説明

水生光合成生物培養装置

【課題】光導出面から培養液中への光の射出の程度を制御しやすいとともに、汚れにくい導光部材を備えた水生光合成生物培養装置を提供する。
【解決手段】培養液を収容してその中で水生光合成生物を培養することが可能な培養槽と、内部に導入した光を前記培養槽内に射出する光導出面を有し、その内部に光散乱粒子が分散しているか又は前記光導出面上に微細な凹凸が形成してある導光部材と、を備えていて、前記光導出面には、光触媒作用を示す物質からなる被覆層が形成してあるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の射出度合の制御が容易であるとともに、汚れにくい導光部材を備えた水生光合成生物培養装置に関する。
【背景技術】
【0002】
藻類等の水生光合成生物を人工的に培養する場合、水生光合成生物に光を照射することが必要であるが、水生光合成生物を培養する培養液にその外側から光を照射すると、水面で反射する割合が高いので、光の培養液中への到達効率が低い。このため、光源から発した光を、導光部材を用いて培養液中に導入するように構成した培養装置として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
光源から発した光をその内部に導入して光導出面から射出させる導光部材としては、ムラのない均一な光を効率的に射出するために、光の散乱・拡散手段として、導光部材の内部に光散乱粒子が含有されていたり、光導出面に微細な凹凸が設けられていたりするものが知られているが、このような導光部材を空気中で使用する場合、導光部材内部を伝播してきた光は光導出面において全反射しやすいので、光散乱粒子の含有量や、光導出面上における微細な凹凸の形成具合等によって光導出面における全反射の起こりやすさを変えることにより、光導出面からの光の射出の程度を制御することができる。
【0004】
水生光合成生物はその種類により光合成に好適な照度が異なるので、水生光合成生物培養時にはその水生光合成生物にとって好適となるように光を制御することが必要であるが、このような導光部材を用いて光源から光を導入して培養液中を照射すると、水は空気より光学的に密な物質であるので、水中では空気中よりも、導光部材内部を伝播してきた光が光導出面において全反射しにくく、より漏出しやすい。このため、水中では、光散乱粒子の含有量や光導出面上における微細な凹凸の形成具合等によっては、前記光導出面における全反射の起こりやすさを充分に変えることが難しく、導光部材の光導出面からの光の射出の程度を制御することは、空気中より困難になる。
【0005】
また、培養液中に浸漬した導光部材が、水生光合成生物から排出された老廃物等が付着することにより汚れると、光導出面からの光の射出効率が低下するので、光合成が不活発になり増殖速度が低下するという問題がある。
【特許文献1】特開昭52−105277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、光導出面から培養液中への光の射出の程度を制御しやすいとともに、汚れにくい導光部材を備えた水生光合成生物培養装置を提供することを所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る水生光合成生物培養装置は、培養液を収容してその中で水生光合成生物を培養することが可能な培養槽と、内部に導入した光を前記培養槽内に射出する光導出面を有し、その内部に光散乱粒子が分散しているか又は前記光導出面上に微細な凹凸が形成してある導光部材と、を備えていて、前記光導出面には、光触媒作用を示す物質からなる被覆層が形成してあることを特徴とする。
【0008】
前記光触媒作用を示す物質としては特に限定されないが、なかでも、二酸化チタンが強力な光触媒作用を示すので好ましい。
【0009】
前記導光部材の基体材料の屈折率nbと、前記光触媒作用を示す物質の屈折率npと、水の屈折率nwとは、nw<nb<npの関係にあり、具体的には、二酸化チタンの屈折率は約2.5〜2.7であり、水の屈折率は1.33であり、導光部材の基体を構成するプラスチックやガラス等の透光体の屈折率は約1.5前後であるので、導光部材の光導出面に二酸化チタンがコーティングしてあると、導光部材基体内部を伝播した光は二酸化チタンからなる被覆層との界面で一部が反射し残りが屈折して前記被覆層内を進行する。前記透光体と二酸化チタンとでは二酸化チタンの方が光学的に密であるので、導光部材基体内部を伝播した光が前記被覆層との界面で全反射することはない。これに対して、二酸化チタンと水では、水の方が光学的に疎であるので、二酸化チタンからなる被覆層を伝播した光は前記被覆層と水との界面で全反射しやすい。
