説明

水溶性ナノ粒子及びその分散液を製造する方法

【課題】本発明は、水溶性ナノ粒子及びその分散液を製造する方法に関する。
【解決手段】本発明は、疎水基を含む金属ナノ粒子の表面を親水基を含む金属ナノ粒子で表面改質することにより、分散性に優れた金属ナノ粒子水性分散液の製造方法に関する。詳細には、疎水基を含む金属ナノ粒子の表面疎水基に、付着部位を有する界面活性剤と湿潤分散剤を混合した表面改質液を使用することにより、1回の処理量を従来方法に比べて10倍程向上させることができ、それぞれの粒子が凝固されず単分散されることができる。また、前記溶液に酸化防止剤と配位子除去剤を使用することにより、粒子の変質と酸化を防ぎ、高沸点の疎水性配位子を効率的に除去することができる。親水化された金属ナノ粒子は、水性溶媒に分散されて低温焼結型金属インクに製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水基を含む金属ナノ粒子の表面を親水基を含む金属ナノ粒子で表面改質することにより、分散性に優れ低温焼結が可能な金属ナノ粒子水性分散液を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属ナノ粒子分散液は、銅、ニッケル、コバルト、銀などの高伝導性を有する金属ナノ粒子を分散した溶液を意味する。直径が100nm以下である金属ナノ粒子は、表面エネルギーが増加することにより、融点降下と低温焼結性などの特異な性質を示す。特に、銀(silver)ナノ粒子は、30nm以下の大きさでは150℃以下の低温で焼成することができ、高分子物質上で回路を印刷することにも使用することができる。このような金属ナノ粒子分散液は、インクに製造されてインクジェット印刷(Inkjet printing)のような非接触技術(Direct−write non−contact technology)を用いて配線を形成し、FPCB(Flexible printed circuit board;フレキシブルプリント基板)及びPCB(Printed circuit board;プリント基板)を製造することができる。
【0003】
現在、このような超微細ナノ粒子を製造するために、C−C20脂肪酸を用いて粒径を調節する方法が最も広く知られている。しかし、このような方法により製造された金属ナノ粒子は、トルエンのような疎水性溶媒には容易に分散されるが、水性溶媒では分散されない。このように疎水性溶媒分散型金属ナノ粒子で製造された金属ナノインクは、基板との接触角が小さく、広がり性が高いため、インクジェットプリンティングの際に微細配線を形成することが難しい。また、一般的に揮発性有機溶媒を分散媒質として用いるため、コストが高く、毒性が強い有機溶媒が揮発する恐れがある。
【0004】
一方、水性溶媒で還元剤を用いて金属ナノ粒子を製造する場合、粒子回収率が低いだけでなく、均一な粒度分布を有する30nm以下の超微細ナノ粒子は形成することが難しい。
【0005】
前記問題を解決するために、疎水性溶媒で製造された30nm以下の超微細金属ナノ粒子の表面に親水化処理を施して水性溶媒に分散できるようにする。しかし、このような金属ナノ粒子を水性分散するために水性溶媒に直接投入する場合、金属ナノ粒子の疎水性のため、水性溶媒に完全に分散されずに沈殿される。そのため、40wt%以上の高濃度の分散液を製造することが難しい。また、銅ナノ粒子の場合、水性溶媒に接触すると、その表面が容易に酸化されるため、このような物質の親水化は極めて難しい。
【0006】
一方、脂肪酸でキャッピングした金属ナノ粒子は、ナノ粒子とキャッピング物質との結合力が相当強いため、キャッピング物質が高温でもうまく除去されない。前記キャッピング物質は、沸点が高いため、金属ナノ粒子の焼結後にも残存して配線の抵抗を高める要因となり得る。特に、近年、PI(Poly imide)のような高分子フィルムをFPCB(Flexible Printed Circuit Board;フレキシブルプリント基板)に適用する事例が増加しているが、このような傾向に対応するためには、250℃以下の低温で焼結して低い比抵抗を示す金属粒子分散液が必要である。そのためには、低温で揮発されるか除去されるキャッピング物質を使用したり、高沸点のキャッピング物質を効率的に除去する必要がある。
【0007】
韓国公開特許第10−2008−0032814号には、金属ナノ粒子をアルコールまたはチオール系溶媒と反応させた後、親水基を含むキャッピング物質を加えて金属ナノ粒子の表面を改質し、これをインクジェット用分散液に適用する方法について開示されている。前記方法によると、従来プラズマ方法によって大量生産されるナノ粉末を水性溶媒に分散することができる。しかし、この方法は、非晶質炭素層に結合された金属ナノ粒子に対して限定されており、この粒子をアルコールに分散する場合、それぞれの粒子が分離されず凝集体を形成したままアルコールに存在すると、粒子の全表面に親水性置換基が付着しない可能性がある。また、粒子をアルコールや酸中で加熱する場合、粒子表面が酸化される可能性がある。
【0008】
