説明

水素ガス供給装置

【課題】主水素貯蔵器内の水素の充填割合が満タンになっている場合であっても、副水素貯蔵器内の水素を外部へ放出することなく、副水素貯蔵器内の圧力を一定以内に保つことができる水素ガス供給装置を提供する。
【解決手段】水素ガス供給装置10に蓄圧用タンク20を設けるとともに、蓄圧用タンク20は、第3の供給路23の一部及び第4の供給路24を介して蓄圧用タンク20と連結されている。さらに、第4の供給路24にはリリーフ弁25が設けられている。そして、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力を越えたときに、リリーフ弁25が開弁するとともにサブボンベ12a内の水素ガスが第3の供給路23の一部及び第4の供給路24を介して蓄圧用タンク20内に放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素吸蔵材料を使用した水素貯蔵タンクを用いて、例えば水素を燃料とする燃料電池もしくは水素エンジンに水素を供給する水素ガス供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化を抑制する意識が高まり、特に車両から排出される二酸化炭素の低減を目的として燃料電池電気自動車や水素エンジン自動車等の水素を燃料とした水素自動車の開発が盛んである。水素自動車としては、水素供給源として水素ガスが充填された水素貯蔵タンクを搭載するものが一般的である。
【0003】
水素の貯蔵、輸送の方法として、ある温度、圧力の条件のもとで水素を吸蔵して水素化物になり、必要時に別の温度、圧力の条件のもとで水素を放出する水素吸蔵材料の一種である「水素吸蔵合金」といわれる金属の利用が着目されている。そして、水素吸蔵合金を使用した水素タンクでは、同じ容積で水素貯蔵量を増大させることができるため、注目されている。
【0004】
このような水素吸蔵合金を水素貯蔵タンク内に収容するとともに、水素貯蔵タンクを冷却することで水素を貯蔵させた後、水素貯蔵タンクへ燃料電池や水素エンジン等にて発生した熱を供給し水素貯蔵タンク内の水素吸蔵合金から水素を放出させ、燃料電池や水素エンジンに水素を供給する水素ガス供給装置が特許文献1に記載されている。
【0005】
特許文献1に記載の水素ガス供給装置は、燃料電池システムにおいて通常発生し得る上限温度(60℃)を上限とする所定の高温状態(20℃〜60℃)で1MPa以下のプラトー圧を保つ常温動作用の水素吸蔵合金を収容する主水素貯蔵器(主水素貯蔵タンク)を備えている。また、特許文献1に記載の水素供ガス給装置は、低温状態(−10℃〜20℃)で0.1MPaのプラトー圧を発生し得る水素吸蔵合金を収容する副水素貯蔵器(副水素貯蔵タンク)をさらに備えている。このように構成された該水素ガス供給装置は、主水素貯蔵器から水素が出せないとき、先ず、副水素貯蔵器から水素を燃料電池側へ供給するとともに、副水素貯蔵器からの水素により燃料電池を起動させた後に発生した熱で主水素貯蔵器を加熱する。そして、主水素貯蔵器からの水素を燃料電池側へ供給するとともに、主水素貯蔵器からの水素を副水素貯蔵器側へ送り、副水素貯蔵器内に水素を貯蔵させる。
【0006】
また、環境温度が非常に高い温度まで上昇し、副水素貯蔵器内の圧力が予め設定された1MPaを越えると、副水素貯蔵器内の水素を主水素貯蔵器側に逃し、主水素貯蔵器内で高温用水素吸蔵合金に吸着させることで、副水素貯蔵器内の圧力を1MPa以下に保つようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−12062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の水素ガス供給装置では、副水素貯蔵器内の水素を主水素貯蔵器側に逃すときに、主水素貯蔵器内の水素の充填割合が満タンになっている場合には、副水素貯蔵器内の水素を主水素貯蔵器側に逃すことができず、副水素貯蔵器内の水素を外部へ放出せざるを得ない。水素を外部へ放出することは、安全性の面から考えてあまり好ましくない。
【0009】
本発明の目的は、主水素貯蔵器内の水素の充填割合が満タンになっている場合であっても、副水素貯蔵器内の水素を外部へ放出することなく、副水素貯蔵器内の圧力を一定以内に保つことができる水素ガス供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所定の高温状態で水素を放出する高温用水素吸蔵材料を収容する主水素貯蔵器と、前記所定の高温状態よりも低い温度状態で水素を放出し得る低温用水素吸蔵材料を収容する副水素貯蔵器と、前記副水素貯蔵器と放出用管路を介して連結されたタンクと、前記放出用管路に設けられるとともに前記放出用管路を開閉する開閉手段と、を備え、前記開閉手段は、前記副水素貯蔵器内の圧力が予め設定された圧力を越えたときに前記放出用管路を開くことを要旨とする。
【0011】
