油型乳濁液である。ディプリバン(登録商標)注射用乳濁液は、非経口単独使用用の製剤として適用されている。ディプリバン(登録商標)には、万一偶発的に外部から雑菌が混入した場合に微生物の増殖を妨げるために、エデト酸ジナトリウムが含まれている。しかしながら、ディプリバン(登録商標)は、それでもなお微生物の増殖を支持し得る。製品の添え書きにて記載されているように、乳濁液を扱う際に無菌操作を使用しないことが、微生物の混入および内科的合併症と関連しているとの報告がある。チューブに入れた未使用分のディプリバン(登録商標)は、微生物が増殖する可能性があるので、12時間後に廃棄すべきである。ディプリバン(登録商標)は、4℃から22℃までの狭い温度の範囲で保管しなければならない。(ディプリバン(登録商標)注射用乳濁液製品の添え書き、AstraZeneca(2001))
【0004】
プロポフロ(登録商標)麻酔注射液は、乳濁液1mlあたり10mgのプロポフォールに加えて、100mg/mlの大豆油、22.5mg/mlのグリセロール、12mg/mlの卵のレシチン、および水酸化ナトリウムを含む水中油型乳濁液である。ディプリバン(登録商標)と同様に、プロポフロ(登録商標)は微生物の増殖を支持する能力を有する。無菌操作に従わなければ、微生物の混入および内科的合併症を起こす可能性がある。未使用分のプロポフロ(登録商標)は、ガラス瓶に入れてから6時間以内に処理すべきである。(プロポフロ(登録商標)麻酔注射液製品の添え書き、Abbott Laboratories(1998))
【0005】
ラピノベット(登録商標)麻酔注射液は、乳濁液1mlあたり10mgのプロポフォールに加えて、100mg/mlの大豆油、22.5mg/mlのグリセロール、12mg/mlの卵のレシチン、0.25mg/mlのメタ重亜硫酸ナトリウム、および水酸化ナトリウムを含む白色の水中油型乳濁液である。ディプリバン(登録商標)およびプロポフロ(登録商標)と同様に、ラピノベット(登録商標)は微生物の増殖を助長し得る。(ラピノベット(登録商標)麻酔注射液製品の添え書き、Schering−Plough Animal Health Corp(2000))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、2,6―ジイソプロピルフェノール(すなわちプロポフォール)を含む水性の医薬組成物に関する。本発明の組成物はプロポフォールおよび一つまたはそれ以上の賦形剤を水性混合物として含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
プロポフォールを含む組成物は、好ましくは無菌であり、人間を含めてあらゆる動物に非経口的に投与する。該組成物は、広範な環境条件にわたって化学的及び物理的に安定である。本発明の組成物は、あらゆるGRAS賦形剤または精製したポロキサマー、酢酸アンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブリッジ35、ブリッジ97、カルシウムグルセプテート、クロロブタンOL、クレモフォアEL、デオキシコール酸塩、ジエタノールアミン、エタノール、γ―シクロデキストリン、グリセリン、ラクトビオン酸、リシン、塩化マグネシウム、メチルパラベン、PEG1000、PEG300、PEG3350、PEG400、PEG600、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン100、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ステアリン酸ポリオキシエチレン50、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポビドン、プロピレングリコール、酢酸ナトリウム、ビタミンETPGS、安息香酸ナトリウム、および酒石酸ナトリウムを含んでいてよい。
加えて、具体例として本発明の組成物は、抗菌薬、等張化修飾剤、界面活性剤、pH修飾剤、酸、塩基または二次麻酔薬を含んでいてよい。
【0008】
もう一つ別の態様において、本発明は、一部、2,6−ジイソプロピルフェノール、および組成物に実質的に中鎖あるいは長鎖脂肪酸のグリセリンエステルを含まない賦形剤を一つまたはそれ以上含む、無菌の水性医薬組成物に対するものである。
加えて、一つの具体例として、2,6−ジイソプロピルフェノール、および一つまたはそれ以上の賦形剤を含む無菌の水性医薬組成物が開示され、その中で組成物についてのプロポフォール赤血球血漿分配係数Kは、同じデリバリー条件下で従来のプロポフォール乳濁液の投与によって得られるKの少なくとも約2倍である。
【0009】
本発明はまた、上で述べた無菌の水性医薬組成物のうちの一つを経静脈的に患者に投与することを含む麻酔を必要とする患者に、2,6−ジイソプロピルフェノールを投与する方法に関する。好都合なこととして一つの具体例は、本発明はまた、麻酔を必要とする患者にプロポフォールを投与する方法に対するものであり、その方法はヒトまたは動物の患者に無菌の水性医薬組成物を投与することを含み、その組成物は(a)2,6−ジイソプロピルフェノール、および(b)組成物についてのプロポフォール赤血球血漿分配係数Kが同じデリバリー条件下で従来のプロポフォール乳濁液の投与によって得られる少なくとも約2倍であるところの一つまたはそれ以上の賦形剤を含む。
【0010】
脂質のような容易に微生物の増殖を助長する原料を含まない非経口投与用のプロポフォール医薬組成物が必要である。特に細菌の増殖を最小限にする改良したプロポフォール組成物が必要である。その上、そのような組成物は広範な環境条件にわたって物理的および化学的に安定性を示すことが望ましい。さらにその上、組成物は賦形剤または添加剤を低濃度で含み、その結果望ましくない賦形剤関連の副作用が軽減される。その上、向上した物理的および/または化学的安定性をもつか、または長期間にわたって安定性を示すプロポフォール組成物についての必要性がある。また従来のプロポフォール組成物が無菌であることを保証するために行わなければならない費用のかかる測定を最小限にし、好ましくは除去するところの、麻酔を必要とする患者に対するプロポフォールの投与法についての必要性がある。さらにその上、外科的または他の処置の間に虚血に陥る影響を低下させて回復を促進するために、抗酸化活性を有する麻酔組成物を処方することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、スプレーグドーリーラットの雄に、二つの新しいプロポフォール組成物(CおよびD)およびディプリバン(登録商標)注射用乳濁液対照群(10mg/kgの用量)を単独経静脈的ボーラス投与して、時間(分単位)に対して追跡したプロポフォールの血漿および血液中平均濃度(ng/mL単位)の片対数プロットである。
【図2】図2は、スプレーグドーリーラットの雄に、新しいプロポフォール組成物である処方C、および市販のプロポフォール乳濁液であるディプリバン(登録商標)注射用乳濁液を単独経静脈的投与(10mg/kgの用量)して、時間(分単位)に対して追跡したプロポフォールの赤血球(RBC)中平均予測濃度(ng/mL単位)のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、2,6―ジイソプロピルフェノール(プロポフォール)を含む水性の医薬組成物に関する。本発明の組成物は、プロポフォール、および一つ、二つ、三つ、四つまたはそれ以上の賦形剤を水性混合物として含む。プロポフォールを含む組成物は、好ましくは無色透明で澄んでいて無菌であり、ヒトを含む、あらゆる動物に非経口的に投与される。当該組成物はまた、広範な環境条件にわたって化学的及び物理的に安定である。好ましい具体例としては、微生物の増殖は、従来の脂質を含む組成物、特に乳濁液(例えばトリアシルグリセロールおよび/またはリン脂質を含む乳濁液)における増殖と比較した場合、有意に緩徐である。
【0013】
本明細書で用いられている「組成物」という用語は、活性成分としてプロポフォール、および少なくとも一つの賦形剤を含む混合物を指す。本発明の組成物は、例えば大規模な均質性によって特徴づけられる。大規模で均質な組成物は、識別可能な相分離の欠如によって特徴づけられる。従来のプロポフォール乳濁液は、外見上は乳白色で明確な相の存在を示す。従来の乳濁液中で光を散乱させる油滴は大きさがおよそ1ミクロンである。本発明の組成物は、無色透明であるか、またはわずかにかすんでいるがそれでも澄んでいる。大規模な均質性は肉眼での視覚検査によって評価し得る。何らかの特定の理論に拘束されるつもりはないが、これらの組成物が無色透明および/または澄んでいるということは、従来の組成物、特に水中油型プロポフォール乳濁液中よりもプロポフォールが有意に小さな構造で溶媒和していることを示唆しているようである。出願人は、その考えとして、光の散乱が最小限にされ、その系が均質な組成物として現れるように、本発明の組成物中にナノ規模の粒子が存在していることを示唆する動的光散乱測定の結果を基礎とするものである。
【0014】
経時的に肉眼的検査で透明度を維持する組成物は、従来のプロポフォール乳濁液よりも高い熱力学的安定性を有すると信じられている。一般に、高い熱力学的安定性を有する溶液または混合物は、溶液中で粒子または粒子の凝集体を維持したり、あるいは液体中で有意な時間ずっとおよび/または溶媒和や懸濁の維持を促進しない条件下でも懸濁を保とうとしたりする傾向がある。例えば、熱力学的に好ましくない溶液または懸濁液のような組成物は、結局溶質または懸濁物の沈殿のような相の分離を呈するであろう。環境条件は、熱力学的に好ましくない状態に、より長い時間維持できるように選択し得る。例えば、冷凍は乳濁液中で粒子の懸濁の維持を助けるためにしばしば用いられる。
【0015】
典型的には、本発明の組成物は、長期間にわたって(例えば、少なくとも従来の水中油型プロポフォール乳濁液と同じくらい)または熱力学的安定性においてより不利な条件下で(例えば、高温)、その構成成分の活性試薬および賦形剤の溶媒和または懸濁を維持する。例えば、当該組成物は、室温で長時間にわたって肉眼での視覚透明性を示す。これらの組成物は、約40℃までの温度で、約8週間までの期間明白な相の分離なしに保存される。相分離は、光の散乱または比濁分析法によって、または当業者によく知られている他の適当な方法によって、顕微鏡的に評価してもよい。本発明の具体例として、次のうちの一つのプロポフォール:a)少なくとも1%、b)少なくとも1.5%またはc)少なくとも2%(重量/容量)のプロポフォールを含む水性プロポフォール溶液が挙げられる;その溶液の総プロポフォール分解を次のうちの一つ:a)4℃、b)8℃、c)25℃、d)40℃またはe)60℃で、65%または75%のいずれかの相対湿度で、次のうちの一つ:4週間、8週間、13週間、26週間または1年の間維持して測定する;その総プロポフォール分解は次のうちの一つ:5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%、0.25%、0.1%、0.05%、0.01%未満であるか、または検出できない。1)パーセントプロポフォール、2)温度、3)パーセント相対湿度、4)時間および5)パーセント総分解の組み合わせは、各々、個体種として本発明に含まれており、そのものをクレームすることもできる。
【0016】
本明細書で用いられている「賦形剤」または「添加剤」という用語は、一次活性成分(すなわちプロポフォール)または水以外の、組成物中に含まれる物質を指す。賦形剤または添加剤は不活性であるか、または他の組成物構成成分に化学的または物理的に作用する可能性がある。賦形剤または添加剤はまた、独特の活性特性を有していてよい。賦形剤には、表面活性試薬(例えば界面活性剤、乳化剤、清浄剤、接合剤および湿潤剤)、塩、ポリマー、溶媒、抗菌薬、保存薬、充填剤、診断用試薬、糖、アルコール、酸、塩基および緩衝液を含むが、これだけに限定されるものではない。プロポフォール組成物はさらに、プロポフォールに加えて、例えば麻酔薬および/または抗酸化剤のような活性試薬を含む。あるいは、プロポフォール組成物は、例えば麻酔薬および/または抗酸化剤のような追加の活性試薬を含む組成物と共に投与する。
【0017】
好ましくは、組成物は、微生物の増殖を促進および/または助長する賦形剤の濃度が従来のプロポフォール乳濁液と比べて低下しているか、または実質的に微生物の増殖を促進する賦形剤を含まない。具体例として、組成物は実質的に脂質および/または油を含んでいない。他の具体例としては、組成物は、中鎖または長鎖脂肪酸のグリセリンエステル(例えばモノ、ジまたはトリアシルグリセロール)のような、中鎖または長鎖脂肪酸(例えばおよそ炭素数6ないし25の脂肪酸)のエステルを含まないかあるいは実質的に含まない。好ましくは、本発明の組成物は、例えば植物油(例えば大豆油、ヒマシ油、ヒマワリ油および落下製油)に含まれるもののようなトリアシルグリセロールを実質的に含まない。他の具体例としては、組成物はリン脂質(例えば自然に生じたリン脂質または人工的につくられたまたは修飾されたリン脂質)を実質的に含まない。
【0018】
本明細書で用いられている「実質的に含まない」という用語は、例えば他の構成成分に付随する不純物として、あるいは分解工程によって生成する不純物として、指定された構成成分をごく少量含む組成物を指す。実質的にある成分を含まない組成物は、その成分を例えば約3%未満、約1%未満、好ましくは約0.5%未満、より好ましくは約0.1%未満、よりいっそう好ましくは約0.05%(重量/容量)未満、約0.01%(重量/容量)未満のような最小限の濃度で含む。
【0019】
一般に、賦形剤の濃度は、望ましくない賦形剤効果の危険性を最小限にするために、できるだけ低くすべきである。具体例としては、賦形剤の濃度は、ちょうど約60%または約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約29%未満、約28%未満、約27%未満、約26%未満、約25%未満、約24%未満、約23%未満、約22%未満、約21%未満、約20%未満、約19%未満、約18%未満、約17%未満、約16%未満、約15%未満、約14%未満、約13%未満、約12%未満、約11%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満または約3%(重量/容量)未満である。例えば総賦形剤濃度が約10%未満、約15%未満または約20%(重量/容量)未満であるような、低い総賦形剤濃度が好ましい。
【0020】
本発明を実施すれば、従来のプロポフォール組成物、特に乳濁液処方よりもいくつかの明確な利点が得られる。一つの態様として、本発明は、トリアシルグリセロールを含まないプロポフォールを含む組成物、および麻酔を必要とする患者に対するその投与に関する。もう一つ別の態様として、プロポフォールを含む組成物はリン脂質を含まない。そのような組成物は、それらの脂質が供給する細菌増殖のための基質を除去する。対照的に、従来のプロポフォール処方の水中油型乳濁液は、例えば大豆油およびレシチンのような、微生物の増殖を助けることのできる脂質を含む。従来のプロポフォール処方、すなわち等張性の環境で中性からアルカリ性のpHで、脂質、グリセロールおよび大量の水から構成される処方は、多くの微生物の増殖に対して完全にコンダクティブな培地を供給する。これらの水中油型乳濁液それ自身も、厳格な取り扱い、投与、および保管条件を必要とする。トリアシルグリセロールおよび他の微生物支持脂質の存在を減少させ、あるいは実質的に除去することによって、および物理的且つ化学的な安定性を与えることによって、本発明の組成物は、より柔軟な取り扱い、投与、保管を可能とする。取り扱いおよび保管の要件に対する制限が少なくなることによって、投与の選択肢は改良かつ拡張され、例えば遠く離れた一時的な病院設備内にて投与することができる。その上、脂質含有量を減少させたまたは脂質を含まない本発明の組成物は、高脂血症に寄与したりまたはそれを引き起こしたりする可能性を、排除はできないにしても、最小限にする。
本発明の水性プロポフォール組成物は、他の水性処方よりもいくつかの利点を提供する。
【0021】
本発明の水性プロポフォール組成物は、エデト酸ジナトリウムのような抗菌薬、または微生物の増殖を妨げるベンジルアルコールのような保存薬の必要性も最小限にあるいは排除さえする。加えて、これらの組成物は投与および包装をより柔軟かつ能率的にする。例えば、本発明の組成物は、滅菌性を心配する必要のある現行の市販のプロポフォール乳濁液の単回製剤とは対照的に、複数回用量を含有するように包装することができる。好都合なことに、本発明を実施することによって、長期間にわたる単一のバイアルからの複数回の投与を中止することができる。本発明を実施することによってまた、好都合なことに、現在ディプリバン(登録商標)注射用乳濁液のような一般的なプロポフォール組成物を用いて可能であるよりも長い時間、例えば現在推奨されている12時間よりも長い間、チューブおよび開封分のプロポフォール組成物の使用を可能にする。
【0022】
ある具体例において、本発明の水性プロポフォール組成物はエデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩などの抗菌薬、またはベンジルアルコールなどの保存薬、あるいはシステインまたはその塩などの抗酸化剤を含み、微生物の増殖を遅らせる。この具体例において、本発明の組成物は、プロポフォール組成物を汚染する可能性の最も高い微生物に対して静菌または殺菌活性を示すのに十分な濃度にて、静菌剤、殺菌剤、保存剤または抗酸化剤(例えば、システインまたはその塩)を含む。さらなる具体例として、プロポフォールの水溶液を含み、さらに所望により静菌剤、抗菌剤、保存剤または抗酸化剤、例えば、システイン(またはその塩)、EDTAまたはメタ重亜硫酸塩を含んでいてもよい、非経口投与用の滅菌性医薬組成物が挙げられる。このプロポフォール水溶液は一の試験(各生物の洗浄懸濁液を20℃ないし25℃の範囲の温度で約50コロニー形成単位/mlにて組成物の別個のアリコートに添加し、その後で該アリコートを20℃ないし25℃で24時間インキュベートし、その後、その生物の生存数について試験する)により測定した場合、少なくとも24時間の間にスタフィロコッカス・アウレウスATCC6538、エシェリキア・コリATCC8739、シュードモナス・アエルギノーザATCC9027およびカンジダ・アルビカンスATCC10231の各生物の増殖を10倍以下で妨げるのに十分であるか、またはその増殖を10倍以下で支持するであろう。他の具体例には、プロポフォール水溶液およびさらにシステイン(またはその塩)を含む麻酔有効量の無菌医薬組成物を、麻酔を必要とする動物に非経口的に投与することを含む恒温動物の麻酔法を含み、そのプロポフォール水溶液は、スタフィロコッカス・アウレウスATCC6538、エシェリキア・コリATCC8739、シュードモナス・アエルギノーザATCC9027およびカンジダ・アルビカンスATCC10231の、少なくとも試験によって測定した24時間における増殖を10倍以下で妨げるのには十分であるか、またはその増殖を10倍以下で支持するであろう。その試験は洗浄した各微生物の懸濁液に、組成物の別個のアリコートを、およそ1mlあたり50コロニー形成単位で、20℃から25℃の範囲の温度で加え、その後該アリコートを20℃から25℃で24時間インキュベートし、生物の生存数を試験するものである。
【0023】
システインまたはその塩が、約0.01から2.0パーセント、約0.25から1.5パーセント、約0.5から1.25パーセントまたは約0.7から1.0パーセント(重量/容量)、または5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、1.75パーセント未満、1.5パーセント未満、1.25パーセント未満、1.1パーセント未満、1.0パーセント未満、0.9パーセント未満、0.8パーセント未満、0.7パーセント未満、0.6パーセント未満、0.5パーセント未満、0.4パーセント未満、0.3パーセント未満、0.2パーセント未満(重量/容量)の濃度で存在するところの具体例が本発明に含まれる。
【0024】
具体例として、本発明の水性組成物は、プロポフォールおよび少なくとも一つ、二つ、三つまたは四つの賦形剤を含む。一つの具体例として、プロポフォールは、組成物1mlあたり約1から25mgの濃度で、1mg/mlより多量、2mg/mlより多量、3mg/mlより多量、4mg/mlより多量、5mg/mlより多量、6mg/mlより多量、7mg/mlより多量、8mg/mlより多量、9mg/mlより多量、10mg/mlより多量、11mg/mlより多量、12mg/mlより多量、13mg/mlより多量、14mg/mlより多量、15mg/mlより多量、16mg/mlより多量、17mg/mlより多量、18mg/mlより多量、19mg/mlより多量、20mg/mlより多量、21mg/mlより多量、22mg/mlより多量、23mg/mlより多量、24mg/mlより多量、25mg/mlより多量、26mg/mlより多量、27mg/mlより多量、28mg/mlより多量、29mg/mlより多量、30mg/mlより多量、31mg/mlより多量、32mg/mlより多量、33mg/mlより多量、34mg/mlより多量、35mg/mlより多量、36mg/mlより多量、37mg/mlより多量、38mg/mlより多量、39mg/mlより多量、40mg/mlより多量、41mg/mlより多量、42mg/mlより多量、43mg/mlより多量、44mg/mlより多量、45mg/mlより多量、46mg/mlより多量、47mg/mlより多量、48mg/mlより多量、49mg/mlより多量、50mg/mlより多量、60mg/mlより多量、70mg/mlより多量、80mg/mlより多量、90mg/mlより多量、または100mg/mlより多量存在する。あるいは、組成物1mlあたり約5から20mg、約5から15mg、または約8から12mgのプロポフォールが存在する。好ましくは、プロポフォールは、組成物1mlあたり約9から11mg、例えば、約10mg/ml、または約15mg/ml、または約20mg/ml、または約25mg/ml存在する。あるいは、プロポフォール組成物は、プロポフォール重量/容量(w/v)パーセントとしても表現できる。例えば、本発明の組成物は、少なくとも0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5、2.75、3.0、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25パーセント(重量/容量)、または約0.5から2.4、約0.5から2、約0.5から1.5、約0.8から1.2パーセント(重量/容量)、または好ましくは、約0.9から1.1パーセント(重量/容量)のプロポフォール組成物を有する。