韓国出願特許第10−2004−0070303号には、疎水性粒子を熱分解法により有機溶媒で合成した後、これを親水化する方法について開示されている。水不溶性粒子が溶解されている溶液と、水溶性配位子が溶解されている溶液とを互いに混合することにより、水不溶性ナノ粒子の表面を水溶性配位子で置換し、配位子を架橋結合してシェルを形成する段階で構成されている。前記方法は、毒性有機溶媒を使用せず、粒子が水性溶媒に直接接触しないため、粒子の酸化を防ぐことができ、粒子周りに堅固なシェルを形成して水分散性を高めることができる。しかし、前記発明の実施例によると、反応溶媒1Lを用いて3gの粒子が生成され、その量が非常に少ないため、水溶性粒子の大量生産が難しい。また、脂肪酸部分を含み、水溶性配位子などキャッピング物質の厚さが厚いため、焼結過程で除去されないという短所がある。
【0009】
韓国出願特許第10−2005−0087083号には、有機溶液上で粒度が均一な疎水性粒子を合成し、化学的な表面改質を施して親水性に転換する方法について開示されている。前記方法は、クロロホルムのような毒性溶媒を使用するため、環境に悪い影響を及ぼすだけでなく、親水性配位子である3−メルカプトプロピオン酸(3−mercaptopropionic acid)と金属ナノ粒子との強力な共有結合により、焼結過程で有機物質を除去することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2008−0032814
【特許文献2】韓国出願特許第10−2004−0070303
【特許文献3】韓国出願特許第10−2005−0087083
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、疎水基を含む金属ナノ粒子の表面を親水基を含む金属ナノ粒子で表面改質することにより、水性溶媒に分散性に優れた金属ナノ粒子を含む水性分散液の製造方法を提供することを目的とする。そのために、短時間で一気に大量の粒子を処理しなければならず、それぞれの粒子が親水化される過程中に表面が酸化、変質または悪化してはならない。また、粒子が凝集されたり沈殿されず、溶液中に独立して分散していなければならない。一方、脂肪酸のような高沸点物質が親水化過程中に完全に除去されて低温で焼結され、低い比抵抗を示さなければならない。本発明は、前記の問題点を解決するために、添加剤を溶解した表面改質液を開発することを目的とする。
【0012】
また、表面改質過程を経た粒子は、改質前と同様の物性を有していなければならず、焼結時の比抵抗値は、改質前と同様の値を維持しなければならない。即ち、金属ナノ粒子の安全性のために表面に配位されるキャッピング物質層が相当薄く、焼結過程中に容易に除去されて、配線の低抗体として残存してはならない。但し、キャッピング物質層は比重が相対的に高い金属ナノ粒子を水性溶媒に効果的に分散しなければならず、長期間粒子に十分に配位される必要があるため、適した官能基を有しなければならない。これにより、伝導性配線及び金属膜を形成する際に、電気伝導性が大きく向上される金属ナノ粒子水性分散液の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、前記目的を達成するために、金属ナノ粒子に対して付着能力を有する界面活性剤が含まれた水性溶媒を表面改質液として使用する。また、前記で使用された水性溶媒と疎水性溶媒に同時に混和性を有する湿潤分散剤を添加することにより、二つの溶媒の混合均質性を高めて表面改質反応が生じる有効面積を拡大し、短時間で大量の粒子を処理できるようにする。また、粒子が独立分散するようにして粒子の凝固を防止し、界面活性剤の表面改質の反応が行われるようにする。また、前記混合溶液に酸化防止剤と配位子除去剤を添加して、反応中に金属ナノ粒子が変質したり酸化することを防止し、金属ナノ粒子が親水化後にも固有物性を維持できるようにする。また、高沸点の疎水性配位子を除去することにより、低温焼結特性を有する親水性金属ナノ粒子が含まれた水性分散液を製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、金属ナノ粒子の水性分散液を製造する方法であって、
(a)粒子表面に疎水性配位子を含む金属ナノ粒子を疎水性溶媒に分散させる段階と、
(b)前記(a)段階の分散液を界面活性剤、湿潤分散剤及び水性溶媒が含まれた表面改質液に混合する段階と、
(c)前記(b)段階の混合液に配位子除去剤を混合して親水性金属ナノ粒子を生成し、これを分離する段階と、
(d)前記(c)段階の親水性金属ナノ粒子を水性溶媒に分散する段階と、を含む構成からなる金属ナノ粒子水性分散液を製造する方法を提供する。
【0015】
本発明の前記(a)段階で疎水性配位子を含む金属ナノ粒子は、プラズマ工程、アーク放電法、還元剤を用いた湿式還元法、熱分解法などにより製造されてもよく、1〜200nmの大きさを有する貴金属または遷移金属のナノ粒子である。その具体的な例として、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)及びスズ(Sn)から選択される一つ以上の金属、その合金または酸化物が挙げられる。
【0016】
前記疎水性配位子は、凝固を防止し、酸化安定性を提供し、オレイン酸、カプロン酸、ステアリン酸などのようなC−C20脂肪酸、あるいはオレイルアミン、ブチルアミン、オクチルアミンなどのようなC−C18脂肪酸アミンから選択された1種以上であってもよい。金属ナノ粒子の表面は疎水性配位子により保護され得る。
【0017】
