説明

水素生成装置

【課題】粉化した水添脱硫剤は、水添脱硫器の底部に堆積するため、水添脱硫器において、折り返し前の脱硫層と折り返し後の脱硫層とを連通する箇所に閉塞が生じるおそれがある。
【解決手段】水添脱硫器101は、水添脱硫剤を含む第1の脱硫層2と、第1の脱硫層2を支持する第1の支持体3と、第1の脱硫層2の下流に設けられ、水添脱硫剤を含む第2の脱硫層6と、第2の脱硫層6を支持する第2の支持体7とを備え、第1の支持体3及び第2の支持体7よりも下方において第1の脱硫層2と第2の脱硫層6とを連通する連通路4を備え、連通路4には、水添脱硫剤が充填されていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水添脱硫器、および水添脱硫器を備える水素生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水素を用いた水添脱硫により、原料に含まれる硫黄化合物を除去する方法を採用した水素生成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。水添脱硫は、都市ガスやLPG等の原料中の多様な硫黄化合物の除去に適用可能である。また、水添脱硫によると、常温吸着脱硫よりも高い吸着容量が得られるため、水素生成装置を一定期間メンテナンスフリーにできるなどの利点がある。
【0003】
特許文献1に提案されている水素生成装置には、円筒状の水添脱硫器が設けられている。この水添脱硫器では、原料の流路は、折り返されるように構成されている。また、特許文献1には、燃焼排ガスや水素改質器で生成された改質ガスの熱を利用して水添脱硫器を加熱することも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−55868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に提案された水素生成装置では、起動停止の繰り返しに伴い、水添脱硫器に熱応力が生じ、水添脱硫剤の粉化が起こる場合がある。これは、水素生成装置の運転時に、水添脱硫器は、通常、高温(例えば、200℃−300℃)で使用されるからである。
【0006】
粉化した水添脱硫剤は、水添脱硫器の底部に堆積するため、水添脱硫器において、上記折り返し前の脱硫層と折り返し後の脱硫層とを連通する箇所に閉塞が生じるおそれがある。
【0007】
なお、ここでは、水素生成装置に使用される場合を例に、従来の水添脱硫器の課題を説明したが、他の用途に使用される水添脱硫器においても、上述と同様の問題が起こり得る。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであり、水添脱硫剤が粉化しても、折り返し前の脱硫層と折り返し後の脱硫層とを連通する箇所に閉塞が起きる可能性を従来よりも低減し得る水添脱硫器を提供することを目的とする。また、そのような水添脱硫器を備えた水素生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の水添脱硫器は、水添脱硫剤を含む第1の脱硫層と、前記第1の脱硫層を支持する第1の支持体と、前記第1の脱硫層の下流に設けられ、水添脱硫剤を含む第2の脱硫層と、前記第2の脱硫層を支持する第2の支持体とを備え、前記第1の支持体及び前記第2の支持体よりも下方において前記第1の脱硫層と前記第2の脱硫層とを連通する連通路を備え、前記連通路には、水添脱硫剤が充填されていない。
【0010】
本発明の水素改質装置は、上記水添脱硫器と、前記水添脱硫器を通過した後の原料を用いた改質反応によって水素含有ガスを生成する改質器とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、水添脱硫剤が粉化しても、折り返し前の脱硫層と折り返し後の脱硫層とを連通する箇所に閉塞が生じる可能性を従来よりも低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る水添脱硫器の構成の一例を示す断面図。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態2に係る水添脱硫器の構成の一例を示す断面図。
【図3】実施の形態2に係る水添脱硫器の構成の比較例を示す断面図。
【図4】(a)〜(c)は、それぞれ、実施の形態2の変形例1に係る水添脱硫器の構成の一例を示す断面図。
【図5】(a)〜(c)は、それぞれ、実施の形態3に係る水添脱硫器の構成の一例を示す断面図。
【図6】実施の形態3に係る水添脱硫器の構成の比較例を示す断面図。
【図7】(a)〜(c)は、それぞれ、実施の形態3の変形例2に係る水添脱硫器の構成の一例を示す断面図。
【図8】実施の形態4に係る水素生成装置の構成の一例を示すブロック図。
