水道配管系のT字管交換工法及び新設T字管の接続構造
【課題】水道配管系の所定箇所に設けられている弁室を利用して、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺を掘削することができない条件下でも漏水事故の復旧作業を工期面、工費面で有利に行う。
【解決手段】人による管内作業が可能な口径の既設T字管Pの周囲に構築されている弁室の上部に、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入が可能な作業用開口を形成する工程、弁室内において両埋設水道管間に接続されている既設T字管を撤去する工程、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新設T字管Aを、作業用開口を通して両埋設水道管Pの端面間に搬入配置する工程、両埋設水道管間に新設T字管Aを接続する工程、新設T字管Aの両端部と両埋設水道管Pの端部とを水密状態で連結する工程が備えられている。
【解決手段】人による管内作業が可能な口径の既設T字管Pの周囲に構築されている弁室の上部に、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入が可能な作業用開口を形成する工程、弁室内において両埋設水道管間に接続されている既設T字管を撤去する工程、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新設T字管Aを、作業用開口を通して両埋設水道管Pの端面間に搬入配置する工程、両埋設水道管間に新設T字管Aを接続する工程、新設T字管Aの両端部と両埋設水道管Pの端部とを水密状態で連結する工程が備えられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道配管系の中でも人による管内作業が可能な大口径の埋設水道管での漏水事故対策に有効なT字管交換工法及びそれに用いられる新設T字管の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
水道配管系における大口径の埋設水道管で漏水事故が発生した場合の復旧方法としては、一般に、漏水発生箇所の地面を掘削して作業ピットを構築し、この作業ピット内において露出状態にある埋設水道管に、漏水管部を水密状態で囲繞する止水カバーを取付ける工法が採られている。
【0003】
また、漏水発生箇所の地面を直接掘削することができない場合には、漏水発生箇所から水道配管系に沿って少し離れた地面を掘削して作業ピットを構築し、この作業ピット内において露出状態にある埋設水道管の一部を人が出入り可能な幅で輪切り状に切断し、この切断箇所から管内に入り、水道管の漏水部位の内周面に当て付けたゴム製の環状シール材を拡径操作可能な圧着バンドで圧着することにより、水道管の漏水部位を管内側から止水状態で密封する(例えば、特許文献1,2参照)。
この水道管の漏水部位の補修後に、前記埋設水道管の輪切り切断箇所の切断端部同士を継ぎ輪で接続する工法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−65497号公報
【特許文献2】実開昭59−153793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、後者の工法においても、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺にガス管等の他の配管が輻輳している場合、或いは、漏水発生箇所を含めた近辺が公道や河川等の真下に位置する場合には、作業ピットの構築に高度の掘削技術と長い工期が必要で、断水による影響が大きくなるとともに、工事自体も大掛かりになる不都合がある。
【0006】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、水道配管系の所定箇所に設けられている弁室を利用して、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺を掘削することができない条件下でも漏水事故の復旧作業を工期面、工費面で有利に行うことのできる水道配管系のT字管交換工法及び新設T字管の接続構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による第1の特徴構成は、人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中に連結されている空気弁付きの既設T字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替える水道配管系のT字管交換工法であって、
前記既設T字管の周囲に構築されている弁室の上部に、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入が可能な作業用開口を形成する開口形成工程、
前記弁室内において一方の埋設水道管の端部と他方の埋設水道管の端部とに接続されている既設T字管を撤去する既設T字管撤去工程、
前記作業用開口を通して搬入された前記新設T字管を両埋設水道管の端面間に配置する配置工程、
前記新設T字管の一端部と一方の埋設水道管の端部とを接続するとともに、前記新設T字管の他端部と他方の埋設水道管の端部とを接続する接続工程、
前記新設T字管の一端部と一方の埋設水道管の端部とを水密状態で連結する第1水密連結工程、
前記新設T字管の他端部と他方の埋設水道管の端部とを水密状態で連結する第2水密連結工程、
が備えられている点にある。
【0008】
上記構成によれば、水道配管系における大口径の埋設管路で漏水事故が発生したときの復旧作業時において、例えば、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺にガス管等の他の配管が輻輳していたり、或いは、漏水発生箇所を含めた近辺が公道や河川等の真下に位置している場合であっても、空気弁付きのT字管を設置するために水道配管系に設けられている弁室のうち、漏水事故の発生箇所に最も近い弁室において、当該弁室の上部に作業用開口を形成する。
【0009】
通常、弁室の上部には人孔(マンホール)が設けられているが、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入には不向きであり、しかも、弁室自体も狭いため、前記作業用開口を形成することによって作業空間が大きくなり、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入を能率良く容易に行うことができる。
【0010】
前記新設T字管の両端部と両埋設水道管の端部とを接続したのち、新設T字管の両端部と両埋設水道管の端部とを水密状態で連結するのであるが、このとき、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での連結作業が十分に行なえない事態が発生した場合でも、埋設水道管の漏水発生箇所に漏水修復機材を搬入するために前記新設T字管に形成されている突出管部を通して新設T字管内に入り、内部から水密処理を施すことができるから、新設T字管の両端部と両埋設水道管の端部とを水密状態で確実に接続することができる。
【0011】
したがって、水道配管系の所定箇所に設けられている弁室を利用して、この弁室内の空気弁付きのT字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替えることにより、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺を掘削することができない条件下でも、漏水事故の復旧作業を工期面、工費面で有利に行うことができ、断水による悪影響を短期間に抑えることができる。
【0012】
特に、前記埋設水道管の途中に連結されている空気弁付きの既設T字管と、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新設T字管との取り替え工事を事前に完成していれば、例えば、新設T字管の突出管部に連結されている空気弁を撤去するだけで済み、埋設管路で発生した漏水事故を迅速に復旧させることができる。