【0010】
このような本発明に係る水生光合成生物培養装置によれば、前記導光部材の光導出面に二酸化チタン等の光触媒作用を示す物質からなる被覆層が形成してあることにより、前記光導出面からの光の漏出が防止されるので、光散乱粒子の含有量や、光導出面上における微細な凹凸の形成具合等を調整することにより、当該光導出面からの光の射出の程度を制御しやすくなる。また、前記光導出面に光触媒作用を示す物質からなる被覆層が形成してあることにより、光源から発した光が前記導光部材に導入されると当該光触媒作用を示す物質に光が当たり、超親水作用と強力な酸化還元作用とが発現して、前記導光部材に汚れが付着しにくくなるとともに、汚れが付着しても分解することができる。このため、前記導光部材の光導出面から射出される光の照度の低下を防ぐことができる。
【0011】
なお、ダイヤモンドライクカーボンも二酸化チタン等の光触媒作用を示す物質と同様に屈折率が高いので、ダイヤモンドライクカーボンからなる被覆層が前記導光部材の光導出面に形成してある場合も、同様に前記光導出面からの光の漏出が防止されるので、光散乱粒子の含有量や、光導出面上における微細な凹凸の形成具合等を調整することにより、当該光導出面からの光の射出の程度を制御しやすくなる。また、ダイヤモンドライクカーボンは結晶粒がないので極めて高い平滑性を有し、このため、ダイヤモンドライクカーボンからなる被覆層が前記導光部材の光導出面に形成してあると、汚れや藻類が付着しにくい。
【0012】
前記ダイヤモンドライクカーボンとしては特に限定されないが、水素を含有せず電子軌道がダイヤモンドに近いta−C(tetrahedoral amorphous carbon)が好適に用いられる。
【0013】
本発明に係る水生光合成生物培養装置は、更に、前記導光部材から培養液中に導出された光をCOバブルにより散乱して、光ムラを解消して培養液中をより均一に照明するとともに、光触媒作用により導光部材表面から剥離しつつある汚れを、ナノピコオーダーに微細気泡化したCOバブルが破裂することにより除去して、導光部材を清浄に保つために、前記培養槽内に微細気泡化したCOを供給するCO供給部を備えていることが好ましい。
【0014】
また、導光部材が振動することによっても、導光部材に付着した汚れを除去することが可能である。このような導光部材が振動する水生光合成生物培養装置としては、例えば、次のような構成を有するものが挙げられる。すなわち、培養液を収容してその中で水生光合成生物を培養することが可能な培養槽と、一端にLEDが設置されていて、前記LEDから内部に導入された光を前記培養槽内に射出する導光部材と、を備えていて、前記導光部材が振動するように構成してあることを特徴とする水生光合成生物培養装置も、本発明の1つである。なお、導光部材が振動するとは、導光部材に振動機構が備わっていて自ら振動する態様以外に、他の部材が振動することにより伝播してきた表面弾性波によって導光部材が振動する態様も含むものである。
【0015】
例えば、前記LEDが実装された基板が振動することにより、当該基板から直接又はLEDを介して表面弾性波が伝播し、培養液中に浸漬した導光部材も振動すると、導光部材に汚れがつきにくくなる。また、振動の程度によっては超音波を発生させることも可能となり、導光部材に加えて培養槽等にも汚れがつきにくくなるとともに、一旦付着した汚れも剥離しやすくなる。なお、LEDは振動に対して耐久性があるので、振動によって基板に半田付けした箇所が外れて電気的連絡が絶たれてLEDが点灯しない等の不具合は起こりにくい。
【発明の効果】
【0016】
しかして、本発明によれば、導光部材の光導出面を光触媒作用を示す物質によって被覆することにより、光導出面からの光の漏出を防いで光の射出の程度を制御しやすくするとともに、導光部材を汚れにくく、また、汚れが付着しても落ちやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態に係る水生光合成生物培養装置1は、図1に模式的に示すように、培養液を収容してその中で水生光合成生物を培養することが可能な培養槽2と、培養槽2内に光を照射する光照射部3と、培養槽2に収容された培養液中にCOを供給するCO供給部4と、を備えている。
【0019】
