説明

水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法、及び、水溶性ラジカル種濃度測定装置

【課題】 水溶性ラジカル種濃度をその発生場所にて非侵襲且つリアルタイムに計測することが可能な水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法を提供すること。
【解決手段】 水溶液中の水溶性ラジカル種濃度と、該水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長で測定した吸光特性との相関性に基づいて該水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を定量すること特徴とする水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法、及び、水溶性ラジカル種濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、可視・紫外光線による分光分析では、その吸収スペクトルが測定物質分子の電子遷移のエネルギー準位に及ぶため、近赤外線の吸収スペクトルよりはるかに大きなエネルギー変化を伴う。このことを利用した分光分析の歴史は深く、各種発光基の定性・定量分析に応用されており、今日ではたいていの発色団のスペクトルが知られている。このように紫外可視分光は従来から広く使用されているが、溶液成分の分光分析という観点からは200nm〜800nmの波長領域に固有の吸収バンドを有する溶質に対してのみ適用されていた。たとえば、降水中の硝酸イオン(NO32−)や亜硝酸イオン(NO2-)はそれぞれ201nm、210nmにピークをもつ吸収が知られており、それらの波長を用いた検出や測定が行われている。
【0003】
ところで、水の遠紫外分光スペクトルを観測すると、一番低エネルギー側に現れる電子遷移による吸収バンドが190nm以下の波長領域に現れる。図4は、遠赤外から遠紫外領域の液体の水の吸収スペクトルを示す図である。この遠紫外領域に現れる最初の吸収バンドは、水分子中の酸素原子が有する不対電子が非結合性のn軌道から反結合性のσ軌道へ遷移する電子遷移を伴うためn→σ*遷移とよばれる。このバンドは、水分子間の水素結合状態の変化に対応して敏感にシフトすることがすでによく調べられている。例えば、この水の吸収スペクトルは気体状態では波長167.0nmにピークを持つが、液体ではそのピークがおよそ150nm付近までシフトする。しかし、これまで水中に溶解する物質をこの水自身の吸収スペクトルを用いて検出あるいは測定する試みはなされなかった。なぜなら、水中に溶解する成分が微量である場合は、明らかに主成分は水であり、微量成分の混入による水自体のスペクトルの吸収量変化は無視されるほど小さいことが自明であるからである。
【0004】
本発明者は、水中に荷電性の溶解成分(例えば、ナトリウムイオンやカリウムイオン等の陽イオンや、塩化物イオンや硝酸イオン等の陰イオン)が水和している状態では、この水のn→σ*遷移に要するエネルギーが、その水和イオンに固有の変化を示すことに着目し、各種の水和イオンに関する水のn→σ*遷移スペクトルの変化の様子を系統的に調査した。その結果、水中に溶解成分が水和した状態では、水和イオンの電場が影響して、n→σ*遷移に起因する150nm〜160nm付近の吸収ピークの裾野の部分(180nm〜210nmの常用分光装置で測定可能な領域に現れる吸収バンド)の強度、位置、バンド幅が、水の水素結合や水和に非常に敏感に変化していることを突き止め、これを利用した水溶液測定方法を既に発明している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−214863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、近年、水溶液中の水溶性ラジカル種(例えば、ヒドロキシルラジカル)の濃度の測定は、半導体洗浄プロセス、食品の殺菌洗浄、環境汚染物質の分解処理等の分野において必要不可欠なものとなっている。そして、このような水溶性ラジカル種濃度の測定には、電子スピン共鳴(ESR:Electron Spin Resonance)が一般的に利用されてきている。しかしながら、ESRにおいては、水溶性ラジカル種(特に、ヒドロキシルラジカル)が極短寿命であることから、スピントラップ剤を添加した上で測定する必要があった。また、蛍光失活を利用する方法も用いられるが、このような方法では、蛍光プローブとなる分子の添加が必要であった。そのため、上述したような既存の水溶性ラジカル種濃度の測定方法は、スピントラップ剤等の添加により、いずれも測定対象の水溶液をあるがままの状態で測定する方法とは言えなかった。一方で食品や半導体の洗浄工程で、測定のために洗浄液に添加剤を混入することは許されない。そこで、水溶性ラジカル種濃度をその発生場所にて、添加剤混入等の前処理なく非侵襲且つリアルタイムに測定する方法の出現が切望されていた。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水溶性ラジカル種濃度をその発生場所にて添加剤混入等の前処理なく非侵襲且つリアルタイムに計測することが可能な水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法、及び、水溶性ラジカル種濃度測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような目的を達成するために、本発明者は、水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法について鋭意研究を行った。その結果、水溶液の遠赤外分光スペクトル強度が塩の水和と同様に水溶性ラジカル種の発生によっても変化することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法は、水溶液中の水溶性ラジカル種濃度と、該水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長で測定した吸光特性との相関性に基づいて該水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を定量すること特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、水溶液の吸光特性を直接測定すればよいため、スピントラップ剤等を添加する等、測定対象の水溶液の状態を変化させることなく、水溶性ラジカル種濃度を測定することができる。