説明

水産系残渣物処理装置及び水産系残渣物処理方法

【課題】 水産系残渣物を処理する際に、無臭にして粉砕する装置及び方法で、無臭にした、粉砕液状を、固形物と液体に、固液分離し、固形物は乾燥させる装置及び方法、また、液体は消臭液及び液体肥料を製造する装置及び方法で、水産系残渣物を再利用する方法を提供すること。
【解決手段】 水産系残渣物は悪臭が公害として認知されているが、処理液体で消臭液を製造し、その消臭液で水産系残渣物を無臭にして処理する装置及び方法で、上記水産系残渣物に消臭液を混合して粉砕攪拌すると、悪臭が消滅し、消滅した固形物を、乾燥機で乾燥させ、魚の餌及び肥料に再利用すること、液体は消臭液及び液体肥料を製造する装置により、水産系残渣物を無臭にして処理することを特徴とする水産系残渣物の処理装置及び方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水産系残渣物処理装置ならびに水産系残渣物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として特許文献1のように植物、畜産物、魚介類またはそれらの廃棄物、あるいは生ゴミや畜産物の糞などの汚物を含むバイオマス資源を30〜90℃に加熱し、メタンガスと、残渣を含む消化液とを生成し、生成したメタンガスを分別回収するメタン発酵工程と、還元雰囲気の溶融炉において、一酸化炭素や水素を主体とするエネルギーガスを生成し、エネルギーガス発生工程とを具えた装置であった。または特許文献2のように焼却処理をする装置もあった。
【0003】
【特許文献1】特開2005−205385
【特許文献2】特開2005−241212
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなバイオマス処理システムでは植物、畜産物、魚介類等の生ごみを処理をする装置として、処理するだけでなくメタンガスを発酵させるなど、資源として使え循環型社会を作るものとして期待されている。しかしながら、装置として高価であり、投資資金が高い欠点を有する。また、特許文献1のように残渣を残す方式は堆肥として残すにしても堆肥が余りにも多く作りすぎて処置に困ることも多々あった。また、植物、畜産物、魚介類等の生ごみは悪臭のため、周りに影響を与えるために、その周りを囲むなどその対策に費用がかかった。
【0005】
特許文献2のような水産系廃棄物を焼却炉により焼却処理するには大型の施設を要し、従来の処理方法では、発生する水産系廃棄物を全て処理する施設を配備するには、各地の漁連の承認が必要となり、又は、各市町村に設置しなければ処理する能力が無く、不法投棄を抑制することは厳しい状況にある、特許文献2のように上記水産系廃棄物に酸化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムを混合して焼却することを特徴とする水産系廃棄物の焼却処理方法は、各市町村の漁業関係場に設置は無理があり、処理するための維持費が高いという問題点を解決する対策が必要である装置であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1は、水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入した消臭液槽と、前記残渣物を粉砕する粉砕手段と、前記粉砕された前記残渣物を、前記消臭液槽の中で攪拌する攪拌手段と、該攪拌手段により攪拌された前記残渣物と前記消臭液の混合物から固液分離する固形分離手段と、該固液分離手段により固液分離された固形物を抽出し、細分化する細分化手段と、固液分離された前記固形物の他方の生成物である液体を抽出し、浄化処理する浄化処理手段と、前記液体を前記消臭液に混合させる混合手段とを備えた水産系残渣物処理装置を提供するものである。
【0007】
本発明の請求項2は水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入した消臭液槽と、前記残渣物を粉砕する粉砕手段と、前記粉砕された前記残渣物を、前記消臭液槽の中で攪拌する攪拌手段と、該攪拌手段により攪拌された前記残渣物と前記消臭液の混合物から固液分離する固形分離手段と、該固液分離手段により固液分離された固形物を抽出し、肥料とする肥料化手段を備えた水産系廃棄物処理装置を提供するものである。
【0008】
本発明の請求項3は水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入した消臭液槽と、前記残渣物を粉砕する粉砕手段と、前記粉砕された前記残渣物を、前記消臭液槽の中で攪拌する攪拌手段と、該攪拌手段により攪拌された前記残渣物と前記消臭液の混合物から固液分離する固形分離手段と、該固液分離手段により固液分離された固形物を抽出し、絞り手段により絞られた部分を細分化し、飼料とする飼料化手段を備えた水産系残渣物処理装置を提供するものである。