培養槽2は、培養液を収容してその中で水生光合成生物を培養するためのものであり、培養液を攪拌する攪拌部21と、培養液の温度を調節する温度調節部22と、を備えている。
【0020】
攪拌部21は、培養槽2中の培養液を攪拌して、水生光合成生物やCOバブル等を培養液中に均一に分散するためのものであり、駆動機構を備えた攪拌棒の先端に攪拌用フィンが設けてあり、攪拌棒が回転することにより、先端に設けられたフィンが培養液を攪拌するように構成してある。
【0021】
温度調節部22は、培養槽2中の培養液の温度を水生光合成生物の増殖に適した温度に調整するためのものであり、例えば、シートヒータ、ブロックヒータ、恒温水を循環させる装置、ペルチェ素子を用いた装置等が挙げられる。
【0022】
光照射部3は、水生光合成生物の増殖に適した波長や照度を有する光を照射するためのものであり、平板状の基板31の一方の面に多数実装されたLED32と、各LED32が一端に埋設された導光部材33を備えている。
【0023】
基板31には、図示しない振動機構が設けてあり、基板31が振動することにより、基板31から直接又はLED32を介して表面弾性波が導光部材33に伝播し、導光部材33も振動する。
【0024】
導光部材33は、一端に埋設されたLED32から照射された光を内部に導入して培養槽2に収容された培養液中に導出するものであり、図1及び図2に示すように、プラスチックやガラス等の透光体からなる軸直交断面円形な棒状体である基体331と、基体331表面のうち側周面と底面に形成された二酸化チタン等の光触媒作用を示す物質からなる被覆層332と、を備えていて、図示しない固定部材により基板31から吊り下げ固定されている。
【0025】
導光部材33の側周面333及び底面334は、導光部材33内部を伝播した光を培養液中に射出する光導出面として機能する。
【0026】
基体331は、その内部に透明フィラや金属や金属酸化物等からなる光散乱粒子335が分散されていて、LED32から導光部材3内部に導入された光は基体331内部で光散乱粒子335により拡散される。また、これにより光の密度ムラも解消される。
【0027】
基体331の側周面及び底面は、例えば、二酸化チタン等の光触媒作用を示す物質によって被覆されており、光が漏出しにくいように構成してある。なお、基体331の側周面及び底面は、部分的に被覆されていてもよい。
【0028】
そして、LED32から発して、導光部材33内部に導入された光は、光散乱粒子335により拡散されつつ光導出面333、334で反射されて、ムラなく均一な光に攪拌されながら、一部は下方に伝播していき、一部は光導出面333、334から射出される。
【0029】
CO供給部4は、培養槽2中に収容されている培養液中にCOを供給するためのものであり、例えば、加圧溶解による方法(加圧して気体をより多く溶解した状態からキャビテーション等を用いて微細気泡を発生させる方法)や、超音波による方法(超音波を与えることにより気泡を加振させて分裂させる方法)や、剪断による方法(激しい流れの中に気体を吹き込んで気体を引きちぎって気泡を細かくする方法)や、衝撃波による方法(ベンチェリ管による衝撃波を用いて発生させる方法)や、微細孔のある中空構造体に気体を通気させる方法等を用いて、マイクロバブル〜ナノピコバブルに微細気泡化したCOを供給するものである。
【0030】
このように微細気泡化したCOは、通常の気泡が液中を急激に上昇し液面で破裂するのに対して、上昇速度が遅く長時間液中に留まり続け、また、気相と液相との界面で生じた界面張力により加圧されより一層小さくなる。更に、微細気泡は負に帯電しており、互いに反発するので、結合することがなく、気泡濃度が低下しない。このため、COを微細気泡化して供給することにより、COバブルを液中に常に高密度で分散させることができるので、光合成を促進することができる。
【0031】
また、COバブルが培養液中に高密度で分散していると、導光部材3から射出された光がCOバブルにより散乱して、培養液中での光ムラが解消されて、培養液内が均一に照明される。
【0032】
水生光合成生物培養装置1は、更に、流出路5、流入路6、及び、培養液タンク7、を備えている。
【0033】
流出路5は、培養槽2中から培養液を流出させるためのものであり、培養槽2に設けてある流出口51をその上流端とする。そして、充分に増殖した水生光合成生物を培養槽2から回収する場合や、培養槽2内を掃除する場合等に、流出路5から培養液を流出させる。
【0034】