【0013】
本発明による第2の特徴構成は、人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中に連結されている空気弁付きの既設T字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替える水道配管系のT字管交換工法であって、
前記既設T字管の周囲に構築されている弁室の上部に、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入が可能な作業用開口を形成する開口形成工程、
前記弁室内において一方の埋設水道管の受口管部と他方の埋設水道管の挿口管部とに嵌合接続されている既設T字管を切断撤去する既設T字管撤去工程、
前記両埋設水道管の端面間に前記新設T字管が挿入可能となるように、前記埋設水道管の挿口管部を切断して寸法調整する端面間寸法調整工程、
前記一方の埋設水道管の受口管部に対して管軸芯方向から内嵌接続可能な挿口管部と、他方の埋設水道管の挿口管部に対して管軸芯方向から外嵌接続可能な可動接続管を備えた前記新設T字管を、前記作業用開口から搬入して両埋設水道管の端面間に配置する配置工程、
前記新設T字管の挿口管部を埋設水道管の受口管部に内嵌接続するとともに、前記可動接続管を伸長操作して埋設水道管の挿口管部に外嵌接続する接続工程、
前記新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを水密状態で連結する第1水密連結工程、
前記新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを水密状態で連結する第2水密連結工程、
が備えられている点にある。
【0014】
上記構成によれば、水道配管系における大口径の埋設管路で漏水事故が発生したときの復旧作業において、例えば、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺にガス管等の他の配管が輻輳していたり、或いは、漏水発生箇所を含めた近辺が公道や河川等の真下に位置している場合であっても、空気弁付きのT字管を設置するために水道配管系に設けられている弁室のうち、漏水事故の発生箇所に最も近い弁室において、当該弁室の上部に作業用開口を形成する。
【0015】
通常、弁室の上部には人孔(マンホール)が設けられているが、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入には不向きであり、しかも、弁室自体も狭いため、前記作業用開口を形成することによって作業空間が大きくなり、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入を能率良く容易に行うことができる。
【0016】
前記既設T字管は、一方の埋設水道管の受口管部と他方の埋設水道管の挿口管部とに嵌合接続されているが、この既設T字管を切断分離することにより、管軸芯方向両側での嵌合接続状態を解除して簡単に撤去することができる。
【0017】
前記新設T字管には人が出入り可能な口径の突出管部が設けられているため、当該新設T字管の全長は既設T字管よりも長くなり、前記両埋設水道管の端面間に新設T字管を挿入するための寸法調整が必要となるが、このとき、形状の簡素な他方の埋設水道管における直管状の挿口管部を切断するため、切断後の仕上げ加工も容易に行うことができる。
【0018】
前記新設T字管の挿口管部を一方の埋設水道管の受口管部に対して管軸芯方向から内嵌接続するとともに、前記新設T字管の可動接続管を伸長操作して埋設水道管の挿口管部に外嵌接続したのち、新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部、及び、前記新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とをそれぞれ水密状態で連結するのであるが、このとき、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での連結作業が十分に行なえない事態が発生した場合でも、埋設水道管の漏水発生箇所に漏水修復機材を搬入するために前記新設T字管に形成されている突出管部を通して新設T字管内に入り、内部から水密処理を施すことができるから、新設T字管の両端部と両埋設水道管の端部とを水密状態で確実に接続することができる。
【0019】
したがって、水道配管系の所定箇所に設けられている弁室を利用して、この弁室内の空気弁付きの既設T字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替えることにより、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺を掘削することができない条件下でも、漏水事故の復旧作業を工期面、工費面で有利に行うことができ、断水による悪影響を短期間に抑えることができる。
【0020】
本発明による第3の特徴構成は、上述の第1又は第2の特徴構成を備えた水道配管系のT字管交換工法において、前記第1水密連結工程及び第2水密連結工程の終了後に、前記新設T字管の少なくとも下半側部位を防護コンクリートで埋設するコンクリート打設工程が設けられている点にある。
【0021】
上記構成によれば、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での新設T字管と両埋設水道管との連結作業が十分に行なえない場合でも、打設された防護コンクリートで新設T字管の少なくとも下半側部位を埋設固定することにより、新設T字管と両埋設水道管との連結を頑丈に構成することができる。
【0022】
本発明による第4の特徴構成は、上述の第1〜第3の特徴構成のいずれか1つを備えた水道配管系のT字管交換工法において、前記第1水密連結工程が、前記新設T字管と一方の埋設水道管とを外周面側において水密状態で連結する第1外側連結手段と、前記突出管部の開口を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管と一方の埋設水道管とを内周面側において水密状態で連結する第1管内継手とを用いる水密連結工程である点にある。
【0023】
上記構成によれば、前記第1外側連結手段と第1管内継手とにより、新設T字管と一方の埋設水道管とを管外周面側と管内周面側の両方から水密状態で連結することができるので、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での第1外側連結手段による連結作業が十分に行なえない事態が発生しても、第1管内継手によって新設T字管と一方の埋設水道管とを内周面側において確実に水密状態で連結することができる。
【0024】
本発明による第5の特徴構成は、上述の第1〜第4の特徴構成のいずれか1つを備えた水道配管系のT字管交換工法において、前記第2水密連結工程が、前記新設T字管と他方の埋設水道管とを外周面側において水密状態で連結する第2外側連結手段と、前記突出管部の開口を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管と他方の埋設水道管とを内周面側において水密状態で連結する第2管内継手とを用いる水密連結工程である点にある。
【0025】
上記構成によれば、前記第2外側連結手段と第2管内継手とにより、新設T字管と他方の埋設水道管とを管外周面側と管内周面側の両方から水密状態で連結することができるので、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での第2外側連結手段による連結作業が十分に行なえない事態が発生しても、第2管内継手によって新設T字管と他方の埋設水道管とを内周面側において確実に水密状態で連結することができる。
【0026】