この発明によれば、開閉手段は、副水素貯蔵器内の圧力が予め設定された圧力を越えたときに放出用管路を開くことで、副水素貯蔵器内の水素を放出用管路を介してタンク内に放出する。よって、副水素貯蔵器内の圧力が予め設定された圧力を越えたときに、主水素貯蔵器内の水素の充填割合が満タンになっている場合であっても、副水素貯蔵器内の水素を外部へ放出することなく、副水素貯蔵器内の圧力を一定以内に保つことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記開閉手段は、前記副水素貯蔵器内の圧力が予め設定された圧力を越えると開弁状態となるリリーフ弁であることを要旨とする。
【0013】
この発明によれば、副水素貯蔵器内の圧力が予め設定された圧力を越えるとリリーフ弁が開弁状態となるため、副水素貯蔵器内の圧力を監視してバルブを制御することなく、副水素貯蔵器内の水素を放出用管路を介してタンク内に放出することができる。よって、副水素貯蔵器内の圧力を監視してバルブを制御するシステムと比較して、システムを簡素化することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記タンク内には、該タンク内の圧力に応じて該タンク内の容量を調整する容量調整手段が設けられていることを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、例えば、副水素貯蔵器内の圧力が予め設定された圧力を越えて、タンク内へ放出される際に、容量調整手段によってタンク内の容量を増やすことで、副水素貯蔵器から放出される水素ガスをタンク内に充填することができる容量を確保することができる。よって、副水素貯蔵器内の水素ガスをタンク内に放出するときに、タンク内の水素の充填割合が満タンとなっていることを回避することができ、タンクにおける安全性を確保することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記水素ガス供給装置は車両に搭載されるとともに、前記車両に設けられる駆動輪の回転によって駆動して前記主水素貯蔵器又は前記タンク内の圧力を昇圧させるコンプレッサをさらに設けたことを要旨とする。
【0017】
この発明によれば、例えば、副水素貯蔵器内の圧力が低い状態のときに、コンプレッサによって主水素貯蔵器又はタンク内の圧力を昇圧させることで、主水素貯蔵器又はタンク内の水素ガスを、主水素貯蔵器又はタンクと副水素貯蔵器との圧力差によって副水素貯蔵器へスムーズに供給することができる。
【0018】
また、コンプレッサを車両に設けられる駆動輪の回転力を用いて駆動させるため、コンプレッサを駆動させるための別の駆動源を必要とせずに、コンプレッサを駆動することができる。よって、コンプレッサを駆動させるための余分なエネルギーを必要とせずに省エネルギー化することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記コンプレッサによって前記タンク内の圧力を一定に保つことを要旨とする。
この発明によれば、タンク内の圧力をコンプレッサによって一定の圧力に保つことで、副水素貯蔵器内の圧力が予め設定された圧力を下回ったときに、タンク内に充填された水素を副水素貯蔵器へスムーズに供給することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、主水素貯蔵器内の水素の充填割合が満タンになっている場合であっても、副水素貯蔵器内の水素を外部へ放出することなく、副水素貯蔵器内の圧力を一定以内に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施形態における水素ガス供給装置の概略構成図。
【図2】水素ガス供給装置におけるサブボンベへ水素ガスを充填する手順を示すフローチャート。
【図3】第2の実施形態における蓄圧用タンク内を示す模式図。
【図4】第3の実施形態における蓄圧用タンク内を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明を車両としての電気自動車の燃料電池に水素ガスを供給する水素ガス供給装置に具体化した第1の実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
【0023】
図1に示すように、水素ガス供給装置10は、水素ガスが充填されたメインタンク11と、サブタンク12とを備えている。メインタンク11は、主水素貯蔵器としての複数のメインボンベ11aを図示しない配管で連結された構成となっている。図1では、便宜上メインボンベ11aを4本図示しているが、メインボンベ11aの本数は例えば10本以上である。各メインボンベ11aには、燃料電池システムの作動上限温度(100℃)で15MPa以下のプラトー圧を保つ高温用水素吸蔵材料の一種である高温用水素吸蔵合金が収容されている。また、各メインボンベ11aには充填割合が満タンの状態において所定圧力(例えば15MPa)に水素ガスが充填されている。メインタンク11には、メインボンベ11a内部の水素吸蔵合金の温度を検出するための温度計13と、各メインボンベ11a内の水素圧力を検出するための圧力計14とが配設されている。
【0024】
