説明

水素生成システム

【課題】水素の生成効率を低下させず、効率良く熱の回収も可能とした水素生成システムを提供する。
【解決手段】本発明の水素生成システムは、光触媒性半導体を含む第1電極と水を含む電解液(第1電解液及び第2電解液)等とを含み、前記光触媒性半導体に光が照射されることによって前記水が分解されて水素が発生する水素生成デバイス100と、前記第1電解液を水素生成デバイス100外に導出し、且つ水素生成デバイス100内に再び導入する第1循環経路201を含み、第1循環経路201を用いて前記第1電解液を循環させる機構と、第1循環経路201上に設けられた第1熱交換器204と、前記第1電解液の温度を計測する温度計測装置203と、を備える。第1電解液が所定の温度以上である場合に、第1熱交換器204において、第1循環経路201の第1電解液と第1水流ライン205の水との熱交換が行われて、第1電解液が冷却され且つ水が加熱される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の照射により水素を生成するデバイスを備えた水素生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光により電解質を水素へ開裂するための光電気化学システムにおいて、前記電解質から熱を引き出し、熱を家庭用温水等に供給するよう構成された熱交換器を備えたシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この光電気化学システムは、太陽熱により熱を得た電解質から、熱交換器を介して熱を回収し、回収された熱を家庭用温水等に供給するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−507464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、太陽熱を利用して水を加熱する際の課題として、太陽熱から得られる熱エネルギーは大きいものの、水の比熱の大きさ及び太陽エネルギー密度の希薄さにより、高温の水を得るためには時間を要するという課題がある。
【0005】
特許文献1に記載の光電気化学システムにおいては、電解質は、その温度が十分に上がるよりも前に熱交換器で熱を奪われて冷却されてしまうため、電解質の温度が高温に達することはなかった。したがって、このシステムは、高温の熱を得ることができないという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、水素の生成効率を低下させることなく、併せて効率良く熱の回収も可能とした、水素生成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の水素生成システムは、
光触媒性半導体を含む第1電極と、前記第1電極と電気的に接続された第2電極と、前記第1電極の表面及び前記第2電極の表面と接する、水を含む電解液と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記電解液を前記第1電極の表面と接する第1電解液と前記第2電極の表面と接する第2電解液とに分割するセパレータと、前記第1電極、前記第2電極、前記電解液及び前記セパレータを収容する筐体と、を備え、前記第1電極の前記光触媒性半導体に光が照射されることによって前記水が分解されて水素が発生する、水素生成デバイスと、
前記第1電解液を前記水素生成デバイス外に導出し、且つ前記水素生成デバイス内に再び導入する第1循環経路を含み、前記第1循環経路を用いて前記第1電解液を循環させる機構と、
前記第1循環経路上に設けられた第1熱交換器と、
前記第1電解液の温度を計測する手段と、
を備え、
計測された前記第1電解液の温度が所定の温度以上である場合に、前記第1熱交換器において、前記第1循環経路の前記第1電解液と第1液体経路の第1液体との熱交換が行われて、前記第1電解液が冷却され且つ前記第1液体が加熱される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水素生成システムを構成する水素生成デバイスでは、第1電極に含まれる光触媒性半導体に光(一般的には太陽光)が照射されることによって水素が発生する。したがって、このような水素生成デバイスは、第1電極が光照射側となる向きで設置されることが一般的であり、光照射によって第1電極と接する第1電解液の温度が上昇する。本発明の水素生成システムによれば、第1電解液の熱を別の液体(第1液体)を介して取り出し、種々の用途に利用できる。ただし、本発明の水素生成システムでは、第1電解液の温度が所定の温度以上となった場合に、第1熱交換器において、第1電解液と第1液体との間で熱交換が行われる。したがって、本発明の水素生成デバイスによれば、第1電解液に十分な量の熱を蓄積させて第1電解液の温度を十分に上昇させてから、第1電解液から熱を効率良く回収できる。また、本発明の水素生成システムでは、第1電解液は第1循環経路を流動し続けることができるので、電解液中のイオンの拡散が妨げられない。その結果、本発明の水素生成システムによれば、水素生成効率を低下させることなく、併せて効率良く熱を回収できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における水素生成システムを構成する水素生成デバイスの一構成例を示す概略図
