説明

水槽組立体

【課題】摩耗、破損を受けやすい水槽出口弁や操作ノブ又はレバーが不要な水槽組立体の提供。
【解決手段】水槽蓋と水槽基底部からなる水槽ハウジング12と、水槽ハウジング12に枢動可能に取り付けられた水槽部材11と、水槽部材に付随し、水槽部材を水槽ハウジングに対し相対的に枢動させて蓄えられた水を排出する起動手段とからなり、水槽部材11は水を貯水する鉢を形成する基底壁14と、水を室から排水する通路15,16を有し、通路15,16は内部入口24,25と水槽出口26,27を有し、通路から水をサイホンで排出するような形状をしている。駆動手段は、水槽部材11を傾け、通路15,16を通じて排水を開始させ、水槽部材11が枢動し、通路15,16が室の貯水面以下に移動した場合に、室内の空気が通路に入り水がそれ以上通路に水が引き込まれないようになるまで、水が通路15,16から水槽出口26,27に引き込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗トイレ及び便器システムに関し、他の用途も除外しないが、特に水洗トイレ用水槽の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
水洗トイレシステムは、水槽からトイレの容器への水の速い通過により作動し、水はその後地下の排水管へと流れる。水は水槽に蓄えられる。水は水槽から、水洗機構の起動により解放される。水は水槽出口を通過して容器に入る。従来のシステムでは、水が水槽から排出されると出口弁が出口を再封鎖し、主水源からの水が水槽を再充填する。
【0003】
従来型の水槽出口弁は、摩耗や破損を受けやすく、密封効果が十分でなく、その結果下水システムへの漏水や水の損失を招いている。特許文献1は水槽容器、内部水槽部材からなる水槽システムを開示している。水洗はサイホン機構に依存し、内部水槽部材を傾けることにより起動する。この単純な水槽は、水槽出口弁を不要とし、保守の必要が減少する。
【0004】
簡単な水槽システムの設計は、内部水槽部材が傾いて水洗を起動する場合の水の排出遅れを補償する手助けとなる、1つの浮きラッチを必要とする。これは結果的に追加の部品と必要とし、複雑さとコストを増大する。
【0005】
更に、その水槽は操作ノブ又はレバーを必要とする。1つの形態では、操作ノブは水槽の前面から突出し、不便である。さらに突出する操作ノブが必要なため、その水槽は密閉した(壁の中に)ユニットの用途に適さない。
【0006】
(本発明の目的)
本発明の目的は、少なくとも部分的に上記の欠点を克服する、水槽組立体を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO 2009/039561
【発明の概要】
【0008】
本発明は広く言えば、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられ、枢動位置の間を平衡位置を経由して移動可能な1つの水槽部材と、
水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、室から水を排出する1つの通路と、を有し、
通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
内部入口は、水槽部材が枢動位置の1つに有る時、水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
水槽部材に随伴し、水槽部材を水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、水槽部材が枢動し、通路が室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、室の空気が通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、である。
水槽ハウジングは好適には、水槽蓋と水槽基底部を有する。
【0009】
他の側面では本発明は広く言えば、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられ、枢動位置の間を平衡位置を経由して移動可能な1つの水槽部材と、
水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、室から水を排出する1つの通路と、を有し、
通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路内の静水圧が室内の大気圧より低い場合、それにより通路を通じて水をサイホン作用で吸い込ませるような形状を有し、
内部入口は、水槽部材が枢動位置の1つに有る時、水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
水槽部材に随伴し、水槽部材を水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、水槽部材が枢動し、通路が室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、室の空気が通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体である。
【0010】
水槽ハウジングは好適には水槽蓋と水槽基底部を有する。
通路は好適には実質的にU字形である。
通路は好適には室の内部に形成される第1の部位と、室の外部に形成される第2の部位からなる。第1の部位と第2の部位は、内部入口と水槽出口との間の連続的な液体の伝達を可能にする。
好適には第1の部位は1つの内部側壁と基底壁により形成され、第2の部位は外部側壁と基底壁より形成される。第1の部位と第2の部位が会合するところには実質的にU字形の部分がある。
第1の部位と実質的にU字形の部分と第2の部位とは、好適には1つの連続する通路を形成する。好適には、第1の部位と実質的にU字形の部分と第2の部位とは、実質的に同じ内部寸法を有する。
【0011】
好適には、水槽部材が枢動の位置にある時は、水槽出口は実質的に水槽部材の枢動垂直線の上または近傍にある。
好適には、水槽部材が枢動の位置にある時は、内部入口と水槽出口は実質的に水槽部材の枢動垂直線の上または近傍にある。