【図9】実施の形態1に係る水添脱硫器の他の構成を例示する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら実施の形態を説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0014】
(実施の形態1)
実施の形態1の水添脱硫器は、水添脱硫剤を含む第1の脱硫層と、第1の脱硫層を支持する第1の支持体と、第1の脱硫層の下流に設けられ、水添脱硫剤を含む第2の脱硫層と、第2の脱硫層を支持する第2の支持体と、第1の支持体及び第2の支持体よりも下方において、第1の脱硫層及び第2の脱硫層とを連通する連通路を備え、連通路には、水添脱硫剤が充填されていない。
【0015】
かかる構成により、第1の脱硫層及び第2の脱硫層で粉化した水添脱硫剤の少なくとも一部が、第1の支持体及び第2の支持体上に蓄積するため、従来に比べ、第1の脱硫層と第2の脱硫層とが連通する箇所に蓄積する水添脱硫剤の粉体の量が低減する。従って、本実施の形態の水添脱硫器は、第1の脱硫層と第2の脱硫層とが連通する箇所において流路の閉塞が生じる可能性が従来よりも低減する。
【0016】
次に、実施の形態1の水添脱硫器の一例について説明する。
【0017】
図1は、実施の形態1の水添脱硫器の一例を示す模式的な図である。
【0018】
水添脱硫器101は、第1の脱硫層2と第1の支持体3と、第2の脱硫層6、第2の支持体7と、連通路4とを備えている。
【0019】
第1の脱硫層2は、水添脱硫剤(水添脱硫触媒)を含む。第2の脱硫層6は、第1の脱硫層2の下流に設けられ、水添脱硫剤を含む。水添脱硫剤は、例えば、硫黄化合物を硫化水素に変換する機能と硫化水素を吸着する機能を共に備えるCuZn系触媒が用いられる。水添脱硫剤は、本例に限定されるものではなく、原料中の硫黄化合物を硫化水素に変換する水添触媒であるCoMo系触媒またはNiMo系触媒と、その下流に設けられる、硫化水素を吸着除去する硫黄吸着剤であるZnO系触媒、またはCuZn系触媒とで構成してもよい。
【0020】
前者の場合は、第1の脱硫層2及び第2の脱硫層6共にCuZn系触媒が用いられる。後者の場合は、第1の脱硫層2に、CoMo系触媒またはNiMo系触媒を用い、第2の脱硫層6にはZnO系脱硫剤またはCuZn系触媒が用いられる。
【0021】
第1の支持体3は、第1の脱硫層2を支持する。第2の支持体7は、第2の脱硫層6を支持する。これらの支持体3、7は、脱硫層2、6に含まれる水添脱硫剤を支持し、かつ、後述する原料(原料ガス)がこれらの支持体3、7を通過できるように構成されている。第1の支持体3および第2の支持体7は、原料を通過させる複数の開口が設けられている。
【0022】
これらの支持体3、7は、例えば、粉化前の水添脱硫剤の粒子径よりも小さいサイズの複数の開口を備えてもよい。また、上記開口の大きさは、粉化前の水添脱硫剤の粒子は通過し難く、かつ、粉化した水添脱硫剤(粉化触媒)が通過できるように設定されていてもよい。
【0023】
連通路4は、第1の支持体3及び第2の支持体7よりも下方において、第1の脱硫層2と第2の脱硫層6とを連通する。また、連通路4には、水添脱硫剤が充填されていない。なお、「水添脱硫剤が充填されていない」とは、粉化前の水添加脱硫剤で満たされていないことを意味し、粉化した後の水添加脱硫剤の一部が支持体3、7を通過して連通路4に蓄積することを排除するものではない。
【0024】
第1の脱硫層2を流れる原料は、上記連通路4において流れの向きを転回して第2の脱硫層を流れる。ここで、流れの向きを「転回する」とは、第1の脱硫層2を流れる原料が流れの向きを変更して、第2の脱硫層6を流れることを言う。また、「転回する」角度は、いずれの角度であってもよい。従って、第1の脱硫層2及び第2の脱硫層6のそれぞれにおける原料の流れの向きが略逆になる場合の他、角度が90度未満となる場合をも含む。
【0025】
水添脱硫器101では、上流より原料(原料ガス)及び水素の混合ガスが供給され、第1の脱硫層2によって水添脱硫される。第1の脱硫層2によって脱硫された原料は、第1の支持体3および第2の支持体7をこの順で通過して、第2の脱硫層6に導かれる。この後、第2の脱硫層6によってさらに水添脱硫される。第2の脱硫層6を通過後の原料は、例えば、改質器などの外部機器に供給される。
【0026】
原料は、少なくとも炭素及び水素を構成元素とする有機化合物を含む。具体的には、原料は、都市ガス、メタン、天然ガス、LPG等の炭化水素及びメタノール、エタノール等のアルコールが例示される。これらの原料中には、付臭成分としての硫黄化合物及び天然ガス由来の硫黄化合物の少なくともいずれか一方が含まれている。
【0027】