【図2A】本発明の実施の形態1における水素生成システムの例を示す構成図
【図2B】実施の形態1の水素生成システムにおいて、熱が回収される際の制御部による処理の流れを示すフローチャート
【図3A】本発明の実施の形態2における水素生成システムの例を示す構成図
【図3B】実施の形態2の水素生成システムにおいて、熱が回収される際の制御部による処理の流れを示すフローチャート
【図4A】本発明の実施の形態3における水素生成システムの例を示す構成図
【図4B】実施の形態3の水素生成システムにおいて、熱が回収される際の制御部による処理の流れを示すフローチャート
【図5A】本発明の実施の形態4における水素生成システムの例を示す構成図
【図5B】実施の形態4の水素生成システムにおいて、熱が回収される際の制御部による処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における水素生成システムを構成する、水素生成デバイス100の一構成例を示す。
【0012】
水素生成デバイス100は、半導体電極(第1電極)101と、対極(第2電極)102と、半導体電極101と対極102とを電気的に接続する外部回路103と、を備える。これらは、筐体104の内部に収容されている。半導体電極101は、光触媒として機能する光触媒性半導体を含んでいればよい。例えば、半導体電極101は、導電基板と、当該導電基板上に設けられた、光触媒として機能する光触媒性半導体の層と、によって形成されることができる。半導体電極101に含まれる光触媒性半導体は、必ずしも単相の半導体である必要はなく、複数種類の半導体からなる複合体でもよい。対極102は、金属及び炭素材料等の導体物質から形成されていてもよいし、導電基材に金属が担持された構造を有していてもよい。ここで、外部回路103は、必ずしも設けられなくてもよい。半導体電極101と対極102とが直接接している場合等、外部回路103を用いずに半導体電極101と対極102との電気的な接続が得られる場合は、外部回路103を設ける必要はない。また、半導体電極101と対極102との間には、バイアスを印加できるような機構が設けられていてもよい。
【0013】
水素生成デバイス100の筐体104の内部には、少なくとも分解に用いられる水を含んだ電解液(後述の第1電解液106及び第2電解液107)が、さらに収容されている。筐体104の内部は、電解液を循環させるための循環経路(図示せず)と連通している。したがって、電解液は、筐体104の内部を流通している。電解液は、水素生成を効率的に行なうために、支持電解質、酸化還元材料、犠牲試薬及びpH調整材料等を含んでいてもよい。
【0014】
筐体104の半導体電極101側の面の一部は、太陽光を透過する部材で構成されている。また、筐体104は、例えば図1に示すように半導体電極101が効率的に太陽光を受光することが可能となるような角度、もしくは、例えば建築物の屋根等の設置する面の勾配に合わせて設置されることが望ましい。
【0015】
筐体104において、半導体電極101と対極102との間には、セパレータ105が配置されている。このセパレータ105は、筐体104内部を、半導体電極101側の領域と対極102側の領域とに分離している。セパレータ105によって、前記電解液は、半導体電極101の表面と接する第1電解液106と、対極102の表面と接する第2電解液107とに分割される。セパレータ105は、電解液に含まれるイオンは透過するが、気体は遮断するような材質からなっていることが好ましい。セパレータ105で筐体104内を半導体電極101側の領域と対極102側の領域とに分離することにより、生成した水素ガスおよび酸素ガスが混合することが防止される。
【0016】
第1電解液106は、第1電解液導入口108より筐体104の内部に導入される。半導体電極101に含まれる光触媒性半導体がn型半導体の場合、半導体電極101に太陽光が照射されると、第1電解液導入口108より導入された第1電解液106中の水の一部は、半導体電極101上で以下の反応式(1)の反応に用いられる。その結果、酸素が生成する。一方、励起された電子は、半導体電極101を構成する導電基板及び外部回路103を伝導して、対極102上で以下の反応式(2)の反応に用いられる。その結果、水素が生成する。この時、半導体電極101により吸収されなかった光、特に赤外光、及び、光が半導体電極101により吸収されたものの、反応式(1)の化学反応に使われなかった場合に放出される熱エネルギーにより、第1電解液106は加熱される。第1電解液106は流動しており、第1電解液導出口109から筐体104の外部に導出される。
【0017】
4h++2H2O → O2↑+4H+ (1)
4e-+4H+ → 2H2↑ (2)
【0018】
半導体電極101上で発生した酸素は、第1電解液106と共に、第1電解液導出口109から筐体104の外部へ導出される。なお、筐体104に酸素を導出する機構を別途設けて、この機構を利用して、半導体電極101上で発生した酸素を筐体104の外部に導出することも可能である。
【0019】
一方、対極102と接する第2電解液107は、第2電解液導入口110から、筐体104の内部に導入される。導入された第2電解液107中の水の一部は、対極102上で反応式(2)の反応に用いられる。その結果、水素が生成する。第2電解液107は流動しており、第2電解液導出口111から筐体104の外部へと導出される。
【0020】