【0009】
本発明の請求項4は水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入した消臭液槽と、前記残渣物を粉砕する粉砕手段と、前記粉砕された前記残渣物を、前記消臭液槽の中で攪拌する攪拌手段と、該攪拌手段により攪拌された前記残渣物と前記消臭液の混合物から固液分離する固形分離手段と、該固液分離手段により固液分離された液体を抽出し、浄化処理する浄化処理手段とを備え、浄化処理した前記液体を液体肥料とする液体肥料化手段を備えた水産系残渣物処理装置を提供するものである。
【0010】
本発明の請求項5は請求項1〜4に従属し、前記消臭液は耐アルカリ性光合成細菌(Rhodopseudomonas)、耐アルカリ性ラン色細菌(Synechococcus)を含み、より具体的には、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレン、リオコピンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)A株、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)B株、耐アルカリ性でクロロフィルa、およびβカロチンを有すラン色細菌(Synechococcus)C株から選ばれた少なくとも一つを含む微生物群を含む液である水産系残渣物処理装置を提供するものである。
【0011】
本発明の請求項6は請求項1〜5に従属し、前記水産系残渣物が、いかゴロ、たこゴロ、魚の内蔵などの魚介類の内蔵物である水産系残渣物処理装置を提供するものである。
【0012】
本発明の請求項7は水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入するステップと、前記水産系残渣物を粉砕するステップと、前記粉砕された前記水産系残渣物を、光合成細菌を含む消臭液に入れて攪拌するステップと、これらから生成された混合物から固液分離するステップと、前記固液分離された固形物を細分化するステップと、前記固液分離された固形物の他方の生成物である液体を浄化処理するステップと、前記液体を前記消臭液に混合させるステップとを有する水産系残渣物処理方法を提供するものである。
【0013】
本発明の請求項8は水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入するステップと、前記水産系残渣物を粉砕するステップと、前記粉砕された前記水産系残渣物を、光合成細菌を含む消臭液に入れて攪拌するステップと、これらから生成された混合物から固液分離するステップと、前記固液分離された固形物を抽出するステップと、前記固形物を肥料化するステップとを備えた水産系残渣物処理方法を提供するものである。
【0014】
本発明の請求項9は水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入するステップと、前記水産系残渣物を粉砕するステップと、前記粉砕された前記水産系残渣物を、光合成細菌を含む消臭液に入れて攪拌するステップと、これらから生成された混合物から固液分離するステップと、固液分離された液体15を沈殿部分と上澄液に分けるステップと、前記沈澱部分から液体を絞り、絞られた部分を生成するステップと、前記絞られた部分を細分化して飼料とするステップとを備えた水産系残渣物処理装置を提供するものである。
【0015】
本発明の請求項10は水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入するステップと、前記水産系残渣物を粉砕するステップと、前記粉砕された前記水産系残渣物を、光合成細菌を含む消臭液に入れて攪拌するステップと、これらから生成された混合物から固液分離するステップと、固液分離された液体を抽出し、浄化処理するステップと、浄化処理した前記液体を液体肥料とするステップとを備えた水産系残渣物処理方法を提供するものである。
【0016】
本発明の請求項11は請求項7〜9に従属し、前記消臭液は耐アルカリ性光合成細菌(Rhodopseudomonas)、耐アルカリ性ラン色細菌(Synechococcus)を含み、より具体的には、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレン、リオコピンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)A株、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)B株、耐アルカリ性でクロロフィルa、およびβカロチンを有すラン色細菌(Synechococcus)C株から選ばれた少なくとも一つを含む微生物群を含む液である水産系残渣物処理方法を提供するものである。
