説明

水素酸素混合ガス発生装置(ahydrogen−oxygengeneratingapparatus)

【課題】水から水素酸素混合ガスを効率的に発生させる装置を提供する。
【解決手段】中央にメイン孔11aが形成された多数の第1の板材11及びメイン孔11aの周りを囲む環形ガスケット13が交番に設けられる外部板材ユニット10と、メイン孔11aらが形成する電解空間10aの内部に所定の間隔を有して設けられる多数の第2の板材21からなる内部板材ユニット20と、外部板材ユニット10の前、後方に設けられる、前、後方カバー30、40と、前方カバー30に形成される水供給ホール50と水素酸素混合ガス排出ホール60とを含むことによって、第1の板材11同士はボディーを成し、メイン孔11a同士はシリンダーを成し、複数の環形ガスケット13の内側及びメイン孔11aは電解空間10aを成し、第1の板材11において環形ガスケット13の外側を成す部分は冷却ピンの役目をすることを特徴とする水素酸素混合ガス発生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水から水素酸素混合ガスを効果的に発生させることができる水素酸素混合ガス発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素酸素混合ガス発生装置は、水が電気分解されて得られる生成物である水素及び酸素を生産するための装置であって、正(+)及び負(−)電極が設けられた電解槽内に少量の電解物質が添加された水を供給し直流電圧を印加することにより無公害エネルギー源である水素酸素混合ガスを発生する。この際、発生される水素と酸素は2:1のモル比で発生されて、−電極表面に水素が気泡形態に生成され、+電極表面に酸素が気泡形態に生成される。このように生成された水素と酸素は混合して混合ガス形態になり燃焼が可能である。また水素酸素混合ガスは、燃焼時汚染物質が生成しないので環境に優しいエネルギー源として新しく浮き彫りにされている。
【0003】
しかし、−電極と+電極に人家される電気エネルギーに比べ生成される水素酸素の量が少ないので、これによって生成される水素酸素混合ガスにプロパンガスのような補助燃料を混合して燃消させなければならなかったし、これにより経済性が低かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記のような問題点を解決するために創出されたものであって、投入される電気エネルギーに比べて生成される水素酸素混合ガスの量を増やすことによって、経済性を確保することができる水素酸素混合ガス発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記のような目的を達成するために本発明による水素酸素混合ガス発生装置は中央にメイン孔11aが形成された多数の第1の板材11及びそのメイン孔11aの周りを囲む所定厚さの環形ガスケット13が交番に設けられる外部板材ユニット10と、積層された第1の板材のメイン孔11aらが形成する電解空間10aの内部に設けられるものであって、そのメイン孔11aの内部に所定の間隔を有して設けられる多数の第2の板材21からなる内部板材ユニット20と、前記外部板材ユニット10の前、後方に設けられるものであって、前記内部板材ユニット20をメイン孔11aの内周から離隔された状態に位置固定し、その内部板材ユニット20と絶縁される前、後方カバー30、40と、前記前方カバー30に形成されて前記電解空間10aに水が供給される水供給ホール50と、及び前記前方カバー30に形成されて生成された水素酸素混合ガスが排出されるガス排出ホール60とを含むことによって、前記第1の板材11同士はボディーを成し、前記第1の板材11同士のメイン孔11a同士はシリンダーを成し、前記複数の環形ガスケット13の内側及びメイン孔11aは電気分解が行われる電解空間10aを成し、前記第1の板材11において前記環形ガスケット13の外側を成す部分は冷却のための冷却ピンの役目をすることを特徴とする。
【0006】
本発明において、前記外部板材ユニット10は、相互交番に配置される第1の板材11と環形ガスケット13の第1、2の締結孔11b、13bを貫通する締結棒15とを含み、前記締結棒15の両端は、前記の前、後方カバー30、40の締結貫通孔31、41を貫通して締結される。
【0007】
本発明において、前記第1、2の板材11、21の表面は、電気分解が効率的に生じ、生成された水素酸素の気泡が容易に脱落され得るようにナノ研磨される。
【0008】
本発明において、前記第1、2の板材11、21の表面は、トルマリン光触媒が附着される。
【0009】
本発明において、前記内部板材ユニット20は、相互交番に配置される第2の板材21と離隔部材22に形成された貫通孔を貫通する支持棒25とを含み、前記支持棒25は、前記絶縁ブラケット35、45を貫通した後締結される。
【0010】
