説明

水蒸気圧縮冷凍機システム

【課題】データセンターのサーバ冷却設備に適した冷凍システムとして水蒸気圧縮冷凍機を使用できるように熱媒体搬送冗長化自動切替回路を設ける。
【解決手段】運転中の冷水ポンプ37及び冷水分岐ON−OFF弁36をOFFにし、停止していた別の冷水ポンプ37及び冷水分岐ON−OFF弁36をONにそれぞれ動作させる冷水配管42の切替制御部70と、運転中の圧縮機25、圧縮機ON−OFF弁26及び温度計27をOFFにし、停止していた別の圧縮機25、圧縮機ON−OFF弁26及び温度計27をONにそれぞれ動作させる圧縮機25の切替制御部71と、運転中の冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51及び羽根車式流量計53をOFFにし、停止していた別の冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51及び羽根車式冷却水流量計53をONにそれぞれ動作させる冷却水配管57の切替制御部72とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱媒体搬送冗長化自動切替回路を設けた水蒸気圧縮冷凍機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通年で非常に密度の高い発熱を発し、かつその発熱を速やかに除去することが要求されるデータセンタに設置されるサーバに対し、通常の7℃〜12℃程度の冷水ではサーバ設置室内空気の含有湿分が冷熱熱交換する部位で結露する虞があり、その結露水がサーバ回路などで短絡を引き起こすことを防止するため、低温側温度を室内空気の露点以上(例えば、13℃以上)とする高温の冷水により冷却することがある。
この通年で高温の冷却を要求するデータセンタのサーバには、例えば、特許文献1に開示されるように、冷却水の冷凍設備が備えられている。
データセンターのサーバラックに高密度に設置されたブレード型のサーバには、例えば、サーバラックに並列に冷却用に熱交換器が備わったり、サーバラックの周囲に気流の通過流路を設けその流路を流れる空気と熱交換する冷却用熱交換器が備わったりして、サーバのCPUなどからの24時間発生する高負荷の発熱を熱交換器の熱媒によって外部に取り出して冷却する場合がある。サーバに内蔵されたCPUや周辺ICは自身が熱を発するにもかかわらず、100℃未満の比較的低温で動作不良や回路故障を生じてしまう。そのため、CPUやその他ICの上記不具合を発生する虞のある温度から更に低い温度でサーバ運転自体を停止する安全回路を有していることが多い。
【0003】
ところで、インターネットを介して、例えば、ネットバンキングなど各種サービスを行うため、高額なサーバ管理費を支払ってデータセンタ運営会社に顧客はサーバ管理を依頼している。
サーバに対する冷却用熱交換器が所定の性能を発揮できないと、サーバの破壊を防止する安全回路が働くこととなるが、サーバが停止してしまうと、上記ネットバンキングなどの各種サービスが停止し、顧客が商機を逸したり、顧客自身の客の信用を失ったりすることにより、サーバ運営会社に損害賠償を請求することも多い。
【0004】
サーバ管理にはサーバの発する熱負荷を冷却し、サーバ稼働を保証することも含まれている。
そこで、例えば、特許文献2に開示されるように、冷却用熱交換器に冷却水の供給制御を行う冷却制御装置にエラーが発生した場合、直ちに電源を落とさず、冷却制御装置に冷却制御を再度試行させてエラーの回復を行うシステムダウン回数を低減させることを目的として冷却水制御方式が備えられている。
【0005】
ところで、従来、冷凍設備に用いられる冷凍機は、フロン又は代替フロンを冷媒として永い間常用されてきた。しかし、これらの冷媒はオゾン層を破壊する問題や温暖化等の地球環境の悪化をもたらす原因物質として、その使用に制限が加えられてきた。
そこで、例えば、水を冷凍サイクルを形成する冷媒として使用する水蒸気圧縮冷凍機が提案されている。
そして、例えば、特許文献3には、蒸発器と凝縮器の差圧を位置水頭により確保し、もって膨張弁を排除した水蒸気圧縮冷凍機システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−156136号公報
【特許文献2】特開平2−79110号公報
【特許文献3】特開2006−97989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の冷凍設備に代えて、水蒸気圧縮冷凍機システムをそのままデータセンターのサーバ冷却水の冷凍に適用すると、サーバ側の無停止に対応できず、冷凍システムの機器の故障によって膨大な損失を被ることになる。
また、特許文献2のように、冷却ポンプの切替制御のみでは、水蒸気圧縮冷凍機に特化した安価な無停止対応はできない。
【0008】