好適には、水槽部材が枢動の位置にある時は、内部入口と水槽出口はそれぞれ実質的に水槽部材の最下点にあり、水槽出口は実質的に水槽ハウジングの出口に隣接している。
【0012】
ある実施形態では、内側壁は室と通路の間に1つの孔を有し、それにより排出される水の量を制限する。他の実施形態では、内側壁は可動シールの付いた複数の孔を有する。この実施形態では選択されたシールが取り除かれ、或いは破壊されて、画定された量の水を排出する。
他の実施形態では、内側壁は複数の孔を有し、既定の量の水を画定する複数の孔は開いた状態に維持され、一方少ない量の水を画定する孔はシールで閉ざされる。
【0013】
室は好適には既定の水量を蓄える。室は好適には水槽入口手段を経由して既定の水量を蓄える。
好適には、水槽部材は異なる量の貯水が室から排出されるため複数の通路を有する。さらに好適には、室から排出される貯水の2つの異なる量の選択を可能にするため、水槽部材は2つの通路を有する。
【0014】
2つの通路のある実施形態では、第1の通路が室から排出される貯水の実質的に全ての量を可能にし、第2の通路が室から排出される貯水の実質的に半分の量を可能にする。この実施形態では、1つの内側壁が、室から排出される貯水の実質的に半分だけの量を可能にする1つの孔を有する。この実施形態では孔は第2の内側壁の中間に位置する。
【0015】
好適には、第1の通路と第2の通路は水槽部材の反対側に位置する。
ある側面では水槽部材は好適には反円の断面を有する。
水槽部材は好適には水槽ハウジングに枢動可能に取り付けられる。
水槽部材は好適には、水槽部材の中心と枢動点を結ぶ中心線である1つの垂直軸のまわりを枢動する。水槽部材は好適には水槽部材の枢動点の回りで垂直平面内を回転することが可能である。
【0016】
水槽部材は好適には形状が実質的に反円形でその重心は枢動点より低い。水槽部材の重心が枢動点より低いある実施形態では、水槽部材は実質的に水を排出して空になった場合、枢動位置から戻って真直ぐな位置に戻る。
好ましい側面では、水槽部材は、実質的に平らな部分、又は水槽部材の垂直軸に対し対称に配置される実質的に凸の部分、を有する。
【0017】
本発明はさらに、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、室から水を排出する1つの通路と、を有し、
水槽部材は、水槽部材が直立な位置にあるときは、水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称な、実質的に平らな又は実質的に凸の部位を有し、
通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
内部入口は、水槽部材が枢動位置の1つに有る時、水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
水槽部材に随伴し、水槽部材を水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、水槽部材が枢動し、通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が通路に侵入し、空気が水の通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、通路から水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、を提供する。
【0018】
さらに好ましい側面では、水槽部材の基底壁は実質的に平らな、実質的に凸の部分を有する。ある側面では、水槽部材は水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称な実質的に平らな部分を有する。他の側面では、水槽部材は水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称な凸の部分を有する。更なる側面では、凸の部分は実質的に弓状である。凸の部分が実質的に弓状である場合、それは実質的に円形か楕円形である。更なる側面では、凸の部分は面を刻まれるか多面体である。
【0019】
他の実施形態では、水槽部材は枢動点以下の水槽部材の容積を減らすため少なくとも1つの凹み部分を有する。水槽部材が直立位置にあるとき、少なくとも1つの凹み部分は垂直軸に対し実質的に対称に位置する。好適には凹み部分は水槽部材の後方壁、前方壁またはその両方に位置する。
【0020】
本発明はまた、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、室から水を排出する1つの通路と、を有し、
水槽部材は、水槽部材の枢動点以下の水槽部材の容量を減少させるための少なくとも1つの凹み部を有し、
少なくとも1つの凹み部は、水槽部材が直立な位置にあるときは、水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称に位置し、
通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
水槽部材に随伴し、水槽部材を水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、水槽部材が枢動し、通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、室の空気が通路に侵入し、空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、通路から水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、を提供する。
【0021】
1つの側面では、水槽ハウジングは水槽部材の後方壁に形成された1つの凹んだ部分を有する。他の側面では、水槽ハウジングは水槽部材の前方壁に形成された1つの凹んだ部分を有する。更なる側面では、水槽ハウジングは水槽部材の後方壁に形成された1つの凹んだ部分と、水槽部材の前方壁に形成された1つの凹んだ部分と、の2つの凹んだ部分を有する。
【0022】
好適には、凹んだ部分は実質的に楔型をしており、ここにおいて楔の頂点は又水槽部材が水槽ハウジング内で定位置にある時に載るための凹んだ1つの枢動点を形成する。