本発明による第6の特徴構成は、上述の第2の特徴構成を備えた水道配管系のT字管交換工法において、前記新設T字管が、前記突出管部と挿口管部及び当該挿口管部と同芯状態で可動接続管側に突出する固定接続管部とを一体形成してあるT字本管と、前記固定接続管部に対して伸縮移動自在に嵌合保持される前記可動接続管とから構成されているとともに、前記可動接続管を埋設水道管の挿口管部に外嵌接続した後において、前記T字本管の固定接続管部と可動接続管とを水密状態で連結する第3水密連結工程が設けられている点にある。
【0027】
上記構成によれば、前記T字本管の固定接続管部に対して可動接続管を嵌合保持させてあるので、T字本管の固定接続管部と可動接続管とを水密状態で連結するにあたって、新設T字管の可動接続管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側でのT字本管の固定接続管部と可動接続管との連結作業が十分に行なえない事態が発生しても、T字本管の固定接続管部と可動接続管との嵌合部分とを内周面側から確実に水密状態で連結することができる。
【0028】
本発明による第7の特徴構成は、新設T字管の接続構造であって、人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中で、且つ、弁室内において間隔をおいて管軸芯方向で対面する受口管部と挿口管部とのうち、一方の埋設水道管の受口管部に、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新設T字管の管軸芯方向一端側の挿口管部を嵌合接続し、前記新設T字管の管軸芯方向他端側に設けた伸縮移動可能な可動接続管を、他方の埋設水道管の挿口管部に外嵌接続するとともに、前記新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを外周面側において連結する第1外側連結手段と、前記突出管部を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを内周面側において水密状態で連結する第1管内継手と、前記新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを外周面側において連結する第2外側連結手段と、前記突出管部を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを内周面側において水密状態で連結する第2管内継手とを設けてある点にある。
【0029】
上記構成によれば、前記弁室内に臨む一方の埋設水道管の受口管部に、新設T字管の管軸芯方向一端側の挿口管部を嵌合接続するとともに、前記新設T字管の管軸芯方向他端側に設けた可動接続管を、伸長側に移動操作して弁室内に臨む他方の埋設水道管の挿口管部に外嵌接続することにより、水道配管系に設けられている弁室を利用して設置された新設T字管の突出管部の開口を通して、作業員が埋設水道管内の漏水事故発生箇所にスムーズに移動することができ、搬入した漏水修復機材で埋設水道管内の漏水事故発生箇所を確実に修復することができる。
【0030】
それ故に、水道配管系における大口径の埋設管路で漏水事故が発生したときの復旧作業時において、例えば、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺にガス管等の他の配管が輻輳していたり、或いは、漏水発生箇所を含めた近辺が公道や河川等の真下に位置している場合であっても、水道配管系に設けられている弁室のうち、漏水事故の発生箇所に最も近い弁室に設置された新設T字管の突出管部を利用して迅速に復旧作業を開始することができる。
【0031】
しかも、前記第1外側連結手段と第1管内継手とにより、新設T字管の挿口管部と一方の埋設水道管の受口管部とを、管外周面側と管内周面側の両方から水密状態で連結することができ、また、前記第2外側連結手段と第2管内継手とにより、新設T字管の可動接続管と他方の埋設水道管の挿口管部とを管外周面側と管内周面側の両方から水密状態で連結することができるので、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での第1外側連結手段及び第2外側連結手段による連結作業が十分に行なえない場合でも、第1管内継手及び第2管内継手によって新設T字管と両埋設水道管とを内周面側において確実に水密状態で連結することができる。
【0032】
したがって、水道配管系の所定箇所に設けられている弁室を利用して、この弁室内に臨む埋設水道管の受口管部及び挿口管部を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管で接続することにより、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺を掘削できない条件下でも、漏水事故の復旧作業を工期面、工費面で有利に行うことができ、断水による悪影響を短期間に抑えることができる。
【0033】
本発明による第8の特徴構成は、上述の第7の特徴構成を備えた新設T字管の接続構造において、前記新設T字管の挿口管部及び埋設水道管の受口管部の両内周面と前記第1管内継手との相対向する部位には、第1管内継手の管軸芯方向での移動を係合阻止する第1係合手段が設けられているとともに、前記新設T字管の可動接続管及び埋設水道管の挿口管部の両内周面と前記第2管内継手との相対向する部位には、第2管内継手の管軸芯方向での移動を係合阻止する第2係合手段が設けられている点にある。
【0034】
上記構成によれば、前記第1係合手段及び第2係合手段により、新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部との内周面側の所定位置に装着された第1管内継手、及び、新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部との内周面側の所定位置に装着された第2管内継手が水圧で管軸芯方向に位置ずれすることを防止することができる。
【0035】
本発明による第9の特徴構成は、上述の第8の特徴構成を備えた新設T字管の接続構造において、前記第1管内継手及び第2管内継手の各々が、隣接する両内周面にわたって装着される水密用の環状シール材と、当該環状シール材を前記両内周面に押付け固定する圧着手段とから構成されているとともに、前記第1係合手段及び第2係合手段の各々が、少なくとも一方の内周面に突設した係止体と、該係止体に管径方向から係合する状態で前記環状シール材の外周面側に形成された環状の係止溝とから構成されている点にある。
【0036】
上記構成によれば、前記第1管内継手及び第2管内継手を水圧に抗して所定装着位置に確実に保持することができるばかりでなく、このための係止体と係止溝とを、環状シール材を装着するときの位置決め部材に兼用構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態を示す施工前の弁室構造の断面図
【図2】既設T字管の接続構造の拡大断面図
【図3】作業用開口形成時の断面図
【図4】既設T字管の切断分離時の断面図
【図5】端面間寸法調整時の断面図
【図6】新設T字管の搬入配置時の断面図
【図7】新設T字管の半断側面図
【図8】新設T字管の正面図
【図9】第1外側連結手段による連結時の拡大断面図
【図10】第2外側連結手段による連結時の拡大断面図
【図11】固定連結手段による固定連結時の拡大断面図
【図12】第1管内継手及び第2管内継手による連結時の拡大断面図
【図13】第1外側連結手段及び第1管内継手の拡大断面図
【図14】第2外側連結手段及び第2管内継手の拡大断面図
【図15】圧着手段による拡径操作時の正面図
【図16】圧着手段による拡径操作時の斜視図
【図17】圧着手段による固定連結時の斜視図
【図18】新設T字管の連結完了時の断面図
【図19】防護コンクリートの打設時の断面図
【図20】第2実施形態の第1外側連結手段及び第1管内継手の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0038】