原料供給源として、上記のガスのインフラストラクチャ、これらのガスを貯蔵するボンベ等が例示される。なお、水添脱硫器101を水素生成装置などに使用する場合には、原料と水素生成装置で生成された水素含有ガスとを混合したガスを第1の脱硫層2に供給してもよい。
【0028】
本実施の形態の水添脱硫器101は、次のような利点を有する。
【0029】
水添脱硫器101の構造体(脱硫層2、6を収容する容器など)の熱収縮などによって、第1の脱硫層2に含まれる水添脱硫剤が割れて粉化触媒となった場合、第1の脱硫層及び第2の脱硫層で粉化した水添脱硫剤の少なくとも一部が、第1の支持体及び第2の支持体上に蓄積する。従って、従来の水添脱硫器に比べ、第1の脱硫層と第2の脱硫層とが連通する箇所に蓄積する水添脱硫剤の粉体の量が低減する。従って、本実施の形態の水添脱硫器は、第1の脱硫層と第2の脱硫層とが連通する箇所において流路の閉塞が生じる可能性が従来よりも低減する。
【0030】
また、水添脱硫器101の構造体(脱硫層2、6を収容する容器など)の熱収縮などによって、第1の脱硫層2に含まれる水添脱硫剤が割れて粉化触媒となった場合、粉化触媒の一部は第1の支持体3を通過し得る。第1の脱硫層2と粉化触媒とを分離することが可能となり、第1の脱硫層2の内部に留まる粉化触媒の量を従来よりも低減できる。
【0031】
同様に、本実施形態では、第2の脱硫層6に含まれる水添脱硫剤が割れて粉化触媒となった場合でも、粉化触媒の一部は第2の支持体7を通過し得る。このため、第2の脱硫層6の内部に留まる粉化触媒の量も従来よりも低減できる。従って、第1の脱硫層2および第2の脱硫層6内に粉化触媒が留まることによる圧損上昇を抑えることができ、水添脱硫器101を従来よりも安定して運転し得る。
【0032】
また、通常、水添脱硫剤(水添脱硫触媒)を常圧下で使用すると、水添脱硫剤の粒子表面にのみ硫黄が吸着し、粒子内部を硫黄の吸着に利用することは困難である。これに対し、水添脱硫触媒が粉化すると、単位重量当たりの表面積が大きくなるので、同じ触媒量でより高効率な脱硫を行うことができる。このように、本実施形態によると、粉化触媒を有効利用できるので、脱硫効率を従来よりも高めることが可能になる。
【0033】
なお、図1に示す例では、水添脱硫剤を2つの脱硫層(2ブロック)に分けているが、必要に応じてより多くのブロックに分割してもよい。例えば図9に示すように、脱硫層がそれぞれ設けられた流路を3以上配列し、隣接する脱硫層同士を連通させてもよい。具体的には、少なくとも2つの脱硫層を、支持体の下方において、水添脱硫触媒が充填されない連通路を介して連通させることにより、上記と同様の効果が得られる。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態2の水添脱硫器は、実施の形態1の水添脱硫器において、第1の脱硫層と第2の脱硫層とが、隔壁を介して隣接しており、隔壁は、第1の支持体及び第2の支持体よりも下方に延伸しており、連通路は、隔壁を挟んで第1の支持体よりも下方に配設された第1の空間部と、第2の支持体よりも下方に配設された第2の空間部とを備え、隔壁は、第1の支持体及び第2の支持体よりも下方において、第1の空間部と第2の空間部とを連通させるための連通孔を備えている。
【0035】
かかる構成により、隔壁が支持板よりも下方に延伸してない場合に比べ、空間部に堆積した粉化触媒に接触する原料の量が増加するので、脱硫効率が向上する。
【0036】
次に、本実施の形態の水添脱硫器の一例について説明する。
【0037】
図2(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態2の水添脱硫器の一例を示す模式的な断面図である。図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb’線に沿った断面図である。以下では、実施の形態1の水添脱硫器101との相違点のみを説明する。
【0038】
水添脱硫器102は、第1の脱硫層2および第1の支持体3と、第2の脱硫層6および第2の支持体7とを備えている。水添脱硫器102では、第1の脱硫層2と第2の脱硫層6とが、隔壁8を介して隣接している。隔壁8は、第1の支持体3よりも下方に延伸している。隔壁8は、また、第1の支持体3及び第2の支持体7よりも下方において、第1の脱硫層2と第2の脱硫層6とを連通させるための連通孔4Bを有している。
【0039】
水添脱硫器102においても、第1の支持体3及び第2の支持体7の下方に位置する連通路4が設けられていることが好ましい。第1の脱硫層2を通過した後の原料は、連通路4を通過して、第2の脱硫層6に導入される。本例では、連通路4は、第1および第2の支持体3、7の下方に第1および第2の空間部4A、4Cを備えている。この例では、第1の脱硫層2の上流側から見て、第1の脱硫層2、第1の支持体3および第1の空間部4Aの外縁が略整合している。同様に、第2の脱硫層6の下流側から見て、第2の脱硫層6、第2の支持体7および第2の空間部4Cの外縁が略整合している。従って、本実施の形態によると、図1に示す構成よりも、各脱硫層2、6で生じた粉化触媒を効率よく空間部4A、4Cに移動させることが可能である。
