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水溶性重合体組成物
説明

水溶性重合体組成物

【課題】高硬度の硬水下での泥汚れの分散性に優れ、かつ、高いCaイオン捕捉能を有する水溶性重合体組成物を見出す。また、このような水溶性重合体組成物を見出すことで、高硬度の硬水下であっても、洗浄性に優れた洗剤組成物を提供する。
【解決手段】ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)と、ポリアルキレングリコール鎖を有しないポリカルボン酸系重合体(B)とを含有し、Caイオン捕捉能が300mgCaCO/g以上、硬度100ppmでのクレー分散能が0.5以上であることを特徴とする水溶性重合体組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高いキレート能(例えば、カルシウム捕捉能)と高い無機粒子(クレー)分散能とを兼ね備えた洗剤ビルダーなどとして好適な水溶性重合体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤組成物などの主成分となる界面活性剤としては、アニオン系のものが主として使用されている。ここで、「洗剤組成物」とは、最終製品たる洗剤そのものであるほか、洗剤を調製するための中間品をも指す。
【0003】
アニオン系の界面活性剤は、CaイオンやMgイオンなどの硬度成分が存在すると、これらの硬度成分と塩を形成し、不溶化してしまうので、洗浄力などの効果が顕著に低下する。そこで、これらの硬度成分を捕捉するために、例えば、Caイオン捕捉能に優れた水溶性重合体が、ビルダーとして洗剤に添加されている。水溶性重合体が、泥汚れなどの元となる無機粒子を水中に分散させる作用(すなわち、クレー分散能)をも有する場合、さらに泥汚れの洗浄力も向上させることができるので、このような水溶性重合体は、洗剤ビルダーとして好適となる。なお、クレー分散能の高さは、白布に対する再汚染防止作用として顕著に表れる。
【0004】
Caイオン捕捉能とクレー分散能とを兼備する重合体としては、水溶性ポリカルボン酸系重合体が当該技術分野で公知であり、上記した洗剤組成物用途の他、分散剤、凝集剤、スケール防止剤、キレート剤および繊維処理剤などの広範囲の用途に使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
水溶性ポリカルボン酸系重合体の例としては、例えば、アクリル酸系重合体(例えば、特許文献2を参照)やマレイン酸/アクリル酸系共重合体(例えば、特許文献3を参照)などが挙げられる。これらの重合体は、Caイオン捕捉能およびクレー分散能において優れた性能を発揮するので、上記各種用途において有用である。
【0006】
ところで、日本は、軟水の割合が比較的高く、従来レベルのCaイオン捕捉能を有する水溶性重合体でも、洗剤ビルダーとして充分機能していた。しかし、世界的規模で考えると、高硬度の硬水を洗濯に使用している地域は広く、そのような地域で使用されるビルダーには、より一層高性能なCaイオン捕捉能が要求されるが、水溶性重合体が多量のCaイオンを捕捉すると、塩を形成して不溶化するので、クレー分散能が低下してしまい、Caイオン捕捉能とクレー分散能とを高レベルで両立させることができないという問題があった。
【0007】
一方、ポリアルキレングリコール鎖を有する水溶性重合体がビルダーとして有用であることも知られている(例えば、特許文献4〜6を参照)。ただし、この水溶性重合体は、専ら、ビルダーとして液体洗剤への溶解性を発現させる目的で、ポリアルキレングリコール鎖を重合体中に導入しているので、重合体1gあたりのカルボキシル基量が上記ポリカルボン酸系重合体に比べると少なくなっており、高度な硬水環境下では、Caイオン捕捉能が不足するという問題があった。
【特許文献1】特許第3578893号公報
【特許文献2】特開昭62−270605号公報
【特許文献3】特開平5−247143号公報
【特許文献4】特開2002−60433号公報
【特許文献5】特開2002−60785号公報
【特許文献6】特開2004−75977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明では、上記従来技術を考慮して、従来のビルダーよりも優れたCaイオン捕捉能およびクレー分散能を発揮し得る水溶性重合体組成物を見出すことを課題としている。また、本発明では、このように高性能である洗剤ビルダーおよび洗剤組成物ならびに洗剤組成物の製造方法を提供することも課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の水溶性重合体組成物は、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)と、ポリアルキレングリコール鎖を有しないポリカルボン酸系重合体(B)とを含有し、Caイオン捕捉能が300mgCaCO/g以上、硬度100ppmでのクレー分散能が0.5以上であることを特徴とする。なお、本発明における「重合体」には、単独重合体はもとより、2以上の成分を含有する多元共重合体も含まれる。
【0010】
上記組成物は、好ましくは、上記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)と上記ポリカルボン酸系重合体(B)との合計量を100質量%とした場合に、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を5〜35質量%の量で含有し、ポリカルボン酸系重合体(B)を95〜65質量%の量で含有する。
【0011】
また、上記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)が、ポリアルキレングリコール鎖を有する重合性単量体と、不飽和モノカルボン酸もしくはその塩、および/または、不飽和ジカルボン酸もしくはその塩とを含有する単量体成分から合成されたものであると、一層Caイオン捕捉能およびクレー分散能が向上する。なお、以下、「カルボン酸もしくはその塩」を単に「カルボン酸(塩)」と省略することがある。
【0012】
上記水溶性重合体組成物は、好ましくは、上記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を含有し、上記ポリカルボン酸系重合体(B)を含有しない水溶液(a)と、上記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を含有せず、上記ポリカルボン酸系重合体(B)を含有する水溶液(b)とを別々に調製し、次いで、上記水溶液(a)と上記水溶液(b)とを混合する方法により製造される。
【0013】
本発明には、上記水溶性重合体組成物を含有する洗剤ビルダー、ならびに、この洗剤ビルダーを含有する洗剤組成物が包含される。また、本発明の洗剤組成物の製造方法は、上記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を含有し、上記ポリカルボン酸系重合体(B)を含有しない水溶液(a)と、上記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を含有せず、上記ポリカルボン酸系重合体(B)を含有する水溶液(b)とを別々に調製する工程;および、次いで、上記水溶液(a)と、上記水溶液(b)と、洗剤組成物に必要な他の成分とを混合する工程を包含することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の水溶性重合体組成物は、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)と、ポリカルボン酸系重合体(B)とを含有するものであり、高いCaイオン捕捉能と優れたクレー分散能とを発現する。それゆえ、この水溶性重合体組成物を洗剤ビルダーとして用いることで、高硬度の硬水環境下でも、良好な洗浄効果が得られる洗剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の水溶性重合体組成物は、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)と、ポリカルボン酸系重合体(B)を含有するものである。
【0016】
ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)は、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、2−ブテンオキサイド、トリメチルエチレンオキサイド、テトラメチレンオキサイド、ブタジエンモノオキサイド、オクチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド類;スチレンオキサイド、1,1−ジフェニルエチレンオキサイドなどの芳香族オキサイド類;エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリンなどのエピハロヒドリン類;グリシドール、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類から選択される少なくとも1種を、水またはアルコール類に、公知の方法で開環付加重合することにより得られる。しかし、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)は、好ましくは、ポリアルキレングリコール鎖を有する重合性単量体を含有する単量体成分(I)からラジカル重合により合成される。
【0017】