サブタンク12は、副水素貯蔵器としての複数(例えば2本)のサブボンベ12aを図示しない配管で連結された構成となっている。各サブボンベ12aには、所定の高温状態よりも低い温度状態(−40℃)で0.1MPaのプラトー圧を保つ低温用水素吸蔵材料の一種である低温用水素吸蔵合金が収容されている。また、各サブボンベ12aには充填割合が満タンの状態において所定圧力(例えば15MPa)に水素ガスが充填されるようになっている。サブタンク12には、サブボンベ12a内部の水素吸蔵合金の温度を検出するための温度計15と、各サブボンベ12a内の水素圧力を検出するための圧力計16とが配設されている。
【0025】
また、水素ガス供給装置10はコンプレッサ17を備えるとともに、コンプレッサ17はクラッチ機構18を介して駆動輪19と接続されており、クラッチ機構18によりコンプレッサ17と駆動輪19との間の接続/切り離しが行われるようになっている。そして、電気自動車のブレーキング時にコンプレッサ17と駆動輪19とがクラッチ機構18によって接続されることにより、駆動輪19の回転でコンプレッサ17を駆動できるようになっている。
【0026】
水素ガス供給装置10にはタンクとしての蓄圧用タンク20がさらに設けられている。蓄圧用タンク20は、充填割合が満タンの状態において所定圧力(例えば20MPa)まで水素ガスが充填可能となっている。なお、蓄圧用タンク20内に充填可能な水素ガスの所定圧力は、サブタンク12内に充填可能な水素ガスの所定圧力よりも大きく設定されている。また、蓄圧用タンク20には、蓄圧用タンク20内の水素圧力を検出するための圧力計20aが配設されている。
【0027】
メインタンク11は第1の供給路21を介して燃料電池30に連結されている。第1の供給路21には第1バルブV1が設けられている。第1の供給路21の途中には、第1の供給路21から分岐される第2の供給路22が、分岐点S1からサブタンク12側へ延びるように設けられている。第2の供給路22には第2バルブV2及び第3バルブV3が設けられている。
【0028】
サブタンク12には第3の供給路23が燃料電池30側へ延びるように設けられている。第3の供給路23における燃料電池30側端部は、第1の供給路21における分岐点S1と第1バルブV1との間に接続されている。よって、サブタンク12は、第3の供給路23及び第1の供給路21の一部を介して燃料電池30と連結されている。また、第3の供給路23には第4バルブV4が設けられている。
【0029】
第3の供給路23の途中には、第3の供給路23から分岐される第4の供給路24が、分岐点S2から蓄圧用タンク20に向かって延びるように設けられるとともに、第4の供給路24の蓄圧用タンク20側端部は蓄圧用タンク20と接続されている。よって、サブタンク12は、第3の供給路23の一部及び第4の供給路24を介して蓄圧用タンク20と連結されている。また、第4の供給路24にはリリーフ弁25が設けられている。リリーフ弁25を構成する圧縮ばねは、サブタンク12側の圧力が所定圧力(例えば15MPa)を越えたときに、リリーフ弁25を構成する弁体が開放するようにばね定数が予め設定されている。
【0030】
また、第2の供給路22におけるサブタンク12側端部は、第3の供給路23におけるサブタンク12側端部と分岐点S2との間に接続されている。よって、メインタンク11は、第1の供給路21の一部、第2の供給路22及び第3の供給路23の一部を介してサブタンク12と連結されている。また、第2の供給路22において、第2バルブV2と第3バルブV3との間には、蓄圧用タンク20から延設された第5の供給路26が接続されている。よって、メインタンク11は、第1の供給路21の一部、第2の供給路22の一部及び第5の供給路26を介して蓄圧用タンク20と連結されている。また、蓄圧用タンク20は、第5の供給路26、第2の供給路22の一部及び第3の供給路23の一部を介してサブタンク12と連結されている。さらに、蓄圧用タンク20は、第5の供給路26、第2の供給路22の一部、第3の供給路23の一部及び第1の供給路21の一部を介して燃料電池30と連結されている。
【0031】
また、第2の供給路22において、第2バルブV2と第3バルブV3との間には、コンプレッサ17から延設された第6の供給路27が接続されている。コンプレッサ17は、第6の供給路27、第2の供給路22の一部及び第5の供給路26を介して蓄圧用タンク20と連結されている。また、コンプレッサ17は、第6の供給路27、第2の供給路22の一部及び第1の供給路21の一部を介してメインタンク11と連結されている。
【0032】
また、蓄圧用タンク20には、第7の供給路28がメインタンク11側へ延びるように設けられている。第7の供給路28におけるメインタンク11側端部は、第1の供給路21における分岐点S1と第1バルブV1との間に接続されている。よって、蓄圧用タンク20は、第7の供給路28及び第1の供給路21の一部を介してメインタンク11と連結されている。また、第7の供給路28には第5バルブV5が設けられている。
【0033】
