説明

水洗式便器及び排水路の洗浄システム

【課題】節水、清潔感に加え、排水路の劣化を抑制可能にする。
【解決手段】洗浄システムは、予め定めた間隔で連設される複数の便器のそれぞれの使用状態に応じて、第1特定量の洗浄水を該当便器に個別供給する第1の洗浄制御と;複数の便器の連設方向に延在し、複数の便器から排出される第1特定量の洗浄水及び排泄物を上流から下流方向に搬送する排水路に対して、少なくとも1つの便器に対応する排水路の予め定めた少なくとも1つの位置に第2特定量の洗浄水を個別供給する第2の洗浄制御とを実施し;第2の洗浄制御においては、便器の使用状態に応じて、対応する排水路の予め定めた第1位置に第2特定量の洗浄水を供給するとともに、排水路の下流方向に便器が存在するときは、この便器の使用有無に拘わりなく、対応する排水路の予め定めた第2位置に第2特定量の洗浄水を更に供給するように制御する少なくとも1つの制御装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗式便器及び排水路の洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
公衆トイレ等における連設された複数の水洗式便器、特に男性用小便器の第1の洗浄システムにおいては、自動水洗装置を備えたものが一般的となっている。この洗浄システムは、赤外線を利用した人(使用者)センサを各小便器の上部に設け、人センサからの検知信号に応じて、各小便器の利用の都度に給水用電磁弁を制御して洗浄(個別洗浄)する。なお、一般に各小便器の1回の洗浄には、5リットルないし6リットル程度の洗浄水が使用される。
【0003】
この第1の洗浄システムでは、利用の都度に自動的に水洗されるため、洗浄効果に優れているが、利用が立て込んだ場合には、大量の洗浄水が消費されることを免れない。
また、男性用小便器の第2の洗浄システムにおいては、特定時間毎(例えば、10分ないし15分程度)に給水用電磁弁を制御して全ての小便器を洗浄(全体洗浄)するものがある。
【0004】
この第2の洗浄システムでは、特定時間毎に全ての小便器の洗浄がなされるため、洗浄水の総使用量が少なくて済むが、利用が立て込んだ場合には、洗浄が不十分となるため、清潔感を維持することができない。
【0005】
これまでに出願人は、上述した個別洗浄や全体洗浄を採用した水洗式便器の洗浄システムにおける課題、つまり便器の洗浄における節水を図ることと、便器を含むトイレ設備の清潔感を向上することの双方の観点に基づき、例えば下記特許文献に開示するような提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−18718号公報
【特許文献2】特開2002−61251号公報
【特許文献3】特開2009−74313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、出願人は、連設された複数の水洗式便器の洗浄における節水を図ることと、水洗式便器を含むトイレ設備の清潔感を向上することの双方に加え、排水路である排水横引管の劣化を抑制可能な洗浄システムを提案する。
【0008】
したがって、本発明は、このような水洗式便器及び排水路の洗浄システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、水洗式便器及び排水路の洗浄システムは、予め定めた間隔で連設される複数の便器のそれぞれの使用状態に応じて、第1特定量の洗浄水を該当便器に個別供給する第1の洗浄制御と;前記複数の便器の連設方向に延在し、前記複数の便器から排出される前記第1特定量の洗浄水及び排泄物を上流から下流方向に搬送する排水路に対して、少なくとも1つの便器に対応する前記排水路の予め定めた少なくとも1つの位
置に第2特定量の洗浄水を個別供給する第2の洗浄制御とを実施し;前記第2の洗浄制御においては、前記便器の使用状態に応じて、対応する排水路の予め定めた第1位置に前記第2特定量の洗浄水を供給するとともに、前記排水路の下流方向に前記便器が存在するときは、この便器の使用有無に拘わりなく、対応する排水路の予め定めた第2位置に前記第2特定量の洗浄水を更に供給するように制御する少なくとも1つの制御装置を備える。
【0010】