【0025】
本発明のさらなる具体例としては、少なくとも約1%、1.5%、2%または2.5%の溶解したプロポフォールを含み、かつ酢酸アンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブリッジ35、ブリッジ97、カルシウムグルセプテート、クロロブタンOL、クレモフォアEL、デオキシコール酸塩、ジエタノールアミン、エタノール、γ―シクロデキストリン、グリセリン、ラクトビオン酸、リシン、塩化マグネシウム、メチルパラベン、PEG1000、PEG300、PEG3350、PEG400、PEG600、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン100、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ステアリン酸ポリオキシエチレン50、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポビドン、プロピレングリコール、酢酸ナトリウム、ビタミンETPGS、安息香酸ナトリウム、および酒石酸ナトリウムからなる群から選ばれる賦形剤を含む水性プロポフォール組成物を含める。
【0026】
上記した賦形剤は、組成物に含まれる一次活性成分または水以外の物質を指す。好ましくは、賦形剤は、動物、特に人間に注射するのに適している。適当な賦形剤は、塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;クレモフォアEL;ポロキサマー338;ポロキサマー407;サッカリンナトリウム;ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩(すなわち、ポリソルベート80またはツゥイーン(登録商標)80、ツゥイーン(登録商標)80はICI Americas、Incの登録商標である);デオキシコール酸ナトリウム;D−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩(すなわち、ビタミンETPGS、Eastman Chemical Co);ポロキサマー237;ポロキサマー188;ステアリン酸ポリエチレングリコール40(すなわち、PEG−40ステアリン酸塩);プロピレングリコール;およびポリエチレングリコール400(すなわち、PEG−400)を含むが、これだけに限定されるものではない。
【0027】
上記した賦形剤に加えて、組成物はさらにクエン酸またはその塩を含む。何らかの特定の理論に拘束されるものではないが、本発明者らは、本発明の組成物中のクエン酸またはその塩が抗酸化性および/またはキレート化性を示すと考える。本発明者らは、クエン酸またはその塩を含む組成物が意外に高度な2,6−ジイソプロピルフェノール安定性を有することを見出した。本発明者らはまた、アスコルビン酸またはその塩を含む組成物が、意外に有意な2,6−ジイソプロピルフェノール分解を有することを見出した。従って、クエン酸またはその塩は、本発明の組成物に対して、pHの調整、および/または(a)抗酸化性(b)組成物のキレート化作用(c)賦形剤または例えば2,6−ジイソプロピルフェノールのような活性試薬の安定性の供給または向上を含めるが、それだけには限定されない好都合な効果のために加える。クエン酸またはその塩は、好ましくは望ましいpHおよび/または望ましい抗酸化性またはキレート化性に最適化し、バランスをとるのに十分な濃度で存在する。一つの側面として、本発明は、さらにクエン酸またはその塩またはクエン酸の塩類を、少なくとも約0.05パーセント(重量/容量)、特に少なくとも約0.1パーセント(重量/容量)の濃度で含むところの組成物を含むプロポフォールに対するものである。例えば、クエン酸は、約0.05から5%、約0.1から3%、または約0.1から2%(重量/容量)、または5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1.75%未満、1.5%未満、1.25%未満、1.1%未満、1.0%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、または0.2%未満、0.15%未満、0.10%未満、0,05%未満(重量/容量)の濃度で組成物中に存在する。本発明はまた、クエン酸の塩または塩類を、少なくとも約0.1%(重量/容量)などの、少なくとも約0.05%(重量/容量)の濃度でさらに含む組成物に対するものである。例えば、クエン酸の塩または塩類は、約0.05から5%、約0.1から3%または約0.1から2%(重量/容量)の濃度で組成物中に存在する。
【0028】
具体例として、賦形剤は、安定した組成物の処方(例えば、物理的、熱力学的に、および/または化学的に安定な組成物)を維持できる最低濃度でプロポフォールを含む組成物に存在する。賦形剤をできるだけ低い濃度にとどめることによって、望ましくない賦形剤の効果の危険性を最小限にすることができる。プロポフォールを含む組成物は、好ましくは保存薬および/または抗菌薬を含まない。好ましくは、組成物はまた、無菌であり、発熱物質を含まない。
【0029】
本発明の組成物は、好ましくは約5から9の間のような生理的に中性のpHを有する。プロポフォールを含む組成物のpHは、必要に応じて、例えば塩基またはその塩、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはその類似物のようなアルカリの添加によって、調整し得る。あるいは、塩酸、クエン酸、またはその類似物のような酸またはその塩が、組成物のpHを調整するために用いられ得る。本明細書で用いられている「pH調整剤」という用語は、組成物のpHを調整するために用いられ当業者によく知られた酸、塩基、またはそれらの塩のような物質を指す。
【0030】
具体例として、本発明の組成物の安定性はpH感受性である。いくつかの組成物では、プロポフォールを含む組成物は、約5から6、約4.5から6.5、約4.5から5.5、約5から7.5、約6から7、約6.5から7.5のpHで高い安定性を有する。組成物のpHは、望ましいpHを得るために、医薬上許容される酸または塩基で調節し得る。具体例として、特定のpHは、組成物の安定性または微生物の増殖に影響を与える。
【0031】
体の繊細な膜に対する適用を目的とした医薬組成物は、一般に体液とほぼ同じ張性(すなわち等張)に調整されている。等張の組成物は、それらが接触する組織の膨張または萎縮を最小限にし、体組織中に染みこむ際に不快感をほとんど与えない。好ましくは、プロポフォール組成物は実質的に等張である。組成物は、その上一つまたはそれ以上の等張化修飾剤を含んでいてよい。等張化修飾剤の例には、ラクトース、デキストロース、無水デキストロース、マンニトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、プロピレングリコールおよびグリセロールが挙げられるが、これだけに限定されるものではない。
【0032】
プロポフォールを含む組成物は、好ましくは、無菌の医薬組成物として供給または投与される。例えば、プロポフォールを含む組成物は、実質的に微生物を含まないで投与される。無菌医薬組成物の調製法は、当業者にはよく知られている。無菌のプロポフォールを含む組成物は、例えば最終生成物の殺菌または無菌製造のような従来の技術を用いて調製し得る。好ましい具体例としては、本発明の無菌の組成物は、現在入手できるディプリバン(登録商標)注射用乳濁液のようなプロポフォール組成物よりも、開封後長時間微生物を実質的に含まない。
【0033】
本発明の組成物は、望ましいプロポフォール濃度を有し、患者に直接投与できる形態で供給し得る。あるいは、組成物は、例えば水または注射可能な溶液によって、投与に先立って希釈することを必要とする濃縮した形態で供給し得る。非経口投与する場合は、組成物は、当業者によく知られた経静脈投与に適した希釈液と混合し得る。そのような希釈液には、水および注射可能な塩化ナトリウム水溶液およびデキストロース水溶液を含む。本発明の組成物は無色かつ均質であるために、さらに希釈したとしても、得られる希釈した組成物もまた一般に均質かつ無色である。
【0034】
本発明はいくつかのプロポフォールを含む組成物に対するものである。一つの具体例として、組成物は、実質的に微生物を含まない医薬組成物、特に無菌の水性医薬組成物である。本発明の組成物は、プロポフォール、水、および一つまたは二つ、三つ、四つまたは四つより多くの賦形剤および水の組み合わせを含む。例えば、賦形剤は、酢酸アンモニウム、ポロキサマー(例えば、ポロキサマー237またはポロキサマー188)、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(例えばブリッジ(登録商標)35;ブリッジ(登録商標)35は、ICI Americans、Inc.の登録商標である)、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル(例えば、ブリッジ(登録商標)97)、ベンジルアルコール、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、すなわちポリエチレングリコールソルビタンモノラウリン酸塩(ツゥイーン(登録商標)20);またはポリソルベート80、すなわちポリエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩(ツゥイーン(登録商標)80))、D−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩(すなわち、ビタミンETPGS)、クロロブタノール、クレモフォア(登録商標)EL(すなわち、ポリオキシル35ヒマシ油;クレモフォア(登録商標)はBASFの登録商標である)、ステアリン酸ポリオキシエチレン、プロピレングリコール、デオキシコール酸塩(例えば、デオキシコール酸ナトリウム)、ジエタノラミン、エタノール、グリセリン、ラクトビオン酸、リシン酸、塩化マグネシウム、ステアリン酸ポリエチレングリコール(ステアリン酸ポリエチレングリコール40はまた、PEG−40ステアリン酸塩と本明細書で呼んでいる)、およびポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール400、本明細書ではまたPEG−40ステアリン酸塩と呼んでいる)からなる群から選ばれ得る。MichealおよびIrene Ash編集のHandbook of Pharmaceutical Additives、Gower Publishing、1995(出典明示によりその内容を本明細書の一部とする)に開示されている賦形剤を含めて、あらゆるよく知られた賦形剤を、実質的に本発明に含めてよい。
具体例として、賦形剤または二つ、三つ、四つ、四つ以上の賦形剤の組み合わせは、約1から50%、約2から30%、約2から20%、約2から15%、約2から10%(重量/容量)、例えば、約8%、40%未満、30%未満、29%未満、28%未満、27%未満、26%未満、25%未満、24%未満、23%未満、22%未満、21%未満、20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満(重量/容量)の総濃度で、組成物が存在する。
【0035】
一つの態様として、組成物は、プロポフォール、二つの賦形剤の組み合わせおよび水を含む。二つの賦形剤の組み合わせは、例えば、酢酸アンモニウムおよびポロキサマー;酢酸アンモニウムおよびポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル;ベンジルアルコールおよびポロキサマー;ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルまたはポリオキシエチレン(10)オレイルエーテルおよびポロキサマー;ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルまたはポリオキシエチレン(10)オレイルエーテルおよびポリソルベート20または80;ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルまたはポリオキシエチレン(10)オレイルエーテルおよびD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルおよびポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル;クロロブタノールおよびポロキサマー;クレモフォア(登録商標)ELおよびポロキサマー;クレモフォア(登録商標)ELおよびポリソルベート;クレモフォア(登録商標)ELおよびステアリン酸ポリオキシエチレン;クレモフォア(登録商標)ELおよびプロピレングリコール;クレモフォア(登録商標)ELおよびD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;デオキシコール酸塩およびD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;デオキシコール酸塩およびポロキサマー;ジエタノラミンおよびD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;ジエタノラミンおよびポロキサマー;エタノールおよびD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;グリセリンおよびポロキサマー;グリセリンおよびD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;ラクトビオン酸およびポロキサマー;リシン酸およびポロキサマー;塩化マグネシウムおよびポロキサマー;ポリエチレングリコールおよびポロキサマー;ポリエチレングリコールおよびD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;ポリエチレングリコールおよびポリソルベート;ステアリン酸ポリオキシエチレンおよびポリソルベート;ステアリン酸ポリオキシエチレンおよびD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;ポリソルベートおよびD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;ポリソルベートおよびプロピレングリコール;およびD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩およびプロピレングリコールからなる群から選び得る。意外にも、上で列挙した二つの賦形剤の組み合わせは、約2%(重量/容量)までのプロポフォール濃度で、約10%の総賦形剤負荷で、無色の水性プロポフォール組成物を形成し得る。好ましい具体例としては、組成物における総賦形剤濃度は。約1%(重量/容量)よりも高く、約40%、30%、25%、20%、15%、または10%(重量/容量)より低い。
【0036】
他の態様としては、組成物は、ポロキサマーを加えたプロポフォールを含む。ポロキサマーは、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407から選び得る。それに加えて、米国特許第5990241号に記述されているポロキサマーもまた選び得る。米国特許第5990241号に記述されているポロキサマーは、精製したブロックコポリマーであり、「精製ポロキサマー」と定義されている。米国特許第5990241号に記述されているポロキサマーおよび精製法は、その内容を本明細書の一部とする。狭い範囲のポリマー分子量の組成物を有する精製ポロキサマーは、本発明の組成物について選択し得る。精製ポロキサマーの狭い分子量の範囲(例えば、市販で入手できるポロキサマー188またはポロキサマー237と比較して)は、たとえば1.01、1.02、1.04、1.05、1.1、1.3、1.5、2、3または4のような多分散性を有してもよい。具体例として、精製ポロキサマーの多分散性は、5および1の間、4および1の間、3および1の間、2および1の間、1.5および1の間、1.3および1の間、1.2および1の間、1.1および1の間である。具体例として、精製ポロキサマーは2000および15000の間の分子量を有するポリマーを少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%含む。具体例として、3000および14000の間の分子量を有するポリマーを少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%含む。具体例として、精製ポロキサマーは4000および13000の間の分子量を有するポリマーを少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%含む。具体例として、精製ポロキサマーは、5000および12000の間の分子量を有するポリマーを少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%含む。具体例として、精製ポロキサマーは、5000および11000の間の分子量を有するポリマーを、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%含む。具体例として、精製ポロキサマーは、6000および10000の間の分子量を有するポリマーを、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%含む。具体例として、精製ポロキサマーは、7000および9000の間の分子量を有するポリマーを、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%含む。具体例として、精製ポロキサマーは、7500および8500の間の分子量を有するポリマーを、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%含む。具体例として、精製ポロキサマーは、8000および9500の間の分子量を有するポリマーを、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%含む。
【0037】
本発明の具体例として含まれるのは、特定の賦形剤を除外する組成物または処方である。本明細書で開示されるもの、またはMichealおよびIrene Ash編集のHandbook of Pharmaceutical Additives、Gower Publishing、1995(出典明示によりその内容を本明細書の一部とする)に開示されているものを含めて、あらゆるよく知られた賦形剤を、本発明から特異的に除外してよい。一つまたはそれ以上のあらゆる種の賦形剤を本発明から除外してよい。例えば、D−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩を本発明から除外してよい。明記した量を超える特定の賦形剤を含む組成物または処方もまた、除外してよい。例えば、特定の賦形剤を90%以上、80%以上、70%以上、60%以上、50%以上、40%以上、30%以上、29%以上、28%以上、27%以上、26%以上、25%以上、24%以上、23%以上、22%以上、21%以上、20%以上、19%以上、18%以上、17%以上、16%以上、15%以上、14%以上、13%以上、12%以上、11%以上、10%以上、9%以上、8%以上、7%以上、6%以上、5%以上、4%以上、3%以上、2%以上、1%(重量/容量)以上の濃度で含む組成物または処方は、本発明から特異的に除外してよい。例えば、次のものを本発明から特異的に除外してよい:8%以上または10%以上(重量/容量)のD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;10%以上または20%以上(重量/容量)の2−ヒドロキシプロピルーβーシクロデキストリン;5%以上または30%以上(重量/容量)のNーメチルピロリジンまたは2−ピロリジン、30%以上(重量/容量)のプロピレングリコール;組み合わせた濃度が60%以上となるところの、Nーメチルピロリジンまたは2−ピロリジンのいずれかおよびプロピレングリコールの組み合わせ(または三つ全ての組み合わせ);2.5%以上または5%以上の胆汁酸塩(例えば、グリココール酸ナトリウム/グリココール酸)、4%以上または7%以上のレシチン(例えば、大豆または卵)、または組み合わせた濃度が5%以上または7.5%以上または10%以上(重量/容量)の、胆汁酸およびレシチン両方;0.5%以上または1%以上(重量/容量)のベンジルアルコール;5%以上または15%以上(重量/容量)のポリエトキシ化したヒマシ油;5%以上、7。5%以上または10%以上の、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンまたはスルホブチルシクロデキストリンのような、シクロデキストリン。一連の賦形剤はまた、所望により濃縮も含めて、本発明の組成物または処方の構成成分として、特異的に含めたりあるいは除外してもよい。