【0040】
連通孔4Bは、第1および第2の空間部4A、4Cを接続するように設けられていることが好ましい。
【0041】
隔壁8は、第1の脱硫層2に面した面(以下、「隔壁8の主面」)を備える。本明細書では、隔壁8の主面における、第1および第2の脱硫層2、6内の原料の流れに沿った長さを隔壁8の高さHとし、原料の流れと略垂直な方向の長さを幅Wとする。なお、隔壁8の幅Wが高さHに応じて変化する場合(隔壁8の主面が台形などの場合)には、隔壁8の主面うち第1および第2の支持体3、7を横切る部分の幅を「隔壁8の幅W」とする。
【0042】
連通孔4Bにおける隔壁8の幅W方向に沿った長さを「連通孔4Bの幅Db」、連通孔4Bにおける隔壁8の高さH方向に沿った長さを「連通孔4Bの高さhb」とする。本実施の形態では、連通孔4Bの幅Dbは隔壁8の幅Wと略等しい。連通孔4Bの高さhbは、第1および第2の空間部4A、4Cの高さから、隔壁8の主面のうち支持体3、7よりも下方に延伸した部分の高さを差し引いた値となる。
【0043】
図2に示す水添脱硫器102の構成によれば、前述の実施形態と同様に、水添脱硫剤が粉化した場合においても、第1の脱硫層21と第2の脱硫層6とが連通する箇所において、流路の閉塞が生じる可能性が従来よりも低減する。また、粉化触媒を第1および第2の脱硫層2、6から分離することが可能となり、水添脱硫器102の圧損上昇を従来よりも抑制できる。また、隔壁8を設けることにより、1つの容器内に2つの脱硫層を配設できるので、水添脱硫器のさらなる小型化を図ることができる。
【0044】
さらに、第1の支持体3よりも下方に連通孔4Bを配設しているので、粉化触媒によって連通孔4Bが閉塞することを抑制できる。
【0045】
水添脱硫器102では、隔壁8が第1の支持体3および第2の支持体7よりも下方まで延伸して、これらの支持体3、7の下にある空間を2つの空間部4A、4Cに分離している。原料は、隔壁8によりその流れを遮られ、隔壁8の下方を迂回するようにして、第1の空間部4Aから第2の空間部4Cに移動するため、第1および第2の空間部4A、4Cの底に堆積した粉化触媒上を舐めるように通過し、粉化触媒によってさらに脱硫され得る。このように、粉化触媒をも有効に利用でき、脱硫効率を高めることが可能になる。
【0046】
(比較例1)
図3は、比較例1の水添脱硫器を示す断面図である。
【0047】
図3に示すように、比較例1の水添脱硫器は、第1の脱硫層2と、第2の脱硫層6とを備えている。第1の脱硫層2と第2の脱硫層6とは、同一の容器内に設けられており、隔壁8を介して隣接している。各脱硫層2、6は、容器の底面上に堆積されている。隔壁8には、第1の脱硫層2と第2の脱硫層6とを連通させるための連通孔11が設けられている。比較例1では、各脱硫層2、6を支持する支持体は容器底面であり、この支持体よりも上に連通孔11が配設される。このため、連通孔11にも、粉化していない状態の水添脱硫剤が充填されている。
【0048】
比較例1の構成によると、第1および第2の脱硫層2、6に含まれる水添脱硫剤が粉化すると、粉化触媒10は、図示するように、各脱硫層2、6の底部に堆積する。この結果、連通孔11を通過する原料の流通が妨げられ、圧損上昇が起こる可能性がある。さらに、粉化触媒10の堆積量が増加すると、粉化触媒10が連通孔11を閉塞させる可能性がある。
【0049】
これに対し、上述した本実施形態の水添脱硫器102は、第1の支持体3の下方に連通孔4Bが設けられているので、本比較例1の水添脱硫器に比べ、粉化触媒に起因する圧損上昇や連通孔4Bの閉塞が抑制される。
【0050】
(変形例1)
実施の形態2の変形例1の水添脱硫器は、隔壁は、第1の脱硫層に面する主面を備え、隔壁の主面における、第1の脱硫層内の原料が流れる方向に垂直な長さを隔壁の幅とすると、連通孔における隔壁の幅に平行な幅は、隔壁の幅よりも小さくてもよい。
【0051】
かかる構成により、連通孔の幅が隔壁の主面の上記幅よりも小さくない場合に比べ、第2の脱硫層に流入前の原料の脱硫の程度の空間分布がより均一になり、水添脱硫器の寿命が向上する。
【0052】
次に、実施の形態2の水添脱硫器の変形例1を説明する。
【0053】
図4(a)〜(c)は、それぞれ、変形例1の水添脱硫器の構成の一例を示す断面図である。図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb’線に沿った断面図、図4(c)は、図4(a)のIVc−IVc’線に沿った断面図を示している。
