説明

水溶性樹脂組成物およびこれを用いて微細パターンを形成する方法

【課題】半導体工程のフォトレジストのコンタクトホールパターンの大きさを効率よく減少することによって、微細なフォトレジストパターンを形成することのできる水溶性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記の(式1)のように表示される水溶性重合体および第1水溶性溶媒を含み、コンタクトホールパターンが形成されているフォトレジスト膜上に塗布および熱処理することによって、前記コンタクトホールの大きさを減少させる水溶性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、樹脂組成物に関する技術および樹脂組成物をフォトレジストのコーティング膜に用いることによって、半導体工程などで微細パターンを安定に形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの高集積化、高性能化、およびリソグラフィー(lithography)工程の発展に伴って様々なフォトレジストの開発が加速化しつつある。このような高集積化および高性能化に応じて、デザインルールの微細化に対応する化学増幅型のフォトレジストが共に発展してきたが、ArF露光装備を用いて実現できる最小の解像度は0.05μm程度である。これによって集積化された半導体素子を製造するための微細パターンの形成には困難があり、様々な方法が検討されてきた。
【0003】
現在まで多く用いられている微細パターンの形成方法として、高温の熱処理によって流動性を付与するレジストサーマルリフロー(resist thermal reflow)方法がある。フォトレジストでコンタクトホールパターンを形成した後、フォトレジストをガラス転移温度以上に熱処理することによって、コンタクトホールパターンの大きさを減少することができるものの、この方法によれば、パターンのトップラウンド(top−rounding)現象およびアンダーカット(undercut)現象が発生することがあり、閾値(critical dimension)の調整が困難である。
【0004】
一方、サーマルリフロー方法が有する短所を改善させた方法として、形成されたフォトレジストコンタクトホールパターンにRELACS(クラリアント社製造)、SAFIER(東京応化工業社製造)などの機能性物質を用いてパターンの大きさを減少させる方法が用いられている。このような方法は、形成されたフォトレジストコンタクトホールパターンの全面に機能性物質をコーティングして加熱処理することにより、前記機能性物質とフォトレジストコンタクトホールとの境界面において架橋反応が行われ、結果的にコンタクトホールパターンの大きさを縮小する方法である。
【0005】
しかし、前述の方法は、コンタクトホールパターンの大きさを減少させることはできるものの、十分に小さいコンタクトホールパターンを獲得するためには工程を何回も繰り返さなければならないという不具合がある。また、前記機能性物質は、ポリビニルアルコールのような水溶性高分子から構成されているが、芳香族の構造またはバルキー(bulky)の部分を含んでいないことから、エッチングの耐性に弱いという問題がある。さらに、前記のような方法は、次第に集積化および微細化されているコンタクトホールパターンに対するコーティング性能が不充分であり、加熱工程の際に加熱温度によって架橋される厚さを一定に調整できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、半導体工程のフォトレジストのコンタクトホールパターンの大きさを効率よく減少することによって、微細なフォトレジストパターンを形成することのできる水溶性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
また、本発明は、前記水溶性樹脂組成物を用いて大きさが微細、かつ形状が安定したパターンの構造を有するフォトレジスト微細パターンを形成する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る微細パターン形成用の水溶性樹脂組成物は、下記の(式1)のように表示される水溶性重合体および第1水溶性溶媒を含み、コンタクトホールパターンが形成されているフォトレジスト膜上に塗布および熱処理することによって前記コンタクトホールの大きさを減少させてもよい。
【0009】
【化1】

