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水疱性口内炎ウイルスの相乗的弱毒化、そのベクター及びその免疫原性組成物
説明

水疱性口内炎ウイルスの相乗的弱毒化、そのベクター及びその免疫原性組成物

【課題】水疱性口内炎ウイルス(VSV)の病原性を相乗的に弱毒化させた哺乳動物におけるVSVベクターを提供する。
【解決手段】温度感受性突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異および遺伝子欠失突然変異からなる群より選択される少なくとも2つの異なる種類の突然変異をゲノム内に含み、かつVSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又はこれと置換された少なくとも1つの外来RNA配列を含む、遺伝子改変されたVSVベクターであって、該2つの突然変異はVSV病原性を相乗的に減衰させる、該VSVベクター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス学、微生物学、感染性疾患および免疫学に関する。より具体的には
、本発明は、異なる種類の突然変異を組み合わせることによる水疱性口内炎ウイルスの相
乗的弱毒化およびそのベクターに関する。
【背景技術】
【0002】
ラブドウイルス科に分類される水疱性口内炎ウイルス(VSV)は、非分節型、マイナス鎖
、一本鎖RNAゲノムを有する。その11 kbゲノムは、該ウイルスの5個の構造タンパク質を
コードする5個の遺伝子を有する。上記構造タンパク質とは、複製されたRNAのキャプシド
形成に化学量論的量で必要とされるヌクレオキャプシドタンパク質(N);RNA依存性RNAポ
リメラーゼ(L)の補助因子であるリンタンパク質(P);マトリックスタンパク質(M)および
付着糖タンパク質(G)である(例えば、Gallione et al., 1981; Rose and Gallione, 198
1; Rose and Schubert, 1987; Schubert et al., 1985; 米国特許第6,033,886号;米国特
許第6,168,943号参照)。
【0003】
VSVは、種々の哺乳動物宿主(最も一般的にはウシ、ウマ、ブタおよび齧歯動物)に伝
播されうる、節足動物によって運ばれるウイルスである。ヒトのVSV感染は稀であり、一
般に無症候であるか、または合併症を起こすことなく3〜8日でおさまる穏やかなインフル
エンザ様の症状によって特徴づけられる。VSVはヒトの病原体とは考えられないため、ま
たヒト集団においてはVSVに対してあらかじめ免疫が存在することは稀であるため、VSV由
来ベクターの開発は免疫原性組成物および遺伝子治療等の分野で焦点となっていた。例え
ば、諸研究は、VSVが免疫原性組成物のための非常に有効なベクターとして役立ち、イン
フルエンザウイルス赤血球凝集素(Roberts et al., 1999)、麻疹ウイルスHタンパク質(Sc
hlereth et al., 2000)ならびにHIV-1 envおよびgagタンパク質(Rose et al., 2001)を発
現することを立証した。VSVを魅力的なベクターとする他の特徴としては、(a)細胞培養物
中でたくましく複製する能力;(b)宿主細胞DNAに組み込まれることも、遺伝子組換えを受
けることも出来ないこと;(c)複数の血清型が存在し、プライム-ブースト(prime-boost)
免疫感作戦略の可能性を許すこと;(d)興味のある外来遺伝子をVSVゲノムに挿入し、ウイ
ルス転写酵素によって豊富に発現させることが可能であること;および(e)ウイルスゲノ
ムのcDNAコピーからの感染性ウイルスのレスキューのための高度に特化された系の開発(
米国特許第6,033,886号;米国特許第6,168,943号)が含まれる。
【0004】
自然感染の間にVSVが神経学的に関与するという証拠は殆どないが、野生型ウイルス、
マウス脳で継代した野生型ウイルス、または細胞培養物に適合させた野生型ウイルスを脳
内接種(齧歯動物の場合は鼻内接種)された動物(例:霊長類、齧歯動物、家畜)は、疾
患の臨床兆候を発症させる場合があり、そして通常は接種後2-8日で死亡する。これらの
観察、および飛びぬけた安全特性を有する、ヒトに用いるための免疫原性組成物のベクタ
ーを作製する必要があるために、開発中のVSVベクターは厳重な、霊長類および小動物神
経毒性モデルを用いて試験される。これらの試験は、ヒトの臨床試験へ進むことを考慮す
る前に、弱毒化VSVベクターにおけるあらゆる残留毒性を検出するように設計されている