〔第1実施形態〕
図1は、水道配管系のうち、幹線道路の直下等の水道配管経路に沿って人による管内作業が可能な大口径(一般的には900mm以上)の埋設水道管Pが布設されている基幹管路の途中に構築された弁室1を示し、この弁室1内には、上流側の埋設水道管Pの受口管部2と下流側の埋設水道管Pの挿口管部3とに嵌合接続された既設T字管4と、当該既設T字管4の分岐管部4Aにフランジ接合された仕切弁5、及び、仕切弁5にフランジ接合された空気弁6が収納されている。
【0039】
前記弁室1は、鉄筋コンクリート製の底壁1A、側壁1B、天井壁1Cでボックス状に構成されているとともに、前記天井壁1Cには、地上に開口する人孔7を形成する鉄筋コンクリート製の円筒壁1Dが形成され、前記円筒壁1Dの上側開口部には鉄蓋1Eが設けられている。
【0040】
前記既設T字管4の管軸芯方向の一端側となる上流側の挿口管部4Bは、図2に示すように、上流側の埋設水道管Pの受口管部2に対して管軸芯方向から内嵌接続され、この挿口管部4Bの外周面と受口管部2の内周面との間には、これらの対向面間を水密状態で密封するためのゴム製のシール材12が装着されているとともに、前記既設T字管4の挿口管部4Bには、前記シール材12を管軸芯方向から圧縮可能な円環状の押輪13が外装され、この押輪13と受口管部2の連結フランジ2Aとの間に装着されるボルト9・ナット10の締め付け操作により、前記シール材12を水密状態に圧縮したときの摩擦力で埋設水道管Pの受口管部2と既設T字管4の挿口管部4Bとを固定連結するように構成されている。
【0041】
また、前記既設T字管4の管軸芯方向の他端側となる下流側の受口管部4Dには、図2に示すように、下流側の埋設水道管Pの挿口管部3が管軸芯方向から内嵌接続され、この埋設水道管Pの挿口管部3の外周面と既設T字管4の受口管部4Dの内周面との間には、これらの対向面間を水密状態で密封するためのゴム製のシール材12が装着されているとともに、前記埋設水道管Pの挿口管部3には、前記シール材12を管軸芯方向から圧縮可能な円環状の押輪13が外装され、この押輪13と受口管部4Dの連結フランジ4Eとの間に装着されるボルト9・ナット10の締め付け操作により、前記シール材12を水密状態に圧縮したときの摩擦力で前記既設T字管4の受口管部4Dと埋設水道管Pの挿口管部3とを固定連結するように構成されている。
【0042】
次に、前記空気弁6付きの既設T字管4を、人が出入り可能な口径(当該実施形態では600mm)の突出管部(分岐管部)15を備えた新たな鋼板製のT字管Aに取り替えたときにおける新設T字管Aの接続構造を、図6〜図18に基づいて説明する。
【0043】
前記新設T字管Aは、図7、図8、図18に示すように、人孔を形成可能な口径で上方に突出する前記突出管部15と前記上流側の埋設水道管Pの受口管部2に対して管軸芯方向から内嵌接続される挿口管部16と、当該挿口管部16と同芯状態で下流側に突出する固定接続管部17とを一体形成してあるT字本管A1と、下流側の埋設水道管Pの挿口管部3に対して管軸芯方向から外嵌接続可能で、且つ、前記固定接続管部17に対して管軸芯方向に伸縮移動自在に内嵌保持される可動接続管A2とから構成されている。
【0044】
前記T字本管A1の挿口管部16と固定接続管部17とは同一径に形成されているとともに、前記挿口管部16及び固定接続管部17の各内径は、モルタルライニング層11が剥離された埋設水道管Pの内径と同一又は略同一に構成されている。
【0045】
前記可動接続管A2は、前記T字本管A1の固定接続管部17の内径よりも僅かに小なる外径に構成された小径管部18と、前記固定接続管部17の内外径と同径に構成された中径管部19、及び、下流側の埋設水道管Pにおける挿口管部3の外径よりも若干大となる内径に構成された大径管部20とを一体形成して構成されているとともに、前記小径管部18と中径管部19との間には、前記固定接続管部17に対して可動接続管A2を管軸芯方向に収縮移動させたとき、固定接続管部17の端面に管軸芯方向から当接するストッパー兼用の環状壁部21が形成されている。
【0046】
前記T字本管A1の挿口管部16の外周面と受口管部2の内周面との間には、図9〜図14に示すように、これらの対向面間への押込みに連れて挿口管部16と受口管部2とを調芯する機能を備えたゴム製のOリング22が装着されているとともに、前記T字本管A1の挿口管部16には、前記Oリング22を管軸芯方向から圧縮しながら押し込む円環板状の押輪27が外装され、この押輪27と受口管部2の連結フランジ2Aとの間に装着されるボルト9・ナット10の締め付け操作により、押し込まれるOリング22で調芯しながら新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを連結するように構成され、この構成をもって、新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを挿口管部16の外周面側において連結する第1外側連結手段Bが構成されている。
【0047】
前記可動接続管A2の大径管部20の内周面には、下流側の埋設水道管Pにおける挿口管部3の外周面との間を密封するゴム製のOリング23が装着されているとともに、前記大径管部20の周方向複数箇所には、管径方向外方から挿口管部3の外周面に締付け固定する固定ボルト24が螺合され、このOリング23と複数の固定ボルト24とをもって、新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3とを当該挿口管部3の外周面側において水密状態で固定連結する第2外側連結手段Cが構成されている。
【0048】
当該実施形態においては、前記可動接続管A2の大径管部20と前記弁室1の底壁1Aとの間の下部スペースが狭くて操作空間を確保することができないため、図8に示すように、前記大径管部20の下部領域には前記固定ボルト24が設けられていない。
【0049】
前記T字本管A1の突出管部15の外周面の上側開口部には連結フランジ15Aが一体形成されているとともに、前記固定接続管部17の周方向複数箇所には、図7に示すように、可動接続管A2の小径管部18の外周面に径方向外方から当接してT字本管A1と可動接続管A2とを同芯状態に調整する調芯用ボルト25が螺合装着され、さらに、前記T字本管A1の固定接続管部17と可動接続管A2の小径管部18との間には、可動接続管A2を管軸芯方向に沿って伸長作動させるネジ式の伸縮操作機構26が設けられている。
【0050】
前記伸縮操作機構26は、図7に示すように、前記T字本管A1の固定接続管部17の周方向複数箇所と可動接続管A2の中径管部19の周方向複数箇所にそれぞれボルト挿通孔を備えた取付け片26A,26Bを固着するとともに、管軸芯方向で相対向する取付け片26A,26Bにわたって、可動接続管A2の伸長作動ストロークよりも長い押出しストロークを有する押出しボルト26Cと四つのナット26Dを装着して構成されている。
【0051】
前記可動接続管A2を管軸芯方向に沿って伸長作動させる場合には、前記可動接続管A2側の二つのナット26Dは取付け片26Bを挾持固定する状態に維持するとともに、前記T字本管A1側の二つのナット26Dのうち、最上流側となる外側のナット26Dを伸長作動分だけ緩み操作し、内側のナット26Dを締付け側に回転操作すると、可動接続管A2が下流側である伸長側に押し出し移動される。
【0052】
前記T字本管A1の突出管部15内を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを挿口管部16の内周面側において水密状態で連結する第1管内継手Dと、前記T字本管A1の突出管部15を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3とを中径管部19の内周面側において水密状態で連結する第2管内継手E、及び、前記第1外側連結手段B及び第2外側連結手段Cによる連結完了後に前記T字本管A1の固定接続管部17と可動接続管A2の小径管部18とを水密状態で固定連結する固定連結手段Fが設けられているとともに、前記第1管内継手Dと第2管内継手Eとが同一構造に構成されている。
