説明

水素を生成する方法

【課題】新規な水素発生方法を提供する。
【解決手段】アノード電極がアンドープの窒化アルミニウムガリウム層(組成式:AlxGa1-xN(0<x≦1)と不純物元素が添加されたn形窒化ガリウム層(組成式:GaN)を積層した窒化物半導体からなる領域を具備し、さらに前記アノード電極を構成する窒化アルミニウムガリウム層表面の少なくとも一部を、少なくともニッケルを主成分とする金属微粒子あるいは金属酸化物微粒子で被覆した構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射により水から水素を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、窒化物半導体をアノード電極(光化学電極)に用いた水素の生成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−024764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1には、窒化物半導体を用いたアノード電極(光化学電極)と金属電極を組み合わせた構成の水素生成装置が開示されており、n形窒化物半導体からなるアノード電極への光照射によって、金属電極から水素が生成できることが記載されている。しかしながら、アノード電極として用いられる窒化物半導体が光照射によりエッチングされるなど、耐久性に課題があった。また、水素生成速度も充分ではなく、さらなる効率化が望まれていた。
【0005】
そこで本発明は、アノード電極への光照射で得られるキャリアの再結合を抑制することで水素生成速度を高めると共に、光照射に対する耐久性を向上した、新規な窒化物半導体からなるアノード電極を用いて、効率的に水素を生成する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水素生成装置を用いて水素を生成する方法であって、以下の工程を具備する:

以下を具備する水素生成装置を用意する工程(a)、
陰極室(302)、
陽極室(305)、および
固体電解質膜(306)、ここで
前記陰極室(302)はカソード電極(301)を具備し、
前記カソード電極(301)は白金を主成分とする材料で構成され、
前記陽極室(305)はアノード電極(304)を具備し、
前記アノード電極(304)は光照射によって機能する光化学電極であって、
前記アノード電極はアンドープの窒化アルミニウムガリウム層(組成式:AlxGa1-xN(0<x≦1)と不純物元素が添加されたn形窒化ガリウム層(組成式:GaN)を積層した窒化物半導体からなる領域を具備し、さらに
前記アノード電極を構成する窒化アルミニウムガリウム層表面の少なくとも一部を、少なくともニッケルを主成分とする金属微粒子あるいは金属酸化物微粒子で被覆した構成であり、
前記陰極室(302)の内部には第1電解液(307)が保持され、
前記陽極室(305)の内部には第2電解液(308)が保持され、
前記カソード電極(301)は前記第1電解液(307)に接しており、
前記アノード電極(304)は前記第2電解液(308)に接しており、
前記固体電解質膜(306)は前記陰極室(302)および前記陽極室(305)との間に挟まれ、
前記カソード電極(301)は前記アノード電極(304)と導線(311)を介して、電気的に接続されている。 ここで、カソード電極(301)とアノード電極(304)との間には、外部電源を含まない。

以下を具備する水素の生成工程(b)
前記陽極室(305)内に配置されたアノード電極(304)に、少なくとも350ナノメートル以下の波長を有する光を照射して、前記第2電解液(308)に含まれる水を酸化すると共に、電気的に接続された前記カソード電極(301)の作用により、前記第1電解液(307)に含有されている水を還元して水素を生成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、水素を効率的に生成する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るアノード電極(光化学電極)の構成例を示す概略図
【図2】本発明に係る他のアノード電極(光化学電極)の構成例を示す概略図
【図3】実施の形態における水素を生成するための装置概略図
【図4】実施例において、アノード電極(光化学電極)への光照射によって得られる反応電流の変化を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
