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水溶性芯地のための水溶性接着コーティング
説明

水溶性芯地のための水溶性接着コーティング

接着剤でコーティングされた繊維担体から構成され、刺繍接着芯地として使用される芯地であって、前記接着剤は水溶性の熱可塑性ポリマーを有する芯地において、従来の技術から公知の接着剤を水溶性芯地とくに不織布に問題なく使用し得るように構成・改良しようとする課題のために、前記接着剤は水性ポリマー分散液またはポリマー溶液あるいはその両方として形成されている芯地。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤でコーティングされた繊維担体から構成され、刺繍接着芯地として使用される芯地であって、前記接着剤は水溶性の熱可塑性ポリマーを有している芯地に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭に述べたタイプの水溶性刺繍接着芯地のための水溶性接着剤はすでにドイツ特許公開公報第10032796号明細書から公知である。さらに、芯地、特に不織布への繊維層の一時的固着に使用される固着性水溶性接着剤も公知である。
【0003】
この場合、加工前または加工中に、芯地ないし不織布は上地として形成された繊維層と熱プレスによって貼り合わされる。これに続いて、強化層および非強化層が組み合わされ、縫い付けられて、必要に応じ、成形アイロンによって成形される。
【0004】
続いての洗浄工程の後、接着剤は洗い流される。これによって、組み合わされた層は再び溶解され、こうして、衣類はいっそう柔軟かつソフトになる。
【0005】
こうして、収縮性の相違するクロスも、保護処理後に気泡形成を生ずることなく、組み合わせることが可能である。
【0006】
ドイツ特許公開公報第10032769号明細書から公知の接着剤は、スプレッドコーティング、ホットメルトコーティング、水溶性溶融接着剤不織布の重ね合わせまたは水溶性不織布上への溶融接着剤不織布の直接の精紡によって付着する。
【0007】
ドイツ特許公開第10032769号明細書から公知のコポリアミド/ポリアミド、ポリビニルアルコールおよび/またはコポリアミド/ポリアミド・ベースの接着剤用ポリマーは、接着剤中の水分が水溶性不織布の点状溶解をもたらすことから、水性分散液の形でロータリースクリーン印刷法によって水溶性不織布上にプリントすることは不可能である。
【0008】
水溶性不織布の溶けたあるいはプリントされた箇所が、接着剤でコーティングされた不織布に対して見栄えのよくない印象を感じさせてしまう表面性状を作り出す。
【0009】
このような懸念は芯地が接着した繊維層にも生じるので、この表面性状に対する懸念が完成品の視覚的印象を損なうという好ましくない現象を生み出してしまうことになる。
【0010】
不織布中の溶けた箇所もしくは穴は許容できないものであるので、そのようなものの衣類または刺繍用の材料としての使用は不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】ドイツ特許公開公報第10032769号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで本発明の目的は、従来の技術から公知の接着剤を、水溶性芯地とくに不織布に問題なく使用できるよう改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記課題を特許請求項1記載の特徴によって解決する。
【0014】
この請求項による特徴は、冒頭に述べたタイプの芯地が、接着剤が水性ポリマー分散液またはポリマー溶液あるいはその両方として形成されていることである。
【0015】
驚くべきことに、十分高度に濃縮された水性ポリマー分散液またはポリマー溶液あるいはその両方は、上述した不適な効果を生ずることなく、易水溶性支持体上にプリント可能であることが見出された。本発明により、水性系が冷水可溶性不織布にプリント可能であることが見出された。ここでは、冷水とは温度40℃以下の水として理解される。
【0016】
上記課題はさらに以下のようにしてより良好に解決される。
【0017】
プリントに際してはCP5〜CP250のステンシルサイズを使用することができる。
【0018】
接着剤は50%以上の固体含有量を有していてもよい。これ以上の濃度によって冷水可溶性支持体の膨潤が回避される。
【0019】
接着剤はビニルピロリドンまたは改質されたビニルピロリドンを有していてよいであろう。水性ポリマー分散液またはポリマー溶液あるいはその両方の製造には特にポリビニルピロリドンおよびコポリマーが適切であることが判明した。ビニルピロリドンは冷水可溶性に優れているが、強い吸湿性を有し、空気湿度が高まると共に粘着性が増大する。ポリビニルアセテート成分を有するビニルピロリドンは室温において非改質ビニルピロリドンほど強い吸湿性を有していない。したがって、コーティングされた芯地は巻き付けられた状態で互いに付着してしまうことは回避される。
【0020】
接着剤はポリオールまたはポリグリコールを有するようにしてもよい。ポリオールおよび/またはポリグリコールの添加によって、ポリマーとくにビニルピロリドンの融解範囲を変化とりわけ低下させ、あるいは、ポリマーのメルトフローをそれぞれの使用に適合させることが可能となる。水溶性接着剤はポリグリコールによって軟化される。好ましくは、ポリエチレングリコール(PEG)が軟化剤として使用される。特に好ましくは、PEG400が0〜20%の濃度にて、特に好ましくは2〜10%の濃度で使用される。
【0021】
さらに、接着剤には、0〜10重量%のプリント助剤たとえば分散剤または増粘剤が混入されると好適である。
【0022】
繊維担体が水溶性であることも好適である。これにより、支持体を溶解させることができる。
【0023】
繊維担体はポリビニルアルコールから製造されていることが好適である。支持体のポリビニルアルコールはポリマーのエトキシ化または鹸化度95%以上の鹸化によって改質されているとよい。改質されたポリビニルアルコールは冷水つまり10〜40℃の温度の水によく溶解する。特に、繊維担体は不織布として形成されていることが好都合である。この不織布は20〜120g/mの単位面積重量を有しているとよい。
【0024】
繊維担体および接着剤はいずれも10〜40℃の温度で水に溶ける、水溶性となると好都合である。
【0025】
冒頭に述べた課題は、繊維担体をコーティングするための接着剤によっても解決できる。
【0026】
上記の接着剤は非水溶性支持体へのプリントにも適している。非水溶性の繊維担体にも、加工後に容易に洗い流すことのできる上記接着剤による良好な固着性コートを付着させることが可能である。こうした事情から、上記接着剤の固体含有量は50%以下であると好都合である。
【0027】
本願明細書に述べる芯地は固着性を有している。すなわち、この芯地は、熱処理によって、任意の類の繊維製上地と問題なく結合可能である。こうした熱処理つまり固着または貼り合せは80〜140℃の温度にて実施される。
【0028】
本願明細書に述べる接着剤は、好ましくは、不織布芯地とくに水溶性の不織布芯地および/または刺繍不織布に使用可能である。
【0029】
本願明細書に述べるタイプの芯地を製造するための本発明による方法は、前記繊維担体を準備するステップと、水性ポリマー分散液またはポリマー溶液あるいはその両方を有する接着剤で前記繊維担体をコーティングするステップとを含むことである。これによれば、先ず、水性ポリマー分散液またはポリマー溶液あるいはその両方でコーティングされた中間製品として芯地が製造される。この中間製品は、続いて、水性ポリマー分散液またはポリマー溶液あるいはその両方の水分が除去され、最終製品つまり本願で特許請求されている芯地となる。
【0030】
さて、本発明の技術思想を好適な形態で実現し、発展させるさまざまな可能性が存在する。これについては、従属請求項にも記載されているし、さらに以下に記載の好ましい実施形態の説明を参照することができる。
【0031】
以下、好ましい実施形態の説明と共に、本発明の技術思想の好適な実施態様ならびに実施例も説明する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に記載の表には、融解範囲ならびにメルトフローの変化が示されている。
【表1】