【0017】
本発明の請求項7〜11に記載の前記水産系残渣物が、いかゴロ、たこゴロ、魚の内蔵などの魚介類の内蔵物である水産系残渣物処理方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
以上述べたように本発明は、水産物残渣物を処理するのにまず、光合成細菌を含む消臭液を入れて消臭し、そのあと、魚なら骨があるから粉砕して前記消臭液の中で攪拌し、その後、固液分離して分離した固形物は粉砕してペレット化して飼料、または堆肥として利用でき、固液分離して残った液体は液体肥料、再び消臭液として使用できる効果を有する。魚の残渣物を肥料に用いるものとして昔からニシン、魚の煮汁などが用いられている。魚残渣物も魚の種類、産地により多く変わるが、ミネラル分も多く、アミノ酸、特に骨が多いと燐酸が、身が多いと窒素が多いといわれ好適な肥料となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態を、図1に示す水産系残渣物処理装置の機能を示すブロック図を示す。
【0020】
1は本発明の水産系残渣物処理装置を示し、二点鎖線で囲んだ領域を示す。養殖場2、魚市場3、魚加工場4からのそれぞれ残渣物、へい死魚5、魚市場の魚のあら6、魚加工場の魚のあら7を集積し、粉砕、攪拌可能な、消臭液8を消臭液注入装置9に注入し、その消臭液8を注入した消臭液槽10に収容し、粉砕、攪拌を行い、その後に固液分離機11で固液分離する。固液分離された固形物12を乾燥機13で乾燥させ、一部は堆肥14にする。また固液分離機11で分離された液体15は沈殿装置(沈殿固形物除去用)15に入れて上澄液17を上澄液収集装置18に収容する。沈殿固形物19を再び固液分離機11に導き、固液分離する。その後、液体15は沈殿装置(微粒子除去除去用)20に収容し、前述の沈殿装置(沈殿固形物除去用)16のメッシュとは異なる網(不図示)を通らない微粒子沈殿物21を絞り機22に入れて絞り、絞り機22を透過した液体を上澄液収集装置18に収集し、残った固形物をペレット加工機23に導き、細分化されて乾燥庫24に入れて乾燥させ、動物の食用の餌25とする。また、沈殿装置(微粒子物除去用)20で微粒子沈殿物21として残らない液は上澄液収集装置18に導かれて収集される。上澄液収集装置18の液は浄化処理装置26で浄化処理されて、不要な部分が浄化され、液体肥料27、再生消臭液28が生成される。この再生消臭液28はポンプ29によって消臭液注入装置9に導かれる。
【0021】
また、固形物12を乾燥機13に導かずにペレット加工機23に導き、餌25としてもよい。また乾燥機13で高熱で乾燥させるとたんぱく質が壊れ、餌25として相応しくないものもあるが、温度調整の点に注意すれば、堆肥14であれ、餌25でもどちらでもよく、共に有効利用できる。
【0022】
図1における水産系残渣物処理装置1では消臭槽10において粉砕、攪拌を所定時間、または量に応じた時間、行い、所定時間後に停止し、固液分離機11に導き、所定時間、固液分離機11を運転し、固形物12を乾燥機13に導き、乾燥機13を所定時間、所定温度で運転して堆肥14を生成する。また固液分離機11により分離された液体15を所定時間後に沈殿装置(沈殿固形物除去用)16に導き、そこで上澄液17と固形物12に分かれ、所定時間後に沈殿固形物19を固液分離機11に戻し、上澄液17を上澄収集装置18に導いて収集する。前述の再度、固液分離機11に導かれた沈殿固形物19は固液分離され、固形物12は乾燥機13に導かれて所定時間、乾燥機13を作動させる。固液分離機11で生成した液体は沈殿装置(微粒子除去用)20に導かれ、所定時間後に上澄液17は上澄収集装置18に導く。沈殿装置(微粒子除去用)20に沈殿された微粒子沈殿物21は絞り機22に導かれ所定時間絞り、絞られた固形物をペレット加工機23に導く。所定時間絞り機22で絞られた液体は上澄液収集装置18に導かれる。上澄液収集装置18で収集された上澄液を浄化処理装置26に導き、所定時間作動させて液体肥料27、再生消臭液28を生成する。再生消臭液28をポンプ29に導いて吸い上げて消臭液注入装置9に導き、消臭液槽10に注入する準備する。以上のように本装置はすべての作動をつかさどる不図示の制御装置を有する。ここでは前記制御装置により各装置が運転してから所定時間後に次の工程に移る方式で説明しているが、各装置にセンサーを設けて検知する物理量が所定値に達してから次の工程に移る方式でもよい。