【0038】
さらなる具体例としては、本発明の組成物または処方は、賦形剤:a)米国食品医薬品局(FDA)によりGRAS(一般に安全と認められる)と認定されるもの、b)21CFR171に準ずる食品添加物として認可されるもの、またはc)新薬の申請を通じて所望により認可された濃度あるいはそれ未満の濃度において、一の特定の目的に対してFDAによって認可されるもの、からなる賦形剤を含む組成物または処方に限定してよい。本発明の組成物または処方はさらに、一般にまたは新薬の申請を通じて所望により認可された濃度あるいはそれ未満の濃度において、特定薬剤の医薬処方の賦形剤として、非経口投与(例えば静脈注射)用としてFDAによって認可される賦形剤、からなる賦形剤を含む組成物または処方に限定してよい。
【0039】
一つの具体例として、組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール;ポリソルベート(例えば、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩);D−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;;およびデオキシコール酸塩(例えばデオキシコール酸ナトリウム)を含む。組成物は、(a)上で記述した通りのプロポフォール;(b)約1から25%、約1から15%、約2から10%、約2から8%、または約2から6%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩;(c)約0.5から25%、約0.5から15%、約1から10%、約1から8%、または約1から5%のD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩、例えば、約1から3%、または約1から2%のD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;(d)約0.5から3%、約0.5から2%、約0.5から1.5%、約1から25%、約1から15%、約1から10%、約1から5%、約1から3%、約1から2%、約1.5から10%、約1.5から8%、または約1.5から6%(重量/容量)デオキシコール酸ナトリウム、例えば、約1.5から4%または約1.5から3%(重量/容量)のデオキシコール酸塩ナトリウム;および(e)水を含み得る。他の具体例としては、組成物は、本質的に:
(1)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、D−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩、デオキシコール酸ナトリウム、所望により、等張化修飾剤、所望により、pH調整剤または安定剤(例えば、システインのような抗酸化剤、EDTAのようなキレート化試薬、またはクエン酸のような他のもの)、
(2)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、D−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩、デオキシコール酸ナトリウム、および所望により、クエン酸またはその塩、
または(3)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、D−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩、デオキシコール酸ナトリウム、所望により、クエン酸またはその塩、および所望により、等張化修飾剤
を含む。
【0040】
他の具体例としては、組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、ポロキサマー188およびプロピレングリコールを含む。この組成物は:(a)上で記述した通りのプロポフォール;(b)約1から25%、約1から15%、約2から10%、約2から8%、または約2から6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、例えば、約3から6%または約4から6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400;(c)約0.5から25%、約0.5から15%、約0.5から10%、約0.5から8%、または約0.5から5%(重量/容量)のプロピレングリコール、例えば、約0.5から3%、または約0.5から2%(重量/容量)のプロピレングリコール;(d)約1から25%、約1から15%、約4から12%、約5から10%、または約6から8%(重量/容量)のポロキサマー188、例えば、約5から9%または約6から7%(重量/容量)のポロキサマー188;および(e)水を含み得る。所望により、ベンジルアルコールをこの組成物に、5%まで、4%まで、3%まで、2%まで、1%までまたは0.5%までの濃度で加えてよい。
【0041】
他の具体例としては、組成物は、本質的に:
(1)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポロキサマー188、ポリエチレングリコール400、プロピレングリコール、所望により、等張化修飾剤、所望により、pH調整剤または安定剤(例えば、システインのような抗酸化剤、EDTAのようなキレート化試薬、またはクエン酸のような他のもの)、
(2)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポロキサマー188、ポリエチレングリコール400、プロピレングリコール、および所望により、クエン酸またはその塩、
(3)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポロキサマー188、ポリエチレングリコール400、プロピレングリコール、所望により、クエン酸またはその塩、および所望により、等張化修飾剤
(4)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約8%(重量/容量)のポロキサマー188、約4%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約1%(重量/容量)のプロピレングリコール
(5)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約6%(重量/容量)のポロキサマー188、約6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約1%(重量/容量)のプロピレングリコール
(6)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約6%(重量/容量)のポロキサマー188、約4%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約2%(重量/容量)のプロピレングリコール
(7)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約8%(重量/容量)のポロキサマー188、約3%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約1%(重量/容量)のプロピレングリコール
(8)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約7%(重量/容量)のポロキサマー188、約4%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約1%(重量/容量)のプロピレングリコール
(9)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約7%(重量/容量)のポロキサマー188、約3%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約1%(重量/容量)のプロピレングリコール
(10)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約6%(重量/容量)のポロキサマー188、約4%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約1%(重量/容量)のプロピレングリコール
(11)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約8%(重量/容量)のポロキサマー188、約2%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約1%(重量/容量)のプロピレングリコール
からなる。
【0042】
他の具体例としては、組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、ポロキサマー188、プロピレングリコール、およびクエン酸を含む。この組成物は:(a)上記した通りのプロポフォール;(b)約1から25%、約1から15%、約2から10%、約2から8%、または約2から6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、例えば、約3から6%または約4から6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400;(c)約0.5から25%、約0.5から15%、約0.5から10%、約0.5から8%、または約0.5から5%(重量/容量)のプロピレングリコール、例えば、約0.5から3%、または約0.5から2%のプロピレングリコール;(d)約1から25%、約1から15%、約4から12%、約5から10%、または約6から8%(重量/容量)のポロキサマー188、例えば、約5から9%または約6から7%(重量/容量)のポロキサマー188;(e)約0.5から1%のクエン酸、約0.5から4%のクエン酸、約1から3%のクエン酸、約2から5%のクエン酸、約1から2%のクエン酸、および(f)水を含み得る。所望により、ベンジルアルコールをこの組成物に、5%まで、4%まで、3%まで、2%まで、1%までまたは0.5%までの濃度で加えてよい。
【0043】
他の具体例としては、組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、およびポロキサマー188を含む。この組成物は:(a)上で記述した通りのプロポフォール;(b)約1から25%、約1から15%、約2から10%、約2から8%、または約2から6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、例えば、約3から6%または約4から6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400;(c)約1から25%、約1から15%、約4から12%、約5から10%、または約6から8%(重量/容量)のポロキサマー188、例えば、約5から9%または約6から7%(重量/容量)のポロキサマー188;および(e)水を含み得る。所望により、ベンジルアルコールをこの組成物に、5%まで、4%まで、3%まで、2%まで、1%までまたは0.5%までの濃度で加えてよい。
【0044】
他の具体例としては、組成物は、本質的に:
(1)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポロキサマー188、ポリエチレングリコール400、所望により、等張化修飾剤、所望により、pH調整剤または安定剤(例えば、システインのような抗酸化剤、EDTAのようなキレート化試薬、またはクエン酸のような他のもの)、
(2)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポロキサマー188、ポリエチレングリコール400、および所望により、クエン酸またはその塩、
または(3)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポロキサマー188、ポリエチレングリコール400、所望により、クエン酸またはその塩、および所望により、等張化修飾剤、
(4)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約8%(重量/容量)のポロキサマー188、および約4%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、
(5)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約8%(重量/容量)のポロキサマー188、および約3%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、
(6)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約7%(重量/容量)のポロキサマー188、および約4%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、
(7)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約7%(重量/容量)のポロキサマー188、および約3%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、
(8)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約6%(重量/容量)のポロキサマー188、および約6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、
(9)水、約1%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約9%(重量/容量)のポロキサマー188、および約2%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、
からなる。
【0045】
他の組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、および7600および9500の間の範囲の平均分子量を有する精製ポロキサマーを含む。この組成物は:(a)上で記述した通りのプロポフォール;(b)約1から25%、約1から15%、約2から10%、約2から8%、または約2から6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、例えば、約3から6%または約4から6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400;(c)約1から25%、約1から15%、約4から12%、約5から10%または約6から8%(重量/容量)の、7600および9500の間の範囲の平均分子量を有する精製ポロキサマー、例えば、約5から9%または約6から7%(重量/容量)の、7600および9500の間の範囲の平均分子量を有する精製ポロキサマー;および(e)水を含み得る。
他の組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、および7600および9000の間の範囲の平均分子量を有する精製ポロキサマーを含む。他の組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、および8000および9000の間の範囲の平均分子量を有する精製ポロキサマーを含む。他の組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、および8000および8500の間の範囲の平均分子量を有する精製ポロキサマーを含む。
【0046】
他の具体例としては、組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、7600および9500の間の範囲の平均分子量を有する精製ポロキサマー、およびプロピレングリコールを含む。この組成物は:(a)上で記述した通りのプロポフォール;(b)約1から25%、約1から15%、約2から10%、約2から8%、または約2から6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、例えば、約3から6%または約4から6%(重量/容量)のポリエチレングリコール400;(c)約0.5から25%、約0.5から15%、約0.5から10%、約0.5から8%、または約0.5から5%(重量/容量)のプロピレングリコール、例えば、約0.5から3%、または約0.5から2%(重量/容量)のプロピレングリコール;(d)約1から25%、約1から15%、約4から12%、約5から10%または約6から8%(重量/容量)の精製ポロキサマー、例えば、約5から9%または約6から7%(重量/容量)の精製ポロキサマー;および(e)水を含み得る。
【0047】
他の具体例としては、組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、7600および9000の間の範囲の平均分子量を有する精製ポロキサマー、およびプロピレングリコールを含む。他の具体例としては、組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、8000および9000の間の範囲の平均分子量を有する精製ポロキサマー、およびプロピレングリコールを含む。他の具体例としては、組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、8000および8500の間の範囲の平均分子量を有する精製ポロキサマー、およびプロピレングリコールを含む。
【0048】
他の組成物は、ポリソルベート(例えば、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩)、ポロキサマー(例えば、ポロキサマー237)およびステアリン酸ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEG−40ステアリン酸塩)を含む。この組成物は、(a)上で記述した通りのプロポフォール;(b)約1から25%、約2から15%、約2から10%、約3から8%、または約3から7%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、例えば、約3から5%または約3から4%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩;(c)約0.5から25%、約0.5から15%、約0.5から10%、約1から8%、または約1から5%(重量/容量)のポロキサマー237、例えば、約1から3%、または約1から2%(重量/容量)のポロキサマー237;(d)約1から25%、約1から15%、約1から10%、約1.5から8%または約1.5から6%(重量/容量)のPEG−40ステアリン酸塩、例えば、約1.5から4%または約1.5から3%(重量/容量)のPEG−40ステアリン酸塩;および(e)水を含み得る。
【0049】
組成物はまた、本質的に:
(1)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポロキサマー237、ステアリン酸ポリエチレングリコール40、所望により、等張化修飾剤、所望により、pH調整剤
(2)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポロキサマー237、ステアリン酸ポリエチレングリコール40、および所望により、クエン酸またはその塩、または
(3)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポロキサマー237、ステアリン酸ポリエチレングリコール40、所望により、クエン酸またはその塩、および所望により、等張化修飾剤
を含み得る。
【0050】