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、データセンターのサーバ冷却設備に適した冷凍システムとして水蒸気圧縮冷凍機を使用できるように熱媒体搬送冗長化自動切替回路を設けた水蒸気圧縮冷凍機システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の水蒸気圧縮冷凍機システムは、注水管、温度計及び水位計を内部に設ける密閉式の蒸発器と、散水管及び水位計を内部に設ける密閉式の凝縮器と、入口側又は出口側に圧縮機ON−OFF弁、出口側に温度計を有する圧縮機分岐管を並列に配置してなる蒸発器と凝縮器との冷媒液位のレベル差を確保する複数の圧縮機と、各々が配管で接続される凝縮器、蒸発器、圧縮機及びその間を接続する配管内を30kPa以下の真空状態に保持する、凝縮器に接続される配管に設けられた真空ポンプと、を有する、水が冷凍サイクルを形成する冷媒として使用される水蒸気圧縮冷凍機を備えた水蒸気圧縮冷凍機システムであって、蒸発器と凝縮器とを連結する連通路と、冷水ポンプ及び冷水分岐ON−OFF弁を設けた複数の冷水分岐管を並列に配置し、蒸発器に連結される冷水往き管と、温度計を設け、蒸発器の散水管に連結される冷水還り管と、冷水往き管又は冷水還り管に設けられる羽根車式冷水流量計とを有する冷水配管と、冷水往き管及び冷水還り管に連結される熱交換器である負荷と、圧縮機を蒸発器と凝縮器との間に位置させて連結する連結配管と、冷却水ポンプを配置し、凝縮器に連結される冷却水往き管と、温度計を設け、凝縮器の散水管に連結される冷却水還り管とを有する冷却水配管と、冷却水配管に熱交換器部分が連結される密閉式冷却塔と、冷水配管の冷水ポンプ及び冷水分岐ON−OFF弁をON−OFF動作させる冷水配管の操作器と、圧縮機、圧縮機ON−OFF弁をON−OFF動作させる圧縮機の操作器と、冷水配管の還り温度が所定の温度を超える場合、又は、羽根車式冷水流量計からの流量信号が、所定の閾値を下回る(つまり、所定の流量が出ていない)場合、又は、羽根車式冷水流量計からの流量信号が、閾値を超え、かつ、冷水配管の還り温度が所定の温度を超える場合に、冷水配管の操作器に切替信号を発信させ、運転中の冷水ポンプ及び冷水分岐ON−OFF弁をOFFにし、停止していた別の冷水ポンプ及び冷水分岐ON−OFF弁をONにそれぞれ動作させる冷水配管の切替制御部と、圧縮機の運転信号を受けて、正常な運転をしているのにもかかわらず、蒸発器内の温度が所定の設定温度を超える場合、又は、圧縮機の吐出温度が所定の温度を超える場合、又は、蒸発器及び凝縮器の冷媒液位のレベル差△Lが所定の閾値を下回る(つまり、差圧がとれていない状態の)場合に、運転中の圧縮機、圧縮機ON−OFF弁をOFFにし、停止していた別の圧縮機、圧縮機ON−OFF弁をONにそれぞれ動作させる圧縮機の切替制御部とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2の水蒸気圧縮冷凍機システムは、請求項1に記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、冷却水分岐ON−OFF弁、冷却水ポンプ及び羽根車式冷却水流量計を設ける複数の冷却水分岐管を並列に配置し、凝縮器に連結される冷却水往き管と、温度計を設け、凝縮器の散水管に連結される冷却水還り管とを有する冷却水配管と、冷却水配管の冷却水ポンプ及び冷却水分岐ON−OFF弁をON−OFF動作させる冷却水配管の操作器と、冷却水の還り温度が所定の温度を超える場合、又は、羽根車式冷却水流量計からの流量信号が所定の閾値を下回る(つまり、所定の流量が出ていない)場合、又は、冷却水の還り温度が所定の温度を超え、羽根車式冷却水流量計からの流量信号が所定の閾値を超える場合に、運転中の冷却水ポンプ及び冷却水分岐ON−OFF弁をOFFにし、停止していた別の冷水ポンプ及び冷却水分岐ON−OFF弁をONにそれぞれ動作させる冷却水配管の切替制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3の水蒸気圧縮冷凍機システムは、請求項1に記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、冷却水分岐ON−OFF弁、冷却水ポンプ及び羽根車式冷却水流量計を設ける複数の冷却水分岐管を並列に配置し、凝縮器に連結される冷却水往き管と、温度計を設け、凝縮器の散水管に連結される冷却水還り管とを有する複数の冷却水配管と、複数の冷却水配管に熱交換器部分が連結される複数の密閉式冷却塔と、冷却水配管の冷却水ポンプ及び冷却水分岐ON−OFF弁をON−OFF動作させる冷却水配管の操作器と、冷却水の還り温度が所定の温度を超える場合、又は、羽根車式冷却水流量計からの流量信号が所定の閾値を下回る(つまり、所定の流量が出ていない)場合、又は、冷却水の還り温度が所定の温度を超え、羽根車式冷却水流量計からの流量信号が所定の閾値を超える場合に、運転中の冷却水ポンプ、密閉式冷却塔のファン及び冷却塔冷却水ポンプ及び冷却水分岐ON−OFF弁をOFFにし、停止していた別の冷水ポンプ及び密閉式冷却塔のファン及び冷却塔冷却水ポンプ及び冷却水分岐ON−OFF弁をONにそれぞれ動作させる冷却水配管の切替制御部とを備えることを特徴とする。
請求項4の水蒸気圧縮冷凍機システムは、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、負荷は、データセンタのサーバであることを特徴とする。