【0054】
変形例1の水添脱硫器103は、連通孔4Bの幅Dbが、隔壁8の主面の幅Wよりも小さくなるように連通孔4Bが設けられている点で、図2に示す水添脱硫器102と異なっている。連通孔4Bは、第1の空間部4Aと第2の空間部4Cとを連通するように配設されている。
【0055】
変形例1の水添脱硫器103では、連通孔4Bの幅Dbが、隔壁8の主面の幅W以上である場合に比べ、第2の脱硫層6に流入前の原料の脱硫の程度の空間分布がより均一になる。これは、以下の理由による。まず、第1の脱硫層2を通過した後の原料の流れは、連通孔4Bで絞られた後に、第2の空間部4Cで拡散する。このとき第1の脱硫層2を通過した後の第1の空間部4A内の原料において、脱硫の程度の空間分布に偏りがあっても、連通孔4Bの前後で気流が乱れるため、原料の脱硫の程度の空間分布が均一化される。これにより、第2の脱硫層での脱硫量の分布の偏りが低減するので、水添脱硫器の寿命が向上する。
【0056】
第1の脱硫層2における原料の流れる方向を第1方向とし、第2の脱硫層6における原料の流れる方向を第2方向とする。この例では、隔壁8の幅Wは、第1の空間部4Aの第1方向に垂直な断面における隔壁8の幅Wに平行な幅w1および第2の空間部4Cの第2方向に垂直な断面における隔壁8の幅Wに平行な幅w1’と略等しい。従って、連通孔4Bの幅Dbは、空間部4A、4Cの幅w1、w1’よりも小さい。
【0057】
また、第1の空間部4Aの幅w1は、第1の支持体3の第1方向に垂直な断面における隔壁8の幅Wに平行な幅Lと略等しい。同様に、第2の空間部4Cの幅w1’は、第2の支持体7の第2方向に垂直な断面における隔壁8の幅Wに平行な幅L’と略等しい。
【0058】
連通孔4Bの幅Dbは、原料流量などによって変わり、特に限定されないが、例えば、隔壁8の幅W(すなわち第1および第2の空間部4A、4Cの幅w1、w1’)の1/2未満であってもよい。これにより、粉化触媒の利用率をより高めることができる。
【0059】
また、連通孔4Bの開口面積(この例ではDb×hb)は、第1の空間部4Aの第1方向に垂直な断面積および第2の空間部4Cの第2方向に垂直な断面積(この例ではw1×w2、w1’×w2’)よりも小さい(例えば1/4以下)。具体的には、例えば、連通孔4Bの幅Dbは、第1および第2の空間部4A、4Cの幅w1、w1’よりも小さく(Db<w1、w1’)、かつ、連通孔4Bの高さhbは、第1の空間部4Aの第1方向に垂直な断面における隔壁8の幅Wに垂直な幅w2および第2の空間部4Cの第2方向に垂直な断面における隔壁8の幅Wに垂直な幅w2’よりも小さい(hb<w2、w2’)。これにより、上記水添脱硫器103は、Db<w1、w1’及びhb<w2、w2’のいずれか一方のみを満たす場合に比べ、連通孔4Bの前後で気流の乱れがより大きくなる。従って、水添脱硫器103は、第2の空間部4Cにおける原料の脱硫の程度の空間分布がより均一化され、水添脱硫器の寿命が向上する。
【0060】
(実施の形態3)
本実施の形態3の水添脱硫器は、連通路は、第1の支持体の下方に配設された第1の空間部と、第2の支持体の下方に配設された第2の空間部と、第1の空間部と第2の空間部とを接続する接続路とを備える。
【0061】
かかる構成により、隔壁が支持板よりも下方に延伸してない場合に比べ、空間部に堆積した粉化触媒に接触する原料の量が増加するので、脱硫効率が向上する。
【0062】
次に、本実施の形態の水添脱硫器の一例について説明する。
【0063】
図5(a)〜(c)は、それぞれ、実施の形態3の水添脱硫器の一例を示す模式的な断面図である。図5(b)は、図5(a)のVb−Vb’線に沿った断面図、図5(c)は、図5(a)のVc−Vc’線に沿った断面図である。以下では、実施の形態1の水添脱硫器101との相違点のみを説明する。
【0064】
水添脱硫器104は、第1の脱硫層2および第1の支持体3と、第2の脱硫層6および第2の支持体7とを備えている。
【0065】
また、水添脱硫器104は、第1の支持体3の下方に配設された第1の空間部4Aと、第2の支持体7の下方に配設された第2の空間部4Cと、第1の空間部4Aと第2の空間部4Cとを接続する接続路4Dとをさらに備えている。
【0066】
水添脱硫器104では、第1の脱硫層2の上流側から見たとき、第1の脱硫層2、第1の支持体3および第1の空間部4Aの外縁が略整合している。同様に、第2の脱硫層6の下流側から見たとき、第2の脱硫層6、第2の支持体7および第2の空間部4Cの外縁が略整合している。
【0067】