他の具体例として、組成物は、ポリソルベート(例えば、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩)、ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEG−400)およびステアリン酸ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEG−40ステアリン酸塩)を含む。この組成物は、(a)上で記述した通りのプロポフォール;(b)約1から25%、約2から15%、約2から10%、約3から8%、または約3から7%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、例えば、約3から5%または約3から4%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩;(c)約2から約30%、約2から20%、約2から15%、約3から10%、または約3から8%(重量/容量)のPEG−400、例えば、約3から6%または約3から5%(重量/容量)のPEG−400;(d)約0.1から25%、約0.1から15%、約0.2から10%、約0.2から6%、または約0.2から4%(重量/容量)のPEG−40ステアリン酸塩、例えば、約0.2から1%、または約0.2から0.5%(重量/容量)のPEG−40ステアリン酸塩;および(e)水を含み得る。
【0051】
あるいは、組成物は、実質的に:
(1)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポリエチレングリコール400、ステアリン酸ポリエチレングリコール40、所望により、等張化修飾剤、所望により、pH調整剤
(2)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポリエチレングリコール400、ステアリン酸ポリエチレングリコール40、および所望により、クエン酸またはその塩、または
(3)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポリエチレングリコール400、ステアリン酸ポリエチレングリコール40、所望により、クエン酸またはその塩、および所望により、等張化修飾剤
を含み得る。
【0052】
さらに他の具体例としては、組成物は、ポリエチレングリコール(例えば、PEG−400)およびポロキサマー(例えば、ポロキサマー237)を含む。この組成物は、(a)上で記述した通りのプロポフォール;(b)約2から30%、約3から20%、約3から15%、約3から12%、または約3から9%(重量/容量)のPEG−400、例えば、約3から7%または約5から7%(重量/容量)のPEG−400;(c)約1から25%、約1から15%、約1から10%、約1から5%、または約1から3%(重量/容量)のポロキサマー237、例えば、約1から2%、または約1.1から1.5%(重量/容量)のポロキサマー237;(d)水を含み得る。
【0053】
他の具体例としては、組成物はまた、本質的に:
(1)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、ポロキサマー237、所望により、等張化修飾剤、所望により、pH調整剤
(2)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、ポロキサマー237、および所望により、クエン酸またはその塩、または
(3)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリエチレングリコール400、ポロキサマー237、所望により、クエン酸またはその塩、および所望により、等張化修飾剤
を含み得る。
【0054】
さらに他の本発明のプロポフォールを含む組成物は、デオキシコール酸塩(例えばデオキシコール酸ナトリウム)、およびD−αートコフェニルーポリエチレングリコール1000コハク酸塩を含む。この組成物は、(a)上で記述した通りのプロポフォール;(b)約1から25%、約1から20%、約1から15%、約1から10%、または約1から5%(重量/容量)のデオキシコール酸ナトリウム、例えば、約1から3%(重量/容量)のデオキシコール酸ナトリウム;(c)約1から25%、約2から15%、約2から10%、約3から9%、または約4から8%(重量/容量)のD−αートコフェニルーポリエチレングリコール1000コハク酸塩、例えば、約4から6%(重量/容量)のD−αートコフェニルーポリエチレングリコール1000コハク酸塩;および(d)水を含み得る。
【0055】
他の具体例は、本質的に:
(1)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、デオキシコール酸ナトリウム、D−αートコフェニルーポリエチレングリコール1000コハク酸塩、所望により、等張化修飾剤、所望により、pH調整剤
(2)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、デオキシコール酸ナトリウム、D−αートコフェニルーポリエチレングリコール1000コハク酸塩、および所望により、クエン酸またはその塩、または
(3)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、デオキシコール酸ナトリウム、D−αートコフェニルーポリエチレングリコール1000コハク酸塩、所望により、クエン酸またはその塩、および所望により、等張化修飾剤
を含み得る。
【0056】
本発明の他の組成物は、ポリソルベート(例えば、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩)、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG−400)、およびポロキサマー(ポロキサマー188)を含む。この組成物は、(a)上で記述した通りのプロポフォール;(b)約0.5から25%、約0.5から15%、約1から10%、または約1から5%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、例えば、約1から3%または約1から2%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩;(c)約0.5から25%、約0.5から15%、約0.5から10%、約0.5から5%、約0.5から3%、約0.5から2%、約0.5から1%、または約1から3%(重量/容量)のプロピレングリコール、例えば、約1から2%(重量/容量)のプロピレングリコール;(d)約1から30%、約1から20%、約2から15%、または約2から8%(重量/容量)のPEG−400、例えば、約3から6%、または約4から5%(重量/容量)のPEG−400;(e)約1から25%、約1から15%、約2から10%、または約2から8%(重量/容量)のポロキサマー188、例えば、約3から7%または約4.5から5.5%(重量/容量)のポロキサマー188;および(f)水を含み得る。具体例としては、この組成物は、さらにクエン酸またはその塩を含む。クエン酸は、約0.05から5%、約0.1から3%、約0.1から1%(重量/容量)のように少なくとも約0.05%(重量/容量)、例えば、約0.05から5%、または約0.1から0.2または0.15%(重量/容量)の濃度で組成物中に存在しえる。
【0057】
これらの組成物は、あるいは本質的に:
(1)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、ポロキサマー188、所望により、等張化修飾剤、所望により、pH調整剤
(2)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、ポロキサマー188、および所望により、クエン酸またはその塩、または
(3)水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、ポロキサマー188、所望により、クエン酸またはその塩、および所望により、等張化修飾剤
を含み得る。
【0058】
具体例としては、類似した機能的または化学的特性を有する賦形剤は、互換性がある。したがって、ある組成物では、ひとつまたはそれ以上の賦形剤の変更は可能である。ある具体例では、組成物の一つまたはそれ以上の賦形剤は、一つまたはそれ以上のGRAS賦形剤、精製ポロキサマー、酢酸アンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブリッジ35、ブリッジ97、カルシウムグルセプテート、クロロブタンOL、クレモフォアEL、デオキシコール酸塩、ジエタノラミン、エタノール、ガンマシクロデキストロン、グリセリン、ラクトビオン酸、リシン、塩化マグネシウム、メチルパラベン、PEG1000、PEG300、PEG3350、PEG400、PEG600、ポリキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン100、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ステアリン酸ポリオキシエチレン50、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポビドン、プロピレングリコール、酢酸ナトリウム、ビタミンETPGS、または安息香酸ナトリウムによって、置換されえる。例えば、ある組成物では、ポロキサマー237は、プロポフォール組成物中でポロキサマー188に置換されてもよく、一方依然として同様の安定性は保持されている。
【0059】
具体例としては、組成物はソルトールHS15、卵のレシチン、ラブラゾール、ポリオキシ10オレイルエーテル、ツゥイーン、エタノール、またはポリエチレングリコールを含まない。他の具体例としては、組成物は、本質的に75μmより大きい、60μmより大きい、または50μmより大きいミセルを含まない。他の具体例としては、組成物は、本質的に50μm未満、40μm未満、または30μm未満のミセルを含まない。他の具体例としては、組成物は、一つのタイプのポロキサマー、二つのタイプのポロキサマー、または三つのタイプのポロキサマーのみを含む。他の具体例としては、ミセル形成の割合または安定性は、pHまたは温度に影響を受ける。
【0060】
具体例として、組成物はベンジルアルコールを含む。ある組成物中では、ベンジルアルコールは、追加の抗菌活性を与える可能性がある。ベンジルアルコール濃度は、5%(重量/容量)以下、4%(重量/容量)以下、3%(重量/容量)以下、2%(重量/容量)以下、1%(重量/容量)以下、0.5%(重量/容量)以下、または0.45%(重量/容量)であってよい。
【0061】
さらに他の具体例としては、無菌の水性医薬組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、および一つまたはそれ以上の賦形剤を含み、その組成物中には、実質的にトリアシルグリセールを含まない。あるいは、組成物はまた、本明細書で記述されている中鎖または長鎖脂肪酸またはリン脂質の他のグリセリルエステルを、実質的に含まない。好ましくは、組成物の少なくとも一つの賦形剤が、界面活性剤のような表面活性試薬であるが、これだけに限定されるものではない。本発明のプロポフォール組成物は、プロポフォールに加えて、さらに活性試薬を含む。追加の活性試薬は、例えば、患者に組成物を投与する際に起こる苦痛を軽減したり除去したりするような目的について有用である。プロポフォールを含む組成物は、注射の苦痛を軽減したり除去したりするために、一つまたはそれ以上の局所麻酔薬を含む。もし存在するのであれば、局所麻酔薬は、好ましくは、注射の苦痛を軽減したりまたは除去したりするのに十分な濃度で存在する。リドカインは、組成物中の使用に適した局所麻酔の一例である。
【0062】
本発明の組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノール、一つまたはそれ以上の賦形剤、および水を混合することによって、処方し得る。様々な組成物の構成成分の混合法が熟慮されている。賦形剤は、賦形剤そのままであるいは水中の賦形剤として、組成物に混合し得る。プロポフォールは、少なくとも一つまたはそれ以上のそのままの賦形剤、または少なくとも一つまたはそれ以上の水中の賦形剤に混合し得る。2,6−ジイソプロピルフェノールは、少なくとも一つまたはそれ以上の水中の賦形剤に混合してよく、それから(1)少なくとも一つまたはそれ以上のそのままの賦形剤、または(2)少なくとも一つまたはそれ以上の水中に混合した賦形剤のいずれかと結合させてよい。好ましい具体例としては、賦形剤を一緒に混合し、混合しながら水を加え、それから混合しながらプロポフォールを加え、最後に、混合物の容量を増加させるために、所望により追加の水を加える。また好ましくは、水中の賦形剤を一緒に混合し、混合しながらプロポフォールを加え、最後に、混合物の容量を増加させるために、所望により追加の水を加える。最も好ましい具体例としては、プロポフォールを最後に加える。
【0063】
本発明の組成物に用いられる水は、好ましくは、人間を含めた動物の注射に適している。その水は、適当な政府および/または健康管理業界標準を満たすべきである。好ましくは、その水は、注射用医薬等級水についての米国薬局方(USP)23標準を満たす。一般に、水は添加物質を含むべきではない。
混合は、当該分野で知られた様々な何らかの方法によって行ってよい。混合装置は、一括または連続的であってよい。適切な混合装置の例としては、ジェットミキサー、インジェクター、ミキシングノズル、ポンプ、撹拌系統ミキサー、圧縮チューブ、ガス撹拌容器、および撹拌容器、その他を含める。混合は、組成物の構成成分を実質的に分解しない全ての温度で行ってよい。典型的には、混合は、室温またはその付近の温度で行われる。本発明を実践することの利点は、例えば、従来のプロポフォール乳濁液のようなプロポフォール組成物の処方をしばしば必要とする、微少流動化技術のような方法を用いるのと比較して、組成物の調製が簡単であることである。
【0064】
本発明の組成物は、組成物に存在する粒子の大きさ(平均直径)によって、特徴づけられる。何らかの特定の理論に拘束されるものではないが、具体例として、組成物中に含まれる粒子は様々な大きさのミセルを形成すると考えられる。あるいは、ある種の組成物または組成物の一部は、ミクロまたはナノの乳濁液を形成すると考えられる。本明細書で粒子幾何学的サイズまたは粒子幾何学的直径と呼んでいる粒子の大きさは、当業者に知られた何らかの技術を用いて決定しえる。例えば、モルヴァン機器ゼータ整流器は、組成物中の粒子の大きさを決定するために用いられえる。測定システムのうちのゼータ整流器系統は、ミクロン以下の粒子の大きさを測定するために光量子相関分光器(PCS)の技術を用いる。流体中に散乱した粒子は、絶え間なく不規則運動しており、一般にブラウン運動と呼ばれる。光量子相関分光器(PCS)は、この運動の速度を測定し、粒子の拡散速度を計算し、これをストークス・アインシュタイン方程式を用いて粒子の大きさと関連づける。当業者はまた、粒子の大きさを決定するために、他の適切な方法を用いてもよい。
光量子相関分光器(PCS)に加えて、当業者に知られた粒径分析に関連した他の方法論は、鏡検法(例えば光顕および電顕)、電子または光子の検出、および他の光の散乱技術(例えば、レーザー回折)を含めて用いてよいが、これだけに限定するものではない。
【0065】
具体例としては、組成物は、約100ナノメーター未満、約10および100ナノメーターの間、約25および90ナノメーターの間、または約30および75ナノメーターの間の平均粒径(平均直径)を有する。本発明の組成物は、約90ナノメーター未満、約75ナノメーター未満、約65ナノメーター未満、約55ナノメーター未満、約50ナノメーター未満、約45ナノメーター未満、約40ナノメーター未満、約35ナノメーター未満、約30ナノメーター未満、約25ナノメーター未満、約20ナノメーター未満、約15ナノメーター未満、約10ナノメーター未満、約5ナノメーター未満、または約1ナノメーター未満の幾何学的直径を有する粒子からなる。具体例としては、組成物は、約50および250ナノメーターの間、約50および150ナノメーターの間、約150および250ナノメーターの間、約100および200ナノメーターの間の平均粒径を有する。具体例としては、全ての粒子は、比較的類似した粒径を有する。比較的類似した粒径は、米国食品医薬品局の人間の医薬承認を達成するために、医薬品に要求される粒子の大きさおよび濃度として定義される。所望により、本発明の組成物を濾過して、望ましい大きさまたは平均の大きさの粒子を含む組成物を生成する。そのような組成物の濾過方法は、当業者によく知られている。
【0066】
具体例としては、本発明の組成物は、現在市販されているプロポフォール処方または他の水性プロポフォール処方と比較して、優れた臨床上の利点を有する。優れた臨床上の利点には、脂質の濃度を低下させ、作用の開始を早め、作用の終結を早め、赤血球の傷害を軽減し、副作用を減らすことなどを含むが、これだけに限定するものではない。
【0067】
本発明の組成物は、粒子を含む治療薬、予防薬または診断薬の化学的安定性によって特徴づけられ得る。成分の麻酔薬の化学的安定性は、貯蔵期間、適切な保管条件、許容できる投与条件、生物学的適合性、および試薬の有効性を含めた医薬組成物の重要な特性に影響を与え得る。化学的安定性は、当該分野においてよく知られた技術を用いて評価し得る。例えば、活性成分および賦形剤の両方についてのストレス研究(例えば、酸および塩基の加水分解、熱分解、光分解、酸化による生成物)から得られる分解情報を検出するアッセイは、非常に多い。化学的安定性を評価するのに用いられる可能性のある技術の一例は、逆相高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)である。
【0068】
本発明の組成物は、例えば、所定の研究期間において、室温でわずか約5%、またはわずか約3%のプロポフォールの効能が失われるように、実質的なプロポフォール分解を示さない。あるいは、プロポフォール分解は、例えばキノンおよび二量体濃度のようなプロポフォール分解濃度を測定することによって、評価し得る。具体例として、組成物は、例えば、所定の研究期間において、プロポフォール分解濃度がわずか約0.05%、わずか約0.1%、またはわずか約0.2%の増加というように、実質的なプロポフォールの増加を示さない。好ましい具体例としては、分解物に特定の制限を課さない限りは、あらゆる単独の分解物は、医薬品規制調和国際会議ガイドラインを超えない。(ICH文書Q3B参照)
一つの具体例は、組成物は、冷凍保存してから少なくとも約6ヶ月の期間で実質的にプロポフォールの分解がみられない。好ましくは、組成物は、冷凍保存してから少なくとも約1年の期間で実質的にプロポフォールの分解がみられない。さらにより好ましくは、組成物は、室温またはそれ以下で保存してから少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約1年間、または最も好ましくは少なくとも約2年間、実質的にプロポフォールの分解がみられない。
【0069】
組成物は、無菌状態を維持するのに適した何らかの容器内で、供給、調製、貯蔵、または輸送され得る。その容器は、例えば穴を開けることのできるまたは除去できるシールのような、水性組成物を調剤する手段を装着しうる。組成物は、例えば注射器を用いて抽出することによって、または患者に投与するための器具(例えば、注射器、静脈内(IV)バッグまたは機械)に直接組成物を注ぐことによって、調剤され得る。無菌の医薬組成物を供給、調製、貯蔵、輸送、および調剤するための他の方法は、当業者に知られている。
一つの具体例は、本発明の組成物は、2,6−ジイソプロピルフェノールが酸化的分解を受けやすいので、酸素を含まない大気の下で製造、包装、貯蔵、または投与される。酸素を含まない大気は、窒素、アルゴンまたはクリプトンガス、その他を含む。好ましくは、組成物は、窒素ガス雰囲気下で製造、包装、貯蔵される。
【0070】
本発明はまた、麻酔を必要とする患者に2,6−ジイソプロピルフェノールを投与する方法に対するものであり、その方法は無菌の医薬組成物を患者に経静脈的に与えることを含む。患者に対する投与が許容できる無菌の医薬組成物は、本明細書に記述されている。一つの具体例として、トリアシルグリセロールを実質的に含まないところの、2,6−ジイソプロピルフェノールおよび一つまたはそれ以上の賦形剤を含む無菌の医薬組成物を患者に経静脈的にデリバリーすることを含む、麻酔を必要とする患者に2,6−ジイソプロピルフェノールを投与する方法が提供される。組成物はまた、本明細書で記述されている中鎖または長鎖脂肪酸またはリン脂質の他のグリセリルエステルも、実質的に含まない。好ましくは、組成物の少なくとも一つの賦形剤は、界面活性剤のような表面活性試薬であるが、これだけに限定するものではない。
【0071】
本発明の組成物は、麻酔の導入および/または維持のために患者に投与されえる。組成物は、非経口的に特に人間を含めたあらゆる動物に投与し得る。一つの具体例として、プロポフォールを含む組成物の投与は、例えばボーラス注入を介して、組成物を患者に唯一の麻酔薬として投与することを含む。他の態様として、プロポフォールを含む組成物の投与は、麻酔の導入および続いて他の麻酔薬と共に麻酔を維持するために、患者に組成物を投与することを含む。あるいは、プロポフォールを含む組成物の投与は、例えば絶え間ない点滴を介して、麻酔の導入および長期間の維持のために、患者に組成物をデリバリーすることを含む。さらには、組成物は、筋肉内(すなわちIM)手段、例えば、本明細書に記載の本発明の組成物の他の付随する望ましい特性に加えて麻酔の導入および/または維持のための、プロポフォールの筋内注射を介して、患者に投与し得る。
【0072】
プロポフォール組成物は、プロポフォールに加えて活性試薬を含むか、またはあるいはプロポフォール組成物は、付加的な活性試薬を含む組成物とともに投与する。例えば、プロポフォールを含む組成物は、注射の苦痛を軽減または除去するために、一つまたはそれ以上の局所麻酔薬を含むかまたはそれをともに投与する。投与する場合、好ましくは、局所麻酔薬は注射の苦痛を軽減するかまたは除去するのに十分な濃度で投与する。当業者ならば、過度の実験をせずに、望ましい効果を得るための局所麻酔薬の濃度を選別し、投与することができる。