本発明において、前記外部板材ユニット10を囲むケースブラケット70と、前記ケースブラケット70に設けられて前記外部板材ユニット10に冷却空気を供給する冷却ファン80とをさらに含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明による水素酸素混合ガス発生装置によると、投入される電気エネルギーに比べ、生成される水素酸素の量が多くなるようにすることによって、プロパンガスのような補助燃料を混合せずに燃消させることができ、これによって経済性を確保することができる。
【0012】
また、気泡形態に生成される水素及び酸素が電極から容易に分離することができ、結果的に電気分解が生じる電極の有効面積が高くなって電解効率を高めることができるという作用及び効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による水素酸素混合ガス発生装置の斜視図、
【図2】図1の分解斜視図、
【図3】図1のIII−III'線に沿った断面図、
【図4】図1に適用される第1、2の板材を抜粹して示した図面、
【図5】図4の第1、2の板材に光触媒が形成されたことを説明するための図面
【図6】図1の外部板材ユニットを囲むケースブラケットと、ケースブラケットに設けられて外部板材ユニットに冷却空気を供給する冷却ファンを説明するための図面。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による水素酸素混合ガス発生装置を添付された図面を参照して詳しく説明する。
【0015】
図1は本発明による水素酸素混合ガス発生装置の斜視図であり、図2は図1の分解斜視図であり、図3は図1のIII−III'線に沿った断面図である。また、図4は図1に適用される第1、2の板材を抜粹して示した図面であり、図5は図4の第1、2の板材に光触媒が形成されたことを説明するための図面である。さらに、図6は図1の外部板材ユニットを囲むケースブラケットと、ケースブラケットに設けられて外部板材ユニットに冷却空気を供給する冷却ファンを説明するための図面である。
【0016】
図示したように、本発明による水素酸素混合ガス発生装置は、中央にメイン孔11aが形成された多数の第1の板材11及びそのメイン孔11aの周りを囲む所定厚さの環形ガスケット13が交番に設けられる外部板材ユニット10と、積層された第1の板材のメイン孔11aらが形成する電解空間10aの内部に設けられるものであって、そのメイン孔11aの内部に所定の間隔を有して設けられる多数の第2の板材21からなる内部板材ユニット20と、外部板材ユニット10の前、後方に設けられるものであって、前記内部板材ユニット20をメイン孔11aの内周から離隔された状態に位置固定し、その内部板材ユニット20と絶縁される前、後方カバー30、40と、前方カバー30に形成されて前記電解空間10aに水が供給される水供給ホール50と、及び前方カバー30に形成されて生成された水素酸素混合ガスが排出されるガス排出ホール60とを含むことによって、第1の板材11同士はボディーを成し、前記第1の板材11同士のメイン孔11a同士はシリンダーを成し、前記複数の環形ガスケット13の内側及びメイン孔11aは電気分解が行われる電解空間10aを成し、前記第1の板材11において前記環形ガスケット13の外側を成す部分は冷却のための冷却ピンの役目をすることを特徴とする。さらに、外部板材ユニット10の周りにはそれを囲むケースブラケット70が設けられて、ケースブラケット70には外部板材ユニット10に冷却空気を供給する冷却ファン80が設けられる。
【0017】
外部板材ユニット10は、多数の第1の板材11と、一つの第1の板材11と次の板材の間を離隔させるための環形ガスケット13と、相互交番に配置される第1の板材11と環形ガスケット13の第1、2の締結孔11b、13bを貫通する締結棒15とを含む。このような締結棒15の両端は後述の前、後方カバー30、40の締結貫通孔31、41を貫通した後、ナット(N)によってねじ結合される。
【0018】
この際、複数の第1の板材11同士は、本願の外部板材ユニット10のボディーを成すようになって、第1の板材11同士のメイン孔11a同士はシリンダーを成すようになる。また、複数の環形ガスケット13の内側及びメイン孔11aは、電気分解が行われる電解空間10aを成すようになる。また、第1の板材11において環形ガスケット13の外側を成す部分は冷却のための冷却ピンの役目をする。
【0019】
第1の板材11は、全体的に四角形態を成し、その中央には円形のメイン孔11aが形成される。この際、第1の板材11の表面は、電気分解が効率的に生じ、生成された水素酸素の気泡が容易に脱落され得るようにナノ研磨される。このような第1の板材11はステンレス、合金鋼等金属材質からなる。
【0020】