【0033】
好ましくは、Luvitec VA 64と0〜20%のPEG 400とくに好ましくは3〜15%のPEG 400との混合物が使用される。ただし、その他のPEGも同じく使用可能である。
【実施例】
【0034】
実施例1:
80g/mの単位面積重量を有する木綿100%からなる水噴射圧縮固着された不織布に、45%の固体含有量を有する水性ポリマー分散液からなる接着剤がプリントされた。
【0035】
上記ポリマー分散液は、400g/lのLuvitec VA 64と、40g/lのPEG 400と、分散剤、増粘剤ならびにペースト溶離助剤の混合物5g/lとからなっていた。
【0036】
プリントはロータリースクリーン印刷技法を用いて行われた。プリントステンシルCP 110(開放面積20%に相当)により、25g/mの接着剤からなるコートが付着された。乾燥は145℃にて行われた。
【0037】
実施例2:
刺繍接着芯地の支持体として、冷水可溶性ポリビニルアルコール(PVAL)ステープルファイバーから製造され、熱結合された約40g/mの単位面積重量を有する不織布が使用された。
【0038】
ポリビニルアルコールファイバー・ステープルファイバーはゲル紡糸法で製造され、4g/denierの強度を有していた。この不織布は接着剤つまり固体含有量60%の分散液ないし溶液でプリントされた。
【0039】
上記接着剤は、600g/lのLuvitec VA 64と、45g/lのPEG 400と、分散剤、増粘剤ならびにペースト溶離助剤の混合物5g/lとからなっていた。
【0040】
プリントはロータリースクリーン印刷技法を用いて行われた。プリントステンシルCP 52(開放面積15%に相当)により、15g/mの接着剤からなるコートが付着された。乾燥は145℃にて行われた。
【0041】
上記の接着剤によるプリントは驚くべきことになんの問題ももたらさなかった。乾燥後に、層間の付着もまったく認められなかった。
【0042】
以下に記載の第2表には、本願明細書に述べるタイプの芯地がHemden−Popelineテストクロスと結合される場合に生ずる粘着強さが表されている。
【表2】