また、水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長での吸光特性を測定すればよいため、当該水溶液を系から取り出すことなく、その発生場所にて非侵襲且つリアルタイムに測定することができる。上記相関性は、水溶液中の水溶性ラジカル種濃度と、該水溶液の150〜210nmの範囲内における1以上の波長で測定した吸光特性との相関性であることが好ましく、該水溶液の155〜185nmの範囲内における1以上の波長で測定した吸光特性との相関性であることがより好ましい。なお、本明細書中、遠紫外領域とは、280nmより短波長且つ100nmより長波長の紫外線領域をいう。また、本発明において、水溶性ラジカル種とは、ヒドロキシルラジカル、スーパーオキシド、ヒドロペルオキシルラジカル、及び、水素ラジカルを含む、水溶性を有するラジカル種のうちの少なくとも1種をいう。
【0011】
また、本発明の水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法は、水溶性ラジカル種を含む水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長での吸光特性と水溶性ラジカル種濃度との検量線をあらかじめ決定しておき、水溶性ラジカル種を含む水溶液の吸光特性を、前記1以上の波長で測定し、得られた吸光特性データより前記検量線を用いて水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を定量することを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、水溶液の吸光特性を直接測定すればよいため、スピントラップ剤等を添加する等、測定対象の水溶液の状態を変化させることなく、水溶性ラジカル種濃度を測定することができる。また、予め作成した検量線を用いて、得られた吸光特性より前記検量線を用いて水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を測定するため、当該水溶液を系から取り出すことなく、その発生場所にて非侵襲且つリアルタイムに測定することができる。
【0013】
上記構成においては、前記吸光特性の測定を継続的に行って、水溶性ラジカル種濃度の定量を継続的に行うことが好ましい。
【0014】
また、本発明の水溶性ラジカル種濃度測定装置は、140〜210nmの範囲内における1以上の波長で測定対象となる水溶液の吸光特性を測定する吸光特性測定手段と、水溶液中の水溶性ラジカル種濃度と該水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長で測定した吸光特性との相関性とに基づいて、前記吸光特性測定手段により測定した吸光特性から、測定対象の水溶液の水溶性ラジカル種濃度を定量する定量手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、水溶液の吸光特性を直接測定するため、スピントラップ剤等を添加する等、測定対象の水溶液の状態を変化させることなく、水溶性ラジカル種濃度を測定することができる。また、水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長での吸光特性を測定するため、当該水溶液を系から取り出すことなく、その発生場所にて非侵襲且つリアルタイムに測定することができる。
【0016】
また、本発明の水溶性ラジカル種濃度測定装置は、水溶性ラジカル種を含む水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長での吸光特性と水溶性ラジカル種濃度との検量線を決定する検量線決定手段と、測定対象となる水溶性ラジカル種を含む水溶液の吸光特性を、前記1以上の波長で測定する測定手段と、得られた吸光特性データより前記検量線を用いて測定対象の水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を定量する定量手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、水溶液の吸光特性を直接測定するため、スピントラップ剤等を添加する等、測定対象の水溶液の状態を変化させることなく、水溶性ラジカル種濃度を測定することができる。また、予め作成した検量線を用いて、得られた吸光特性より前記検量線を用いて水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を測定するため、当該水溶液を系から取り出すことなく、その発生場所にて非侵襲且つリアルタイムに測定することができる。
【0018】
上記構成においては、前記測定手段は、測定対象となる水溶性ラジカル種を含む水溶液の吸光特性を、前記1以上の波長で継続的に測定し、前記定量手段は、得られた吸光特性データより前記検量線を用いて測定対象の水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を継続的に定量することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、水溶性ラジカル種濃度をその発生場所にて添加剤混入等の前処理なく非侵襲且つリアルタイムに計測することが可能な水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法、及び、水溶性ラジカル種濃度測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ヒドロキシルラジカル発生前後における水の遠紫外吸光スペクトルの差を示す図である。
【図2】水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度の測定に用いた減衰全反射型遠紫外分光装置のブロック図である。