好ましい実施形態では、水槽部材が枢動の位置にある時、内部入口は水槽部材の枢動垂直軸の上又は近傍に位置する。
【0023】
本発明はまた、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材の枢動点以下の前記水槽部材の容量を減少させるための少なくとも1つの凹み部を有し、
前記少なくとも1つの凹み部は、前記水槽部材が直立な位置にあるときは、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称に位置し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記内部入口は、前記水槽部材が枢動位置の1つに有る時、前記水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
前記水槽部材に随伴し、前記水槽部材を前記水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、を提供する。
【0024】
更なる側面では本発明は、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材が枢動した時に、蓄えられた水の重心が枢動の垂直軸に対し枢動した側に位置するような形状を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記水槽部材に随伴し、前記水槽部材を前記水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、を提供する。
【0025】
好適には、水槽部材が枢動の位置にある時、内部入口は水槽部材の枢動垂直軸の上又は近傍に位置する。
好適には起動装置は、水槽部材を水槽ハウジングに対して枢動させる1つのレバーである。レバーは好適には、枢動軸のどちら側にも約20度移動可能である。他の実施形態では、トイレ又は便器に水を流すため、時間又はセンサにより起動される装置である。
起動装置は、好適には水槽部材を傾け、傾いた位置に維持するために配置されうる。
【0026】
1つの好ましい形態では、起動手段は水槽ハウジングに枢動可能に取り付けられ、水槽部材と共に枢動する1つのレバーを含む。
好ましい実施形態では、レバー部分はラッチとして使用されるラッチガイドの表面に対して隣接する1つの横断ピンを有する。ラッチガイドは好適には水槽蓋の下方側面に渡って直線的フランジとして伸長する。好適にはラッチガイドは、細長の蓋孔の両側において長手方向に伸長する2つのフランジを有する。レバー部分は細長の蓋孔に渡って伸長し、水槽部材を傾けるためのハンドルとして機能する。レバー部分は好適には、水槽部材の側壁に固定される1つ以上の部材ガイドに確保される。
【0027】
他の好ましい実施形態では、起動手段は水槽部材を水槽ハウジングに対して移動させるハンドル手段を有する。
ハンドル手段は好適には、水槽部材の側壁に渡って伸びる1つのボタンを有する。ボタンは好適には、水槽部材に取り付けられ又は一体化している。
他の1つの実施形態では、起動手段は水槽部材に枢動可能に取り付けられ、水槽部材と共に枢動する1つのレバーを有する。
水槽部材と他の部材は本発明の観点から上記で記述されたものと類似である。
水槽蓋は好適には蓋の下方側面に位置する1つ以上のガイドフランジを有する。
【0028】
1つ以上のガイドフランジは、好適には、実質的に弓状の形状である。より詳しくは、1つ以上のガイドフランジは、凹形状である。
1つ以上のガイドフランジのそれぞれは、ラッチ又はラッチ部分を保持するための少なくとも1つの迫持台を有する。
ある実施形態では、蓋はハンドル部材が通って伸長する1つの開口部を有する。
他の実施形態では、水槽基底部はボタンが伸長する1つの開口部を有する。これらの各開口部は、好適には、弓状の溝である。
蓋がハンドル部材用の開口部を有する実施形態では、1つ以上のガイドフランジが開口部の縁に沿って又は縁の近くに配置される。
好適には、2つのガイドフランジを有し、それぞれのフランジは、弓状の溝の長手方向側面に配置される。
起動手段は好適には、磁気起動手段である。
【0029】
他の側面では、本発明は広く、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、に存する。
【0030】
さらに1つの側面では、本発明は広く、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、前記通路内の静水圧が前記室内の大気圧より低い場合、水をサイホン作用させ、前記サイホン作用により通路を通じて水を吸い出す、ような形状を有し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、に存する。
【0031】
好適には、磁気起動手段は水槽部材を約20度枢動軸に対して横断方向に移動させる。
好適には、水槽部材の枢動を開始するため起動される時に、水槽部材と水槽ハウジングに付随する複数の磁石は、水槽部材上の複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、水槽ハウジングに付随する複数の磁石の少なくとも1つの極性の同じ磁石の磁場と磁気反発の相互作用をするように、互いに配置される。
【0032】
更に好適には、水槽部材と水槽ハウジングに付随する複数の磁石は、起動された時に、水槽部材上の複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、水槽ハウジングに付随する複数の磁石の少なくとも1つの極性の同じ磁石の磁場と磁気斥力の相互作用をするように、互いに配置され、その後又は同時に、水槽ハウジングに付随する複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と、水槽部材上の複数の磁石の少なくとも1つの磁石の反対極性の磁場が磁気引力を及ぼし、水槽部材の枢動を開始する。
【0033】
1つの好ましい側面では、複数の磁石は、水槽部材の枢動が、水槽ハウジング上の第1の磁石の磁場と水槽部材上の第2の磁石の同じ極性の磁場の間の磁気斥力により開始され、その後又は同時に、第1の磁石の磁場と、水槽部材上の第3の磁石の反対極性の磁場が磁気引力を及ぼす。