【0010】
前記(式1)において、前記R1、R2、R3、およびR5はそれぞれ独立的に水素、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、エポキシ基、ニトリル基、アミン基、またはアルデヒド基を含むC1-30のアルキル基、またはC3-30のシクロアルキル基であり、前記R4、R6、R7、およびR8はそれぞれ独立的に水素またはメチル基であり、前記nは0〜5である整数であり、前記aは0.05〜0.5である実数であり、前記b、cおよびdはそれぞれ0〜0.7である実数であり、前記a、b、cおよびdはa+b+c+d=1である条件を満たす。
【0011】
前記水溶性溶媒は、水100重量部およびアルコール1〜20重量部を含んでもよく、前記微細パターン形成用の水溶性樹脂組成物は、前記水溶性溶媒100重量部対比前記水溶性重合体0.01〜15重量部を含んでもよい。一方、前記アルコールとして、アルコキシ系のアルコールを用いてもよい。
【0012】
前記水溶性重合体のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、3,000〜50,000であることが好ましく、前記水溶性重合体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.0〜5.0であってもよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係る微細パターンの形成方法は、フォトレジスト膜を形成するステップと、フォトリソグラフィ工程によって前記フォトレジスト膜上にコンタクトホールパターンを形成してフォトレジストパターン膜を備えるステップと、前記フォトレジストパターン膜上に、 前記 水溶性樹脂組成物を塗布するステップと、前記水溶性樹脂組成物が塗布されたフォトレジストパターン膜を熱処理して架橋部位を含むコーティング膜を形成するステップと、第2水溶性溶媒で前記コーティング膜を溶解し、前記架橋部位を除いたコーティング膜を除去するステップと、を含む。
【0014】
前記第2水溶性溶媒は水を含んでもよい。さらに、前記熱処理は、100〜200℃の温度下で行われてもよい。前記コンタクトールの大きさは、前記熱処理の温度を変化させることによって調整されてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る水溶性樹脂組成物がコーティングされるベースとしてのフォトレジスト膜は非水溶性膜であってもよく、ノルボルネン誘導体を含むフォトレジスト樹脂を含んでもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態に係る水溶性樹脂組成物は、半導体工程などで0.05μm未満の微細コンタクトホールを形成できるようにし、トップラウンド、アンダーカットなどフォトレジストコンタクトホールの構造的な欠陥を最小化することによって、多様なパターンを含む半導体素子の小型化および安定性を著しく増加させることができる。
【0017】
本発明の一実施形態に係る微細パターンの形成方法によれば、微細なコンタクトホールを含むフォトレジストパターン膜を安定的かつ効率よく形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る水溶性樹脂組成物について詳細に説明する。しかし、下記の説明は本発明の技術的な思想を説明するための例示的の説明に過ぎず、請求範囲発明の技術的な思想を制限することはない。
【0019】
本発明の一実施形態に係る水溶性樹脂組成物は、下記の(式1)のように表示される重合体および水溶性溶媒を含む。
【0020】
【化2】

【0021】
前記(式1)において、前記R1、R2、R3およびR5はそれぞれ独立的に水素、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、エポキシ基、ニトリル基、アミン基、またはアルデヒド基を含むC1-30のアルキル基またはC3-30のシクロアルキル基であり、前記R4、R6、R7およびR8はそれぞれ独立的に水素またはメチル基であり、前記nは0〜5である整数であり、前記aは0.05〜0.5である実数であり、前記b、cおよびdはそれぞれ0〜0.7である実数であり、前記a、b、cおよびdはa+b+c+d=1の条件を満たす。
【0022】
前記重合体は(式1)から分かるように、ノルボルネン誘導体からなる反復単位(a)を含む。前記ノルボルネン誘導体は、前記重合体を変形された螺旋状の構造を有する共重合体に誘導する特性を有する。ノルボルネン誘導体を樹脂組成物に導入することによって、従来におけるメタクリレート系の共重合体が有する低い溶解度の問題を大きく改善することができる。また、従来におけるメタクリレート共重合体は、重合時に分子量を調整し難く、低分子量の重合体を合成することが容易ではなかった。しかし、前記(式1)の重合体を用いる場合、前記ノルボルネン誘導体の反復単位(a)が一種の分子量調節剤として機能することによって重合程度を調整する場合、低分子量の重合体を合成することができる。また、前記ノルボルネン誘導体の反復単位は、芳香族の構造を有することからエッチングの耐性を強化する役割を果す。
【0023】
前記(式1)の重合体の例としては、下記の(式2)〜(式16)のように表示される共重合体が挙げられる。
【0024】
【化3】