ポリアルキレングリコール鎖含有単量体の例としては、例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、グリセロールモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリルアルコールなどの不飽和アルコール1モルに対して、上記アルキレンオキサイドを1〜300モル付加して得られるエーテル系単量体;アルコール1モルに対して、上記アルキレンオキサイドを1〜300モル付加した長鎖アルコールと、(メタ)アクリル酸およびクロトン酸などの不飽和モノカルボン酸系単量体とのエステル化物;上記長鎖アルコールと、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸などの不飽和多価カルボン酸系単量体とのモノエステル化物(塩)またはジエステル化物(塩);(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸系単量体1モルに対して、上記アルキレンオキサイドを1〜300モル付加したモノエステル系単量体;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸などの不飽和多価カルボン酸系単量体1モルに対して、上記アルキレンオキサイドを1〜300モル付加したモノエステル化物(塩)またはジエステル化物(塩);などを挙げることができる。これらの単量体のうち、加水分解されやすいエステル結合を有しないエーテル系単量体が好適である。
【0018】
上記ポリアルキレングリコール鎖含有単量体においては、アルキレンオキサイドの付加モル数は、1〜300モルの範囲内である。付加モル数は、好ましくは3モル以上、より好ましくは10モル以上、さらに好ましくは20モル以上である。これは、このポリアルキレングリコール鎖がクレー分散能の発現に寄与しているからである。ただし、ポリアルキレングリコール鎖が長くなりすぎると、クレー分散能が低下する傾向にあるので、アルキレンオキサイドの付加モル数は、好ましくは100モル以下、より好ましくは75モル以下である。
【0019】
アルキレンオキサイドとしては、2種以上のオキサイド類を併用してもよく、異種のアルキレンオキサイド類を併用して付加させる場合、付加の順番は特に限定されるものではなく、付加はランダムもブロックでも構わない。上記アルキレンオキサイド類のうち、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドが好適である。
【0020】
ポリアルキレングリコール鎖含有単量体を含有する単量体成分(I)に加えても構わない他のラジカル重合性単量体としては、Caイオン捕捉能を有する観点から、不飽和モノカルボン酸(塩)および/または不飽和ジカルボン酸(塩)が好適である。
【0021】
「不飽和モノカルボン酸(塩)」とは、1分子中にラジカル重合性二重結合(不飽和結合)を1つとカルボキシル基を1つ有するカルボン酸もしくはその塩を意味する。アクリル酸、メタクリル酸、α−ヒドロキシアクリル酸もしくはこれらの塩が好適例として挙げられる。これらの化合物は、2種以上を併用してもよい。これらの化合物のうち、アクリル酸(塩)が最も好適である。また、「不飽和ジカルボン酸(塩)」とは、1分子中にラジカル重合性二重結合(不飽和結合)を1つとカルボキシル基を2つ有するカルボン酸もしくはその塩もしくはその無水物を意味する。不飽和ジカルボン酸(塩)の具体例としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸などが挙げられる。これらの化合物は、2種以上を併用してもよい。これらの化合物のうち、マレイン酸およびその無水物が好適である。
【0022】
上記不飽和モノカルボン酸および/または不飽和ジカルボン酸のカルボキシル基は、遊離型または塩型のいずれでもよい。それらは、部分塩型(すなわち、カルボキシル基の一部が塩型となっている)または全塩型のいずれでもよい。しかし、Caイオン捕捉能の重要性を考慮すると、CaやMgの塩とするのは好ましくない。それゆえ、塩を形成するのであれば、Na、Kなどのアルカリ金属を含有する化合物;アンモニア;モノエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン;などで塩を形成することが好ましい。なお、塩形成は、いつの時点で行ってもよい。すなわち、重合前、重合中、重合後のいずれの時点で行ってもよい。
【0023】
また、ポリアルキレングリコール鎖含有単量体を含有する単量体成分(I)に加えても構わないその他のラジカル重合性単量体の例としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアセチルアミドなどのアミド基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレンなどのアルケン類;スチレン、スチレンスルホン酸などの芳香族ビニル系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのケイ素含有ビニル系単量体類;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド類;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル類;(メタ)アクロレインなどのアルデヒド基含有ビニル系単量体;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、ビニルスルホン酸(塩)、スチレンスルホン酸(塩)、2−ヒドロキシ−3−ブテンスルホン酸(塩)、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;などが挙げられる。
【0024】
また、以下の単量体も使用可能である。塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリルなどの塩素含有単量体;(メタ)アリルアルコール;ビニルピロリドン;3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オールなどの不飽和アルコール類;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパン;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンホスフェートおよびその塩、または炭素数1〜4のアルキル基のモノもしくはジエステル;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンサルフェートおよびその塩、または炭素数1〜4のアルキル基のエステル;3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸およびその塩、または炭素数1〜4のアルキル基のエステル;3−(メタ)アクリロキシ−2−(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパンスルホン酸およびその塩、または炭素数1〜4のアルキル基のエステル;3−アリルオキシプロパン−1,2−ジオール;3−アリルオキシプロパン−1,2−ジオールホスフェート;3−アリルオキシプロパン−1,2−ジオールスルホネート;3−アリルオキシプロパン−1,2−ジオールサルフェート;3−アリルオキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン;3−アリルオキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパンホスフェート;3−アリルオキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパンスルホネート;3−アリルオキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパン;3−アリルオキシ1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパンホスフェート;3−アリルオキシ1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパンスルホネート;6−アリルオキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタオール;6−アリルオキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタオールホスフェート;6−アリルオキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタオールスルホネート;6−アリルオキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタ(ポリ)オキシエチレンエーテルヘキサン;6−アリルオキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタ(ポリ)オキシプロピレンエーテルヘキサン;3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸およびその塩、またはこれらの化合物のリン酸エステルもしくは硫酸エステルおよびそれらの塩;3−アリルオキシ2−(ポリ)オキシエチレンプロパンスルホン酸およびその塩、またはこれらの化合物のリン酸エステルもしくは硫酸エステルおよびそれらの塩;3−アリルオキシ−2−(ポリ)オキシプロピレンプロパンスルホン酸およびその塩、またはこれらの化合物のリン酸エステルもしくは硫酸エステルおよびそれらの塩;などを挙げることができる。
【0025】
ポリアルキレングリコール鎖含有単量体を含有する単量体成分(I)においては、ポリアルキレングリコール鎖含有単量体の量は、単量体成分(I)100質量%に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%または以上、さらに好ましくは40質量%以上である。これは、水溶性重合体(A)中にポリアルキレングリコール鎖を導入することにより、クレー分散能が向上するからである。しかし、ポリアルキレングリコール鎖含有単量体の量が多すぎると、クレー分散能が低下し、不飽和カルボン酸の量が減少するので、Caイオン捕捉能も低下する。それゆえ、ポリアルキレングリコール鎖含有単量体の量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは65質量%または以下、さらに好ましくは55質量%以下である。