【0005】
原型VSVベクターの弱毒化は、in vitroにおける連続継代の間のウイルスゲノム全体に
わたる多数のヌクレオチド置換の蓄積、ならびにゲノムcDNAの合成および組立てによって
もたらされた。これらの突然変異は多面的な効果を有し、当該ウイルスをそれが由来する
ラボに適合させたウイルスよりも、マウスにおいて低病原性とした(例えば、Roberts et
al., 1998参照)。ウイルスGタンパク質の細胞質尾部領域を切断することにより、さら
に弱毒化された原型VSVベクターもまた開発され、感染細胞の原形質膜からの出芽に欠陥
を有するVSV突然変異体をもたらした(Schnell et al., 1998)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在知られているVSVベクター(推定上弱毒化されていようと、いるまいと)は、小動
物および非ヒト霊長類神経毒性モデルを用いて試験すると、許容できないレベルの残留毒
性を有していた。免疫原性組成物用ベクター、遺伝子治療ベクター、等として使用するた
めのVSVベクターの開発は、動物神経毒性モデルにおいて病原性が最小または検出不能レ
ベルであるVSVベクターを必要とする。したがって、現在、ウイルスベクターの技術分野
では、哺乳動物において大幅に減少させた(または消失させた)病原性を有する、遺伝子
改変された、弱毒化VSV突然変異体を同定する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、概括的には、水疱性口内炎ウイルス(VSV)の相乗的弱毒化に関する。より具
体的には、本発明は、VSVベクターの哺乳動物における病原性を相乗的に減衰させる、組
み合わせた突然変異の種類の同定及びその免疫原性組成物に関する。
【0008】
したがって、特定の実施形態においては、本発明は、少なくとも2つの異なる種類の突
然変異をゲノム内に含む遺伝子改変されたVSVであって、該2つの突然変異はVSV病原性を
相乗的に減衰させる、該VSVに関する。1つの特定の実施形態において、VSV病原性はさら
に神経毒性と規定される。別の実施形態において、突然変異の種類は、温度感受性(ts)突
然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変異、非細胞変性M遺伝
子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異
および遺伝子欠失突然変異である。
【0009】
1つの特定の実施形態において、該2つのVSV突然変異は、切断型G遺伝子突然変異(以下
、「G(ct)」と記載する)およびN遺伝子シャフリング突然変異(すなわち、VSVの遺伝子
の順序において、N遺伝子がその野生型における3'プロモーター近位の第1の位置からより
遠位に移動させられること)である。別の実施形態においては、切断型G遺伝子によって
コードされるVSV Gタンパク質は、カルボキシ末端アミノ酸の最後の20個を欠失している
(以下、「G(ct-9)」と記載する)。さらに別の実施形態においては、切断型G遺伝子によ
ってコードされるVSV Gタンパク質は、カルボキシ末端アミノ酸の最後の28個を欠失して
いる(以下、「G(ct-1)」と記載する)。さらに別の実施形態においては、VSV N遺伝子は
、野生型VSVゲノムの3'-NPMGL-5'と比較して3'-PNMGL-5'または3'-PMNGL-5'にシャフリン
グされており、ここでNはヌクレオキャプシドタンパク質をコードする遺伝子であり、Pは
リンタンパク質をコードする遺伝子であり、Mはマトリックスタンパク質をコードする遺
伝子であり、Gは付着糖タンパク質をコードする遺伝子であり、そしてLはRNA依存性RNAポ
リメラーゼタンパク質をコードする遺伝子である。特定の実施形態においては、VSVは、
突然変異させたゲノム3'-PNMG(ct-1)L-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-5'ま
たは3'-PMNG(ct-9)L-5'を含み、ここでNはヌクレオキャプシドタンパク質をコードする遺
伝子であり、Pはリンタンパク質をコードする遺伝子であり、Mはマトリックスタンパク質
をコードする遺伝子であり、G(ct-1)は1個のアミノ酸からなる細胞質尾部領域を有する付
着糖タンパク質をコードする遺伝子であり、G(ct-9)は9個のアミノ酸からなる細胞質尾部
領域を有する付着糖タンパク質をコードする遺伝子であり、そしてLはRNA依存性RNAポリ
メラーゼタンパク質をコードする遺伝子である。1つの特定の実施形態において、突然変
異させたVSVゲノムは3'-PMNG(ct-1)L-5'である。別の特定の実施形態において、突然変異
させたVSVゲノムは3'-PNMG(ct-1)L-5'である。別の実施形態において、VSVはゲノム内に
第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異はts突然変異、点突然変異、アンビセン
スRNA突然変異、Gステム突然変異、G遺伝子挿入突然変異、遺伝子欠失突然変異または非
細胞変性M遺伝子突然変異である。
【0010】
別の実施形態においては、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された改変された
VSVは、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された野生型VSVよりも100倍大きいLD5
0を有する。特定の別の実施形態においては、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与
された該VSVは、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された野生型VSVよりも1000倍
大きいLD50を有する。さらに別の実施形態においては、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭
蓋内投与された該VSVは、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された野生型VSVより
も10,000倍大きいLD50を有する。さらに別の実施形態においては、4週齢雌Swiss-Webster
マウスに頭蓋内投与された該VSVは、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された野
生型VSVよりも100,000倍大きいLD50を有する。
【0011】
本発明の別の実施形態においては、該2つのVSV突然変異は、切断型G遺伝子突然変異お
よび非細胞変性M遺伝子突然変異である。特定の実施形態において、該切断型G遺伝子によ
ってコードされるGタンパク質は1個のアミノ酸からなる細胞質尾部ドメイン(G(ct-1))ま
たは9個のアミノ酸からなる細胞質尾部ドメイン(G(ct-9))を有する。別の実施形態におい
て、M遺伝子非細胞変性突然変異(以下、「M(ncp)」と記載)は、Mタンパク質の第33位に
おけるメチオニンからアラニンへの突然変異(M33A)および第51位におけるメチオニンから
アラニンへの突然変異(M51A)である。1つの特定の実施形態において、VSVは突然変異させ
たゲノム3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'または3'-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'を含む。別の実施形態に
おいて、VSVはゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異はts突然変異、
アンビセンスRNA突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、遺伝子欠失突然変異、遺伝子
挿入突然変異、G遺伝子挿入突然変異、Gステム突然変異または点突然変異である。
【0012】
セクションA.3に後述するように、VSVのG、M、N、PまたはL遺伝子のうち任意のもののt
s突然変異は、本発明の独立した「突然変異の種類」と規定される。したがって、本発明
の特定の実施形態においては、該2つのVSV突然変異はts N遺伝子突然変異(以下、「N(ts
)」と記載)およびts L遺伝子突然変異(以下、「L(ts)」と記載)である。1つの特定の
実施形態において、VSVは突然変異させたゲノム3'-N(ts)PMGL(ts)-5'を含む。別の特定の
実施形態において、VSVはゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異は点
突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異
、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝
子欠失突然変異である。
【0013】
特定の実施形態において、該2つのVSV突然変異はGステム突然変異(以下、「G(stem)
と記載)および遺伝子シャフリング突然変異である。別の実施形態において、VSVはゲノ
ム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異は点突然変異、ts突然変異、遺伝
子シャフリング突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断
型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異である。
【0014】
別の実施形態において、本発明は、少なくとも2つの異なる種類の突然変異をゲノム内
に含み、かつVSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又はこれと置換された、独立
した転写単位としての少なくとも1つの外来RNA配列を含む、遺伝子改変されたVSVベクタ
ーに関するものであり、ここで該2つの突然変異はVSV病原性を相乗的に減衰させるもので
ある。以下に定義するように、「外来RNA」配列とは、野生型VSVのゲノムにとって内因性
ではない任意のポリヌクレオチド配列をいう。1つの特定の実施形態において、ベクター
病原性はさらに神経毒性と規定される。特定の他の実施形態においては、外来RNAはオー
プン・リーディング・フレーム(ORF)と規定される。特定の他の実施形態においては、突
然変異の種類は、ts突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然
変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異
、G遺伝子挿入突然変異および遺伝子欠失突然変異からなる群より選択される。
【0015】
1つの特定の実施形態において、該2つのVSVベクター突然変異は切断型G遺伝子突然変
異およびN遺伝子シャフリング突然変異である。別の実施形態において、該切断型G遺伝子
によってコードされるGタンパク質は、カルボキシ末端アミノ酸の最後の20個またはカル
ボキシ末端アミノ酸の最後の28個を欠失している。他の特定の実施形態において、VSVベ
クターのN遺伝子は、野生型VSVゲノムの3'-NPMGL-5'と比較して3'-PNMGL-5'または3'-PMN
GL-5'にシャフリングされている。1つの特定の実施形態において、VSVベクターは、突然
変異させたゲノム3'-PNMG(ct-1)L-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-5'または
3'-PMNG(ct-9)L-5'を含む。1つの特定の実施形態において、突然変異させたベクターゲノ
ムは3'-PMNG(ct-1)L-5'である。別の実施形態において、突然変異させたベクターゲノム
は3'-PNMG(ct-1)L-5'である。
【0016】
さらに別の実施形態において、VSVベクターはゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに
含み、該突然変異はts突然変異、点突然変異、アンビセンスRNA突然変異、Gステム突然変
異、G遺伝子挿入突然変異、遺伝子欠失突然変異または非細胞変性M遺伝子突然変異である
。特定の他の実施形態において、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された該VSV
は、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された野生型VSVよりも100倍大きいLD50
有する。さらに別の実施形態おいて、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された該
改変されたVSVは、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された野生型VSVよりも1000
倍大きいLD50を有する。さらに別の実施形態おいて、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋
内投与された該改変されたVSVは、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された野生
型VSVよりも10,000倍大きいLD50を有する。さらに別の実施形態おいて、4週齢雌Swiss-We
bsterマウスに頭蓋内投与された該改変されたVSVは、4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋
内投与された野生型VSVよりも100,000倍大きいLD50を有する。
【0017】
特定の別の実施形態において、VSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又はこれ
と置換された外来RNAは、HIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、H
SV遺伝子、CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝
子、ムンプスウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポ
リオウイルス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス
遺伝子、C型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、
アルファウイルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウ
イルス遺伝子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝
子、メタニューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌(Vibrio cholerae)
遺伝子、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)遺伝子、化膿連鎖球菌(Streptococcus
pyogenes)遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)遺伝
子、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)遺伝子、淋菌(Neisseria gonorrheae)遺伝子、ジ
フテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)遺伝子、破傷風菌(Clostridium tetani)遺伝子
、百日咳菌(Bordetella pertussis)遺伝子、ピロリ菌(Helicobacter pylori)遺伝子、
ヘモフィルス菌(Haemophilus)遺伝子、クラミジア菌(Chlamydia)遺伝子、大腸菌(Escheri
chia coli)遺伝子、サイトカイン遺伝子、Tヘルパーエピトープ、CTLエピトープ、アジュ
バント遺伝子および補助因子遺伝子からなる群より選択される。1つの特定の実施形態に
おいて、外来RNAは、gag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revおよびvpuからなる群より
選択されるHIV遺伝子である。1つの特定の実施形態において、該HIV遺伝子はgagであり、
ここでgag遺伝子はVSVゲノムの位置1または位置5に挿入される。特定の実施形態におい
て、突然変異させたVSVベクターのゲノムは、3'-gag1-PNMG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PNMG(ct
-9)L-5'、 3'-gag1-PMNG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PMNG(ct-9)L-5'、 3'-PNMG(ct-1)L-gag5-5
'、 3'-PNMG(ct-9)L-gag5-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-gag5-5'または3'- PMNG(ct-9)L-gag5-5'
である。
【0018】
別の実施形態において、該外来RNAは、腫瘍(例:悪性腫瘍)に対する防御免疫応答を
誘導するために、腫瘍特異性抗原または腫瘍随伴抗原を発現する。このような腫瘍特異性
または腫瘍随伴抗原としては、KS 1/4汎癌抗原、卵巣癌抗原(CA125)、前立腺酸性フォス
フェート、前立腺特異性抗原、黒色腫随伴抗原p97、黒色腫抗原gp75、高分子量黒色腫抗
原および前立腺特異性膜抗原が含まれるが、それらだけに限定されない。
【0019】
特定の他の実施形態において、該2つのVSVベクター突然変異は、G(ct)突然変異およびM
(ncp)突然変異である。特定の実施形態において、該切断型G遺伝子によってコードされる
Gタンパク質は、1個のアミノ酸からなる細胞質尾部ドメイン(G(ct-1))又は9個のアミノ酸
からなる細胞質尾部ドメイン(G(ct-9))を有する。さらに別の実施形態において、M(ncp)
突然変異は、Mタンパク質の第33位におけるメチオニンからアラニンへの突然変異(M33A)
および第51位におけるメチオニンからアラニンへの突然変異(M51A)である。1つの特定の
実施形態において、突然変異させたゲノムは3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'または3'-NPM(ncp)G
(ct-9)L-5'である。別の実施形態において、該ベクターはゲノム内に第3の種類の突然変
異をさらに含み、該突然変異はts突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、
Gステム突然変異、アンビセンスRNA突然変異、G遺伝子挿入突然変異、または遺伝子欠失
突然変異である。特定の実施形態において、該VSVベクターは、gag、env、pol、vif、nef
、tat、vpr、revおよびvpuからなる群より選択されるHIV遺伝子を含む。1つの特定の実施
形態において、該HIV遺伝子はgagであり、突然変異させたゲノムは3'-gag1-NPM(ncp)G(ct
-1)L-5'、3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'、3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-gag5-5'または3'-NPM(nc
p)G(ct-9)L-gag5-5'である。
【0020】
さらに別の実施形態においては、該2つのVSVベクター突然変異は、N(ts)遺伝子突然変
異およびL(ts)遺伝子突然変異である。1つの特定の実施形態において、該ベクターは突然
変異させたゲノム3'-N(ts)PMGL(ts)-5'を含む。別の実施形態において、該ベクターはゲ
ノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異は点突然変異、遺伝子シャフリ
ング突然変異、Gステム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変
異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異である。特
定の実施形態において、該VSVベクターは、gag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revお
よびvpuからなる群より選択されるHIV遺伝子を含む。1つの特定の実施形態において、該H
IV遺伝子はgagであり、突然変異させたゲノムが3'-gag1-N(ts)PMGL(ts)-5'または3'-N(ts
)PMGL(ts)-gag5-5'である。
【0021】
セクションA.1に後述するように、外来核酸配列(例:HIV gag)をVSVゲノムのN、P、M
、GまたはL遺伝子のうち任意のものの3'側に挿入することは、効果的に「遺伝子シャフリ
ング突然変異」をもたらす。したがって、特定の実施形態において、該2つのVSVベクター
突然変異はG(stem)突然変異および遺伝子シャフリング突然変異である。1つの実施形態に
おいて、突然変異させたベクターゲノムは3'-gag1-NPMG(stem)L-5'である。別の実施形態
において、VSVベクターはゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異は点
突然変異、ts突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、ア
ンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠
失突然変異である。
【0022】
別の実施形態において、本発明は、少なくとも2つの異なる種類の突然変異をゲノム内
に含み、かつVSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又はこれと置換された、独立
した転写単位としての少なくとも1つの外来RNA配列を含む、遺伝子改変されたVSVベクタ
ーの免疫原性用量(immunogenic dose)を含む免疫原性組成物であって、該2つの突然変異
はVSV病原性を相乗的に減衰させる、該免疫原性組成物に関する。別の実施形態において
、突然変異の種類は、ts突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム
突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然
変異、G遺伝子挿入突然変異および遺伝子欠失突然変異からなる群より選択される。
【0023】
特定の実施形態において、該2つの突然変異は、切断型G遺伝子突然変異およびN遺伝子
シャフリング突然変異である。特定の実施形態において、該切断型G遺伝子によってコー
ドされるGタンパク質は、1個のアミノ酸からなる細胞質尾部ドメイン(G(ct-1))又は9個の
アミノ酸からなる細胞質尾部ドメイン(G(ct-9))を有する。さらに別の実施形態において
、N遺伝子は、野生型VSVゲノムの3'-NPMGL-5'と比較して3'-PNMGL-5'または3'-PMNGL-5'
にシャフリングされている。特定の実施形態において、免疫原性組成物のVSVベクターは
、突然変異させたゲノム3'-PNMG(ct-1)L-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-5'
または 3'-PMNG(ct-9)L-5'を含む。1つの特定の実施形態において、免疫原性組成物にお
ける突然変異させたベクターゲノムは3'-PMNG(ct-1)L-5'である。別の実施形態において
、突然変異させたベクターゲノムは3'-PNMG(ct-1)L-5'である。別の実施形態において、
免疫原性組成物のVSVベクターは、ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然
変異はts突然変異、アンビセンスRNA突然変異、点突然変異、Gステム突然変異、G遺伝子
挿入突然変異、遺伝子欠失突然変異または非細胞変性M遺伝子突然変異である。
【0024】
特定の別の実施形態において、免疫原性組成物における遺伝子改変されたVSVベクター
に挿入された外来RNAは、HIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、H
SV遺伝子、CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝
子、ムンプスウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポ
リオウイルス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス
遺伝子、C型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、
アルファウイルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウ
イルス遺伝子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝
子、メタニューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌遺伝子、肺炎連鎖球
菌遺伝子、化膿連鎖球菌遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ遺伝子、髄膜炎菌遺
伝子、淋菌遺伝子、ジフテリア菌遺伝子、破傷風菌遺伝子、百日咳菌遺伝子、ピロリ菌遺
伝子、ヘモフィルス菌遺伝子、クラミジア菌遺伝子、大腸菌遺伝子、サイトカイン遺伝子
、Tヘルパーエピトープ、CTLエピトープ、アジュバント遺伝子および補助因子遺伝子から
なる群より選択される。1つの特定の実施形態において、外来RNAは、gag、env、pol、vif
、nef、tat、vpr、revおよびvpuからなる群より選択されるHIVタンパク質をコードする。
1つの特定の実施形態において、該HIV遺伝子はgagであり、ここでgag遺伝子はVSVゲノム
の位置1または位置5に挿入される。別の実施形態において、免疫原性組成物のVSVベクタ
ーは、突然変異させたゲノム3'-gag1-PNMG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-ga
g1-PMNG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PMNG(ct-9)L-5'、 3'-PNMG(ct-1)L-gag5-5'、 3'-PNMG(ct-
9)L-gag5-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-gag5-5'または3'- PMNG(ct-9)L-gag5-5'を含む。
【0025】
特定の別の実施形態において、免疫原性組成物のVSVベクターは、G(ct)突然変異および
M(ncp)突然変異を含む。別の実施形態において、該切断型G遺伝子によってコードされるG
タンパク質は、1個のアミノ酸からなる細胞質尾部ドメイン(G(ct-1))又は9個のアミノ酸
からなる細胞質尾部ドメイン(G(ct-9))を有する。別の実施形態において、M(ncp)突然変
異は、Mタンパク質の第33位におけるメチオニンからアラニンへの突然変異(M33A)および
第51位におけるメチオニンからアラニンへの突然変異(M51A)である。1つの特定の実施形
態において、免疫原性組成物は、突然変異させたゲノム3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'または3'
-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'である。さらに別の実施形態において、免疫原性組成物のVSVベク
ターはゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異はts突然変異、点突然
変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変異、アンビセンスRNA突然変異、G遺
伝子挿入突然変異、または遺伝子欠失突然変異である。さらに別の実施形態において、免
疫原性組成物の遺伝子改変されたVSVベクターに挿入された外来RNAは、HIV遺伝子、HTLV
遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、HSV遺伝子、CMV遺伝子、エプスタイン・バ
ーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝子、ムンプスウイルス遺伝子、麻疹ウイル
ス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポリオウイルス遺伝子、ライノウイルス遺伝
子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス遺伝子、C型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウ
ォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、アルファウイルス遺伝子、風疹ウイルス遺
伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウイルス遺伝子、エボラウイルス遺伝子、乳
頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝子、メタニューモウイルス遺伝子、コロナ
ウイルス遺伝子、コレラ菌遺伝子、肺炎連鎖球菌遺伝子、化膿連鎖球菌遺伝子、ピロリ菌
遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ遺伝子、髄膜炎菌遺伝子、淋菌遺伝子、ジフ
テリア菌遺伝子、破傷風菌遺伝子、百日咳菌遺伝子、ヘモフィルス菌遺伝子、クラミジア
菌遺伝子、大腸菌遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子、Tヘルパーエピトープをコ
ードする遺伝子、CTLエピトープをコードする遺伝子、アジュバントをコードする遺伝子
および補助因子をコードする遺伝子からなる群より選択される。1つの特定の実施形態に
おいて、HIV遺伝子はgag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revおよびvpuからなる群より
選択される。1つの特定の実施形態において、該HIV遺伝子はgagであり、突然変異させた
ゲノムは3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'、3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'、3'-NPM(ncp)G(c
t-1)L-gag5-5'または3'-NPM(ncp)G(ct-9)L-gag5-5'である。
【0026】
特定の他の実施形態において、該免疫原性組成物はN(ts)遺伝子突然変異およびL(ts)
伝子突然変異を含む。1つの特定の実施形態において、該免疫原性組成物は突然変異させ
たVSVゲノム3'-N(ts)PMGL(ts)-5'を含む。別の実施形態において、該免疫原性組成物はゲ
ノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異は点突然変異、遺伝子シャフリ
ング突然変異、Gステム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変
異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異である。さ
らに別の実施形態において、免疫原性組成物の遺伝子改変されたVSVベクターに挿入され
た外来RNAは、HIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、HSV遺伝子、
CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝子、ムンプ
スウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポリオウイル
ス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス遺伝子、C
型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、アルファウ
イルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウイルス遺伝
子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝子、メタニ
ューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌遺伝子、肺炎連鎖球菌遺伝子、
化膿連鎖球菌遺伝子、ピロリ菌遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ遺伝子、髄膜
炎菌遺伝子、淋菌遺伝子、ジフテリア菌遺伝子、破傷風菌遺伝子、百日咳菌遺伝子、ヘモ
フィルス菌遺伝子、クラミジア菌遺伝子、大腸菌遺伝子、サイトカインをコードする遺伝
子、Tヘルパーエピトープをコードする遺伝子、CTLエピトープをコードする遺伝子、アジ
ュバントをコードする遺伝子および補助因子をコードする遺伝子からなる群より選択され
る。特定の実施形態において、HIV遺伝子はgag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revお
よびvpuからなる群より選択される。1つの特定の実施形態において、該HIV遺伝子はgagで
あり、突然変異させたゲノムは3'-gag1-N(ts)PMGL(ts)-5'または3'-N(ts)PMGL(ts)- gag5
-5'ある。
【0027】
特定の他の実施形態において、該免疫原性組成物は、G(stem)突然変異および遺伝子シ
ャフリング突然変異を含む。特定の実施形態において、該免疫原性組成物は突然変異させ
たゲノム3'-gag1-NPMG(stem)L-5'を含む。別の実施形態においては、該免疫原性組成物は
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異は点突然変異、ts突然変異、
遺伝子シャフリング突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、
切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異である。
【0028】
さらに別の実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、静脈内、皮内、皮下、筋肉
内、腹腔内、経口、直腸、鼻内、頬、膣および生体外(ex vivo)からなる群より選択さ
れる任意の通常の経路によって投与される。
【0029】
別の実施形態において、本発明は、HIV感染に対して哺乳動物被験者を免疫感作する方
法であって、遺伝子改変されたVSVベクターの免疫原性用量を被験者に投与することを含
んでなり、該ベクターは少なくとも2つの異なる種類の突然変異をゲノム内に含み、かつV
SVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又はこれと置換された、独立した転写単位と
しての少なくとも1つのHIV RNA配列を含み、ここで該2つの突然変異はVSV病原性を相乗的
に減衰させ、そして該HIV RNAはgag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revおよびvpuから
なる群より選択される抗原をコードする、該方法に関する。特定の実施形態において、該
VSVベクターは、3'-gag1-PNMG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-gag1-PMNG(ct-
1)L-5'、3'-gag1-PMNG(ct-9)L-5'、 3'-PNMG(ct-1)L-gag5-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-gag5-5'
、 3'-PMNG(ct-1)L-gag5-5'、3'- PMNG(ct-9)L-gag5-5'、 3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'
、3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'、 3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-gag5-5'、3'-NPM(ncp)G(ct-9)L
-gag5-5'、 3'-gag1-N(ts)PMGL(ts)-5'または3'-N(ts)PMGL(ts)-gag5-5'である。
【0030】
特定の他の実施形態において、本発明は、哺乳動物宿主を細菌感染に対して免疫感作す
る方法であって、遺伝子改変されたVSVベクターの免疫原性用量を投与することを含んで
なり、該ベクターは(a)ts突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gス
テム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子
突然変異、G遺伝子挿入突然変異および遺伝子欠失突然変異からなる群より選択される少
なくとも2つの異なる種類の突然変異をゲノム内に含み、ここで該2つの突然変異はVSV病
原性を相乗的に減衰させるものであり;かつ(b)VSVゲノムの複製に非必須の領域に挿
入された又はこれと置換された少なくとも1つの外来RNA配列を含み、ここで該RNAはコレ
ラ菌タンパク質、肺炎連鎖球菌タンパク質、化膿連鎖球菌タンパク質、ストレプトコッカ
ス・アガラクチエタンパク質、ピロリ菌タンパク質、髄膜炎菌タンパク質、淋菌タンパク
質、ジフテリア菌タンパク質、破傷風菌タンパク質、百日咳菌タンパク質、ヘモフィルス
菌タンパク質、クラミジア菌タンパク質および大腸菌タンパク質からなる群より選択され
る細菌タンパク質をコードするものである;該方法に関する。
【0031】
1つの特定の実施形態において、該2つの突然変異はG(ct)突然変異およびN遺伝子シャフ
リング突然変異である。特定の実施形態において、該切断型G遺伝子によってコードされ
るGタンパク質は、1個のアミノ酸からなる細胞質尾部ドメイン(G(ct-1))又は9個のアミノ
酸からなる細胞質尾部ドメイン(G(ct-9))を有する。特定の別の実施形態において、N遺伝
子は、野生型VSVゲノムの3'-NPMGL-5'と比較して3'-PNMGL-5'または3'-PMNGL-5'にシャフ
リングされている。他の実施形態において、突然変異させたVSVゲノムは、3'-PNMG(ct-1)
L-5'、3'-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-5'または 3'-PMNG(ct-9)L-5'を含む。1つの
特定の実施形態において、突然変異させたゲノムは3'-PMNG(ct-1)L-5'または3'-PNMG(ct-
1)L-5'である。
【0032】
他の実施形態において、該VSVはゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然
変異はts突然変異、点突然変異、アンビセンスRNA突然変異、遺伝子欠失突然変異、Gステ
ム突然変異、G遺伝子挿入突然変異、遺伝子挿入突然変異または非細胞変性M遺伝子突然変
異である。
【0033】
別の実施形態において、本発明は、哺乳動物宿主をウイルス感染に対して免疫感作する
方法であって、遺伝子改変されたVSVベクターの免疫原性用量を投与することを含んでな
り、該ベクターは(a)ts突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステ
ム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突
然変異、G遺伝子挿入突然変異および遺伝子欠失突然変異からなる群より選択される少な
くとも2つの異なる種類の突然変異をゲノム内に含み、ここで該2つの突然変異はVSV病原
性を相乗的に減衰させるものであり;かつ(b)VSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入
された又はこれと置換された少なくとも1つの外来RNA配列を含み、ここで該RNAはHIVタン
パク質、HTLVタンパク質、SIVタンパク質、RSVタンパク質、PIVタンパク質、HSVタンパク
質、CMVタンパク質、エプスタイン・バーウイルスタンパク質、水痘帯状疱疹ウイルスタ
ンパク質、ムンプスウイルスタンパク質、麻疹ウイルスタンパク質、インフルエンザウイ
ルスタンパク質、ポリオウイルスタンパク質、ライノウイルスタンパク質、A型肝炎ウイ
ルスタンパク質、B型肝炎ウイルスタンパク質、C型肝炎ウイルスタンパク質、ノーウォー
クウイルスタンパク質、トガウイルスタンパク質、アルファウイルスタンパク質、風疹ウ
イルスタンパク質、狂犬病ウイルスタンパク質、マールブルグウイルスタンパク質、エボ
ラウイルスタンパク質、乳頭腫ウイルスタンパク質、ポリオーマウイルスタンパク質、メ
タニューモウイルスタンパク質およびコロナウイルスタンパク質からなる群より選択され
るウイルスタンパク質をコードするものである;該方法に関する。1つの特定の実施形態
において、該RNAは、gag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revまたはvpuからなる群より
選択されるHIV遺伝子である。
【0034】
特定の実施形態において、該2つの突然変異はG(ct)突然変異およびN遺伝子シャフリン
グ突然変異である。1つの特定の実施形態において、突然変異させたVSVゲノムは、3'-PNM
G(ct-1)L-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-5'または3'-PMNG(ct-9)L-5'である
。別の実施形態においては、該HIV遺伝子はgagであり、ここでgag遺伝子はVSVゲノムの位
置1または位置5に挿入され、突然変異させたゲノムは、3'-gag1-PNMG(ct-1)L-5'、3'-ga
g1-PNMG(ct-9)L-5'、3'-gag1-PMNG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PMNG(ct-9)L-5'、 3'-PNMG(ct-1
)L-gag5-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-gag5-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-gag5-5'または3'- PMNG(ct-9)
L-gag5-5'である。別の実施形態において、VSVはゲノム内に第3の種類の突然変異をさら
に含み、該突然変異はts突然変異、点突然変異、アンビセンスRNA突然変異、遺伝子欠失
突然変異、Gステム突然変異、G遺伝子挿入突然変異、遺伝子挿入突然変異または非細胞変
性M遺伝子突然変異である。
【0035】
哺乳動物宿主をウイルス感染に対して免疫感作する上記方法の別の実施形態においては
、該2つのVSV突然変異は、G(ct)突然変異およびM(ncp)突然変異である。1つの特定の実施
形態において、突然変異させたVSVゲノムは、3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'または3'-NPM(ncp)
G(ct-9)L-5'である。別の実施形態においては、突然変異させたVSVゲノムは、3'-gag1-NP
M(ncp)G(ct-1)L-5'、3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'、3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-gag5-5'また
は3'-NPM(ncp)G(ct-9)L-gag5-5'である。別の実施形態においては、VSVゲノムはゲノム内
に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異はts突然変異、点突然変異、遺伝子シ
ャフリング突然変異、Gステム突然変異、アンビセンスRNA突然変異、G遺伝子挿入突然変
異、または遺伝子欠失突然変異である。
【0036】
哺乳動物宿主をウイルス感染に対して免疫感作する上記方法の別の実施形態においては
、該2つのVSV突然変異は、N(ts)遺伝子突然変異およびL(ts)遺伝子突然変異である。1つ
の特定の実施形態において、突然変異させたVSVゲノムは、3'-N(ts)PMGL(ts)-5'、 3'-ga
g1-N(ts)PMGL(ts)-5'または3'-N(ts)PMGL(ts)-gag5-5'である。別の実施形態において、V
SVゲノムはゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異は点突然変異、遺
伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセン
スRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変
異である。
【0037】
哺乳動物宿主をウイルス感染に対して免疫感作する上記方法の別の実施形態においては
、該2つのVSV突然変異は、G(stem)突然変異および遺伝子シャフリング突然変異である。1
つの実施形態において、突然変異させたゲノムは3'-gag1-NPMG(stem)L-5'である。別の実
施形態において、VSVゲノムはゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異
は点突然変異、ts突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異
、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝
子欠失突然変異である。
【0038】
本発明の他の特徴および有利な点は、以下の詳細な説明、好ましい実施形態、および請
求の範囲より明確であろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に説明する本発明は、哺乳動物において大幅に減衰させた病原性、特に動物神経毒
性モデルにおいて明らかにされる減衰させた神経病原性を有する水疱性口内炎ウイルス(V
SV)ベクターの当技術分野における必要性に取り組むものである。前述のように、VSVは、
それを免疫原性組成物および/または遺伝子治療のための魅力的なベクターとする多くの
特徴を備えている。例えば、ヒトのVSV感染は稀であり、そして無症候であるか、または
合併症を起こすことなく3〜8日でおさまる穏やかなインフルエンザ様の症状によって特徴
づけられる。それゆえ、VSVはヒトの病原体とは考えられない。VSVを魅力的なベクターと
する他の特徴としては、(a)細胞培養物中でたくましく複製する能力;(b)宿主細胞DNAに
組み込まれることも、遺伝子組換えを受けることも出来ないこと;(c)複数の血清型が存
在し、プライム-ブースト(prime-boost)免疫感作戦略の可能性を許すこと;(d)興味のあ
る外来遺伝子をVSVゲノムに挿入し、ウイルス転写酵素によって豊富に発現させることが
可能であること;(e)ウイルスゲノムのcDNAコピーからの感染性ウイルスのレスキューの
ための高度に特化された系の開発(米国特許第6,033,886号;米国特許第6,168,943号);
および(f)ヒト集団においてVSVに対する免疫があらかじめ存在することは稀であること、
が含まれる。
【0040】
当技術分野において記述された初期の種類の弱毒化VSVベクターは、温度感受性(ts)突
然変異体と呼ばれ、このts突然変異体は制限温度ではウイルス粒子を産生することができ
なかった。例えば、種々のVSV ts突然変異体が当技術分野で公知である(例えば、Hollow
ay et al., 1970; Pringle et al., 1971; Evans et al., 1979; Pringle et al., 1981;
Morita et al., 1987; Gopalakrishna and Lenard, 1985 参照)。さらに、別の種類の
弱毒化VSV突然変異体も当技術分野において記述されており、それらにはVSV Gタンパク質
切断型細胞質尾部(ct)突然変異 (Schnell et al., 1998)、遺伝子シャフリング(または
遺伝子順序再編成)突然変異(Wertz et al., 1998; Ball et al., 1999; Flanagan et al
., 2001; 米国特許第6,596,529号)、Gステム突然変異(Jeetendra et al., 2003; Jeetend
ra et al., 2002; Robinson and Whitt, 2000)、非細胞変性Mタンパク質突然変異(Jayaka
r et al., 2000; Jayakar and Whitt, 2002)、およびアンビセンスRNA突然変異(Finke an
d Conzelmann, 1997; Finke and Conzelmann 1999)が含まれる。しかしながら、上述のよ
うに、現在入手可能な弱毒化VSVベクターは、動物モデルを用いて試験すると残留毒性を
保持しており、そのため、ヒト臨床試験に向けて開発するベクター候補としてふさわしく
ない。
【0041】
本明細書に詳述するように、本発明は、公知の弱毒化突然変異の種類(遺伝子シャフリ
ング突然変異、Gタンパク質の挿入および切断型突然変異、ts突然変異および他の点突然
変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、Gステム突然変異、アンビセンスRNA突然変異、遺伝
子欠失突然変異、等)を2つまたはそれ以上組み合わせると、獲得される病原性弱毒化レ
ベルに相乗効果(相加効果とは対照的に)を有する、という予期せぬ驚くべき観察に関す
る。例えば、N遺伝子シャフリング突然変異体と組み合わせると、VSV Gタンパク質切断型
突然変異体は、VSV増殖(実施例2)および神経毒性(実施例3)の相乗的減衰を示すことが本
明細書において実証される。さらに、本発明の特定の実施形態は、他の種類の突然変異の
組合せに関するものであり、それらもまたVSVの弱毒化に相乗効果を有する。それらの種
類としては、ts突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異(N、P、M、Gおよび
L遺伝子シャフリングを含む)、Gステム突然変異、G遺伝子挿入突然変異、非細胞変性M遺
伝子突然変異、切断型G遺伝子突然変異(例:ct突然変異体)、アンビセンスRNA突然変異
および遺伝子欠失突然変異が含まれるが、これらだけに限定されない。
【0042】
したがって、特定の実施形態において、本発明は、少なくとも2つの異なる種類の突然
変異をゲノム内に含み、かつVSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又はこれと置
換された、独立した転写単位としての少なくとも1つの外来RNA配列を含む、遺伝子改変さ
れたVSVベクターに関するものであり、ここで該2つの突然変異はVSV病原性を相乗的に減
衰させるものである。特定の別の実施形態において、本発明は、少なくとも2つの異なる
種類の突然変異をゲノム内に含み、かつVSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又
はこれと置換された、独立した転写単位としての少なくとも1つの外来RNA配列を含む、遺
伝子改変されたVSVベクターを含む免疫原性組成物に関するものであり、ここで該2つの突
然変異はVSV病原性を相乗的に減衰させるものである。
【0043】
A.水疱性口内炎ウイルスの突然変異の種類
上述のように、本発明の遺伝子改変されたVSVベクターは、少なくとも2つの異なる種類
の突然変異をそのゲノム内に含む。以下においては、「突然変異種類」または「突然変異
の種類」という用語は相互交換可能に使用され、そして単数形で用いられる場合は、VSV
を弱毒化するための当技術分野で公知の突然変異をいうものとする。例えば、本発明の「
突然変異種類」は、以下のものを含むが、それらだけに限定されない:VSV温度感受性N遺
伝子突然変異(以下、「N(ts)」と記載)、温度感受性L遺伝子突然変異(以下、「L(ts)
」と記載)、点突然変異、Gステム突然変異(以下、「G(stem)」と記載)、非細胞変性M
遺伝子突然変異(以下、「M(ncp)」と記載)、遺伝子シャフリングまたは再編成突然変異
、切断型G遺伝子突然変異(以下、「G(ct)」と記載)、アンビセンスRNA突然変異、G遺伝
子挿入突然変異、遺伝子欠失突然変異、等。以下においては、「突然変異」は、挿入、欠
失、置換、遺伝子再編成またはシャフリング改変として当技術分野において公知の突然変
異を含むものとする。
【0044】
以下においては、「相乗的」弱毒化という用語は、相加的弱毒化よりも大きいVSV弱毒
化レベルをさすものとする。例えば、本発明によるVSVの相乗的弱毒化は、同一のVSVゲノ
ム内に少なくとも2種類の突然変異を組合せることを含み、それによって各VSV突然変異
種類単独について観察される相加的弱毒化レベルよりもはるかに大きいVSV病原性の低下
をもたらす。したがって、特定の実施形態においては、VSVの相乗的弱毒化とは、少なく
とも各突然変異種類単独について観察される相加的弱毒化レベル(すなわち、2つの突然
変異種類の合計)よりも大きいLD50と定義され、ここで弱毒化レベル(すなわち、LD50
は小動物神経毒性モデルを用いて測定される。
【0045】
非限定的例としては、下記の式(1)がVSVの「相加的弱毒化」を示すとすると:
(1)ΔaLD50 + ΔbLD50 = xLD50;
式中、ΔaLD50は第1の突然変異種類をゲノム内に有するVSVのLD50であり、ΔbLD50は第2
の突然変異種類をゲノム内に有するVSVのLD50であり、そしてxLD50はΔaLD50およびΔbLD
50の合計である。次に、少なくとも各突然変異種類単独について観察される相加的弱毒化
レベルよりも大きいLD50値を有する本発明のVSV「相乗的弱毒化」は、式(2)によって
示される:
(2)Δa,bLD50 >(ΔaLD50 + ΔbLD50);
式中、Δa,bLD50は2つの突然変異種類の組合せをゲノム内に有するVSVのLD50であり、Δa
LD50は第1の突然変異種類をゲノム内に有するVSVのLD50であり、そしてΔbLD50は第2の突
然変異種類をゲノム内に有するVSVのLD50である。したがって、特定の実施形態において
、VSV弱毒化の相乗性(すなわち、同一VSVゲノム内に2つの突然変異種類が存在する)は
、2つのVSVコンストラクト(各VSVコンストラクトはそのゲノム内に1つの突然変異種類
を有する)のLD50と比較して記述され、ここでゲノム内に2つの突然変異種類を有する該V
SVの相乗的弱毒化は、ゲノム内に1つの突然変異種類を有する2つのVSVコンストラクトの
相加的LD50よりも少なくとも大きいLD50と定義される(例えば、表7に記載のVSV LD50
参照)。
【0046】
別の特定の実施形態においては、VSV弱毒化の相乗性は、野生型VSVのLD50と比較して記
述される。したがって、1つの実施形態において、VSVの相乗的弱毒化は、少なくとも野生
型VSVのLD50より大きいLD50と定義され、ここでLD50は動物神経毒性モデルを用いて測定
される。1つの実施形態において、VSVの相乗的弱毒化は、野生型VSVのLD50より少なくと
も10倍大きいLD50と定義され、ここでLD50は動物神経毒性モデルを用いて測定される。別
の実施形態において、VSVの相乗的弱毒化は、野生型VSVのLD50より少なくとも100倍大き
いLD50と定義され、ここでLD50は動物神経毒性モデルを用いて測定される。別の実施形態
において、VSVの相乗的弱毒化は、野生型VSVのLD50より少なくとも1000倍大きいLD50と定
義され、ここでLD50は動物神経毒性モデルを用いて測定される。さらに別の実施形態にお
いて、VSVの相乗的弱毒化は、野生型VSVのLD50より少なくとも10,000倍大きいLD50と定義
され、ここでLD50は動物神経毒性モデルを用いて測定される。特定の他の実施形態におい
て、VSVの相乗的弱毒化は、野生型VSVのLD50より少なくとも100,000倍大きいLD50と定義
され、ここでLD50は動物神経毒性モデルを用いて測定される。特定のVSVベクターの50%致
死量(LD50)は、公知の試験方法および動物モデルを用いて当業者によって容易に測定さ
れる(例えば、実施例1参照)。
したがって、特定の実施形態において、本発明は、以下に記述する少なくとも2つの異
なる種類の突然変異を含む、遺伝子改変されたVSVに関する。
【0047】
1.遺伝子シャフリング突然変異
特定の実施形態において、本発明の遺伝子改変されたVSVは、そのゲノム内に遺伝子シ
ャフリング突然変異を含む。本明細書においては、「遺伝子シャフリング」、「シャフリ
ングされた遺伝子」、「シャフリングされた」、「シャフリングする」、「遺伝子再編成
」および「遺伝子転位」という用語は相互交換可能に使用されるものとし、そして野生型
VSVゲノム順序における変化(突然変異)を意味するものとする。本明細書に明示するよ
うに、野生型VSVゲノムは以下の遺伝子順序を有する:3'-NPMGL-5'。
【0048】
3'プロモーターに対するVSV遺伝子の位置が発現およびウイルス弱毒化のレベルを決定
することが当技術分野で公知である(米国特許第6,596,529号およびWertz et al., 1998
;それぞれ参照として本明細書に特に組み入れる)。VSVのG、M、N、PおよびLタンパク質
をコードするヌクレオチド配列は当技術分野において公知である(Rose and Gallione, 19
81; Gallione et al., 1981)。例えば、米国特許第6,596,529号は、Nタンパク質をコード
する遺伝子がその野生型におけるプロモーター近位の第1の位置からゲノム上の連続した
より遠い位置へ転位する(シャフリングされる)遺伝子シャフリング突然変異(それぞれ
N2、N3およびN4と呼ばれる3'-PNMGL-5'、 3'-PMNGL-5'および3'-PMGNL-5')を記述してい
る。したがって、特定の実施形態においては、遺伝子改変されたVSVは、そのゲノム内に
遺伝子シャフリング突然変異を有する。1つの特定の実施形態における1種類の突然変異に
おいて、遺伝子改変されたVSVは、N遺伝子の転位(例:3'-PNMGL-5'または 3'-PMNGL-5'
)からなる遺伝子シャフリング突然変異を含む。
【0049】
ここで、外来核酸配列(例:HIV gag)をVSVゲノムのN、P、M、GまたはL遺伝子のうち
任意のものの3'側に挿入することは、上述したように、効果的に「遺伝子シャフリング突
然変異」をもたらすことが留意されねばならない。例えば、HIV gag遺伝子をVSVゲノムの
位置1に挿入すると(例:3'-gag1-NPMGL-5')、N、P、M、GおよびL遺伝子はそれぞれの野
生型における位置からゲノム上のより遠位へ移動させられる。したがって、本発明の特定
の実施形態においては、遺伝子シャフリング突然変異は、外来核酸配列をVSVゲノムのN、
P、M、GまたはL遺伝子のうち任意のものの3'側に挿入することを含む(例:3'-gag1-NPMG
L-5'、 3'-N-gag2-PMGL-5'、 3'-NP-gag3-MGL-5'、等)。
【0050】
2.Gタンパク質挿入および切断型突然変異
他の特定の実施形態において、本発明の遺伝子改変されたVSVは突然変異させたG遺伝子
を含み、それによってコードされるGタンパク質はその細胞質ドメイン(カルボキシ末端
)(Gタンパク質の「細胞質尾部領域」とも呼ばれる)が切断されている。細胞質ドメイ
ンのカルボキシ末端を切断するG遺伝子突然変異は、VSV出芽に影響を及ぼし、そしてウイ
ルス産生を減衰させることが当技術分野において公知である(Schnell et al., 1998; Rob
erts et al., 1999)。野生型VSV Gタンパク質の細胞質ドメインは29個のアミノ酸を含む
(RVGIHLCIKLKHTKKRQIYTDIEMNRLGK-COOH;配列番号:1)。
【0051】
特定の実施形態において、本発明の切断型VSV G遺伝子は、細胞質ドメインのカルボキ
シ末端アミノ酸残基の最後の28個が欠失しているGタンパク質(配列番号:1に記載の29
個のアミノ酸からなる野生型細胞質ドメインのうちアルギニンのみを保持している)をコ
ードする。別の特定の実施形態において、本発明の切断型VSV G遺伝子は、細胞質ドメイ
ンのカルボキシ末端アミノ酸残基の最後の20個(配列番号:1に記載の29個のアミノ酸か
らなる野生型細胞質ドメインと比較して)が欠失しているGタンパク質をコードする。
【0052】
他の特定の実施形態において、本発明の切断型VSV G遺伝子は、細胞質ドメイン(細胞
質尾部領域)に1個のアミノ酸のみを含むGタンパク質をコードしており、該1個のアミノ
酸は天然に存在する任意のアミノ酸である。さらに別の実施形態において、本発明の切断
型VSV G遺伝子は、細胞質ドメイン(細胞質尾部領域)に9個のアミノ酸を含むGタンパク
質をコードしており、該9個のアミノ酸は天然に存在する任意のアミノ酸である。他の特
定の実施形態において、本発明の突然変異させたVSV遺伝子は、外来エピトープを表す挿
入を含むGタンパク質をコードする。そのような突然変異体は当技術分野において公知で
ある(例えば、Schlehuber and Rose, 2003参照)。
【0053】
本明細書においては、配列番号:1に記載の野生型配列と比較して、細胞質ドメインの
カルボキシ末端アミノ酸残基の最後の28個を欠失しているGタンパク質をコードするG遺伝
子突然変異体を「G(ct-1)」と称し、ここでG(ct-1)の細胞質ドメインはアミノ酸配列R-CO
OHを有する。本明細書においては、配列番号:1に記載の野生型配列と比較して、細胞質
ドメインのカルボキシ末端アミノ酸残基の最後の20個を欠失しているGタンパク質をコー
ドするG遺伝子突然変異体を「G(ct-9)」と称し、ここでG(ct-9)の細胞質ドメインはアミ
ノ酸配列RVGIHLCIK-COOH(配列番号:2)を有する。したがって、本発明の特定の実施形
態においては、本発明の遺伝子改変されたVSVは、突然変異させたG遺伝子を含み、それに
よってコードされるGタンパク質はG(ct-1)またはG(ct-9)である。
【0054】
3.温度感受性および他の点突然変異
本明細書において、以後、VSV「温度感受性」(ts)突然変異は、非許容温度においてVSV
増殖を制限する、VSVゲノムにおける突然変異と定義される。例えば、本発明のVSV ts突
然変異体は、許容温度(例:31℃)では正常に増殖し、高力価に達するが、その増殖また
は再生は非許容温度(例:37℃または39℃)では制限される。化学的および部位特異的突
然変異誘発法によるts突然変異体の作出は、当技術分野において周知であり(例えば、Pr
ingle, 1970; Li et al., 1988参照)、そして多数のts突然変異体が特徴付けられ、記述
されている(例えば、Flamand and Pringle, 1971; Flamand and Bishop, 1973; Printz
and Wagner, 1971; Gopalakrishna and Lenard, 1985; Pringle et al., 1981; Morita e
t al., 1987; Li et al., 1988; Rabinowitz et al., 1977; Lundh et al., 1988; Dal C
anto et al., 1976; Rabinowitz et al., 1976参照)。特定の実施形態において、本発明
の遺伝子改変されたVSVはゲノム内にts突然変異を含み、ここで該ts突然変異はG、M、N、
PまたはLタンパク質をコードする核酸配列の1つ以上の突然変異である。
【0055】
本明細書においては、VSVのG、M、N、PまたはL遺伝子の任意のもののts突然変異は、本
発明の独立した「突然変異の種類」と規定される。例えば、本発明の特定の実施形態にお
いて、少なくとも2つの異なる種類の突然変異(この2つの突然変異はVSV病原性を相乗的
に減衰させる)をゲノム内に含む遺伝子改変されたVSVは、第1の種類の突然変異として1
つ以上のN遺伝子ts突然変異(以下、「N(ts)」)を、そして第2の種類の突然変異として1
つ以上のL遺伝子ts突然変異(以下、「L(ts)」)を含む。非限定的例として、3'-N(ts)PM
GL(ts)-5'等のゲノムを含む遺伝子改変されたVSVは、2種類の突然変異(すなわち、(1) N
(ts)遺伝子突然変異および(2) L(ts)遺伝子突然変異)を含み、また3'-gag1-N(ts)PMGL(t
s)-5'等のゲノムを含む遺伝子改変されたVSVは、3種類の突然変異(すなわち、(1) N(ts)
遺伝子突然変異、(2) L(ts)遺伝子突然変異、および(3) gag1挿入、遺伝子シャフリング
突然変異)を含む。
【0056】
他の特定の実施形態において、本発明の遺伝子改変されたVSVはゲノム内に点突然変異
を含み、該点突然変異はN、P、M、GまたはLタンパク質をコードする核酸配列の1つ以上の
突然変異であり、該突然変異は寒冷順応、融合又は細胞障害性効果の低下、等の弱毒化表
現型を付与する(例えば、Fredericksen and Whitt, 1998; Ahmed and Lyles, 1997参照
)。例えば、Fredericksen and Whitt(1998)は、G遺伝子の3つの弱毒化点突然変異(例:
D137-L、E139-LまたはDE-SS)を記述しており、これらの突然変異は融合活性のpH許容限
界をシフトさせる。Ahmed and Lyles (1997)は、M遺伝子の弱毒化点突然変異(N163D)を
記述しており、このMタンパク質は宿主遺伝子発現の抑制に大きな欠陥を有し、そして野
生型Mタンパク質よりも高速に代謝回転した。したがって、特定の実施形態において、本
発明の遺伝子改変されたVSVは、1つ以上の突然変異をゲノム内に有する。
【0057】
4.非細胞変性M遺伝子突然変異
他の特定の実施形態において、本発明の遺伝子改変されたVSVは、そのM遺伝子内に非細
胞変性突然変異を含む。VSV(Indiana血清型)のM遺伝子は、229個のアミノ酸からなるM
(マトリックス)タンパク質をコードし、ここでNH2末端の最初の30個のアミノ酸はプロ
リンが豊富なPPPY (PY)モチーフを含む(Harty et al., 1999)。VSV Mタンパク質のPYモチ
ーフは、VSV Indiana (Genbankアクセッション番号:X04452)およびNew Jersey (Genbank
アクセッション番号:M14553)血清型の両方において、アミノ酸番号24〜27に位置する。J
ayakar et al.(2000)によって、PYモチーフにおける突然変異(例:APPY、AAPY、PPAY、AP
PA、AAPAおよびPPPA)は、ウイルス出芽の後期段階をブロックすることによってウイルス
収量を低下させることが示された。したがって、特定の実施形態において、本発明の遺伝
子改変されたVSVは、そのM遺伝子に非細胞変性突然変異を含み、該突然変異はコードされ
るMタンパク質のPPPYモチーフに存在する。
【0058】
最近、M mRNAがM2およびM3と呼ばれる2つの付加的タンパク質をさらにコードすること
が報告された(Jayakar and Whitt, 2002)。M2およびM3タンパク質は、229個のアミノ酸か
らなるMタンパク質(M1と呼ぶ)をコードするものと同一のリーディング・フレーム内の
下流のメチオニンから合成され、そしてM1タンパク質の最初の32個(M2タンパク質)また
は50個(M3タンパク質)のアミノ酸を欠失している。Mタンパク質を発現するがM2およびM3
は発現しない組換えVSVに感染した細胞は、細胞毒性効果の遅延発症を示す(特定の細胞
種において)が、正常なウイルス収量をもたらすことが観察された。したがって、特定の
実施形態において、本発明の遺伝子改変されたVSVは、そのM遺伝子に非細胞変性突然変異
を含み、該M遺伝子突然変異はM2またはM3タンパク質を発現しないウイルスをもたらす(例
えば、Jayakar and Whitt, 2002参照)。
【0059】
本明細書においては、Irie et al. (2004)に記載されているMタンパク質PSAP (PS)モチ
ーフのアミノ酸突然変異(例:欠失、置換、挿入、等)もまた考慮されている。
【0060】
5.Gステム突然変異
特定の実施形態において、本発明の遺伝子改変されたVSVは、そのG遺伝子に突然変異を
含み、該G遺伝子にコードされるGタンパク質は、Gタンパク質外部ドメインの膜近位のス
テム領域(Gステムタンパク質と呼ぶ)に突然変異を有する。該Gステム領域は、Gタンパ
ク質のアミノ酸残基421から462までを含む。最近の研究は、Gタンパク質のGステムにおけ
る挿入および/または欠失(例:末端切断)突然変異によるVSVの弱毒化を示した(Robinson
and Whitt, 2000; Jeetendra et al., 2002; Jeetendra et al., 2003)。したがって、
特定の実施形態において、遺伝子改変されたVSVは、Gステム挿入、欠失、置換、またはそ
れらの組合せを含む。1つの特定の実施形態において、Gステム突然変異を含む本発明の遺
伝子改変されたVSVベクター(およびその免疫原性組成物)は、3'-gag1-NPMG(stem)L-5'
というゲノムを含む。
【0061】
6.アンビセンスRNA突然変異
特定の実施形態において、本発明の遺伝子改変されたVSVはアンビセンスRNA突然変異を
含み、ここで5'アンチゲノムプロモーター(AGP)は3'ゲノムプロモーター(GP)の1コピーと
置換されている。VSVならびに他の非分節型マイナス鎖RNAウイルスの5'AGPは、3'GPが転
写プロモーターおよび弱い複製プロモーターとして作用するのに対し、強力な複製プロモ
ーターとして作用する。VSV感染の通常の経過においては、アンチゲノムコピーの3〜4倍
優位のゲノムコピーが存在する;この比は、ラブドウイルス科の別のメンバーである狂犬
病ウイルスではさらに高くなる(Finke and Conzelmann, 1999)。狂犬病ウイルスを用いた
以前の研究は、5'AGPを1コピーのGPと置換する(アンビセンスRNA突然変異として公知)
と、感染細胞内でゲノムRNAコピーとアンチゲノムRNAコピーのレベルが等しくなることを
示した。さらに、ゲノムの5'末端に位置させたGPのコピーから外来遺伝子を発現させた。
培養細胞中で連続継代させると、該アンビセンスRNA突然変異を保有する狂犬病ウイルス
は、一貫して組換え野生型狂犬病ウイルスよりも10〜15倍低い力価に複製された(Finke
and Conzelmann, 1997)。このような突然変異は、ウイルス複製を減衰させ、そして外来
遺伝子を発現させるという両方の目的で、VSVベクターに使用されている。したがって、
特定の実施形態において、遺伝子改変されたVSVはアンビセンスRNA突然変異を含む。
【0062】
7.遺伝子欠失
他の特定の実施形態において、本発明の遺伝子改変されたVSVは、VSV遺伝子(GまたはM
、等)がゲノムから削除されたウイルスからなる。例えば、Roberts et al. (1999)は、G
タンパク質をコードする遺伝子全体が削除され(ΔG)、インフルエンザ赤血球凝集素(HA
)タンパク質によって置換されたVSVベクターを記述しており、該VSVベクター(ΔG-HA)
は弱毒化された病原性を示した。
【0063】
B.組換え水疱性口内炎ウイルスベクター
特定の実施形態において、本発明は、少なくとも2つの異なる種類の突然変異をゲノム
内に含み、かつVSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又はこれと置換された、独
立した転写単位としての少なくとも1つの外来RNA配列を含む、遺伝子改変された(組換え
)VSVベクターを提供する。
【0064】
組換えRNAウイルスの作製方法は、当技術分野においては「レスキュー」または「逆遺
伝学」法と呼ばれている。VSVの具体的なレスキュー法は、それぞれ参照により本明細書
に組み入れる米国特許第6,033,886号、米国特許第6,596,529号およびWO 2004/113517に記
述されている。マイナス鎖、一本鎖、非分節型RNAウイルスゲノムの転写および複製は、
リボヌクレオタンパク質コア(ヌクレオキャプシド)に作用する多量体タンパク質複合体
の酵素活性によって達成される。裸のゲノムRNAは鋳型として機能することができない。
そのかわり、Nタンパク質によってキャプシド形成されてヌクレオキャプシド構造体とさ
れて始めて、これらのゲノム配列は認識される。この背景があってのみ、ゲノムおよびア
ンチゲノム末端プロモーター配列は認識されて、転写または複製経路が始まるのである。
【0065】
VSVゲノムのクローン化されたDNA等価物を適切なDNA依存性RNAポリメラーゼプロモータ
ー(例:T7 RNAポリメラーゼプロモーター)と自己開裂性リボザイム配列(例:肝炎デル
タリボザイム)の間に配置し、これを適切な転写ベクター(例:増殖可能な細菌性プラス
ミド)中に挿入する。この転写ベクターは、容易に操作可能なDNA鋳型を提供する。ここ
から、RNAポリメラーゼ(例:T7 RNAポリメラーゼ)は、正確な又はほぼ正確な5'および3
'末端を有するVSVアンチゲノム(またはゲノム)の一本鎖RNAコピーを忠実に転写するこ
とができる。VSVゲノムDNAコピー、側方に位置するプロモーターおよびリボザイム配列の
方向が、アンチゲノムまたはゲノムRNA等価物のどちらが転写されるかを決定する。裸の
、一本鎖VSVアンチゲノム又はゲノムRNA転写物をキャプシドで包んで機能性ヌクレオキャ
プシド鋳型とするために必要とされるVSV特異的で、トランスに作用する支持タンパク質(
support protein)もまた新しいVSV子孫のレスキューに必要である:それらは、ウイルス
ヌクレオキャプシド(N)タンパク質、ポリメラーゼ随伴リンタンパク質(P)およびポリメラ
ーゼ(L)タンパク質である。これらのタンパク質は、活性なウイルスRNA依存性RNAポリメ
ラーゼを含む。該ポリメラーゼは、このヌクレオキャプシド鋳型を使って転写および複製
を達成する必要がある。
【0066】
このように、少なくとも2つの異なる種類の突然変異をゲノム内に含む(例えば、セク
ションA参照)本発明の遺伝子改変弱毒化VSVは、当技術分野において公知のレスキュー法
にしたがって作製される。例えば、少なくとも2つの異なる種類の突然変異をゲノム内に
含む遺伝子改変されたVSVベクターは、(1)VSVのゲノムまたはアンチゲノムをコードする
単離された核酸分子を含む転写ベクター、および(2)キャプシド形成、転写および複製に
必要なトランスに作用するN、PおよびLタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を
含む少なくとも1つの単離された核酸分子を含む少なくとも1つの発現ベクターを用いて
、これらのベクターの同時発現および組換えVSVの産生を可能にするに十分な条件下にあ
る宿主細胞中で作製される。任意の適切なVSV株または血清型を本発明にしたがって用い
ることができる。適切なVSVとしては、VSV Indiana、VSV New Jersey、VSV Chandipura、
VSV Isfahan、VSV San Juan、VSV Glasgow、等が含まれるが、それらだけに限定されない