【0023】
図2は本発明で使用する粉砕ミキサー31を示し、へい死魚5、魚市場の魚のあら6、魚加工場の魚のあら7である水産系残渣物を消臭液8とを消臭液槽10に入れて槽の中にある粉砕刃32で粉砕し、さらに粉砕刃32から伸びた攪拌羽根32で攪拌する粉砕機ミキサー31を示す。ここで水産系残渣物は特に骨が粉砕刃32により粉砕されて粉々にされ、また攪拌羽根20で消臭液7と一緒に攪拌される汚濁液30となる。
【0024】
図3は本発明で使用する固液分離機11を示し、汚濁液30をホッパー34で持ち上げて汚濁液受け35に入れて、不図示の液が流れる穴を周辺部に持つ固液分離筒36を回転し、固形物12と液体15に分離する。この固液分離筒35は本出願人の特許3639905号で示す図14の遠心分離装置室の構成と同じである。
【0025】
図4は本発明で使用する乾燥機13を示し、固形物12をホッパー34で持ち上げて固形物受け37に入れて熱発生源38により熱せられた乾燥機筒39を通る固形物12を乾燥させ、堆肥14を生成する。餌25はペレット加工機23で細分化されて生成される。
【0026】
図5は本発明に使用する沈殿固定物除去用の沈殿装置16を示し、沈殿固形物18の上に上澄液17があり、上澄液17は図1に示したように上澄収集装置18に導かれる。沈殿固形物19は再度、固液分離機11に導かれて固形物12は乾燥機13またはペレット加工機23に導かれ、堆肥14になり、他方は小型化されて乾燥庫24に保存され、必要に応じて餌25として使われる。
【0027】
図6は本発明に使用する沈殿装置(微粒子沈殿物除去用)20を示し、沈殿微粒子物21の上に上澄液17があり、上澄液39は図1に示したように上澄収集装置18に導かれる。上澄液17は上澄液収集装置18に導かれ、微粒子沈殿物21は絞り機22により、絞られて、液は上澄液収集装置18に導かれ、他はペレット加工機23に導かれて細分化されて餌25が生成され乾燥庫24に乾燥され、餌25として使われる。
【0028】
図7は本発明に使用される消臭液注入装置9に消臭液7が貯えられ、図1で示すように再生消臭液28がポンプ29により吸い上げられ消臭液注入装置9に導かれ、消臭液槽10に導かれる。
【0029】
図8は本発明に用いる絞り機22を示し、例えばスポンジのような柔軟で液体が通過する材料からできている絞りチューブ40の穴の中を、矢印で示すように微粒子沈殿物21を通過させて外部から圧力をかけて絞り、それを通過した液は上澄収集装置17に導かれ、この絞りチューブ40の中に残った微粒子沈殿物21はペレット加工機22でペレットに加工されて乾燥庫24に導かれ、乾燥庫24で乾燥されて餌25となる。
【0030】
図9はペレット加工機23を示し、入口41から絞り機22からの微粒子沈殿物20を
挿入し、不図示の加工機でペレット状に加工し、出口42から細分化されたペレットが乾燥庫24に導かれて餌25となる。
【0031】
図10は乾燥庫24を示し、ペレット加工機23でペレット状に加工されたペレットが導かれ、乾燥される。また、時には堆肥14も乾燥機13で乾燥後に乾燥庫24で保管される。
【0032】
本発明に用いる消臭液8は、本出願人による特開2004−65259号(特許登録3699987号)に記載の液を示し、耐アルカリ性光合成細菌(Rhodopseudomonas)、耐アルカリ性ラン色細菌(Synechococcus)を含み、より具体的には、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレン、リオコピンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)A株、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)B株、耐アルカリ性でクロロフィルa、およびβカロチンを有すラン色細菌(Synechococcus)C株から選ばれた少なくとも一つを含む微生物群を含む液を示すものである。
【0033】
本発明の浄化処理装置は本出願人の特許登録3639905号に記載されている浄化資材を用いている。この浄化資材の製造方法は、オガクズ量に対して、光合成細菌1 0 % をオガクズと混ぜ、容器の8 0 % 程度まで入れる。水道水1 / 3 と処理水2 / 3 を攪拌しオガクズの6 0〜 8 0 % 液量を容器に入れると水分はオガクズが吸い込んで表面に水が浸す状態となる。蓋をして密閉し一週間すると表面のオガクズが黒く熟成されるので、上と下が混ざるように掻き混ぜ密閉して一週間放置する。その後、昼間は蓋を開け日光の中で掻き混ぜ、夜は蓋をする。これを二週間繰り返すとオガクズ全体が黒色の資材となる。水分は適当に蒸発し団子にむすべる程度となるので資材の完成となり使用できる。分散して必要量に応じて製造することからなる。光合成細菌をオガクズと混ぜて培養して得た浄化資材を浄化資材交換器にいれて水槽に吊下げ流速により接触させる処理水槽と処理水槽からポンプアップした処理液を水車の羽根に落水させて空気と水液を強制接触し浄化活性化させる装置を用いる。