流入路6は、その上流に設けてある培養液タンク7から、新たな培養液を培養槽2中に供給するためのものであり、培養槽2に設けてある流入口61をその下流端とする。
【0035】
このような水生光合成生物培養装置1で培養する水生光合成生物としては特に限定されないが、例えば、クロレラ、キートセラス、ナンノクロロプシス、イソクリシス、パブロバ、テトラセルミス等の単細胞藻類や、水草等が好適である。また、水生光合成生物培養装置1を用いて、センタイ類、地衣類、バクテリア等を培養することも可能である。
【0036】
このような構成を有する本実施形態によれば、導光部材33の光導出面333、334に二酸化チタン等の光触媒作用を示す物質からなる被覆層332が形成してあることにより、光導出面333、334からの光の漏出が防止されるので、光散乱粒子335の含有量を調整することにより、光の射出の程度を制御しやすくなる。また、光導出面333、334に二酸化チタン等の光触媒作用を示す物質からなる被覆層332が形成してあることにより、LED32から発した光が導光部材3に導入されると当該二酸化チタン等に光が当たり、超親水作用と強力な酸化還元作用とが発現して、導光部材33に汚れが付着しにくくなるとともに、汚れが付着しても分解される。このため、導光部材33の光導出面333、334から射出される光の照度の低下を防ぐことができる。
【0037】
また、本実施形態では、基板31が振動し、それにより発生した表面弾性波が導光部材33に伝播するように構成してあるので、この点からも、導光部材33に汚れがつきにくくなる。また、振動の程度によっては超音波を発生させることも可能となり、導光部材33に加えて培養槽2等にも汚れがつきにくくなるとともに、一旦付着した汚れも剥離しやすくなる。なお、LED32は振動に対して耐久性があるので、振動によって基板に半田付けした箇所が外れて電気的連絡が絶たれてLED32が点灯しない等の不具合は起こりにくい。
【0038】
また、本実施形態では、マイクロバブル〜ナノピコバブルに微細気泡化したCOを培養液中に供給するので、培養液中のCOバブルの密度を常に高く維持することができ、水生光合成生物が光合成に伴いCOを消費することにより培養液中の溶存CO濃度(CO2−濃度)が低下しても、常にCOバブルからCOが供給されるので、溶存CO濃度を略飽和濃度に維持することができ、光合成を促進することが可能となる。また、光触媒作用により導光部材33表面から剥離しつつある汚れを、ナノピコオーダーに微細気泡化したCOバブルが破裂することにより除去して導光部材を清浄にすることも可能である。
【0039】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0040】
例えば、導光部材33は前記実施形態におけるものに限定されず、光散乱粒子335に代えて又は光散乱粒子335とともに、基体331表面に微細な凹凸が設けられていてもよい。また、透光性材料からなり内部に空間を有した有底管状のものであってもよく、その内部空間に光源が設けられていてもよく、また、内部空間には透光性の液体が充填されていてもよい。
【0041】
更に、被覆層332は二酸化チタン等の光触媒作用を示す物質に代えてダイヤモンドライクカーボンからなるものであってもよい。
【0042】
また、導光部材3の軸直交断面形状は円形に限定されず、多様な形状を選択することができ、例えば、導光部材3が軸直交断面矩形の板状体であってもよい。また、導光部材3の設置本数も特に限定されず、適宜必要に応じて選択することができる。
【0043】
更に、振動機構が設けてあるのは基板31に限定されず、導光部材33に直接振動子が備わっていても良く、又は、基板31から延伸された振動部が培養液に浸漬してあったり、攪拌部21、培養槽2、温度調節部22等に振動子が設けてあってもよい。
【0044】
LED32は導光部材33の一端に設けてあればよく、埋設されていなくてもよい。
【0045】
攪拌部21は振盪器、マグネット攪拌器等であってもよい。
【0046】
培養槽2は、培養槽2の外部に設けた人工光源からの光や太陽光を、導光部材3を介して栽培槽2内に導入するように構成してあってもよい。
【0047】
CO供給部4は、マイクロバブル〜ナノピコバブル化したCOを供給するものでなくともよく、通常のサイズの気泡としてCOを供給するものであってもよい。
【0048】