【0067】
弱毒化形態のVSVをコードするポリヌクレオチド配列に加えて、該ポリヌクレオチド配
列は1つ以上の異種(すなわち外来)ポリヌクレオチド配列またはオープン・リーディン
グ・フレーム(ORF)をもコードしていてよい(例えば、セクションC参照)。異種ポリヌク
レオチド配列は所望により様々であってよく、そして下記のものを含みうるが、それらだ
けに限定されない:補助因子、サイトカイン(インターロイキン等)、Tヘルパーエピト
ープ、CTLエピトープ、制限マーカー、アジュバント、または異なる微生物病原体(例:
ウイルス、細菌、寄生体または真菌)のタンパク質、特に望ましい免疫応答を誘導可能な
タンパク質。特定の実施形態において、異種ORFはHIV遺伝子(例:gag、env、pol、vif、
nef、tat、vpr、revまたはvpu)を含む。1つの特定の実施形態において、該HIV遺伝子はg
agであり、ここでgag遺伝子はVSVゲノムの位置1(3'-gag1-NPMGL-5')または位置5(3'-
NPMGL-gag5-5')に挿入される。異種ポリヌクレオチドは、遺伝子治療に用いられる作用
物質を提供するためにも使用される。別の実施形態において、異種ポリヌクレオチド配列
は、さらにインターロイキン12等のサイトカインをコードし、それらは組換えVSVの予防
または治療特性を改善するために選択される。
【0068】
特定の実施形態において、本発明の遺伝子改変弱毒化VSVは、通常の手段(例えば、化
学的突然変異誘発法)によって突然変異させられる。例えば、細胞培養物中でウイルスが
増殖している間に、化学的変異誘発物質を添加し、次に(a)温度感受性および/または寒
冷順応突然変異を選択するために、最適以下の温度で継代に付されたウイルスを選択し、
(b)細胞培養物中に小さいプラークを生じる突然変異体ウイルスを同定し、および(c)異種
宿主により継代し、宿主範囲突然変異の選択を行う。他の実施形態において、弱毒化突然
変異は、部位特異的突然変異誘発法を用いて予め定めた突然変異を作製し(例えば、セク
ションA参照)、次にこれらの突然変異を有するウイルスをレスキューすることを含む。
先に記述したように、本発明の遺伝子改変されたVSVは、少なくとも2種類の突然変異をそ
のゲノム内に含む。特定の実施形態においては、1つ又は2つ以上の種類の突然変異がさら
に複数の突然変異を含む。例えば、二重突然変異(欠失、挿入、置換、等)、三重突然変
異などを有するGステム突然変異種類、等である。次に、これらの弱毒化VSVベクターは、
動物モデルにおける毒性の減衰についてスクリーニングされる(例えば、実施例1および3
参照)。
【0069】
レスキューのための典型的(必ずしも限定的ではないが)状況は、ウイルスゲノムcDNA
を含む転写ベクターからのアンチゲノム(またはゲノム)一本鎖RNAの転写を導くためにT
7ポリメラーゼが存在する、適切な哺乳動物細胞環境を含む。同時転写的に、またはその
少し後で、このウイルスアンチゲノム(またはゲノム)RNA転写物は、ヌクレオキャプシ
ドタンパク質によってキャプシド形成されて機能性の鋳型とされ、そして必要とされるウ
イルス特異的トランス作用性タンパク質をコードする、同時トランスフェクションされた
発現プラスミドから同時に生成される必要なポリメラーゼ成分によって使われる。これら
の現象および過程は、ウイルスmRNAの欠くことのできない転写、複製、および新しいゲノ
ムの増幅、ならびにそれによる新規VSV子孫の産生、すなわちレスキューをもたらす。
【0070】
上記転写ベクターおよび発現ベクターは、典型的には、宿主細胞における発現のために
設計されたプラスミドベクターである。キャプシド形成、転写および複製に必要なトラン
ス作用性タンパク質をコードする少なくとも1つの単離された核酸分子を含む発現ベクタ
ーは、これらのタンパク質を同一の発現ベクターから、または少なくとも2つの異なるベ
クターから発現する。これらのベクターは、基本的レスキュー法より一般に公知であり、
そして本発明の改善された方法に用いるためにそれらのベクターを変更する必要はない。
【0071】
VSV等のウイルスのレスキューを実施するためのさらなる技法が、米国特許第6,673,572
号および米国暫定特許第60/477,389号に記載されている。これらは参照により本明細書に
組み入れる。
【0072】
VSVのレスキューに用いる宿主細胞は、組換えVSVの産生に必要な必須構成要素のベクタ
ーからの発現を可能とする細胞である。そのような宿主細胞は、原核細胞または真核細胞
、そして好ましくは脊椎動物細胞から選択することができる。一般に、宿主細胞はヒト胎
児腎細胞(例:293)等のヒト細胞に由来する。ベロ細胞および多数の他の細胞種も宿主
細胞として用いうる。以下は適切な宿主細胞の非限定的例である:(1)ヒト二倍体一次細
胞株(例:WI-38およびMRC5細胞);(2)サル二倍体細胞株(例:FRhL-胎児アカゲザル肺
細胞);(3)準一次連続継代性細胞株(例:AGMK-アフリカミドリザル腎細胞);(4)ヒト2
93細胞;および(5)他の使用可能な細胞株、例えば、CHO、MDCK (Madin-Darbyイヌ腎細胞)
、一次ニワトリ胚繊維芽細胞。特定の実施形態においては、トランスフェクションを容易
にする試薬を加えて、細胞によるDNA取り込みを増大させる。これらの試薬の多くは、当
技術分野において公知である(例:リン酸カルシウム)。Lipofectace (Life Technologi
es, Gaithersburg, MD)およびEffectene (Quiagen, Valencia, CA)は一般的な例である。
LipofectaceおよびEffecteneは、両方ともカチオン性脂質である。これらは両方ともDNA
を被覆し、細胞によるDNA取り込みを増大させる。LipofectaceはDNAを取り囲むリポソー
ムを形成し、他方、EffecteneはDNAを被覆するがリポソームは形成しない。
【0073】
レスキューされた弱毒化VSVは、次に、所望の表現型(温度感受性、寒冷順応、プラー
ク形態、ならびに転写および複製の減衰)について、まずin vitro手段によって試験され
る。突然変異はまた、必要とされるトランス作用性キャプシド形成およびポリメラーゼ活
性が野生型又はワクチンヘルパーウイルスによって、または遺伝子特異的弱毒化突然変異
を有するN、Pおよび異なるL遺伝子を発現するプラスミドによって提供される、ミニレプ
リコン系を用いて試験される。弱毒化VSVはまた、動物神経毒性モデルにおける相乗的弱
毒化についてもin vivoで試験される。例えば、神経毒性検出のためにはマウスおよび/
またはフェレットモデルが確立されている。すなわち、10匹のマウスからなる群に、予測
されるLD50値(動物の50%にとって致死的な量)にまたがる範囲の各濃度のウイルスを頭
蓋内(IC)投与する。例えば、予測されるウイルスのLD50が103-104 pfuの範囲内にある場
合は、102、103、104および105 pfuの濃度でウイルスを含むIC接種物が用いられる。ウイ
ルス調製物は、精製したウイルスストックをPBSで連続希釈することにより調製する。次
に、頭蓋骨の頂部からマウスに必要用量(50-100 μlのPBSで希釈されている)を注入す
る。動物を体重減少、病的状態および死亡について毎日モニターする。次に、ウイルスベ
クターのLD50を、試験した濃度範囲全体にわたるマウスの累積死亡から計算する。
【0074】
C.異種核酸配列および抗原
特定の実施形態において、本発明はVSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又は
これと置換された、独立した転写単位としての外来RNA配列をさらに含む、相乗的に弱毒
化されたVSVを提供する。ここで、該外来RNA配列(マイナス鎖に存在する)は、VSVに感
染した宿主細胞中で発現されうるタンパク質の産生を導く。この組換えゲノムは、該タン
パク質をコードする外来DNAをVSV cDNAに挿入することによって最初に作製される。特定
の実施形態においては、免疫原性抗原(これは単独で、または同一の若しくは異なるVSV
によって発現される他の抗原と組み合わせて、融合または非融合タンパク質として本発明
の相乗的に弱毒化された組換えVSV中で発現されると疾患又は障害に対する予防又は治療
免疫をもたらす)をコードする任意のDNA配列が単離され、そして本発明の免疫原性組成
物に用いるためのVSVベクターに組み込まれる。
【0075】
特定の実施形態において、相乗的に弱毒化された組換えVSVによる抗原の発現は、病原
性微生物に対する免疫応答を誘導する。例えば、抗原は、疾患または障害の原因物質であ
る細菌、寄生体、ウイルスまたは真菌に見出される抗原の免疫原性または抗原性を示しう
る。1つの実施形態においては、ヒト病原体の抗原または他の興味のある抗原の抗原性ま
たは免疫原性を示す抗原が用いられる。
【0076】
抗体との結合を検出することにより免疫原性または抗原性を決定するためには、当技術
分野において公知の種々のイムノアッセイが用いられる。それらには、以下の技法を用い
る競合および非競合アッセイ系が含まれるが、それらだけに限定されない:ラジオイムノ
アッセイ、ELISA(酵素結合イムノソルベントアッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッ
セイ、免疫放射線検定法、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散法、in situイムノアッセイ(
例えば、金コロイド、酵素または放射性同位体標識を用いる)、ウエスタンブロット法、
免疫沈降法、凝集アッセイ(例えば、ゲル凝集アッセイ、赤血球凝集アッセイ)、補体結
合アッセイ、免疫蛍光法、プロテインAアッセイ、免疫電気泳動法、中和アッセイ、等。1
つの実施形態において、抗体結合は、一次抗体上の標識を検出することにより測定される
。別の実施形態においては、二次抗体または試薬の一次抗体との結合を測定することによ
って、一次抗体が検出される。さらなる実施形態においては、二次抗体が標識される。イ
ムノアッセイにおいて結合を検出するための多数の手段が、当技術分野において公知であ
る。免疫原性を検出するための1つの実施形態において、T細胞媒介応答は、標準的方法(
例えばin vitroまたはin vivo細胞毒性アッセイ、四量体アッセイ、エリスポット(ELISPO
T)アッセイ、またはin vivo遅延型過敏アッセイ等)によってアッセイされる。
【0077】
相乗的に弱毒化されたVSV(ここでは外来RNAが、寄生体若しくは細菌の抗原、またはそ
のエピトープを含むその誘導体の産生を導く)によって発現されるエピトープ(抗原決定
基)を発現する寄生体および細菌は、表1に記載のものを含むが、それらだけに限定され
ない。
【表1】