各バルブV1〜V5には電磁弁が使用されている。各バルブV1〜V5は、制御装置31からの指令で開閉駆動されるようになっている。制御装置31は、制御動作を所定の手順で実行することができるCPU31a(中央処理装置)と必要なデータの読出し及び書換え可能なメモリ(図示せず)とが設けられている。CPU31aは、温度計13,15及び圧力計14,16,20aにより測定した温度及び圧力に基づいて各バルブV1〜V5の開閉を制御している。
【0034】
メインボンベ11a内に充填されている水素ガスは、第1バルブV1が開弁すると、メインボンベ11a側と燃料電池30側との圧力差によって第1の供給路21を介して燃料電池30側へ供給される。また、サブボンベ12a内に充填されている水素ガスは、第4バルブV4及び第1バルブV1が開弁すると、サブボンベ12a側と燃料電池30側との圧力差によって第3の供給路23及び第1の供給路21の一部を介して燃料電池30側へ供給される。さらに、蓄圧用タンク20内に充填されている水素ガスは、第3バルブV3、第4バルブV4及び第1バルブV1が開弁すると、蓄圧用タンク20側と燃料電池30側との圧力差によって、第5の供給路26、第2の供給路22の一部、第3の供給路23の一部及び第1の供給路21の一部を介して燃料電池30側へ供給される。
【0035】
上記構成の水素ガス供給装置10は、メインタンク11から水素が放出できない状態のとき、例えば、メインボンベ11aが十分に暖まっておらず、メインボンベ11a内の圧力が十分に高くなっていないときには、先ずサブボンベ12a内に充填されている水素ガスを燃料電池30側へ供給する。そして、サブタンク12から供給された水素ガスにより燃料電池30を起動させた後に発生した熱でメインボンベ11aが加熱されるとともに、メインボンベ11aが十分に暖まった状態になると、メインボンベ11a内に充填されている水素ガスを燃料電池30側へ供給するようになっている。このとき、第4バルブV4は閉弁状態となるとともに、サブタンク12から燃料電池30側への水素ガスの供給が停止される。また、メインボンベ11a及びサブボンベ12a内の水素ガスが双方とも空の状態である場合、蓄圧用タンク20内に充填されている水素ガスが燃料電池30側へ供給されるようになっている。
【0036】
次に、上記構成の水素ガス供給装置10において、サブボンベ12aへ水素ガスを充填するための手順を、図2に示すフローチャートにしたがって説明する。
図2に示すように、CPU31aは、まず、圧力計16により検出されたサブボンベ12a内の圧力が所定圧力(例えば5MPa)以下であるか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果が肯定の場合、CPU31aは、サブボンベ12a内における水素ガスの充填量が不足している状態と判断し、次に、圧力計20aにより検出された蓄圧用タンク20内の圧力が所定圧力(例えば5MPa)以下であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0037】
一方、ステップS11の判定結果が否定の場合、CPU31aは、サブボンベ12a内にはまだ水素ガスが十分に充填されている状態であり、サブボンベ12a内に水素ガスを充填する必要がないと判断し、CPU31aにおけるサブボンベ12aへ水素ガスを充填する制御処理は終了する。
【0038】
次に、ステップS12の判定結果が肯定の場合、CPU31aは、蓄圧用タンク20内における水素ガスの充填量が不足している状態と判断し、次に、圧力計14により検出されたメインボンベ11a内の圧力が所定圧力(例えば5MPa)以下であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0039】
一方、ステップS12の判定結果が否定の場合、CPU31aは、蓄圧用タンク20内にサブボンベ12aへ供給可能な水素ガスが十分に充填されていると判断し、CPU31aは、第3バルブV3を開弁するように第3バルブV3を制御する(ステップS15)。すると、蓄圧用タンク20側とサブボンベ12a側との圧力差によって、蓄圧用タンク20内の水素ガスが、第5の供給路26、第2の供給路22の一部及び第3の供給路23の一部を介してサブボンベ12a内へ供給される。よって、サブボンベ12a内に水素ガスが充填される。
【0040】
次に、ステップS13の判定結果が肯定の場合、CPU31aは、メインボンベ11a内における水素ガスの充填量が不足している状態と判断し、次に、クラッチ機構18によって駆動輪19とコンプレッサ17とを接続させるとともにコンプレッサ17を駆動させる(ステップS14)。すると、コンプレッサ17によって蓄圧用タンク20内の圧力が昇圧される。さらに、CPU31aは、第3バルブV3を開弁するように第3バルブV3を制御する(ステップS15)。すると、蓄圧用タンク20側とサブボンベ12a側との圧力差によって、蓄圧用タンク20内の水素ガスが、第5の供給路26、第2の供給路22の一部及び第3の供給路23の一部を介してサブボンベ12a内へ供給される。よって、サブボンベ12a内に水素ガスが充填される。
【0041】