【0025】
【化4】

【0026】
【化5】

【0027】
【化6】

【0028】
【化7】

【0029】
【化8】

【0030】
【化9】

【0031】
【化10】

【0032】
【化11】

【0033】
【化12】

【0034】
【化13】

【0035】
【化14】

【0036】
【化15】

【0037】
【化16】

【0038】
【化17】

【0039】
前記(式1)〜(式16)の共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、またはグラフト共重合体であってもよい。前記重合体の重合方法は通常の方法によって重合されるが、ラジカル重合が好ましい。ラジカル重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)、ラウリルパーオキサイド、アゾビスイソカプロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、およびt−ブチルヒドロペルオキシドなどを用い、ラジカル重合開始剤の種類は特に限定されない。重合方法として、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、バルク懸濁重合、乳化重合などの方法を用いてもよい。また、重合溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、ハロゲン化ベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エステル類、エーテル類、ラクトン類、ケトン類、アミド類、アルコール類などを用いてもよく、前記重合溶媒は、単独または2以上の混合溶媒を用いてもよい。
【0040】
重合温度は、触媒の種類に応じて適切に選択して用いる。重合体の分子量分布は、重合開始剤の使容量および反応時間を変更して適切に調整してもよい。重合が完了した後、反応混合物に残っている反応しない単量体および副生成物は溶媒による沈殿法によって除去してもよい。
【0041】
前記重合体のゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」と称する)は、2、000〜1、000、000であり、フォトレジストとしての感度、現像性、塗布性、耐熱性などの物性を考慮する場合、3、000〜50、000が好ましい。また、重合体の分子量分布は1.0〜5.0、具体的には1.0〜3.0である。
【0042】
本実施形態において、前記水溶性溶媒としてアルコールと水の混合物を用いてもよい。前記アルコールの種類としてC1-10のアルキル系アルコールまたはC1-10のアルコキシ系アルコールが好ましい。前記水溶性溶媒に含まれるアルコールは水100重量部対比1〜20重量部になるよう用いてもよい。前記アルコールの含量が1重量部未満であれば、溶解促進の効果が低下する一方、アルコールの含量が20重量部を超過すれば、均一な塗布膜を形成することが難しい。
【0043】
前記アルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、see−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、または2、2−ジメチル−プロパノールなどのアルキル系アルコールと、2−メトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、および3−メトキシ−1、2−プロパンジオールなどのアルコキシ系アルコールが挙げられる。前記アルコールは単独で用いられるか、2以上の混合物で用いてもよい。
【0044】
また、前記水溶性樹脂組成物に含まれる固形分としての水溶性重合体は、水溶性溶媒100重量部対比0.01〜15重量部の含量を有することが好ましい。前記水溶性重合体の組成物内の含量が0.01重量部未満であれば、塗布性が低下してフォトレジストのコーティング膜の形成が不充分であり、一方、15重量部を超過すれば、コーティングの均一性が低下する恐れがある。
【0045】
前述した水溶性樹脂組成物は、複数のコンタクトホールを含むフォトレジストパターンが形成されたウェハーの基板上に塗布して乾燥することによって被膜を形成してもよい。前記水溶性樹脂組成物を製造して濾過した後、濾過された溶液を回転塗布、流し塗布、またはロール塗布などの方法でパターン上に塗布してもよい。このような方法によって塗布された水溶性樹脂組成物は、熱処理、すなわち、フォトレジストベイクを介して架橋膜を形成し、コンタクトホールの大きさを縮小させる。一方、架橋されない水溶性樹脂組成物を水溶性溶媒、例えば、水で除去してもよい。
【0046】
前記熱処理温度を様々に変形することによって、前記架橋膜の厚さを調整することができ、架橋膜の厚さを調整することにより、結果的にコンタクトホールの大きさを調整することが可能になる。
【0047】
以下は、具体的な実施形態を挙げて本発明の水溶性樹脂組成物をより詳説する。しかし、以下の実施形態によって本発明の技術的な思想が制限されることはない。
水溶性重合体の合成
〔合成例1〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド(acrylamide)10.0g、ヒドロキシエチルアクリルアミド(hydroxyethylacrylamide)7.3g、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(dimethylaminopropylmethacrylamide)10.1gを1、4−ジオキサン(dioxane)31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネン(norbornene)4.0gを重合用開始剤であるジメチルアゾビスイソブチレート(dimethylazobisisobutylate)2.0gと共に1、4−ジオキサン94.2gに溶かして常温を維持しつつ、窒素ガスの注入下で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながら前記250mlのフラスコの溶液をシリンジポンプを用いて1時間の間に徐々に滴下させた。再びこの温度で10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して下記の(式2)の重合体21.1g(収得率67%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8、500、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=2.94であった。
【0048】
【化18】

【0049】
〔合成例2〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド11.2g、ジメチルアミノエチルアクリレート(dimethylaminoethylacrylate)7.3g、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド10.1gを1、4−ジオキサン31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネン4.0gを重合用開始剤であるジメチルアゾビスイソブチレート2.0gと共に1、4−ジオキサン94.2gに溶かして常温を維持しつつ、窒素ガスの注入下で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながら前記250mlのフラスコの溶液をシリンジポンプを用いて1時間の間に徐々に滴下させた。再びこの温度で10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して下記の(式3)の重合体22.1g(収得率68%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は7、900、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=2.63であった。
【0050】
【化19】