本発明の前記(a)段階の疎水性溶媒は、金属ナノ粒子100重量部に対して200〜1000重量部が混合される。特定の疎水性配位子に応じて各種疎水性溶媒が(a)段階で使用されてもよく、具体的には、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、テトラデカン、クロロホルム、メチルクロライド、ブチルカルビトールアセテート(Butyl carbitol acetate)、エチルカルビトールアセテート(Ethyl carbitol acetate)、α−テルピネオール(α−Terpineol)、エタノール、アセトン、メタノールなどが使用されてもよく、好ましくは、トルエンが使用されてもよい。
【0018】
前記疎水性溶媒は、金属ナノ粒子の均質分散のために、湿潤分散剤、粘度調節剤、脂肪酸などをさらに混合してもよい。また、前記混合液が前記(b)段階で水性溶媒に滴下される際に、金属ナノ粒子が水性溶媒に直接接触することによる衝撃を防止するために、(b)段階で使用される界面活性剤を(a)の混合液に添加してもよい。前記湿潤分散剤、粘度調節剤、脂肪酸及び界面活性剤から選択される添加剤は、疎水性溶媒100重量部に対して1〜30重量部をさらに添加してもよい。前記(a)段階の混合液は、超音波分散機、均質攪拌機、ホモジナイザー、ビーズミルなどの機器を用いて粒子分散性を高めることができ、その他に粒子分散性を向上させることができる方法であれば何れを用いてもよい。
【0019】
本発明の前記(b)段階では、前記(a)段階の金属ナノ粒子分散液を界面活性剤、湿潤分散剤及び水性溶媒が含まれた表面改質液に混合する。前記(b)段階で、前記(a)段階の金属ナノ粒子分散液は、前記表面改質液100重量部に対して1分あたり0.1〜20重量部の速度で滴下される。1分あたり0.1重量部未満の速度では生産性が低く、20重量部を超える速度では一度に多すぎる溶媒が水性溶媒に加えられるため、溶液が均一に分散しない可能性がある。金属ナノ粒子分散液と表面改質液とを混合した後、10分〜120分間攪拌して混合してもよい。
【0020】
本発明の前記(b)段階の水性溶媒は、添加剤、即ち、界面活性剤、湿潤分散剤、酸化防止剤及び配位子除去剤を完全に溶解させることができる溶媒であってもよく、また、前記(a)段階で使用される疎水性溶媒とうまく混合される溶媒が好ましい。前記表面改質液に含まれた水性溶媒は、前記(a)段階で使用される溶媒に応じて異なって選択してもよく、具体的な例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、メチルグリコール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール、メトキシプロポキシプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールの水溶性オリゴマー、プロピレングリコール、プロピレングリコールの水溶性オリゴマー、グリセロールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、グリセロールエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサンなどのケトン類から選択される1種以上の溶媒を用いてもよい。
【0021】
本発明の前記(b)段階における界面活性剤は、金属ナノ粒子に吸着されて金属ナノ粒子に水溶性を与える機能を行い、金属ナノ粒子に吸着される疎水性部分と、その反対方向に向かい粒子に水溶性を与える親水性部分とで構成されている。前記界面活性剤は、疎水性部分がC−C18アルキル鎖からなり、水溶性部分が重量平均分子量600〜20000の高分子からなることが好ましい。重量平均分子量が600未満の場合には、十分な水分散性を得ることが難しく、20000を超える場合には、焼結過程で配線にアッシュ(ash)として残存する可能性が大きい。
【0022】
前記の疎水性部分と親水性部分を含んでいる界面活性剤であれば何れを使用してもよく、好ましくは、非イオン性界面活性剤または陰イオン性界面活性剤であることが、本発明の金属ナノ粒子水性分散液を製造するのに有利である。また具体的には、アルカリ水溶性樹脂、ポリアクリル酸、ポリイミン、スルホサクシネート、アルキルホスフェート、Brij 52、56、76、93、97、98、700などのポリオキシエチレン脂肪族エーテル、Dow Chemical社製のTriton X−100やIGEPALのようなポリオキシエチレンフェニルエーテル、プルロニックポリマー(Pluronicpolymer)、PVP(Polyvinylpyrrolidone)、DBS(Dodecyl benzene sulfonate)、脂肪酸アミンエーテルポリオキシエチレン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、含脂肪族エーテルポリオキシエチレン、含芳香族エーテルポリオキシエチレン及びポリエチレングリコールエステルなどから選択される1種以上を含む。
【0023】
本発明の前記(b)段階の界面活性剤は、水性溶媒100重量部に対して1〜30重量部を混合することが効果的である。
【0024】
前記(b)段階に添加される湿潤分散剤は、(a)段階の溶媒と(b)段階の溶媒の相溶性を向上させ、それぞれの金属ナノ粒子の間に侵透して静電反発力、あるいはバルキーな構造による立体障害により粒子を分離させて、前記(b)段階の混合溶液中で粒子が凝固しないようにする。本発明の前記(b)段階の表面改質液に含有される湿潤分散剤は、水性溶媒100重量部に対して1〜30重量部を混合することが効果的であり、前記湿潤分散剤としては、ポリジメチルシラン、酸性ポリエステルのアルキロールアンモニウム塩、ポリアクリル酸のアルキロールアンモニウム塩から選択される1種以上を含む湿潤分散剤を用いてもよい。