【0078】
別の実施形態において、抗原は、線虫によって引き起こされる障害から防御するため、
線虫の抗原のエピトープを含む。別の実施形態においては、マラリア原虫エピトープ(組
換えVSVによって発現されると、脊椎動物宿主中で免疫原性を示す)をコードする任意のD
NA配列が単離され、本発明にしたがってVSV (-) DNAに挿入される。DNA源として役立つマ
ラリア原虫(Plasmodium)の種は、ヒトマラリア寄生体である熱帯熱マラリア原虫(P. falc
iparum)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)、卵形マラリア原虫(P. ovale)、三日熱マラ
リア原虫(P. vivax)および動物マラリア寄生体であるP. berghei、P. yoelii、P. knowle
siおよびP. cynomolgiを含む。さらに別の実施形態においては、抗原はコレラ毒素のβサ
ブユニットのペプチドを含む。
【0079】
相乗的に弱毒化されたVSV(ここでは外来RNAが、ウイルスの抗原、またはそのエピトー
プを含むその誘導体の産生を導く)によって発現されるエピトープを発現するウイルスは
、表2に記載のものを含むが、それらだけに限定されない。表2は、そのようなウイルスを
科ごとに記載しているが、これは便宜のためであって限定するためではない。
【表2】



【0080】
特定の実施形態において、弱毒化VSVによる宿主の感染の結果発現される、外来配列に
よってコードされる抗原は、インフルエンザウイルス赤血球凝集素;ヒト呼吸器多核体ウ
イルスG糖タンパク質(G);麻疹ウイルス赤血球凝集素または単純ヘルペスウイルスII型糖
タンパク質gDの抗原性または免疫原性を示す。
【0081】
弱毒化VSVによって発現される他の抗原としては、下記の抗原の抗原性または免疫原性
を示すものが含まれるが、それらだけに限定されない:ポリオウイルスI VP1;HIV Iのエ
ンベロープ糖タンパク質;B型肝炎表面抗原;ジフテリア毒素;ストレプトコッカス24Mエ
ピトープ、SpeA、SpeB、SpeCおよびC5aペプチダーゼ;および淋菌ピリン(pilin)。
【0082】
他の実施形態において、弱毒化VSVによって発現される抗原は、仮性狂犬病ウイルスg50
(gpD)、仮性狂犬病ウイルスII (gpB)、仮性狂犬病ウイルスgIII (gpC)、仮性狂犬病ウイ
ルス糖タンパク質H、仮性狂犬病ウイルス糖タンパク質E、伝染性胃腸炎糖タンパク質195
、伝染性胃腸炎マトリックスタンパク質、ブタロタウイルス糖タンパク質38、ブタパルボ
ウイルスキャプシドタンパク質、ブタ赤痢菌(Serpulina hydodysenteriae)感染防御抗原
、ウシウイルス性下痢症糖タンパク質55、ニューカッスル病ウイルス赤血球凝集素-ノイ
ラミニダーゼ、ブタインフルエンザ赤血球凝集素、またはブタインフルエンザノイラミニ
ダーゼの抗原性または免疫原性を示す。
【0083】
特定の実施形態において、弱毒化VSVによって発現される抗原は、イヌまたはネコ病原
体(ネコ白血病ウイルス、イヌジステンパーウイルス、イヌアデノウイルス、イヌパルボ
ウイルス、等を含むがこれらだけに限定されない)に由来する抗原の抗原性または免疫原
性を示す。
【0084】
他の特定の実施形態において、弱毒化VSVによって発現される抗原は、ブタ赤痢菌、口
蹄疫ウイルス、ブタコレラウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタコレラウイルス
、ブタ流行性肺炎菌(Mycoplasma hyopneumoniae)、感染性ウシ鼻気管支炎ウイルス(例:
感染性ウシ鼻気管支炎ウイルス糖タンパク質Eまたは糖タンパク質G)、または感染性喉頭
気管炎ウイルス(感染性喉頭気管炎ウイルス糖タンパク質Gまたは糖タンパク質I)に由来
する抗原の抗原性または免疫原性を示す。
【0085】
別の実施形態において、該抗原は、ラ・クロスウイルス、新生仔ウシ下痢症ウイルス、
ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス、プンタ・トロ(Punta Toro)ウイルス、マウス白血病ウ
イルスまたはマウス乳癌ウイルスの糖タンパク質の抗原性または免疫原性を示す。
【0086】
他の実施形態において、該抗原は、ヒト病原体[ヒトヘルペスウイルス、単純ヘルペス
ウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、ヒトサイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウ
イルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、ヒト
インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(I型および/またはII型)、狂犬病ウ
イルス、麻疹ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、熱帯熱マラリア病原虫、お
よび百日咳菌を含むがこれらだけに限定されない]の抗原の抗原性または免疫原性を示す

【0087】
弱毒化VSVによって発現される抗原として有用である可能性のある抗原またはその誘導
体は、種々の基準、例えば、病原体の感染性の中和における抗原の関与、型または群特異
性、患者の抗血清または免疫細胞による認識、および/または抗原に特異的な抗血清また
は免疫細胞の感染防御効果の立証によって同定される。
【0088】
別の実施形態において、弱毒化VSVの外来RNAは、エピトープを含む抗原の産生を導く。
この抗原は、該弱毒化VSVが所望の宿主に導入されると、該エピトープを含む実体によっ
て引き起こされる病態または障害から防御する免疫応答を誘導する。例えば、該抗原は、
腫瘍(例:悪性腫瘍)に対する防御免疫応答を誘導するための腫瘍特異性抗原または腫瘍
随伴抗原であることができる。このような腫瘍特異性または腫瘍随伴抗原としては、KS 1
/4汎癌抗原、卵巣癌抗原(CA125)、前立腺酸性フォスフェート、前立腺特異性抗原、黒色
腫随伴抗原p97、黒色腫抗原gp75、高分子量黒色腫抗原および前立腺特異性膜抗原が含ま
れるが、それらだけに限定されない。
【0089】
抗原をコードする外来DNA(これは弱毒化VSV DNAの非必須部位に挿入されている)は、
場合により、弱毒化VSVに感染した宿主中で発現可能でかつ免疫応答を刺激することがで
きるサイトカインをコードする外来DNA配列をさらに含む。例えば、そのようなサイトカ
インとしてはインターロイキン1α、1β、2、4、5、6、7、8、10、12、13、14、15、16
、17および18、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、顆粒球
コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、腫瘍壊死因子αおよびβが
含まれるが、それらだけに限定されない。
【0090】
D.免疫原性および医薬組成物
特定の実施形態において、本発明は、少なくとも2つの異なる種類の突然変異をゲノム
内に含み、かつVSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又はこれと置換された少な
くとも1つの外来RNA配列を含む遺伝子改変されたVSVベクターの免疫原性用量を含む免疫
原性組成物であって、該2つの突然変異はVSV病原性を相乗的に減衰させる、該免疫原性組
成物に関する。
【0091】
本発明の相乗的に弱毒化されたVSVベクターは、哺乳動物被験者(例えば、ヒト)に投
与するために調製される。このような組成物は、典型的には、VSVベクターおよび製薬上
許容される担体を含んでなる。本明細書に使用する「製薬上許容される担体」という表現
は、任意のおよび全ての、医薬投与に適した溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および
抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤、等を含むことを意図している。医薬的に活性な物
質のためのこのような媒体および作用物質の使用は、当技術分野において周知である。VS
Vベクターに非適合性である場合を除いて、従来の媒体または作用物質が本発明の免疫原
性組成物に使用される。該組成物には、補助的な活性化合物を組み込むことも可能である