【0051】
〔合成例3〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド10.0g、ヒドロキシエチルアクリルアミド9.5g、ジメチルアミノエチルメタクリレート(dimethylaminoethylmethacrylate)10.1gを1、4−ジオキサン31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネン4.0gを重合用開始剤であるジメチルアゾビスイソブチレート2.0gと共に1、4−ジオキサン94.2gに溶かして常温を維持しつつ、窒素ガスの注入下で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながら前記250mlのフラスコの溶液をシリンジポンプを用いて1時間の間に徐々に滴下させた。再びこの温度で10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して次の(式4)の重合体23.7g(収得率71%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8、100、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=2.81であった。
【0052】
【化20】

【0053】
〔合成例4〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド15.4g、ジメチルアミノエチルアクリレート4.3g、tert−ブチルメタクリルアミド(tert−butylmethacrylamide)10.0gを1、4−ジオキサン31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネン4.0gを重合用開始剤であるジメチルアゾビスイソブチレート2.0gと共に1、4−ジオキサン94.2gに溶かして常温を維持しつつ、窒素ガスの注入下で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながら前記250mlのフラスコの溶液をシリンジポンプを用いて1時間の間に徐々に滴下させた。再びこの温度で10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して下記の(式5)の重合体25.2g(収得率75%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8、300、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=2.75であった。
【0054】
【化21】

【0055】
〔合成例5〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド7.3g、ジメチルアミノエチルアクリレート9.5g、n−ヘキシルメタクリルアミド(n−hexylmethacrylamide)10.1gを1、4−ジオキサン31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネン4.0gを重合用開始剤であるジメチルアゾビスイソブチレート2.0gと共に1、4−ジオキサン94.2gに溶かして常温を維持しつつ、窒素ガスの注入下で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながら前記250mlのフラスコの溶液をシリンジポンプを用いて1時間の間に徐々に滴下させた。再びこの温度で10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して次の(式6)の重合体25.6g(収得率83%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は7、200、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=2.65であった。
【0056】
【化22】

【0057】
〔合成例6〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド10.0g、ヒドロキシエチルアクリルアミド7.3g、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド10.1gを1、4−ジオキサン31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネンアルコール(5−norbornene−2−ol)4.0gを重合用開始剤であるジメチルアゾビスイソブチレート2.0gと共に1、4−ジオキサン94.2gに溶かして常温を維持しつつ、窒素ガスの注入下で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながら前記250mlのフラスコの溶液をシリンジポンプを用いて1時間の間に徐々に滴下させた。再びこの温度で10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して下記の(式7)の重合体20.2g(収得率64%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8、400、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=3.02であった。
【0058】
【化23】

【0059】
〔合成例7〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド10.0g、ジメチルアミノエチルアクリレート10.1g、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド8.5gを1、4−ジオキサン31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネンアルコール(5−norbornene−2−ol)4.0gを重合用開始剤であるジメチルアゾビスイソブチレート2.0gと共に1、4−ジオキサン94.2gに溶かして常温を維持しつつ、窒素ガスの注入下で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながら前記250mlのフラスコの溶液をシリンジポンプを用いて1時間の間に徐々に滴下させた。再びこの温度で10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して次の(式8)の重合体23.5g(収得率72%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は7、800、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=2.76であった。
【0060】
【化24】

【0061】
〔合成例8〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド10.0g、ヒドロキシエチルアクリルアミド10.1g、ジメチルアミノエチルメタクリレート7.9gを1、4−ジオキサン31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネンカルボン酸(5−norbornene−2−carboxylic acid) 4.0gを重合用開始剤であるジメチルアゾビスイソブチレート2.0gと共に1、4−ジオキサン94.2gに溶かして常温を維持しつつ、窒素ガスの注入下で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながら前記250mlのフラスコの溶液をシリンジポンプを用いて1時間の間に徐々に滴下させた。再びこの温度で10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して次の(式14)の重合体22.1g(収得率69%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8、600、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=2.85であった。
【0062】
【化25】