(アノード電極(光化学電極))
図1は、本発明に係るアノード電極304の構成例を示す概略図である。図1(a)は、基板103上に窒化物半導体層を形成した構成を表しており、光吸収領域であるアンドープの窒化アルミニウムガリウム層101、n形窒化ガリウム層102、前記窒化物半導体層を形成するために用いられる基板103(例えば、サファイア基板)、当該アノード電極を電気的に接続するための電極部104、および前記窒化アルミニウムガリウム層表面に形成された表面被覆層105からなる。
【0011】
該アノード電極を構成する窒化ガリウム層102はn形であり、シリコンなどの不純物元素が添加されているが、窒化アルミニウムガリウム層101は、不純物元素が添加されていないアンドープのものである。
【0012】
当該アノード電極では、窒化アルミニウムガリウム層101(組成式:AlxGa1-xN(0<x≦1))からなる領域で光を吸収し、その光励起によって生成したキャリア(電子および正孔)の作用によって酸化還元反応に寄与する。具体的には、窒化アルミニウムガリウム層内で生成した正孔は、電極表面側に移動し、アノード電極と接している水を酸化して酸素を生成する。すなわち、アノード電極自体は酸素生成電極として機能する。一方、光励起によって生成した電子は、アノード電極内で消費されるのではなく、アノード電極に配された電極部104に集められ、電気的に接続された配線を通じて、カソード電極側に供給される。
【0013】
このアノード電極を構成する窒化アルミニウムガリウム層101のバンドギャップ(禁制体幅)は、少なくとも3.4eV以上であるため、光化学電極として用いるためには、少なくとも350ナノメートル以下の波長を有する光を照射することが必要である。そのため、光の有効利用の観点から、当該アノード電極を構成する窒化アルミニウムガリウム層101の組成(組成式:AlxGa1-xN)は、0<x≦0.25の範囲にあることが好ましい。とりわけ、0.05<x≦0.15の範囲にあることが好適である。しかしながら、窒化アルミニウムガリウム層のバンドギャップ以上の波長を有する光を照射することが可能な場合は、この限りではない。
【0014】
また上記のような波長範囲の光を窒化アルミニウムガリウム層101に照射した場合、その吸収領域はバンドギャップ値にも依存するが、概ね光照射面から100ナノメートル程度であることから、その厚さは70ナノメートル以上、1ミクロン以下、さらに好適には、80ナノメートル以上、200ナノメートル以下で充分である。
【0015】
また、基板103上に形成される窒化ガリウム層102は、不純物元素添加によりn形化されており、生成したキャリアを電極部104に収集するための導電層として機能する。故に、比較的低抵抗なn形層(n+層)であることが好適である。
【0016】
このような窒化物半導体層の形成方法としては、一般的に基板103上への薄膜形成(例えば、化学気相成長法)が有効であり、従来用いられているサファイア基板やシリコン基板など、窒化物半導体薄膜の形成が可能な素材であれば、特に限定はされない。
【0017】
以上が本願に係るアノード電極の主要構成であるが、当該アノード電極の機能である酸素生成効率を高めると共に、アノード電極の耐久性を高めるために、窒化アルミニウムガリウム層101の表面に、少なくともニッケルを主成分とする金属微粒子あるいは金属酸化物微粒子を含んだ表面被覆層105を光照射が妨げられない範囲で配置する。また、図1(b)のように、窒化アルミニウムガリウム層101の表面の一部が露出する様に、表面被覆層105を配置することも好適である。この場合、表面被覆層の形状は必ずしも均一である必要はなく、様々な形状やサイズのものが窒化アルミニウムガリウム層表面にランダムに分散配置されていても良い。さらには、図1(c)のように、少なくともニッケルを主成分とする金属微粒子あるいは金属酸化物微粒子106のみが、窒化アルミニウムガリウム層表面に多数分散配置されている構成も好ましい。
【0018】
これらの構成では、ニッケルを主成分とする金属微粒子あるいは金属酸化物微粒子が、いわゆる助触媒的な作用により、当該アノード電極における酸素生成効率を高める効果があることを本発明者らは確認している。
【0019】
また図2は、上記構成において基板に導電性材料(導電性基板203)を適用して、アノード電極を作製した場合の概略構成図である。図2(a)〜(c)は、それぞれ図1(a)〜(c)の構成に対応する。なお、具体的な基板としては、例えば低抵抗な単結晶窒化ガリウム基板などが挙げられる。このような構成を用いることで、キャリア生成する光照射領域とキャリア収集する電極部分との実空間距離が短くなるため、抵抗成分によるロスを低減することができる。