【0092】
したがって、本発明のVSV免疫原性組成物は、意図される投与経路に適合するように調
製される。投与経路の例としては、非経口(例:静脈内、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内)
および粘膜(例:経口、直腸、鼻内、頬、膣、呼吸器)が含まれる。非経口、皮内または
皮下投与に用いられる溶液または懸濁物は、以下の成分を含む:無菌希釈剤(例えば、注
射用水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール
または他の合成溶媒);抗菌剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン);
酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム);キレート化剤(例え
ば、エチレンジアミン四酢酸);バッファー(例えば、酢酸、クエン酸、またはリン酸バ
ッファー);および張性調節剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。組成
物のpHは、酸または塩基、例えば塩酸または水酸化ナトリウムによって調節される。非経
口用調製物は、アンプル、ディスポーザブルシリンジ、またはガラスまたはプラスチック
製の多用量バイアルに封入することができる。
【0093】
注射用途に適した医薬組成物は、無菌水性溶液(水溶性の場合)または分散物;および
滅菌注射液または分散物をその場で調製するための滅菌粉末を含む。静脈内投与のために
は、適切な担体は生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM (BASF, Parsippany, NJ)または
リン酸緩衝食塩水(PBS)を含む。あらゆる場合において、該組成物は無菌でなければなら
ず、そして容易にシリンジに入れられる程度まで流動的でなければならない。該組成物は
、製造および保管条件下で安定でなければならず、また微生物(細菌および真菌、等)の
汚染作用から守られる必要がある。担体は、水、エタノール、ポリオール(例:グリセロ
ール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール、等)およびそれらの適
切な混合物を含む、溶媒または分散媒である。適切な流動性は、例えば、レシチンなどの
コーティングの使用によって、分散物の場合は必要とされる粒径の維持によって、および
界面活性剤の使用によって維持される。微生物の作用の阻止は、種々の抗菌剤および抗真
菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、等)によっ
て達成される。多くの場合、該組成物に等張化剤(例えば、糖;マンニトール、ソルビト
ール、塩化ナトリウム等のポリアルコール類)を含ませることが好ましい。注射用組成物
の持続性吸収は、吸収を遅延させる作用物質(例えば、モノステアリン酸アルミニウムお
よびゼラチン)を該組成物に含ませることによってもたらされる。
【0094】
無菌注射液は、必要量(用量)のVSVベクターを、必要であれば上述の成分の1つまたは
組合せと共に、適切な溶媒に組み込み、次にフィルター滅菌することにより調製される。
一般に、分散物は、基本的分散媒および上述の成分から選択される必要な他の成分を含む
無菌媒体に活性な組成物を組み込むことにより調製される。無菌注射液を調製するための
無菌粉末の場合は、好ましい調製方法は真空乾燥および凍結乾燥であり、これらの方法は
、予めフィルター滅菌した溶液に由来する、活性成分プラス任意の所望の付加的成分から
なる粉末をもたらす。
【0095】
吸入投与のためには、該組成物は適切な噴霧剤(例:二酸化炭素等の気体、または噴霧
器)を含有する加圧容器またはディスペンサーからのエアロゾルスプレーの形でデリバリ
ーされる。全身投与もまた、粘膜または皮内経路によって可能である。粘膜または皮内投
与のためには、浸透させるべき障壁に適切な浸透剤が調製物中に使用される。そのような
浸透剤は当技術分野において一般に公知であり、例えば、粘膜投与用には界面活性剤、胆
汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。粘膜投与は、鼻スプレーまたは座剤の使
用により行われる。該組成物は、直腸デリバリー用の座剤(例えば、カカオバターおよび
他のグリセリド等の常用の座薬基材を含む)または停留浣腸の形にも調製される。
【0096】
特定の実施形態においては、経口または非経口用組成物を単位剤形に調製することが、
投与の容易さおよび用量の均一性の点から有利である。本明細書に使用する単位剤形とい
う用語は、治療すべき被験者のための単位用量として適した、物理的に個別の単位をいう
。ここで、各単位は、所望の治療効果をもたらすように計算された、予め定められた量の
活性組成物を、必要な医薬担体とともに含有する。本発明の単位剤形の仕様は、活性組成
物の独自の特徴および達成されるべき特定の治療効果、ならびに個体の治療のためにこの
ような活性組成物を配合する技術に固有の限界によって規定され、またそれらに直接依存
する。
【0097】
本明細書に引用する全ての特許および刊行物は、参照によりここに組み入れている。
【0098】
以下の実施例は、標準的技法を用いて実施されている。それらは、別途詳細に説明して
あるものを除き、周知の技法であり、当業者にとっては日常的なものである。以下の実施
例は、説明を目的として提供するものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されて
はならない。
【実施例1】
【0099】
材料および方法
VSV Gタンパク質細胞質尾部突然変異体
本発明のGタンパク質細胞質尾部突然変異体の作製に用いる方法は、当技術分野におい
て公知であり、Schnell et al., 1998に詳述されている。これらのGタンパク質突然変異
体は、野生型VSV Indiana株の29個のアミノ酸からなる細胞質尾部ドメイン(配列番号:
1)と比較して、G細胞質尾部ドメインに1個(G(ct-1))または9個(G(ct-9))のアミノ酸を
保持していた。この細胞質尾部の末端切断は、翻訳停止コドンを本来の停止コドンからヌ
クレオチド60個分または84個分(すなわち、それぞれ9個のアミノ酸からなる細胞質尾部
および1個のアミノ酸からなる細胞質尾部に対応)上流に移動させ、その結果Gタンパク質
を切断することによって作出した。
【0100】
VSV N遺伝子シャフリング突然変異体
N遺伝子転位突然変異体(Nシャフル)は、N遺伝子をウイルスゲノムの3'末端から2番目
、3番目または4番目の遺伝子として再配置することによって作製した。例えば、野生型VS
Vの本来の遺伝子順序である3'-NPMGL-5'を、3'-PNMGL-5'および3'-PMNGL-5'に突然変異さ
せた。N遺伝子を唯一の3'RNA転写プロモーターからさらに離して転位させることは、N遺
伝子発現レベルの比例的低下を引き起こす(例えば、参照として全体を本明細書に特に組
み入れる米国特許第6,596,529号参照)。感染細胞におけるNタンパク質レベルの低下は、
ウイルスヌクレオキャプシドの形成を遅らせ、最終的にはゲノム複製およびウイルス粒子
形成の速度を低下させる。N遺伝子転位に用いた方法を以下に記述する。
【0101】
N遺伝子シャフル作製の第1ステップとして、全長ウイルスゲノムcDNAからN遺伝子を完
全に取り除いた。その結果、P遺伝子はN遺伝子に代わってウイルスリーダーの直ぐ隣に位
置した。N遺伝子を削除するため、全長ゲノムcDNAを鋳型として2個のPCR産物を作製した
。第1のPCR産物は、T7プロモーターの上流に位置する天然のBsaAI部位からウイルスリー
ダーの末端まで、および付加された下流BsmBI部位にまたがって伸びる配列を含んでいた
。第2のPCR産物は、P遺伝子の天然のXbaI部位からP遺伝子の転写開始シグナル(付加され
た上流BsmBI部位に隣接する)まで伸びる配列を含んでいた。これらのBsmBI部位は、両PC
R産物が継ぎ目なく連結され、(切断および連結後)、P遺伝子の直ぐ隣に位置するウイル
スリーダーを含む1個のDNA断片をもたらすように配置されていた。次に、このDNA断片を
全長ゲノムcDNAのXbaI/BsaAI部位に挿入し、ウイルスゲノムからN遺伝子を効果的に削除
した。
【0102】
N遺伝子シャフル作製の次のステップにおいて、N遺伝子を欠くゲノムcDNAのPおよびM遺
伝子の間、MおよびG遺伝子の間、またはGおよびL遺伝子の間にN遺伝子を挿入した。N遺伝
子をPおよびM遺伝子の間に挿入するため、全長ゲノムcDNAを鋳型として3個のPCR産物を作
製した。第1のPCR産物は、P遺伝子の天然のXbaI部位からM遺伝子の転写開始シグナル(側
方にBsmBI部位が付加されている)まで伸びる配列を含んでいた。第2のPCR産物は、N遺伝
子の転写開始シグナルから、N遺伝子の3'-AAAAAAA-ポリアデニル化シグナルに隣接する保
存されたTATG配列(側方にBsmBI部位が付加されている)まで伸びる配列を含んでいた。
第3のPCR産物は、G遺伝子の最初の天然のMluI部位からP遺伝子の保存されたTATGAAAAAAA
ポリアデニル化シグナル(側方にBsmBI部位が付加されている)まで伸びる配列を含んで
いた。次に、これら3つの断片全てをBsmBIで切断し、再連結して、N遺伝子がP遺伝子の一
部およびM遺伝子によって両側を囲まれている1つのDNA断片を形成した。このDNA断片を次
にXbaIおよびMluIによって切断し、ΔNウイルスゲノムのXbaI/MluI部位に挿入し、3'-PNM
GL-5'cDNAを形成した。
【0103】
3'-PMNGL-5'ゲノムcDNAを作製するため、2つの別個のPCR産物を調製した。第1のPCR産
物は、P遺伝子の天然のXbaI部位からG遺伝子の転写開始シグナル(5'-AACAG-3')(側方にB
smBI部位が付加されている)まで伸びる配列を含んでいた。第2のPCR産物は、全N遺伝子
配列をその転写開始シグナル(上流BsmBI部位が側方に付加されている)からN遺伝子転写
停止/ポリアデニル化シグナル(G転写開始シグナルからG遺伝子の天然のMluI部位まで伸
びる配列を側方に有する)まで含んでいた。G遺伝子特異配列を、PCRプライマーの1つの
一部としてN遺伝子配列に付加した。両方のPCR産物をBsmBIで切断し、連結して1つのDNA
断片を形成した。次にこれをXbaIおよびMluIで切断し、N遺伝子を欠くゲノムcDNAのXbaI
/MluI部位に挿入し、5'-PMNGL-3'という遺伝子配置をもたらした。
【0104】
5'-PMGNL-5'ゲノムcDNAを作製するため、完全長ゲノムcDNAを鋳型として3つのPCR産物
を調製した。第1のPCR産物は、G遺伝子の天然のSwaI部位からL遺伝子の転写開始シグナル
まで(この側方にBsmBI部位が付加されている)伸びる配列を含んでいた。第2のPCR産物
は、全N遺伝子配列をその転写開始シグナルから転写停止シグナルまで含んでおり、該配
列の両側にBsmBI部位が付加されていた。第3のPCR産物は、L遺伝子の転写開始シグナル(
側方にBsmBI部位が付加されている)からL遺伝子の天然のHpaI部位まで伸びる配列を含ん
でいた。次に、これらの3つのPCR産物全てをBsmBIで切断し、連結して1つのDNA断片を形
成した。次にこれをSwaIおよびHpaIで切断し、N遺伝子を欠くゲノムcDNAのSwaI/HpaI部位
に挿入し、5'-PMGNL-3'という遺伝子配置をもたらした。3つの再編成ゲノムの全てにおい
て、各遺伝子および両側に位置する制御配列の配列統合性(integrity)は、変更していな
いウイルスのそれと同一であった。N遺伝子の位置だけが異なっていた。
【0105】
Gタンパク質細胞質尾部突然変異およびNシャフリング突然変異の組合せ
N遺伝子シャフリング突然変異およびGタンパク質細胞質尾部突然変異の両者の組合せは
、二重突然変異ゲノム(すなわち、2つの突然変異種類)、例えば、3'-PNMG(ct-9)L-5'、
3'-PNMG(ct-1)L-5'および3'-PMNG(ct-9)L-5'、3'-PMNG(ct-1)L-5'をもたらした。二重突
然変異体ゲノムcDNAは、N遺伝子をシャフリングしたゲノム中の天然のG遺伝子を、上述の
切断型G(ct-1)またはG(ct-9)遺伝子と交換することによって構築した。この交換は、ドナ
ーcDNA(5'-NPMG(ct-1)L-3'および5'-NPMG(ct-9)L-3')をMluIおよびHpaIで切断し、次に、
精製した切断型G遺伝子を、N遺伝子をシャフリングしたcDNAゲノムのMluI/HpaI部位に挿
入した。これらの二重突然変異体をcDNAからレスキューし、3回プラーク精製し、増幅し
、そして細胞培養物中でプラークサイズおよび以下に記述する増殖速度論(kinetics)によ
って特徴付けた。
【0106】
非細胞変性M遺伝子突然変異
VSV M遺伝子は、ウイルスマトリックス(M)タンパク質および2つのより小さいフレーム
内ポリペプチド(M2およびM3)をコードしている。M2およびM3ポリペプチドは、Mタンパク
質と同一のオープン・リーディング・フレーム(ORF)から翻訳され、そしてそれぞれ最初
の33個および51個のアミノ酸を欠失している。非細胞変性M遺伝子突然変異を含む組換えV
SVベクター(すなわち、M2およびM3タンパク質を発現しないVSVベクター)は、以下に記
述するように作製された。該ベクターは、1つまたは2つ以上のさらなる突然変異を含んで
おり、それによって細胞培養物中および動物中で高度に弱毒化されたVSVベクターがもた
らされた。
【0107】
第33位および第51位のメチオニンがアラニンに変換される(M33A、M51A)非細胞変性M遺
伝子突然変異(M(ncp))は、PCRに基づくクローニング戦略によって作出した。この戦略
においては、必要なヌクレオチド置換(AUGからGCT)がPCRプライマーに組み込まれた(Ja
yakar and Whitt, 2002; Jayakar et al., 2000)。M33,51A突然変異を有する、得られたP
CR産物を、次に全長VSV cDNAゲノム中にクローン化し、M2およびM3ポリペプチドを発現し
ないウイルスのレスキューを可能とした。
JayakarおよびWhittによって設計された組換えVSVベクターcDNA中に存在するM33,51A突
然変異を、XbaI-MluI断片(全M遺伝子およびP遺伝子の一部にまたがる)を交換すること
により、VSVベクターcDNAに導入した。このcDNA断片の交換は、M33,51A突然変異以外のさ
らなるアミノ酸コード変化を引き起こさなかった。
【0108】
Gタンパク質細胞質尾部突然変異および非細胞変性M遺伝子突然変異の組合せ
Gタンパク質細胞質尾部切断および非細胞変性M遺伝子突然変異の両者の組合せは、二重
突然変異ゲノム(すなわち、2つの突然変異種類)、例えば、3'-NPMncpGct-1L-5'または3
'-NPMncpGct-9L-5'をもたらした。二重突然変異ゲノムcDNAは、非細胞変性表現型を生じ
る突然変異を含むM遺伝子cDNAを、G(ct-1)またはG(ct-9)突然変異を含む全長ゲノムcDNA
と交換することによって構築した。各場合において、交換されたcDNA断片は、P遺伝子の
唯一のXbaI部位からG遺伝子の5'非翻訳領域の唯一のMluI部位まで伸びており、そして非
細胞変性M遺伝子の全配列を含んでいた。
【0109】
上述のように、非細胞変性Mタンパク質は、もとのMタンパク質と2つのアミノ酸置換(M3
3A、M51A)によってのみ異なっており、これらの置換は非細胞変性表現型を生じる。これ
らの二重突然変異ゲノムを、次に、ゲノムの位置5(GおよびL遺伝子の間)にHIV-1 gag遺伝
子を挿入することによりさらに改変し、免疫原性試験のためのgagタンパク質の発現を可
能とした。他のウイルス組換えVSVベクターについては、上記gag遺伝子は、ゲノムcDNAの
位置5に存在する唯一のXho I/Nhe I部位にクローン化された。
【0110】
VSV N遺伝子温度感受性突然変異および/またはVSV L遺伝子温度感受性突然変異
ウイルスゲノム中にHIV Gagタンパク質を第1の3'シストロンからコードする組換えVSV
(rVSV-Gag1)を、そのN遺伝子および/またはL遺伝子を、公知の、生物学的に引き出したV
SV温度感受性(ts)突然変異体(Pringle, 1970)に由来する相同なコード配列と置換する
ことにより改変した。その結果得られたベクターは、(i) rVSV-Gag1tsN(すなわち、3'-g
ag1-N(ts)PMGL-5')はVSV株ts41由来のts N遺伝子を含んでいた;(ii) rVSV-Gag1tsL(す
なわち、3'-gag1-NPMGL(ts)-5')はVSV株ts11由来のL遺伝子を含んでいた;そして(iii)
rVSV-Gag1tsN+L(すなわち、3'-gag1-N(ts)PMGL(ts)-5')はVSV株ts41由来のts N遺伝子
およびVSV株ts11由来のL遺伝子の両方を含んでいた。VSV株ts41およびts11は、当技術分
野においてそれぞれtsG41およびtsG11としても知られている。
【0111】
生物学的に引き出したts遺伝子ドナー株の両方は、Pringle (Pringle, 1970)によって
、ラボに適合したVSV(Indiana血清型を有するGlasgow株)を化学的突然変異誘発にかけ
た後、単離されたものである。Pringleはまた、ts突然変異をNまたはL遺伝子にマッピン
グした。
【0112】
感染細胞RNAからts41 N遺伝子およびts11 L遺伝子をクローン化した。すなわち、許容
温度(31-32℃)でBHK細胞をts11またはts41に感染させた。細胞単層の75%以上で細胞変性
効果が明らかになるまで、感染を進行させた。この時点で全RNAを抽出し、精製した。次
に、遺伝子特異的プライマーを用いてこのRNAを逆転写してcDNAを合成し、このcDNAをPCR
で増幅した。次に、増幅されたcDNAをrVSVベクターのゲノムcDNA中にクローン化し、配列
分析により確認した。
【0113】
ts11、ts41およびそれらの祖先株(Glasgow)の完全なゲノム配列を決定し、ts表現型に
寄与するコード変化を同定した。rVSVベクターバックグラウンド、Pringleのts突然変異
体およびGlasgow祖先ウイルスのコード配列を比較することによって、どのコード変化がt
s表現型rVSV-Gag1tsN、rVSV-Gag1tsLおよびrVSV-Gag1tsN+Lに寄与するかを予測すること
が可能である。
【0114】
表3は、Nタンパク質アミノ酸配列の比較を示す。データから、rVSVベクターのN遺伝子
をts41ホモログで置換すると、4つのアミノ酸置換がもたらされることが明らかである。
これらの変化のいずれもが、ベクターの遺伝子的バックグラウンドという状況においてN
タンパク質機能に影響を及ぼし、そしてts表現型に寄与する可能性がある。ただ1つの変
化(74位におけるTyrからCys;残基をイタリック体で表示)がts41を祖先ウイルス(Glasg
ow)と区別していることは注目に値し、この置換が決定的なts決定基であるかもしれない
ことを示唆している。
【表3】

【0115】
同様に、表4はLタンパク質の比較を示す。rVSVベクターのL遺伝子をts11カウンターパ
ートで置換すると、13のアミノ酸コード変化がもたらされた。N遺伝子について上に記述
したように、これらのコード変化のいずれもが、L遺伝子の置換によって作製された、観
察されたts表現型に寄与しうる。しかし、これらのコード変異のうちいくつか(イタリッ
ク体で表示)はより興味深い。なぜなら、これらもまたts11をその祖先ウイルスGlasgow
と区別しており、これらのアミノ酸置換をts表現型への重大な寄与物として潜在的に同定
しているからである。
【表4】