【0063】
〔合成例9〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド10.0g、ジメチルアミノエチルアクリレート8.5g、tert−ブチルメタクリルアミド9.2gを1、4−ジオキサン31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネンカルボン酸4.0gを重合用開始剤であるジメチルアゾビスイソブチレート2.0gと共に1、4−ジオキサン94.2gに溶かして常温を維持しつつ、窒素ガスの注入下で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながら前記250mlのフラスコの溶液をシリンジポンプを用いて1時間の間に徐々に滴下させた。再びこの温度で10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して下記の(式15)の重合体24.2g(収得率76%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は7、300、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=2.98であった。
【0064】
【化26】

【0065】
〔合成例10〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド9.5g、ジメチルアミノエチルアクリレート9.5g、n−ヘキシルメタクリルアミド7.8gを1、4−ジオキサン31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネンカルボン酸4.0gを重合用開始剤であるジメチルアゾビスイソブチレート2.0gと共に1、4−ジオキサン94.2gに溶かして常温を維持しつつ、窒素ガスの注入下で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながら前記250mlのフラスコの溶液をシリンジポンプを用いて1時間の間に徐々に滴下させた。再びこの温度で10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して下記の(式16)の重合体21.8g(収得率71%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は7、900、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=2.81であった。
【0066】
【化27】

【0067】
〔比較合成例1〕
500mlの3口フラスコに重合用単量体アクリルアミド10.0g、ヒドロキシエチルアクリルアミド8.0g、ジメチルアミノエチルメタクリレート9.0gを1、4−ジオキサン31gと共にフラスコに付加して一先ず溶かした。反応槽の温度を65℃に維持しながら10時間の間に反応させた後、重合が完了した溶液を常温で冷却した。常温まで冷却された反応溶液は過量のヘキサン(n−hexane)を用いて沈殿させた後濾過した。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後、減圧乾燥して下記の(式17)の重合体15.9g(収得率59%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は9、300、重量平均分子量と数平均分子量の比はMw/Mn=3.42であった。
【0068】
【化28】

【0069】
フォトレジスト樹脂合成
〔合成例11〕
重合用単量体2−メチル2−アダマンチルメタクリレート(2−methyl2−adamantyl methacrylate)/γ−ブチロラクチルメタクリレート(γ−butyrolactyl methacrylate)/3−ヒドロキシ1−アダマンチルメタクリレート(3−hydroxy1−adamantyl methacrylate)それぞれ10.0g/7.3g/10.1gずつを1、4−ジオキサン31gに溶かした。次に、250mlのフラスコにノルボルネン4g、重合開始剤としてAIBN2.0gおよび重合溶媒として1、4−ジオキサン94.2gを入れた後、窒素ガスの注入下で常温で1時間の間に撹はんさせた。反応槽の温度を65℃に維持しながらビーカーに溶かした重合用単量体を1時間にかけて徐々に滴加した後、16時間の間に反応させて重合が完了した溶液を常温まで冷却させた。常温まで冷却された反応溶液をヘキサンに沈殿させた後濾過させた。濾過時には同一の溶媒に数回洗浄した後減圧乾燥して、下記の(式18)の重合体21g(収得率67%)を獲得した。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8、800、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/Mn)は1.86であった。
【0070】
【化29】