【0073】
プロポフォールを含む組成物は、当該分野において一般に知られた技術を用いて、患者に投与し得る。例えば、組成物は、ボーラス注入を介してまたは点滴によって、患者に経静脈的に投与し得る。プロポフォールを含む組成物の点滴は、組成物を直接点滴することによって、あるいはプロポフォールを含む組成物を、0.9%塩化ナトリウム注射液、5%デキストロース注射液、または他の融和性の点滴溶液のような適切な点滴溶液に添加することによってなされる。
【0074】
一の具体例においては、例えばガラス瓶または袋などの単一の容器から、投与前に、本発明の組成物を複数回用量にて取り出す。例えば、本発明の組成物は、例えば注射器を用いて、当該組成物を含有する単一のガラス瓶に複数回入れた後でさえも微生物の増殖に対して抵抗を有する。複数回用量は、個々にまたは別々に注射器によって取り出されるか、あるいは絶え間なく経静脈的に点滴することによって絶え間なく取り出され得る。例えば、組成物の用量は、治療過程の間単一のガラス瓶から繰り返し取り出される。あるいは、単回用量を治療過程の間容器から取り出してもよい。
一つの具体例として、本発明の組成物は複数回使用容器からの使用を可能にする。例えば、複数回使用容器は、個々の用量について、同じ容器から異なる時間または異なる日に取り出すことを可能にするであろう。複数回使用容器は、当該分野において知られた多様な構造または方法で作られ得る。複数回使用容器は、動物の麻酔について特に有用である可能性がある。
プロポフォールの量および投与中の患者に対するデリバリー法は、内科医が投与を管理することによって適切と決定される通りに、変更できる。
【0075】
麻酔における使用のような従来のプロポフォールの使用に加えて、本発明の組成物を投与することは、有効量のプロポフォールを必要とする患者に投与することによる抗酸化剤としても有用である。麻酔が望ましくなければ、多くの場合で麻酔量以下の用量を投与してよい。本発明のプロポフォール組成物は、虚血・再還流傷害のような酸化による傷害の予防、または軽減、または治療のために用いられ得る。プロポフォール組成物は、親水性か脂肪親和性の官能基のいずれかによって惹起される酸化による損傷を防ぐために用いられ得る。プロポフォール組成物は、赤血球、脳、肝臓、腎臓、心臓、肺および骨格筋臓器、組織、および細胞を、有効量のプロポフォールで個々に前処理することによって、酸化ストレスおよび傷害から保護するために用いられ得る。本発明のプロポフォール組成物はまた、血小板凝集を抑制するのに有効な量のプロポフォールを投与することによって、血小板凝集を抑制するのにも有用である。プロポフォール、特に本発明のプロポフォール組成物は、抗酸化剤容量および抗血小板作用の向上によって、冠動脈バイパス手術に特に有用となっている。この適応症においては、プロポフォールは、例えば麻酔用量で(例えば、スフェンタニル0.3μg/kg、ついでプロポフォール1ないし2.5mg/kgをボーラスで、100μg/kg/分を事前に、およびCPBの間50μg/kg/分、またはスフェンタニル0.3μg/kg、ついでプロポフォール2ないし2.5mg/kgをボーラスで、200μg/kg/分にて)使用してよい。
【0076】
少量のプロポフォールの鎮静作用はまた、活性酸素の形成を減少させ、それによって脊髄麻酔下の患者の止血帯で惹起される虚血再還流傷害における酸化ストレスおよび傷害を減少させるためにも用いられる。この使用の例は、鞘内麻酔下での選択的全膝置換を受けた患者であろう。
神経保護は、さらにプロポフォール組成物によってなされる。例えば、癌治療におけるビンクリスチンの副作用を制限し;乳酸蓄積および局所または全体的な脳虚血の浮腫の形成を減少させることによって、神経の損傷を減少させ;外傷および脳卒中と関連した酸素を中心とするフリーラジカルの脳傷害を減少させる。
本発明のプロポフォール組成物はまた、鎮静作用のために用いてよい。例えば、低用量(例えば、麻酔に必要な用量に比べて)のプロポフォールは、患者に対する鎮静作用を有する可能性がある。患者は、救急処置室での処置の間または手術前に患者をなだめるために鎮静化させることも多い。
【0077】
本発明のプロポフォール組成物を投与し、アッセイする方法は、当該分野において慣用的なものである。投与およびアッセイの方法の例は、Runzerら、Anesth Analg、2002年1月 94(1)89−93ページ;Eur J Anaesthesiol、2002年1月 17(1)18−22ページ;De La Cruz JPら、BrJ Pharmacol、1999年12月 128(7)1538−1544ページ;Ansley DMら、Can J Anaesth、1999年7月 46(7)641−648ページ;Murphy PGら、Br J Anaesth、1996年4月 76(4)536−543ページ;Daskalopoulos Rら、Glia、2002年8月 39(2)124−132ページ;Cheng YJら、Anesth Analg、2002年6月 94(6)1617−1620ページ;Wilson JXら、J Neurosung Anesthesiol、2002年1月 14(1)66−79ページ;Ergun Rら、Neurosung Rev、2002年3月 25(1−2)95−98ページ;Li CRら、Cell Biol Toxicol、2002年 18(1)63−70ページでみられる。
【0078】
一の態様として、本発明は、赤血球の溶血に対して有益な効果をもたらすプロポフォールの組成物に対するものである。本発明の組成物は、ディプリバン(登録商標)を含むがそれだけに限定されない乳濁液のプロポフォール組成物と比較して、赤血球の溶血を少なくすることができる。本発明の組成物はまた、食塩水よりも、赤血球の溶血を少なくすることができる。本発明のさらなる態様として、本発明の組成物は赤血球の細胞膜を安定化することができる。
【0079】
一の態様として、本発明は、2,6−ジイソプロピルフェノールおよび一つまたはそれ以上の賦形剤を含む無菌の水性医薬組成物に対するものであり;そのプロポフォール赤血球血漿分配係数(K)は、約3、約4、約5、約6、約7、約8、3より大、4より大、5より大、6より大、7より大、8より大、9より大、または10より大である。さらに、本発明は、2,6−ジイソプロピルフェノールおよび一つまたはそれ以上の賦形剤を含む無菌の水性医薬組成物に対するものであり;組成物についてのプロポフォール赤血球血漿分配係数(K)は、同じ投与条件下で従来のプロポフォール乳濁液(例えば、ディプリバン(登録商標)またはプロポフロ(登録商標)またはラピノベット(登録商標))を投与することによって得られるKの少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、または少なくとも5倍である。加えて、本発明は、麻酔を必要とする患者にプロポフォールを投与する方法を含み、その方法は、上記の無菌の水性医薬組成物を、ヒトまたは動物の患者に投与することを含む。好ましくは、組成物は、二つまたはそれ以上の表面活性試薬(例えば、二つまたはそれ以上の界面活性剤)のような、二つまたはそれ以上の賦形剤を含む。好ましくは、組成物は、実質的にトリアシルグリセールを含まない。組成物はさらに、中鎖または長鎖脂肪酸またはリン脂質の他のグリセリルエステルを、実質的に含まない。一つの具体例として、組成物についてのプロポフォール赤血球血漿分配係数(K)は、従来のプロポフォール乳濁液を投与することによって得られるKの少なくとも約3倍である。他の具体例としては、本発明の組成物についてのプロポフォール赤血球血漿分配係数(K)は、少なくとも3倍、少なくとも4倍、または少なくとも5倍である。
【0080】
他の態様として、本発明は、薬剤、例えばプロポフォールのような医薬または治療薬または診断薬または予防薬を患者に投与またはデリバリーすることによって得られる、血漿赤血球分配係数を操作する方法に対するものである。血漿赤血球分配係数は、従来の薬剤組成物を患者に投与またはデリバリーすることによって得られる血漿赤血球分配係数から減少または増加し得る。別法として、組成物は、他の方法を用いて調製する組成物よりも、高いまたは低い血漿赤血球分配係数を生成する本発明の方法を用いて調製される。例えば、本発明の特定の処方は、プロポフォール組成物の投与またはデリバリーによる血漿赤血球分配係数を、ディプリバン(登録商標)注射用乳濁液の投与またはデリバリーによる血漿赤血球漿分配係数よりも、増加させる可能性がある。血漿赤血球分配係数は、例えば、従来の薬剤組成物の投与またはデリバリーによる血漿赤血球分配係数の2倍または3倍高い。
【0081】
該方法は、薬剤および一つまたはそれ以上の賦形剤を含む医薬組成物の調製を含み、その医薬組成物は、一つまたはそれ以上の脂質を含む、患者に対する投与またはデリバリーにおける血漿赤血球分配係数が低い他の組成物の脂質濃度より、低い脂質賦形剤の濃度を有する。一つの具体例として、薬剤は脂肪親和性である(すなわち、薬剤は、脂質に親和性を有し、結合しやすい傾向があり、溶解することができる。)。好ましい具体例としては、医薬組成物は二つまたはそれ以上の賦形剤を含む。好ましくは、組成物のうちの少なくとも一つの賦形剤は、界面活性剤を含むがそれだけには限定されないような表面活性試薬である。好ましい具体例としては、実質的にトリアシルグリセロールを含まない組成物を調製する。一つの具体例として、組成物は、本明細書で記述されている中鎖または長鎖脂肪酸またはリン脂質の他のグリセリルエステルを、実質的に含まない。一つの具体例として、医薬組成物は、実質的に脂質賦形剤を含まない。
【0082】
該方法は、血漿および赤血球の間の薬剤の分配に影響を与える脂質賦形剤の濃度を操作することを含む。例えば、脂質賦形剤の濃度を減少させて、赤血球に入る薬剤の量を増加させ、それによって血漿赤血球分配係数を増加させる。
あるいは、本発明の賦形剤および賦形剤濃度を、ディプリバン(登録商標)注射用乳濁液のような従来の薬物処方によってもたらされるのと類似した血漿赤血球分配係数をもたらす組成物の産出を操作し得る。賦形剤および賦形剤濃度はまた、従来の薬物処方によってもたらされるのより低い血漿赤血球分配係数をもたらす組成物の産出を操作し得る。
【0083】
投与された薬剤についての血漿赤血球分配係数を決定する方法は、当業者によく知られている。好ましくは、比較を目的とするプロポフォール赤血球血漿分配係数は、例えばディプリバン(登録商標)注射用乳濁液のような、従来のプロポフォール乳濁液の投与によって得られる。ディプリバン(登録商標)注射用乳濁液は、広く利用され、市販されている医薬品である。ディプリバン(登録商標)注射用乳濁液の組成物はまた本明細書で言明している。好ましくは、従来のプロポフォール乳濁液および本発明の組成物は、同じ条件下で投与される。当業者は、過度な実験なしに、適切な実験の条件を選び、プロポフォール赤血球血漿分配係数を決定することができる。
本発明を次の実施例を用いてさらに説明するが、これらは本発明の範疇を限定するものではない。本明細書を通じて引用された全ての参考文献の内容は、出典明示により本明細書の一部とする。
【実施例】
【0084】
実施例1
プロポフォールを含む組成物(処方A)を次のように調製した。約140mgのデオキシコール酸ナトリウム、200mgのポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、および100mgのD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩をガラス容器に加えた。精製した水を加え、続いて100mgプロポフォールを加えた。総容量が10ミリリットルになるように必要なだけ水を加えた。混合物を、室温で磁気攪拌棒を用いて、少なくとも4時間、24時間まで撹拌した。得られた組成物は肉眼で透明であり、目に見える固体は存在しなかった。
【0085】
実施例2
プロポフォールを含む組成物(処方B)を次のように調製した。約80mgのポロキサマー237、80mgのPEG−40ステアリン酸塩、および100mgのポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩をガラス容器に加えた。精製した水を加え、続いて100mgプロポフォールを加えた。総容量が10ミリリットルになるように必要なだけ水を加えた。混合物を、室温で磁気攪拌棒を用いて、少なくとも4時間、24時間まで撹拌した。得られた生成物は肉眼で透明であり、目に見える固体は存在しなかった。
【0086】
実施例3
プロポフォールを含む組成物(処方C)を次のように調製した。約500mgのPEG−400、350mgのPEG−40ステアリン酸塩、および35mgのポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩をガラス容器に加えた。精製した水を加え、続いて100mgプロポフォールを加えた。総容量が10ミリリットルになるように必要なだけ水を加えた。混合物を、室温で磁気攪拌棒を用いて、少なくとも4時間、24時間まで撹拌した。得られた生成物は肉眼で実質的に澄んでいるが、わずかにかすんでいた。
レーザー光散乱(LLS)粒径分析をゼータサイザー3000HS(Malvern Instruments Inc.Southborough、MA)を用いて行った。粒子の大きさは約100ナノメーター未満に決定された。
【0087】
実施例4
プロポフォールを含む組成物(処方D)を次のように調製した。約300mgのポロキサマー237、および600mgのPEG−400をガラス容器に加えた。精製した水を加え、続いて100mgプロポフォールを加えた。総容量が10ミリリットルになるように必要なだけ水を加えた。混合物を、室温で磁気攪拌棒を用いて、少なくとも4時間、24時間まで撹拌した。得られた生成物は、肉眼で無色であり、目に見える固体は存在しなかった。
【0088】
実施例5
プロポフォールを含む組成物(処方E)を次のように調製した。約200mgのデオキシコール酸ナトリウム、および500mgのD−α―トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩をガラス容器に加えた。精製した水を加え、続いて100mgプロポフォールを加えた。総容量が10ミリリットルになるように必要なだけ水を加えた。混合物を、室温で磁気攪拌棒を用いて、少なくとも4時間、24時間まで撹拌した。得られた生成物は、肉眼で無色であり、目に見える固体は存在しない。
【0089】
実施例6
プロポフォールを含む組成物(処方F)を次のように調製した。3.0gのポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、2.9gのプロピレングリコール、8.0gのPEG−400、10.0gのポロキサマー188、および0.4gのクエン酸を250mLの容積測定フラスコに加えた。イオンを除去した水を、150mLの目印まで加え、フラスコの内容物を3時間撹拌した。追加のイオンを除去した水を総容量が197.8mLになるまで加え、その溶液を1時間撹拌した。100%の純粋プロポフォール2.2mLをフラスコに加え、フラスコの内容物を少なくとも8時間(すなわち、全てのプロポフォールの小滴が溶解するまで)撹拌した。0.2ミクロンの大きさの孔のあるPVDFフィルターで、混合物を濾過した。得られた生成物は、肉眼で無色であった。HPLC分析では、プロポフォールの1%未満が濾過によって保持されたことを示した。HPLCアッセイでは1−2%の変動があるので、1%未満の損失は有意であるとは考えられない。レーザー光散乱(LLS)粒径分析をゼータサイザー3000HS(Malvern Instruments Inc.Southborough、MA)を用いて行った。粒子の大きさは、約20ないし100ナノメーターに決定された。処方Fの物理的安定性を、平均粒径を4週間の研究過程の間測定することによってモニターした。平均粒径は、最初は89±6ナノメーターと測定された。処方Fの試料を60℃で4週間保管した。期間の最後には、処方Fの平均粒径は84±6ナノメーターであった。
【0090】
実施例7
プロポフォールを含む処方C、D、およびFを、それぞれ実施例3、4および6のように調製した。組成物は、別々にガラス瓶に密封した。組成物を、それから、多様な環境条件に付した。逆相HPLC条件を以下の表1に示す。
【0091】
【表1】

HPLC分析に先立って、組成物を4週間指示された条件で保管した。HPLCはまた、最初に形成された組成物に対しても行った。4週間後のプロポフォール分解のパーセンテージの増加は、以下の表2に要約されている。
【0092】
【表2】

【0093】
分解物の分析は、プロポフォール組成物のような比較的安定な物質の短い期間での安定性を測定するための、最も感受性の高い方法である。温度は25℃から40℃の上昇は、後半の温度が反応の加速条件を表すのだが、それぞれの事例で酸化の量が増加した原因となった。検出された二つの分解産物はおそらくキノンおよび二量体である。このデータに基づくと、処方DおよびFに含まれるプロポフォールは、室温で4週間以上の期間安定性を有すると予測されている。処方Fの高温(すなわち40℃)安定性は、冷却条件下で約1ないし2年経過した後のプロポフォールの推定される安定性を示す。
【0094】
実施例8
プロポフォールを含む処方Fを、実施例6に示すように調製した。組成物の処方を別々にガラス瓶に密封し、指示された時間表3に示された温度で保管した。本試料のHPLC分析を、実施例7の方法を用いて実行した。表3は、時間および温度の関数として処方Fにおいて、HPLCによりピーク面積のパーセンテージとして測定された総分解物量を示す。
【0095】
【表3】

表3に提示されたデータは、処方Fの組成物が少なくとも3ヶ月は安定であるということを立証している。
【0096】
実施例9
プロポフォール処方CおよびDを同じ組成物で作り、実施例3(処方C)および4(処方D)のように同じ方法で調製した。それからこれらの組成物を、対照群としてのディプリバン(登録商標)注射用乳濁液(AstraZeneca)と共に、薬物動態図として生体内で評価した。
大人のスプレーグドーリーラットの雄をCharles River Canada、Inc.(St.Constant、Quebec、Canada)から入手した。使用の時点で、動物の体重はそれぞれ約250ないし290グラムであった。全体的な動物実験の計画は、表4に要約されている。
【0097】
【表4】

【0098】
処方を、頸静脈を介した静脈注射によって動物に投与した。イソフルラン麻酔下で、頸静脈穿刺によって約1分間(スロープッシュ)1mL/kgの用量で、処方を投与した。表4に示すように、一群4匹の二群に各処方を投与した。動物は、比較できる体重を基礎にして、研究群を満たすように無作為に選んだ
投与に続いて、投与前(すなわち、投与完了の直後)、投与の開始から2、3、5、7、10、および15分経過後に各動物から、麻酔下で頸静脈穿刺によって血液試料(0.25ないし0.40mL)を採取した。動物は投与の間も血液試料採取の間も、背臥位に維持した。
2、4、および6群由来の血液試料を−20℃(公称)でさらなる分析までの間保管した。1、3、および5群由来の血液試料を3200xgで4℃(公称)で10分間遠心分離機にかけた。得られた血漿試料を採取し、−20℃(公称)でさらなる分析までの間保管した。
投与および血液試料採取の間、動物を絶えず観察した。動物が腹臥位に戻るまでの時間を、麻酔の持続時間の指標として記録した。表5は、最初に動物が動くまでの平均時間および動物が腹臥位に戻るまでの時間を、標準偏差と共に評価した処方それぞれについて示す。
【0099】
【表5】

【0100】
全ての血漿および血液試料を、LC−MS/MSを用いてプロポフォール濃度について分析した。血漿および血液中のプロポフォールの薬物動態分析を、PhASTソフトウェアプログラム(Version2.3、Phoenix International Life Sciences、Inc、Saint−Laurent、Quebec、Canada)を用いて行った。
0および15分の間の濃度−時間曲線下面積(AUC0−15)は、乳濁液対照群と比較して、新しいプロポフォール組成物(すなわち、処方CおよびD)の投与の後の血漿では小さかった。プロポフォールクリアランス(CL)は、処方CおよびDおよび対照群の投与後、比較的類似していた。分配容量(Vss)の有意な増加が、血漿データ(表6)の処方CおよびDにおいて観察され、それは血漿から他の組織への薬物の分配を反映している。血漿中の分配容量および処方の粒径の間には逆相関関係があり;乳濁液対照群は、新しいプロポフォール組成物の粒子のサイズが100ナノメーターであったのに対して、マイクロメーターサイズの小滴を有していた。薬剤の存在下で各時点における全血のアッセイによって得られた血液データは、一当量の薬剤のマスバランスを示す各処方間(表7)の比較可能なパラメーターを示す。表6および7を総合したデータは、該処方の性質、特に粒径およびプロポフォールの水性溶媒に対するアベイラビリティは、脂肪高親和性薬剤の血漿血液分配を決定するのに重要な役割を果たすことを、強く示唆している。
【0101】
【表6】

【0102】
【表7】

【0103】
図1は、処方CおよびDおよびディプリバン乳濁液対照群をオスのラットに投与した後の、プロポフォールの平均血漿および血液濃度を示す。