請求項5の水蒸気圧縮冷凍機システムは、請求項1記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、冷水配管の切替制御部は、羽根車式冷水流量計に連絡するセレクタと、冷水配管の温度計及び蒸発器の温度計に連絡するTIC(温度調節計機構)とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項6の水蒸気圧縮冷凍機システムは、請求項1記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、圧縮機の切替制御部は、蒸発器の温度計に連絡するTIC(温度調節系機構)と、圧縮機の温度計に連絡するセレクタと、蒸発器の水位計及び凝縮器の水位計に連絡する△LIC(レベル差コントローラ)とを有することを特徴とする。
請求項7の水蒸気圧縮冷凍機システムは、請求項1記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、冷却水配管の切替制御部は、羽根車式冷却水流量計に連絡するセレクタと、冷却水配管の温度計に連絡するTIC(温度調節計機構)とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、負荷側、冷凍機内系及び冷却水系において各々で安い計測器の出力により機器の多重冗長化を自動で行えるようにしたので、水蒸発圧縮冷凍機システムをサーバ冷却に適用しても、サーバ冷却に停止や温度上昇を起こさせることがない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1に係る水蒸気圧縮冷凍機システムを示す構成説明図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る水蒸気圧縮冷凍機システムを示す構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態に係る水蒸気圧縮冷凍機システムは、水を冷凍サイクルを形成する冷媒として使用する密閉式の水冷媒冷凍機である水蒸気圧縮冷凍機10を有する。水蒸気圧縮冷凍機10は、密閉式の蒸発器15と、この蒸発器15の近傍位置に膨張弁を介設することなく直接に連通路30で相互連結することによって配置された密閉式の凝縮器20と、蒸発器15と凝縮器20との相互間を接続する蒸気ダクトである連結配管29に配設したインバータで制御される2つのルーツ圧縮機25と、凝縮器20に配管23aを介して接続された真空ポンプ23とで構成されている。
【0016】
真空ポンプ23は、凝縮器20内の空気、つまり凝縮器20に空間として繋がっている連通路30、連結配管29及び蒸発器15と、さらに凝縮器20と蒸発器15とにそれぞれ接続されたその他の配管内の空気を排出し、それらの空間内の空気圧力を少なくとも30kPa以下の真空状態とし、例えば、水の37℃飽和蒸気圧である6.3kPa程度の圧力値として凝縮器20内を真空状態とする。そして、ルーツ圧縮機25は、レベル的に併設された蒸発器15と凝縮器20との冷媒液位のレベル差△Lを確保するだけの圧力差を、真空状態において保持できるだけの能力を有している。
【0017】
蒸発器15は、密閉型に構成され、その内部に入れた蒸発性液体、例えば、水を大気圧より低い減圧の状態で沸騰蒸発するものである。この蒸発器15には、冷水往き管35と冷水還り管40とを有する冷水配管42を介してサーバ等の負荷(冷却した水の冷熱を間接的に利用する箇所)45が連結されている。また、冷水還り管40の蒸発器接続側は、蒸発器15内部で散水管19の形を採っても良いし、散水せずただ注入するような注入管の形を採用しても良い。また、蒸発器15は、冷水溜まり17内の水温度を計測する温度計16と、内部の水位を計測する、例えば、フロート式の水位計18とを有する。
【0018】
負荷側の冷水配管42の冷水往き管35は、冷水分岐ON−OFF弁36と、冷水ポンプ37とを設けた2つの冷水分岐管38を並列に配置し、負荷側45側に羽根車式冷水流量計39を設けている。
なお、羽根車式冷水流量計39は、冷水還り管40に設けても良い。また、羽根車式冷水流量計39は、本管と同じサイズのものでも良いが、コストを考えて、本管から分岐して又合流する小径のバイパス管を設けて、その小径サイズのバイパス管に羽根車式冷水流量計39を設置するのが望ましい。さらに、負荷側の冷水配管42の冷水還り管40は、温度計41を設けている。
【0019】
この蒸発器15内での沸騰蒸発にて温度が低くなった水は、冷水ポンプ37にて汲み出して冷水配管42の冷水往き管35を介してサーバ等の負荷(冷却した水の冷熱を間接的に利用する箇所)45に送られた後、冷水配管42の冷水還り管40を介して再び蒸発器15内に散水管19から噴出して戻るという循環を行うように構成されている。
凝縮器20は、密閉型に構成され、蒸発器15内での沸騰蒸発にて発生した蒸気を連結配管29を介して導入し、後述する密閉系冷却塔60で冷却された冷却水を散水管22から噴霧液滴とすることで、その蒸発潜熱により導入蒸気を冷却凝縮するものである。この凝縮器20には、冷却水往き管50と冷却水還り管55とを有する冷却水配管57を介して密閉式冷却塔60が連結されている。又、凝縮器20は、内部の水位を計測する、例えば、フロート式の水位計21を有する。