【0053】
前記新設T字管Aの挿口管部16及び埋設水道管Pの受口管部2の両内周面と前記第1管内継手Dとの相対向する部位には、図13に示すように、水圧に起因する第1管内継手Dの管軸芯方向での移動を係合阻止する第1係合手段28が設けられているとともに、前記新設T字管Aの可動接続管A2及び埋設水道管Pの挿口管部3の両内周面と前記第2管内継手Eとの相対向する部位には、図14に示すように、水圧に起因する第2管内継手Eの管軸芯方向での移動を係合阻止する第2係合手段29が設けられている。
【0054】
前記第1管内継手Dは、図12〜図18に示すように、隣接する埋設水道管Pの受口管部2の内周面と新設T字管Aの挿口管部16の内周面とにわたって、水密用の環状シール材の一例で、全体が水密用の弾性シール層に構成されている円環状のゴム製の内面バンド31が装着され、この内面バンド31の管軸芯方向両端部を前記両内周面に押し付け固定する圧着手段32が設けられている。
【0055】
前記内面バンド31は、前記両内周面の内径と同一又は略同一寸法の外径で円環状に成形されており、この内面バンド31の外周面における管軸芯方向の三箇所には、前記両内周面及びそれらの境界箇所に接触する円環状シール部31aが管径方向外方に一体的に突出形成されているとともに、前記内面バンド31の管軸芯方向両端部31bの各々は、前記両内周面に対して前記円環状シール部31aと略同じシール状態で接触するべく、前記円環状シール部31aの先端を通る管軸芯方向の仮想直線と同じ位置まで管径方向外方側に屈曲形成されている。
【0056】
また、前記内面バンド31の内周面における少なくとも管軸芯方向の3箇所には環状リブ31cが一体形成され、この環状リブ31cの隣接間に形成される環状溝31dが、前記圧着手段32を構成する二つの圧着具に対する装着用環状溝に構成されている。
【0057】
前記第1係合手段28は、図13に示すように、新設T字管Aの挿口管部16の内周面に円周方向に沿って突設されたレール状の係止体28Aと、該係止体28Aに管径方向から係合する状態で内面バンド31の外周面側に形成された環状の係止溝28Bとから構成されている。
【0058】
前記第2係合手段29は、上述の第1係合手段28と同一構造であり、図14に示すように、可動接続管A2の中径管部19の内周面に円周方向に沿って突設されたレール状の係止体29Aと、該係止体29Aに管径方向から係合する状態で内面バンド31の外周面側に形成された環状の係止溝29Bとから構成されている。
【0059】
前記係止体28A及び係止体29Aは、新設T字管Aの挿口管部16の内周面及び可動接続管A2の中径管部19の内周面に予め溶接で固着されている。
【0060】
前記圧着手段32を構成する二つの圧着具の各々は、図15〜図17に示すように、前記内面バンド31の装着用環状溝31dの内径と同一又は略同一寸法の外径で円環状に湾曲形成され、かつ、その周方向の一箇所で分断された管径方向(拡径側と縮径側)に弾性変形可能な金属製の圧着帯状体33の内周面の両端部には、管径方向内方に突出する角柱状の係止突起34が設けられているとともに、前記両係止突起34に対して管径方向内方側から係脱自在な係止凹部35aを形成してある係止体35を備え、かつ、両係止体35を内面バンド31の内周面に沿って離間移動させる拡径操作機構32Aと、該拡径操作機構32Aで拡径された間隔で両係止突起34を固定連結する固定連結機構32Bとが設けられている。
【0061】
前記拡径操作機構32Aは、両側に螺合方向が逆となる右用と左用のネジ部36aが形成されている操作ネジ軸36のネジ軸芯方向中央位置に断面六角形の回転操作部36bを一体形成するとともに、前記回転操作部36bに回転自在に枢支された枢支ピン37には、前記操作ネジ軸36の両ネジ部36aに螺合されるネジ孔を形成して、前記操作ネジ軸36の回転操作部36bの回転操作によって前記両枢支ピン37をネジ軸芯方向に沿って遠近方向に移動させるように構成されている。
【0062】
前記固定連結機構32Bを構成するに、前記両係止突起34に形成された管軸芯方向に沿うネジ孔34aに対してボルト38で螺合固定される固定連結板39の片面に、内面バンド31の内周面に沿って前記圧着帯状体33の両端面間に入り込み可能な先端側ほど幅狭となる両傾斜面39aを備えた台形状の間隔保持板39Aと、該間隔保持板39Aと同一形状のガイド板39Bとが、前記圧着帯状体33の内周面の両端部に固着される外れ止め板40の厚みに相当する間隔を隔てて固着されている。
【0063】
他方、前記圧着帯状体33の両端面には、前記間隔保持板39Aの両傾斜面39aに当接可能な同一勾配の傾斜面33aが形成されているとともに、前記外れ止め板40が、圧着帯状体33の両傾斜面33aに当て付けられた間隔保持板39Aの管径方向内方への外れ移動を接当阻止するべく、前記傾斜面33aよりも間隔保持板39Aの進入経路側に張り出す状態で圧着帯状体33の内周面の両端部に固着されている。
【0064】
さらに、前記固定連結板39のボルト挿通孔39bは、前記拡径操作機構32Aの拡径操作に伴う両係止突起34のネジ孔34aの中心間隔(取付け間隔)の変動を吸収可能な長孔に構成されている。
【0065】
そして、前記拡径操作機構32Aの拡径操作で圧着帯状体33が内面バンド31の内周面に所定押圧力で押し付け固定されたとき、前記固定連結機構32Bの間隔保持板39Aの両傾斜面39aを、前記圧着帯状体33の両端面に形成された傾斜面33aに当て付け、この状態で固定連結板39の両ボルト挿通孔39bに挿通されたボルト38を圧着帯状体33の両係止突起34のネジ孔34aに螺合固定する。
【0066】
尚、前記第2管内継手Eは、上述の第1管内継手Dと同一構造に構成されているため、同一の構成箇所には、第1管内継手Dと同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0067】
前記固定連結手段Fは、前記T字本管A1の固定接続管部17の端面と可動接続管A2の小径管部18の外周面とに当て付けた状態で部分溶接にて固着される二分割構造の外側リング42と、前記T字本管A1の固定接続管部17の内周面と可動接続管A2の小径管部18の端面とに当て付けた状態で全周溶接にて固着される二分割構造の内側リング43とから構成されている。
【0068】
次に、前記空気弁6付きの既設T字管4を、人が出入り可能な口径(当該実施形態では600mm、一般的には500mm以上あればよい)の突出管部15を備えた新たな鋼板製のT字管Aに断水状態で取り替える水道配管系のT字管交換工法を、図1〜図18に基づいて説明する。
【0069】
[1]図3は、前記弁室1を構成する底壁1A及び側壁1Bを残す状態で、天井壁1C及び円筒壁1Dを含めた弁室1の上側構成層を掘削等の手段で撤去し、弁室1の上部に、既設T字管4の撤去及び新設T字管Aの搬入が可能な作業用開口8を形成する工程と、前記既設T字管4の分岐管部4Aから空気弁6及び仕切弁5を撤去する工程を示す。
【0070】
[2]図4は、既設T字管4の撤去工程を示し、前記既設T字管4の上側管周壁に、分岐管部4Aの軸芯を略中心として人が出入可能な半径で円形状にエンジンカッター等で切断し、この切断形成された出入口(人孔)4Cを通して管内に入り、前記出入口4Cの直径よりも少し大きな幅で円周方向の切断線a,bに沿って切断し、既設T字管4を管軸芯方向で三つに切断分離したのち、中央側の切断分離片から順番に撤去する。
【0071】
一般の弁室1においては、当該弁室1を構成する底壁1A及び側壁1Bと既設T字管4の外周面との間が狭く、特に、既設T字管4と底壁1Aとの間の下部空間が狭く、作業空間を十分に確保することができない現場が多い。そのため、前述の如く、既設T字管4の上側管周壁に出入口4Cを形成することにより管内側に作業スペースを確保したものであり、既設T字管4の切断分離作業能率の向上を図ることができる。
【0072】