対極102上で発生した水素は、第2電解液107と共に、第2電解液導出口111から筐体104の外部へ導出される。なお、筐体104に水素を導出する機構を別途設けて、この機構を利用して、対極102上で発生した水素を筐体104の外部に導出することも可能である。
【0021】
また、半導体電極101に含まれる光触媒性半導体がp型半導体の場合、半導体電極101上では反応式(2)の反応により水素が、対極102上では反応式(1)の反応により酸素が、それぞれ発生する。
【0022】
図2Aに、実施の形態1における水素生成システムの構成を示す。
【0023】
水素生成システムを構成する水素生成デバイス100の説明は前述したので省略する。以下、半導体電極101を構成する光触媒性半導体がn型半導体である場合について説明する。
【0024】
なお、図2Aには図示されていないが、本実施の形態の水素生成システムには制御部が設けられている。この制御部は、本システムの全体を制御するものであって、本システムを構成する各部分を制御できる。この制御部は、本発明の特徴部分である、第1電解液106の温度情報に応じて熱交換が行われるか否かの判断(詳細は後述する)も行う。
【0025】
本実施の形態の水素生成システムには、第1電解液106を水素生成デバイス100の外に導出し、且つ水素生成デバイス100内に再び導入する第1電解液循環経路(第1循環経路)201が設けられている。したがって、水素生成デバイス100の第1電解液106は、第1電解液導出口109から筐体104の外部へ導出されて、第1電解液循環経路201を流通して、第1電解液導入口108から再び筐体104内部へ導入される。
【0026】
第1電解液循環経路201上には、第1電解液106を循環させるためのポンプ202と、第1電解液循環経路201を流れる第1電解液106の温度を計測するための第1温度計測装置(第1電解液106の温度を計測する手段)203が設置されている。
【0027】
第1電解液循環経路201上には第1熱交換器204が設置されている。第1温度計測装置203により計測された第1電解液101の温度が所定の温度以上の場合に、第1熱交換器204において、第1電解液循環経路201の第1電解液106と第1水流ライン(第1液体経路)205の水(第1液体)との熱交換が行われる。第1水流ライン205上には、弁206が設置されており、第1水流ライン205の水量を制御することができる。本実施の形態の水素生成システムでは、前記制御部は、第1温度計測装置203から第1電解液106の温度の情報を受け、それを所定の温度と比較する。そして、第1電解液106の温度が所定の温度以上であれば、弁206を制御して弁206を開き、第1水流ライン205に水を流すことによって、熱交換を実施する。この熱交換により、第1電解液循環経路201を流れる第1電解液106が冷却され、第1水流ライン205を流れる水が加熱される。
【0028】
なお、所定の温度は、工場出荷時に設定されていてもよいし、季節や天気、外気温や日射量等の動作環境に応じて動的に設定されてもよい。また、外部のサーバー等の装置からの通知により設定されてもよい。
【0029】
なお、第1温度計測装置203は、第1電解液106の温度を計測できればよい。したがって、第1温度計測装置203は、水素生成デバイス100の内部に設置されていてもよいし、第1熱交換器204の内部に設置されていてもよいし、そのいずれでもない第1循環経路201上に設置されていてもよい。
【0030】
第1温度計測装置203により計測された第1電解液106の温度が所定の温度未満の場合には、弁206が操作されて第1水流ライン205を流れる水量を減量する、好ましくはほぼゼロにすることによって、第1熱交換器204において実質的な熱交換が行われないようにする。これにより、第1電解液循環経路201を流れる第1電解液106は、十分に温度が上昇していない段階で第1熱交換器204において熱を大幅に失うことがなく、水素生成デバイス100において獲得した熱を所定の温度に到達するまで蓄積することが可能となる。その結果、第1水流ライン205を介して、高温の湯を得ることができる。
【0031】
第1水流ライン205の水量の制御は、弁206を設置しなくても、例えばポンプ等の動力源を第1水流ライン205上に設置し、その出力を制御することによっても行うことができる。
【0032】
半導体電極101上で発生し、第1電解液導出口109から水素生成デバイス100の外部へと導出された酸素は、第1循環経路201上に設けられた第1気液分離装置207により、第1電解液循環経路201を流れる第1電解液106から分離され、除去される。
【0033】
一方、対極102上で発生した水素は、第2電解液導出口111から第2電解液107と共に水素生成デバイス100の外部へ導出された後、第2電解液循環経路208を流通し、第2気液分離装置209において第2電解液107から分離される。
【0034】
第2電解液循環経路208を流れる第2電解液107は、水素が除去された後、第2電解液導入口110から再び水素生成デバイス100に導入される。第2電解液循環経路208上には、第2電解液107を流動させる動力源として、ポンプ210が設置されている。
【0035】
また、第2電解液循環経路208は、必ずしも直接第2電解液導入口110に連結されている必要はなく、一度、第1電解液循環201と合流した後、再び分岐して第2電解液導入口110と連結する構成となっていてもよい。
【0036】