【0116】
Gステム突然変異およびGステム/遺伝子シャフリング突然変異
特定の実施形態において、本発明の遺伝子改変されたVSVはG遺伝子に突然変異を含み、
それによってコードされるGタンパク質は、Gタンパク質外部ドメインの膜近位ステム領域
(Gステムタンパク質と呼ばれる)に突然変異を有する。Gステム突然変異は、VSV XNベク
ター遺伝子的バックグラウンド(Schnell et al., 1996)のG遺伝子を、Gステムをコード
する改変されたG遺伝子で置換することによって導入された。Gステム(Robison, 2000)は
、512個のGタンパク質アミノ酸のうち108個からなり、以下のものを含む:(1) Gタンパク
質の最初の17個アミノ酸(膜挿入のためのポリペプチドに標的を定めるシグナル配列を含
む);(2)膜近位細胞外ドメイン(ステムと呼ばれる)の42個のアミノ酸;(3) 20個のア
ミノ酸からなる膜貫通ドメイン;および(4) 29個のアミノ酸からなるカルボキシ末端細胞
内尾部。Gステムポリペプチドのこの配置は、ウイルス粒子の成熟を媒介するに十分なGタ
ンパク質配列を含むが、細胞付着タンパク質として作用するために必要な配列を欠く。そ
の結果、Gステムベクターに感染した細胞は、ウイルスタンパク質およびコードされた外
来抗原を発現するが、非感染性の子孫ウイルス粒子を産生する。なぜなら、Gステムベク
ターは、完全に機能的なGタンパク質をコードしていないからである。
【0117】
標的細胞に感染するのに必要な機能性Gタンパク質を含むGステムベクター粒子を産生す
るためには、全長Gタンパク質がトランスで(in trans)提供されなければならない。こ
れは、ウイルスレスキューおよびそれに続くワクチン作製の間に、以下の方法のうちの1
つによって達成されうる:1) Gタンパク質を発現する細胞株を開発することが可能である
;2) Gタンパク質を発現する補足的ウイルスベクター、例えば、アデノウイルス、MVAま
たはVEE等を用いることができる;または3)産生に使用する細胞を、Gタンパク質をコード
するプラスミドDNAベクターまたはmRNAによってトランスフェクトすることができる。
【0118】
現在、Gステムベクターは、Gタンパク質を発現するように設計されたプラスミドによっ
てトランスフェクトされた細胞中で、一過性で相補性を生じることによって産生される。
これは、Gタンパク質を発現する細胞株を作出する(Gタンパク質は毒性なので、これは困
難である)必要を回避し、またヘルパーウイルス等の生物学的試薬を産生プロセスに導入
することを回避する。Gステムベクターのいくつかの配置において、ウイルスタンパク質
をコードするシストロンは下流にシャフリングされていて、ゲノムの第1位への外来遺伝
子の挿入を可能とする。これはウイルスを弱毒化し、該外来抗原遺伝子をプロモーターの
近位に位置させ、高レベルの発現を確実にする。
【0119】
セクションA.1に記述したように、VSVゲノムの位置1へのHIV gag遺伝子(または他の
任意の遺伝子)の挿入(3'-gag1-NPMGL-5')は、遺伝子シャフリング突然変異を効果的に
もたらす。ここでは、N、P、M、GおよびL遺伝子は、それぞれその野生型における位置か
らゲノム上のより遠位へ動かされる。よって、G(stem)突然変異およびVSVゲノムの位置1
へのgag遺伝子の挿入(gag1)の組合せは、二重突然変異ゲノム3'-gag1-NPMG(stem)L-5'
をもたらした。
【0120】
293細胞における水疱性口内炎ウイルスのレスキュー
国際出願WO 2004/113517(参照により特に本明細書に組み入れる)に記載の基本的熱シ
ョック/プラスミドT7系を用いて、下記の改変したプロトコールにしたがって、293細胞
からのVSVのレスキューを上首尾に達成した。
【0121】
材料
プラスミドDNA:1)全長ウイルスゲノムcDNA、2) pT7-N, 3) pT7-P, 4) pT7-L, 5) pT7-M,
6) pT7-Gおよび7) pCl-Neo-bcl-T7 (p0061)。
リン酸カルシウムトランスフェクション試薬:1) 2X BES緩衝食塩水: 50 mM BES (pH 6.9
5-6.98), 280 mN NaCl, 1.5 mM Na2HPO4; 2) 2.5 M CaCl2および3) Hepes緩衝食塩水洗浄
液(HBS): 20 mM hepes (pH 7.0-7.5), 140 mM KCl, 1 mM MgCl2
細胞培養液:1)質が保証され、熱不活性化した10% FBSを添加したDMEM (DMEM/FBS); 2)質
が保証され、熱不活性化した10% FBSを添加したIscove改変最小必須培地(IMEM) (IMEM/FB
S); 3)ポリ-L-リシン: H2O中0.01%; 4) PBSおよび5)ブタトリプシン/EDTA。
【0122】
方法
293細胞の培養:293細胞は培養が難しい場合があり、この細胞を取り扱うための多数の異
なる方法がある。現方法は、VSVおよび改変VSVベクターコンストラクトのためのレスキュ
ー系の一部として上手く用いられてきたものである。
【0123】
日常的継代培養
1)培地を除去し、コンフルエントな単層(10 cmプレート)を5 mlの温めたPBSで洗浄す
る;細胞の剥離を防ぐため、培養ディッシュの側面に沿って穏やかにピペッティングする
(293細胞は長時間室温に放置したり、または塩基性となった(赤色)培地中に放置すると
、剥離する)。
2)2 mlのトリプシンを穏やかに添加し、プレートを揺すって単層の細胞すべてが覆われ
るようにする。該トリプシンを吸引し、プレートを室温で約1分間静置する。プレートを4
5度の角度で傾け、フードの作業面にプレートを軽く打ちつけて細胞を剥離する。細胞が
剥れてこないときは、室温でさらに1分インキュベートする(猛烈なピペッティングを回
避できるように、この段階で細胞を確実に剥離させる)。
3)5 mlのDMEM/FBSを穏やかに添加し、ピペットでゆっくり吸引・排出し、細胞を分散さ
せる。
4)9 mlのDMEM/FBSを含有するプレートに、1 mlの細胞を添加する。
5)37℃、5% CO2下でインキュベートする。
【0124】
トランスフェクションのための継代培養
1)所望の数のプレートをポリ-L-リシンでコーティングする。プレート1枚あたり3-4 ml
の0.001%ポリ-L-リシンを添加し、室温で少なくとも30分間静置する。該ポリ-L-リシン液
を吸引する。5 mlの培地でプレートをすすぐ。
2)上述のように細胞をトリプシン処理する。翌日に50-75%コンフルエントなプレートが
得られる分割比を用いる(1:3から1:6)。
3)細胞を剥離した後、IMEM/FBSを加え、そして細胞を9 mlのIMEM/FBSを含有するコーテ
ィングされたプレートに移す。トランスフェクションに先立って、細胞を分け、IMEM/FBS
中で一晩増殖させることが重要であるように思われる。
4)37℃、5% CO2下でインキュベートする。
【0125】
トランスフェクション
1)トランスフェクションの1-3時間前に、細胞に9 mlのIMEM/FBSを供給し、そして3% CO
2に設定した32℃のインキュベーター中でインキュベートする。
2)リン酸カルシウム-DNAトランスフェクション混合物を以下のように調製する:
a) 5 mlのポリプロピレン製試験管内で以下のDNAを混合する:(i) 8 μg T7-N, (ii) 4μ
g T7-P, (iii) 1.2μg T7-L, (iv) 1.0μg T7-M, (v) 1.0μg T7-G, (vi) 10μgのウイル
スゲノムcDNAクローン、および(vii) 10μgのhCMV-T7発現ベクター。
b)水を用いて最終容量を450μlに調整する。
c) 50μl 2.5M CaCl2を添加する。
d)試験管を穏やかにボルテックス撹拌しながら、500μlの2XBBSを添加し、次に試験管を
室温で15-20分間静置する。
3)細胞をインキュベーターから取り出し、上記のリン酸カルシウム-DNA混合物を培養物
にゆっくり添加し、穏やかに渦を巻くようにして沈殿物を分散させる。細胞を直ちに32℃
、3% CO2インキュベーターに戻す。
4)トランスフェクション開始から3時間後に、プラスチックバッグに培養ディッシュを
入れてシールし、そして43℃に設定した湯浴中に2時間完全に沈めて細胞性熱ショック応
答を誘導する。
5)熱ショック後、細胞を32℃、3% CO2インキュベーターに戻し、一晩インキュベーショ
ンを続ける。
6)翌日、HBSで細胞を2回洗浄し、細胞に10 mlのIMEM/FBSを供給する。37℃、5% CO2
でインキュベートする。
7)トランスフェクション開始から48-72時間後に、トランスフェクトされた細胞をより
大きい容器に移すために、20 mlのDMEM/FBSを含有するT150フラスコを十分な数だけ準備
する。トランスフェクトされた各10 cmプレートにつき、T150フラスコ1個。
8)培地を単層上で穏やかにピペッティングして細胞表面からそれを除去する(dislodge)
ことにより、トランスフェクトされた293細胞を移す。力強いピペッティングを避け、細
胞を剥がすのにちょうど十分な力を用いる。細胞を剥がした後、約5回ピペットで吸い上
げ・排出を行って細胞塊のサイズを小さくし、次に培地および細胞を20 mlのIMEM/FBSを
含有するT150フラスコに移す。
9)4-6時間後に、10% FBSを添加した新鮮なDMEMで培地を置換する(細胞がプレートに接
着していない場合、このステップは24時間後まで延期可能である。また、このステップを
省略しても成功した。)
10)細胞を5-7日間モニターし、細胞変性効果(CPE)の証拠を検出する。
11)CPEが明確に現れたら、培地および株化ベロ細胞単層を含有する6ウエルプレートの
ウエルに50μlの培地上清を移す。レスキューが起こっていれば、翌日CPEが見られるはず
である。(このステップは重要であることに留意されたい。なぜなら、293細胞は時々T15
0フラスコの表面から剥離して、実際にはそうでないのにVSVに感染したように見えるから
である。)
12)上記少量のサンプルをベロ細胞単層に移した後、T150フラスコから細胞および培地
を回収し、-70℃で凍結する。一般に、293細胞は、単層上で培地をピペッティングして細
胞を剥がすことにより回収することができる。
【0126】
ベロ細胞における水疱性口内炎ウイルスのレスキュー溶液
以下の溶液は、宿主細胞トランスフェクションに一般に有用である:
1)280 mM NaCl [16.4 g NaCl (または56 ml 5 M NaCl)], 50 mM BES [10.7 g BES(遊離
酸形態)]および1.5 mMリン酸ナトリウム[0.21 g Na2HPO4]の2XBBS(リットルあたり)溶
液(2XBES緩衝食塩水)。このBBS溶液は、NaOHを用いてpH 6.95-6.98に調整される。次に
フィルター滅菌し、凍結保存される。
2)全量100 mlあたり36.8 gの2.5 M CaCl2溶液が調製され、-20℃で保存される。この溶
液は、ニトロセルロースを用いてフィルター滅菌される。酢酸セルロースフィルターは詰
まるので、避けるべきである。または、トランスフェクション溶液はオートクレーブ滅菌
される。しかし、オートクレーブ処理の間に2XBBS溶液はわずかに変化する可能性がある
ので、この方法はあまり望ましくない。
【0127】
以下の溶液は、培地として一般に有用である:
1)DMEMのDMEM+FBS溶液(グルタミンを含む高グルコース;Gibco/BRL, [Grand Island,
NY]、熱不活性化および保証された10%のFBS、ならびに10-20μg/ml(場合により50μg/ml
まで)ゲンタマイシンを補充してある。
2)MEMのMEM+FBS溶液(グルタミン、非必須アミノ酸、熱不活性化および保証された10% F
BS、および10-20μg/ml(場合により50μg/mlまで) 20-25 mM Hepesバッファー;Gibco/BR
L, [Grand Island, NY]を補充され、そして場合により1X Fungizoneを含む)。
3)Hepes緩衝食塩水洗浄液のHBS溶液、20 mM Hepes, pH 7.0, 150 mM NaCl, 1 mM MgCl2

【0128】
方法
一般に有用な宿主細胞は、分けて培養したベロ細胞から選択することができる。それら
のベロ細胞は、トランスフェクションの前日に、翌日約50%コンフルエント[RSVについて
は80-90%]になっているようにDMEM+FBS溶液中に播種する(6ウエルプレートまたは12.5 c
m2 フラスコ)。より高い細胞密度では効率が悪くなる。翌日、トランスフェクションの1
-4時間前に各培養物に4.5 mlのDMEM+FBSを供給する。次に、細胞を3% CO2および32℃に設
定したCO2インキュベーターに移す。ベロ細胞は、トランスフェクション時に約50%コンフ
ルエントである限り、一晩以上生育させることが可能である。
【0129】
CaCl2/リン酸沈降物を以下のようにして得る:開始前、BBSおよびCaCl2は室温に保持す
る。プラスミドDNA合計2-20μgおよび25 μlのCaCl2を用いて、全容量250μlを含有する5
mlのポリプロピレン試験管にDNA混合物を調製する。全長レスキューのためのDNAは、5μ
gのVSVの全長cDNAコンストラクト、400 ngのNタンパク質、300 ngのPタンパク質、100-20
0 ngのLタンパク質、および5-10μgのpCl-Neo-Bcl-T7プラスミド(配列番号:1;図2)を
含む。ベロ細胞におけるレスキューの効率は低いので、レスキューされる全長コンストラ
クト1個につき3-6個のウエルをトランスフェクションする。
【0130】
全てのDNA/CaCl2溶液を調製後、2XBBSを添加する。これは通常、連続的に低速ボルテッ
クスで穏やかに撹拌しながら250μlの2XBBSを試験管の側壁に沿って滴下することにより
行われる。全試験管についてこれを繰り返し、次に試験管を室温でさらに15-20分間静置
し、DNA-カルシウム-リン酸沈降物を形成させる。室温インキュベーションの後、沈降物
を細胞培地に滴下し、プレートを揺することによって分散させる。次に、この培地を3% C
O2にセットしたインキュベーターで3時間インキュベートする。3% CO2というレベルは、B
BS/CaCl2トランスフェクション技法にとって重要である。5% CO2は、もし機能するとして
も、全く不十分である。3% CO2とは、培地のpHを制御し、そして培地中に有効なカルシウ
ム-リン酸-DNA沈降物の形成を可能とする。
【0131】
次に、場合により、例えばトランスフェクション開始の3時間後に、熱ショック操作を
実施する。すなわち、44℃に設定した湯浴に細胞を移す。培養物を完全に水中に沈めるこ
とができるように、プラスチックの保存バッグで細胞をシールする。44℃で3時間経過後
、細胞を3% CO2にセットした32℃インキュベーターに戻し、一晩インキュベーションを継
続する。
【0132】
翌日、トランスフェクション培地を除去し、細胞をHBSで2回洗浄する。洗浄後、2 mlの
新鮮なDMEM+FBSを添加する。PBSおよびハンクスバッファーは、洗浄ステップではうまく
機能しない。おそらく、これらのバッファー中のリン酸がトランスフェクション培地から
より多量のCaCl2を沈降させるからであろう。
【0133】
次に、場合により、共培養操作を実施する。トランスフェクション後48-72時間目に、
トランスフェクトされた細胞を培地中に掻き落とし、そして該細胞および培地をT25フラ
スコ(50%コンフルエントのベロ細胞の単層を含有する)に移すことによって回収する。
この共培養開始の6時間後に、培地を4 mlのMEM+FBSと交換する。次に、培養物を5日間イ
ンキュベートする。このインキュベーション期間中に培地が枯渇したように見え始めたら
、2 mlの培地を除去して新鮮なMEM+FBSと交換する。どれほど少量であれレスキュー中に
産生され、培地中に存在するかもしれないウイルスを保存するために、培地を全部交換す
ることは推奨できない。この共培養期にCPEが明らかになるかもしれないが、通常はそう
ならない。CPEが全く明らかでない場合は、レスキューを継続することができる。
【0134】
共培養開始の5日後に細胞を回収する。最初に、0.5 mlの2.18 Mショ糖;37.6 mM KH2PO
4; 71.0 mM K2HPO4;49.0 mM グルタミン酸ナトリウムを培地に添加し、フラスコを揺す
ることにより混合する。次に、細胞を培地中に掻き落とし、ピペットで吸引・排出を行っ
て混合し、アリコートに分けて出荷用フリーザーチューブに入れ、ドライアイス/エタノ
ール浴中で急速凍結し、-80℃で保存される。
【0135】
VSVベクターの精製
レスキューしたVSVベクターを、トランスフェクトされた細胞の上清からプラーク精製
した。プラーク精製を連続3回実施した後、BHK細胞を用いてウイルスを増幅し、シードス
トックを作製した。次に、BHK細胞を用いてシードストックをさらに増幅し、ウイルスワ
ーキングストック(working stock)を作製した。動物実験用に大量のウイルスを調製する
ため、ワーキングストックを用いて、T-150フラスコ10-20個分のコンフルエントなBHK細
胞を感染多重度(MOI) 0.5-1.0プラーク形成単位(pfu)/細胞で感染させた。32℃で48時間
経過後、感染細胞上清を4,000 x gで遠心して清澄化した。次に、SW 28ローターを用いて
25,000 rpmで1時間遠心することにより、10% ショ糖クッションを用いてウイルスを上清
から濃縮した。ウイルスペレットをリン酸緩衝食塩水(PBS)に懸濁し、エタノール/ドラ
イアイス浴中で急速凍結した。次に、濃縮ウイルスストックをベロ細胞単層上で滴定し、
調製物中の感染性粒子の数を測定した。
【0136】
ウイルス滴定
ウイルス調製物中の感染性ウイルス粒子の数を標準的プラークアッセイにより測定した
。すなわち、6ウエルプレート中の新たにコンフルエントになった、一晩培養されたベロ
細胞単層を、ウイルス調製物の10倍連続希釈物を用いて感染させた。これを実施するため
、増殖培地を細胞単層から吸引し、そしてDMEMを用いた各ウイルス希釈物の100μlアリコ
ートを細胞単層の中心に移した(各希釈物につきアリコート3個を使用)。細胞の乾燥を
防ぐため、次に400μlのDMEMを各細胞単層に添加し、プレートを15分間室温に保持した。
次に、時々揺すりながら、37℃、5% CO2下で30分インキュベートした。ウイルス接種物を
除去し、各細胞単層に3 mlの、DMEMで希釈した0.8%アガロースで重層した。次に、プレー
トを37℃、5% CO2下で1-4日間インキュベートし、プラークを形成させた。アガロースプ
ラグを除去し、細胞を室温で10分間クリスタルバイオレット(50%メタノールに溶解した2
%クリスタルバイオレット)で染色した。次に、過剰な染色剤を除去し、細胞単層を水で
十分すすいだ。すると、青色に染まらない小さい穴としてウイルスプラークが細胞単層中
で可視化された。
【0137】
リアルタイムPCRによるウイルスRNAの定量
動物組織中のVSVゲノムを検出し、定量するために、定量リアルタイムPCR (RT/PCR)ア
ッセイを用いた。このアッセイは、マイナス鎖ウイルスゲノムRNAを特異的に検出し、そ
して標準曲線を作成するために全アンプリコンの合成オリゴヌクレオチドを用いる2ステ
ップRT/PCRアプローチを利用するものである。すなわち、サル、フェレットおよびマウス
由来の脳組織を、SPGを用いて20% W/Vスラリーにホモジェナイズした。このスラリーを30
00 x gで15分間遠心し、粒状物質をペレット化した。次に、上清をさらに14,000 x gで遠
心し、得られた上清から全RNAを抽出した。このRNAを鋳型として、ウイルス特異的プライ
マーと共に逆転写に用いた。その生成物を次にリアルタイムPCRアッセイに用いた。
【0138】
マウスにおけるVSVベクターの50%致死量(LD50)の測定
VSVベクターの相対的弱毒化の基準として、マウスLD50モデルを用いた。野生型VSV、3'
-NPMG(ct-1)L-5'、 3'-PNMG(ct-1)L-5'および3'-PMNG(ct-1)L-5'の数個の対数倍希釈物を
4.5週齢雌Swiss-Websterマウス(6-10匹/群)に頭蓋内投与した。その後、マウスの体重
減少、麻痺および死亡(LD50)を3週間観察した。LD50は、Reed-Muench法により累積死亡率
から計算した。
【0139】
マウス免疫原性試験
マウス(n=15)に実施例4記載のVSVベクター(Indiana血清型)(1x107 pfu)を筋肉内投
与して免疫感作した。1セットのマウス(「プライム」、n=5)由来の脾細胞を、プライム
した後7日目のエフェクター期のピークに単離した。2セットのマウス(n=10)を、記載のVS
Vベクター(NJ-G-スイッチバージョン)(1x107 pfu)を用いてブーストした。1セットのマ
ウス(「ブースト」、n=5)由来の脾細胞を、ブースト後5日目のエフェクター期のピーク
に単離した。もう1セットのマウス(「メモリー」、n=5)由来の脾細胞を、ブースト後30
日目のメモリー期に単離した。四量体染色によりgag特異的CD8 T細胞頻度を測定した。ga
g免疫優性ペプチドを用いて一晩刺激した後、エリスポット法によりgag特異的IFN-γ分泌
を測定した。
【実施例2】
【0140】
VSV突然変異体の特徴づけ
実施例1に記載の2種類の突然変異を組み合わせたVSVベクター(Nシャフル/Gタンパク
質ct切断)および1種類の突然変異のみを含むVSVベクターのプラークサイズの実質的相違
を観察した(表5)。典型的には、1種類の突然変異のみを含むVSVベクターは24時間プラ
ークアッセイにおいて数えられるサイズのプラークを形成したが、Nシャフル/Gタンパク
質ct切断ベクターのいくつかは同等サイズのプラークを形成するまでに3-4日を要した。V
SVベクター間のプラークサイズにおける相対的相違も、細胞培養物における増殖速度論的
試験の間に観察された相対的相違と類似していた(図1から図3)。
【表5】

【実施例3】
【0141】
VSV神経毒性試験
2種類以上の突然変異の組合せを含むVSVの相乗的弱毒化を、1種類の突然変異のみを含
むVSVベクターと比較して、一連のマウス、フェレット、およびサル神経毒性試験におい
て評価した。その方法は実施例1に記述されている。マウスはVSV複製を高度に許容し、こ
の特性は、ウイルス増殖および弱毒化の異なるレベルを識別するためにマウスを使用する
ことを可能とする。異なるVSVベクターについて、病原性/弱毒化の明瞭な勾配がマウス
において観察された(表6および表7)。例えば、3'-NPMGL-5、3'-NPMG(ct-1)L-5'、3'-P
NMG(ct-1)L-5'または3'-PMNG(ct-1)L-5'(表6)を頭蓋内接種されたマウスにおけるLD50
は、以下の相対的弱毒化勾配を示した:3'-PMNG(ct-1)L-5'(LD50=2x105)> 3'-PNMG(ct-
1)L-5'(LD50=1x104)> 3'-NPMG(ct-1)L-5'(LD50=14.5)> 3'-NPMGL-5'(LD50=3.2)。
【表6】