【実施例1】
【0034】
本発明の水産系残渣物処理システムを実施した例の検査結果を以下に示す。
魚を粉砕し、固液分離した液体を処理した分析証明
鹿児島県環境技術協会濃度計量証明
【0035】
【表1】

採取日時平成18年4月18日14時30分
【実施例2】
【0036】
処理液が保存してあるが、消臭原液の悪臭も少ない、処理液は、平成18年12月の時点でも、透明で悪臭は一切しない。
【0037】
図2では粉砕刃32と攪拌羽根33を同じ消臭液槽10に設けたが、粉砕刃32と攪拌羽根33をそれぞれ別の消臭液槽に入れ、まず粉砕刃32で粉砕した後に攪拌羽根33で攪拌しても同様の効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の水産系残渣物処理装置の全体の流れを示すブロック図
【図2】同装置の粉砕機ミキサーの構成図
【図3】同装置の固液分離機の構成図
【図4】同装置の乾燥機の構成図
【図5】同装置の沈殿固定物除去用の沈殿装置の構成図
【図6】同装置の微粒子沈殿物除去用の沈殿装置の構成図
【図7】同装置の消臭液注入装置の構成図
【図8】同装置の絞り機の構成図
【図9】同装置のペレット加工機
【図10】同装置の乾燥庫
【符号の説明】
【0039】
1 水産系残渣物処理装置
2 養殖場
3 魚市場
4 魚加工場
5 へい死魚
6 魚市場の魚のあら
7 魚加工場の魚のあら
8 消臭液
9 消臭液注入装置
10 消臭液槽
11 固液分離機
12 固形物
13 乾燥機
14 堆肥
15 液体
16 沈殿物装置(沈殿固形物除去用)
17 上澄液
18 上澄液収集装置
19 沈殿固形物
20 沈殿物装置(微粒子沈殿物用)
21 微粒子沈殿物
22 絞り機
23 ペレット加工機
24 乾燥庫
25 餌
26 浄化処理装置
27 液体肥料
28 再生消臭液
29 ポンプ
30 汚濁液
31 粉砕機ミキサー
32 粉砕刃
33 攪拌羽根
34 ホッパー
35 汚濁液受け
36 固液分離筒
37 固形物受け
38 熱発生源
39 乾燥機筒
40 絞りチューブ
41 入口
42 出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入した消臭液槽と、前記残渣物を粉砕する粉砕手段と、前記粉砕された前記残渣物を、前記消臭液槽の中で攪拌する攪拌手段と、該攪拌手段により攪拌された前記残渣物と前記消臭液の混合物から固液分離する固形分離手段と、該固液分離手段により固液分離された固形物を抽出し、細分化する細分化手段と、固液分離された前記固形物の他方の生成物である液体を抽出し、浄化処理する浄化処理手段と、前記液体を前記消臭液に混合させる混合手段とを備えた水産系残渣物処理装置。
【請求項2】
水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入した消臭液槽と、前記残渣物を粉砕する粉砕手段と、前記粉砕された前記残渣物を、前記消臭液槽の中で攪拌する攪拌手段と、該攪拌手段により攪拌された前記残渣物と前記消臭液の混合物から固液分離する固形分離手段と、該固液分離手段により固液分離された固形物を抽出し、肥料とする肥料化手段を備えた水産系廃棄物処理装置。
【請求項3】
水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入した消臭液槽と、前記残渣物を粉砕する粉砕手段と、前記粉砕された前記残渣物を、前記消臭液槽の中で攪拌する攪拌手段と、該攪拌手段により攪拌された前記残渣物と前記消臭液の混合物から固液分離する固形分離手段と、該固液分離手段により固液分離された液体を沈殿部分と上澄液に分ける沈殿手段と、該沈殿手段により沈殿した沈澱部分から液体を絞る絞り手段と、該絞り手段により絞られた部分を細分化して飼料とする飼料化手段とを備えた水産系残渣物処理装置。
【請求項4】
水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入した消臭液槽と、前記残渣物を粉砕する粉砕手段と、前記粉砕された前記残渣物を、前記消臭液槽の中で攪拌する攪拌手段と、該攪拌手段により攪拌された前記残渣物と前記消臭液の混合物から固液分離する固形分離手段と、該固液分離手段により固液分離された液体を抽出し、浄化処理する浄化処理手段とを備え、浄化処理した前記液体を液体肥料とする液体肥料化手段を備えた水産系残渣物処理装置。