【0034】
好適には、水槽部材に付随する複数の磁石は、互いに配置される。
起動時に、水槽ハウジング上の第1の磁石の磁場と水槽部材上の第2の磁石の同じ極性の磁場の間の磁気斥力により水槽ハウジングの枢動が開始され、その結果の枢動は、第3の磁石の反対極性の磁場が第1の磁石の磁場と磁気引力を及ぼすようにさせ、その結果水槽部材の枢動の角度を増大させる。
【0035】
水槽部材又は水槽ハウジングに付随する1つの磁石は、水槽部材又は水槽ハウジングの壁に取り付けられ、又は一体化されてもよい。磁石は壁の内側または外側に付随してもよい。
適切な磁石は永久磁石又は電磁石である。
永久磁石は磁場により磁化されうる強磁性の金属帯により代替されてもよい。
電磁石は電流により起動され、電気回路に接続されたソレノイド又はソレノイドコイルを含む。適切には、電磁石と電気回路は、電磁石が、例えば電気ロッカースイッチ又はタッチパッドの制御手段の起動によりエネルギーを与えられることを可能にするように構成される。
永久磁石と電磁石の組合せも可能である。
【0036】
1つの磁石が水槽部材に付随する場合、好適には永久磁石である。あるいは水槽部材には少なくとも1つの強磁性の金属帯が取り付けられてもよい。ある1つの側面では、水槽部材に伴う磁石は水槽部材の上部壁に伴う。他の側面では、磁石は水槽部材の側面壁に伴う。
好適には、水槽部材の枢動は水槽部材に伴う1つの起動磁石の作動により開始される。
【0037】
ある側面では、起動磁石は水槽ハウジングに付随する1つの永久磁石であり、
それは、水槽ハウジングが水槽部材に付随する少なくとも1つの磁石の方向に移動し、磁場が相互作用して水槽部材が水槽ハウジング内で枢動を開始することを可能にする。適切には、起動磁石は滑動又は押し動きにより移動される。ある側面では、起動磁石は、水槽ハウジングに付随する押しボタンに一体化され又は取り付けられる。或いは起動磁石は、水槽ハウジングに付随する滑動機構に一体化され又は取り付けられる。
【0038】
好ましい実施形態では、起動磁石は水槽ハウジングに付随する1つの電磁石であり、電気回路に接続されてエネルギーを与えられ、水槽ハウジングに付随する少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用し、水槽部材の枢動を開始することが可能となる。電磁石は電気システム内の1つの電気ロッカースイッチ又はタッチパッドにより起動される。好適には起動手段は遠隔起動が可能なように構成される。
【0039】
ある側面では、起動磁石は、起動時は起動磁石の磁場が水槽部材に付随する1つの同じ極性の磁石の磁場と相互作用し、磁気斥力により水槽ハウジングの枢動を開始するように配置される。好適な側面では、起動磁石は、起動磁石の磁場が水槽部材に付随する複数の磁石の磁場と相互作用するように設定される。好適には、起動磁石は、起動時に、起動磁石が水槽ハウジングに付随する同じ極性の第1の磁石の方向に移動し、起動磁石と第1の磁石の磁場との間の斥力により水槽ハウジングの枢動を開始し、その枢動はその後、起動磁石の磁場が水槽部材に付随する反対の極性の磁場を有する第2の磁石と相互作用することを可能にし、起動磁石と第2の磁石の磁場との間の引力により枢動が継続することを可能にする。
【0040】
他の側面では、本発明は広く、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記内部入口は、前記水槽部材が枢動位置にあるとき、前記水槽部材の枢動垂直軸の上または近傍に位置し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、に存する。
【0041】
本発明は更に、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材の垂直軸に対し対称な、実質的に平らな又は実質的に凸の部位を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記内部入口は、前記水槽部材が枢動位置の1つに有る時、前記水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、を提供する。
【0042】
他の側面では、本発明は広く、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材の枢動点以下の前記水槽部材の容量を減少させるための少なくとも1つの凹み部を有し、
前記少なくとも1つの凹み部は、前記水槽部材が直立な位置にあるときは、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称に位置し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、に存する。
【0043】
さらに他の側面では、本発明は広く、水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称な、実質的に平らな又は実質的に凸の部位を有し、
前記水槽部材は、また、前記水槽部材の枢動点以下の前記水槽部材の容量を減少させるための少なくとも1つの凹み部を有し、
前記少なくとも1つの凹み部は、前記水槽部材が直立な位置にあるときは、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称に位置し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体、に存する。
【0044】
好適には、水槽部材が枢動の位置にある時、内部入口は水槽部材の枢動垂直軸の上又は近傍に位置する。
他の側面では、本発明は広く、水洗トイレであって、
上記のような1つの水槽組立体と、トイレ容器からなり、水槽組立体は水をトイレ容器に排出する、ことを特徴とする水洗トイレ、に存する。
さらに他の側面では、本発明は広く、上記に記載の水槽部材に存する。
本発明の他の側面に関する上記の特徴及び実施形態は、種々の形、組合せ及び置き換えでの本発明に関して特許請求の範囲とされる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明の十分な理解のため本発明の好ましい実施形態を図を参照して説明する。