ラットにおける赤血球(RBC)数の歴史的評価法を用いて、新しいプロポフォール組成物の例として、処方CおよびDについての濃度―時間曲線の下の面積(AUC0−15)および血漿赤血球分配係数(K)を得るために計算を行い、ディプリバン(登録商標)注射用乳濁液について行われた計算結果と比較した。処方CおよびDで赤血球内に封入されたプロポフォール画分は、乳濁液処方(表8)よりも著しく高いと思われる。図2は、オスのラットに対して処方Cおよびディプリバン(登録商標)注射用乳濁液を単回経静脈投与(10mg/kg)した後の、時間に対する赤血球(RBC)内の予測される平均プロポフォール濃度を示す。経静脈投与の後、新しい組成物のプロポフォールは、その取り込みと活性部位への輸送に関わる血液の脂質に富む領域に蓄積し、麻酔中に抗血小板活性および抗酸化活性をもたらすと思われる。全血および赤血球に対するプロポフォールの親和性は、麻酔の開始、深さおよび持続時間の重要な決定因子であるので、その結果は、プロポフォールの新しい組成物が生体内の薬剤の薬理活性を向上または最適にさえし得るという仮説を支持するものである。これらの結果はまた、麻酔中の物理的および血流力学的ストレスに対する赤血球の抵抗性の向上、外科手術後の赤血球数のより高い保存性、および外科手術における再還流傷害の減少のような付加的な利点は、本発明の新しいプロポフォール組成物の使用に関連していることを示している。
【0104】
【表8】

【0105】
実施例10
プロポフォールを含む組成物を次のように調製した。下に列挙した賦形剤をガラス容器に加えた。精製した水を加え、続いて少なくとも160mgプロポフォールを加えた。総容量が10ミリリットルになるように必要なだけ水を加えた。それぞれの賦形剤についての最終濃度を以下の括弧内に列挙している。混合物を、室温で磁気攪拌棒を用いて、少なくとも4時間、24時間まで撹拌した。得られた生成物は、肉眼で無色であり、目に見える固体は存在しなかった。
【0106】
1.塩化ベンザルコニウム(160mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml);
2.塩化ベンザルコニウム(160mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml);
3.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml);
4.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
5.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
6.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml);
7.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、PEG400(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml);
8.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
9.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml);
10.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
【0107】
11.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
12.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
13.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
14.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、サッカリンナトリウム(80mg/ml);
15.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー338(160mg/ml);
16.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
17.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー407(160mg/ml);
18.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
19.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
20.塩化ベンザルコニウム(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
【0108】
21.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(160mg/ml);
22.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml)、PEG400(80mg/ml);
23.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml);
24.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
25.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
26.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
27.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
28.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
29.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、クレモフォアEL(80mg/ml);
30.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、PEG400(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml);
【0109】
31.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、PEG400(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml);
32.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、PEG400(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
33.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、PEG400(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
34.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、PEG400(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
35.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、PEG400(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
36.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(160mg/ml);
37.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml);
38.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
39.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
40.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
【0110】
41.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
42.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
43.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
44.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー188(80mg/ml);
45.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(160mg/ml);
46.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
47.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
48.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
49.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
50.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
【0111】
51.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
52.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml);
53.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー338(160mg/ml);
54.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
55.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
56.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
57.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
58.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
59.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー407(160mg/ml);
60.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
【0112】
61.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
62.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
63.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
64.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
65.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
66.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
67.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
68.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
69.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポリソルベート80(160mg/ml)(80mg/ml);
70.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
【0113】
71.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
72.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
73.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
74.塩化ベンゼトニウム(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
75.クレモフォアEL(240mg/ml);
76.クレモフォアEL(160mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
77.クレモフォアEL(80mg/ml)、デオキシコール酸塩(飽和)、ポロキサマー237(80mg/ml);
78.クレモフォアEL(80mg/ml)、デオキシコール酸塩(飽和)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
79.クレモフォアEL(80mg/ml)、ポロキサマー407(160mg/ml);
80.デオキシコール酸塩(飽和)、ポロキサマー237(160mg/ml);
【0114】
81.デオキシコール酸塩(飽和)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
82.デオキシコール酸塩(飽和)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
83.デオキシコール酸塩(飽和)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
84.デオキシコール酸塩(飽和)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
85.デオキシコール酸塩(飽和)、ポロキサマー407(160mg/ml);
86.デオキシコール酸塩(飽和)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
87.デオキシコール酸塩(飽和)、ポリソルベート80(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
88.デオキシコール酸塩(飽和)、ビタミンETPGS(160mg/ml);
89.PEG400(80mg/ml)、ポロキサマー237(160mg/ml);
90.PEG400(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
【0115】
91.PEG400(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
92.PEG400(80mg/ml)、ポロキサマー407(160mg/ml);
93.ポロキサマー188(160mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml);
94.ポロキサマー188(160mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
95.ポロキサマー188(80mg/ml)、ポロキサマー237(160mg/ml);
96.ポロキサマー188(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
97.ポロキサマー188(80mg/ml)、ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
98.ポロキサマー188(80mg/ml)、ポロキサマー338(160mg/ml);
99.ポロキサマー188(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
100.ポロキサマー188(80mg/ml)、ポロキサマー407(160mg/ml);
【0116】
101.ポロキサマー237(240mg/ml);
102.ポロキサマー237(160mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml);
103.ポロキサマー237(160mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
104.ポロキサマー237(160mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
105.ポロキサマー237(160mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
106.ポロキサマー237(160mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
107.ポロキサマー237(160mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
108.ポロキサマー237(160mg/ml)、サッカリンナトリウム(80mg/ml);
109.ポロキサマー237(160mg/ml);
110.ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー338(160mg/ml);
【0117】
111.ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
112.ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー338(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
113.ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー407(160mg/ml);
114.ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
115.ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
116.ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
117.ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、サッカリンナトリウム(80mg/ml);
118.ポロキサマー237(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
119.ポロキサマー237(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ポリソルベート80(80mg/ml);
120.ポロキサマー237(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
【0118】
121.ポロキサマー237(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
122.ポロキサマー338(240mg/ml);
123.ポロキサマー338(160mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
124.ポロキサマー338(80mg/ml)、ポロキサマー407(160mg/ml);
125.ポロキサマー338(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
126.ポロキサマー338(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
127.ポロキサマー338(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
128.ポロキサマー338(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
129.ポロキサマー338(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml)、サッカリンナトリウム(80mg/ml);
130.ポロキサマー338(80mg/ml)、ポロキサマー407(80mg/ml);
【0119】
131.ポロキサマー338(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
132.ポロキサマー338(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
133.ポロキサマー407(240mg/ml);
134.ポロキサマー407(160mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml);