この構成において、前記排水路の予め定めた少なくとも1つの位置に前記第2特定量の洗浄水を供給する配水路の端部には、下流方向に屈曲した形状のノズルが設けられている。また、前記ノズルは便器排水管より上流側で前記排水路に接続されている。
【発明の効果】
【0011】
開示した洗浄システムによれば、連設された複数の水洗式便器の洗浄における節水を図ることと、水洗式便器を含むトイレ設備の清潔感を向上することの双方に加え、排水路の劣化を抑制可能である。
【0012】
他の課題、特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲とともに取り上げられる際に、以下に記載される発明を実施するための形態を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施の形態のシステムの全体構成を示す図。
【図2】一実施の形態のシステムの部分詳細構成を示す図。
【図3】一実施の形態のシステムにおける洗浄モードを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0015】
一実施の形態におけるシステム構成を示す図1を参照すると、水洗式便器及び排水路の洗浄システム1は、駅構内等の1箇所の公衆トイレに設置される場合、建造物の壁面に予め定めた間隔(等間隔)で連設された複数の便器、ここでは4個(4基)の男性用小便器2A,2B,2C,2Dを含む。なお、複数の便器が大便器であるときは、これらの大便器は建造物の床面上に予め定めた間隔(等間隔)で連設されるが、同様に実施可能である。
【0016】
また、この洗浄システム1は、これらの小便器2A,2B,2C,2Dの連設方向に延在し、小便器2A〜2Dから便器排水管(図示省略)を通して排出される排泄物及び制限された第1特定量の洗浄水(特に限定を要しないときは、単に洗浄水と記載することもある)などを上流から下流方向に搬送する排水横引管(排水路)3を含む。
【0017】
排水横引管3は、壁内配管による壁排水形態を採り、排泄物及び洗浄水を含む排水の滞留を抑制するために、上流から下流方向に特定の勾配角度(例えば、100分の2)を与えて設置される。
【0018】
この洗浄システム1は、小便器2A〜2Dに洗浄水を分配する第1配水管(第1配水路)4と、排水横引管3の予め定めた複数位置31,32,33,34に制限された第2特定量の洗浄水(特に限定を要しないときは、単に洗浄水と記載することもある)を分配する第2配水管(第2配水路)5とを含む。
【0019】
第1配水管4は、一端が上水道本管(図示省略)に接続され、他端が小便器2A〜2D
内に形成された給水路に連通している。また、第2配水管5は、一端が第1配水管4に接続され、他端が排水横引管3の予め定めた複数位置31〜34に接続されている。なお、第2配水管5の一端を第1配水管4に接続するのではなく、第1配水管4と同様に上水道本管に接続してもよい。
【0020】
この洗浄システム1は、第1配水管4の途中に介装され、小便器2A〜2Dへの洗浄水の個別供給を制御する第1制御弁ユニット6A,6B,6C,6Dと、第2配水管5の途中に介装され、排水横引管3の予め定めた複数位置31〜34への洗浄水の個別供給を制御する第2制御弁ユニット7A,7B,7C,7Dとを更に含む。
【0021】
第1制御弁ユニット6A〜6Dのそれぞれは、詳細には、第1電磁弁を備えており、後に詳述する制御装置10A,10B,10C,10Dからの指令(指示信号)に応じて、第1電磁弁が開閉作動するようになっている。
【0022】
また、第1制御弁ユニット6A〜6Dのそれぞれは、第1配水管4内を通過する洗浄水の流量を検出する第1流量検出部を更に備えている。第1流量検出部は、第1配水管4内を通過する洗浄水の水流によって駆動される回転翼車を有しており、この回転翼車の回転数を検出することにより、通過流量を検出できるようになっている。通過流量は、回転翼車の1回転毎に送信されるパルス信号を対応する制御装置10A〜10Dが受信し、単位時間当たりの回転数に基づき計算される。
【0023】
第2制御弁ユニット7A〜7Dにも、第2電磁弁及び第2流量検出部が設けられている。つまり、第2制御弁ユニット7A〜7Dのそれぞれは、詳細には、第2電磁弁を備えており、制御装置10A〜10Dからの指令に応じて、第2電磁弁が開閉作動するようになっている。