ここで、第1の脱硫層2における原料の流れる方向を第1方向、第2の脱硫層6における原料の流れる方向を第2方向、接続路4Dにおける原料の流れる方向を第3方向とする。接続路4Dの第3方向に垂直な断面における第1方向に垂直な幅を「接続路4Dの幅Da」、接続路4Dの第3方向に垂直な断面における第1方向に平行な幅を「接続路4Dの高さha」と呼ぶ。また、第1の支持体3の第1方向に垂直な断面における幅Daに平行な幅を「第1の支持体3の幅L」、第2の支持体7の第2方向に垂直な断面における幅Daに平行な幅を「第2の支持体7の幅L2’」とする。この例では、接続路4Dの幅Daは、第1の支持体3、7における幅Daに平行な幅L、L’と略等しい。また、第1の支持体3の幅Lは、第1の空間部4Aの第1方向に垂直な断面における幅Daに平行な幅w1と略等しい。同様に、第2の支持体7の幅L’は、第2の空間部4Cの第2方向に垂直な断面における幅Daに平行な幅w1’と略等しい。
【0068】
また、接続路4Dの第3方向に垂直な断面積(この例では、Db×ha)は、第1の空間部4Aの第1方向に垂直な断面積および第2の空間部4Cの第2方向に垂直な断面積(この例ではw1×w2、w1’×w2’)よりも小さい(例えば、1/4以下)。
【0069】
なお、図5に示す例では、接続路4Dは、第1および第2の空間部4A、4Cの高さ方向における略中央に配設されているが、これらの空間部4A、4Cの底部近傍に配設されていてもよい。底部に近い位置に配設されていると、空間部4A、4Cにおいて、粉化触媒と原料との接触量を増加させることができる。この結果、脱硫効率をより高めることが可能になる。
【0070】
一方、接続路4Dが空間部4A、4Cの底部から離して配設されていると、底部に近い位置に配設されているよりも、粉化触媒の堆積量の増加によって接続路4Dが閉塞することが抑制される。
【0071】
図5に示す水添脱硫器104では、第1の脱硫層2を通過した後の原料の流れは、接続路4Dで絞られた後に、第2の空間部4Cで拡散する。
【0072】
このため、第1の脱硫層2を通過した後の原料において、脱硫の程度の空間分布に偏りが生じていても、接続路4Dの前後の気流の乱れによって、第2の空間部4Cにおける原料の脱硫の程度の空間分布がより均一化される。これにより、水添脱硫器104は、寿命が向上する。
【0073】
(比較例2)
図6は、比較例2の水添脱硫器を示す断面図である。
【0074】
比較例2の水添脱硫器は、第1の脱硫層2および第1の支持体3と、第2の脱硫層6および第2の支持体7と、第1の脱硫層2と第2の脱硫層6とを連通する連通路12とを備えている。第1および第2の支持体3、7の下方には、それぞれ、第1および第2の空間部21、22が設けられている。連通路12は、第1の支持体3よりも上方に配設されている。
【0075】
比較例2の構成によると、水添脱硫器の構造体の熱収縮などによって第1および第2の脱硫層2、6に含まれる水添脱硫剤が粉化すると、粉化触媒は、第1および第2の支持体3、7を通過して第1および第2の空間部21、22に堆積する(粉化触媒13、14)。しかしながら、原料は、堆積した粉化触媒13、14と接触することなく第2の脱硫層6に導入されるので、粉化触媒13、14によってさらに脱硫を行うことはできない。従って、粉化触媒を有効に利用することができない。
【0076】
これに対し、上述した本実施形態の水添脱硫器104では、原料が空間部4A、4C内で粉化触媒と接触するので、本比較例2の水添脱硫器に比べ、水添脱硫触媒との接触量が増加し、脱硫効率が向上する。
【0077】
(変形例2)
実施の形態3の変形例2の水添脱硫器は、第1の脱硫層における原料の流れる方向を第1方向、接続路における原料の流れる方向を第3方向とすると、接続路の第3方向に垂直な断面における第1方向に垂直な幅は、第1の脱硫層の第1方向に垂直な断面における接続路の幅に平行な幅よりも小さい。
【0078】
かかる構成により、接続路の幅が、第1の脱硫層の第1方向に垂直な断面における接続路の幅に平行な幅以上である場合に比べ、第2の脱硫層に流入前の原料の脱硫の程度の空間分布がより均一になり、水添脱硫器の寿命が向上する。
【0079】
次に、実施の形態3の変形例2の水添脱硫器の一例について説明する。
【0080】
図7(a)〜(c)は、それぞれ、変形例2の水添脱硫器の構成の一例を示す模式的な断面図である。図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb’線に沿った断面図、図7(c)は、図7(a)のVIIc−VIIc’線に沿った断面図である。
【0081】
変形例2の水添脱硫器105は、接続路4Dの幅Daが、第1の支持体3における幅Daに平行な幅Lよりも小さい点で、図5に示す水添脱硫器104と異なっている。また、接続路4Dの幅Daは、さらに、第2の支持体7における幅Daに平行な幅L’よりも小さくてもよい。
【0082】