【0142】
突然変異を0種類(野生型VSV)、1種類、2種類、3種類および4種類(gag遺伝子挿入)
有するVSVベクターを頭蓋内接種されたマウスにおけるLD50(下記の表7に示す)もまた
、同様の弱毒化勾配を示した。さらに、VSVベクター3'-gag1-PMNG(ct1)L-5'、 3'-gag1-N
(ts)PMGL(ts)-5'、 3'-gag1-NPMGL(ts)-5'、 3'-gag1-NPM(ncp)G(ct1)L-5'、 3'-gag1-PM
NG(ct9)L(ts)-5'および3'-gag1-NPMG(stem)L-5'を頭蓋内接種されたマウスは、死亡を全
く示さなかった。
【表7】

【0143】
同じ一連のベクターを視床内接種したマカクザルの病理組織学データは、非常によく似
た弱毒化勾配を示した。これら動物データの両方のセットは、一連のフェレット神経毒性
試験の結果によって確証された。フェレット神経毒性試験では、感染性ウイルスおよび頭
蓋内接種された動物の脳に存在するゲノムRNAのレベルが、それぞれプラークアッセイお
よびリアルタイムPCRによって定期的に測定された。全体として、これらのデータは、2種
類以上の突然変異の組合せは、1種類のみの突然変異を有するVSVベクターよりも実質的に
大きい弱毒化レベルを有することを示している。マウスLD50力価は、同一のVSVベクター
内に2つの異なる種類の突然変異を組み合わせることは、弱毒化に対して強力な相乗作用
があることを強く示している。
【実施例4】
【0144】
弱毒化VSVベクターの増強された免疫原性
弱毒化VSVベクター3'-gag1-NPM(ncp)G(ct1)L-5'、 3'-gag1-PMNG(ct9)L-5'および3'-ga
g1-N(ts)PMGL(ts)-5'の免疫原性を、VSV原型ベクターである3'-NPMG-gag5-L-5'および3'-
NPMGL-5'と比較した。すなわち、上記VSVベクターの1つを用いて、実施例1に記述するよ
うにマウスを免疫感作した。弱毒化VSVベクターは、原型VSV-Gag5ベクター(3'-NPMG-gag
5-L-5')によって誘導される免疫応答よりも強い免疫応答を誘導した。最も注目すべきは
3'-gag1-PMNG(ct9)L-5'で、プライム後およびブーストした後、ならびに応答のメモリー
期に評価したところ、原型によって誘導されるよりも統計的に有意に高いGag特異的T細胞
頻度を誘導した(表8)。
【表8】

【0145】
3'-gag1-PMNG(ct9)L-5'はIFN-γ分泌も誘導し、これは原型3'-NPMG-gag5-L-5'によって
誘導されるものより高い傾向があった(表9)。3'-gag1-NPM(ncp)G(ct1)L-5'および3'-g
ag1-N(ts)PMGL(ts)-5'への応答もまた、原型3'-NPMG-gag5-L-5'によって誘導されるもの
より高い傾向があった(表9)。
【表9】

【実施例5】
【0146】
アカゲザルにおけるHIV gagを発現する弱毒化VSVベクターの筋肉内および鼻内デリバリー
の免疫原性
HIV gagタンパク質を発現する弱毒化VSVベクターで免疫感作した後にアカゲザル中に誘
導される免疫応答を測定するため、下記の試験が設計された。
【0147】
表10に示す試験は、合計24匹の遺伝子的選択をしていない雄アカゲザルを用いて実施さ
れる。各動物群(すなわち、群1-6)を、下記のVSVベクターの1つを用いて1x107 (pfu)の
用量で筋肉内投与または鼻内投与して免疫感作する:3'-gag1-N(ts)PMGL(ts)-5'(TsN+L)
、3'-gag1-PMNG(ct9)L-5'(N4CT9)または3'-NPMG-gag5-L-5'(Gag5)。
【0148】
表11に示す試験は、合計24匹の遺伝子的選択をしていない雄アカゲザルを用いて実施さ
れる。各動物群(すなわち、群1-8)を、下記のVSVベクターの1つを用いて1x107 (pfu)の
用量で筋肉内投与または鼻内投与して免疫感作する:3'-gag1-NPM(ncp)G(ct1)L-5'(MncpC
T1)、3'-gag1-NPMG(stem)L-5'(G Stem)、3'-gag1-PMNG(ct1)L-5'(N4CT1)または3'-NPMG-g
ag5-L-5'(Gag5)。
【0149】
一般に、以下のアッセイは、全身性および体液性免疫応答ならびに各動物からのVSV排
出を調べるために用いられる。
【0150】
細胞性免疫応答:HIV gagペプチド特異的IFN-γエリスポット応答およびVSV Nペプチド特
異的IFN-γエリスポット応答。体液性免疫応答:ELISAによる血清抗HIV gag抗体力価、EL
ISAによる血清抗VSV抗体力価、および血清抗VSV中和抗体力価。
【表10】

【表11】






【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】図1は、野生型VSV(3'-NPMGL-5')、N遺伝子がシャフリングされたVSV突然変異体(3'-PNMGL-5'[N2]、3'-PMNGL-5'[N3]および3'-PMGNL-5'[N4])、Gタンパク質細胞質尾部(ct)切断VSV突然変異体(3'-NPMG(ct-9)L-5'[CT9]および3'-NPMG(ct-1)L-gag5-5'[CT1-GAG5])およびNシャフリング/Gタンパク質ct切断を組み合わせたVSV突然変異体(3'-PNMG(ct-1)L-5'[N2CT1]、3'-PNMG(ct-9)L-5'[N2CT9]、3'-PMNG(ct-1)L-5'[N3CT1]および3'-PMNG(ct-9)L-5'[N3CT9])の増殖速度論(pfu/ml vs時間)を示す。図中に記載の説明中、"in"という略語はVSVのIndiana株を表す。
【図2】図2は、N遺伝子がシャフリングされたVSV突然変異体(3'-PNMGL-5'、3'-PMNGL-5'および3'-PMGNL-5')の増殖速度論の、野生型VSV(3'-NPMGL-5')およびGタンパク質ct-1 VSV突然変異体(3'-NPMG(ct-9)L-gag5-5')との比較である。
【図3】図3は、Nシャフリング/Gタンパク質ct-1を組み合わせたVSV突然変異体(3'-PNMG(ct-1)L-5'および3'-PMNG(ct-1)L-5')の増殖率の、野生型VSV(3'-NPMGL-5')およびGタンパク質ct-1 VSV突然変異体(3'-NPMG(ct-1)L-gag5-5')との比較である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度感受性(ts)突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変
異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G
遺伝子挿入突然変異および遺伝子欠失突然変異からなる群より選択される少なくとも2つ
の異なる種類の突然変異をゲノム内に含む遺伝子改変された水疱性口内炎ウイルス(VSV)
であって、該2つの突然変異はVSV病原性を相乗的に減衰させる、該VSV。
【請求項2】
病原性が神経毒性である、請求項1に記載のVSV。
【請求項3】
該2つの突然変異が切断型G遺伝子突然変異およびN遺伝子シャフリング突然変異である
、請求項1に記載のVSV。
【請求項4】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
20個を欠失している、請求項3に記載のVSV。
【請求項5】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
28個を欠失している、請求項3に記載のVSV。
【請求項6】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が1個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項3に記載のVSV。
【請求項7】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が9個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項3に記載のVSV。
【請求項8】
該N遺伝子が野生型VSVゲノムの3'-NPMGL-5'と比較して3'-PNMGL-5'または3'-PMNGL-5'
にシャフリングされており、ここでNはヌクレオキャプシドタンパク質をコードする遺伝
子であり、Pはリンタンパク質をコードする遺伝子であり、Mはマトリックスタンパク質を
コードする遺伝子であり、Gは付着糖タンパク質をコードする遺伝子であり、そしてLはRN
A依存性RNAポリメラーゼタンパク質をコードする遺伝子である、請求項3に記載のVSV。
【請求項9】
3'-PNMG(ct-1)L-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-5'および 3'-PMNG(ct-9)L-5
'からなる群より選択される突然変異させたゲノムを含み、ここでNはヌクレオキャプシド
タンパク質をコードする遺伝子であり、Pはリンタンパク質をコードする遺伝子であり、M
はマトリックスタンパク質をコードする遺伝子であり、G(ct-1)はカルボキシ末端アミノ
酸の最後の28個を欠失している付着糖タンパク質をコードする遺伝子であり、G(ct-9)
カルボキシ末端アミノ酸の最後の20個を欠失している付着糖タンパク質をコードする遺伝
子であり、そしてLはRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質をコードする遺伝子である、
請求項3に記載のVSV。
【請求項10】
該突然変異させたゲノムが3'-PMNG(ct-1)L-5'である、請求項9に記載のVSV。
【請求項11】
該突然変異させたゲノムが3'-PNMG(ct-1)L-5'である、請求項9に記載のVSV。
【請求項12】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が温度感受性突然変異、ア
ンビセンスRNA突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、遺伝子欠失突然変異、遺伝子挿入
突然変異または点突然変異である、請求項9に記載のVSV。
【請求項13】
4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された該VSVが、4週齢雌Swiss-Websterマウ
スに頭蓋内投与された野生型VSVよりも100倍大きいLD50を有する、請求項1に記載のVSV

【請求項14】
4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された該VSVが、4週齢雌Swiss-Websterマウ
スに頭蓋内投与された野生型VSVよりも1000倍大きいLD50を有する、請求項1に記載のVSV

【請求項15】
4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された該VSVが、4週齢雌Swiss-Websterマウ
スに頭蓋内投与された野生型VSVよりも10,000倍大きいLD50を有する、請求項1に記載のV
SV。
【請求項16】
4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された該VSVが、4週齢雌Swiss-Websterマウ
スに頭蓋内投与された野生型VSVよりも100,000倍大きいLD50を有する、請求項1に記載の
VSV。
【請求項17】
該2つの突然変異が切断型G遺伝子突然変異および非細胞変性M遺伝子突然変異である、
請求項1に記載のVSV。
【請求項18】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
20個を欠失している、請求項17に記載のVSV。
【請求項19】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
28個を欠失している、請求項17に記載のVSV。
【請求項20】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が1個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項17に記載のVSV。
【請求項21】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が9個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項17に記載のVSV。
【請求項22】
該M遺伝子非細胞変性突然変異(M(ncp))がM遺伝子のメチオニン33およびメチオニン51に
おける突然変異である、請求項17に記載のVSV。
【請求項23】
突然変異させたゲノム3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'または3'-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'を含む、
請求項17に記載のVSV。
【請求項24】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が温度感受性突然変異、ア
ンビセンスRNA突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、遺伝子欠失突然変異、遺伝子挿
入突然変異、G遺伝子挿入突然変異、Gステム突然変異または点突然変異である、請求項1
7に記載のVSV。
【請求項25】
該2つの突然変異がN遺伝子温度感受性突然変異(N(ts))およびL遺伝子温度感受性突然変
異(L(ts))である、請求項1に記載のVSV。
【請求項26】
突然変異させたゲノム3'-N(ts)PMGL(ts)-5'を含む、請求項25に記載のVSV。
【請求項27】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が点突然変異、遺伝子シャ
フリング突然変異、Gステム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突
然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異である
、請求項25に記載のVSV。
【請求項28】
突然変異の1つの種類がGステム突然変異である、請求項1に記載のVSV。
【請求項29】
温度感受性突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変異、
非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝
子挿入突然変異および遺伝子欠失突然変異からなる群より選択される少なくとも2つの異
なる種類の突然変異をゲノム内に含み、かつVSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入され
た又はこれと置換された少なくとも1つの外来RNA配列を含む、遺伝子改変されたVSVベク
ターであって、該2つの突然変異はVSV病原性を相乗的に減衰させる、該VSVベクター。
【請求項30】
病原性が神経毒性である、請求項29に記載のベクター。
【請求項31】
該外来RNAがオープン・リーディング・フレーム(ORF)である、請求項29に記載のベク
ター。
【請求項32】
該2つの突然変異が切断型G遺伝子突然変異およびN遺伝子シャフリング突然変異である
、請求項29に記載のベクター。
【請求項33】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
20個を欠失している、請求項32に記載のベクター。
【請求項34】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
28個を欠失している、請求項32に記載のベクター。
【請求項35】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が1個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項32に記載のベクター。
【請求項36】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が9個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項32に記載のベクター。
【請求項37】
該N遺伝子が野生型VSVゲノムの3'-NPMGL-5'と比較して3'-PNMGL-5'または3'-PMNGL-5'
にシャフリングされており、ここでNはヌクレオキャプシドタンパク質をコードする遺伝
子であり、Pはリンタンパク質をコードする遺伝子であり、Mはマトリックスタンパク質を
コードする遺伝子であり、Gは付着糖タンパク質をコードする遺伝子であり、そしてLはRN
A依存性RNAポリメラーゼタンパク質をコードする遺伝子である、請求項32に記載のベク
ター。
【請求項38】
3'-PNMG(ct-1)L-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-5'および 3'-PMNG(ct-9)L
-5'からなる群より選択される突然変異させたゲノムを含み、ここでNはヌクレオキャプシ
ドタンパク質をコードする遺伝子であり、Pはリンタンパク質をコードする遺伝子であり
、Mはマトリックスタンパク質をコードする遺伝子であり、G(ct-1)はカルボキシ末端アミ
ノ酸の最後の28個を欠失している付着糖タンパク質をコードする遺伝子であり、G(ct-9)
はカルボキシ末端アミノ酸の最後の20個を欠失している付着糖タンパク質をコードする遺
伝子であり、そしてLはRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質をコードする遺伝子である
、請求項32に記載のベクター。
【請求項39】
該突然変異させたゲノムが3'-PMNG(ct-1)L-5'である、請求項38に記載のベクター。
【請求項40】
該突然変異させたゲノムが3'-PNMG(ct-1)L-5'である、請求項38に記載のベクター。
【請求項41】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が温度感受性突然変異、点
突然変異、アンビセンスRNA突然変異、遺伝子欠失突然変異、遺伝子挿入突然変異または
非細胞変性M遺伝子突然変異である、請求項38に記載のベクター。
【請求項42】
4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された該VSVが、4週齢雌Swiss-Websterマウ
スに頭蓋内投与された野生型VSVよりも100倍大きいLD50を有する、請求項32に記載のベ
クター。
【請求項43】
4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された該VSVが、4週齢雌Swiss-Websterマウ
スに頭蓋内投与された野生型VSVよりも1000倍大きいLD50を有する、請求項32に記載の
ベクター。
【請求項44】
4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された該VSVが、4週齢雌Swiss-Websterマウ
スに頭蓋内投与された野生型VSVよりも10,000倍大きいLD50を有する、請求項32に記載
のベクター。
【請求項45】
4週齢雌Swiss-Websterマウスに頭蓋内投与された該VSVが、4週齢雌Swiss-Websterマウ
スに頭蓋内投与された野生型VSVよりも100,000倍大きいLD50を有する、請求項32に記載
のベクター。
【請求項46】
該外来RNAがHIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、HSV遺伝子、
CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝子、ムンプ
スウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポリオウイル
ス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス遺伝子、C
型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、アルファウ
イルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウイルス遺伝
子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝子、メタニ
ューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌(Vibrio cholerae)遺伝子、肺
炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)遺伝子、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)
遺伝子、ピロリ菌(Helicobacter pylori)遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ(
Streptococcus agalactiae)遺伝子、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)遺伝子、淋菌(Ne
isseria gonorrheae)遺伝子、ジフテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)遺伝子、破傷
風菌(Clostridium tetani)遺伝子、百日咳菌(Bordetella pertussis)遺伝子、ヘモフィル
ス菌(Haemophilus)遺伝子、クラミジア菌(Chlamydia)遺伝子、大腸菌(Escherichia c
oli)遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子、Tヘルパーエピトープをコードする遺伝
子、CTLエピトープをコードする遺伝子、アジュバントをコードする遺伝子および補助因
子をコードする遺伝子からなる群より選択される、請求項32に記載のベクター。
【請求項47】
HIV遺伝子がgag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revまたはvpuからなる群より選択さ
れる、請求項46に記載のベクター。
【請求項48】
該HIV遺伝子がgagである、請求項47に記載のベクター。
【請求項49】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-PNMG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-gag1
-PMNG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PMNG(ct-9)L-5'、 3'-PNMG(ct-1)L-gag5-5'、 3'-PNMG(ct-9)
L-gag5-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-gag5-5'または3'- PMNG(ct-9)L-gag5-5'である、請求項4
8に記載のベクター。
【請求項50】
該2つの突然変異が切断型G遺伝子突然変異および非細胞変性M遺伝子突然変異である、
請求項29に記載のベクター。
【請求項51】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
28個を欠失している、請求項50に記載のベクター。
【請求項52】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が1個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項50に記載のベクター。
【請求項53】
該M遺伝子非細胞変性突然変異(M(ncp))がM遺伝子のメチオニン33およびメチオニン51に
おける突然変異である、請求項50に記載のベクター。
【請求項54】
突然変異させたゲノム3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'または3'-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'を含む、
請求項50に記載のVSV。
【請求項55】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が温度感受性突然変異、点
突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変異、アンビセンスRNA突然変異、
G遺伝子挿入突然変異、または遺伝子欠失突然変異である、請求項50に記載のベクター

【請求項56】
該外来RNAがHIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、HSV遺伝子、
CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝子、ムンプ
スウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポリオウイル
ス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス遺伝子、C
型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、アルファウ
イルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウイルス遺伝
子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝子、メタニ
ューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌(Vibrio cholerae)遺伝子、肺
炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)遺伝子、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)
遺伝子、ピロリ菌(Helicobacter pylori)遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ(
Streptococcus agalactiae)遺伝子、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)遺伝子、淋菌(Ne
isseria gonorrheae)遺伝子、ジフテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)遺伝子、破傷
風菌(Clostridium tetani)遺伝子、百日咳菌(Bordetella pertussis)遺伝子、ヘモフィル
ス菌(Haemophilus)遺伝子、クラミジア菌(Chlamydia)遺伝子、大腸菌(Escherichia c
oli)遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子、Tヘルパーエピトープをコードする遺伝
子、CTLエピトープをコードする遺伝子、アジュバントをコードする遺伝子および補助因
子をコードする遺伝子からなる群より選択される、請求項50に記載のベクター。
【請求項57】
HIV遺伝子がgag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revまたはvpuからなる群より選択さ
れる、請求項56に記載のベクター。
【請求項58】
該HIV遺伝子がgagである、請求項57に記載のベクター。
【請求項59】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'、3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'
、3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-gag5-5'または3'-NPM(ncp)G(ct-9)L-gag5-5'である、請求項58
に記載のベクター。
【請求項60】
該2つの突然変異がN遺伝子温度感受性突然変異(N(ts))およびL遺伝子温度感受性突然変
異(L(ts))である、請求項29に記載のベクター。
【請求項61】
突然変異させたゲノム3'-N(ts)PMGL(ts)-5'を含む、請求項60に記載のベクター。
【請求項62】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が点突然変異、遺伝子シャ
フリング突然変異、Gステム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突
然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異である
、請求項60に記載のベクター。
【請求項63】
該外来RNAがHIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、HSV遺伝子、
CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝子、ムンプ
スウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポリオウイル
ス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス遺伝子、C
型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、アルファウ
イルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウイルス遺伝
子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝子、メタニ
ューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌(Vibrio cholerae)遺伝子、肺
炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)遺伝子、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)
遺伝子、ピロリ菌(Helicobacter pylori)遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ(
Streptococcus agalactiae)遺伝子、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)遺伝子、淋菌(Ne
isseria gonorrheae)遺伝子、ジフテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)遺伝子、破傷
風菌(Clostridium tetani)遺伝子、百日咳菌(Bordetella pertussis)遺伝子、ヘモフィル
ス菌(Haemophilus)遺伝子、クラミジア菌(Chlamydia)遺伝子、大腸菌(Escherichia c
oli)遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子、Tヘルパーエピトープをコードする遺伝
子、CTLエピトープをコードする遺伝子、アジュバントをコードする遺伝子および補助因
子をコードする遺伝子からなる群より選択される、請求項60に記載のベクター。
【請求項64】
HIV遺伝子がgag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revまたはvpuからなる群より選択さ
れる、請求項63に記載のベクター。
【請求項65】
該HIV遺伝子がgagである、請求項64に記載のベクター。
【請求項66】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-N(ts)PMGL(ts)-5'または3'-N(ts)PMGL(ts)-gag5-5'で
ある、請求項65に記載のベクター。
【請求項67】
該2つの突然変異がGステム突然変異(G(stem))および遺伝子シャフリング突然変異であ
る、請求項29に記載のベクター。
【請求項68】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-NPMG(stem)L-5'である、請求項67に記載のベクター