【0026】
水溶性重合体(A)にCaイオン捕捉能を付与するためには、単量体成分(I)が上記不飽和カルボン酸(塩)および/または不飽和ジカルボン酸(塩)を含有することが好ましい。この場合、不飽和カルボン酸(塩)および/または不飽和ジカルボン酸(塩)の量は、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは35〜75質量%、さらに好ましくは45〜60質量%の範囲内である。すなわち、不飽和カルボン酸(塩)(特に、アクリル酸)および/または不飽和ジカルボン酸(塩)(特に、(無水)マレイン酸)と、ポリアルキレングリコール鎖含有単量体(特に、上記エーテル系単量体)とから、重合体(A)を合成することが好ましい。上記「その他の重合性単量体」を用いる場合、その量は、水溶性重合体(A)の水溶性を損なわないように、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
【0027】
水溶性重合体(A)の合成は、上記単量体成分(I)を用いて、従来公知の方法により行うことができる。具体的には、例えば、水、有機溶剤、あるいは、水可溶性有機溶剤と水との混合溶剤などの溶剤中における溶液重合により行うことができる。これら重合に用いることができる触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、過硫酸塩や過酸化水素などが挙げられ、促進剤(亜硫酸水素塩やアスコルビン酸など)を併用することができる。その他、アゾ系開始剤や有機過酸化物なども用いることができ、アミン化合物などの促進剤も併用することができる。使用する重合開始剤の分解効率を上げるために、必要に応じて、さらに多価金属イオンを反応系に存在させてもよい。使用できる有効な多価金属イオンとしては、Fe3+、Fe2+、Cu、Cu2+、V2+、V3+、VO2+が好適であり、Fe2+、Cu2+、VO2+が特に好適である。これらの多価金属イオンは、単独で用いても、これらの多価金属イオンの2種または以上を併用してもよい。
【0028】
重合反応を有利に進める観点から、重合開始剤と共に、過酸化水素、促進剤、金属イオンの1種あるいは2種以上を用いることが好ましい。具体的には、過硫酸塩と亜硫酸水素塩との併用系、過硫酸塩と亜硫酸水素塩または金属イオンとの併用系、過硫酸塩と過酸化水素との併用系、過硫酸塩と過酸化水素と金属イオンとの併用系などが好適である。また、分子量の調整剤として、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、次亜リン酸ナトリウムなどの連鎖移動剤を併用してもよい。
【0029】
水溶性重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜100,000である。これは、重量平均分子量(Mw)がこのような範囲内であれば、クレー分散能および取扱い性(例えば、相溶性、粘度など)が優れるからである。Mwの下限は、より好ましくは3,000、さらに好ましくは4,000である。また、Mwの上限は、より好ましくは50,000,さらに好ましくは20,000である。
【0030】
本発明の水溶性重合体組成物のもう一つの必須成分は、ポリカルボン酸系重合体(B)である。ポリカルボン酸系重合体(B)は、不飽和モノカルボン酸(塩)と不飽和ジカルボン酸(塩)とを主たる構成単位とする水溶性の共重合体である。ポリカルボン酸系重合体(B)は、不飽和モノカルボン酸(塩)と不飽和ジカルボン酸(塩)を含有する単量体成分(II)から合成される。不飽和モノカルボン酸(塩)と不飽和ジカルボン酸(塩)との合計量は、単量体成分(II)100モル%に対して、好ましくは80モル%以上である。両方の単量体の合計量が80モル%未満であると、ポリカルボン酸系重合体(B)中におけるカルボキシル基の量が少なくなるので、Caイオン捕捉能が不充分になることがある。不飽和モノカルボン酸(塩)と不飽和ジカルボン酸(塩)の合計量は多い方が好ましく、その下限は、より好ましくは90モル%であり、最も好ましいのは、両方の単量体からなる共重合体である。なお、この場合、これらと共重合可能な成分として、0〜20モル%の範囲で用いることのできる単量体としては、例えば、上記水溶性重合体(A)の合成を説明する際に例示した「その他のラジカル重合性単量体」が挙げられる。
【0031】
不飽和モノカルボン酸(塩)と不飽和ジカルボン酸(塩)との合計量を100モル%とした場合、不飽和ジカルボン酸(塩)の量は、好ましくは20〜70モル%の範囲内である。不飽和ジカルボン酸(塩)の量が多い方が、ポリカルボン酸系重合体(B)単位質量あたりのカルボキシル基量を多くすることができるので、Caイオン捕捉能が向上する。しかし、不飽和ジカルボン酸(塩)は重合しにくいので、後述する好適な分子量のポリカルボン酸系重合体(B)を得るには、不飽和ジカルボン酸(塩)の量を上記範囲に調整することが望ましいのである。不飽和ジカルボン酸(塩)の量の下限は、より好ましくは30モル%、さらに好ましくは40モル%である。不飽和ジカルボン酸(塩)の量の上限は、より好ましくは65モル%、さらに好ましくは60モル%である。そして、不飽和モノカルボン酸(塩)の量は、上記合計量100モル%に対して、好ましくは30〜80モル%の範囲内である。不飽和モノカルボン酸(塩)の量の下限は、より好ましくは35モル%、さらに好ましくは40モル%である。不飽和モノカルボン酸(塩)の量の上限は、より好ましくは70モル%、さらに好ましくは60モル%である。
【0032】
本発明のポリカルボン酸系重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜100,000である。Mwが上記範囲内であると、Caイオン捕捉能とクレー分散能とを高いレベルで両立できるといった優れた効果を得ることができる。また、Mwが100,000を超えると、各種クレー分散能が低下する他、水への溶解速度が遅くなる。ただし、Mwが1,000未満であると、Caイオン捕捉能が低下することがある。Mwの上限は、より好ましくは50,000、さらに好ましくは30,000、最も好ましくは20,000である。また、Mwの下限は、より好ましくは3,000、さらに好ましくは5,000、最も好ましくは8,000である。
【0033】
上記単量体成分(II)を用いた重合により、ポリカルボン酸系重合体(B)を得る場合には、上記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)と同様に、当該技術分野で公知の水溶液重合法を用いることができる。また、本出願人(または譲受人)が見出した特定の製造方法(特願2004−172918号として、日本に出願済み)を採用すると、Caイオン捕捉能とクレー分散能とが極めて良好なポリカルボン酸系重合体(B)を得ることができる。以下、上記特定の製造方法について説明する。なお、以下の製造方法の説明においては、不飽和モノカルボン酸(塩)を単に「単量体(m)」と、不飽和ジカルボン酸(塩)を単に「単量体(d)」と、ポリカルボン酸系重合体(B)を単に「重合体(B)」と称することがある。
【0034】
上記特定の製造方法は、3種類に分類される。第1の方法は、過酸化水素を必須とする2種以上の重合開始剤を用いて重合を行い、重合の際の反応温度を99℃以下、80℃以上とするものである。第2の方法は、単量体(m)に対する単量体(d)のモル比(d/m)を35/65〜65/35の範囲内とし、過酸化水素を必須とする2種以上の重合開始剤を用いて重合を行い、重合開始剤の添加前に仕込んでおく単量体(d)の中和率を70〜95モル%の範囲内とし、かつ、重合の際における重合開始剤中のその他の開始剤に対する過酸化水素の質量比(過酸化水素/その他の開始剤)を1.80以上とするか、および/または、上記その他の開始剤の添加速度を1.40g/モル・h以下とするものである。第3の方法は、単量体(m)に対する単量体(d)のモル比(d/m)を35/65〜65/35の範囲内とし、過酸化水素を必須とする2種以上の重合開始剤を用いて重合を行い、重合開始剤の添加前に仕込んでおく単量体(d)の中和率を90モル%以上とし、重合の際における重合開始剤中のその他の開始剤に対する過酸化水素の質量比(過酸化水素/その他の開始剤)を0.4〜1.1の範囲内とするものである。
【0035】
いずれの方法においても、単量体(m)は、その全使用量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは100質量%の量で、重合開始後の滴下により反応器に供給する。反応前に50質量%を超える量を初期仕込みしてしまうと、単量体(m)は単量体(d)に比べ非常に重合性が高いので、分子量および分子量分布の制御が困難になることがある。滴下時間は、反応開始後、好ましくは30〜300分間、より好ましくは60〜180分間の範囲内である。単量体(m)を上記滴下時間の範囲内で滴下すると、得られる重合体(B)の分子量分布が狭くなり、Caイオン捕捉能およびクレー分散能が向上するので、好ましい。生産性を向上させるためにも、短時間で滴下するのがよいが、30分間未満の滴下では、重合終了後に残存する単量体(d)の量が増加したり、多量の反応熱が短時間に放出されて、除熱が困難になったりする可能性がある。また、300分間を超える滴下では、生産性が低下し、コスト的に不利となることがある。
【0036】
一方、単量体(d)は、その全使用量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは100質量%の量で、反応前(重合開始剤の添加前)の反応容器に仕込んでおく(初期仕込みしておく)。反応前の仕込み量(初期仕込み量)が50質量%未満であると、重合終了後に残存する単量体(d)の量が増加することがある。また、重合開始時の単量体(d)の濃度は、好ましくは40質量%、より好ましくは45質量%、さらに好ましくは50質量%である。仕込み濃度が40質量%未満では、重合終了後に残存する単量体(d)の量が増加することがある。