この例では、第1の支持体3の幅Lは、第1の脱硫層2の第1方向に垂直な断面における幅Daに平行な幅(「第1の脱硫層2の幅」と称する)と略等しい。また、第2の支持体7の幅L’は、第2の脱硫層6の第2方向に垂直な断面における幅Daに平行な幅(「第2の脱硫層6の幅」と称する)と略等しい。従って、接続路4Dの幅Daは、第1および第2の脱硫層2、6の幅よりも小さい。なお、第1および第2の脱硫層2、6の幅が脱硫層2、6の高さに応じて変化する場合には、接続路4Dの幅Daは、第1および第2の脱硫層2、6の支持体3、7の近傍における幅よりも小さければよい。
【0083】
また、この例では、第1の支持体3の幅Lは、第1の空間部4Aの第1方向に垂直な断面における幅Daに平行な幅w1と略等しい。また、第2の支持体7の幅L’は、第2の空間部4Cの第2方向に垂直な断面における幅Daに平行な幅w1’と略等しい。従って、接続路4Dの幅Daは、空間部4A,4Cの幅w1、w1’よりも小さい。なお、この例では、第1および第2の空間部4A、4Cの幅Daに平行な幅w1、w1’は等しいが(w1=w1’)、これらの幅は異なっていてもよい。
【0084】
変形例2の構成によると、水添脱硫器104と比べて、接続路4Dで原料の流れをさらに絞ることができるので、第2の空間部4Cにおける原料の脱硫の程度の空間分布をさらに均一化することができる。これにより、本変形例の水添脱硫器は、水添脱硫器104よりも寿命を向上し得る。
【0085】
接続路4Dの幅Daは、原料流量などによって変わり、特に限定されないが、例えば、空間部4A、4Cの幅w1、w1’の1/2未満である。
【0086】
また、接続路4Dの幅Daは、空間部4A、4Cの幅w1、w1’(接続路4Dの幅Daと平行な幅)よりも小さく(Db<w1、w1’)、かつ、連通孔4Bの高さhbは、空間部4A、4Cの幅w2、w2’よりも小さくてもよい(hb<w2、w2’)。上記の水添脱硫器は、Db<w1、w1’及びhb<w2、w2’の少なくともいずれか一方のみを満たす水添脱硫器に比べ、接続路4Dの前後で気流の乱れがより大きくなる。従って、原料の脱硫の程度の空間分布がさらに均一化し、水添脱硫器の寿命が向上する。
【0087】
(実施の形態4)
実施の形態4の水素生成装置は、実施の形態1−3及びこれらの変形例の少なくともいずれかの水添脱硫器と、水添脱硫器を通過した後の原料を用いた改質反応によって水素含有ガスを生成する改質器とを備える。
【0088】
かかる構成により、本実施の形態の水素生成装置は、従来に比べ、折り返し前の脱硫層と折り返し後の脱硫層とを連通する箇所に閉塞が生じる可能性を低減し、より安定的の水素生成装置を運転し得る。
【0089】
次いで、上述した水添脱硫器101〜105の何れかを備える水素生成装置の実施の形態を説明する。
【0090】
図8は、実施の形態4の水素生成装置200の構成を示す概略図である。
【0091】
水素生成装置200は、改質器91と、水添脱硫器100と、改質器91に原料を供給する原料供給器93および原料供給路95と、水素含有ガス流路96と、リサイクル流路97とを備える。
【0092】
改質器91は、原料を用いて水素含有ガスを生成する。具体的には、改質器91内において、原料が改質反応して、水素含有ガスが生成される。改質反応は、いずれの形態であってもよく、例えば、水蒸気改質反応、オートサーマル反応及び部分酸化反応等が挙げられる。図8には示されていないが、各改質反応において必要となる機器は適宜設けられる。例えば、改質反応が水蒸気改質反応であれば、改質器91を加熱する燃焼器、水蒸気を生成する蒸発器、及び蒸発器に水を供給する水供給器が設けられる。燃焼器の燃料は、いずれの燃料であってもよい。例えば、天然ガスやLPGなどの原料であってもよいし、改質器91より排出される水素含有ガスであってもよい。また、水素含有ガスの供給先(水素利用機器)で消費されなかった残りの水素含有ガス(オフガス)であってもよい。
【0093】
なお、改質器91の下流に改質器91で生成された水素含有ガス中の一酸化炭素を低減するためのCO低減器を設けても構わない。CO低減器は、シフト反応により一酸化炭素を低減させる変成器と、酸化反応及びメタン化反応の少なくともいずれか一方により一酸化炭素を低減させるCO除去器との少なくともいずれか一方を備える。
【0094】
原料供給路95は、改質器91に供給される原料が流れる流路である。
【0095】
水添脱硫器100は、改質器91に供給される原料中の硫黄化合物を除去する。水添脱硫器100として、例えば水添脱硫器101〜105の何れかを用いることができる。水添脱流剤は、例えば、原料中の硫黄化合物を硫化水素に変換するCoMo系触媒と、その下流に設けられる、硫化水素を吸着除去する硫黄吸着剤であるZnO系触媒、またはCuZn系触媒とで構成されている。水添脱硫用の脱硫剤は、本例に限定されるものではなく、硫黄化合物を硫化水素に変換する機能と硫化水素を吸着する機能を共に備えるCuZn系触媒のみで構成されても構わない。