135.ポロキサマー407(160mg/ml)、ポリソルベート80(80mg/ml);
136.ポロキサマー407(160mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
137.ポロキサマー407(160mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
138.ポロキサマー407(160mg/ml)、サッカリンナトリウム(80mg/ml);
139.ポロキサマー407(160mg/ml);
140.ポロキサマー407(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40(160mg/ml);
141.ポロキサマー407(80mg/ml)、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ポリソルベート80(80mg/ml);
142.ポロキサマー407(80mg/ml)、ポリソルベート80(160mg/ml);
143.ステアリン酸ポリオキシエチレン40(80mg/ml)、ポリソルベート80(160mg/ml);
144.ポリソルベート80(160mg/ml)、ビタミンETPGS(80mg/ml);
145.ポリソルベート80(160mg/ml);
146.ポリソルベート80(80mg/ml)、プロピレングリコール(160mg/ml);
147.ポリソルベート80(80mg/ml)、プロピレングリコール(80mg/ml);
148.ポリソルベート80(80mg/ml)。
【0120】
次の賦形剤の次の組み合わせは、少なくとも24mg/mlのプロポフォールを溶解した。
a)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237;
b)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237、プロピレングリコール;
c)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237、サッカリンナトリウム;
d)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237;
e)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー407;
f)ポロキサマー237、ポロキサマー237;ポロキサマー237、ポロキサマー407;およびポロキサマー407
【0121】
実施例11
プロポフォールを含む組成物を次のように調製した。下に列挙した賦形剤をガラス容器に加えた。精製した水を加え、続いて100mgのプロポフォールおよび20mgのクエン酸を加えた。総容量が10ミリリットルになるように必要なだけ水を加えた。それぞれの賦形剤についての最終パーセント濃度(重量/容量)を以下の括弧内に列挙している。混合物を、室温で磁気攪拌棒を用いて、少なくとも4時間、24時間まで撹拌した。得られた生成物は、肉眼で無色であり、目に見える固体は存在しなかった。
【0122】
1.ポロキサマー188(8%)、ポリエチレングリコール400(4%)、プロピレングリコール(1%)
2.ポロキサマー188(8%)、ポリエチレングリコール400(3%)、プロピレングリコール(1%)
3.ポロキサマー188(8%)、ポリエチレングリコール400(2%)、プロピレングリコール(1%)
4.ポロキサマー188(8%)、ポリエチレングリコール400(3%)
5.ポロキサマー188(8%)、ポリエチレングリコール400(2%)
6.ポロキサマー188(8%)、ポリエチレングリコール400(4%)
7.ポロキサマー188(7%)、ポリエチレングリコール400(3%)、プロピレングリコール(1%)
8.ポロキサマー188(7%)、ポリエチレングリコール400(3%)
9.ポロキサマー188(7%)、ポリエチレングリコール400(2%)、プロピレングリコール(1%)
10.ポロキサマー188(7%)、ポリエチレングリコール400(2%)
11.ポロキサマー188(6%)、ポリエチレングリコール400(4%)、プロピレングリコール(1%)
12.ポロキサマー188(6%)、ポリエチレングリコール400(4%)、プロピレングリコール(2%)
13.ポロキサマー188(9%)、ポリエチレングリコール400(2%)。
実施例11のプロポフォールを含む組成物はまた、0.45(重量/容量)%のベンジルアルコールを含み得る。
【0123】
実施例12
生体内でのTPI―213F(1重量%プロポフォール、5重量%のポロキサマー188、4重量%のPEG400、1.5重量%のポリソルベート80、1重量%のプロピレングリコール、および2mg/mlのクエン酸)の溶血作用を、新鮮なヒトの全血を用いて評価した。この研究は、MDS Pharma Services(モントリオール、カナダ)で行われた。血液は、性別は混合し、血液型は区別して二人の人間のボランティアから得た。血液試料を集め、ディプリバン(登録商標)またはTPI―213Fの貯蔵液を血漿中に加えて最終濃度を10μg/mLとした。食塩水対照群を、赤血球の自己溶解を確認するために検査した。全ての試料を37℃でインキュベートした。インキュベート開始から15分、45分、および1時間、1.5時間および2時間後、全血のアリコート(3部)を各試料から取り出し、3200xgで10分間遠心分離して血漿を得た。血漿試料は、415nmにおける吸光度を測定することによって、ヘモグロビン容量について分析した。
【0124】
ヘモグロビン容量決定に先立った視覚的な溶血の評価では、インキュベーション開始2時間後の全てのディプリバン(登録商標)試料において溶血の形跡があることが示された。対照的に、あらゆる時点のどのTPI―213F試料についても、視覚的に溶血の形跡は観察されなかった。
ディプリバン(登録商標)およびTPI―213Fの量を増加させたインキュベーション後の、血漿中の平均ヘモグロビン濃度を測定した。視覚的な評価観察と一致して、TPI―213Fは、あらゆる時点においてディプリバン(登録商標)と比べて低い(p<0.05、スチューデントt試験)ヘモグロビン濃度を示した。これは、TPI―213Fがディプリバン(登録商標)よりも、赤血球に対して穏やかに作用することを示す。
食塩水でインキュベートした後の血漿中のヘモグロビン濃度は、経時的な赤血球の自己融解から基準線を確立した。この基準線と比較して、TPI―213F関連試料は、より低い(p<0.025、スチューデントt試験)溶血量を示し、これはTPI―213F中の構成要素が赤血球の細胞膜に対する安定化効果を有することを指し示した。対照的に、全てのディプリバン(登録商標)試料は、遅い時点(インキュベーション開始1時間後、p<0.05)においては食塩水より高い溶血量を示した。
【0125】
実施例13
TPI―213M(1%(重量/容量)のプロポフォール、8%(重量/容量)のポロキサマー188、3%(重量/容量)のPEG400、1%(重量/容量)のプロピレングリコール、20mg/mlのクエン酸、0.45%(重量/容量)のベンジルアルコール)およびラピノベット(現在市販されている脂質を主とした乳濁液)を比較するために、ビーグル犬(体重8−10kg)でMDS Pharma Servicesで薬物動態実験が行われた。全ての動物を、確立されたガイドラインおよび原則に従って扱った。全ての処方の投与が、留置カテーテルを通じて約1分間かけたスロープッシュでなされた。全てのイヌが、次のような交差設計で同じ投与計画を受けた。
【0126】
【表9】

【0127】
投与の後、血液試料を様々な時点で採取した。血液のアリコートを分析のために取り出し、残った血液を3200g4℃で10分間遠心分離した。生じた血漿試料を採取し、プロポフォールの分析のためにー20℃で保存した。
TPI―213Fおよびラピノベットについて算出した薬物動態パロメーターを表10に示す。TPI―213Fは、ラピノベットと比較して同様の血漿濃度を示し、このことは、TPI―213Fがラピノベットと生物学的に等価であることを示唆した。両処方はまた、血漿中と同じように血液中でも同様のプロポフォール濃度およびAUC評価値を示し、このことは、どちらの処方からもイヌの赤血球に対する選択的分配はないことを示唆した。これはラットにおいてみられたことと異なり、腫に関係した赤血球分配の相違を指し示している。
【0128】
【表10】

AUC0→∞:0から無限大までの時間の濃度対時間曲線下面積
1/2:最終半減期
dss:見かけ分配容量
CL:血漿または血液のクリアランス

この薬物動態研究の間、イヌはまた、二つの処方、すなわち睡眠時および完全覚醒時の薬理作用についても観察した。そのデータは、TPI―213Mがラピノベットと同じ薬理作用を有することを示唆する。
【0129】
本発明をその好ましい具体例を参考にして具体的に記載するが、当業者であれば添付した特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲から逸脱することなく、その形式および細部について様々な変化を加え得ることが、理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロポフォールおよび一つまたはそれ以上の賦形剤を含む水性医薬組成物。
【請求項2】
一つまたはそれ以上の賦形剤が、本質的にGRAS賦形剤、精製ポロキサマー、酢酸アンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブリッジ35、ブリッジ97、カルシウムグルセプテート、クロロブタンOL、クエン酸、クレモフォアEL、デオキシコール酸塩、ジエタノールアミン、エタノール、γ―シクロデキストリン、グリセリン、ラクトビオン酸、リシン、塩化マグネシウム、メチルパラベン、PEG1000、PEG300、PEG3350、PEG400、PEG600、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン100、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ステアリン酸ポリオキシエチレン50、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポビドン、プロピレングリコール、酢酸ナトリウム、ビタミンETPGS、安息香酸ナトリウム、および酒石酸ナトリウムからなる群から選ばれるところの請求項1記載の組成物。
【請求項3】
一つまたはそれ以上の賦形剤が、
a)塩化ベンザルコニウム、クレモフォアEL;
b)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237;
c)塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237;
d)塩化ベンザルコニウム、クレモフォアEL、ポリソルベート80;
e)塩化ベンザルコニウム、クレモフォアEL、プロピレングリコール;
f)塩化ベンザルコニウム、クレモフォアEL;
g)塩化ベンザルコニウム、PEG400、ポロキサマー237;
h)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー188、ポロキサマー338;
i)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー188;
j)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
k)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237、ポリソルベート80;
l)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237、プロピレングリコール;
m)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237、ビタミンETPGS;
n)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237、サッカリンナトリウム;
o)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー338;
p)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー338;
q)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー407;
r)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
s)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー407、ポリソルベート80;
t)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー407、ビタミンETPGS;
u)塩化ベンゼトニウム、クレモフォアEL;
v)塩化ベンゼトニウム、クレモフォアEL、PEG400;
w)塩化ベンゼトニウム、クレモフォアEL、ポロキサマー237;
x)塩化ベンゼトニウム、クレモフォアEL、ポロキサマー338;
y)塩化ベンゼトニウム、クレモフォアEL、ポロキサマー407;
z)塩化ベンゼトニウム、クレモフォアEL、ポリソルベート80;
aa)塩化ベンゼトニウム、クレモフォアEL、プロピレングリコール;
bb)塩化ベンゼトニウム、クレモフォアEL、ビタミンETPGS;
cc)塩化ベンゼトニウム、クレモフォアEL;
dd)塩化ベンゼトニウム、PEG400、ポロキサマー188;
ee)塩化ベンゼトニウム、PEG400、ポロキサマー237;
ff)塩化ベンゼトニウム、PEG400、ポロキサマー338;
gg)塩化ベンゼトニウム、PEG400、ポロキサマー407;
hh)塩化ベンゼトニウム、PEG400、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
ii)塩化ベンゼトニウム、PEG400、ポリソルベート80;
jj)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー188;
kk)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー188、ポロキサマー237;
ll)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー188、ポロキサマー338;
mm)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー188、ポロキサマー407;
nn)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー188、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
oo)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー188、ポリソルベート80;
pp)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー188、プロピレングリコール;
qq)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー188、ビタミンETPGS;
rr)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー188;
ss)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237;
tt)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237、ポロキサマー338;
uu)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237、ポロキサマー407;
vv)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
ww)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237、ポリソルベート80;
xx)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237、プロピレングリコール;
yy)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237、ビタミンETPGS;
zz)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237;
aaa)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー338;
bbb)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー338、ポロキサマー407;
ccc)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー338、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
ddd)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー338、ポリソルベート80;
eee)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー338、ビタミンETPGS;
fff)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー338;
ggg)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー407;
hhh)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
iii)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー407、ポリソルベート80;
jjj)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー407、プロピレングリコール;
kkk)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー407、ビタミンETPGS;
lll)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー407;
mmm)塩化ベンゼトニウム、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ポリソルベート80;
nnn)塩化ベンゼトニウム、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、プロピレングリコール;
ooo)塩化ベンゼトニウム、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ビタミンETPGS;
ppp)塩化ベンゼトニウム、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
qqq)塩化ベンゼトニウム、ポリソルベート80;
rrr)塩化ベンゼトニウム、ポリソルベート80、プロピレングリコール;
sss)塩化ベンゼトニウム、ビタミンETPGS;
ttt)塩化ベンゼトニウム、ポリソルベート80;
uuu)塩化ベンゼトニウム、プロピレングリコール、ビタミンETPGS;
vvv)塩化ベンゼトニウム、ビタミンETPGS;
www)クレモフォアEL;
xxx)クレモフォアEL、ポリソルベート80;
yyy)クレモフォアEL、デオキシコール酸塩、ポロキサマー237;
zzz)クレモフォアEL、デオキシコール酸塩、ビタミンETPGS;
aaaa)クレモフォアEL、ポロキサマー407;
bbbb)デオキシコール酸塩、ポロキサマー237;
cccc)デオキシコール酸塩、ポロキサマー237、ポロキサマー338;
dddd)デオキシコール酸塩、ポロキサマー237、ポロキサマー407;
eeee)デオキシコール酸塩、ポロキサマー237、ポリソルベート80;
ffff)デオキシコール酸塩、ポロキサマー237、ビタミンETPGS;
gggg)デオキシコール酸塩、ポロキサマー407;
hhhh)デオキシコール酸塩、ポロキサマー407、ポリソルベート80;
iiii)デオキシコール酸塩、ポリソルベート80、ビタミンETPGS;
jjjj)デオキシコール酸塩、ビタミンETPGS;
kkkk)PEG400、ポロキサマー237;
llll)PEG400、ポロキサマー237、ポロキサマー338;
mmmm)PEG400、ポロキサマー237、ポロキサマー407;
nnnn)PEG400、ポロキサマー407;
oooo)ポロキサマー188、ポロキサマー237;
pppp)ポロキサマー188、ポロキサマー407;
qqqq)ポロキサマー188、ポロキサマー237;
rrrr)ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338;
ssss)ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー407;