【0024】
また、第2制御弁ユニット7A〜7Dのそれぞれは、第2配水管5内を通過する洗浄水の流量を検出する第2流量検出部を更に備えている。第2流量検出部は、第2配水管5内を通過する洗浄水の水流によって駆動される回転翼車を有しており、この回転翼車の回転数を検出することにより、通過流量を検出できるようになっている。通過流量は、回転翼車の1回転毎に送信されるパルス信号を対応する制御装置10A〜10Dが受信し、単位時間当たりの回転数に基づき計算される。
【0025】
なお、第1制御弁ユニット6A〜6D及び第2制御弁ユニット7A〜7Dにおける流量検出のために、回転翼車を設けずに、タイマーに基づく時限制御とすることもできる。すなわち、制御装置10A〜10Dは、単位時間あたりの第1制御弁ユニット6A〜6D及び第2制御弁ユニット7A〜7Dを通過する流量を予め算出しておき、予定流量に相応する時間だけ第1電磁弁及び第2電磁弁を開放制御する。
【0026】
この洗浄システム1は、小便器2A〜2Dの使用者の存在状態をそれぞれ検知する使用者検知部8A,8B,8C,8Dを含む。使用者検知部8A〜8Dは、赤外線を利用した人センサであり、ここでは各小便器の上部における制御装置10A〜10Dを収容する壁面配設の筐体内に設けられている。制御装置10A〜10Dは、使用者検知部8A〜8Dからの検知信号に応じて、各小便器の利用の都度に洗浄を指令する。
【0027】
上述した洗浄システム1に含まれる制御装置10A〜10Dの構成及び更なる機能については、後に詳述する。
図2を参照すると、ここには、図1中の符号P部分、つまり第2配水管5の分岐された他端が排水横引管3の予め定めた位置31に接続されている状態が拡大して示されている。なお、この接続状態は位置32〜34についても同様である。
【0028】
注目すべき点は、第2配水管5の分岐された他端には、第2特定量の洗浄水であっても、ジェット洗浄を可能にする細管のノズル51が排水横引管3の予め定めた位置31に接続されていることにある。このノズル51は、洗浄水を下流方向に排出できるように屈曲した形状であり、便器排水管より上流側で排水横引管3に接続されていることが好ましい。このノズル51により、排水横引管3内の排泄物及び洗浄水を含む排水の滞留を抑制する。
【0029】
この洗浄システム1における制御装置10A〜10Dは、小便器2A〜2Dにそれぞれ対応して設けられる分散配置形態のコンピュータであり、各種データ処理を行うマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサを動作させるために必要なプログラム及びデータを格納するRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む記憶部と、後に詳述する入出力インタフェース部と、マイクロプロセッサ間通信を可能にする通信インタフェース部と、これらの構成要素を相互接続するバスなどを備える。
【0030】
ここで、入出力インタフェース部は、使用者の存在状態を検知する使用者検知部8A〜8Dからの検知信号と、第1制御弁ユニット6A〜6Dの第1流量検出部及び第2制御弁ユニット7A〜7Dの第2流量検出部からのパルス信号とをマイクロプロセッサに入力し、第1制御弁ユニット6A〜6Dの第1電磁弁及び第2制御弁ユニット7A〜7Dの第2電磁弁にマイクロプロセッサからの開閉指示信号を出力する。
【0031】
分散配置形態のコンピュータである制御装置10A〜10Dは、予め対応付けられている使用者検知部8A〜8D及び第1制御弁ユニット6A〜6Dと協働して、小便器2A〜2Dのそれぞれの使用状態に応じて、つまり使用終了検出時に、制限された第1特定量(例えば、1リットル)の洗浄水を該当小便器に個別供給する第1の洗浄制御(個別洗浄制御)を実施する。
【0032】
この個別洗浄制御においては、制御装置10A〜10Dは、下流側の他の制御装置と連携することなく、対応の第1制御弁ユニットの第1電磁弁を独立的に開閉制御することにより実施可能である。
【0033】