【図3】図2に示した測定部を模式的に示す図である。
【図4】遠赤外から遠紫外領域の液体の水の吸収スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下では、水溶性ラジカル種としてのヒドロキシルラジカルの水溶液中の濃度の測定方法、及び、ヒドロキシルラジカル濃度測定装置について説明するが、本発明は、その他の水溶性ラジカル種(例えば、スーパーオキシド、ヒドロペルオキシルラジカル、水素ラジカル等)についても同様に適用することができる。さらに、本発明は、水溶性ラジカル種だけでなく、水の水素結合や水和に影響を与える、例えば、一重項酸素等の濃度の測定、及び、その濃度測定装置にも適用することができる。
図4に示すように、水は、液体状態において、150nm付近にn→σ*遷移に由来する吸収スペクトルを有している。この吸収スペクトルは、水に溶解されているヒドロキシルラジカルの濃度に相関している。以下に、その例を図1を用いて説明する。
【0022】
図1は、ヒドロキシルラジカル発生前後における水の遠紫外吸光スペクトルの差を示す図である。図1では、純水にオゾンガスを50ppm溶解させた水(以下、「オゾン水」ともいう)と、ヒドロキシルラジカルを含有させた水との吸光度の差を、167nm、168nm、及び、169nmの3波長において示している。上記ヒドロキシルラジカルを含有させた水は、上記オゾン水に紫外線を照射してヒドロキシルラジカルを発生させることにより得た水である。図1に示すように、オゾン水の吸光度は、紫外線の照射後、すなわち、ヒドロキシルラジカル濃度の増加に応じて増大している。なお、本実施形態では、紫外線の照射により、1.2ppm(70.6μM)のヒドロキシルラジカルが発生していることを、JIS-R1704(2007)「ファインセラミックス−活性酸素生成能力測定による光触媒材料の水質浄化性能試験方法」に基づいて確認した。
【0023】
このように、水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度と、該水溶液の167nm、168nm、及び、169nmにおける波長での吸光度とは、相関性を有している。従って、複数のヒドロキシルラジカル濃度に対して、167nm、168nm、及び、169nmのうちの1の波長における吸光度を測定することにより、検量線を得ることができる。その結果、測定対象のヒドロキシルラジカルを含む水溶液の吸光度を、前記波長で測定し、得られた吸光度データより前記検量線を用いて水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度を定量することが可能となる。また、複数のヒドロキシルラジカル濃度に対して、167nm、168nm、及び、169nmのうちの2以上の波長における吸光度を測定することにより、より正確な検量線を得ることが可能となる。
【0024】
図1に示したヒドロキシルラジカル発生前後における水の遠紫外吸光スペクトルの差は、以下に示す減衰全反射型遠紫外分光装置を用いて測定した。そこで、次に、本測定に用いた減衰全反射型遠紫外分光装置について説明する。
【0025】
図2は、水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度の測定に用いた減衰全反射型遠紫外分光装置のブロック図である。図3は、図2に示した測定部を模式的に示す図である。本実施形態において用いられる減衰全反射型遠紫外分光装置10は、遠紫外領域において全反射減衰吸光法を用いて、水の吸収スペクトルを測定することができるものである。具体的には、例えば、特開2007−279025号公報や、特開2008−224240号公報に記載されているもの等を用いることができる。そこで、以下では、本発明を説明するために必要な範囲で減衰全反射型遠紫外分光装置10について説明することとする。
【0026】
図2に示すように、減衰全反射型遠紫外分光装置10は、測定部30と、制御部40とを備える。制御部40は、中央演算処理装置とメモリとを有しており、減衰全反射型遠紫外分光装置10全体の情報処理や、動作の制御を行う。図3に示すように、測定部30は、水12(オゾン水12)に接する石英の配管14に取り付けられており、配管14に接するように配置された石英材質の全反射減衰プローブ16と、光源(図示せず)により発生された遠紫外光を全反射減衰プローブ16の界面へ臨界角より大きい入射角で照射する投光光学系18と、全反射減衰プローブ16の界面から全反射する反射光を光検出器(図示せず)で受光する受光光学系20とを備えている。
【0027】
投光光学系18を構成する光源としては、30Wの重水素ランプを用いた。また、受光光学系20を構成する光検出器としては、200nm以上の波長に感度を有さない光電子増倍管を用いた。
【0028】
全反射減衰プローブ16としては、石英を材質とするプローブを用いた。これにより、測定波長範囲を150〜210nmの範囲とすることができる。
【0029】
オゾン分解用の紫外光22の光源としては、200Wの水銀キセノンランプを用い、紫外光22を全反射減衰プローブ16側から全反射減衰プローブ16及び配管14を介してオゾン水12に照射した。このとき、スペクトル変化を高感度に捉えるべく、紫外線照射を5kzで明滅させて行い、明滅に同期した信号変化のみをロックインアンプで増幅して観察した。そして、紫外線照射時(ヒドロキシルラジカル発生時)と、非照射時(ヒドロキシルラジカル非発生時)との差を求めた。以上より、図1に示すヒドロキシルラジカル発生前後における水の遠紫外吸光スペクトルの差を得た。
【0030】
上記において、測定対象となる水溶液の吸光度を測定するとき、測定部30は、吸光特性測定手段として機能する。また、複数のヒドロキシルラジカル濃度に対して、上記波長における吸光度を測定して検量線を決定するとき、制御部40は、検量線決定手段として機能する。また、測定した測定対象の水溶液の吸光度から、該測定対象の水溶液のヒドロキシルラジカル濃度を定量するとき、制御部40は、定量手段として機能する。また、測定対象となる水溶液の上記波長における吸光度を測定し、その測定した吸光度から、測定対象の水溶液のヒドロキシルラジカル濃度を定量するとき、減衰全反射型遠紫外分光装置10は、本発明のヒドロキシルラジカル濃度測定装置として機能する。