【図1】本発明の第1の実施形態の水槽組立体の水槽ハウジングと水槽部材の概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の水槽ハウジングの枢動前(2A)及び枢動中(2B)の概略断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の水槽組立体の水槽ハウジングと水槽部材の概略断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の水槽ハウジングの枢動前(4A)及び枢動中(4B)の概略断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の水槽部材の概略図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の水槽部材の枢動前(6A)及び枢動中(6B)の水の重心と水槽部材の枢動中心を示す概略断面図である。
【図7】本発明のさらに1つの実施形態の水槽組立体の水槽ハウジングと水槽部材の概略断面図であり、永久磁石の駆動手段を介した磁気起動による水槽部材の起動手段を示す図である。
【図8】水槽組立体の上半分を示す断面図であり、永久磁石の配置と相対的極性、及び起動と水洗における各ステップを連続して示す図である。
【図9】本発明の他の1つの実施形態の水槽組立体の水槽ハウジングと水槽部材の概略断面図であり、水槽ハウジングの電磁気起動を介した磁気起動による枢動手段を示す図である。
【図10】更なる実施形態の水槽組立体の上半分を示す断面図であり、複数の電磁石及び永久磁石の配置及び起動と水洗における各ステップを連続して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、1つの水槽ハウジング12内の1つの水槽部材11を形成する実質的に反円の鉢と起動手段(不図示)を有する、1つの水槽組立体10を示す。鉢11は水槽ハウジング12に枢動可能に取り付けられ、起動手段は鉢11を水槽ハウジング12に対し相対的に傾くことを可能にする。鉢11は水槽ハウジング12に対しどちらの方向にも約20度枢動することができる。
【0047】
鉢11は 鉢の基底壁14で画定される1つの室13を形成する。主水源のような水源からの水は室13を既定の容量まで満たす。水量は水入り口(不図示)に近く位置する1つのフロート弁により制御される。既定の水量に達すると、フロート弁は水の流入を止める。鉢11は、それぞれ鉢の反対側に位置する2つの通路15、16を有する。水は室13に蓄えられ、2つの通路15、16のいずれか1つより排出されうる。
通路15,16は共に外側部18に連続して接続する内側部17を有する。
【0048】
各内側部17は1つの内側側面19,20と基底壁14により形成され、一方外側部18は外部側面21,22と基底壁14により形成される。内側部17と外側部18はU字曲がり23で接続し連続する通路を形成する。内側部17、外側部18及びU字曲がり23の内側寸法は、それぞれの通路15,16を介するサイホン動作を最適化するため実質的に同じである。水はそれぞれ内部入口24、25を経由して通路15、16に流入し、水槽出口26、27を経由して流出する。枢動位置においては、内部入口24(反時計回りの場合)又は25(時計回りの場合)は実質的に水槽部材の垂直軸の上、又はそれに隣接して位置し、また水槽部材11の最下点またはそれに隣接して位置する。
水槽出口26(反時計回りの場合)又は27(時計回りの場合)は実質的に水槽ハウジング12の下方に位置する出口28に隣接している。
【0049】
鉢11は水槽ハウジング12の中で起動手段(図図示)を使用して傾斜する。鉢11は、鉢11の中心と枢動点とを結ぶ中央軸線である垂直軸29の回りを枢動する。鉢11は、垂直面内において鉢11の枢動点の回りを回転可能である。起動手段(不図示)は鉢11を約20度垂直枢動軸29の右又は左に枢動可能である。
【0050】
鉢11は、実質的に半円形であり、重心100はその枢動点より低い(図2B参照)。鉢11は、実質的に水を排出して空になった場合、枢動位置から戻って真直ぐな位置に戻る。
使用においては、鉢11が水槽ハウジング12内で時計方向に傾斜した場合(図2Bと同様)通路16は鉢11の内部に蓄えられた水の水位より下に下げられ、サイホン動作が確立する。サイホン動作は水を室13より通路16の内部入口25に吸引し、水槽出口27より排出する。水槽出口27より排出された水は水槽ハウジング12の出口28を経由してトイレの容器(不図示)に流入する。
【0051】
U字形曲がり23と、U字形曲がりにおいて球状構造が無いことの組合せにより、内部入り口24,25が枢動位置において水槽部材11の最下点又はその近くに位置していることと相まって、水の重心100が傾きの方向と反対方向に動くことを防止し、それによりサイホン動作の開始の遅れを防止する。この構成は浮きラッチの必要性を無くする。
水は、空気が内部入口25を経由して通路16に入りサイホン動作を消滅するまで、通路16を通って排出される。内部入口25は室13の底近くに位置し、空気は、蓄えられた水が室13から実質的に全て排出された時に、通路16に流入する。
鉢11の水の水位が既定点に達すると、浮き弁(不図示)が開き、水が水入口(不図示)から鉢11に流入し、鉢11を既定の容量まで再充填する。
【0052】
図3A−3Dは水槽組立体30の第2の実施例を示し、それは水槽ハウジング12内に水槽部材31を形成する1つの鉢と、起動手段(不図示)を有する。水槽組立体30は前述の水槽組立体10と類似であるが、水槽部材31を形成する鉢が実質的に平らな部分、又は水槽部材の垂直軸に対し対称に配置される実質的に凸の部分、を有する点で異なる。
図3Aは水槽部材31を形成する鉢の基底壁が平らにされ、また水槽部材の垂直軸に対し対称に配置される図を示す。
図3Bは水槽部材31を形成する鉢の基底壁が内側に突出する、水槽部材の垂直軸に対し対称に配置される、V字を形成する図を示す。
図3Cは水槽部材31を形成する鉢の基底壁が内側に突出する、水槽部材の垂直軸に対し対称に配置される、スピード防止帯形状を形成する図を示す。
図3Dは水槽部材31を形成する鉢の基底壁が内側に突出する、水槽部材の垂直軸に対し対称に配置される、円孤又は楕円孤形状を形成する図を示す。