一方、ステップS13の判定結果が否定の場合、CPU31aは、メインボンベ11a内にサブボンベ12aへ供給可能な水素ガスが十分に充填されていると判断し、CPU31aは、まず、第2バルブV2を開弁するように第2バルブV2を制御する(ステップS16)。さらに、ステップS15へ移行し、CPU31aは、第3バルブV3を開弁するように第3バルブV3を制御する。すると、メインボンベ11a側とサブボンベ12a側との圧力差によって、メインボンベ11a内の水素ガスが、第1の供給路21の一部、第2の供給路22及び第3の供給路23の一部を介してサブボンベ12a内へ供給される。よって、サブボンベ12a内に水素ガスが充填される。
【0042】
また、各ボンベ11a,12a及び蓄圧用タンク20への水素ガスの充填は、水素ステーションと呼ばれるガソリンスタンドやLPガススタンドに対応する設備で行われる。
図1に示すように、水素ステーションから供給される水素ガスは、第1バルブ、第2バルブV2及び第3バルブV3を開弁した状態で、第1の供給路21における第1バルブV1と燃料電池30との間からメインボンベ11a、蓄圧用タンク20及びサブボンベ12a側へ一定の充填圧力(例えば15MPa)で供給される。
【0043】
メインボンベ11aには高温用水素吸蔵合金が用いられているため、水素ステーションにおいて急速充填が可能である。しかしながら、サブボンベ12aには低温用水素吸蔵合金が用いられているため、水素ステーションにおける充填圧力を高くするか、サブボンベ12a内の水素吸蔵合金の温度を極低温まで下げなければ急速に充填することができない。よって、本実施形態においては、水素ステーションにおける各ボンベ11a,12a及び蓄圧用タンク20への水素ガスの充填は、メインボンベ11a及び蓄圧用タンク20内の圧力が15MPaに達したときに充填完了とする。そして、その後、サブボンベ12aへ水素ガスを充填する際には、例えば電気自動車が走行しているときに、メインボンベ11a又は蓄圧用タンク20からサブボンベ12aへ水素ガスを供給して、サブボンベ12a内に水素ガスを充填する。
【0044】
さて、サブボンベ12aに用いられている低温用水素吸蔵合金は、環境温度が非常に高い温度まで上昇して常温以上に温度が上昇した際に、サブボンベ12a内の圧力が高い値まで上昇し得る。
【0045】
上記構成の水素ガス供給装置10においては、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力(例えば15MPa)を越えたときに、リリーフ弁25が開弁するとともにサブボンベ12a内の水素ガスが第3の供給路23の一部及び第4の供給路24を介して蓄圧用タンク20内に放出される。すなわち、第3の供給路23の一部及び第4の供給路24によって、サブボンベ12a内の水素を蓄圧用タンク20内に放出するための放出用管路が構成されている。また、リリーフ弁25は、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力を越えたときに、サブボンベ12a内の水素ガスを蓄圧用タンク20内へ放出するために、放出用管路の一部を構成する第4の供給路24を開く開閉手段として機能する。
【0046】
サブタンク12から蓄圧用タンク20内に放出された水素ガスは、蓄圧用タンク20内に充填された状態となる。そして、例えば、サブボンベ12a内における水素ガスの充填量が不足している状態となった場合には、蓄圧用タンク20内に充填された水素ガスをサブボンベ12aに供給することで、サブボンベ12a内に水素ガスを充填する。また、例えば、メインボンベ11a及びサブボンベ12a内における水素ガスの充填量が双方とも不足の状態となったときには、蓄圧用タンク20内に充填された水素ガスを燃料電池30側へ供給することができる。さらに、メインボンベ11a内における水素ガスの充填量が不足している状態となった場合には、第5バルブV5を開弁するとともに、蓄圧用タンク20内に充填された水素ガスを第7の供給路28及び第1の供給路21の一部を介してメインボンベ11a内に供給することで、メインボンベ11a内に水素ガスを充填する。
【0047】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)水素ガス供給装置10に蓄圧用タンク20を設けるとともに、サブタンク12は、第3の供給路23の一部及び第4の供給路24を介して蓄圧用タンク20と連結されている。さらに、第4の供給路24にはリリーフ弁25を設けた。よって、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力を越えたときに、リリーフ弁25が開弁するとともにサブボンベ12a内の水素ガスが第3の供給路23の一部及び第4の供給路24を介して蓄圧用タンク20内に放出される。したがって、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力を越えたときに、メインボンベ11a内の水素の充填割合が満タンになっている場合であっても、サブボンベ12a内の水素を外部へ放出することなく、サブボンベ12a内の圧力を一定以内に保つことができる。
【0048】