【0037】
第1の方法においては、重合開始剤の添加前の初期仕込みしておく単量体(d)の中和率については、特に限定されるものではないが、第2の方法では、初期仕込みしておく単量体(d)の中和率は、好ましくは70〜95モル%、より好ましくは72〜93モル%、さらに好ましくは75〜90モル%の範囲内である。上記中和率が70モル%未満であると、単量体(d)がブロック的に重合するので、高硬度の硬水下での各種クレー分散能が低下することがある。逆に、上記中和率が95モル%を超えると、単量体(d)の導入効率が低下するので、Caイオン捕捉能が低下し、洗浄力が低下することがある。第3の方法においては、初期仕込みしておく単量体(d)の中和率は、好ましくは90モル%以上、より好ましくは90〜100モル%である。
【0038】
単量体(m)や単量体(d)に加えて、その他の単量体を重合に用いる場合は、単量体(m)や単量体(d)の使用量や、上記その他の単量体の重合反応性を十分考慮した上で、その初期仕込み量および滴下量などを適宜設定することができる。他の単量体については、滴下時間についても適宜設定することができるが、単量体(m)の滴下より早く終了させるようにすることが好ましい。
【0039】
上記いずれの方法においても、特に限定されるものではないが、水系溶媒中での撹拌均一重合を採用することが好ましい。上記撹拌均一重合を行うにあたっては、当該技術分野で従来公知の技術および条件を適用することができる。重合反応に際し、反応溶媒として用いる水系溶媒としては、好ましくは80質量%以上の水を含有する水系溶媒であり、より好ましくは水100質量%である。水系溶媒として水と併用できる親水性有機溶剤の例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ジエチルホルムアミドなどのアミド類;ジエチルエーテルなどのエーテル類;などが挙げられる。これらの親水性有機溶剤は、単独で用いても、これらの親水性有機溶剤の2種以上を併用してもよい。
【0040】
上記いずれの方法においても、反応容器に仕込んだ単量体成分などに重合開始剤を添加することにより、重合開始剤の存在下で単量体成分の重合を行うようにする。重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤を用いるようにし、具体的には、過酸化水素を必須として用いるようにする。
【0041】
上記過酸化水素の添加(滴下供給)は、生産設備の簡素化、低コスト化、および、重合終了時に残存する過酸化水素の低減効果の観点から、単量体(m)の滴下終了より20分間以上早く終了させることが好ましい。上記の製造条件により、重合終了時に残存する過酸化水素の濃度を、反応液全量に対して、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下にすることができる。また、重合終了時に残存する単量体(d)の量を、反応液全量に対して、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下にすることができる。残存する単量体(d)の量が3質量%を超えると、冬季寒冷地で単量体(d)の結晶が析出するといった問題が起きる可能性があり、好ましくない。
【0042】
上記いずれの方法においても、上記した過酸化水素を必須とすると共に、さらに他の水溶性重合開始剤(その他の開始剤)をも含有する2種以上の重合開始剤を用いるようにすることが重要である。上記過酸化水素およびその他の開始剤は、同時に用いるようにしてもよいし、それぞれ少なくとも一部を異なるタイミングで用いるようにしてもよく、いずれの場合も特に限定されるものではない。
【0043】
上記他の水溶性重合開始剤の例としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノバレリン酸)、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク酸、ジ第3級ブチルパーオキサイド、第3級ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物;などが挙げられる。過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩が特に好適である。これらの他の水溶性重合開始剤は、単独で用いても、これらの他の水溶性重合開始剤の2種以上を併用してもよい。
【0044】
これらの他の水溶性重合開始剤の添加については、その全量が滴下により反応容器に供給されることが好ましい。滴下の開始時間や終了時間は、適宜設定することができるが、単量体(m)の滴下が終了してから10〜20分後に滴下が終了することが好ましい。かくして、残存する単量体(m)の量を非常に低減することができる。
【0045】
上記いずれの方法においても、重合開始剤として用いる過酸化水素とその他の開始剤とのうち、過酸化水素の使用量については、特に限定されるものではなく、適宜設定することができるが、例えば、使用する単量体成分(II)の合計量に対する質量で、好ましくは4g/モル以下、より好ましくは3.5g/モル以下、さらに好ましくは3g/モル以下である。過酸化水素を上記使用量範囲で用いることにより、重合体(B)を容易に、かつ、生産性良く得ることができるなどの効果が得られる。一方、過酸化水素の使用量が4g/モルを超えると、重合時の発泡が激しくなることがある。
【0046】
第1の方法においては、重合開始剤として用いるその他の開始剤に対する過酸化水素の質量比(過酸化水素/その他の開始剤)や、重合開始剤として用いる上記その他の開始剤の添加速度については、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
【0047】
一方、第2の方法においては、その他の開始剤に対する過酸化水素の質量比(過酸化水素/その他の開始剤)を1.80以上とすることが好ましく、より好ましくは1.85〜4.50、さらに好ましくは1.90〜4.00の範囲内である。上記質量比の範囲を満足する重合開始剤を使用することにより、重合反応終了時に残存する単量体(d)の量を低減することができることや、本発明の重合体(B)を容易に、かつ、生産性良く得ることができるなどの効果が得られる。一方、上記質量比が1.80未満であると、特に、単量体成分中の単量体(d)の比率が高い場合には、残存する単量体(d)の量が多くなることがあり、上記質量比が大きすぎると、重合時の発泡が激しくなることがある。
【0048】
また、この第2の方法においては、使用する重合開始剤のうち、過酸化水素以外の上記その他の開始剤について、その添加速度を1.40g/モル・h以下とすることが好ましく、より好ましくは1.38g/モル・h以下、0.20g/モル・h以上、さらに好ましくは1.35g/モル・h以下、0.25g/モル・h以上である。上記添加速度の範囲を満足するように上記その他の開始剤を添加することにより、Caイオン捕捉能を高めることができるなどの効果が得られる。一方、上記添加速度が1.40g/モル・hを超えると、Caイオン捕捉能が低下することがあり、上記添加速度が小さすぎると、各種クレー分散能が低下することがある。
【0049】
第3の方法においては、重合開始剤の添加速度は、適宜設定することができるが、過酸化水素とその他の開始剤との質量比(過酸化水素/その他の開始剤)を0.4〜1.1とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.0、さらに好ましくは0.6〜0.9である。上記質量比が0.4未満であると、残存単量体(d)の量が多くなるおそれがあり、1.1を超えると、重合時の発泡が多くなるおそれがある。
【0050】
第2および第3の方法においては、上記単量体成分を重合させる際の反応温度は、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。しかし、第1の方法においては、重合の反応温度は、好ましくは99℃以下、80℃以上、より好ましくは97℃以下、82℃以上、さらに好ましくは95℃以下、85℃以上である。単量体成分の重合を、上記反応温度範囲を満足する条件で行うことにより、本発明の重合体(B)を容易に、かつ、生産性良く得ることができ、また、重合時の発泡が抑制されるなどの効果が得られる。一方、上記反応温度が99℃を超えると、重合時の発泡が激しくなることがあり、上記反応温度が80℃未満であると、重合終了時の過酸化水素の残存量が増加することがある。
【0051】
上記いずれの方法においても、使用する重合開始剤の分解効率を上げるために、必要に応じて、さらに多価金属イオンを反応系に存在させてもよい。使用できる有効な多価金属イオンとしては、Fe3+、Fe2+、Cu、Cu2+、V2+、V3+、VO2+が好適であり、Fe2+、Cu2+、VO2+が特に好適である。これら多価金属イオンは、1種のみ使用しても、2種以上を併用してもよい。多価金属イオンの濃度としては、重合反応液の全量に対して、好ましくは0.1〜100ppmの範囲内である。多価金属イオンの濃度が0.1ppm未満であると、多価金属イオンの効果がほとんど得られない。逆に、多価金属イオンを、100ppmを超える量で使用した場合は、得られる重合体(B)の着色度が大きくなるので、洗剤組成物などの用途に使用できないことがある。
【0052】