【0043】
上記第2表に挙げられた改質(mod.)PA(ポリアミド)はドイツ公開第100 32 769号記載の実施例1によるポリアミドと同じである。VAはビニルアセテートの略であり、その際、製品Luvitec VA 64が使用される。PEGはポリエチレングリコールの略である。
【0044】
利点:
コポリエステル・ベースの冷水可溶性ポリマー粉末(タイプSchaettifix 699)の焼結に際する焼結条件は支持体の収縮開始限度の150℃以上であった。焼結時には大きな幅損失が生じた。
【0045】
上記は、本発明による混合物と本願明細書に述べる方法をもってすれば、もはや問題ではない。150℃以下の乾燥温度は十分に実現可能である。プリントされた点の焼結は非常に良好である。
【0046】
水溶性ポリマーから紡糸不織布を別個に精紡し、これらを水溶性不織布と貼り合せるという手間とコストを要する方法は、本願明細書に述べる方法によって大幅に簡易化される。
【0047】
上記のタイプのポリマー混合物も融合させることが可能であるが、その際、褐色気味の変色が生ずる。このポリマー混合物はホットメルトとしてまたは微粉砕された状態で粉末点として付着可能である。ただし、こうした付加的な工程は方法コストを高め、しかも、変色は望ましくない付加的な性状をもたらすことになる。
【0048】
本願明細書に述べる方法は、成分を攪拌混合することができるため、容易に実現可能である。脱気後、やや白みがかった分散液または透明な溶液が生ずる。変性セルロースからなる1〜3%の増粘剤によって、混合物の粘度をプリントに必要な粘度に調整することが可能である。また、必要に応じ、なおその他のプリント助剤をわずかな量で添加することも可能である。
【0049】
プリント可能な接着剤は、冷水可溶性支持体への良好なプリントを可能にすべく、50%以上の固体含有量を有していなければならない。ただし、固体含有量が75%以上になると、プリントへの使用がなかなか困難になる高粘度の混合物が生ずる。非水溶性支持体には、固体含有量のもっと低い混合物もプリント可能である。
【0050】
本発明による理論のさらにその他の有利な実施態様ならびに発展形態については、一方で本願明細書の一般的な記述を、他方で添付の特許請求の範囲を参照されたい。
【0051】
最後に、上述したように、ここで取り上げられた実施形態ないしは実施例は本発明の技術思想の説明を目的としたものであり、本発明がこれらの実施形態ないしは実施例に限定されるものではないことを、特に強調しておく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤でコーティングされた繊維担体から構成され、刺繍接着芯地として使用される芯地であって、前記接着剤は水溶性の熱可塑性ポリマーを有する芯地において、
前記接着剤が水性ポリマー分散液またはポリマー溶液あるいはその両方として形成されていることを特徴とする芯地。
【請求項2】
前記接着剤が50%以上の固体含有量を有することを特徴とする請求項1に記載の芯地。
【請求項3】
前記接着剤がビニルピロリドンを有することを特徴とする請求項1または2に記載の芯地。
【請求項4】
前記接着剤がポリオールまたはポリグリコールを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の芯地。
【請求項5】
前記繊維担体が水溶性であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の芯地。
【請求項6】
前記繊維担体がポリビニルアルコールから製造されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の芯地。
【請求項7】
前記繊維担体及び前記接着剤がいずれも10〜40℃の温度で水溶性となることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の芯地。
【請求項8】
前記繊維担体は冷水可溶性不織布として形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の芯地。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の芯地に利用される繊維担体をコーティングするために用いられる接着剤であって、水性ポリマー分散液またはポリマー溶液あるいはその両方を含んでいる接着剤。
【請求項10】
固体含有量が50%以下であることを特徴とする請求項9に記載の接着剤。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の芯地を製造するための方法であって、
前記繊維担体を準備するステップと、水性ポリマー分散液またはポリマー溶液あるいはその両方を有する接着剤で前記繊維担体をコーティングするステップとを含む芯地製造方法。

【公表番号】特表2013−507538(P2013−507538A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533520(P2012−533520)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006206
【国際公開番号】WO2011/045017
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(510057615)カール・フロイデンベルク・カー・ゲー (19)
【Fターム(参考)】