【請求項5】
前記消臭液は耐アルカリ性光合成細菌(Rhodopseudomonas)、耐アルカリ性ラン色細菌(Synechococcus)を含み、より具体的には、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレン、リオコピンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)A株、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)B株、耐アルカリ性でクロロフィルa、およびβカロチンを有すラン色細菌(Synechococcus)C株から選ばれた少なくとも一つを含む微生物群を含む液である請求項1〜4に記載の水産系残渣物処理装置。
【請求項6】
前記水産系残渣物が、いかゴロ、たこゴロ、魚の内蔵などの魚介類の内蔵物である請求項1〜4に記載の水産系残渣物処理装置。
【請求項7】
水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入するステップと、前記水産系残渣物を粉砕するステップと、前記粉砕された前記水産系残渣物を、光合成細菌を含む消臭液に入れて攪拌するステップと、これらから生成された混合物から固液分離するステップと、前記固液分離された固形物を細分化するステップと、前記固液分離された固形物の他方の生成物である液体を浄化処理するステップと、前記液体を前記消臭液に混合させるステップとを有する水産系残渣物処理方法。
【請求項8】
水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入するステップと、前記水産系残渣物を粉砕するステップと、前記粉砕された前記水産系残渣物を、光合成細菌を含む消臭液に入れて攪拌するステップと、これらから生成された混合物から固液分離するステップと、前記固液分離された固形物を抽出するステップと、前記固形物を肥料化するステップとを備えた水産系残渣物処理方法。
【請求項9】
水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入するステップと、前記水産系残渣物を粉砕するステップと、前記粉砕された前記水産系残渣物を、光合成細菌を含む消臭液に入れて攪拌するステップと、これらから生成された混合物から固液分離するステップと、固液分離された液体を沈殿部分と上澄液に分けるステップと、前記沈澱部分から液体を絞り、絞られた部分を生成するステップと、前記絞られた部分を細分化して飼料とするステップとを備えた水産系残渣物処理装置。
【請求項10】
水産系残渣物に光合成細菌を含む消臭液を注入するステップと、前記水産系残渣物を粉砕するステップと、前記粉砕された前記水産系残渣物を、光合成細菌を含む消臭液に入れて攪拌するステップと、これらから生成された混合物から固液分離するステップと、固液分離された液体を抽出し、浄化処理するステップと、浄化処理した前記液体を液体肥料とするステップとを備えた水産系残渣物処理方法。
【請求項11】
前記消臭液は耐アルカリ性光合成細菌(Rhodopseudomonas)、耐アルカリ性ラン色細菌(Synechococcus)を含み、より具体的には、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレン、リオコピンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)A株、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)B株、耐アルカリ性でクロロフィルa、およびβカロチンを有すラン色細菌(Synechococcus)C株から選ばれた少なくとも一つを含む微生物群を含む液である請求項7〜10に記載の水産系残渣物処理方法。
【請求項12】
前記水産系残渣物が、いかゴロ、たこゴロ、魚の内蔵などの魚介類の内蔵物である請求項7〜11に記載の水産系残渣物処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−168250(P2008−168250A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5349(P2007−5349)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(301037626)
【出願人】(301046499)
【出願人】(506231445)
【Fターム(参考)】