【0053】
水槽部材の基底壁の実質的に平らな又は凸(内側に突出)の領域の効果は、水槽部材の底の領域に存する水の重量を減少させることである。これは枢動中の水槽部材に含まれる水の重量分布に影響を与え、図4A,4Bに示される。水槽部材が水槽ハウジング12内を反時計回りに枢動するとき、実質的に凸の領域35は垂直軸29の左側に回転され、内部入口25と通路16は垂直軸29の右側に残る。実質的に凸の領域35は、その領域が凹であった場合に比較して相対的に少ない水を保持する。時計回りの枢動により、水の重心100は低い位置となった通路16及び内部入口25の方向に移動する。水槽基底壁の実質的に平らな又は凸の基底壁への変更は、水槽部材11の水槽ハウジング12内での枢動の開始時における、水槽部材11の振動の発生を除去又は減少させる。
【0054】
水槽基底壁が実質的に凹である場合、枢動の開始時に、水槽部材内の水が分布を変える結果、水槽部材の重心100の移動により水槽部材11が一時的に振動することがある。これは枢動時に通路16の外側部位18に十分な水重量が無いことに起因し、最初は重心100を枢動の向き及び位置の低下した入口用の通路とは反対方向に移動させる。水槽部材の基底壁の形状変更は、重心100を枢動の向きと同じ方向に移動させ、その結果、水が内部入口25を通過して通路16の内部部位に流入し、そして通路16の外部部位に流入するまで、水槽部材は傾いた位置を維持する。通路16の外部部位の水の重量は、水が水槽出口27より排出され、そして水槽ハウジング出口28より排出されるまで、水槽部材を傾いた位置に維持し、その後水槽部材31は元の直立位置へ回転して戻る。
さらに水槽部材31の基底壁の平らな又は内部に突出した領域は、内部入口24,25のすぐ隣の体積を減少させ、これにより、鉢11から排出される水体積の最大化をもたらす。
【0055】
図5A,5B,6A,6Bは水槽部材41を形成する鉢を示す。
図5A,5Bは水槽部材41を形成する鉢を示す。水槽部材41は1つの水槽ハウジングと起動手段(不図示)と共に使用され、本発明の第3の実施形態の水槽組立体を形成するように意図されている。水槽部材41は水槽部材11と類似しているが、水槽部材41を形成する鉢が実質的にウェッジ型の凹部42を、水槽部材41の鉢の後方壁、または正面壁またはその両方に有する点で異なっている。各ウェッジ型の凹部42は、水槽部材が平衡状態にあるときは、水槽部材41の垂直軸29に対して実質的に対称である。各ウェッジ型のへこみ42は、水槽部材41に対し水槽ハウジング内に収まるためのへこんだ枢動点を提供する、1つの頂点43を有する。
【0056】
水槽部材41の前面から後面への寸法がへこみ部又は部位42の後ろで小さいため、凹んだ部分又は部位42の後ろの水の容積は水槽部材41の全深さの領域に比べて小さい。水槽ハウジングが平衡(直立)位置にあるとき、水容積の小さい領域は垂直軸に対して対称であり、水槽ハウジングは直立で維持され安定している。水槽部材41が水槽ハウジングに対して傾くと、容積の少ない領域は傾きと反対方向に移動し、その結果水槽ハウジングの鉢に含まれる水の重心100は傾きの方向に移動し、それにより傾斜にたいする抵抗を減少させる。この様子を図6A,6Bに示す。
【0057】
図7は本発明の第4の実施形態を示す。水槽組立体50は水槽ハウジング12の中に水槽部材11を形成する1つの鉢と、磁気起動手段52−56を有する。水槽組立体50は水槽組立体10に類似するが、枢動が水槽ハウジング12と水槽部材11に随伴する永久磁石の配列により提供される磁気起動手段により開始される。
【0058】
部分断面図8A−8Eは、本発明のさらなる実施形態の水槽組立体60の上部を示す。水槽組立体60は、水槽ハウジング12、磁気起動手段および水槽部材61を形成する1つの鉢からなる。水槽部材61を形成する1つの鉢は上記の図でしめされたものと類似である。ある実施形態では水槽部材61は図1の水槽部材11に類似している。他の実施形態では水槽部材61は図3−6の水槽部材31又は41に類似している。
【0059】
図8A−8Eは、水槽ハウジング12の上部及び水槽部材61の上部の永久磁石の配列と極性及び水洗時のステップの順番を示す。
図8Aは、水槽部材61が水槽ハウジング12の中で平衡状態にある。水槽ハウジング12の上部には2つの実質的に垂直に取り付けられた永久磁石62,63を備え、それらは、起動磁石として働く。水槽部材61の上部には、2つの永久磁石65,66と、水槽部材61の上部表面の中心に位置する第3の永久磁石64を備える。永久磁石64は、永久磁石65,66の間に位置し、それらと反対の極性を有する。水槽ハウジング12上の起動磁石62,63はそれらの磁場が水槽部材61上の永久磁石65,66の極性と同じで磁石64と逆の極性になるように配置される。
【0060】
図8Bは水槽部材61の起動とその結果の枢動を示す。水槽部材61の水槽ハウジング12の中での枢動は、起動磁石62を押し込むことにより開始される。起動磁石62を同じ極性の磁石65方向に移動させ、2つの同じ極性の磁石の反発により枢動を開始させる。図8Cは枢動のその後の段階を示し、枢動がさらに進んだ状態を示す。起動磁石62の磁場の同じ極性の磁石65に対する反発力は2つの磁石を遠ざけて、反発力は減衰する。水槽部材61の回転は、起動磁石62の磁場に水槽部材上の極性の異なる磁石64との引力をもたらし、それがさらに枢動の角度を大きくする。
【0061】
図9は本発明の第4の実施形態を示す。水槽組立体70は、水槽ハウジング12の中で水槽部材71を形成する1つの鉢と、電磁起動の形状の磁気起動手段72−76、78,79からなる。水槽組立体70は、水槽組立体10で記載されたものと類似であるが、枢動は、水槽ハウジング12と水槽部材71に付随する電磁石72,73と永久磁石74,75,76の複数の磁石の配列により形成される電磁起動手段により開始される。
【0062】
図10A−10Eの部分断面図は、本発明さらなる実施形態の水槽組立体80の上部を示す。水槽組立体80は、水槽ハウジング12、磁気起動手段および水槽部材81を形成する1つの鉢からなる。水槽部材81を形成する1つの鉢は上記の図でしめされたものに類似している。ある実施形態では水槽部材81は図1の水槽部材11に類似している。他の実施形態では水槽部材81は図3−5の水槽部材31又は41に類似している。