(2)第4の供給路24には、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力を越えると開弁状態となるリリーフ弁25を設けた。よって、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力を越えるとリリーフ弁25が開弁状態となるため、サブボンベ12a内の圧力を監視してバルブを制御することなく、サブボンベ12a内の水素を第3の供給路23の一部及び第4の供給路24を介して蓄圧用タンク20内に放出することができる。したがって、サブボンベ12a内の圧力を監視してバルブを制御するシステムと比較して、システムを簡素化することができる。
【0049】
(3)水素ガス供給装置10にコンプレッサ17をさらに設けた。そして、メインボンベ11a内における水素ガスの充填量が不足している状態と判断されたときには、コンプレッサ17によって蓄圧用タンク20内の圧力を昇圧する。よって、蓄圧用タンク20内の水素ガスを、蓄圧用タンク20とサブボンベ12aとの圧力差によってサブボンベ12aへスムーズに供給することができる。
【0050】
(4)コンプレッサ17は、電気自動車のブレーキング時にコンプレッサ17と駆動輪19とがクラッチ機構18によって接続されることにより、駆動輪19の回転で駆動する。よって、コンプレッサ17を駆動するための別の駆動源を必要とせずに、電気自動車に設けられる駆動輪19の回転力を用いるだけでコンプレッサ17を駆動することができる。よって、コンプレッサ17を駆動させるための余分なエネルギーを必要とせずに省エネルギー化することができる。
【0051】
(5)上記水素ガス供給装置10によれば、メインボンベ11a及びサブボンベ12a内における水素ガスの充填量が双方とも不足の状態となったときには、蓄圧用タンク20内に充填された水素ガスを燃料電池30側へ供給することができる。蓄圧用タンク20内に充填されている水素は既にガスの状態で充填されているため、メインボンベ11a及びサブボンベ12aのような水素吸蔵合金を用いて化学反応によって水素ガスを放出する場合と比較して、スムーズに燃料電池30側へ水素ガスを供給することができる。
【0052】
(6)水素ガス供給装置10に蓄圧用タンク20を設けたことで、サブボンベ12a内に水素を充填する際に、メインボンベ11a内の水素ガスの充填量が不足している状態であったとしても、蓄圧用タンク20からサブボンベ12aへ水素ガスを供給して、サブボンベ12a内に水素ガスを充填することができる。
【0053】
(7)蓄圧用タンク20は、第7の供給路28及び第1の供給路21の一部を介してメインタンク11と連結されている。よって、メインボンベ11a内における水素ガスの充填量が不足している状態となった場合には、第5バルブV5を開弁するとともに、蓄圧用タンク20内に充填された水素ガスを第7の供給路28及び第1の供給路21の一部を介してメインボンベ11a内に供給することで、メインボンベ11a内に水素ガスを充填することができる。
【0054】
(第2の実施形態)
以下、本発明を車両としての電気自動車の燃料電池に水素ガスを供給する水素ガス供給装置に具体化した第2の実施形態を図3にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0055】
図3に示すように、蓄圧用タンク20内には、該蓄圧用タンク20内の圧力に応じて該蓄圧用タンク20内の容量を調整する容量調整手段としてのばね機構41が設けられている。ばね機構41は、圧縮ばね42とスライド板43とから構成されている。圧縮ばね42の基端部42aは蓄圧用タンク20内の底面に支持されるとともに、圧縮ばね42の先端部42bにはスライド板43が支持されている。スライド板43は圧縮ばね42によって蓄圧用タンク20内を上下方向(図3に示す矢印Yの方向)に移動可能となっている。圧縮ばね42は、蓄圧用タンク20内の圧力が所定圧力(例えば15MPa)を越えたときにスライド板43が下方へ移動するようにばね定数が予め設定されている。よって、蓄圧用タンク20内の圧力が15MPaを越えたときにスライド板43が下方へ移動することで、蓄圧用タンク20内の容量が増える。
【0056】
上記構成の蓄圧用タンク20を用いた水素ガス供給装置10によれば、例えば、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力(例えば15MPa)を越えて、リリーフ弁25を介して蓄圧用タンク20内へ放出する際に、スライド板43が下方へ移動し、蓄圧用タンク20内の容量を増やすことができる。
【0057】
また、水素ステーションでの水素充填時において、水素ステーションからの一定の充填圧力(例えば15MPa)で蓄圧用タンク20に供給されることで、スライド板43が下方へ移動し、蓄圧用タンク20内の容量を増やすことができる。
【0058】
したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(7)と同様の効果に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(8)蓄圧用タンク20内にばね機構41を設けるとともに、ばね機構41は圧縮ばね42及びスライド板43により構成されており、圧縮ばね42は、蓄圧用タンク20内の圧力が所定圧力を越えたときにスライド板43が下方へ移動するようにばね定数が予め設定されている。よって、例えば、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力(例えば15MPa)を越えて、リリーフ弁25を介して蓄圧用タンク20内へ放出する際に、スライド板43が下方へ移動し、蓄圧用タンク20内の容量を増やすことができる。したがって、サブタンク12から放出される水素ガスを蓄圧用タンク20内に充填することができる容量を確保することができ、蓄圧用タンク20における安全性を確保することができる。
【0059】
(9)また、例えば、水素ステーションでの水素充填時において、水素ステーションからの一定の充填圧力(例えば15MPa)で蓄圧用タンク20に供給されることで、スライド板43が下方へ移動し、蓄圧用タンク20内の容量を増やすことができる。
【0060】
(第3の実施形態)
以下、本発明を車両としての電気自動車の燃料電池に水素ガスを供給する水素ガス供給装置に具体化した第3の実施形態を図4にしたがって説明する。
【0061】
図4に示すように、蓄圧用タンク20内は、仕切板53にて上部室R1と下部室R2とに仕切られており、下部室R2内には該蓄圧用タンク20内の圧力に応じて該蓄圧用タンク20内の容量を調整する容量調整手段としてのリリーフ弁51が設けられている。リリーフ弁51を構成する圧縮ばねは、蓄圧用タンク20内の圧力が所定圧力(例えば15MPa)を越えたときに、リリーフ弁51を構成する弁体が開放するようにばね定数が予め設定されている。また、蓄圧用タンク20内の下部室R2には、下部室R2内の圧力を逃すための放出路52が設けられている。放出路52は、第5の供給路26側へ延びるように設けられるとともに、放出路52における第5の供給路26側端部が第5の供給路26と接続されている。
【0062】
上記構成の蓄圧用タンク20を用いた水素ガス供給装置10によれば、第2の実施形態と同様に、例えば、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力(例えば15MPa)を越えて、リリーフ弁25を介して蓄圧用タンク20内へ放出する際に、リリーフ弁51が開弁し、蓄圧用タンク20内の容量を増やすことができる。
【0063】
また、例えば、水素ステーションでの水素充填時において、水素ステーションからの一定の充填圧力(例えば15MPa)で蓄圧用タンク20に供給されることで、リリーフ弁51が開弁し、蓄圧用タンク20内の容量を増やすことができる。さらに、リリーフ弁51を介して蓄圧用タンク20内の下部室R2へ充填された水素ガスは、放出路52を介して、第5の供給路26側へ供給される。
【0064】
したがって、第3の実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(7)及び第2の実施形態の効果(8)、(9)と同様の効果に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
【0065】
(10)蓄圧用タンク20内の下部室R2には、下部室R2内の圧力を逃すための放出路52が設けられるとともに、放出路52は第5の供給路26と連通している。よって、リリーフ弁51を介して蓄圧用タンク20内の下部室R2へ充填された水素ガスは、放出路52を介して、第5の供給路26側へ供給される。したがって、下部室R2内から放出路52を介して第5の供給路26側へ供給された水素ガスをサブボンベ12aへ供給することができる。また、下部室R2内から放出路52を介して第5の供給路26側へ供給された水素ガスを再び蓄圧用タンク20の上部室R1へ戻すことができる。
【0066】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第1の実施形態において、蓄圧用タンク20内の圧力をサブボンベ12aにおける予め設定された圧力よりも上回るように、コンプレッサ17によって蓄圧用タンク20内の圧力を保つようにしてもよい。これによれば、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力を下回ったときに、第3バルブV3を開弁するだけで、蓄圧用タンク20内に充填されている水素ガスをサブボンベ12aへスムーズに供給することができる。
【0067】
○ 第1の実施形態において、第4の供給路24には、開閉手段としてサブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力を越えると開弁状態となるリリーフ弁25を設けたが、これに限らない。例えば、第4の供給路の途中に開閉手段として電磁弁を設けるとともに、サブボンベ12a内の圧力が予め設定された圧力を越えると該電磁弁が開弁状態となるように、制御装置31によって制御するようにしてもよい。
【0068】
○ 第1の実施形態において、コンプレッサ17は、電気自動車のブレーキング時にコンプレッサ17と駆動輪19とがクラッチ機構18によって接続されることにより、駆動輪19の回転で駆動できるようにしたが、これに限らず、例えば、コンプレッサ17の駆動源を別途設けてもよい。