【0020】
冷却水配管57の冷却水往き管50には、冷却水分岐ON−OFF弁51、冷却水ポンプ52及び羽根車式冷却水流量計53を設けた2つの冷却水分岐管54を並列に配置している。また、冷却水配管57の冷却水還り管55は、温度計56を設けている。
2つのルーツ圧縮機25は、入口側に圧縮機ON−OFF弁26を設けると共に、出口側に温度計27を設けた2つの圧縮機分岐管28を並列に配置させることによって構成されている。圧縮機分岐管28は、蒸発器15と凝縮器20とを相互に連結する連結配管29に連結している。
【0021】
ルーツ圧縮機25は、例えば、ルーツポンプであり、このルーツポンプはいわゆる真空用のブースタポンプであって、例えば、楕円形のシリンダ内に同形のまゆ型断面形状を有する2つのロータを互いに90°位相をずらせて隣接配置し、各ロータは互いに当速度で回転する。この2つのロータとシリンダとの間に閉じこめられた水蒸気を吸気口から排気口側つまり凝縮器20側に送流する。そして、2つのロータの回転制御はルーツポンプの軸端に接続されたタイミングギヤによって行ない、駆動軸の他端は軸封部を介して大気中に出しモータによって駆動される。そして、このルーツポンプの特徴点は、シリンダ内に摺動部がなく動力損が少なく高速回転が可能となると共に良好な排気特性が得られることにある。
【0022】
密閉式冷却塔60は、冷却水配管57の往き管50と冷却水系の還り管55との間に設けた空気−水熱交換器コイル58を内蔵し、外気を密閉式冷却塔60の上部ファン60aにより熱交換器コイル58の空気側に導入し、散水管62から循環水を熱交換器コイル58の空気側に散布して潜熱冷却するために、下部水槽61と散水管62とを連結する外部水配管63が、冷却水ポンプ64及び冷却水分岐ON−OFF弁65を設けた2つの冷却水分岐管66を並列配置して形成されている。
【0023】
密閉式冷却塔60では、凝縮器20で熱交換され昇温した冷却水を、往き管50から熱交換器コイル58に導いて熱交換器コイル58にて外気と潜熱交換して冷却し、冷却水系の還り管55を介して凝縮器20内に導き、その上部に散水管22により噴出することにより、連結配管29を介して導入される蒸気を、噴霧された冷たい冷却水液滴上に冷却凝縮させて凝縮器20内で水とする。この蒸気の凝縮により凝縮器20内の底部に貯留された水の温度が上昇するが、その水を冷却水ポンプ52にて汲み出した後、密閉式冷却塔60の熱交換器コイル58の水側に圧送して、熱交換機コイル58の空気側潜熱冷却により、冷却水を冷却し、冷却水系の還り管55を介して凝縮器20内の上部の散水管22に噴出する循環路が構成されている。
【0024】
冷水配管42の切替制御部70は、冷水配管42の羽根車式冷水流量計39及び温度計41と蒸発器15に設けた温度計16に連絡している。冷水配管42の切替制御部70には、羽根車式冷水流量計39に連絡するSEL(セレクタ)と、温度計16及び温度計41に連絡するTIC(温度コントローラ)とを備えている。TIC(温度コントローラ)とSEL(セレクタ)とは連絡している。
【0025】
冷水配管42の切替制御部70は、羽根車式冷水流量計39からの流量信号が、所定の閾値を下回る(つまり、所定の流量が出ていない)場合に、SEL(セレクタ)に冷水配管42の操作器に対して切替信号を発信させ、さらに、冷水配管系の温度計41に還り温度を計測させ、その計測信号をTIC(温度コントローラ)に入力し、その還り温度計測値が所定の温度を超えた場合に、TIC(温度コントローラ)からSEL(セレクタ)に切替信号を発信させ、流量信号が閾値を超える場合に、SEL(セレクタ)に留まる切替信号に基づき、SEL(セレクタ)に冷水配管42の操作器に対して切替信号を発信させ、運転中の冷水ポンプ37及び冷水分岐ON−OFF弁36のセット(つまりそれぞれの電磁接触器が操作器)をOFFにし、停止していた予備の冷水ポンプ37及び冷水分岐ON−OFF弁36のセットをONにそれぞれ動作させる。
【0026】
ルーツ圧縮機25の切替制御部71は、蒸発器15の温度計16及び水位計18と、凝縮器20の水位計21と、各ルーツ圧縮機25の制御部と、各ルーツ圧縮機25の出口温度を計測する温度計27とに連絡している。ルーツ圧縮機25の切替制御部71には、温度計16に連絡するTIC(温度コントローラ)と、水位計18及び水位計21に連絡する△LIC(レベル差コントローラ)と、温度計27に連絡するSEL(セレクタ)とを備えている。SEL(セレクタ)とTIC(温度コントローラ)とは連絡している。
【0027】