【0063】
図10A−10Eは水槽ハウジング12の上部と水槽部材81の上部の磁石の配列および水洗中のステップの順番を示す。図10Aは、水槽部材81が水槽ハウジング12の中で平衡状態にある。水槽ハウジング12の上部には2つの電磁石82,83を備え、それらは、電磁石82,83の起動を可能にする電気回路および始動手段88,89に接続され、それにより電磁石82,83は起動磁石として働く。水槽部材81の上部には、同じ極性の2つの永久磁石85,86を備える。第3の永久磁石84は、水槽部材81の上部表面の中央部分に配置される。永久磁石84は、水槽部材81上の永久磁石65,66の間に位置し、それらと反対の極性を有する。
【0064】
図10Bは、水槽ハウジング12上の電磁石82を稼働させ、隣接する水槽部材81上の永久磁石85と同じ極性の磁場を形成する、始動手段88の起動による、枢動の開始を示す。電磁石82の磁場の同じ極性の磁石85に対する反発力は、水槽部材81の水槽ハウジング12の中での枢動を生じる。
【0065】
図10Cは水槽部材81の水槽ハウジング12の中での枢動のその後の段階を示す。枢動は起動電磁石82と磁石85を遠ざけて、2つの磁石の磁場の間の反発力は減衰する。水槽部材81の回転は、電磁石62の磁場に水槽部材81上の極性の異なる永久磁石84との引力をもたらし、それがさらに枢動の角度を大きくする。枢動は、水槽部材81の鉢に蓄えられた水を排水するための前述のサイホン動作を確立する。
【0066】
図10Dは、蓄えられた水が水槽部材81から排水された後、水槽部材が水槽ハウジング内の平衡位置に戻る状態を示す。図10Eは、水槽部材が水槽ハウジング内の平衡位置に戻った状態を示す。
【0067】
(利点)
好ましい実施形態の水槽組立体の利点は、導入が単純で、接触で摩耗する可動部品が無いシステムの提供にある。改善された水槽組立体の設計は、水槽部材の枢動の起動の後に、動作の制御と水槽部材を形成する鉢に蓄えられた水の重心の位置に起因する、サイホン動作の開始の遅れを被ることがない。
改善された動作の制御と蓄えられた水の重心の位置により、起動後の水槽部材の振動(ぐらつき)が減少する。
好ましい実施形態の水槽組立体の利点は、磁気相互作用で開始される単純な水洗システムの提供である。磁気起動の更なる利点は、被覆(壁の中)システムへの使用を可能にする遠隔起動の提供にある。
【0068】
(変化形)
上記は本発明の説明的事例であり、当業者にとって明白なこれらの変更、変化形は本発明の範囲に含まれる。本明細書においてしようされる「を有する」、「からなる」「を含む」という表現は、他の追加、要素、ステップを排除するものではない。
【符号の説明】
【0069】
10,30,50,60,70,80 :水槽組立体
11,31,41,61,71,81 :水槽部材
12:水槽ハウジング 13:室
14:基底壁 15,16:通路
17:内側部 18:外側部
19,20:内側側面 21,22:外部側面
23:U字曲がり 24,25:内部入口
26,27:水槽出口 28:出口
29:垂直軸 35:凸の領域
42:ウェッジ型の凹部 52−56:磁気起動手段
100:水の重心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられ、枢動位置の間を平衡位置を経由して移動可能な1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記内部入口は、前記水槽部材が枢動位置の1つに有る時、前記水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
前記水槽部材に随伴し、前記水槽部材を前記水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項2】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられ、枢動位置の間を平衡位置を経由して移動可能な1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、前記通路内の静水圧が前記室内の大気圧より低い場合、それにより通路を通じて水をサイホン作用で吸い込ませるような形状を有し、
前記内部入口は、前記水槽部材が枢動位置の1つに有る時、前記水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
前記水槽部材に随伴し、前記水槽部材を前記水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項3】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材が直立な位置にあるときは、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称な、実質的に平らな又は実質的に凸の部位を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記内部入口は、前記水槽部材が枢動位置の1つに有る時、前記水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
前記水槽部材に随伴し、前記水槽部材を前記水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項4】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材の枢動点以下の前記水槽部材の容量を減少させるための少なくとも1つの凹み部を有し、
前記少なくとも1つの凹み部は、前記水槽部材が直立な位置にあるときは、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称に位置し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記水槽部材に随伴し、前記水槽部材を前記水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項5】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材の枢動点以下の前記水槽部材の容量を減少させるための少なくとも1つの凹み部を有し、