【0069】
○ 第1の実施形態において、メインボンベ11a内における水素ガスの充填量が不足している状態と判断されたときには、コンプレッサ17によって蓄圧用タンク20内の圧力を昇圧するとともに、蓄圧用タンク20内の水素ガスをサブボンベ12a内へ供給するようにしたが、これに限らない。例えば、メインボンベ11a内における水素ガスの充填量が不足している状態と判断されたときには、コンプレッサ17によってメインボンベ11a内の圧力を昇圧するとともに、メインボンベ11a内の水素ガスをサブボンベ12a内へ供給するようにしてもよい。
【0070】
○ 第1の実施形態において、メインボンベ11a内にサブボンベ12aへ供給可能な水素ガスが十分に充填されていると判断されるときには、第2バルブV2及び第3バルブV3を開弁するとともに、メインボンベ11aからサブボンベ12a内へ供給されるようにしたが、これに限らない。例えば、メインボンベ11a内にサブボンベ12aへ供給可能な水素ガスが十分に充填されていると判断されるときには、第2バルブV2を開弁するとともに、メインボンベ11a内の水素ガスをいったん蓄圧用タンク20内に充填させ、その後、第3バルブV3を開弁するとともに蓄圧用タンク20内の水素ガスをサブボンベ12a内へ供給するようにしてもよい。
【0071】
○ 第2及び第3実施形態において、サブボンベ12a内へ水素ガスを充填する際に、メインボンベ11a内の水素ガスをいったん蓄圧用タンク20内に充填させ、その後、第3バルブV3を開弁するとともに蓄圧用タンク20内の水素ガスをサブボンベ12a内へ供給するようにしてもよい。このときに、容量調整手段(ばね機構41又はリリーフ弁51)によって、蓄圧用タンク20内の容量を小さくすることで、蓄圧用タンク20への充填時間を短縮させて、メインボンベ11aからサブボンベ12aへより効率良く水素ガスを供給させるようにしてもよい。
【0072】
○ 水素ガス供給装置10は、電気自動車の燃料電池に水素ガスを供給するものに限らず、例えば、水素エンジン車等の水素源として搭載されて使用される水素タンクに水素ガスを供給する供給用として適用してもよい。
【0073】
○ 水素ガス供給装置10は車両用に限らず、例えば、車両以外の移動体用に適用したり、家庭用のコジェネレーションシステムに適用したりしてもよい。
○ 水素吸蔵材料は、水素吸蔵合金に限らず、例えば、非金属からなるとともに水素を吸蔵できる材料であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
10…水素ガス供給装置、11a…主水素貯蔵器としてのメインボンベ、12a…副水素貯蔵器としてのサブボンベ、17…コンプレッサ、19…駆動輪、20…タンクとしての蓄圧用タンク、23…放出用管路を構成する第3の供給路、24…放出用管路を構成する第4の供給路、25…開閉手段として機能するリリーフ弁、41…容量調整手段としてのばね機構、51…容量調整手段としてのリリーフ弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の高温状態で水素を放出する高温用水素吸蔵材料を収容する主水素貯蔵器と、
前記所定の高温状態よりも低い温度状態で水素を放出し得る低温用水素吸蔵材料を収容する副水素貯蔵器と、
前記副水素貯蔵器と放出用管路を介して連結されたタンクと、
前記放出用管路に設けられるとともに前記放出用管路を開閉する開閉手段と、を備え、
前記開閉手段は、前記副水素貯蔵器内の圧力が予め設定された圧力を越えたときに前記放出用管路を開くことを特徴とする水素ガス供給装置。
【請求項2】
前記開閉手段は、前記副水素貯蔵器内の圧力が予め設定された圧力を越えると開弁状態となるリリーフ弁であることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス供給装置。
【請求項3】
前記タンク内には、該タンク内の圧力に応じて該タンク内の容量を調整する容量調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水素ガス供給装置。
【請求項4】
前記水素ガス供給装置は車両に搭載されるとともに、前記車両に設けられる駆動輪の回転によって駆動して前記主水素貯蔵器又は前記タンク内の圧力を昇圧させるコンプレッサをさらに設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の水素ガス供給装置。
【請求項5】
前記コンプレッサによって前記タンク内の圧力を一定に保つことを特徴とする請求項4に記載の水素ガス供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−266046(P2010−266046A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120000(P2009−120000)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】