ルーツ圧縮機25の切替制御部71は、ルーツ圧縮機25が正常な運転をしているのにもかかわらず、蒸発器15内の温度計16の計測値が所定の設定温度を超過した場合に、TIC(温度コントローラ)からルーツ圧縮機25の操作器へ切替信号を発信させ、ルーツ圧縮機25の吐出温度を温度計27で計測し、所定の吐出温度を超えた場合にSEL(セレクタ)を動作させるようにして、TIC(温度コントローラ)からの吐出温度に応じた温度信号を切替信号としてルーツ圧縮機25の操作器への切替信号としてSEL(セレクタ)から発信させ、蒸発器15の水位計18及び凝縮器20の水位計21の計測値を△LIC(レベル差コントローラ)に入力演算した結果、そのレベル差△Lが所定の閾値を下回る(つまり、差圧がとれていない)場合に、△LIC(レベル差コントローラ)にルーツ圧縮機25の操作器へ切替信号を発信させ、運転中のルーツ圧縮機25、圧縮機ON−OFF弁26のセット(つまりそれぞれの電磁接触器が操作器)をOFFにし、停止していた予備のルーツ圧縮機25及び圧縮機ON−OFF弁26のセットをONにそれぞれ動作させる。
【0028】
冷却水配管57の切替制御部72は、冷却水配管57の冷却水分岐ON−OFF弁51、冷却水ポンプ52、羽根車式冷却水流量計53及び温度計56に連絡している。冷却水配管57の切替制御部72には、羽根車式冷却水流量計53に連絡するSEL(セレクタ)と温度計27に連絡するTIC(温度コントローラ)とを備えている。SEL(セレクタ)とTIC(温度コントローラ)とは連絡している。
【0029】
冷却水配管57の切替制御部72は、羽根車式冷水流量計53からの流量信号が、所定の閾値を下回る(つまり、所定の流量が出ていない)場合に、SEL(セレクタ)に冷却水配管57の操作器に対して切替信号を発信させ、さらに、冷却水配管系の温度計56に還り温度を計測させ、その計測信号をTIC(温度コントローラ)に入力し、その還り温度計測値が所定の温度を超えた場合に、TIC(温度コントローラ)からSEL(セレクタ)に切替信号を発信させ、流量信号が閾値を超える場合に、SEL(セレクタ)に留まる切替信号に基づき、SEL(セレクタ)に冷却水配管57の操作器に対して切替信号を発信させ、運転中の冷却水ポンプ52及び冷却水分岐ON−OFF弁51のセット(つまりそれぞれの電磁接触器が操作器)をOFFにし、停止していた予備の冷却水ポンプ52及び冷却水分岐ON−OFF弁51のセットをONにそれぞれ動作させる。
【0030】
ここで、本実施形態における操作器について説明する。
建設設備などの自動制御において、「計測器」からの計測信号を受けて操作量を演算する「調節器」からの信号を操作端の動作に変える機構を、「操作器」或いは「操作機構」という。「操作端」とは、自動制御で操作量を直接変化させるもので、弁本体、ダンパ本体などがこれに該当する。また、「操作部」は、自動制御装置の構成要素の1つで、「操作機構」、「操作端」より構成され、調節部からの信号を弁開度、ダンパ開度やインバータ出力回転数の操作量に変え、蒸気、水、空気などの制御対象に働きかける部分をいう。
「操作器」は、上記「操作部」と同義である。この「操作器」には、ポンプや圧縮機などのON−OFFできる各々の電力供給線にある電磁開閉器(電磁接触器)も含めている。
【0031】
次に、本実施形態に係る水蒸気圧縮冷凍機システムの作用を説明する。
本実施形態に係る水蒸気圧縮冷凍機システムは、膨張弁を排除しており、蒸発器15、ルーツ圧縮機25、凝縮器20、密閉式冷却塔60及び負荷側の冷水配管42を密閉式として接続し、この内部を真空状態にし、ルーツ圧縮機25を運転することで蒸発器15内の水蒸気が蒸発し、蒸発器15内の温度を低下させる。
【0032】
次に、ルーツ圧縮機25によってその水蒸気を圧縮した後、水蒸気は高温となって凝縮器20に導かれる。凝縮器20では、密閉式冷却塔60からの冷却水によって凝縮され、再び水に戻る。高温水蒸気の凝縮によって昇温された冷却水は、密閉式冷却塔60に送られ、その熱を密閉式冷却塔60により外部へ放熱する。凝縮器20内の凝縮水は、凝縮器20と蒸発器15とを連結した連通路30により蒸発器15へ戻り、両容器の圧力差に相当する水位差ΔLを維持する。
【0033】
本実施形態において、水蒸気は、蒸発器15から連結配管29内を流送し、ルーツ圧縮機25に流れ、さらに、凝縮器20に流れ込む。そして、蒸発時に蒸発器15の水を冷却し、冷水を製造する。蒸発器15の出口側は冷水温度が、例えば、20℃であり、冷水は冷水ポンプ37によりサーバ等の負荷45の入力側に流送される。そこで、負荷45の出口側から、例えば、23℃の冷水を放出し、蒸発器15内に配置された散水管19から、例えば、23℃の冷水を散布する。
【0034】
冷却塔24は、冷却水配管57に介設されており、この冷却水配管57を経て冷却水を流送する。そして、凝縮器20の入口側から冷却水が散水器22で凝縮器20内に散布する。この冷却水の温度は、例えば、32℃である。このとき、凝縮器20は滞留する水冷媒液の温度が、例えば、37℃であって、約6.3kPaの飽和蒸気圧を有し、その出口側から37℃の冷却水が冷却水ポンプ52により密閉式冷却塔60に流送される。
【0035】
本実施形態に係る水蒸気圧縮冷凍機システムは、凝縮器20に滞留している水冷媒液を、連通路30を介して蒸発器15へ流送する。本実施形態に係る水蒸気圧縮冷凍機システムでは膨張弁を排除しており、凝縮器15及び蒸発器20の圧力差を、凝縮器20内及び蒸発器15内の水位差による水頭圧で保持している。