【0020】
(実施の形態1)
(水素生成するための装置)
図3は、実施の形態1における水素生成するための装置を示す。当該装置は陰極室302、陽極室305、および固体電解質膜306を具備する。
【0021】
陰極室内部には、第1電解液307が保持されていると共に、陰極室はカソード電極301を具備している。また、カソード電極301は第1電解液307に接している。具体的には、カソード電極は第1電解液に浸漬されている。
【0022】
第1電解液307の例は、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、硫酸カリウム水溶液、またはリン酸カリウム水溶液である。炭酸水素カリウム水溶液が好ましい。
【0023】
また、カソード電極301を構成する材料例は、白金を主成分とする金属材料である。カソード電極301は、前記白金を主成分とする金属材料のみで構成されていても良いが、前記白金材料を保持する基板材料との積層構造でも良い。例えば、グラッシーカーボンなどの導電性基板上に白金を薄膜状に形成したものや、微粒子状の白金を導電性基板上に多数担持したものでも良い。充分に水素生成する能力を有するカソード電極の形態であれば、その構成は限定されない。当該材料が第1電解液307に接する限り、カソード電極301の一部のみが第1電解液307に浸漬され得る。
【0024】
陽極室内部には、第2電解液308が保持されていると共に、陽極室はアノード電極304を具備している。前記アノード電極304は光照射によって機能する光化学電極である。さらに、前記アノード電極304は窒化アルミニウムガリウム層(組成式:AlxGa1-xN(0<x≦1))と窒化ガリウム層の積層構造で構成された窒化物半導体からなる領域を具備する。また、ニッケルを主成分とする金属微粒子あるいは金属酸化物微粒子を含んだ表面被覆層で、少なくとも前記窒化物半導体層の表面の一部が被覆されている。アノード電極304は第2電解液308に接している。具体的には、アノード電極は第2電解液に浸漬されている。
【0025】
第2電解液308の例は、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液である。水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。第2電解液は強塩基性であることが好ましい。
【0026】
第1電解液307の溶質と第2電解液308の溶質は同一であってもよいが、異なっている方が好適である。
【0027】
後述するように、第2電解液に浸漬されている領域のアノード電極(光化学電極)には、350ナノメートル以下の波長を有する光が光源303より照射される。
【0028】
第1電解液307を第2電解液308から分離するために、固体電解質膜306が陰極室302および陽極室305との間に挟まれている。すなわち本装置では、第1電解液307および第2電解液308は混ざらない。
【0029】
固体電解質膜306は、プロトンのみが通過し、かつ他の物質が通過できない限り、特に限定されない。固体電解質膜306の例は、ナフィオン(登録商標)である。
【0030】
カソード電極301並びにアノード電極304には、それぞれ電極端子309、310を具備する。これら電極端子は、電池やポテンショスタットなどの外部電源を介さず、導線311により電気的に接続されている。すなわち、カソード電極301は導線311を介してアノード電極304と電気的に接続されている。
【0031】
(水素の生成方法)
次に、上述された装置を用いて水素を生成する方法を説明する。
【0032】
水素生成装置は室温かつ大気圧下に置かれ得る。
【0033】
図3に示されるように、光源303からアノード電極(光化学電極)304に光が照射される。光源303の例はキセノンランプである。
【0034】
光源303からの光は350ナノメートル以下の波長を有している。とりわけ、光は250ナノメートル以上325ナノメートル以下の波長を有することがより好ましい。
【0035】
カソード電極301が白金を主成分とする金属材料である場合、第1電解液に含有される水は還元されて、効率的に水素を発生する。
【0036】
(実施例)