多価金属イオンの供給形態については、特に限定されるものではないが、重合反応系内でイオン化する金属化合物や金属を添加すればよい。このような金属化合物や金属の例としては、例えば、オキシ三塩化バナジウム、三塩化バナジウム、シュウ酸バナジウム、硫酸バナジウム、無水バナジン酸、メタバナジン酸アンモニウム、硫酸アンモニウムハイポバナダス[(NHSO・VSO・6HO]、硫酸アンモニウムバナダス[(NH)V(SO・12HO]、酢酸銅(II)、臭化銅(II)、銅(II)アセチルアセテート、塩化第二銅、塩化銅アンモニウム、炭酸銅、塩化銅(II)、クエン酸銅(II)、ギ酸銅(II)、水酸化銅(II)、硝酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅(II)、マレイン酸銅、リン酸銅、硫酸銅(II)、塩化第一銅、シアン化銅(I)、ヨウ化銅、酸化銅(I)、チオシアン酸銅、鉄アセチルアセトナート、クエン酸鉄アンモニウム、シュウ酸第二鉄アンモニウム、硫酸第一鉄アンモニウム、硫酸第二鉄アンモニウム、クエン酸鉄、フマル酸鉄、マレイン酸鉄、乳酸第一鉄、硝酸第二鉄、鉄ペンタカルボニル、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄などの水溶性金属塩;五酸化バナジウム、酸化銅(II)、酸化第一鉄、酸化第二鉄などの金属酸化物;硫化銅(II)、硫化鉄などの金属硫化物;その他、銅粉末、鉄粉末;などを挙げることができる。このような金属化合物や金属を反応容器に仕込むのは、反応が終了するまでであれば、いつでもよいが、このような金属化合物や金属は、好ましくは、反応開始前に反応容器に仕込まれる。
【0053】
上記いずれの方法においても、重合反応時の反応液のpHについても適宜設定することができる。しかし、単量体(d)の重合性を上げるために、重合開始時のpHを5〜13の範囲内とすることが好ましく、重合反応の進行に伴って、pHを低下させるのがより好ましい。重合反応中のpH調整に用いる中和用塩基性化合物の例としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩;アンモニア;モノメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、sec−ブタノールアミンなどのアルカノールアミン類;ピリジン;などを挙げることができる。これらの塩基性化合物は、単独で用いても、これらの塩基性化合物の2種以上を併用してもよい。
【0054】
上記いずれの方法においても、単量体成分、重合開始剤、水性溶媒、および、必要に応じて用いられるその他の各種原料を、重合終了後の理論固形分濃度が40質量%以上になるような使用量で用いることが好ましい。理論固形分濃度が40質量%未満であると、得られる重合体(B)の分子量分布が広くなるので、Caイオン捕捉能およびクレー分散能に悪影響を及ぼすことがある。なお、重合反応時の圧力は、特に限定されるものでなく、適宜、常圧(大気圧)、加圧および減圧のいずれを選択することができる。
以上が、特願2004−172918号に記載の特定のポリカルボン酸系重合体(B)の製造方法である。
【0055】
本発明の水溶性重合体組成物は、上記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)と、上記ポリカルボン酸系重合体(B)とを含有する。両者を混合使用するのは、それぞれの単独使用によるクレー分散能よりも高いクレー分散能を示すという相乗効果が見出されたからである。
【0056】
Caイオン捕捉能とクレー分散能とを考慮すれば、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)およびポリカルボン酸系重合体(B)は、両者の合計量を100質量%とした場合、前者の量が5〜35質量%の範囲内、後者の量が95〜65質量%の範囲内になるように混合されていることが好ましい。これは、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)の量が少ないと(あるいは、ポリカルボン酸系重合体(B)の量が多いと)、クレー分散能が低下する傾向にあり、その逆では、Caイオン捕捉能が低下するからである。水溶性重合体(A)の量の下限は、より好ましくは7質量%、さらに好ましくは9質量%であり、水溶性重合体(A)の量の上限は、より好ましくは30質量%、さらに好ましくは20質量%である。
【0057】
本発明の水溶性重合体組成物のCaイオン捕捉能は、300mgCaCO/g以上である。このように高いCaイオン捕捉能を有していれば、例えば、洗剤ビルダーのキレート剤として優れた性能を発揮することができる。Caイオン捕捉能は、より好ましくは330mgCaCO/g以上、さらに好ましくは360mgCaCO/g以上、特に好ましくは390mgCaCO/g以上である。Caイオン捕捉能の測定方法は、詳細は後述するが、所定のCaイオン濃度の水溶液中に、精秤したポリカルボン酸系共重合体を添加して共重合体にCaイオンを捕捉させ、その後、水溶液中に残存するCaイオンの濃度を滴定などで求め、Caイオン濃度の減少分を算出することにより行われる。本発明では、Caイオン捕捉能を、水溶性重合体組成物1g(固形分)あたりのCaイオンの捕捉量として、炭酸カルシウム換算のmg数で表した。
【0058】
また、本発明の水溶性重合体組成物は、高硬度の硬水下でのクレー分散能にも優れている。クレー分散能とは、洗濯時における泥汚れなどを衣類から引き剥がして、水中に安定に分散させて、すすぎ時に水と共に汚れを除去してしまうことのできる効果を見る指標であり、洗浄力に影響を及ぼす。本発明の水溶性重合体組成物は、高硬度の硬水下でも高いクレー分散能を示し、硬度100ppmでのクレー分散能が0.5以上である。なお、硬度100ppmでのクレー分散能とは、カルシウム濃度が炭酸カルシウム換算で100ppmである試験液中でのクレー分散能のことであり、クレー分散能の測定方法については、実施例で詳述する。硬度100ppmでのクレー分散能は、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.7以上である。
【0059】
本発明の水溶性重合体組成物は、洗剤ビルダーとして好適である。また、本発明の洗剤ビルダーが配合された洗剤組成物は、本発明の洗剤組成物となる。また、本発明の水溶性重合体組成物は、分散剤、凝集剤、スケール防止剤、キレート剤、水処理剤、繊維処理剤などの各種広範な用途に使用することができる。特に、本発明の水溶性重合体組成物は、洗剤組成物、分散剤、水処理剤に用いることが好ましい。
【0060】
本発明の洗剤組成物は、本発明の水溶性重合体組成物を含有する。本発明の洗剤組成物において、水溶性重合体組成物の配合量は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%の範囲内であり、界面活性剤の配合量は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%である。
【0061】
上記洗浄剤組成物を製造する際に、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を含有し、ポリカルボン酸系重合体(B)を含有しない水溶液(a)と、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を含有せず、ポリカルボン酸系重合体(B)を含有する水溶液(b)とを別々に調製し;次いで、上記水溶液(a)と、上記水溶液(b)と、洗剤組成物に必要な他の成分とを混合することが望ましい。これは、水溶性重合体(A)の水溶液と、ポリカルボン酸系重合体(B)の水溶液とを予め混合しておくと、この混合物が、例えば、固形分が高い場合などには、相分離を起こすことがあり、その際は、取扱いが難しくなるからである。それゆえ、固形分濃度30質量%以上(より好ましくは40〜50質量%程度の範囲内)の水溶液(a)と水溶液(b)とを別々に調製しておき、次いで、洗剤組成物を製造する工程で、必要により希釈などを行ってから、これらの溶液を混合することが好ましい。また、上記水溶性重合体(A)および上記ポリカルボン酸系重合体(B)のいずれか一方または両方を粉末化して、洗剤組成物の製造に用いてもよい。
【0062】
上記界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれか1種または2種以上を用いることができる。
【0063】
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルまたはアルケニルリン酸エステルもしくはその塩などを挙げることができる。これらのアニオン系界面活性剤は、メチル基などの付加的なアルキル基で分岐されたアルキル鎖やアルケニル鎖を有していてもよい。
【0064】
ノニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイドなどを挙げることができる。これらのノニオン系界面活性剤は、中間の位置でメチル基などのアルキル基で分岐されたアルキル基やアルケニル基を有していてもよい。
【0065】
カチオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、第4級アンモニウム塩などを挙げることができる。両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ベタイン型、グリシン型、アラニン型、スルホベタイン型などの両性界面活性剤などを挙げることができる。これらのカチオン系界面活性剤や両性界面活性剤は、中間の位置でメチル基などのアルキル基で分岐されたアルキル基やアルケニル基を有していてもよい。
【0066】
本発明の水溶性重合体組成物を含有する洗剤組成物においては、必要に応じて、酵素を配合してもよい。配合される酵素の例としては、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼなどが挙げられる。アルカリ洗浄液中で活性が高い、プロテアーゼ、アルカリリパーゼ、アルカリセルラーゼが特に好適である。酵素の配合量は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.01〜5質量%の範囲内である。酵素の配合量がこの範囲を外れると、界面活性剤と酵素とのバランスがくずれ、洗浄力を向上させることができない。
【0067】