また、切断分離される中央側の切断分離片の管軸芯方向長さLは、前記既設T字管4の挿口管部4Bと上流側の埋設水道管Pの受口管部2との嵌合接続、及び、既設T字管4の受口管部4Dと下流側の埋設水道管Pの挿口管部3との嵌合接続を解除することができ、且つ、人が無理なく出入りできる寸法に設定されている。
【0073】
[3]図5は、両埋設水道管Pの端面間寸法調整工程を示し、上流側の埋設水道管Pの受口管部2の端面と下流側の埋設水道管Pの挿口管部3の端面との間隔が、前記新設T字管Aを挿入配置可能な設定端面間寸法となるように、この設定端面間寸法から実測の端面間寸法を減算した切断寸法で前記埋設水道管Pの挿口管部3を切断して寸法調整する。
【0074】
また、前記挿口管部3の切断端面の外周面側に面取り加工を施し、当該挿口管部3に対して新設T字管Aの可動接続管A2を外嵌させる際、この可動接続管A2の大径管部20の内周面に装着されているOリング23の損傷を回避する。
【0075】
さらに、上流側の埋設水道管P及び下流側の埋設水道管Pの各内周面に施されているモルタルライニング層11を、第1管内継手D及び第2管内継手Eの各内面バンド31が装着される領域よりも若干広い装着作業領域を剥離し、この剥離された両埋設水道管Pの装着作業領域の金属表面を平滑に仕上げ、下地形成用のパテを塗布したのち、下地塗装として合成樹脂塗料を塗布する。
【0076】
[4]図6は、前記新設T字管Aを作業用開口8から搬入して上流側の埋設水道管Pの受口管部2の端面と下流側の埋設水道管Pの挿口管部3の端面との間に配置する配置工程を示す。
搬入される新設T字管Aの事前作業として、前記可動接続管A2を最大限に収縮した状態で伸縮操作機構26にて固定保持するとともに、前記T字本管A1の挿口管部16には
円環板状の押輪27を外装しておく。
【0077】
[5]図9、図10は、前記T字本管A1の挿口管部16を上流側の埋設水道管Pの受口管部2に内嵌接続するとともに、前記可動接続管A2を伸長操作して下流側の埋設水道管Pの挿口管部3に外嵌接続する接続工程を示す。
【0078】
先ず、図9に示すように、上流側の埋設水道管Pの受口管部2の端面と下流側の埋設水道管Pの挿口管部3の端面との間に配置された新設T字管Aを上流側に移動させ、上流側の埋設水道管Pの受口管部2に対してT字本管A1の挿口管部16を管軸芯方向から内嵌させ、押輪27と受口管部2の連結フランジ2Aとをボルト9・ナット10で締め付け操作し、押し込まれるOリング22で調芯しながら新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを連結する。
【0079】
この新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2との連結は、前記新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを水密状態で連結する第1水密連結工程の一部を構成する。つまり、前記新設T字管Aと上流側の埋設水道管Pとを挿口管部16の外周面側において連結する第1外側連結手段Bを用いた第1水密連結工程の前半を構成している。
【0080】
次に、図10に示すように、前記T字本管A1の固定接続管部17と可動接続管A2の中径管部19との間に設けたネジ式の伸縮操作機構26を伸長操作し、前記可動接続管A2の大径管部20を、下流側の埋設水道管Pにおける挿口管部3に管軸芯方向から外嵌させたのち、可動接続管A2の大径管部20の周方向複数箇所に螺合されている固定ボルト24を締め付け操作し、新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3とを水密状態で固定連結する。
【0081】
この新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3との連結は、前記新設T字管Aの可動接続管A2と下流側の埋設水道管Pの挿口管部3とを水密状態で連結する第2水密連結工程の一部を構成する。つまり、前記新設T字管Aと下流側の埋設水道管Pとを挿口管部3の外周面側において水密状態で連結する第2外側連結手段Cを用いた第2水密連結工程の前半を構成している。
【0082】
[6]図11は、前記可動接続管A2を埋設水道管Pの挿口管部3に外嵌接続した後において、前記T字本管Aの接続管部17と可動接続管A2の小径管部18とを水密状態で連結する第3水密連結工程を示す。
【0083】
先ず、管外側において、前記T字本管A1の固定接続管部17の端面と可動接続管A2の小径管部18の外周面とに二分割構造の外側リング42を当て付けた状態で部分溶接にて固着したのち、管内側において、前記T字本管A1の固定接続管部17の内周面と可動接続管A2の小径管部18の端面とに二分割構造の内側リング43を当て付けた状態で全周溶接にて固着する。
【0084】
[7]図12〜図14は、前記突出管部15の開口を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aと上流側の埋設水道管Pとを挿口管部16の内周面側において水密状態で連結する第1管内継手Dを用いた第1水密連結工程の後半と、前記突出管部15の開口を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aと下流側の埋設水道管Pとを挿口管部3の内周面側において水密状態で連結する第2管内継手Eを用いた第2水密連結工程の後半とを示す。
【0085】
まず、第1水密連結工程の後半においては、図12、図13に示すように、隣接する埋設水道管Pの受口管部2の内周面と新設T字管Aの挿口管部16の内周面とにわたって、円環状のゴム製の内面バンド31を、それの外周面側に形成された環状の係止溝28Bが新設T字管Aの挿口管部16の内周面に円周方向に沿って突設されたレール状の係止体28Aに係合する状態で装着し、この内面バンド31の内周面側の両装着用環状溝31dに、圧着手段32を構成する二つの圧着具の圧着帯状体33を装着する。
【0086】
次に、図15、図16に示すように、前記圧着帯状体33の内周面の両端部に設けた係止突起34に、圧着具の拡径操作機構32Aにおける両係止体35の係止凹部35aを係合し、前記拡径操作機構32Aの回転操作部36bを拡径側に回転操作すると、両係止体35が内面バンド31の内周面に沿って離間移動することに伴う圧着帯状体33の拡径変形により、内面バンド31の管軸芯方向両側部を埋設水道管Pの受口管部2の内周面と新設T字管Aの挿口管部16の内周面に水密状態で押し付け固定する。
【0087】
次に、図17、図18に示すように、前記拡径操作機構32Aの拡径操作で圧着帯状体33が内面バンド31の内周面に所定押圧力で押し付け固定されたとき、前記固定連結機構32Bの間隔保持板39Aの両傾斜面39aを、前記圧着帯状体33の両端面に形成された傾斜面33aに当て付け、この状態で固定連結板39の両ボルト挿通孔39bに挿通されたボルト38を圧着帯状体33の両係止突起34のネジ孔34aに螺合固定する。
【0088】
第2水密連結工程の後半においては、図12、図14に示すように、隣接する可動接続管A2の中径管部19の内周面と埋設水道管Pの挿口管部3の内周面とにわたって、円環状のゴム製の内面バンド31を、それの外周面側に形成された環状の係止溝29Bが新設T字管Aの中径管部19の内周面に円周方向に沿って突設されたレール状の係止体29Aに係合する状態で装着し、この内面バンド31の内周面側の両装着用環状溝31dに、圧着手段32を構成する二つの圧着具の圧着帯状体33を装着する。
【0089】
次に、図15、図16に示すように、前記圧着帯状体33の内周面の両端部に設けた係止突起34に、圧着具の拡径操作機構32Aにおける両係止体35の係止凹部35aを係合し、前記拡径操作機構32Aの回転操作部36bを拡径側に回転操作すると、両係止体35が内面バンド31の内周面に沿って離間移動することに伴う圧着帯状体33の拡径変形により、内面バンド31の管軸芯方向両側部を可動接続管A2の中径管部19の内周面と埋設水道管Pの挿口管部3の内周面に水密状態で押し付け固定する。
【0090】