tttt)ポロキサマー188、ポロキサマー338;
uuuu)ポロキサマー188、ポロキサマー338、ポロキサマー407;
vvvv)ポロキサマー188、ポロキサマー407;
wwww)ポロキサマー237;
xxxx)ポロキサマー237、ポロキサマー338;
yyyy)ポロキサマー237、ポロキサマー407;
zzzz)ポロキサマー237、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
aaaaa)ポロキサマー237、ポリソルベート80;
bbbbb)ポロキサマー237、プロピレングリコール;
ccccc)ポロキサマー237、ビタミンETPGS;
ddddd)ポロキサマー237、サッカリンナトリウム;
eeeee)ポロキサマー237;
fffff)ポロキサマー237、ポロキサマー338;
ggggg)ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407;
hhhhh)ポロキサマー237、ポロキサマー338、ビタミンETPGS;
iiiii)ポロキサマー237、ポロキサマー407;
jjjjj)ポロキサマー237、ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
kkkkk)ポロキサマー237、ポロキサマー407、ポリソルベート80;
lllll)ポロキサマー237、ポロキサマー407、プロピレングリコール;
mmmmm)ポロキサマー237、ポロキサマー407、サッカリンナトリウム;
nnnnn)ポロキサマー237、ポロキサマー407;
ooooo)ポロキサマー237、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ポリソルベート80;
ppppp)ポロキサマー237、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ビタミンETPGS;
qqqqq)ポロキサマー237、ポリソルベート80;
rrrrr)ポロキサマー338;
sssss)ポロキサマー338、ポロキサマー407;
ttttt)ポロキサマー338、ポロキサマー407;
uuuuu)ポロキサマー338、ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
vvvvv)ポロキサマー338、ポロキサマー407、ポリソルベート80;
wwwww)ポロキサマー338、ポロキサマー407、プロピレングリコール;
xxxxx)ポロキサマー338、ポロキサマー407、ビタミンETPGS;
yyyyy)ポロキサマー338、ポロキサマー407、サッカリンナトリウム;
zzzzz)ポロキサマー338、ポロキサマー407;
aaaaaa)ポロキサマー338、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ポリソルベート80;
bbbbbb)ポロキサマー338、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ビタミンETPGS;
cccccc)ポロキサマー407;
dddddd)ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
eeeeee)ポロキサマー407、ポリソルベート80;
ffffff)ポロキサマー407、プロピレングリコール;
gggggg)ポロキサマー407、ビタミンETPGS;
hhhhhh)ポロキサマー407、サッカリンナトリウム;
iiiiii)ポロキサマー407;
jjjjjj)ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン40;
kkkkkk)ポロキサマー407、ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ポリソルベート80;
llllll)ポロキサマー407、ポリソルベート80;
mmmmmm)ステアリン酸ポリオキシエチレン40、ポリソルベート80;
nnnnnn)ポリソルベート80、ビタミンETPGS;
oooooo)ポリソルベート80;
pppppp)ポリソルベート80、プロピレングリコール12;
qqqqqq)ポリソルベート80、プロピレングリコール;
rrrrrr)ポリソルベート80;
ssssss)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237;
tttttt)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237、プロピレングリコール;
uuuuuu)塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー237、サッカリンナトリウム;
vvvvvv)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー237;
wwwwww)塩化ベンゼトニウム、ポロキサマー407;
xxxxxx)ポロキサマー237、ポロキサマー237;
yyyyyy)ポロキサマー237、ポロキサマー407;
zzzzzz)ポロキサマー407;
aaaaaaa)デオキシコール酸ナトリウム、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;
bbbbbbb)ポロキサマー237、PEG−40ステアリン酸塩、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩;
ccccccc)PEG400、PEG−40ステアリン酸塩、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩;
ddddddd)ポロキサマー237、PEG400、;
eeeeeee)デオキシコール酸ナトリウム、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩;
fffffff)ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、プロピレングリコール、PEG−400、ポロキサマー188、クエン酸;
ggggggg)ポロキサマー188、PEG400;
hhhhhhh)ポロキサマー188、PEG400、プロピレングリコール;
またはiiiiiii)ポロキサマー188、PEG400、プロピレングリコール、ツゥイーン
からなる群から選ばれるところの請求項1記載の組成物。
【請求項4】
a)プロポフォールが約0.5から10%(重量/容量)の濃度で存在し;
b)プロポフォールが約0.5から5%(重量/容量)の濃度で存在し;
c)プロポフォールが約1から3%(重量/容量)の濃度で存在し;または
d)プロポフォールが約1%(重量/容量)の濃度で存在する;
ところの請求項1記載の組成物。
【請求項5】
a)賦形剤が約0.1から25%(重量/容量)の濃度で存在し;
b)賦形剤が約0.5から10%(重量/容量)の濃度で存在し;または
c)賦形剤が約1から5%(重量/容量)の濃度で存在する;
ところの請求項1記載の組成物。
【請求項6】
a)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188、ポリエチレングリコール400およびプロピレングリコールを含む組成物;
b)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188およびポリエチレングリコール400を含む組成物;
c)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(8% 重量/容量)、ポリエチレングリコール400(4% 重量/容量)およびプロピレングリコール(1% 重量/容量)を含む組成物;
d)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(8% 重量/容量)、ポリエチレングリコール400(3% 重量/容量)およびプロピレングリコール(1% 重量/容量)を含む組成物;
e)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(8% 重量/容量)、ポリエチレングリコール400(2% 重量/容量)およびプロピレングリコール(1% 重量/容量)を含む組成物;
f)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(8% 重量/容量)およびポリエチレングリコール400(3% 重量/容量)を含む組成物;
g)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(8% 重量/容量)およびポリエチレングリコール400(2% 重量/容量)を含む組成物;
h)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(8% 重量/容量)およびポリエチレングリコール400(4% 重量/容量)を含む組成物;
i)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(7% 重量/容量)、ポリエチレングリコール400(3% 重量/容量)およびプロピレングリコール(1% 重量/容量)を含む組成物;
j)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(7% 重量/容量)およびポリエチレングリコール400(3% 重量/容量)を含む組成物;
k)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(7% 重量/容量)、ポリエチレングリコール400(2% 重量/容量)およびプロピレングリコール(1% 重量/容量)を含む組成物;
l)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(7% 重量/容量)およびポリエチレングリコール400(2% 重量/容量)を含む組成物;
m)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(6% 重量/容量)、ポリエチレングリコール400(4% 重量/容量)およびプロピレングリコール(1% 重量/容量)を含む組成物
n)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(6% 重量/容量)、ポリエチレングリコール400(4% 重量/容量)およびプロピレングリコール(2% 重量/容量)を含む組成物;または
o)(i)さらに、クエン酸、エデト酸ジナトリウム、メタ重硫酸塩、ベンジルアルコール、抗酸化剤、保存薬、抗菌薬または殺菌剤から選ばれる一つまたはそれ以上の化合物を含む
ところのポロキサマー188(9% 重量/容量)およびポリエチレングリコール400(2% 重量/容量)を含む組成物;
であるところの請求項1記載の組成物。
【請求項7】
a)組成物が25、40または60℃において4週間安定であり;
b)組成物が25、40または60℃において8週間安定であり;または
c)組成物が25、40または60℃において12週間安定である;
ところの請求項1記載の組成物。
【請求項8】
a)組成物が直径25および200nmの間の粒径を有し;
b)組成物が直径50および100nmの間の粒径を有し;または
c)組成物が同様の粒径の粒子を形成する;
ところの請求項1記載の組成物。
【請求項9】
a)組成物が微生物の増殖を促進せず;
b)組成物が殺菌性であり;または
c)組成物が、スタフィロコッカス・アウレウスATCC6538、エシェリキア・コリATCC8739、シュードモナス・アエルギノーザATCC9027およびカンジダ・アルビカンスATCC10231を、少なくとも24時間の間で、10倍以下で増殖させるのに十分である;
ところの請求項1記載の組成物。
【請求項10】
a)(i)その生物学的等価活性がイヌにおいて立証され;
(ii)その生物学的等価活性がヒトにおいて立証されている
ところの、市販の脂質を基剤とする麻酔製剤と機能的に生物学的に等価であるか;または
b)(i)組成物についての分配係数が2および4の間である
ところの、市販の脂質を基剤とする麻酔製剤よりも、高い赤血球血漿分配係数を有する;
ところの請求項1記載の組成物。
【請求項11】
a)酸;
b)塩基;
c)局所麻酔薬;
d)二次全身麻酔薬;
e)抗菌薬;
f)界面活性剤;
g)(i)グリセロールである
ところの等張化修飾剤;
h)pH修飾剤;
i)第二、第三、第四、第五または第六の賦形剤
をさらに含む請求項1記載の組成物。
【請求項12】
a)脂質、長鎖脂肪酸、トリアシルグリセロール、またはグリセロールエステル;
b)抗菌薬;
またはc)保存薬
を実質的に含まないところの請求項1記載の組成物。
【請求項13】
賦形剤が精製されたポロキサマーであり、
a)その精製ポロキサマーが、約5および1の間、約4および1の間、約3および1の間、約2および1の間、または約1.1および1の間の多分散値を有している;
ところの請求項1記載の組成物。
【請求項14】
a)プロポフォールが約0.5から1.5%(重量/容量)の濃度で存在し;
b)プロポフォールが約0.9から1.1%(重量/容量)の濃度で存在し;
c)組成物がD−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩を約1から5%(重量/容量)の濃度で含み;
d)組成物が、デオキシコール酸ナトリウムを約1.5から6%(重量/容量)の濃度で含み;
e)組成物が、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩、およびデオキシコール酸ナトリウムを約15%(重量/容量)またはそれ未満の総濃度で含み;
f)組成物が、クエン酸またはその塩を少なくとも約0.1%(重量/容量)の濃度で含み;
g)組成物が、水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩、デオキシコール酸ナトリウムを含み、等張化修飾剤およびpH調整剤を含んでいてもよく;
h)組成物が、水、2,6−ジイソプロピルフェノール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩、デオキシコール酸ナトリウムを含み、クエン酸またはその塩を含んでいてもよく;
i)組成物が、約0.5から2.4%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約1から15%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、約0.5から15%(重量/容量)のD−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩、および約1から15%(重量/容量)のデオキシコール酸ナトリウムを含み;
j)組成物が、約0.5から2.4%(重量/容量)の2,6−ジイソプロピルフェノール、約2から15%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、約0.5から15%(重量/容量)のポロキサマー237、および約1から15%(重量/容量)のステアリン酸ポリオキシエチレン40を含み;
k)賦形剤が、約3から7%(重量/容量)の濃度のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩であり;
l)賦形剤が、約1から5%(重量/容量)の濃度のポロキサマー237であり;
m)賦形剤が、約1.5から6%(重量/容量)の濃度のステアリン酸ポリエチレングリコール40であり;
n)組成物が、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポロキサマー237、およびステアリン酸ポリエチレングリコール40を、約15%(重量/容量)またはそれ未満の総濃度で含み;
o)組成物が、水、プロポフォール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポロキサマー237、ステアリン酸ポリエチレングリコール40を含み、等張化修飾剤およびpH調整剤を含んでいてもよく;
p)組成物が、プロポフォール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポロキサマー237、ステアリン酸ポリエチレングリコール40を含み、クエン酸またはその塩を含んでいてもよく;
q)組成物が、約0.5から2.4%(重量/容量)のプロポフォール、約2から15%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、約0.5から15%(重量/容量)のポロキサマー237、および約1から15%(重量/容量)のポリエチレングリコール40を含み;
r)組成物が、約0.5から2.4%(重量/容量)のプロポフォール、約2から15%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、約2から20%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約0.1から15%(重量/容量)のステアリン酸ポリエチレングリコール40を含み;
s)組成物が、水、プロポフォール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポリエチレングリコール400、ステアリン酸ポリエチレングリコール40を含み、等張化修飾剤およびpH調整剤を含んでいてもよく;
t)組成物が、水、プロポフォール、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、ポリエチレングリコール400、ステアリン酸ポリエチレングリコール40を含み、クエン酸またはその塩を含んでいてもよく;
u)組成物が、約0.5から2.4%(重量/容量)のプロポフォール、約2から15%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、約2から20%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約0.1から15%(重量/容量)のステアリン酸ポリエチレングリコール40を含み;
v)組成物が、約0.5から2.4%(重量/容量)のプロポフォール、約3から20%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約1から15%(重量/容量)のポロキサマー237を含み;
w)組成物が、約0.5から2.4%(重量/容量)のプロポフォール、約3から20%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約1から15%(重量/容量)のポロキサマー237を含み;
x)組成物が、約0.5から2.4%(重量/容量)のプロポフォール、約1から15%(重量/容量)のデオキシコール酸ナトリウム、および約2から15%(重量/容量)のD−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩を含み;
y)組成物が、約0.5から2.4%(重量/容量)のプロポフォール、約0.5から15%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、約0.5から15%(重量/容量)のプロピレングリコール、約1から20%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約2から15%(重量/容量)のポロキサマー188を含み;
z)組成物が、約0.5から2.4%(重量/容量)のプロポフォール、約0.5から15%(重量/容量)のポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレイン酸塩、約0.5から15%(重量/容量)のプロピレングリコール、約1から20%(重量/容量)のポリエチレングリコール400、および約2から15%(重量/容量)のポロキサマー188を含む
ところの請求項1記載の組成物。
【請求項15】
プロポフォールおよび少なくとも一つの賦形剤を含む水性組成物を、患者に投与することを含む、治療を必要とする患者の治療法。
【請求項16】
a)容器が、ガラス瓶または袋であり;
b)容器に針を入れることができ;
c)組成物が微生物の増殖に抵抗性であり;
d)組成物が動物に投与される
ところの、プロポフォールおよび少なくとも一つの賦形剤の水性組成物を含む複数回使用の容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−144161(P2011−144161A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−265559(P2010−265559)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【分割の表示】特願2005−505627(P2005−505627)の分割
【原出願日】平成15年7月29日(2003.7.29)
【出願人】(510315135)セントコー・オーソ・バイオテック・インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Centocor Ortho Biotech Inc.
【Fターム(参考)】