次に、本実施の形態の水素生成システムにおいて、第1電解液106の熱が回収される際の前記制御部による処理の流れを、図2Bに示されたフローチャートに沿って説明する。なお、ここでは、第1電解液106の温度が所定の温度未満の場合には、第1熱交換器204における熱交換が行われない例について説明する。
【0037】
制御部は、まず第1温度計測装置203から第1電解液106の温度の情報を取得する(S11)。次に、取得した第1電解液106の温度と所定の温度とを比較する(S12)。第1電解液106の温度が所定の温度未満の場合は、第1水流ライン205の弁206は開かれずに、第1熱交換器204における熱交換は行われない。一方、第1電解液106の温度が所定の温度以上の場合、制御部は第1水流ライン205の弁206を開く(S13)。これにより、第1熱交換器204において、第1電解液循環経路201の第1電解液106と第1水流ラインの水との間で熱交換が行われる。
【0038】
本実施の形態の水素生成システムでは、第1熱交換器201における熱交換の実施の有無の制御が、第1水流ライン205の弁206の開閉という、簡素な構成によって行われる。したがって、本実施の形態の水素生成システムは、効率の良い熱の回収を非常に簡素な構成によって実現できる。
【0039】
(実施の形態2)
実施の形態2の水素生成システムにおいて、水素生成デバイス100の構成は、実施の形態1の場合と同様である。したがって、ここではその説明を省略する。
【0040】
図3Aに、実施の形態2の水素生成システムの構成例を示す。図3Aにおいて、図1および図2Aと同じ構成要素については同じ符号を用い、説明は省略する。なお、図3Aには図示されていないが、本実施の形態の水素生成システムにも、実施の形態1と同様に、制御部が設けられている。この制御部は、本システムの全体を制御するものであって、本システムを構成する各部分を制御できる。この制御部は、本発明の特徴部分である、第1電解液106の温度情報に応じて熱交換が行われるか否かの判断(詳細は後述する)も行う。
【0041】
本実施の形態の水素生成システムは、第1電解液循環経路201上に、第1熱交換器204を経由しない第1バイパスライン211が設けられた構成を有する。第1バイパスライン211上には弁212が設けられている。第1電解液循環経路201上であって、且つ第1バイパスライン211が分岐した後の経路上には、弁213が設けられている。
【0042】
第1温度計測装置203により計測された第1電解液106の温度が所定の温度以上である場合、前記制御部は、第1バイパスライン211上の弁212を閉め、第1電解液循環経路201上の弁213を開ける。これにより、第1電解液循環経路201を流れる第1電解液106は、第1熱交換器204において、第1水流ライン205を流れる水と熱交換を行う。その結果、第1電解液循環経路201の第1電解液106は冷却されて、第1水流ライン205の水は加熱される。
【0043】
一方、第1温度計測装置203により計測された第1電解液106の温度が所定の温度未満の場合には、前記制御部は、弁212を開けて、弁213を閉める。これにより、第1電解液循環経路201を流れる第1電解液106は、第1熱交換器204を経由しないので、第1熱交換器204で冷却されることはない。これにより、第1電解液循環経路201を流れる第1電解液106は、十分に温度が上昇していない段階で第1熱交換器204において熱を失うことがなく、水素生成デバイス100において獲得した熱を所定の温度に到達するまで蓄積することが可能となる。その結果、第1水流ライン205を介して、高温の湯を得ることができる。ここで、第1バイパスライン211と熱交換器204側の流路との切り替えを、弁212と弁213とを用いる方法以外の方法で行うことも可能である。例えば、第1バイパスライン211と熱交換器204側の流路との分岐点に、三方コックを設けて、流路を切り替えてもよい。
【0044】
なお、気液分離装置207は、第1電解液循環経路201上であって、第1バイパスライン211が合流した後に設置されていることが望ましい。
【0045】
次に、本実施の形態の水素生成システムにおいて、第1電解液106の熱が回収される際の前記制御部による処理の流れを、図3Bに示されたフローチャートに沿って説明する。
【0046】
制御部は、まず第1温度計測装置203から第1電解液106の温度の情報を取得する(S21)。次に、取得した第1電解液106の温度と所定の温度とを比較する(S22)。第1電解液106の温度が所定の温度未満の場合は、制御部は、弁212を開き、弁213を閉じる(S23)。したがって、第1熱交換器204における熱交換は行われない。一方、第1電解液106の温度が所定の温度以上の場合、制御部は、弁212を閉じて、弁213を開く(S24)。これにより、第1熱交換器204において、第1電解液循環経路201の第1電解液106と第1水流ラインの水との間で熱交換が行われる。
【0047】
本実施の形態の水素生成システムでは、第1熱交換器201における熱交換の実施の有無の制御が、第1バイパスライン211と、第1バイパスライン211上に設けられた弁212と、第1電解液循環経路201上の弁213とを利用して行われる。これにより、効率の良い熱の回収という効果に加え、例えば諸事情により第1水流ライン205の水流を止めることができない場合でも、第1熱交換器201における熱交換の実施の有無を制御できるという効果も得られる。
【0048】
(実施の形態3)