本発明の水溶性重合体組成物を含有する洗剤組成物には、さらに、必要に応じて、公知のアルカリビルダー、キレートビルダー、再付着防止剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、蛍光剤、漂白剤、漂白助剤、香料などの洗剤組成物に常用される各種成分を配合してもよい。また、洗剤組成物にゼオライトを配合してもよい。
【0068】
アルカリビルダーとしては、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩などを用いることができる。キレートビルダーとしては、必要に応じて、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、クエン酸などを用いることができる。
【0069】
本発明の分散剤としては、例えば、無機顔料分散剤などが挙げられ、本発明の水溶性重合体組成物のみから構成されていてもよいし、性能や効果に影響しない範囲で、他の配合剤として公知の水溶性重合体を含有していてもよい。他の配合剤としては、例えば、重合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールなどを用いることができる。本発明の水溶性重合体組成物を分散剤に用いる場合、分散剤中における本発明の水溶性重合体組成物の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは5〜100質量%の範囲内である。いずれの場合でも、紙コーティングに用いられる重質ないしは軽質炭酸カルシウム、クレーなどの無機顔料の分散剤として良好な性能を発揮する。本発明の水溶性重合体組成物を含有する分散剤を無機顔料に少量添加して、得られた混合物を水中に分散することにより、低粘度でしかも高流動性を有し、かつ、それらの性能の経日安定性が良好な、例えば、高濃度炭酸カルシウムスラリーのような、高濃度無機顔料スラリーを製造することができる。本発明の分散剤を無機顔料分散剤として用いる場合、その使用量は、無機顔料100質量部に対して、好ましくは0.05〜2.0質量部の範囲内である。無機顔料分散剤の使用量が0.05質量部未満であると、充分な分散効果が得られない。逆に、無機顔料分散剤の使用量が2.0質量部を超えると、もはや添加量に見合った効果が得られず、経済的な観点から不利になる。それゆえ、上記範囲外となるこれらの場合は、好ましくない。
【0070】
本発明の水処理剤は、本発明の水溶性重合体組成物のみから構成されていてもよいし、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤などを配合した組成物とすることもできる。性能や効果に影響しない範囲内で、公知の水溶性重合体を含有していてもよい。いずれの場合でも、本発明の水処理剤は、冷却水循環系、ボイラー水循環系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜などにおけるスケール防止に有用である。
【0071】
本発明の繊維処理剤は、本発明の水溶性重合体組成物に加えて、染色剤、過酸化物および界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含有していることが好ましい。本発明の水溶性重合体組成物を繊維処理剤に用いる場合、繊維処理剤における本発明の水溶性重合体組成物の含有量は、特に限定されるものではなく、好ましくは1〜100質量%、より好ましくは5〜100質量%の範囲内である。本発明の繊維処理剤は、性能や効果に影響しない範囲内で、公知の水溶性重合体を含有していてもよい。しかし、物性を考慮すれば、繊維処理剤中の重合体成分が本発明の水溶性重合体組成物のみから構成される繊維処理剤が最も好ましい。
【0072】
繊維処理剤は、繊維処理における精錬、染色、漂白、ソーピングの工程で使用することができる。染色剤、過酸化物および界面活性剤の例としては、例えば、繊維処理剤に通常使用されるものが挙げられる。本発明の水溶性重合体組成物と、染色剤、過酸化物および界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種との割合は、例えば、繊維の白色度を向上し、色むらを防止し、染色けんろう度を向上するためには、本発明の水溶性重合体組成物1質量部に対して、染色剤、過酸化物および界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を0.1〜100質量部という割合で配合することが好ましい。このような割合で調製された繊維処理剤を所定濃度の水溶液の形態で使用することが、本発明の繊維処理剤の好ましい実施形態の1つである。この所定濃度は、特に限定されるものではないが、使用形態や使用目的に応じて適宜決定することができる。本発明の繊維処理剤を使用できる繊維は、特に限定されるものではないが、例えば、木綿、麻などのセルロース系繊維;ナイロン、ポリエステルなどの化学繊維;羊毛、絹糸などの動物性繊維;人絹などの半合成繊維、ならびに、これらの織物および混紡品などが挙げられる。本発明の繊維処理剤を精錬工程に適用する場合には、本発明の水溶性重合体組成物と、アルカリ剤および界面活性剤とを配合することが好ましい。本発明の繊維処理剤を漂白工程に適用する場合には、本発明の水溶性重合体組成物と、過酸化物と、アルカリ性漂白剤の分解抑制剤としてのケイ酸ナトリウムなどのケイ酸系薬剤とを配合することが好ましい。
【実施例】
【0073】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、記号「%」は「質量%」を表す。実施例および比較例における各種特性の測定方法は、以下のとおりである。
【0074】
<重合体(A)の質量平均分子量(Mw)の測定方法>
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて、以下の条件で測定した。
・カラム:Asahipak GF310−HQ、GF710−HQ、GF−1G 7B(以上、昭和電工社製);
・カラム温度:40℃;
・溶離液:酢酸ナトリウム27.2g(試薬特級。以下の各種測定に用いる試薬は全て特級を使用した。)に純水1,981.1gを加えて混合し、フィルター孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過して得られた水溶液に、さらにアセトニトリル669.4gを加えて混合した水溶液;
・検出器:RI;
・流量:0.5mL/min;
・検量線:ポリアクリル酸標準サンプル(創和科学社製)を用いて作成した。
【0075】
<重合体(B)の質量平均分子量(Mw)の測定方法>
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて、以下の条件で測定した。
・カラム:GF−7MHQ(昭和電工社製);
・カラム温度:35℃;
・溶離液:リン酸水素二ナトリウム12水和物34.5gおよびリン酸二水素ナトリウム2水和物46.2gに純水を加えて全量を5,000gとし、その後、フィルター孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過した水溶液;
・検出器:UV 214nm(日本ウォーターズ社製);
・流量:0.5mL/min;
・検量線:ポリアクリル酸標準サンプル(創和科学社製)を用いて作成した。
【0076】
<Caイオン捕捉能の測定方法>
まず、検量線用Caイオン標準液を調製した。Caイオン源としては、塩化カルシウム二水和物を用いた。Caイオン濃度が、0.01モル/L、0.002モル/L、0.001モル/L、0.0001モル/Lの各濃度の水溶液を50mLずつ調製して、1%NaOH水溶液を用いて、pH10±0.5に調整した。これらの水溶液に、さらに、4モル/Lの塩化カリウム水溶液(以下「4M−KCl水溶液」と略す。)を1mL添加し、マグネチックスターラーを用いて充分に撹拌して、検量線用サンプル液を調製した。イオンアナライザー(オリオン社製;型番「EA920」)に、Caイオン電極(オリオン社製;「93−20」)と比較電極(オリオン社製;「90−01」)とをセットし、検量線用のサンプル液の滴定を行い、検量線を作成した。
【0077】
一方、試験用Caイオン標準液として、同じく塩化カルシウム二水和物を用いて、0.002モル/Lの水溶液を必要量(1サンプルあたり50g)調製した。次いで、重合体試料を固形分換算で10mg秤量したものと、上記の試験用Caイオン標準液50mLを100ccビーカーに入れ、マグネチックスターラーを用いて充分に撹拌した。1%NaOH水溶液を添加してpH10±0.5に調整し、4M−KCl水溶液を1mL添加してさらに撹拌し、試験液を調製した。重合体試料と試験用Caイオン標準液とをビーカーに入れてから約3分経過した後に、上記と同様にして、イオンアナライザーを用いて、試験液中のCaイオンの定量を行った。
【0078】
検量線から上記試験液中のCaイオン濃度が見出された。従って、得られた濃度と初期値(0.002モル/L)との差を計算により求め、共重合体固形分1gあたりの捕捉量を算出した。この値を炭酸カルシウム換算のmg数で表して、Caイオン捕捉能値(mgCaCO/g)とした。
【0079】
<硬度100ppmでのクレー分散能>
グリシン67.56g、塩化ナトリウム52.6g、1NのNaOH水溶液60mLにイオン交換水を加えて、600gの溶液(以下「バッファー(1)」という。)を調製した。バッファー(1)60gに塩化カルシウム二水和物0.1634gを加え、さらにイオン交換水を加えて1,000gの溶液(以下「バッファー(2)」という。)を調製した。別途、重合体試料のpH7の0.1%水溶液を調製した。
【0080】
試験管(IWAKI GLASS製:直径18mm、高さ180mm)にクレー(社団法人日本粉体工業技術協会製;JIS Z8901の試験用粉体1の11種タイプ)を0.3gを入れた後、バッファー(2)27gと、重合体試料の0.1%水溶液3gとを加えた。このとき、試験液のCaイオン濃度は、炭酸カルシウム換算で100ppmとなっていた。試験管をパラフィルムで密封した後、クレーが溶液全体に分散するように軽く振り、その後、さらに上下に20回振った。この試験管を直射日光に当たらない所に、20時間静置し、試験液の上澄みを5mL取って、UV分光器(島津製作所;「UV−1200」;1cmセル、波長380nm)で吸光度(ABS)を測定した。この吸光度を硬度100ppmでのクレー分散能とした。