導光部材33の光導出面333、334には二酸化チタン等の光触媒作用を示す物質からなる被覆層332が形成してあるので、導光部材33は汚れにくいものであるが、汚れが落ちにくい場合や、培養槽2内面等が汚れた場合は、培養槽2から培養液を除去してから、ナノピコバブルのオゾン水で洗浄して、汚れの除去と、滅菌とを同時に行なってもよい。
【0049】
ナノピコバブルのオゾン水は、1〜10nm以下の粒径のオゾン気泡が水中に大量に分布しているものである。従来のマイクロ〜ナノバブルと呼ばれる細かな気泡は、水中に分散すると白濁して見える程度のもので、浮力により脱気し、マイクロ〜ナノバブル水を散水した場合にも容易に脱気するのに対して、ナノピコバブルは、浮力の影響を受けないといわれる500nmよりはるかに粒径が小さい気泡であり、ナノピコバブルのオゾン水を散水しても極めて僅かしか脱気しない。
【0050】
また、ナノピコバブルのオゾン水は、細菌やウィルスといった数10nmの極小の病原体も破壊可能であるとともに、動物に対しては無害で安全である。
【0051】
そして、ナノピコバブルのオゾン水によれば、超微細の気泡を無限に溶存させることができるので、病原体や洗浄面に酸化効果の高いオゾンの気泡が接触する頻度が飛躍的に高まる。
【0052】
また、水生光合成生物の培養中であっても、培養液中にオゾンのナノピコバブルを供給して、培養槽2内面等の汚れの除去と、滅菌とを同時に行なってもよい。なお、オゾンのナノピコバブルは水生光合成生物よりはるかに微小であるので、破裂しても水生光合成生物には殆ど影響しない。
【0053】
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係る水生光合成生物培養装置を示す模式的構成図。
【図2】前記実施形態における導光部材の軸直交断面図。
【符号の説明】
【0055】
1・・・水生光合成生物培養装置
2・・・培養槽
3・・・導光部材
31・・・光導出面
32・・・光導入面
34・・・光触媒作用を示す物質からなる被覆層
4・・・CO供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養液を収容してその中で水生光合成生物を培養することが可能な培養槽と、
内部に導入した光を前記培養槽内に射出する光導出面を有し、その内部に光散乱粒子が分散している導光部材と、を備えていて、
前記光導出面には、光触媒作用を示す物質からなる被覆層が形成してあることを特徴とする水生光合成生物培養装置。
【請求項2】
培養液を収容してその中で水生光合成生物を培養することが可能な培養槽と、
内部に導入した光を前記培養槽内に射出する光導出面を有し、前記光導出面上に微細な凹凸が形成してある導光部材と、を備えていて、
前記光導出面には、光触媒作用を示す物質からなる被覆層が形成してあることを特徴とする水生光合成生物培養装置。
【請求項3】
前記導光部材の基体材料の屈折率nbと、前記光触媒作用を示す物質の屈折率npと、水の屈折率nwとは、nw<nb<npの関係にある請求項1又は2記載の水生光合成生物培養装置。
【請求項4】
前記光触媒作用を示す物質は、二酸化チタンである請求項1、2又は3記載の水生光合成生物培養装置。
【請求項5】
前記培養槽内に微細気泡化したCOを供給するCO供給部を備えている請求項1、2、3又は4記載の水生光合成生物培養装置。
【請求項6】
培養液を収容してその中で水生光合成生物を培養することが可能な培養槽と、
一端にLEDが設置されていて、前記LEDから内部に導入された光を前記培養槽内に射出する導光部材と、を備えていて、
前記導光部材が振動するように構成してあることを特徴とする水生光合成生物培養装置。
【請求項7】
培養液を収容してその中で水生光合成生物を培養することが可能な培養槽と、
内部に導入した光を前記培養槽内に射出する光導出面を有する導光部材と、を備えていて、
前記光導出面には、ダイヤモンドライクカーボンからなる被覆層が形成してあることを特徴とする水生光合成生物培養装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−4868(P2010−4868A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203052(P2008−203052)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(596099446)シーシーエス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】