また、制御装置10A〜10Dは、予め対応付けられている使用者検知部8A〜8D及び第2制御弁ユニット7A〜7Dと協働して、小便器2A〜2Dの連設方向に延在し、各小便器から排出される第1特定量の洗浄水及び排泄物を上流から下流方向に搬送する排水横引管3に対して、小便器2A〜2Dに対応する排水横引管3の予め定めた複数位置31〜34に制限された第2特定量(例えば、1リットル)の洗浄水を個別供給する第2の洗浄制御(排水路洗浄制御)を実施する。
【0034】
制御装置10A〜10Dは、この排水路洗浄制御においては、小便器2A〜2Dの使用状態に応じて、つまり該当小便器の使用終了検出時に、対応する排水横引管3の第1位置(例えば、31)に第2特定量の洗浄水を供給するとともに、排水横引管3の下流方向に他の小便器が存在するときは、この小便器の使用有無に拘わりなく、対応する排水横引管3の第2位置(例えば、32,33,34)に第2特定量の洗浄水を更に順次に供給するように制御する。
【0035】
この排水路洗浄制御においては、制御装置10A〜10Dは、下流側の他の制御装置と連携して、対応の第2制御弁ユニットの第2電磁弁を順次に開閉制御することにより実施する必要がある。
【0036】
詳述すると、例えば、制御装置10Aは、小便器2Aの使用終了を検出した時に、排水
横引管3の位置31に第2特定量の洗浄水を供給するように、第2制御弁ユニット7Aの第2電磁弁を開閉制御する。
【0037】
この場合、排水横引管3の下流方向に他の小便器2B,2C,2Dが存在するので、排水横引管3の位置32,33,34にも第2特定量の洗浄水が順次に供給されることを可能にするために、制御装置10Aは通信インタフェース部を介して他の制御装置10B〜10Dに第2制御弁ユニット7Aの第2電磁弁を開放制御した通知信号を送信する。
【0038】
制御装置10B〜10Dは、通信インタフェース部を介して、制御装置10Aからの通知信号を受信した場合、小便器2A〜2Dの連設間隔及び第2電磁弁の単位時間あたりの通過流量などに基づいて予め算定している経過時間(例えば、2秒後、4秒後、6秒後)に、第2制御弁ユニット7B〜7Dの第2電磁弁を順次に開閉制御する。
【0039】
この制御は、例えば制御装置10Bが他の制御装置10C,10Dに第2制御弁ユニット7Bの第2電磁弁を開放制御した通知信号を送信した場合も同様である。つまり、制御装置10C,10Dは、制御装置10Bからの通知信号を受信した場合、同様に予め算定している経過時間(例えば、2秒後、4秒後)に、対応の第2制御弁ユニット7C,7Dの第2電磁弁を順次に開閉制御する。
【0040】
ここで、予め算定している経過時間とは、上流からの排泄物及び洗浄水を含む排水が排水横引管3の予め定めた位置32〜34を通過した直後とすることが望ましい。
【0041】
上述した一実施の形態の洗浄システム1においては、制御装置10A〜10Dは、小便器2A〜2Dのそれぞれの使用状態に応じて、第1特定量(例えば、1リットル)の洗浄水を該当小便器に個別供給する個別洗浄制御と、小便器2A〜2Dに対応する排水横引管3の予め定めた複数位置31〜34に第2特定量(例えば、1リットル)の洗浄水を個別供給する排水路洗浄制御とを併せて実施する。
【0042】
4個の小便器2A〜2D及び排水横引管3を備えるこの洗浄システム1においては、個別洗浄及び排水路洗浄を併用すると、制御装置10A〜10Dは、図3に示すように、16とおりの洗浄モード#0〜#15を実施することになる。
【0043】
図3において、小便器2A〜2Dの欄に丸印「○」が記入されていることは、使用者の存在状態を表している。また、第1制御弁ユニット6A〜6D及び第2制御弁ユニット7A〜7Dの欄に丸印「○」が記入されていることは、対応ユニットの作動状態を表している。
【0044】
ここで、洗浄モード#0では、小便器2A〜2Dの使用者が存在しないので、個別洗浄及び排水路洗浄のいずれも実施されない。したがって、必要な洗浄水量は「0」リットルである。
【0045】
洗浄モード#1では、小便器2Dの使用者が存在するので、個別洗浄及び排水路洗浄の双方が実施され、必要な洗浄水量は「1+1」リットルである。
以下いくつかサンプリングすると、洗浄モード#7では、小便器2A,2Bの使用者が存在するので、個別洗浄及び排水路洗浄の双方が実施され、必要な洗浄水量は「2+4+3」リットルである。
【0046】
また、洗浄モード#15では、小便器2A,2B,2C,2Dの使用者が存在するので、個別洗浄及び排水路洗浄の双方が実施され、必要な洗浄水量は「4+4+3+2+1」リットルである。