【0025】
湿潤分散剤の具体的な例としては、BYK180、184、191、194、151、154、187、2090、2091、2095、190、181、2163、192などのBYK Chemie社製;Tego 710、720W、730WなどのEvonik Tego Chemie GmbH社製;Zonyl FSA、FSE、FSP、URなどのDupont社製などから選択される1種以上を使用してもよい。
【0026】
本発明の前記(b)段階で、金属ナノ粒子が水性溶媒に接触したとき、酸化に弱い場合、酸化防止剤を(b)段階の表面改質液に添加してもよい。このような用途に使用される添加剤としては、グルタチオン(glutathione)、α−トコフェロール(α−tocopherol)、リポ酸(lipoic acid)、尿酸(uric acid)、カロチン(carotenes)、ユビキノール(ubiquinol)、プロピルガレート(propyl gallate)、酒石酸(tartaric acid)、クエン酸(citric acid)、ブチルヒドロキシアニソール(butylated hydroxyanisole)、ブチルヒドロキシトルエン(butylated hydroxyl toluene)、マロン酸(malonic acid)、ジチオスレイトール(dithiothreitol)、ジボラン(diborane)、L−セレクトリド(Lselectride)、メルカプトエタノール(mercaptoethanol)、tert−ブチルヒドロキノン(tert−butylhydroquinone)、メラトニン(melatonin)、ヒドラジン、p−ベンゼンスルホニルヒドラジド、硫酸ヒドラジン、しゅう酸、アスコルビン酸、ぎ酸及び全トランス型レチノイン酸(all−trans Retinoic Acid;ATRA)から選択される1種以上を用いてもよく、または、Santoflex 44PD(N、N´−di−sec−butyl−p−phenylenediamine)及びR.T.Vanderbilt Company社製のVANLUBE9317、RD、NA、887、887E、7723、BHCなどのジフェニルアミン(diphenylamine)系化合物から選択される1種以上を用いてもよい。前記酸化防止剤は、前記(b)段階の水性溶媒100重量部に対して5〜30重量部を添加することが効果的である。
【0027】
本発明は、金属ナノ粒子の表面から疎水性配位子を完全に除去して金属ナノ粒子の低温焼結性を向上させるために、従来配位子に比べて粒子との配位結合力がより高い配位子除去剤を添加してもよい。本発明の前記配位子除去剤としては、特に、第4級アンモニウム塩が金属粒子に対して強力な配位力を有する。前記第4級アンモニウム塩は、韓国公開特許第2008−0109885号、韓国公開特許第2007−0015441号、韓国公開特許第2007−0053783号、韓国公開特許第1990−7002082号、韓国公開特許第2001−0082102号などに公知された第4級アンモニウム塩を用いてもよく、前記第4級アンモニウム塩の具体的な例としては、水酸化テトラアルキルアンモニウム(tetraalkylammonium hydroxide)系化合物、テトラアルキルアンモニウムハライド(tetraalkylammonium halide)系化合物、テトラアルキルアンモニウムボロヒドリド系(tetraalkylammonium borohydride)系化合物、テトラアルキルアンモニウムナイトレート(tetraalkylammonium nitrate)系化合物、テトラアルキルアンモニウムホスフェート(tetraalkylammonium phosphate)系化合物、テトラアルキルアンモニウムサルフェート(tetraalkylammonium sulfate)系化合物及びテトラアルキルアンモニウムハイドロゲンサルフェート(tetraalkylammonium hydrogen sulfate)系化合物などから選択される1種以上を使用してもよい。
【0028】
本発明の前記(c)段階の配位子除去剤は、前記(b)段階の水性溶媒100重量部に対して0.1〜30重量部を添加してもよい。前記配位子除去剤は、前記(b)段階で(a)段階の分散液を表面改質液に混合する前に表面改質液に予め添加してもよく、(a)段階の分散液を表面改質液に混合する工程中に投入してもよく、(a)段階の分散液を表面改質液に混合する工程完了後に添加してもよい。
【0029】
本発明の前記(c)段階で親水性金属ナノ粒子の生成後にこれを分離するために、遠心分離やフィルタリングの方法により回収する。洗浄溶媒は、エタノール、アセトン、メタノール、ヘキサンなどが使用されてもよく、表面改質液100重量部に対して10重量部〜2000重量部を加えてもよい。洗浄した粒子は遠心分離機により1000〜10000rpmで1分〜10分間駆動して回収してもよい。
【0030】
本発明の前記(c)段階で回収した親水性金属ナノ粒子は、水性溶媒に再分散することにより、金属ナノ粒子水性分散液を製造することができる。このように製造された親水性金属ナノ粒子は、平均粒径が1〜20nmであり、超微細金属ナノ粒子を形成することができる。
【0031】
前記(d)段階の水性溶液は、(b)段階の水性溶媒を参照して記載した水性溶媒から選択された一つ以上の水性溶媒であってもよい。(d)段階で使用された水性溶媒は、(d)段階で使用された水性溶媒と同一であってもよく相違してもよい。
【0032】