【0096】
原料供給器93は、改質器91へ供給する原料の流量を調整する機器である。原料は、原料供給源により原料供給器93に供給される。原料供給源は、所定の供給圧を有しており、例えば、原料ガスボンベ、原料ガスインフラ等が挙げられる。
【0097】
水素含有ガス流路96は、改質器91で生成された水素含有ガスが流れる流路である。リサイクル流路97は、改質器91より送出された水素含有ガスの一部を、水添脱硫器100よりも上流の原料供給路95内の原料に供給するための流路である。
【0098】
本実施形態の水素生成装置200によると、水添脱硫器100を従来よりも小型化できるので、水素生成装置200の小型化を実現できる。
【0099】
図示していないが、改質器91の熱を利用して水添脱硫器100を加熱するように構成されていることが好ましい。その場合、水素生成装置200の起動停止などの際に改質器91の温度が低下し、これに伴って水添脱硫器100の構造体が熱変形を生じるおそれがある。しかしながら、水添脱硫器100は上述したような構成を備えるので、粉化した水添脱硫剤に起因する水添脱硫器100の圧損上昇を抑制できる。従って、水素生成装置200の運転をより安定して行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、水添脱硫剤が粉化しても、折り返し前の脱硫層と折り返し後の脱硫層とを連通する箇所に閉塞が生じる可能性を従来よりも低減し得る。特に、水添脱硫器、これを備える水素生成装置に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0101】
2 第1の脱硫層
3 第1の支持体
4 連通路
4A 第1の空間部
4B 連通孔
4C 第2の空間部
4D 接続路
6 第2の脱硫層
7 第2の支持体
8 隔壁
10、13、14 粉化触媒
11 連通孔
21 第1の空間部
22 第2の空間部
100、101、102、103、104、105 水添脱硫器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水添脱硫剤を含む第1の脱硫層と、
前記第1の脱硫層を支持する第1の支持体と、
前記第1の脱硫層の下流に設けられ、水添脱硫剤を含む第2の脱硫層と、
前記第2の脱硫層を支持する第2の支持体と
を備え、
前記第1の支持体及び前記第2の支持体よりも下方において、前記第1の脱硫層と前記第2の脱硫層とを連通する連通路を備え、前記連通路には、水添脱硫剤が充填されていない水添脱硫器。
【請求項2】
前記第1の脱硫層と前記第2の脱硫層とが、隔壁を介して隣接しており、前記隔壁は、前記第1の支持体及び前記第2の支持体よりも下方に延伸しており、
前記連通路は、前記隔壁を挟んで前記第1の支持体よりも下方に配設された第1の空間部と、前記第2の支持体よりも下方に配設された第2の空間部とを備え
前記隔壁は、前記第1の支持体及び前記第2の支持体よりも下方において、前記第1の空間部と前記第2の空間部とを連通させるための連通孔を備えている、請求項1に記載の水添脱硫器。
【請求項3】
前記隔壁は、前記第1の脱硫層に面する主面を備え、前記隔壁の前記主面における、前記第1の脱硫層内の前記原料が流れる方向に垂直な長さを前記隔壁の幅とすると、前記連通孔における前記隔壁の前記幅に平行な幅は、前記隔壁の前記幅よりも小さい、請求項2に記載の水添脱硫器。
【請求項4】
前記連通路は、前記第1の支持体の下方に配設された第1の空間部と、前記第2の支持体の下方に配設された第2の空間部と、前記第1の空間部と前記第2の空間部とを接続する接続路とを備える、請求項1に記載の水添脱硫器。
【請求項5】
前記第1の脱硫層における原料の流れる方向を第1方向、前記接続路における原料の流れる方向を第3方向とすると、前記接続路の前記第3方向に垂直な断面における前記第1方向に垂直な幅は、前記第1の脱硫層の前記第1方向に垂直な断面における前記接続路の前記幅に平行な幅よりも小さい、請求項4に記載の水添脱硫器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の水添脱硫器と、
前記水添脱硫器を通過した後の原料を用いた改質反応によって水素含有ガスを生成する改質器と
を備えた水素改質装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−107777(P2013−107777A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251356(P2011−251356)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】