ナノ研磨とは、第1の板材11の表面をナノ単位で研磨したことを意味する。このようなナノ研磨を介して第1の板材11表面の摩擦力を最小化することができて生成された水素及び酸素気泡が非常に容易に脱落され得る。特に、物質の大きさがバルク状態からナノサイズで小くなる場合、機械的、烈蹟、電気的、磁気的、鉱学的物性が独特に変わるが、第1の板材11表面をナノ研磨して物性を変化させることで水の電気分解がさらに活発になるようにするものである。
【0021】
一方、第1の板材11の表面にはトルマリンの光触媒が附着され得る。トルマリン光触媒はトルマリンを数マイクロから数ナノメートル単位の粉末に粉碎した後、約1300℃の温度で塑性することによって具現された後、第1の板材11に接着剤等を用いて附着するものである。トルマリンは水晶のような結晶構造を有する六方晶係に属する鉱物であって、摩擦によって電気が生じ、また陰イオンを多量発生し、また電気分解をさらに促進させて水素及び酸素が多く生成されるようにする。このようなトルマリンは粉末に粉送された後、塑性されることによって、水との接触面積を広げることができる幾多の微細気孔が形成された光触媒で具現されて、このようなトルマリン光触媒を第1の板材11に附着することによって水の電気分解をさらに促進させることができる。
【0022】
第1の板材11のメイン孔11aの周りには多数の第1の締結孔11bが形成され、環形ガスケット13には第1の締結孔11bに対応される第2の締結孔13bが形成されている。環形ガスケット13は可撓性材質からなっていて、第1の板材11と異なる第1の板材の間を離隔させる。このような第1の板材11と環形ガスケット13の第1、2の締結孔11b、13bを締結棒15が貫通された後、後述の前、後方カバー30、40を貫通してナット(N)で締結される。
【0023】
内部板材ユニット20は、多数の第2の板材21が離隔されるように結合されて具現されたものであって、電解空間10aの内部に位置して電気分解が進行されるようにする。このような内部板材ユニット20は、第1のメイン孔11aより小さな円形の第2の板材21と、第2の板材21より小さな直径を有し第2の板材21と異なる第2の板材を離隔させるための離隔部材22と、相互交番に配置される第2の板材21と離隔部材22に形成された貫通孔を貫通する支持棒25とを含む。この時、前記の支持棒25の両端は後述の前、後方カバー30、40の中央に設けられた絶縁ブラケット35、45を貫通した後ナット(N)で締結される。
【0024】
第2の板材21の表面は、電気分解が効率的に生じ、生成された水素酸素の気泡が容易に脱落され得るように第1の板材11と類似の方式でナノ研磨され、またトルマリン光触媒が附着され得る。このような第2の板材21は第1の板材11と類似にステンレスや合金鋼等金属材質からなる。
【0025】
ここで、電気分解は第1の板材11において環形ガスケット13の内側部分と、第2の板材21の間で進行される。この時、環形ガスケット13の内側部分の面積と第2の板材21の面積を異にするによって、発生される水素または酸素の量が異なるようにすることができる。例えば、環形ガスケット13の内側部分の面積より第2の板材21の面積を大きくし、外部板材ユニット10に+電源を、さらに、内部板材ユニット20に−電源を印加すると、酸素ガスに比べ水素ガスの発生量を多くすることができる。反対に、外部板材ユニット100に−電源を、さらに、内部板材ユニット20に+電源を印加すると、水素ガスに比べて酸素ガスの発生量を多くすることができる。
【0026】
前、後方カバー30、40は外部板材ユニット10の両端に設けられ、外部板材ユニット10の締結棒15が貫通されて締結される締結貫通孔31、41が形成されている。さらに、中央には内部板材ユニット20の支持棒25を支持する絶縁ブラケット35、45が設けられる。
【0027】
前、後方カバー30、40は外部板材ユニット10の締結棒15及び内部板材ユニット20の支持棒25が堅固に支持され得るように十分な耐久性を有しなければならないし、第1、2の板材11、21に比べて厚い金属材質からなる方が好ましい。
【0028】
水供給ホール50a、50bは、前方カバー30の前方下部側に設けられて電解空間10aに水を供給するものであって一対に成っている。また、ガス排出ホール60は、前方カバー30の前方上部側に設けられて電解空間10aで発生された水素酸素混合ガスが排出される。この際、前記の水供給ホール50a、50bはガス排出ホール60の下部側に備えられる。
【0029】
冷却ファン80は発生される冷却空気を外部板材ユニット10に供給する。また、外部板材ユニット10の周りにはそれを囲むケースブラケット70が設けられ、ケースブラケット70には外部板材ユニット10に冷却空気を供給する冷却ファン80が設けられる。この時、ケースブラケット70の一側は開放されることによって、冷却空気が外部板材ユニット10を経由した後、外部に抜ける。
【0030】