本発明の前記金属ナノ粒子水性分散液は、金属ナノ粒子を短時間で単純工程により大量の粒子を処理することができるという点において非常に重要な技術である。また、水性溶媒下でも金属ナノ粒子の表面酸化がなく、粒子の凝固がないため、単分散性に優れ、100〜250℃の低温で焼結が可能であるため、半導体物質だけでなく高分子物質上でも電気伝導性に優れた金属配線を形成することができるという長所がある。
【0033】
本発明の金属ナノ粒子水性分散液は、電子、材料、通信、機械、医薬、農業、エネルギー、環境などの幅広い分野で応用することができ、特に金属ナノ粒子インク組成物は電子分野において非常に幅広く応用することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の前記金属ナノ粒子水性分散液は、金属ナノ粒子を短時間で単純工程により大量の粒子を処理することができるという点において非常に重要な技術である。また、水性溶媒下でも金属ナノ粒子の表面酸化がなく、粒子の凝固がないため、単分散性に優れ、低温で焼結が可能であるため、半導体物質だけでなく高分子物質上でも電気伝導性に優れた金属配線を形成することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明により疎水性金属ナノ粒子の表面を親水化する過程を示したものである。
【図2】親水化する前の6nmの疎水性Agナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図3】本発明の比較例1により製造されたAgナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図4】本発明の実施例1により製造されたAgナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図5】本発明の実施例1により製造されたAgナノ粒子の親水化前後の結果を比較した写真である。
【図6】本発明の実施例1により製造されたAgナノ粒子のFT−IR分析結果である。
【図7】本発明の実施例3により製造されたAgナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図8】親水化する前の30nmの疎水性Cuナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図9】本発明の実施例5により製造されたCuナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図10】本発明の実施例6により製造されたCuナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の前記目的及びその他の目的、特徴及び長所は、添付の図面と組み合わせて与えられた特定実施例から明らかになるであろう。
【0037】
添付の図面は必ずしも一定の割合で示されたものではなく、本発明の基本原則を説明するために多数の好ましい特徴を単純に示したものとして理解しなければならない。本発明に記載した特定図面の特徴、例えば、特定の寸法、方向、位置及び形状は、特定の意図された適用及び使用環境に応じて部分的に決定される。
【0038】
以下、本発明の長所、特徴及び見解は、添付の図面を参照して本発明の以下の記載から明らかになるであろう。しかし、発明は相違する形態で具体化されてもよく、本発明に提示された様態に制限されると見なされてはならない。むしろ、これら様態は、本発明の記載が当業者に本発明の範囲を徹底的で完全かつ十分に伝達されるように提供される。本発明に用いられた用語は特定様態のみを記述することを目的とし、実施例を制限する意図ではない。本発明に使用されたように、単数型「一つ」、及び「該」は他に言及しない限り複数型を含む。また、明細書で用いられる「含む(comprise)」及び/または「含んでいる(comprising)」は、言及された特徴、整数、段階、作業、要素、及び/または成分の存在を明示するが、一つ以上のその他の特徴、整数、段階、作業、要素、成分、及び/またはその群の存在または追加を排除しない。
【0039】
以下、本発明を下記の実施例を参照してより詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0040】
[製造例1]6nm疎水性銀(Ag)ナノ粒子の製造
金属前駆体として酢酸銀(silver acetate)50gとオレイン酸30gをトルエン300mlに70℃で溶解し、還元剤としてヒドラジン50gを投入して反応させた。反応温度を10℃/minの割合で増加させて100℃に維持しながら2時間反応させた。反応が終了した後、常温に冷却してエタノールを加えて洗浄し、遠心分離機を用いて分離した。このような方法で製造したナノ粒子の電子透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図2に図示した。
【0041】
[比較例1]湿潤分散剤を使用せずにアルカリ水溶性樹脂を用いた6nmのAgナノ粒子の親水化
製造例1の疎水性銀ナノ粒子2gをトルエン50gに溶解し、ホモジナイザーで30分間均一に分散した。表面改質液としてメタノール100gにアルカリ水溶性樹脂(Soluryl 70、重量平均分子量7000、韓化石油化学製)5gが溶解されている溶液を用意した後、ここに前記銀ナノ粒子分散液を10ml/minの速度で滴下した。滴下が終了した後、生成された混合物を30分間反応させた。エタノール100gで2回洗浄して遠心分離機から回収した。このように水性分散した粒子のTEM写真を図3に示した。分析結果、ナノ粒子が凝固されて100nm以上のマイクロ粒子を形成することが確認できた。前記粒子を水性分散した場合、1時間以内に沈殿が発生した。