そして、本実施形態に係る水蒸気圧縮冷凍機システムでは、負荷側の冷水配管42の切替制御部70、2つのルーツ圧縮機25で構成される冷凍機内系の切替制御分71、及び冷却水配管57の切替制御部72が常時下記のように監視する。
【0036】
負荷側の冷水配管42の切替制御部70は、常時還り温度を温度計41によって計測し所定の温度を超えた場合に、TIC(温度コントローラ)からSEL(セレクタ)に信号を発する。SEL(セレクタ)には、羽根車式冷水流量計39からの流量信号を、所定の閥値を超えるかどうか判断する回路があり、閾値を下回る(つまり、所定の流量が出ていない場合)はダイレクトに冷水配管42の操作器へ切替信号を送り、閾値を超えている場合は、還り温度が所定の温度を超えた場合に、冷水配管42の操作器へ切替信号を送る。同時に警告を監視システムへ発報する。冷水配管42の切替信号により、冷水ポンプ37及び冷水分岐ON−OFF弁36のセットを、運転中のものはOFFに、停止していた予備の冷水ポンプ37及び冷水分岐ON−OFF弁36のセットをONにそれぞれ動作させる。
【0037】
また、2つのルーツ圧縮機25で構成される冷凍機内系の切替制御分71は、以下の3系統を備えている。
1つめは、ルーツ圧縮機25の運転信号を受けて、正常な運転をしているのにも拘わらず、蒸発器15内の温度計16の計測値が所定の設定温度を超過した場合に、TIC(温度コントローラ)からルーツ圧縮機25の操作器へ切替信号を送る。
【0038】
2つめは、常時ルーツ圧縮機25の吐出温度を温度計27で計測し、運転中の計測値をSEL(セレクタ)で選別した後、所定の温度を超えた場合に、TIC(温度コントローラ)からルーツ圧縮機25の操作器へ切替信号を送る。
3つめは、蒸発器15及び凝縮器20の水位計18、21の計測値を△LIC(レベル差コントローラ)に入力し内部で演算した結果、そのレベル差ΔLが所定の閾値を超えるかどうかを判断する判定回路による判定結果に基づいて、閾値を下回る(つまり、差圧がとれていない場合)はルーツ圧縮機25の操作器へ切替信号を送る。
【0039】
各々切替信号と同時に警告を監視システムへ発報する。切替信号により、ルーツ圧縮機25、圧縮機ON−OFF弁26及び温度計27のセットを、運転中のものはOFFに、停止していた予備のルーツ圧縮機25、圧縮機ON−OFF弁26及び温度計27のセットをONにそれぞれ動作させる。
【0040】
また、冷却水配管57の切替制御部72は、常時冷却水の還り温度を温度計56で計測し、所定の温度を超えた場合に、TIC(温度コントローラ)からSEL(セレクタ)に信号を発する。SEL(セレクタ)には、羽根車式冷却水流量計53からの流量信号を、所定の閾値を超えるかどうかを判断する判定回路による判定結果に基づいて、闘値を下回る(つまり、所定の流量が出ていない場合)は、ダイレクトに冷却水配管57の操作器へ切替信号を送り、閾値を超えている場合は、還り温度が所定の温度を超えた場合に、冷却水配管57の操作器へ切替信号を送る。同時に警告を監視システムへ発報する。切替信号により、運転中の冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51、羽根車式冷却水流量計53のセットをOFFに、停止していた予備の冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51、羽根車式冷却水流量計53のセットをONにそれぞれ動作させる。
【0041】
(実施形態2)
実施形態1では、1台の密閉式冷却塔60に対し、冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51、羽根車式冷却水流量計53のセットを並列に配置した冷却水配管57を設置した場合について説明したが、本実施形態では、1台の密閉式冷却塔60に対し、冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51、羽根車式冷却水流量計53を設けた冷却水往き管54と冷却水分岐ON−OFF弁59及び温度計56を設けた冷却水還り管55とのセットを並列に配置した冷却水配管57を設置した点で実施形態1に係る水蒸気圧縮冷凍機システムとは相違する。
【0042】
本実施形態では、冷却水配管57の切替信号により、運転中の密閉式冷却塔60を含む冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51、羽根車式冷却水流量計53を設けた冷却水往き管54と冷却水分岐ON−OFF弁59及び冷却水還り管55と、冷却塔上部ファンとのセットをOFFに、停止していた予備の密閉式冷却塔60を含む冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51、羽根車式冷却水流量計53を設けた冷却水往き管54と冷却水分岐ON−OFF弁59及び冷却水還り管55と、冷却塔上部ファンとのセットをONにそれぞれ動作させるようにした点で、実施形態1に係る水蒸気圧縮冷凍機システムとは相違する。
本実施形態においても、実施形態1に係る水蒸気圧縮冷凍機システムと同様の作用効果を奏することが可能である。
【0043】