前記の構造によって、一対の水供給ホール50a、50bを介して電解空間10aに水を供給し、以後、外部板材ユニット10に+電源を印加し、内部板材ユニット20に−電源を印加する。それによって、電解空間10aの内部において第1の板材11と第2の板材21の間で水素及び酸素気泡が発生し、このような水素及び酸素気泡は混合された後、ガス排出ホール60を介して外部に流出される。
【0031】
一方、電気分解が行われる間に多い電解空間10aの内部では多くの熱が発生されるが、このような熱は冷却ファン80によって外部板材ユニット10に供給される冷却空気によって冷やされる。
【0032】
本発明は図面に示された一実試例を参照に説明されたが、これは例示的なことに過ぎなく、本技術分野における通常の知識を有する者なら、これにより多様な変形及び均等な他の実試例が可能であるという点が理解できる。
【符号の説明】
【0033】
10:外部板材ユニット 10a:電解空間
11:第1の板材 11a:メイン孔 11b:第1の締結孔
13:環形ガスケット 13b:第2の締結孔
15:締結棒 20:内部板材ユニット
21:第2の板材 22:離隔部材
25:支持棒 30:前方カバー
35:絶縁ブラケット 40:後方カバー
45:絶縁ブラケット 50:水供給ホール
60:ガス排出ホール 70:ケースブラケット 80:冷却ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央にメイン孔11aが形成された多数の第1の板材11及びそのメイン孔11aの周りを囲む所定厚さの多数の環形ガスケット13が交番に設けられる外部板材ユニット10と、
積層された第1の板材のメイン孔11aらが形成する電解空間10aの内部に設けられるものであって、そのメイン孔11aの内部に所定の間隔を有して設けられる多数の第2の板材21からなる内部板材ユニット20と、
前記外部板材ユニット10の前、後方に設けられるものであって、前記内部板材ユニット20をメイン孔11aの内周から離隔された状態に位置固定し、その内部板材ユニット20と絶縁される前、後方カバー30、40と、
前記前方カバー30に形成されて前記電解空間10aに水が供給される水供給ホール50と、
前記前方カバー30に形成されて生成された水素酸素混合ガスが排出されるガス排出ホール60とを含むことによって、
前記第1の板材11同士はボディーを成し、前記第1の板材11同士のメイン孔11a同士はシリンダーを成し、複数の前記環形ガスケット13の内側及びメイン孔11aは電気分解が行われる電解空間10aを成し、前記第1の板材11において前記環形ガスケット13の外側を成す部分は冷却のための冷却ピンの役目をすることを特徴とする水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項2】
前記外部板材ユニット10は、相互交番に配置される第1の板材11と環形ガスケット13の第1、2の締結孔11b、13bを貫通する締結棒15とを含み、
前記締結棒15の両端は、前記の前、後方カバー30、40の締結貫通孔31、41を貫通して締結されることを特徴とする請求項1に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項3】
前記第1、2の板材11、21の表面は、電気分解が効率的に生じ、生成された水素酸素の気泡が容易に脱落され得るようにナノ研磨されたことを特徴とする請求項1または2に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項4】
前記第1、2の板材11、21の表面は、トルマリン光触媒が附着されたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項5】
前記内部板材ユニット20は、相互交番に配置される第2の板材21と離隔部材22に形成された貫通孔を貫通する支持棒25とを含み、
前記支持棒25は、絶縁ブラケット35、45を貫通した後締結されたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の水素酸素混合ガス発生装置。
【請求項6】
前記外部板材ユニット10を囲むケースブラケット70と、前記ケースブラケット70に設けられて前記外部板材ユニット10に冷却空気を供給する冷却ファン80とをさらに含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の水素酸素混合ガス発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−18887(P2010−18887A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166018(P2009−166018)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(509198859)
【Fターム(参考)】