【実施例1】
【0042】
アルカリ水溶性樹脂を用いた6nmのAgナノ粒子の親水化
製造例1の疎水性銀ナノ粒子2gをトルエン50gに溶解し、ホモジナイザーで30分間均一に分散した。表面改質液としてメタノール100gにアルカリ水溶性樹脂(Soluryl 70、重量平均分子量 7000、韓化石油化学製)5g、BYK192(BYK Chemie)3gが溶解されている溶液を用意した後、ここに前記銀ナノ粒子分散液を10ml/minの速度で滴下した。滴下が終了した後、15分間反応させてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH;Tetramethylammoniumhydroxide)/メタノール15wt%溶液を5ml加えて、また15分間反応させた。エタノール100gで2回洗浄し、遠心分離機から回収した。このように水性分散した粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図4に示した。分析結果、6nm以下の粒子が粒径をそのまま維持しながら親水化されることが確認できた。前記粒子を水性分散した場合、3ヶ月以上分散安全性を維持した。図5に親水化前後の写真を示した。前記粒子に対してFT−IRで分析した結果、オレイン酸が除去されたことが観察され、この結果を図6に示した。
【実施例2】
【0043】
プルロニックポリマー(Pluronicpolymer)を用いた6nmのAgナノ粒子の親水化
前記の実施例1と同様に実施するが、アルカリ水溶性樹脂の代りにPluronic F127(BASF、重量平均分子量12,700)3gを使用した。TEM分析結果、親水化処理後にも粒度を維持し、水性分散した場合、3ヶ月以上分散安全性を維持することが確認できた。
【0044】
[製造例2]80nmの疎水性銀(Ag)ナノ粒子の製造
平均粒径80nmのAgナノ粒子(Nanodynamics社製)2gをオレイン酸10gの溶媒で30分間混合した後、エタノールで洗浄し、遠心分離機から回収した。前記粒子をトルエン10gに溶解した。
【実施例3】
【0045】
アルカリ水溶性樹脂を用いた80nmのAgナノ粒子の親水化
製造例2の疎水性銀ナノ粒子2gを実施例1のように処理した。TEM分析結果、親親水化処理後にも粒度を維持し、図7にその結果を示した。水性分散した場合、3ヶ月以上分散安全性を維持することが確認された。
【0046】
[製造例3]30nmの疎水性銅(Cu)ナノ粒子の製造
金属前駆体として銅アセテート(copper acetate)50gとオレイン酸30gをトルエン300mlに70℃で溶解し、還元剤としてヒドラジン50gを投入して反応させた。窒素雰囲気下で反応温度を10℃/minの割合で増加させて100℃に維持させると、初期の青色が徐々に赤色に変化した。2時間反応させた後、常温に冷却してエタノールを加えて洗浄した。ナノ粒子は遠心分離機を用いて分離した。このような方法により製造されたCuナノ粒子のTEM写真を図8に示した。
【実施例4】
【0047】
アルカリ水溶性樹脂を用いた30nmのCuナノ粒子の親水化
製造例3の疎水性銅ナノ粒子2gをトルエン50gに溶解してホモジナイザーで30分間均一に分散した。表面改質液としてメタノール100gにアルカリ水溶性樹脂(Soluryl 70、重量平均分子量7000、韓化石油化学製)5g、BYK180(BYK Chemie)3g、しゅう酸3gが溶解されている溶液を用意した後、ここに前記銅ナノ粒子分散液を10ml/minの速度で滴下した。滴下が終了した後、30分間反応させた。エタノールで洗浄して遠心分離機から回収した。前記粒子を水性分散した場合、1ヶ月以上分散安全性を維持した。
【実施例5】
【0048】
ポリオキシエチレンを用いた30nmのCuナノ粒子の親水化
前記の実施例4と同様に実施するが、アルカリ水溶性樹脂の代りにポリオキシエチレンオレイルアミンエーテル(Wako、重量平均分子量1000)を界面活性剤として用いた。このように水性分散した粒子のTEM写真を図9に示した。分析結果、30nm以下の粒子が粒径をそのまま維持しながら親水化されることが確認できた。前記粒子を水性分散した場合、1ヶ月以上分散安全性を維持した。
【実施例6】
【0049】
プルロニックポリマー(Pluronicpolymer)を用いた30nmのCuナノ粒子の親水化
前記の実施例4と同様に実施するが、アルカリ水溶性樹脂の代りにPluronic F127(BASF、重量平均分子量12700)を界面活性剤として用いた。このように水性分散された粒子のTEM写真を図10に示した。分析結果、30nm以下の粒子が粒径をそのまま維持しながら親水化されることが確認できた。前記粒子を水性分散した場合、1ヶ月以上分散安全性を維持した。
【0050】
[製造例4]80nmの疎水性銅(Cu)ナノ粒子の製造
平均粒径80nmのCuナノ粒子(Applied Nanotech社製)2gをオレイン酸10gの溶媒で30分間混合した後、エタノールで洗浄して遠心分離機から回収した。この粒子をトルエン10gに溶解した。
【実施例7】
【0051】
プルロニックポリマー(Pluronicpolymer)を用いた80nmのCuナノ粒子の親水化