前記少なくとも1つの凹み部は、前記水槽部材が直立な位置にあるときは、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称に位置し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記内部入口は、前記水槽部材が枢動位置の1つに有る時、前記水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
前記水槽部材に随伴し、前記水槽部材を前記水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項6】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材の枢動点以下の前記水槽部材の容量を減少させるための少なくとも1つの凹み部を有し、
前記少なくとも1つの凹み部は、前記水槽部材が直立な位置にあるときは、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称に位置し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記内部入口は、前記水槽部材が枢動位置の1つに有る時、前記水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
前記水槽部材に随伴し、前記水槽部材を前記水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項7】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材が枢動した時に、蓄えられた水の重心が枢動の垂直軸に対し枢動した側に位置するような形状を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記水槽部材に随伴し、前記水槽部材を前記水槽ハウジング内に対し相対的に枢動させる1つの起動装置と、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項8】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項9】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、前記通路内の静水圧が前記室内の大気圧より低い場合、水をサイホン作用させ、前記サイホン作用により通路を通じて水を吸い出す、ような形状を有し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項10】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記内部入口は、前記水槽部材が枢動位置にあるとき、前記水槽部材の枢動垂直軸の上または近傍に位置し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項11】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材の垂直軸に対し対称な、実質的に平らな又は実質的に凸の部位を有し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記内部入口は、前記水槽部材が枢動位置の1つに有る時、前記水槽部材の枢動垂直軸の上またはその近傍に位置し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項12】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材の枢動点以下の前記水槽部材の容量を減少させるための少なくとも1つの凹み部を有し、
前記少なくとも1つの凹み部は、前記水槽部材が直立な位置にあるときは、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称に位置し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。
【請求項13】
水洗トイレ用の水槽組立体であって、
1つの水槽ハウジングと、
前記水槽ハウジング内に枢動可能に取り付けられる1つの水槽部材と、
前記水槽部材は、水を貯える1つの室を形成する1つの基底壁と、前記室から水を排出する1つの通路と、を有し、
前記水槽部材は、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称な、実質的に平らな又は実質的に凸の部位を有し、
前記水槽部材は、また、前記水槽部材の枢動点以下の前記水槽部材の容量を減少させるための少なくとも1つの凹み部を有し、
前記少なくとも1つの凹み部は、前記水槽部材が直立な位置にあるときは、前記水槽部材の垂直軸に対し実質的に対称に位置し、
前記通路は、1つの内部入口と1つの水槽出口とを有し、通路を通じて水をサイホン作用させるような形状を有し、
前記水槽部材に付随し前記水槽部材を前記水槽ハウジングに対して枢動させる磁気起動装置と、
前記磁気起動装置は、前記水槽部材と前記水槽ハウジングに付随する複数の磁石を有し、
ここにおいて前記複数の磁石は、前記水槽部材の枢動を開始するため起動された時に、前記水槽部材上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場が、前記水槽ハウジング上の前記複数の磁石の少なくとも1つの磁石の磁場と相互作用するように、相互に配置され、
を有し、
ここにおいて、前記水槽部材が枢動し、前記通路が前記室の蓄えられた水の水位以下に移動された時に、水は、前記室の空気が前記通路に侵入し、前記空気が水の前記通路へのそれ以上の侵入を阻止するまで、前記通路から前記水槽出口に引き出される、
ことを特徴とする水槽組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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