実施の形態3の水素生成システムにおいて、水素生成デバイス100の構成は、実施の形態1の場合と同様である。したがって、ここではその説明を省略する。
【0049】
図4Aに、実施の形態3の水素生成システムの構成例を示す。図4Aにおいて、図1、図2A及び図3Aと同じ構成要素については同じ符号を用い、説明は省略する。なお、図4Aには図示されていないが、本実施の形態の水素生成システムにも、実施の形態1と同様に、制御部が設けられている。この制御部は、本システムの全体を制御するものであって、本システムを構成する各部分を制御できる。この制御部は、本発明の特徴部分である、第1電解液106の温度情報に応じて熱交換が行われるか否かの判断(詳細は後述する)も行う。
【0050】
本実施の形態の水素生成システムは、水素生成デバイス100において生成した水素を電気エネルギーに変換するための燃料電池301が設けられた構成を有する。第2気液分離装置209からは水素ライン302が分岐しており、得られた水素は燃料電池301に供給される。水素ライン302上には、水素を貯蔵するための設備、及び、水素を高圧にするための圧縮機構等が設置されていてもよい。
【0051】
燃料電池301には、燃料電池301の運転時に発生する余分の熱を回収して、燃料電池301を冷却するための、第2熱交換器303が設けられている。この第2熱交換器303と第1熱交換器204との間で液体を循環させる循環経路(第2循環経路)305が設けられている。すなわち、この第2循環経路305は、第1熱交換器204において、第1電解液106から熱を受け取る第1液体が流れる第1液体経路によって形成されている。この第1液体が燃料電池301を冷却する液体としても機能し、第2循環経路を循環する。
【0052】
第1温度計測装置203により計測された第1電解液106の温度が所定の温度以上の場合、第2循環経路205を流れる第1液体は、第1熱交換器204において第1電解液106からの熱で加熱され、さらに、第2熱交換器303において加熱される。第2循環経路305上には、第1熱交換器204よりも上流側で且つ第2熱交換器303よりも下流側に設けられた第3熱交換器304が設けられている。第3熱交換器304は、第2循環経路305を流れる第1液体と、第3水流ライン(第2液体経路)の水(第2液体)との熱交換によって、第1液体を冷却し、第3水流ラインの水を加熱する。したがって、第2熱交換器303を通過した第1液体は、第3熱交換器304において冷却され、その後再び第1熱交換器204において加熱される。
【0053】
ただし、本実施の形態の水素生成システムの場合、第1熱交換器204において熱交換を行うか否かの判断には、第1電解液106と所定の温度との大小関係に加えて、燃料電池303側の循環経路(第2循環経路)305を流れる第1液体の温度も考慮する必要がある。第1熱交換器204における熱交換は、第2循環経路305上において、第1熱交換器204よりも上流側であって、且つ第3熱交換器304よりも下流側の第1液体の温度が、第1電解液106の温度よりも低い場合に行われる。
【0054】
第2循環経路305上には、第2循環経路305を流れる第1液体を循環させるためのポンプ306が設置されている。なお、第2循環経路305を流れる第1液体は、水に限定されるものではなく、不凍液、その他の熱媒でもよい。
【0055】
第1温度計測装置203により計測された第1電解液106の温度が所定の温度未満の場合に、第3熱交換器304において冷却された、第2循環経路305を流れる第1液体が、第1熱交換器204において熱交換を行なわないようにするために、第2バイパスライン307が設けられている。
【0056】
第2循環経路305上であって、且つ第2バイパスライン307が分岐した後の経路上に、弁308が設けられている。第2バイパスライン上には、弁309が設けられている。
【0057】
第1温度計測装置203により計測された第1電解液106の温度が所定の温度以上の場合には、前記制御部は、弁308を開け、弁309を閉める。これにより、第1熱交換器204で熱交換が行われる。
【0058】
一方、第1温度計測装置203により計測された第1電解液106の温度が所定の温度未満の場合には、前記制御部は、弁308を閉め、弁309を開ける。これにより、第1熱交換器204において熱交換が行われない。
【0059】
第3熱交換器304において、第2循環経路305と熱交換を行ない、加熱される第3水流ライン310上には、貯湯槽311が設置されている。第3水流ライン310を流れる水は、貯湯槽311中の低温域部から供給され、第3熱交換器304において加熱され、貯湯槽311中の高温域部に供給される。
【0060】
貯湯槽311には、使用されて減少した湯を補うため、もしくは貯湯槽311の低温域部の温度が上がりすぎた場合の冷却のために、市水ライン312が連結されている。これにより、必要に応じて、貯湯槽311の低温域部に市水が供給される。
【0061】
第3水流ライン310を流れる水の動力源として、第3水流ライン310上には、ポンプ313が設置されている。
【0062】
また、第2循環経路305の第1液体が燃料電池301の冷却機能を損なわないようにするため、第2循環経路305上にも、第2温度計測装置314が設置される。第2温度計測装置314によって測定された第1液体の温度に応じて、第3水流ライン310を流れる水の流量を制御する、又は、市水ライン312から市水を供給する、等による第3熱交換器304における熱交換効率を制御する機構をさらに設けてもよい。
