Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
水系無機コーティング剤
説明

水系無機コーティング剤

【課題】防汚性、耐候性、光沢維持性、耐熱性等に優れた室温硬化型の水系無機コーティング剤を提供する。
【解決手段】コーティング剤の有効成分として、膨潤性粘土鉱物が100重量部、ケイ酸アルカリがその有効固形成分で2〜25重量部を水を溶媒として調合することで、防汚性、耐候性、耐熱性等に優れた室温硬化型の水系無機コーティング剤を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に建築用壁材や各種構造物の表面に塗布することで、優れた防汚性、耐候性、光沢維持性、耐熱性の機能を付与することのできる室温硬化型の水系無機コーティング剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
防汚性、耐候性、光沢維持性、耐熱性に優れたコーティング剤としては、その塗膜が雨水で汚れが洗い流されるよう親水性を呈し、かつ優れた耐候性、光沢維持性、耐熱性を兼ね備えた材料として無機系のコーティング剤が挙げられる。その中で、室温硬化型としては、水ガラスに硬化剤を添加した系、アルコキシシランの加水分解による架橋反応を利用した系、およびコロイダルシリカを主原料とした系が代表的なコーティング剤として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
水ガラスに硬化剤を添加した系の特許文献は、以下の通り。
【特許文献1】特開昭49-016690
【特許文献2】特開昭50-002031
【特許文献3】特開2001-240773いずれも水ガラス系塗料の本質的欠点である耐水性が良くないことに加え、空気中の炭酸ガスとの反応による白化現象が避けられない等の欠点は解決されていないことに加え、クラックが入りやすい欠点を有している。
【0004】
アルコキシシランの加水分解による架橋反応を利用した系の特許文献は、以下の通り。
【特許文献4】特開2002-265924
【特許文献5】特開2009-144088アルコキシシランを利用するコーティング剤は、厚膜形成が難しく、また高価である。さらにそのコーティング剤の毒性が強く汎用的な普及には至っていない。
【0005】
コロイダルシリカを主原料とした系の特許文献は、以下の通り。
【特許文献6】特願2001-249080
【特許文献7】特開2003-26959コロイダルシリカを主原料としたコーティング剤は、造膜性が悪い点に加え、耐水性が劣るため長期使用に耐えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
室温硬化型の水系無機コーティング剤において、水ガラスに硬化剤を添加した系、アルコキシシランの加水分解による架橋反応を利用した系、およびコロイダルシリカを主原料とした系の欠点を克服した防汚性、耐候性、光沢維持性、耐熱性に優れたコーティング剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以上の目的を達成するために、最適な材料およびその配合比を鋭意検討した。検討を進める中で、ケイ酸アルカリを主成分とした場合では、いかなる硬化剤を添加したとしても、室温乾燥で水ガラス系の欠点である耐水性の悪さ、白化現象およびクラックが入りやすい欠点を克服することはできなかった。そこで、ケイ酸アルカリの硬化剤となりうるものの中から、それ自体に造膜性が高いものを選定し、逆転の発想で、その硬化剤を主成分としてケイ酸アルカリを少量添加したらどうなるかを試行した。
【0008】
その結果、膨潤性粘土鉱物が100重量部、ケイ酸アルカリがその有効固形成分で2〜25重量部の比率の成分を水に溶解してなるコーティング剤を見出すに至った。
【発明の効果】
【0009】
膨潤性粘土鉱物の粒径をナノオーダーに微細化すれば、当該コーティング剤を塗布後、自然乾燥によって形成された皮膜は透明で、被着体の外観や風合いを大きく損なうことはない。また、その塗膜表面は良好な親水性を呈し、付着した汚れは雨で流れ落ち易くなるため美観維持性に優れている。また、完全無機質の塗膜であるため、耐候性、光沢維持性、耐熱性等に優れている。
【0010】