なお、上記各実施形態では、冷水配管42の切替制御部70による切替を、運転中の冷水ポンプ37及び冷水分岐ON−OFF弁36のセットを、停止していた予備の冷水ポンプ37及び冷水分岐ON−OFF弁36のセットへの切替としたが、停止していた予備の冷水ポンプ37及び冷水分岐ON−OFF弁36のセットは、複数台であっても良い。
また、ルーツ圧縮機25の切替制御部71による切替を、運転中のルーツ圧縮機25、圧縮機ON−OFF弁26及び温度計27のセットを、停止していた予備のルーツ圧縮機25、圧縮機ON−OFF弁26及び温度計27のセットへの切替としたが、予備のルーツ圧縮機25、圧縮機ON−OFF弁26及び温度計27のセットは、複数台であっても良い。
【0044】
また、冷却水配管57の切替制御部72による切替を、運転中の冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51及び羽根車式冷却水流量計53のセットを、停止していた予備の冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51及び羽根車式冷却水流量計53のセットへの切替としたが、冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51及び羽根車式冷却水流量計53のセットは、複数台であっても良い。
同じく、冷却水配管57の切替制御部72による切替を、運転中の密閉式冷却塔60を含む冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51、羽根車式冷却水流量計53のセットを、停止していた予備の密閉式冷却塔60を含む冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51、羽根車式冷却水流量計53を設けた冷却水往き管54とON−OFF弁59及び温度計56を設けた冷却水還り管55とのセットへの切替としたが、停止していた予備の密閉式冷却塔60を含む冷却水ポンプ52、冷却水分岐ON−OFF弁51、羽根車式冷却水流量計53を設けた冷却水往き管54と冷却水分岐ON−OFF弁59及び温度計56を設けた冷却水還り管55とのセットは、複数台であっても良い。
【0045】
また、ルーツ圧縮機25をインバータ制御する方式で説明したが、インバータ方式に限らない。
また、負荷45として、データセンタのサーバ冷却について説明したが、各種の設備冷却水としても良い。
【符号の説明】
【0046】
10 水蒸気圧縮冷凍機
15 蒸発器
16、27、41、56 温度計
17 冷水溜まり
18、21 水位計
19、22、62 散水管
20 凝縮器
23 真空ポンプ
25 ルーツ圧縮機
26 圧縮機ON−OFF弁
28、38、54、66 分岐管
29 連結配管
30 連通路
35 冷水往き管
36 冷水分岐ON−OFF弁
37、52 冷水ポンプ
39 羽根車式冷水流量計
40 冷水還り管
42 冷水配管
45 負荷
50 冷却水往き管
51、59、65 冷却水分岐ON−OFF弁
53 羽根車式冷却水流量計
55 冷却水還り管
57 冷却水配管
58 熱交換器コイル
60 密閉式冷却塔
61 下部水槽
63 外部水配管
64 冷却水ポンプ
70 冷水配管42の切替制御部
71 ルーツ圧縮機25の切替制御部
72 冷却水配管57の切替制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
注水管、温度計及び水位計を内部に設ける密閉式の蒸発器と、散水管及び水位計を内部に設ける密閉式の凝縮器と、入口側又は出口側に圧縮機ON−OFF弁、出口側に温度計を有する圧縮機分岐管を並列に配置してなる前記蒸発器と前記凝縮器との冷媒液位のレベル差を確保する複数の圧縮機と、各々が配管で接続される前記凝縮器、前記蒸発器、前記圧縮機及びその間を接続する配管内を30kPa以下の真空状態に保持する、前記凝縮器に接続される配管に設けられた真空ポンプと、を有する、水が冷凍サイクルを形成する冷媒として使用される水蒸気圧縮冷凍機を備えた水蒸気圧縮冷凍機システムであって、
前記蒸発器と前記凝縮器とを連結する連通路と、
冷水ポンプ及び冷水分岐ON−OFF弁を設けた複数の冷水分岐管を並列に配置し、前記蒸発器に連結される冷水往き管と、温度計を設け、前記蒸発器の散水管に連結される冷水還り管と、前記冷水往き管又は前記冷水還り管に設けられる羽根車式冷水流量計とを有する冷水配管と、
前記冷水往き管及び前記冷水還り管に連結される熱交換器である負荷と、
前記圧縮機を前記蒸発器と前記凝縮器との間に位置させて連結する連結配管と、
冷却水ポンプを配置し、前記凝縮器に連結される冷却水往き管と、温度計を設け、前記凝縮器の散水管に連結される冷却水還り管とを有する冷却水配管と、
前記冷却水配管に熱交換器部分が連結される密閉式冷却塔と、
前記冷水配管の前記冷水ポンプ及び前記冷水分岐ON−OFF弁をON−OFF動作させる前記冷水配管の操作器と、
前記圧縮機、前記圧縮機ON−OFF弁をON−OFF動作させる前記圧縮機の操作器と、