【0063】
また、第2温度計測装置314によって計測された第1液体の温度に応じて、第2循環経路305を流れる第1液体の流量制御などにより、第1熱交換器204における熱交換効率を制御して、第2循環経路305を流れる第1液体の温度制御を行なう機構をさらに設けてもよい。
【0064】
また、第1温度計測装置203で計測された第1電解液106の温度と比較する所定の温度は、燃料電池301の温度情報により決定することが望ましい。第2循環経路305の第1液体は、燃料電池301の冷却に用いられる。したがって、前記所定の温度を燃料電池301の温度よりも低い温度に設定することにより、燃料電池301の冷却機能を損なうことなく、第1電解液106の熱を第2循環経路305を介して回収することが可能となる。
【0065】
次に、本実施の形態の水素生成システムにおいて、第1電解液106の熱が回収される際の前記制御部による処理の流れを、図4Bに示されたフローチャートに沿って説明する。
【0066】
制御部は、まず、第2温度計測装置314から、第2循環経路305を流れる第1液体の温度の情報を取得する(S31)。制御部は、次に、第1温度計測装置203から第1電解液106の温度の情報を取得する(S32)。次に、取得した第1液体の温度と、第1電解液106の温度とを比較する(S33)。第1電解液106の温度が第1液体の温度よりも高い場合は、第1電解液106の温度と所定の温度とを比較する(S34)。第1電解液106の温度が所定の温度以上の場合、制御部は、弁309を閉じて、弁308を開く(S35)。これにより、第1熱交換器204において、第1電解液循環経路201の第1電解液106と第2循環経路305の第1液体との間で熱交換が行われる。一方、S33において第1液体の温度が第1電解液106の温度以上である場合と、S34において第1電解液106の温度が所定の温度未満の場合は、制御部は、弁309を開き、弁308を閉じる(S36)。すなわち、第1熱交換器204における熱交換は行われない。
【0067】
(実施の形態4)
実施の形態4の水素生成システムにおいて、水素生成デバイス100の構成は、実施の形態1の場合と同様である。したがって、ここではその説明を省略する。
【0068】
図5Aに、実施の形態4の水素生成システムの構成例を示す。図5Aにおいて、図1、図2A、図3A及び図4Aと同じ構成要素については同じ符号を用い、説明は省略する。なお、図5Aには図示されていないが、本実施の形態の水素生成システムにも、実施の形態1と同様に、制御部が設けられている。この制御部は、本システムの全体を制御するものであって、本システムを構成する各部分を制御できる。この制御部は、本発明の特徴部分である、第1電解液106の温度情報に応じて熱交換が行われるか否かの判断(詳細は後述する)も行う。
【0069】
本実施の形態の水素生成システムにおいても、実施の形態3と同様に、水素生成デバイス100において生成した水素を電気エネルギーに変換するための燃料電池301が設けられている。第2気液分離装置209からは水素ライン302が分岐しており、得られた水素は燃料電池301に供給される。水素ライン302上には、水素を貯蔵するための設備、および水素を高圧にするための圧縮機構など、が設置されていてもよい。
【0070】
本実施の形態の水素生成システムは、第1電解液循環経路201上に、第1熱交換器204を経由しない第1バイパスライン211が設けられた構成を有する。第1バイパスライン211上には弁212が設けられている。第1電解液循環経路201上であって、且つ第1バイパスライン211が分岐した後の経路上には、弁213が設けられている。
【0071】
第1温度計測装置203により計測された第1電解液106の温度が所定の温度以上だった場合、前記制御部は、第1バイパスライン211上の弁212を閉め、第1電解液循環経路201上の弁213を開ける。これにより、第1電解液循環経路201を流れる第1電解液106は、第1熱交換器204において、第2循環経路305を流れる第1液体と熱交換を行う。その結果、第1電解液循環経路201の第1電解液106は冷却されて、第2循環経路305の第1液体は加熱される。
【0072】
一方、第1温度計測装置203により計測された第1電解液106の温度が所定の温度に達していない場合には、前記制御部は、弁212を開けて、弁213を閉める。これにより、第1電解液循環経路201を流れる第1電解液106は、第1熱交換器204を経由しないので、第1熱交換器204で冷却されることはない。これにより、第1電解液循環経路201を流れる第1電解液106は、十分に温度が上昇していない段階で第1熱交換器204において熱を失うことがなく、水素生成デバイス100において獲得した熱を所定の温度に到達するまで蓄積することが可能となる。その結果、第1水流ライン205を介して、高温の湯を得ることができる。
【0073】
ただし、本実施の形態の水素生成システムの場合、第1熱交換器204において熱交換を行うか否かの判断は、第1電解液106と所定の温度との大小関係に加えて、燃料電池303側の循環経路(第2循環経路)305を流れる第1液体の温度も考慮する必要がある。第1熱交換器204における熱交換は、第2循環経路305上において、第1熱交換器204よりも上流側であって、且つ第3熱交換器304よりも下流側の第1液体の温度が、第1電解液106の温度よりも低い場合に行われる。
【0074】