さらに当該コーティング剤は、水ガラスに硬化剤を添加した系の耐水性の悪さ、白化現象、およびクラックが入りやすい欠点が解消されており、アルコキシシランの加水分解による架橋反応を利用した系の欠点克服、即ち厚膜形成が可能で、安価かつ安全性が高く、コロイダルシリカを主原料とした系の欠点である造膜性についても良好である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
膨潤性粘土鉱物、ケイ酸アルカリ以外の成分についは、特に制限されるものではなく、目的に応じて添加することができる。例えば、着色のための顔料や染料、および、光触媒や抗菌剤、防カビ剤等の機能性を付与するための成分などである。ただし、これらの添加量は膨潤性粘土鉱物の重量以下とすることが望ましい。過剰に添加すると、良好な皮膜形成ができなくなるためである。
【0012】
組成において、ケイ酸アルカリの有効固形成分が膨潤性粘土鉱物100重量部に対し、2重量部未満の場合、耐水性が悪く、雨等にさらされた状態が続くと皮膜が流れてしまう。一方、25重量部を超えた場合は、皮膜形成がうまくいかず少しの外力で粉状に取れてしまうことに加え、白化現象が現れるようになる。
【0013】
ここで、膨潤性粘土鉱物としては、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト、モンモリナイト、スメクタイト、バーミキュライト、雲母系膨潤性粘土鉱物等が挙げられる。
【0014】
ケイ酸アルカリの具体例としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸アンモン、ケイ酸アミンなどを例示できる。
【実施例】
【0015】
[テスト方法]
以下の5種類の配合処方にて、コーティング剤を調合し、タイル面に塗布、自然乾燥させた5種類のテストサンプルを用意。各テストサンプルをサンシャインウェザーメーターを使用して促進耐候試験1500時間を行い、暴露前後の塗膜状態、および光沢の変化を評価した。
【0016】
<配合1>
モンモリナイト100重量部に対して、ケイ酸ナトリウムがその有効固形成分で5重量部の比率で水に溶解させたコーティング剤を調合した。なお、水の量は固形分が4重量%となるように調整。
【0017】
<配合2>
サポナイト100重量部に対して、ケイ酸リチウムがその有効固形成分で10重量部の比率で水に溶解させたコーティング剤を調合した。なお、水の量は固形分が4重量%となるように調整。
【0018】
<配合3>
スメクタイト100重量部に対して、ケイ酸カリウムがその有効固形成分で20重量部の比率で水に溶解させたコーティング剤を調合した。なお、水の量は固形分が4重量%となるように調整。
【0019】
<配合4(比較例)>
サポナイト100重量部に対して、ケイ酸リチウムがその有効固形成分で1重量部の比率で水に溶解させたコーティング剤を調合した。なお、水の量は固形分が4重量%となるように調整。
【0020】
<配合5(比較例)>
サポナイト100重量部に対して、ケイ酸リチウムがその有効固形成分で30重量部の比率で水に溶解させたコーティング剤を調合した。なお、水の量は固形分が4重量%となるように調整。
【0021】
[テスト結果]
テスト結果を以下に示す。
【0022】
<配合1>
塗膜状態:促進耐候試験前後共に良好
促進耐候試験後の光沢保持率:97%
【0023】
<配合2>
塗膜状態:促進耐候試験前後共に良好
促進耐候試験後の光沢保持率:98%
【0024】
<配合3>
塗膜状態:促進耐候試験前後共に良好
促進耐候試験後の光沢保持率:98%
【0025】
<配合4(比較例)>
塗膜状態:促進耐候試験前の塗膜は良好。ただし、試験後は塗膜の約8割が無くなっていた。
促進耐候試験後の光沢保持率:評価できず
【0026】
<配合5(比較例)>
塗膜状態:促進耐候試験前の塗膜は、指で擦ると少し粉末状に剥離する。試験後は白化現象が現れ、やはり指で擦ると、少し粉末状に剥離する。
促進耐候試験後の光沢保持率:評価できず

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨潤性粘土鉱物が100重量部、ケイ酸アルカリがその有効固形成分で2〜25重量部の比率の成分を水に溶解してなるコーティング剤。
【請求項2】
請求項目1において、膨潤性粘土鉱物もしくはケイ酸アルカリ以外の成分を合計100重量部以下で配合した請求項1のコーティング剤。