次に、図17、図18に示すように、前記拡径操作機構32Aの拡径操作で圧着帯状体33が内面バンド31の内周面に所定押圧力で押し付け固定されたとき、前記固定連結機構32Bの間隔保持板39Aの両傾斜面39aを、前記圧着帯状体33の両端面に形成された傾斜面33aに当て付け、この状態で固定連結板39の両ボルト挿通孔39bに挿通されたボルト38を圧着帯状体33の両係止突起34のネジ孔34aに螺合固定する。
【0091】
第1水密連結工程の後半及び第2水密連結工程の後半が終了すると、内面バンド31とモルタルライニング層11との間において露出している埋設水道管Pの装着作業領域の金属表面にエポキシ樹脂塗料を塗布する。
【0092】
[8]図19は、前記第1水密連結工程及び第2水密連結工程の終了後において、前記新設T字管Aの少なくとも下半側部位を防護コンクリート13で埋設するコンクリート打設工程を示す。
当該実施形態では、前記新設T字管Aの突出管部15の上下中間位置にまで防護コンクリート13が打設されている。
【0093】
この防護コンクリート13の打設で工事は完了し、爾後の作業に備えることになるが、一般的には、前記新設T字管Aの突出管部15にフランジ蓋又は仕切弁を介して空気弁を取付ける。
【0094】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記新設T字管Aと前記弁室1の底壁1Aとの間の下部スペースが狭くて操作空間を確保することができないため、前記新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを挿口管部16の外周面側において連結する第1外側連結手段Bと、前記新設T字管Aの突出管部15を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを挿口管部16の内周面側において水密状態で連結する第1管内継手Dと、前記新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3とを当該挿口管部3の外周面側において連結する第2外側連結手段Cと、前記新設T字管Aの突出管部15を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3とを内周面側において水密状態で連結する第2管内継手Eとを設けたが、前記新設T字管Aと前記弁室1の底壁1Aとの間の下部スペースが広くて操作空間を確保することができる場合には、前記第1外側連結手段Bと第2外側連結手段Cとで水密状態に固定連結してもよい。
【0095】
この場合、前記第1外側連結手段Bにおいては、図20に示すように、前記押輪27として、前記T字本管A1の挿口管部16の外周面と受口管部2の内周面との間に装着されるシール材22を管軸芯方向から押圧圧縮可能な押圧部27aを形成してある押輪27Aを用いる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0096】
〔その他の実施形態〕
(1)前記第1外側連結手段Bとしては、前記新設T字管Aの挿口管部16と一方の埋設水道管Pの受口管部2とを挿口管部16の外周面側において水密状態又は非水密状態で連結することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0097】
(2)前記第1管内継手Dとしては、前記突出管部15を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの挿口管部16と一方の埋設水道管Pの受口管部2とを内周面側において水密状態で連結することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0098】
(3)前記第2外側連結手段Cとしては、新設T字管Aの可動接続管A2と他方の埋設水道管Pの挿口管部3とを当該挿口管部3の外周面側において水密状態又は非水密状態で連結することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0099】
(4)前記第2管内継手Eとしては、突出管部15を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの可動接続管A2と他方の埋設水道管Pの挿口管部3とを当該挿口管部3の内周面側において水密状態で連結することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0100】
(5)前記固定連結手段Fとしては、可動接続管A2を埋設水道管Pの挿口管部3に外嵌接続した後において、前記T字本管A1の固定接続管部17と可動接続管A2とを水密状態で連結することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0101】
(6)上述の第1実施形態では、前記第1係合手段28の係止体28Aを新設T字管Aの挿口管部16の内周面に突設したが、この係止体28Aを埋設水道管Pの受口管部2の内周面に突設してもよく、さらに、前記係止体28Aを両方の内周面に突設してもよい。これに対応して内面バンド31の外周面側に形成される係止溝28Bの形成位置、数を変更する。
また、前記係止体28Aを管周方向で断続する複数の突起から構成してもよい。
【0102】
(7)上述の第1実施形態では、前記第2係合手段29の係止体29Aを、可動接続管A2の中径管部19の内周面に突設したが、この係止体29Aを埋設水道管Pの挿口管部3の内周面に突設してもよく、さらに、前記係止体29Aを両方の内周面に突設してもよい。これに対応して内面バンド31の外周面側に形成される係止溝29Bの形成位置、数を変更する。
また、前記係止体29Aを管周方向で断続する複数の突起から構成してもよい。
【0103】
(8)人による管内作業が可能な口径の埋設水道管Pの途中で、且つ、弁室1内において管軸芯方向で間隔をおいて対面する両管端部と空気弁6付きの既設T字管4の両端部とがフランジ接合されている場合には、弁室1内において対面する両埋設水道管Pの端部と新設T字管Aの両端部とをフランジ接合して実施してもよい。
【符号の説明】
【0104】
A 新設T字管
A1 T字本管
A2 可動接続管
B 第1外側連結手段
C 第2外側連結手段
D 第1管内継手
E 第2管内継手
F 固定連結手段
P 埋設水道管
1 弁室
2 受口管部
3 挿口管部
4 既設T字管
6 空気弁
8 作業用開口
13 防護コンクリート
15 突出管部
16 挿口管部
28 第1係合手段
28A 係止体
28B 係止溝
29 第2係合手段
29A 係止体
29B 係止溝
31 環状シール材(内面バンド)
32 圧着手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道配管系の中でも人による管内作業が可能な大口径の埋設水道管での漏水事故対策に有効なT字管交換工法及びそれに用いられる新設T字管の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
水道配管系における大口径の埋設水道管で漏水事故が発生した場合の復旧方法としては、一般に、漏水発生箇所の地面を掘削して作業ピットを構築し、この作業ピット内において露出状態にある埋設水道管に、漏水管部を水密状態で囲繞する止水カバーを取付ける工法が採られている。
【0003】
また、漏水発生箇所の地面を直接掘削することができない場合には、漏水発生箇所から水道配管系に沿って少し離れた地面を掘削して作業ピットを構築し、この作業ピット内において露出状態にある埋設水道管の一部を人が出入り可能な幅で輪切り状に切断し、この切断箇所から管内に入り、水道管の漏水部位の内周面に当て付けたゴム製の環状シール材を拡径操作可能な圧着バンドで圧着することにより、水道管の漏水部位を管内側から止水状態で密封する(例えば、特許文献1,2参照)。
この水道管の漏水部位の補修後に、前記埋設水道管の輪切り切断箇所の切断端部同士を継ぎ輪で接続する工法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−65497号公報