以下の実施例を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【0037】
(アノード電極の調製)
サファイヤ基板上にシリコンを不純物元素としてドープしたn形低抵抗窒化ガリウム薄膜(膜厚:2.5ミクロン)、およびノンドープの窒化アルミニウムガリウム薄膜(膜厚:100ナノメートル、アルミニウム組成:11%)を有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長させた。そして、窒化アルミニウムガリウム層の一部を除去して、n形窒化ガリウム層上にチタン/アルミニウム/金からなる電極を形成した。さらに溶液反応を用いて、窒化アルミニウムガリウム表面の一部に、ニッケル微粒子および酸化ニッケル微粒子を含有する層を薄く形成し、図1(c)に示すようなアノード電極(実施例1)を作製した。また比較として、サファイヤ基板上にn形低抵抗窒化ガリウム薄膜(膜厚:2.5ミクロン)のみを形成し、その上にニッケル微粒子および酸化ニッケル微粒子を含有する層を薄く形成した試料(比較例1)も作製した。
【0038】
(装置の組み立て)
当該アノード電極(光化学電極)304を用いて、図3に示す水素生成するための装置を形成した。当該装置の詳細は以下の通りである。

カソード電極 : 白金板
第1電解液 : 0.5mol/Lの濃度を有する炭酸水素カリウム水溶液
第2電解液 : 1.0mol/Lの濃度を有する水酸化ナトリウム水溶液
固体電解質膜 : ナフィオン膜(デュポン社より入手、商品名:ナフィオン117)
光源 : キセノンランプ(出力:300W)
光源は350ナノメートル以下の波長を有するブロードなスペクトルを有する光を発光した。

(水素の生成)
陽極室305に配された光照射窓(図示せず)を介して、光源303からの光をアノード電極に照射した。
【0039】
図4は、当該アノード電極に光を照射した際に得られた反応電流の変化を示すグラフである。図4(a)(実線)は、光吸収層に窒化アルミニウムガリウム層を具備するものの結果(実施例1)であり、図4(b)(一点鎖線)は、n形窒化ガリウム層のみで作製したアノード電極(比較例1)の結果である。
【0040】
図4に示されるように、光がアノード電極に照射されると、いずれのアノード電極においても導線311に反応電流が流れた。また光照射を止めると、反応電流は観測されなくなった。これは光照射により、カソード電極およびアノード電極(光化学電極)において何らかの反応が生じていることを意味する。
【0041】
さらに特筆すべき事は、実施例1の窒化アルミニウムガリウム層を具備するアノード電極では、光吸収層である窒化アルミニウムガリウム層(アルミニウム組成:11%)のバンドギャップ(約3.7eV)が、比較例1のn形窒化ガリウム層のバンドギャップ(約3.4eV)よりも大きいため、同一光源から発せられる光の吸収量が小さい、言い換えれば、光によって生成されるキャリア量が少ないにも関わらず、反応電流量が大きい点である。これは従来、見いだされていない効果である。その要因は、実施例1で作製した、窒化アルミニウムガリウム層と窒化ガリウム層を積層したヘテロ構造によるバンド変調が、生成キャリアの再結合を抑制し、効率的にキャリア収集できたためである。
【0042】
以上のように、本発明の窒化アルミニウムガリウム層を具備するアノード電極が水素生成用のアノード電極として有用であることが示唆された。
【0043】
そこで本発明者らは、さらに以下のような方法で当該反応を詳細に調査した。具体的には、陰極室を密閉した状態でアノード電極に光を照射し、カソード電極の作用によって陰極室に生成した水素生成量をガスクロマトグラフィにより測定した。また、光照射によって得られた反応電流量から、水素生成反応に関与した電荷量(クーロン量)を算出した。
【0044】
以上の結果、水素生成量は反応に関与した電荷量(クーロン量)に比例することが確認された。さらに陽極室側では、陰極室での発生水素量に対応する量の酸素が水の酸化反応により発生していた。
【0045】
以上より、当該アノード電極への光照射のみにより、カソード電極(白金電極)側で水素生成する触媒反応が生じていることが確認された。また、窒化アルミニウムガリウム層の表面の一部にニッケル微粒子および酸化ニッケル微粒子を含有する層を形成しない場合、当初は同様の反応が得られるが、光照射を続けることで反応電流が徐々に低下した。このことは、該アノード電極が長時間の光照射により、ダメージを受けていることを意味する。一方、前記実施例1で作製した試料(ニッケル微粒子および酸化ニッケル微粒子を含有する層を形成した試料)では、長時間光を照射しても、反応電流の低下はほとんど観測されなかった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、効率的に水素を生成する方法を提供する。