前記冷水配管の還り温度が所定の温度を超える場合、又は、前記羽根車式冷水流量計からの流量信号が、所定の閾値を下回る(つまり、所定の流量が出ていない)場合、又は、前記羽根車式冷水流量計からの流量信号が、閾値を超え、かつ、前記冷水配管の還り温度が所定の温度を超える場合に、前記冷水配管の操作器に切替信号を発信させ、運転中の前記冷水ポンプ及び前記冷水分岐ON−OFF弁をOFFにし、停止していた別の前記冷水ポンプ及び前記冷水分岐ON−OFF弁をONにそれぞれ動作させる前記冷水配管の切替制御部と、
前記圧縮機の運転信号を受けて、正常な運転をしているのにもかかわらず、前記蒸発器内の温度が所定の設定温度を超える場合、又は、前記圧縮機の吐出温度が所定の温度を超える場合、又は、前記蒸発器及び前記凝縮器の冷媒液位のレベル差△Lが所定の閾値を下回る(つまり、差圧がとれていない状態の)場合に、運転中の前記圧縮機、前記圧縮機ON−OFF弁をOFFにし、停止していた別の前記圧縮機、前記圧縮機ON−OFF弁をONにそれぞれ動作させる前記圧縮機の切替制御部と
を備えることを特徴とする水蒸気圧縮冷凍機システム。
【請求項2】
請求項1に記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、
冷却水分岐ON−OFF弁、冷却水ポンプ及び羽根車式冷却水流量計を設ける複数の冷却水分岐管を並列に配置し、前記凝縮器に連結される冷却水往き管と、温度計を設け、前記凝縮器の散水管に連結される冷却水還り管とを有する冷却水配管と、
前記冷却水配管の前記冷却水ポンプ及び前記冷却水分岐ON−OFF弁をON−OFF動作させる前記冷却水配管の操作器と、
前記冷却水の還り温度が所定の温度を超える場合、又は、前記羽根車式冷却水流量計からの流量信号が所定の閾値を下回る(つまり、所定の流量が出ていない)場合、又は、前記冷却水の還り温度が所定の温度を超え、前記羽根車式冷却水流量計からの流量信号が所定の閾値を超える場合に、運転中の前記冷却水ポンプ及び前記冷却水分岐ON−OFF弁をOFFにし、停止していた別の前記冷水ポンプ及び前記冷却水分岐ON−OFF弁をONにそれぞれ動作させる前記冷却水配管の切替制御部と
を備えることを特徴とする水蒸気圧縮冷凍機システム。
【請求項3】
請求項1に記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、
冷却水分岐ON−OFF弁、冷却水ポンプ及び羽根車式冷却水流量計を設ける複数の冷却水分岐管を並列に配置し、前記凝縮器に連結される冷却水往き管と、温度計を設け、前記凝縮器の散水管に連結される冷却水還り管とを有する複数の冷却水配管と、
前記複数の冷却水配管に熱交換器部分が連結される複数の密閉式冷却塔と、
前記冷却水配管の前記冷却水ポンプ及び前記冷却水分岐ON−OFF弁をON−OFF動作させる前記冷却水配管の操作器と、
前記冷却水の還り温度が所定の温度を超える場合、又は、前記羽根車式冷却水流量計からの流量信号が所定の閾値を下回る(つまり、所定の流量が出ていない)場合、又は、前記冷却水の還り温度が所定の温度を超え、前記羽根車式冷却水流量計からの流量信号が所定の閾値を超える場合に、運転中の前記冷却水ポンプ、前記密閉式冷却塔のファン及び冷却塔冷却水ポンプ及び前記冷却水分岐ON−OFF弁をOFFにし、停止していた別の前記冷水ポンプ及び密閉式冷却塔のファン及び冷却塔冷却水ポンプ及び前記冷却水分岐ON−OFF弁をONにそれぞれ動作させる前記冷却水配管の切替制御部と
を備えることを特徴とする水蒸気圧縮冷凍機システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、
前記負荷は、データセンタのサーバである
ことを特徴とする水蒸気圧縮冷凍機システム。
【請求項5】
請求項1記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、
前記冷水配管の切替制御部は、
前記羽根車式冷水流量計に連絡するセレクタと、
前記冷水配管の温度計及び前記蒸発器の温度計に連絡するTIC(温度調節計機構)と
を有することを特徴とする水蒸気圧縮冷凍機システム。
【請求項6】
請求項1記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、
前記圧縮機の切替制御部は、
前記蒸発器の温度計に連絡するTIC(温度調節系機構)と、
前記圧縮機の温度計に連絡するセレクタと、
前記蒸発器の水位計及び前記凝縮器の水位計に連絡する△LIC(レベル差コントローラ)と
を有することを特徴とする水蒸気圧縮冷凍機システム。
【請求項7】
請求項1記載の水蒸気圧縮冷凍機システムにおいて、
前記冷却水配管の切替制御部は、
前記羽根車式冷却水流量計に連絡するセレクタと、
前記冷却水配管の温度計に連絡するTIC(温度調節計機構)と
を有することを特徴とする水蒸気圧縮冷凍機システム。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−230265(P2010−230265A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79715(P2009−79715)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)