実施例6と同様な方法により実施するが、銅ナノ粒子分散液を80nmの銅ナノ粒子分散液に変更して実施し、粒子の粒径をそのまま維持しながら親水化されることを確認した。
【実施例8】
【0052】
銀(Ag)ナノ粒子のインクフォーミュレーション及び伝導度
実施例1の方法により製造された親水性銀ナノ粒子を用いてインクジェット用粒子分散液を製造した。水80gにジエチレングリコール20g、BYK190 3g、モノエタノールアミン(monoethanolamine)3gを溶解した溶液を用意した後、この溶液5gに実施例1で製造された6nmのAgナノ粒子5gを投入して50wt%のAg分散液を用意した。前記溶液は、30分間ホモジナイザーで均一分散させた。この溶液をガラス基板に10μmの厚さで塗布した後、空気雰囲気下の150℃オーブンで30分間焼結した。製造された導電性金属膜を伝導度測定装置を用いて伝導性を測定した結果、5μΩ・cmの比抵抗でバルクAg金属比抵抗の約3倍の伝導性を示した。
【実施例9】
【0053】
銅(Cu)ナノ粒子のインクフォーミュレーション及び伝導度
実施例5の方法により製造された親水性銅ナノ粒子を用いてインクジェット用粒子分散液を製造した。水80gにジエチレングリコール20g、BYK190 3gを溶解した溶液を用意した後、前記溶液5gに実施例5で製造された30nmのCuナノ粒子5gを投入して50wt%のCu分散液を用意した。前記溶液は30分間ホモジナイザーで均一分散させた。
【0054】
この溶液をガラス基板に10μmの厚さで塗布した後、空気雰囲気下の250℃オーブンで30分間焼結した。製造された導電性金属膜を伝導度測定装置を用いて伝導性を測定した結果、10μΩ・cmの比抵抗でバルクCu金属比抵抗の約6倍の伝導性を示した。
【0055】
本発明による実施例1〜9は、図2〜図10に示されたように、比較例1による方法と比較して、TEM分析結果、粒子が表面処理前後に同一の粒径を維持しながら独立分散して水性溶媒に分散されることができると示された。また実施例8と9に示されたように、本発明による金属ナノ粒子分散液は、焼結の際に産業的に利用可能な電気伝導性を示した。
【0056】
本発明は、特定様態により記載されているが、添付の特許請求範囲で定義した主旨及び範囲から外れない範囲で様々に変化及び変形することができるのは当業者にとって明白なことであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に疎水性配位子を含む金属ナノ粒子を疎水性溶媒に分散させる段階と、
生成された分散液を界面活性剤、湿潤分散剤及び水性溶媒が含まれた表面改質液に混合する段階と、
生成された混合液に配位子除去剤を混合して親水性金属ナノ粒子を生成し、これを分離する段階と、
前記親水性金属ナノ粒子を水性溶媒に分散する段階と、
を含む金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項2】
金属ナノ粒子の平均粒径が1〜200nmであることを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項3】
金属ナノ粒子は、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、スズ(Sn)、及びその合金から選択される1種以上の金属であることを特徴とする請求項2に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項4】
金属ナノ粒子は、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)及びスズ(Sn)から選択される1種以上の金属酸化物であることを特徴とする請求項2に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項5】
疎水性配位子は、C−C20脂肪酸、及びC−C18脂肪酸アミンから選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項6】
疎水性配位子は、オレイン酸、カプロン酸、ステアリン酸、オレイルアミン、オクチルアミン及びブチルアミンから選択される1種以上であることを特徴とする請求項5に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項7】
疎水性溶媒は、金属ナノ粒子100重量部に対して200〜1000重量部であることを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項8】
疎水性溶媒は、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、テトラデカン、クロロホルム、メチルクロライド、ブチルカルビトールアセテート(Butyl carbitol acetate)、エチルカルビトールアセテート(Ethyl carbitol acetate)、α−テルピネオール(α−Terpineol)、エタノール、アセトン及びメタノールから選択される1種以上であることを特徴とする請求項7に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項9】
疎水性溶媒は、疎水性溶媒100重量部に対して、湿潤分散剤、粘度調節剤、脂肪酸及び界面活性剤から選択される添加剤1〜30重量部をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項10】