【0081】
<再汚染防止率>
JIS L0803に準拠する綿布を5cm×5cmの布切れに裁断した。これらの布切れを各々白布として用いた。この白布について、予め測色色差計(日本電色工業社製;型番「SE2000」)を用いて、白色度を反射率により測定した。
【0082】
塩化カルシウム二水和物2.21gに純水を加えて、硬水15kgを調製した。また、ターゴットメーターを25℃にセットし、ターゴットメーターのポットに、硬水1L、クレー(社団法人日本粉体工業技術協会製;JIS Z8901の試験用粉体1の11種タイプ)1gを入れて、100rpmで1分間攪拌した。
【0083】
上記ポットに、炭酸ナトリウム水溶液5g(濃度6.0%)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(濃度6.0%)5g、ゼオライト0.20g、重合体水溶液(濃度0.6%)5g、上記白布7枚を入れて、100rpmで10分間攪拌した。白布をポットから取り出し、手で絞ることにより、白布から水分を除去した。新たに硬水1Lをポットに入れ、水分を除去した白布をポットに入れて、100rpmで2分間攪拌した。白布をポットから取り出し、手で絞ることにより、白布から水分を除去した後、白布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた。乾燥した白布の白色度を上記測色色差計で反射率により測定した。この方法により測定された値と以下の式とから、再汚染防止率(%)を求めた。
再汚染防止率(%)=100×(洗浄後の白布の白色度)/(洗浄前の白布の白色度)
【0084】
合成例1
温度計、撹拌機、還流冷却器を備えた容量2.5LのSUS製セパラブルフラスコに、イオン交換水(以下「純水」という。)110.0gを仕込み、フラスコ内の純水を攪拌下で還流状態まで加熱した。
【0085】
次いで、撹拌下で還流状態を維持しながら、別々の滴下ノズルを用いて、下記材料のフラスコ内への滴下を開始した:80%アクリル酸水溶液(以下「80%AA」という。)135.0g、アリルアルコールにエチレンオキサイドを50モル付加した化合物(以下「PEA−50」という。)の50%水溶液(以下「50%PEA−50」という。)301.1g、溶融無水マレイン酸(以下、無水マレイン酸を「無水MA」という。)98.0g、48%NaOH水溶液(以下「48%NaOH」という。)50.0g、35%過酸化水素水溶液(以下「35%H」という。)44.0g、および、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「15%NaPS」という。)68.4g。なお、80%AAは、その全量を重合開始から180分間にわたって連続的に滴下し、50%PEA−50、溶融無水MA、48%NaOH、および、35%Hは、それぞれの全量を重合開始から60分間にわたって連続的に滴下した。また、15%NaPSは、その全量を重合開始後200分間にわたって連続的に滴下した。すべての材料の滴下が終了した後、得られた混合物を沸点で還流させながら60分間熟成した。その後、得られた混合物を90℃に冷却後、48%NaOHでpH7.5に調整した。さらに、この混合物を90℃で60分間熟成し、重合を終了した。重合終了後、pH調整と濃度調整を行った。かくして、pH7.5、固形分40%のポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A−1)を得た。
【0086】
合成例2
フラスコに最初に仕込んだ純水の量を150.0gとし、50%PEA−50に代えて、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを50モル付加した化合物(以下「IPN−50」という。)の50%水溶液(以下「50%IPN−50」という。)を299.9g用いたこと以外は、合成例1と同様にして、重合、pH調整および濃度調整を行った。かくして、pH7.5、固形分40%のポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A−2)を得た。
【0087】
合成例3
フラスコに最初に仕込んだ純水を335.0gとし、50%PEA−50に代えて、アリルアルコールにエチレンオキサイドを25モル付加した化合物(以下「PEA−25」という。)の60%水溶液(以下「60%PEA−25」という。)を248.9g用い、15%NaPSを70.1gの量で用いたこと以外は、合成例1と同様にして、重合、pH調整および濃度調整を行った。かくして、pH7.5、固形分40%のポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A−3)を得た。
【0088】
合成例4
フラスコに最初に仕込んだ純水を150.0gとし、50%PEA−50に代えて、アリルアルコールにエチレンオキサイドを10モル付加した化合物(以下「PEA−10」という。)の80%水溶液(以下「80%PEA−10」という。)を119.9g用い、15%NaPSを107.6gの量で用いたこと以外は、合成例1と同様にして、フラスコ内への滴下を開始した。なお、80%AAは、その全量を重合開始から120分間にわたって連続的に滴下し、80%PEA−10、溶融無水MA、48%NaOH、および、35%Hは、それぞれの全量を重合開始から60分間にわたって連続的に滴下した。また、15%NaPSは、その全量を重合開始から140分間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後は、合成例1と同様にして、熟成、pH調整および濃度調整を行った。かくして、pH7.5、固形分40%のポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A−4)を得た。
【0089】
合成例5
合成例1で用いた同様のフラスコに、純水145.0gを初期仕込みした。純水の温度を撹拌下で90℃に昇温した。次いで、撹拌下で温度を90℃に維持しながら、下記材料を、それぞれ別々の滴下ノズルからフラスコ内に滴下した:80%AAを270.0g;50%IPN−50を168.0g;48%NaOHを12.5g;15%NaPSを81.0g;および35%重硫酸ナトリウム水溶液(以下「35%SBS」という。)を69.4g。なお、80%AA、48%NaOH、および、35%SBSは、その全量を重合開始から180分間にわたって連続的に滴下し、50%IPN−50は、その全量を重合開始から120分間にわたって連続的に滴下した。また、15%NaPSは、その全量を重合開始から210分間にわたって連続的に滴下した。すべての材料の滴下が終了した後、系の温度を30分間にわたって90℃に維持し、重合を終了した。重合終了後、pH調整および濃度調整を行った。かくして、pH7.5、固形分40%のポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A−5)を得た。
【0090】
合成例6
合成例1で用いた同様のフラスコに、純水255.0gを初期仕込みした。純水の温度を撹拌下で90℃に昇温した。次いで、撹拌下で温度を90℃に維持しながら、別々の滴下ノズルから、下記材料のフラスコ内への滴下を開始した:80%AAを342.0g;3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを10モル付加した化合物(以下「IPN−10」という。)の80%水溶液(以下「80%IPN−10」という。)を131.5g;48%NaOHを15.8g;15%NaPSを106.7g;および35%SBSを91.4g。その後、合成例5と同様にして、滴下、重合、pH調整および濃度調整を行った。かくして、pH7.5、固形分40%のポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A−6)を得た。
【0091】
合成例7
合成例1で用いた同様のフラスコに、純水132.8g、48%NaOH400.0gおよび無水MA235.2gを初期仕込みした。この水溶液を撹拌下で沸点還流状態に加熱した。なお、初期仕込みした水溶液中のMAの中和率は、100モル%であった。
【0092】
次いで、撹拌下で還流状態を維持しながら、下記材料を、それぞれ別々の滴下ノズルから滴下した:80%AAを216.0g、35%Hを57.6g、15%NaPSを96.0gおよび純水を160.0g。なお、重合開始剤としてのHおよびNaPSの使用量は、それぞれ4.2g/モルおよび3g/モルであった。H/NaPSの比は1.40であり、MA/AAの比は50/50であった。滴下に際しては、80%AAは、その全量を重合開始から180分間にわたって連続的に滴下し、35%Hは、その全量を重合開始から50分間にわたって連続的に滴下した。15%NaPSおよび純水は、それぞれの全量を重合開始90分後から190分後までの100分間にわたって、それぞれ連続的に滴下した。このとき、15%NaPSの滴下速度(添加速度)は、1.80g/モル・hであった。すべての材料の滴下が終了した後、30分間にわたって沸点還流状態を維持して、重合を完了した。重合終了後、pHおよび濃度調整を行った。かくして、pH7.5、固形分45%のポリカルボン酸系重合体(B−1)を得た。
【0093】
合成例8
合成例1で用いた同様のフラスコに、純水70.6g、48%NaOH255.0gおよび無水MA176.4gを初期仕込みした。この溶液を撹拌下で沸点還流状態に加熱した。なお、初期仕込みした水溶液中のMAの中和率は、85モル%であった。
【0094】