第2循環経路205を流れる第1液体は、第1熱交換器204を経由した後、第2熱交換器303において加熱される。第2循環経路305上には、第1熱交換器204よりも上流側で且つ第2熱交換器303よりも下流側に設けられた第3熱交換器304が設けられている。第3熱交換器304は、第2循環経路305を流れる第1液体と、第3水流ライン(第2液体経路)の水(第2液体)との熱交換によって、第1液体を冷却し、第3水流ラインの水を加熱する。したがって、第2熱交換器303を通過した第1液体は、第3熱交換器304において冷却され、その後再び第1熱交換器204において加熱される。
【0075】
第2循環経路305上には、第2循環経路305を流れる第1液体を循環させるためのポンプ306が設置されている。第2循環経路305を流れる第1液体は、水に限定されるものではなく、不凍液、その他の熱媒でもよい。
【0076】
第3熱交換器304において、第2循環経路305と熱交換を行ない、加熱される第3水流ライン310上には、貯湯槽311が設置されている。第3水流ライン310を流れる水は、貯湯槽311中の低温域部から供給され、第3熱交換器304において加熱され、貯湯槽311中の高温域部に供給される。
【0077】
貯湯槽311には、使用されて減少した湯を補うため、もしくは貯湯槽311の低温域部の温度が上がりすぎた場合の冷却のために、市水ライン312が連結されている。これにより、必要に応じて、貯湯槽311の低温域部に市水が供給される。
【0078】
第3水流ライン310を流れる水の動力源として、第3水流ライン310上には、ポンプ313が設置されている。
【0079】
また、第2循環経路305の第1液体が燃料電池301の冷却機能を損なわないようにするため、第2循環経路305上にも、第2温度計測装置314が設置される。第2温度計測装置314によって測定された第1液体の温度に応じて、第3水流ライン310を流れる水の流量を制御する、又は、市水ライン312から市水を供給する、等による第3熱交換器304における熱交換効率を制御する機構をさらに設けてもよい。
【0080】
また、第2温度計測装置314によって測定された第1液体の温度に応じて、第2循環経路305を流れる第1液体の流量制御などにより、第1熱交換器204における熱交換効率を制御して、第2循環経路305を流れる第1液体の温度制御を行なう機構をさらに設けてもよい。
【0081】
また、第1温度計測装置203で計測された第1電解液106の温度と比較する所定の温度は、燃料電池301の温度情報により決定することが望ましい。第2循環経路305の第1液体は、燃料電池301の冷却に用いられる。したがって、前記所定の温度を燃料電池301の温度よりも低い温度に設定することにより、燃料電池301の冷却機能を損なうことなく、第1電解液106の熱を第2循環経路305を介して回収することが可能となる。
【0082】
次に、本実施の形態の水素生成システムにおいて、第1電解液106の熱が回収される際の前記制御部による処理の流れを、図5Bに示されたフローチャートに沿って説明する。
【0083】
制御部は、まず、第2温度計測装置314から、第2循環経路305を流れる第1液体の温度の情報を取得する(S41)。制御部は、次に、第1温度計測装置203から第1電解液106の温度の情報を取得する(S42)。次に、取得した第1液体の温度と、第1電解液106の温度とを比較する(S43)。第1電解液106の温度が第1液体よりも高い場合は、第1電解液106の温度と所定の温度とを比較する(S44)。第1電解液106の温度が所定の温度以上の場合、制御部は、弁212を閉じて、弁213を開く(S45)。これにより、第1熱交換器204において、第1電解液循環経路201の第1電解液106と第2循環経路305の第1液体との間で熱交換が行われる。一方、S43において第1液体の温度が第1電解液106の温度以上である場合と、S44において第1電解液106の温度が所定の温度未満の場合は、制御部は、弁212を開き、弁213を閉じる(S46)。すなわち、第1熱交換器204における熱交換は行われない。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明にかかる水素生成システムは、太陽光照射により水を分解することにより得られる水素エネルギーのみならず、太陽光により加熱された循環水から熱エネルギーを回収し、高温の温水を得ることが可能となるため、太陽エネルギーを高い効率で利用することが可能であり、家庭用のみならず、業務用の発電システム等としても有用である。
【符号の説明】
【0085】
100 水素生成デバイス
101 半導体電極(第1電極)
102 対極(第2電極)
103 外部回路
104 筐体
105 セパレータ
106 第1電解液
107 第2電解液
108 第1電解液導入口
109 第1電解液導出口
110 第2電解液導入口
111 第2電解液導出口
201 第1電解液循環経路(第1循環経路)
202 ポンプ
203 第1温度計測装置
204 第1熱交換器
205 第1水流ライン(第1液体経路)
206 弁
207 第1気液分離装置
208 第2電解液循環経路
209 第2気液分離装置
210 ポンプ
211 第1バイパスライン
212 弁
213 弁
301 燃料電池
302 水素ライン
303 第2熱交換器
304 第3熱交換器
305 第2循環経路
306 ポンプ
307 第2バイパスライン
308 弁
309 弁