生成された分散液は、表面改質液100重量部に対して1分あたり0.1〜20重量部の速度で滴下することを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項11】
表面改質液は、水性溶媒100重量部に対して、界面活性剤1〜30重量部及び湿潤分散剤1〜30重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項12】
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項11に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項13】
界面活性剤は、アルカリ水溶性樹脂、ポリアクリル酸、ポリイミン、スルホサクシン酸、アルキルホスフェート、プルロニックポリマー(Pluronicpolymer)、ポリビニルピロリドン、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸アミンエーテルポリオキシエチレン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪族エーテルポリオキシエチレン、含芳香族エーテルポリオキシエチレン及びポリエチレングリコールエステルから選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項12に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項14】
湿潤分散剤は、ポリジメチルシラン、酸性ポリエステル酸のアルキロールアンモニウム塩、ポリアクリル酸のアルキロールアンモニウム塩から選択される1種以上であることを特徴とする請求項11に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項15】
表面改質液は、水性溶媒100重量部に対して、酸化防止剤5〜30重量部をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項16】
酸化防止剤は、グルタチオン(glutathione)、α−トコフェロール(α−tocopherol)、リポ酸(lipoic acid)、尿酸(uric acid)、カロチン(carotenes)、ユビキノール(ubiquinol)、プロピルガレート(propyl gallate)、酒石酸(tartaric acid)、クエン酸(citric acid)、ブチルヒドロキシアニソール(butylated hydroxyanisole)、ブチルヒドロキシトルエン(butylated hydroxy toluene)、マロン酸(malonic acid)、ジチオスレイトール(dithiothreitol)、ジボラン(diborane)、L−セレクトリド(L−selectride)、メルカプトエタノール(mercaptoethanol)、tert−ブチルヒドロキノン(tertbutylhydroquinone)、メラトニン(melatonin)、ジフェニルアミン(diphenylamine)系酸化防止剤、ヒドラジン、p−ベンゼンスルホニルヒドラジド、硫酸ヒドラジン、しゅう酸、アスコルビン酸、ぎ酸及び全トランス型レチノイン酸(all−trans Retinoic Acid;ATRA)から選択される1種以上であることを特徴とする請求項15に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項17】
配位子除去剤は、表面改質液の水性溶媒100重量部に対して0.1〜30重量部が添加されることを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項18】
配位子除去剤は、水酸化テトラアルキルアンモニウム系化合物、テトラアルキルアンモニウムハライド系化合物、テトラアルキルアンモニウムボロヒドリド系化合物、テトラアルキルアンモニウムナイトレート系化合物、テトラアルキルアンモニウムホスフェート系化合物、テトラアルキルアンモニウムサルフェート系化合物及びテトラアルキルアンモニウムハイドロゲンサルフェート系化合物から選択される1種以上であることを特徴とする請求項17に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項19】
水性溶媒は、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子水性分散液の製造方法。
【請求項20】
請求項1〜19の何れか一項に記載の製造方法により製造される金属ナノ粒子水性分散液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−504692(P2013−504692A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528753(P2012−528753)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【国際出願番号】PCT/KR2010/006261
【国際公開番号】WO2011/031118
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(595137310)ハンファ ケミカル コーポレーション (31)
【Fターム(参考)】