【0071】
レジスト調剤および評価
〔実施形態1〕:コンタクトホールパターン形成
合成例11で獲得された重合体100重量部に対して酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムノナフレート2.5重量部と塩基性添加剤としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.75重量部をプロピレングリコールメチルエーテルアセテート1、000重量部に溶解させた後0.2μm厚さの被膜を形成させた。獲得されたフォトレジスト液をスピンナーを用いて基板に塗布し、110℃で60秒間乾燥させて0.2μm厚さの被膜を形成させた。形成された被膜にArFエキシマレーザステッパー(レンズ開口数:0.78)を用いて露光させた後、110℃で60秒間熱処理した。続いて、2.38wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に40秒間現像、洗浄、乾燥してポジティブ型コンタクトホールパターンを形成させた。コンタクトホールパターンの大きさを走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)で測定し、このときコンタクトホールパターンの大きさは123.1nmであった。
【0072】
〔実施形態2〕
前記〔合成例1〕で獲得された樹脂(式2)3.0gを蒸留水95gとイソプロピルアルコール(isopropylalcohol)5gの混合溶媒に十分に溶解させた後、0.2μmの膜フィルタに濾過して水溶性樹脂組成物(フォトレジストパターンコーティング用の組成物)を製造した。前記水溶性樹脂組成物をコンタクトホールパターンの形成されたウェハー上にスピンコーティングして薄膜を形成した後、150℃のオーブンで60秒間熱処理して架橋反応を促進させた。続いて、脱イオン水で60秒間リンスして回転させながら架橋反応が行われない水溶性樹脂組成物を除去した。その後、コンタクトホールパターンの大きさを走査電子顕微鏡で測定し、水溶性樹脂組成物の塗布によるコンタクトホールパターンの大きさは91.6nmとして、31.5nmが縮小されたことを確認した。
【0073】
〔実施形態3〜11〕
実施形態3〜11は、下記の表1に記載されたような組成が使用された以外には前述した実施形態2のような方法で水溶性樹脂組成物をコンタクトホールパターンの形成されたウェハー上にスピンコーティングして薄膜を形成した後、コンタクトホールパターンの大きさを測定した。
【0074】
〔比較例1〕
比較例1は、水溶性重合体として比較合成例1で合成された重合体を用いたこと以外は、前述した実施形態2と同一の方法でコンタクトホールを形成してパターンの大きさを測定した。
【0075】
【表1】

【0076】
前記表1の結果から確認されるように、各実施形態において獲得されたコンタクトホールの大きさの縮小程度は比較例1と比較するとき著しく優れている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の(式1)のように表示される水溶性重合体および第1水溶性溶媒を含み、
コンタクトホールパターンが形成されているフォトレジスト膜上に塗布および熱処理することによって前記コンタクトホールの大きさを減少させることを特徴とする微細パターン形成用の水溶性樹脂組成物。
【化1】

(前記(式1)において、前記R1、R2、R3、およびR5はそれぞれ独立的に水素、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、エポキシ基、ニトリル基、アミン基、またはアルデヒド基を含むC1-30のアルキル基、またはC3-30のシクロアルキル基であり、前記R4、R6、R7、およびR8はそれぞれ独立的に水素またはメチル基であり、前記nは0〜5である整数であり、前記aは0.05〜0.5である実数であり、前記b、cおよびdはそれぞれ0〜0.7である実数であり、前記a、b、cおよびdはa+b+c+d=1である条件を満たす)
【請求項2】
前記水溶性溶媒は、水100重量部およびアルコール1〜20重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の微細パターン形成用の水溶性樹脂組成物。
【請求項3】
前記水溶性溶媒100重量部および前記水溶性重合体0.01〜15重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の微細パターン形成用の水溶性樹脂組成物。
【請求項4】
前記アルコールは、アルコキシアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の微細パターン形成用の水溶性樹脂組成物。
【請求項5】
前記水溶性重合体のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、3,000〜50,000であることを特徴とする請求項1に記載の微細パターン形成用の水溶性樹脂組成物。
【請求項6】
前記水溶性重合体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.0〜5.0であることを特徴とする請求項5に記載の微細パターン形成用の水溶性樹脂組成物。
【請求項7】
フォトレジスト膜を形成するステップと、
フォトリソグラフィ工程によって前記フォトレジスト膜上にコンタクトホールパターンを形成してフォトレジストパターン膜を備えるステップと、
前記フォトレジストパターン膜上に、請求項1に記載の水溶性樹脂組成物を塗布するステップと、
前記水溶性樹脂組成物が塗布されたフォトレジストパターン膜を熱処理して架橋部位を含むコーティング膜を形成するステップと、
第2水溶性溶媒で前記コーティング膜を溶解し、前記架橋部位を除いたコーティング膜を除去するステップと、
を含むことを特徴とする微細パターンの形成方法。
【請求項8】
前記第2水溶性溶媒は水であることを特徴とする請求項7に記載の微細パターンの形成方法。
【請求項9】
前記熱処理は、100〜200℃の温度下で行われることを特徴とする請求項7に記載の微細パターンの形成方法。
【請求項10】
前記コンタクトホールの大きさは、前記熱処理の温度を変化させることによって調整されることを特徴とする請求項7に記載の微細パターンの形成方法。
【請求項11】
前記フォトレジスト膜は非水溶性膜であり、ノルボルネン誘導体を含むことを特徴とする請求項7に記載の微細パターンの形成方法。

【公開番号】特開2012−155304(P2012−155304A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73283(P2011−73283)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(502323737)コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド (16)
【Fターム(参考)】