310 第3水流ライン(第2液体経路)
311 貯湯槽
312 市水ライン
313 ポンプ
314 第2温度計測装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光触媒性半導体を含む第1電極と、前記第1電極と電気的に接続された第2電極と、前記第1電極の表面及び前記第2電極の表面と接する、水を含む電解液と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記電解液を前記第1電極の表面と接する第1電解液と前記第2電極の表面と接する第2電解液とに分割するセパレータと、前記第1電極、前記第2電極、前記電解液及び前記セパレータを収容する筐体と、を備え、前記第1電極の前記光触媒性半導体に光が照射されることによって前記水が分解されて水素が発生する、水素生成デバイスと、
前記第1電解液を前記水素生成デバイス外に導出し、且つ前記水素生成デバイス内に再び導入する第1循環経路を含み、前記第1循環経路を用いて前記第1電解液を循環させる機構と、
前記第1循環経路上に設けられた第1熱交換器と、
前記第1電解液の温度を計測する手段と、
を備え、
計測された前記第1電解液の温度が所定の温度以上である場合に、前記第1熱交換器において、前記第1循環経路の前記第1電解液と第1液体経路の第1液体との熱交換が行われて、前記第1電解液が冷却され且つ前記第1液体が加熱される、
水素生成システム。
【請求項2】
計測された前記第1電解液の温度が前記所定の温度未満である場合に、前記第1熱交換器において、実質的に、前記第1循環経路の前記第1電解液と前記第1液体経路の前記第1液体との熱交換が行われない、
請求項1に記載の水素生成システム。
【請求項3】
前記第1電解液の温度を計測する前記手段が、前記第1循環経路上に設けられる、
請求項1又は2に記載の水素生成システム。
【請求項4】
燃料電池と、
前記水素生成部において生成された水素を前記燃料電池に供給する機構と、
をさらに備えた、請求項1〜3の何れか1項に記載の水素生成システム。
【請求項5】
前記第1液体経路上であって、前記第1熱交換器よりも下流側に、前記第1液体を前記燃料電池との熱交換によって加熱する第2熱交換器をさらに備えた、
請求項4に記載の水素生成システム。
【請求項6】
前記第1液体経路において前記第1熱交換器よりも上流側の前記第1液体の温度を計測する手段をさらに備え、
計測された前記第1液体の温度に応じて、前記第1熱交換器における熱交換効率を制御する、
請求項5に記載の水素生成システム。
【請求項7】
前記第1熱交換器における熱交換効率の制御が、前記第1液体経路における前記第1液体の流量調整によって行われる、
請求項6に記載の水素生成システム。
【請求項8】
前記第1液体経路は、前記第1液体を前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間で循環させる第2循環経路を形成しており、
前記第2循環経路を含み、前記第2循環経路を用いて前記第1液体を循環させる機構と、
前記第2循環経路上であって、前記第1熱交換器よりも上流側で且つ前記第2熱交換器よりも下流側に設けられ、前記第2循環経路の前記第1液体と第2液体経路の第2液体との熱交換によって前記第1液体を冷却し、前記第2液体を加熱する、第3熱交換器と、
をさらに備えた、
請求項5〜7の何れか1項に記載の水素生成システム。
【請求項9】
前記第3熱交換器によって加熱された前記第2液体の熱を利用して得られた湯を貯める貯湯槽をさらに備えた、
請求項8に記載の水素生成システム。
【請求項10】
前記貯湯槽は、前記第2液体経路上に設けられている、
請求項9に記載の水素生成システム。
【請求項11】
前記第2循環経路の前記第1液体の温度を計測する手段をさらに備え、
計測された前記第1液体の温度に応じて、前記第3熱交換器における熱交換効率を制御する、
請求項8〜10の何れか1項に記載の水素生成システム。
【請求項12】
前記第3熱交換器における熱交換効率の制御が、前記第2液体経路における前記第2液体の流量調整によって行われる、
請求項11に記載の水素生成システム。
【請求項13】
前記第3熱交換器における熱交換効率の制御が、前記第2液体経路に冷水を供給することによって行われる、
請求項11に記載の水素生成システム。
【請求項14】
前記第1電解液の前記所定の温度が、前記燃料電池の温度情報によって決定される、
請求項4〜13の何れか1項に記載の水素生成システム。
【請求項15】
前記第1液体経路において前記第1熱交換器よりも上流側の前記第1液体の温度を計測する手段をさらに備え、
計測された前記第1電解液の温度が、計測された前記第1液体の温度よりも高く且つ前記所定の温度以上である場合に、前記第1熱交換器において、前記第1循環経路の前記第1電解液と第1液体経路の第1液体との熱交換が行われて、前記第1電解液が冷却され且つ前記第1液体が加熱される、
請求項5〜14の何れか1項に記載の水素生成システム。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2013−76146(P2013−76146A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217949(P2011−217949)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】