【請求項69】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が点突然変異、温度感受性
突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA
突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異であ
る、請求項68に記載のベクター。
【請求項70】
該外来RNAがHIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、HSV遺伝子、
CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝子、ムンプ
スウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポリオウイル
ス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス遺伝子、C
型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、アルファウ
イルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウイルス遺伝
子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝子、メタニ
ューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌(Vibrio cholerae)遺伝子、肺
炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)遺伝子、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)
遺伝子、ピロリ菌(Helicobacter pylori)遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ(
Streptococcus agalactiae)遺伝子、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)遺伝子、淋菌(Ne
isseria gonorrheae)遺伝子、ジフテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)遺伝子、破傷
風菌(Clostridium tetani)遺伝子、百日咳菌(Bordetella pertussis)遺伝子、ヘモフィル
ス菌(Haemophilus)遺伝子、クラミジア菌(Chlamydia)遺伝子、大腸菌(Escherichia c
oli)遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子、Tヘルパーエピトープをコードする遺伝
子、CTLエピトープをコードする遺伝子、アジュバントをコードする遺伝子および補助因
子をコードする遺伝子からなる群より選択される、請求項67に記載のベクター。
【請求項71】
温度感受性突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変異、
非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝
子挿入突然変異および遺伝子欠失突然変異からなる群より選択される少なくとも2つの異
なる種類の突然変異をゲノム内に含み、かつVSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入され
た又はこれと置換された少なくとも1つの外来RNA配列を含む遺伝子改変されたVSVベクタ
ーの免疫原性用量(immunogenic dose)を含む免疫原性組成物であって、該2つの突然変異
はVSV病原性を相乗的に減衰させる、該免疫原性組成物。
【請求項72】
病原性が神経毒性である、請求項71に記載の免疫原性組成物。
【請求項73】
該外来RNAがオープン・リーディング・フレーム(ORF)である、請求項71に記載の免疫
原性組成物。
【請求項74】
該2つの突然変異が切断型G遺伝子突然変異およびN遺伝子シャフリング突然変異である
、請求項71に記載の免疫原性組成物。
【請求項75】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
20個を欠失している、請求項74に記載の免疫原性組成物。
【請求項76】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
28個を欠失している、請求項74に記載の免疫原性組成物。
【請求項77】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が1個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項74に記載の免疫原性組成物。
【請求項78】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が9個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項74に記載の免疫原性組成物。
【請求項79】
該N遺伝子が野生型VSVゲノムの3'-NPMGL-5'と比較して3'-PNMGL-5'または3'-PMNGL-5'
にシャフリングされており、ここでNはヌクレオキャプシドタンパク質をコードする遺伝
子であり、Pはリンタンパク質をコードする遺伝子であり、Mはマトリックスタンパク質を
コードする遺伝子であり、Gは付着糖タンパク質をコードする遺伝子であり、そしてLはRN
A依存性RNAポリメラーゼタンパク質をコードする遺伝子である、請求項74に記載の免疫
原性組成物。
【請求項80】
3'-PNMG(ct-1)L-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-5'および 3'-PMNG(ct-9)L
-5'からなる群より選択される突然変異させたゲノムを含み、ここでNはヌクレオキャプシ
ドタンパク質をコードする遺伝子であり、Pはリンタンパク質をコードする遺伝子であり
、Mはマトリックスタンパク質をコードする遺伝子であり、G(ct-1)はカルボキシ末端アミ
ノ酸の最後の28個を欠失している付着糖タンパク質をコードする遺伝子であり、G(ct-9)
はカルボキシ末端アミノ酸の最後の20個を欠失している付着糖タンパク質をコードする遺
伝子であり、そしてLはRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質をコードする遺伝子である
、請求項74に記載の免疫原性組成物。
【請求項81】
該突然変異させたゲノムが3'-PMNG(ct-1)L-5'である、請求項80に記載の免疫原性組
成物。
【請求項82】
該突然変異させたゲノムが3'-PNMG(ct-1)L-5'である、請求項80に記載の免疫原性組
成物。
【請求項83】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が温度感受性突然変異、点
突然変異、アンビセンスRNA突然変異、遺伝子欠失突然変異、遺伝子挿入突然変異または
非細胞変性M遺伝子突然変異である、請求項80に記載の免疫原性組成物。
【請求項84】
該外来RNAがHIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、HSV遺伝子、
CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝子、ムンプ
スウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポリオウイル
ス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス遺伝子、C
型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、アルファウ
イルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウイルス遺伝
子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝子、メタニ
ューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌(Vibrio cholerae)遺伝子、肺
炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)遺伝子、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)
遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)遺伝子、ピロリ
菌(Helicobacter pylori)遺伝子、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)遺伝子、淋菌(Ne
isseria gonorrheae)遺伝子、ジフテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)遺伝子、破傷
風菌(Clostridium tetani)遺伝子、百日咳菌(Bordetella pertussis)遺伝子、ヘモフィル
ス菌(Haemophilus)遺伝子、クラミジア菌(Chlamydia)遺伝子、大腸菌(Escherichia coli)
遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子、Tヘルパーエピトープをコードする遺伝子、C
TLエピトープをコードする遺伝子、アジュバントをコードする遺伝子および補助因子をコ
ードする遺伝子からなる群より選択される、請求項71に記載の免疫原性組成物。
【請求項85】
HIV遺伝子がgag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revまたはvpuからなる群より選択さ
れる、請求項84に記載の免疫原性組成物。
【請求項86】
該HIV遺伝子がgagである、請求項85に記載の免疫原性組成物。
【請求項87】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-PNMG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-gag1
-PMNG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PMNG(ct-9)L-5'、 3'-PNMG(ct-1)L-gag5-5'、 3'-PNMG(ct-9)
L-gag5-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-gag5-5'または3'- PMNG(ct-9)L-gag5-5'である、請求項8
6に記載の免疫原性組成物。
【請求項88】
該組成物が静脈内、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、経口、直腸、鼻内、頬、膣および生
体外(ex vivo)からなる群より選択される経路により投与される、請求項71に記載の
免疫原性組成物。
【請求項89】
該2つの突然変異が切断型G遺伝子突然変異および非細胞変性M遺伝子突然変異である、
請求項71に記載の免疫原性組成物。
【請求項90】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
28個を欠失している、請求項89に記載の免疫原性組成物。
【請求項91】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が1個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項89に記載の免疫原性組成物。
【請求項92】
該M遺伝子非細胞変性突然変異(M(ncp))がM遺伝子のメチオニン33およびメチオニン51に
おける突然変異である、請求項89に記載の免疫原性組成物。
【請求項93】
突然変異させたゲノム3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'または3'-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'を含む、
請求項89に記載の免疫原性組成物。
【請求項94】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が温度感受性突然変異、点
突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変異、アンビセンスRNA突然変異、
G遺伝子挿入突然変異、または遺伝子欠失突然変異である、請求項89に記載の免疫原性
組成物。
【請求項95】
該外来RNAがHIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、HSV遺伝子、
CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝子、ムンプ
スウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポリオウイル
ス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス遺伝子、C
型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、アルファウ
イルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウイルス遺伝
子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝子、メタニ
ューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌(Vibrio cholerae)遺伝子、肺
炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)遺伝子、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)
遺伝子、ピロリ菌(Helicobacter pylori)遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ(
Streptococcus agalactiae)遺伝子、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)遺伝子、淋菌(Ne
isseria gonorrheae)遺伝子、ジフテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)遺伝子、破傷
風菌(Clostridium tetani)遺伝子、百日咳菌(Bordetella pertussis)遺伝子、ヘモフィル
ス菌(Haemophilus)遺伝子、クラミジア菌(Chlamydia)遺伝子、大腸菌(Escherichia coli)
遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子、Tヘルパーエピトープをコードする遺伝子、C
TLエピトープをコードする遺伝子、アジュバントをコードする遺伝子および補助因子をコ
ードする遺伝子からなる群より選択される、請求項89に記載の免疫原性組成物。
【請求項96】
HIV遺伝子がgag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revまたはvpuからなる群より選択さ
れる、請求項95に記載の免疫原性組成物。
【請求項97】
該HIV遺伝子がgagである、請求項96に記載の免疫原性組成物。
【請求項98】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'、3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'
、3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-gag5-5'または3'-NPM(ncp)G(ct-9)L-gag5-5'である、請求項97
に記載の免疫原性組成物。
【請求項99】
該2つの突然変異がN遺伝子温度感受性突然変異(N(ts))およびL遺伝子温度感受性突然変
異(L(ts))である、請求項71に記載の免疫原性組成物。
【請求項100】
突然変異させたゲノム3'-N(ts)PMGL(ts)-5'を含む、請求項99に記載の免疫原性組成
物。
【請求項101】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が点突然変異、遺伝子シャ
フリング突然変異、Gステム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突
然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異である
、請求項99に記載の免疫原性組成物。
【請求項102】
該外来RNAがHIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、HSV遺伝子、
CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝子、ムンプ
スウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポリオウイル
ス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス遺伝子、C
型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、アルファウ
イルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウイルス遺伝
子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝子、メタニ
ューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌(Vibrio cholerae)遺伝子、肺
炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)遺伝子、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)
遺伝子、ピロリ菌(Helicobacter pylori)遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ(
Streptococcus agalactiae)遺伝子、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)遺伝子、淋菌(Ne
isseria gonorrheae)遺伝子、ジフテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)遺伝子、破傷
風菌(Clostridium tetani)遺伝子、百日咳菌(Bordetella pertussis)遺伝子、ヘモフィル
ス菌(Haemophilus)遺伝子、クラミジア菌(Chlamydia)遺伝子、大腸菌(Escherichia coli)
遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子、Tヘルパーエピトープをコードする遺伝子、C
TLエピトープをコードする遺伝子、アジュバントをコードする遺伝子および補助因子をコ
ードする遺伝子からなる群より選択される、請求項99に記載の免疫原性組成物。
【請求項103】
HIV遺伝子がgag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revまたはvpuからなる群より選択さ
れる、請求項102に記載の免疫原性組成物。
【請求項104】
該HIV遺伝子がgagである、請求項103に記載の免疫原性組成物。
【請求項105】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-N(ts)PMGL(ts)-5'または3'-N(ts)PMGL(ts)-gag5-5'で
ある、請求項104に記載の免疫原性組成物。
【請求項106】
該2つの突然変異がG(stem)突然変異および遺伝子シャフリング突然変異である、請求項
71に記載の免疫原性組成物。
【請求項107】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-NPMG(stem)L-5'である、請求項106に記載の免疫原
性組成物。
【請求項108】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が点突然変異、温度感受性
突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA
突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異であ
る、請求項106に記載の免疫原性組成物。
【請求項109】
該外来RNAがHIV遺伝子、HTLV遺伝子、SIV遺伝子、RSV遺伝子、PIV遺伝子、HSV遺伝子、
CMV遺伝子、エプスタイン・バーウイルス遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルス遺伝子、ムンプ
スウイルス遺伝子、麻疹ウイルス遺伝子、インフルエンザウイルス遺伝子、ポリオウイル
ス遺伝子、ライノウイルス遺伝子、A型肝炎ウイルス遺伝子、B型肝炎ウイルス遺伝子、C
型肝炎ウイルス遺伝子、ノーウォークウイルス遺伝子、トガウイルス遺伝子、アルファウ
イルス遺伝子、風疹ウイルス遺伝子、狂犬病ウイルス遺伝子、マールブルグウイルス遺伝
子、エボラウイルス遺伝子、乳頭腫ウイルス遺伝子、ポリオーマウイルス遺伝子、メタニ
ューモウイルス遺伝子、コロナウイルス遺伝子、コレラ菌(Vibrio cholerae)遺伝子、肺
炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)遺伝子、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)
遺伝子、ピロリ菌(Helicobacter pylori)遺伝子、ストレプトコッカス・アガラクチエ(
Streptococcus agalactiae)遺伝子、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)遺伝子、淋菌(Ne
isseria gonorrheae)遺伝子、ジフテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)遺伝子、破傷
風菌(Clostridium tetani)遺伝子、百日咳菌(Bordetella pertussis)遺伝子、ヘモフィル
ス菌(Haemophilus)遺伝子、クラミジア菌(Chlamydia)遺伝子、大腸菌(Escherichia coli)
遺伝子、サイトカインをコードする遺伝子、Tヘルパーエピトープをコードする遺伝子、C
TLエピトープをコードする遺伝子、アジュバントをコードする遺伝子および補助因子をコ
ードする遺伝子からなる群より選択される、請求項108に記載のベクター。
【請求項110】
哺乳動物宿主を細菌感染に対して免疫感作する方法であって、遺伝子改変されたVSVベ
クターの免疫原性用量を投与することを含んでなり、該ベクターは:
(a)温度感受性突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変
異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G
遺伝子挿入突然変異および遺伝子欠失突然変異からなる群より選択される少なくとも2つ
の異なる種類の突然変異をゲノム内に含み、ここで該2つの突然変異はVSV病原性を相乗的
に減衰させるものであり;かつ
(b)VSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又はこれと置換された少なくとも1つ
の外来RNA配列を含み、ここで該RNAはコレラ菌(Vibrio cholerae)タンパク質、肺炎連鎖
球菌(Streptococcus pneumoniae)タンパク質、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)タ
ンパク質、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)タンパク質、
ピロリ菌(Helicobacter pylori)タンパク質、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)タン
パク質、淋菌(Neisseria gonorrheae)タンパク質、ジフテリア菌(Corynebacteria diphth
eriae)タンパク質、破傷風菌(Clostridium tetani)タンパク質、百日咳菌(Bordetella pe
rtussis)タンパク質、ヘモフィルス菌(Haemophilus)タンパク質、クラミジア菌(Chlamydi
a)タンパク質および大腸菌(Escherichia coli)タンパク質からなる群より選択される細菌
タンパク質をコードするものである;
該方法。
【請求項111】
該2つの突然変異が切断型G遺伝子突然変異およびN遺伝子シャフリング突然変異である
、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
20個を欠失している、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
28個を欠失している、請求項111に記載の方法。
【請求項114】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が1個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項111に記載の方法。
【請求項115】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が9個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項111に記載の方法。
【請求項116】
該N遺伝子が野生型VSVゲノムの3'-NPMGL-5'と比較して3'-PNMGL-5'または3'-PMNGL-5'
にシャフリングされている、請求項111に記載の方法。
【請求項117】
3'-PNMG(ct-1)L-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-5'および 3'-PMNG(ct-9)L
-5'からなる群より選択される突然変異させたゲノムを含む、請求項111に記載の方法

【請求項118】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が温度感受性突然変異、点
突然変異、アンビセンスRNA突然変異、遺伝子欠失突然変異、遺伝子挿入突然変異または
非細胞変性M遺伝子突然変異である、請求項103に記載の方法。
【請求項119】
哺乳動物宿主をウイルス感染に対して免疫感作する方法であって、遺伝子改変されたVS
Vベクターの免疫原性用量を投与することを含んでなり、該ベクターは:
(a)温度感受性突然変異、点突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変
異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G
遺伝子挿入突然変異および遺伝子欠失突然変異からなる群より選択される少なくとも2つ
の異なる種類の突然変異をゲノム内に含み、ここで該2つの突然変異はVSV病原性を相乗的
に減衰させるものであり;かつ
(b)VSVゲノムの複製に非必須の領域に挿入された又はこれと置換された少なくとも1つ
の外来RNA配列を含み、ここで該RNAはHIVタンパク質、HTLVタンパク質、SIVタンパク質、
RSVタンパク質、PIVタンパク質、HSVタンパク質、CMVタンパク質、エプスタイン・バーウ
イルスタンパク質、水痘帯状疱疹ウイルスタンパク質、ムンプスウイルスタンパク質、麻
疹ウイルスタンパク質、インフルエンザウイルスタンパク質、ポリオウイルスタンパク質
、ライノウイルスタンパク質、A型肝炎ウイルスタンパク質、B型肝炎ウイルスタンパク質
、C型肝炎ウイルスタンパク質、ノーウォークウイルスタンパク質、トガウイルスタンパ
ク質、アルファウイルスタンパク質、風疹ウイルスタンパク質、狂犬病ウイルスタンパク
質、マールブルグウイルスタンパク質、エボラウイルスタンパク質、乳頭腫ウイルスタン
パク質、ポリオーマウイルスタンパク質、メタニューモウイルスタンパク質およびコロナ
ウイルスタンパク質からなる群より選択されるウイルスタンパク質をコードするものであ
る;
該方法。
【請求項120】
該RNAがgag、env、pol、vif、nef、tat、vpr、revまたはvpuからなる群より選択される
HIV遺伝子である、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
該HIV遺伝子がgagである、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
該2つの突然変異が切断型G遺伝子突然変異およびN遺伝子シャフリング突然変異である
、請求項119に記載の方法。
【請求項123】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
20個を欠失している、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
28個を欠失している、請求項122に記載の方法。
【請求項125】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が1個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項122に記載の方法。
【請求項126】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が9個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項122に記載の方法。
【請求項127】
該N遺伝子が野生型VSVゲノムの3'-NPMGL-5'と比較して3'-PNMGL-5'または3'-PMNGL-5'
にシャフリングされている、請求項122に記載の方法。
【請求項128】
3'-PNMG(ct-1)L-5'、 3'-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-5'および 3'-PMNG(ct-9)L
-5'からなる群より選択される突然変異させたゲノムを含む、請求項122に記載の方法

【請求項129】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が温度感受性突然変異、点
突然変異、アンビセンスRNA突然変異、遺伝子欠失突然変異、遺伝子挿入突然変異または
非細胞変性M遺伝子突然変異である、請求項122に記載の方法。
【請求項130】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-PNMG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PNMG(ct-9)L-5'、 3'-gag1
-PMNG(ct-1)L-5'、3'-gag1-PMNG(ct-9)L-5'、 3'-PNMG(ct-1)L-gag5-5'、 3'-PNMG(ct-9)
L-gag5-5'、 3'-PMNG(ct-1)L-gag5-5'または3'- PMNG(ct-9)L-gag5-5'である、請求項1
22に記載の方法。
【請求項131】
該2つの突然変異が切断型G遺伝子突然変異および非細胞変性M遺伝子突然変異である、
請求項119に記載の方法。
【請求項132】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質がカルボキシ末端アミノ酸の最後の
28個を欠失している、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
該切断型G遺伝子によってコードされるGタンパク質が1個のアミノ酸からなる細胞質尾
部ドメインを有する、請求項131に記載の方法。
【請求項134】
該M遺伝子非細胞変性突然変異(M(ncp))がM遺伝子のメチオニン33およびメチオニン51に
おける突然変異である、請求項131に記載の方法。
【請求項135】
突然変異させたゲノム3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'または3'-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'を含む、
請求項131に記載の方法。
【請求項136】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が温度感受性突然変異、点
突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、Gステム突然変異、アンビセンスRNA突然変異、
G遺伝子挿入突然変異、または遺伝子欠失突然変異である、請求項123に記載の方法。
【請求項137】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-1)L-5'、3'-gag1-NPM(ncp)G(ct-9)L-5'
、3'-NPM(ncp)G(ct-1)L-gag5-5'または3'-NPM(ncp)G(ct-9)L-gag5-5'である、請求項12
3に記載の方法。
【請求項138】
該2つの突然変異がN遺伝子温度感受性突然変異(N(ts))およびL遺伝子温度感受性突然変
異(L(ts))である、請求項119に記載の方法。
【請求項139】
突然変異させたゲノム3'-N(ts)PMGL(ts)-5'を含む、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が点突然変異、遺伝子シャ
フリング突然変異、Gステム突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA突
然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異である
、請求項138に記載の方法。
【請求項141】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-N(ts)PMGL(ts)-5'または3'-N(ts)PMGL(ts)-gag5-5'で
ある、請求項139に記載の方法。
【請求項142】
該2つの突然変異がG(stem)突然変異および遺伝子シャフリング突然変異である、請求項
119に記載の方法。
【請求項143】
突然変異させたゲノムが3'-gag1-NPMG(stem)L-5'である、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
ゲノム内に第3の種類の突然変異をさらに含み、該突然変異が点突然変異、温度感受性
突然変異、遺伝子シャフリング突然変異、非細胞変性M遺伝子突然変異、アンビセンスRNA
突然変異、切断型G遺伝子突然変異、G遺伝子挿入突然変異または遺伝子欠失突然変異であ
る、請求項142に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−244825(P2011−244825A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152938(P2011−152938)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【分割の表示】特願2007−507434(P2007−507434)の分割
【原出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】