次いで、撹拌下で還流状態を維持しながら、下記の材料を、それぞれ別々の滴下ノズルから滴下した:80%AAを198.0g、35%Hを45.7g、15%NaPSを80.0gおよび純水を131.8g。なお、重合開始剤としてのHおよびNaPSの使用量は、それぞれ4.0g/モルおよび3.0g/モルであった。H/NaPSの比は1.33であり、MA/AAの比は45/55であった。滴下に際しては、80%AAは、その全量を重合開始から120分間にわたって連続的に滴下し、35%Hおよび純水は、それぞれの全量を重合開始から50分間にわたって連続的に滴下した。15%NaPSは、その全量を重合開始から130分間にわたって連続的に滴下した。このとき、15%NaPSの滴下速度(添加速度)は、1.38g/モル・hであった。
【0095】
すべての材料の滴下が終了した後、20分間にわたって沸点還流状態を維持して、重合を完了した。重合終了後、pHおよび濃度調整を行った。かくして、pH7.5、固形分45%のポリカルボン酸系重合体(B−2)を得た。
【0096】
合成例9
合成例1で用いた同様のフラスコに、純水107.9g、48%NaOH325.0gおよび無水MA191.1gを初期仕込みした。この溶液を撹拌下で沸点還流状態に加熱した。なお、初期仕込みした水溶液中のMAの中和率は、100モル%であった。
【0097】
次いで、撹拌下で還流状態を維持しながら、下記材料を、それぞれ別々の滴下ノズルから滴下した:80%AAを274.5g、35%Hを21.4g、15%NaPSを100.0gおよび純水を181.6g。なお、重合開始剤としてのHおよびNaPSの使用量は、それぞれ1.5g/モルおよび3.0g/モルであった。H/NaPSの比は0.50であり、MA/AAの比は39/61であった。滴下に際しては、80%AA、35%Hおよび純水は、それぞれの全量を重合開始から120分間にわたって連続的に滴下し、15%NaPSは、その全量を重合開始から130分間にわたって連続的に滴下した。このとき、15%NaPSの滴下速度(添加速度)は、1.38g/モル・hであった。
【0098】
すべての材料の滴下が終了した後、50分間にわたって沸点還流状態を維持して、重合を完了した。重合終了後、pHおよび濃度調整を行った。かくして、pH7.5、固形分45%のポリカルボン酸系重合体(B−3)を得た。
【0099】
合成例10
合成例1で用いた同様のフラスコに、純水83.0g、48%NaOH250.0gおよび無水MA147.0gを初期仕込みした。この溶液を撹拌下で沸点還流状態に加熱した。なお、初期仕込みした水溶液中のMAの中和率は、100モル%であった。
【0100】
次いで、撹拌下で還流状態を維持しながら、下記材料を、それぞれ別々の滴下ノズルから滴下した:80%AAを315.0g、15%NaPSを66.7gおよび純水を393.3g。なお、重合開始剤としての過硫酸ナトリウムの使用量は、2g/モルであった。H/NaPSの比は0であり、MA/AAの比は30/70であった。滴下に際しては、80%AAは、その全量を重合開始から120分間にわたって連続的に滴下し、15%NaPSおよび純水は、それぞれの全量を重合開始から130分間にわたって、それぞれ連続的に滴下した。このとき、15%NaPSの滴下速度(添加速度)は、0.92g/モル・hであった。
【0101】
すべての材料の滴下が終了した後、30分間にわたって沸点還流状態を維持して、重合を完了した。重合終了後、pHおよび濃度調整を行った。かくして、pH7.5、固形分40%のポリカルボン酸系重合体(B−4)を得た。
【0102】
実験例1
上記した各々の合成例で得られたポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A−1)〜(A−6)と、ポリカルボン酸系重合体(B−1)〜(B−4)とについて、組成および重量平均分子量を表1に示す。また、これらの重合体を乾燥して得られた粉末を、表2に示す質量比で、乳鉢内で均一に混合して、水溶性重合体組成物を調製し、上記方法でCaイオン捕捉能およびクレー分散能を評価した。結果を表2に示す。
【0103】
【表1】

【0104】
【表2】

【0105】
比較例1〜7は、各々の重合体を単独で使用した例であるが、Caイオン捕捉能およびクレー分散能の評価における重合体の使用量を、各々の重合体を併用した対応する実施例と同量とした。それゆえ、例えば、実施例1と比較すると、比較例7では、Caイオン捕捉能が低下している。Caイオン捕捉能は、重合体中のカルボキシル基量に対して、ほぼ直線的に比例する。それゆえ、重合体A−1を10質量%(Caイオン捕捉能は、比較例1の10%となる;すなわち、19.4mgCaCO/g)と、重合体B−1を90質量%(Caイオン捕捉能は、比較例7の90%となる;すなわち、414mgCaCO/g)混合した実施例1では、432mgCaCO/gとなり、重合体B−1単独(100質量%;比較例7;460mgCaCO/g)よりは若干低下する。しかし、クレー分散能については、重合体A−1を10質量%(クレー分散能が比較例1の10%になるとすると、0.06)と、重合体B−1を90質量%(クレー分散能が比較例7の90%になるとすると、0.36)混合した実施例1では、0.51であり、両者の各割合分の合計(すなわち、0.06+0.36=0.42)よりも大きくなっている。それゆえ、相乗効果が発揮されていることがわかる。この傾向は、全ての実施例において認められた。中には、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)およびポリカルボン酸系重合体(B)を単独で使用した場合と比較して、クレー分散能が向上した実施例も存在する(例えば、実施例2など)。それゆえ、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)と、ポリアルキレングリコール鎖を有しないポリカルボン酸系重合体(B)とを併用することにより、Caイオン捕捉能およびクレー分散能を高レベルで両立させ得ることが確認できた。
【0106】
実験例2
表3に示す質量比で、ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)の粉末と、ポリカルボン酸系重合体(B)の粉末とを、乳鉢内で均一に混合して、水溶性重合体組成物を調製し、上記方法で再汚染防止率を測定した。結果を表3に示す。
【0107】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の水溶性重合体組成物は、高いCaイオン捕捉効果を有し、高硬度の硬水下でのクレー分散能にも優れている。それゆえ、洗剤ビルダーとして好適である。本発明の水溶性重合体組成物は、洗剤組成物、分散剤、凝集剤、スケール防止剤、キレート剤、水処理剤および繊維処理剤などの各種広範な用途に使用することができる。特に、洗剤組成物、分散剤、水処理剤に用いることが好ましい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)と、ポリアルキレングリコール鎖を有しないポリカルボン酸系重合体(B)とを含有し、Caイオン捕捉能が300mgCaCO/g以上、硬度100ppmでのクレー分散能が0.5以上であることを特徴とする水溶性重合体組成物。
【請求項2】
前記組成物が、前記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)と前記ポリカルボン酸系重合体(B)との合計量を100質量%とした場合に、前記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を5〜35質量%の量で含有し、前記ポリカルボン酸系重合体(B)を95〜65質量%の量で含有する請求項1記載の水溶性重合体組成物。
【請求項3】
前記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)が、ポリアルキレングリコール鎖を有する重合性単量体と、不飽和モノカルボン酸もしくはその塩および/または不飽和ジカルボン酸もしくはその塩とを含有する単量体成分から合成される請求項1または2記載の水溶性重合体組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の水溶性重合体組成物を製造する方法であって、前記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を含有し、前記ポリカルボン酸系重合体(B)を含有しない水溶液(a)と、前記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を含有せず、前記ポリカルボン酸系重合体(B)を含有する水溶液(b)とを別々に調製する工程;および、次いで、前記水溶液(a)と前記水溶液(b)とを混合する工程を包含することを特徴とする製造方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項記載の水溶性重合体組成物を含有することを特徴とする洗剤ビルダー。
【請求項6】
請求項5記載の洗剤ビルダーを含有することを特徴とする洗剤組成物。
【請求項7】
請求項6記載の洗剤組成物を製造する方法であって、前記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を含有し、前記ポリカルボン酸系重合体(B)を含有しない水溶液(a)と、前記ポリアルキレングリコール鎖含有水溶性重合体(A)を含有せず、前記ポリカルボン酸系重合体(B)を含有する水溶液(b)とを別々に調製する工程;および、次いで、前記水溶液(a)と、前記水溶液(b)と、洗剤組成物に必要な他の成分とを混合する工程を包含することを特徴とする製造方法。

【公表番号】特表2008−535933(P2008−535933A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545087(P2007−545087)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【国際出願番号】PCT/JP2006/307168
【国際公開番号】WO2006/107060
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】