【0047】
このように、個別洗浄及び排水路洗浄の双方が実施されても、必要な洗浄水量は、例えば各小便器の1回の洗浄に5リットルないし6リットル程度の洗浄水を使用する従来の洗浄システムに比較して、大幅に抑制できる。
【0048】
そして、各小便器の個別洗浄と併用される排水路洗浄においては、排水横引管3における排泄物及び洗浄水を含む排水の滞留を防止することができる。
この結果、連設された複数の水洗式便器の洗浄における節水を図ることと、水洗式便器を含むトイレ設備の清潔感を向上することの双方に加え、排水路である排水横引管3の劣化を抑制することが可能になる。
【0049】
[変形例]
上述した一実施の形態における分散配置形態のコンピュータである制御装置10A〜10Dは、1個の集中配置形態のコンピュータとして実施することも可能である。また、第2制御弁ユニット7A〜7Dを専用に制御する制御装置を更に設け、制御装置10A〜10Dとの連携により、排水路洗浄制御を実施してもよい。さらに、これらの制御装置を階層構造のコンピュータにより実施してもよい。
【0050】
上述した排水路洗浄制御においては、制御装置10A〜10Dは、小便器2A〜2Dの使用状態に応じて、つまり該当小便器の使用終了検出時に、対応する排水横引管3の第1位置(例えば、31)に第2特定量の洗浄水を供給するとともに、排水横引管3の下流方向に他の小便器が存在するときは、この小便器の使用有無に拘わりなく、対応する排水横引管3の第2位置(例えば、32,33,34)に第2特定量の洗浄水を更に順次に供給するように制御している。しかし、上流方向の小便器が再度使用状態になった場合などには、新たな洗浄モードに移行するなどの特別な洗浄制御を併用してもよい。
【0051】
上述した一実施の形態における処理はコンピュータで実行可能なプログラムとして提供され、CD−ROMやフレキシブルディスクなどの記録媒体、さらには通信回線を経て提供可能である。
【0052】
また、上述した一実施の形態における各処理はその任意の複数または全てを選択し組合せて実施することもできる。
【符号の説明】
【0053】
1 洗浄システム
2A〜2D 小便器
3 排水横引管
4 第1配水管
5 第2配水管
6A〜6D 第1制御弁ユニット
7A〜7D 第2制御弁ユニット
8A〜8D 使用者検知部
10A〜10D 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた間隔で連設される複数の便器のそれぞれの使用状態に応じて、第1特定量の洗浄水を該当便器に個別供給する第1の洗浄制御と;
前記複数の便器の連設方向に延在し、前記複数の便器から排出される前記第1特定量の洗浄水及び排泄物を上流から下流方向に搬送する排水路に対して、少なくとも1つの便器に対応する前記排水路の予め定めた少なくとも1つの位置に第2特定量の洗浄水を個別供給する第2の洗浄制御とを実施し;
前記第2の洗浄制御においては、前記便器の使用状態に応じて、対応する排水路の予め定めた第1位置に前記第2特定量の洗浄水を供給するとともに、前記排水路の下流方向に前記便器が存在するときは、この便器の使用有無に拘わりなく、対応する排水路の予め定めた第2位置に前記第2特定量の洗浄水を更に供給するように制御する;
少なくとも1つの制御装置を備える
水洗式便器及び排水路の洗浄システム。
【請求項2】
前記排水路の予め定めた少なくとも1つの位置に前記第2特定量の洗浄水を供給する配水路の端部には、下流方向に屈曲した形状のノズルが設けられている、
請求項1記載の水洗式便器及び排水路の洗浄システム。
【請求項3】
前記ノズルは便器排水管より上流側で前記排水路に接続されている、
請求項2記載の水洗式便器及び排水路の洗浄システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−28928(P2013−28928A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164639(P2011−164639)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000155333)株式会社木村技研 (29)
【Fターム(参考)】