【0031】
また、上記吸光度の測定を、継続的(連続的、又は、間欠的)に行い、ヒドロキシルラジカル濃度の定量を継続的に行えば、継続的なヒドロキシルラジカル濃度の変化をモニターすることが可能となる。
【0032】
上述した実施形態では、特定の波長(167nm、168nm、及び、169nmのうち少なくとも1以上の波長)での吸収スペクトル強度を測定することにより検量線を得て、この検量線を用いて、水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度を測定する場合について説明した。しかしながら、本発明においては、水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度と、該水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長での吸収スペクトル強度との相関性に基づいて該水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度を測定するのであれば、この例に限定されない。本発明においては、例えば、水のn→σ*遷移に由来する吸収スペクトルのピークの移動量と、水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度との相関性に基づいて水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度を測定することとしてもよい。上記吸収スペクトルのピークの移動量と、水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度との相関性については、特に限定されないが、例えば、予め濃度が既知の複数種類のヒドロキシルラジカル含有水と、その吸収スペクトルのピークとを測定することにより得ることができる。
【0033】
また、本発明においては、例えば、上記吸収スペクトルのバンド幅と水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度との相関性に基づいて水溶液中のヒドロキシルラジカル濃度を測定することとしてもよい。
【0034】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0035】
10 減衰全反射型遠紫外分光装置
12 水(オゾン水)
14 配管
16 全反射減衰プローブ
18 投光光学系
20 受光光学系
30 測定部
40 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶液中の水溶性ラジカル種濃度と、該水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長で測定した吸光特性との相関性に基づいて該水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を定量することを特徴とする水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法。
【請求項2】
水溶性ラジカル種を含む水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長での吸光特性と水溶性ラジカル種濃度との検量線をあらかじめ決定しておき、
水溶性ラジカル種を含む水溶液の吸光特性を、前記1以上の波長で測定し、
得られた吸光特性データより前記検量線を用いて水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を定量することを特徴とする水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法。
【請求項3】
前記吸光特性の測定を継続的に行って、水溶性ラジカル種濃度の定量を継続的に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の水溶液中の水溶性ラジカル種濃度の測定方法。
【請求項4】
140〜210nmの範囲内における1以上の波長で測定対象となる水溶液の吸光特性を測定する吸光特性測定手段と、
水溶液中の水溶性ラジカル種濃度と該水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長で測定した吸光特性との相関性とに基づいて、前記吸光特性測定手段により測定した吸光特性から、測定対象の水溶液の水溶性ラジカル種濃度を定量する定量手段と
を備えたことを特徴とする水溶性ラジカル種濃度測定装置。
【請求項5】
水溶性ラジカル種を含む水溶液の140〜210nmの範囲内における1以上の波長での吸光特性と水溶性ラジカル種濃度との検量線を決定する検量線決定手段と、
測定対象となる水溶性ラジカル種を含む水溶液の吸光特性を、前記1以上の波長で測定する測定手段と、
得られた吸光特性データより前記検量線を用いて測定対象の水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を定量する定量手段と
を備えたことを特徴とする水溶性ラジカル種濃度測定装置。
【請求項6】
前記測定手段は、測定対象となる水溶性ラジカル種を含む水溶液の吸光特性を、前記1以上の波長で継続的に測定し、
前記定量手段は、得られた吸光特性データより前記検量線を用いて測定対象の水溶液中の水溶性ラジカル種濃度を継続的に定量することを特徴とする請求項4又は5に記載の水溶性ラジカル種濃度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−75447(P2011−75447A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228445(P2009−228445)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年8月6日 インターネットアドレス「http://www.jst.go.jp/pr/info/info660/shiryo1.html」に発表
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】