【符号の説明】
【0047】
101、201:窒化アルミニウムガリウム層
102、202:窒化ガリウム層
103、203:基板
104、204:電極部
105、205:表面被覆層(少なくともニッケルを主成分とする金属微粒子あるいは金属酸化物微粒子を含んだ層)
106、206:少なくともニッケルを主成分とする金属微粒子あるいは金属酸化物微粒子
301:カソード電極
302:陰極室
303:光源
304:アノード電極(光化学電極)
305:陽極室
306:固体電解質膜
307:第1電解液
308:第2電解液
309、310:電極端子
311:導線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素生成装置を用いて水素を生成する方法であって、以下の工程を具備する:

以下を具備する水素生成装置を用意する工程(a)、
陰極室(302)、
陽極室(305)、および
固体電解質膜(306)、ここで
前記陰極室(302)はカソード電極(301)を具備し、
前記カソード電極(301)は白金を主成分とする材料で構成され、
前記陽極室(305)はアノード電極(304)を具備し、
前記アノード電極(304)は光照射によって機能する光化学電極であって、
前記アノード電極はアンドープの窒化アルミニウムガリウム層(組成式:AlxGa1-xN(0<x≦1)と不純物元素が添加されたn形窒化ガリウム層(組成式:GaN)を積層した窒化物半導体からなる領域を具備し、さらに
前記アノード電極を構成する窒化アルミニウムガリウム層表面の少なくとも一部を、少なくともニッケルを主成分とする金属微粒子あるいは金属酸化物微粒子で被覆した構成であり、
前記陰極室(302)の内部には第1電解液(307)が保持され、
前記陽極室(305)の内部には第2電解液(308)が保持され、
前記カソード電極(301)は前記第1電解液(307)に接しており、
前記アノード電極(304)は前記第2電解液(308)に接しており、
前記固体電解質膜(306)は前記陰極室(302)および前記陽極室(305)との間に挟まれ、
前記カソード電極(301)は前記アノード電極(304)と導線(311)を介して、電気的に接続されている。ここで、カソード電極(301)とアノード電極(304)との間には、外部電源を含まない。

以下を具備する水素生成工程(b)
前記陽極室(305)内に配置されたアノード電極(304)に、少なくとも350ナノメートル以下の波長を有する光を照射して、前記第2電解液(308)に含まれる水を酸化すると共に、電気的に接続された前記カソード電極(301)の作用により、前記第1電解液(307)に含有されている水を還元して水素を生成する。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記アノード電極を構成する窒化アルミニウムガリウム層の組成(組成式:AlxGa1-xN(0<x≦1))が0<x≦0.25の範囲である。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1電解液は炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液や塩化カリウム水溶液、硫酸カリウム水溶液、またはリン酸カリウム水溶液である。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記第2電解液は水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液である。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(b)において、前記装置は室温かつ大気圧下におかれる。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−49891(P2013−49891A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188416(P2011−188416)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】