【特許文献2】実開昭59−153793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、後者の工法においても、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺にガス管等の他の配管が輻輳している場合、或いは、漏水発生箇所を含めた近辺が公道や河川等の真下に位置する場合には、作業ピットの構築に高度の掘削技術と長い工期が必要で、断水による影響が大きくなるとともに、工事自体も大掛かりになる不都合がある。
【0006】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、水道配管系の所定箇所に設けられている弁室を利用して、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺を掘削することができない条件下でも漏水事故の復旧作業を工期面、工費面で有利に行うことのできる水道配管系のT字管交換工法及び新設T字管の接続構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による第1の特徴構成は、人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中に連結されている空気弁付きの既設T字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替える水道配管系のT字管交換工法であって、
前記既設T字管の周囲に構築されている弁室の上部に、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入が可能な作業用開口を形成する開口形成工程、
前記弁室内において一方の埋設水道管の端部と他方の埋設水道管の端部とに接続されている既設T字管を撤去する既設T字管撤去工程、
前記作業用開口を通して搬入された前記新設T字管を両埋設水道管の端面間に配置する配置工程、
前記新設T字管の一端部と一方の埋設水道管の端部とを接続するとともに、前記新設T字管の他端部と他方の埋設水道管の端部とを接続する接続工程、
前記新設T字管の一端部と一方の埋設水道管の端部とを水密状態で連結する第1水密連結工程、
前記新設T字管の他端部と他方の埋設水道管の端部とを水密状態で連結する第2水密連結工程、
が備えられている点にある。
【0008】
上記構成によれば、水道配管系における大口径の埋設管路で漏水事故が発生したときの復旧作業時において、例えば、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺にガス管等の他の配管が輻輳していたり、或いは、漏水発生箇所を含めた近辺が公道や河川等の真下に位置している場合であっても、空気弁付きのT字管を設置するために水道配管系に設けられている弁室のうち、漏水事故の発生箇所に最も近い弁室において、当該弁室の上部に作業用開口を形成する。
【0009】
通常、弁室の上部には人孔(マンホール)が設けられているが、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入には不向きであり、しかも、弁室自体も狭いため、前記作業用開口を形成することによって作業空間が大きくなり、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入を能率良く容易に行うことができる。
【0010】
前記新設T字管の両端部と両埋設水道管の端部とを接続したのち、新設T字管の両端部と両埋設水道管の端部とを水密状態で連結するのであるが、このとき、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での連結作業が十分に行なえない事態が発生した場合でも、埋設水道管の漏水発生箇所に漏水修復機材を搬入するために前記新設T字管に形成されている突出管部を通して新設T字管内に入り、内部から水密処理を施すことができるから、新設T字管の両端部と両埋設水道管の端部とを水密状態で確実に接続することができる。
【0011】
したがって、水道配管系の所定箇所に設けられている弁室を利用して、この弁室内の空気弁付きのT字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替えることにより、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺を掘削することができない条件下でも、漏水事故の復旧作業を工期面、工費面で有利に行うことができ、断水による悪影響を短期間に抑えることができる。
【0012】
特に、前記埋設水道管の途中に連結されている空気弁付きの既設T字管と、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新設T字管との取り替え工事を事前に完成していれば、例えば、新設T字管の突出管部に連結されている空気弁を撤去するだけで済み、埋設管路で発生した漏水事故を迅速に復旧させることができる。
【0013】
本発明による第2の特徴構成は、人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中に連結されている空気弁付きの既設T字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替える水道配管系のT字管交換工法であって、
前記既設T字管の周囲に構築されている弁室の上部に、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入が可能な作業用開口を形成する開口形成工程、
前記弁室内において一方の埋設水道管の受口管部と他方の埋設水道管の挿口管部とに嵌合接続されている既設T字管を切断撤去する既設T字管撤去工程、
前記両埋設水道管の端面間に前記新設T字管が挿入可能となるように、前記埋設水道管の挿口管部を切断して寸法調整する端面間寸法調整工程、
前記一方の埋設水道管の受口管部に対して管軸芯方向から内嵌接続可能な挿口管部と、他方の埋設水道管の挿口管部に対して管軸芯方向から外嵌接続可能な可動接続管を備えた前記新設T字管を、前記作業用開口から搬入して両埋設水道管の端面間に配置する配置工程、
前記新設T字管の挿口管部を埋設水道管の受口管部に内嵌接続するとともに、前記可動接続管を伸長操作して埋設水道管の挿口管部に外嵌接続する接続工程、
前記新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを水密状態で連結する第1水密連結工程、
前記新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを水密状態で連結する第2水密連結工程、
が備えられている点にある。
【0014】
上記構成によれば、水道配管系における大口径の埋設管路で漏水事故が発生したときの復旧作業において、例えば、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺にガス管等の他の配管が輻輳していたり、或いは、漏水発生箇所を含めた近辺が公道や河川等の真下に位置している場合であっても、空気弁付きのT字管を設置するために水道配管系に設けられている弁室のうち、漏水事故の発生箇所に最も近い弁室において、当該弁室の上部に作業用開口を形成する。
【0015】
通常、弁室の上部には人孔(マンホール)が設けられているが、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入には不向きであり、しかも、弁室自体も狭いため、前記作業用開口を形成することによって作業空間が大きくなり、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入を能率良く容易に行うことができる。
【0016】
前記既設T字管は、一方の埋設水道管の受口管部と他方の埋設水道管の挿口管部とに嵌合接続されているが、この既設T字管を切断分離することにより、管軸芯方向両側での嵌合接続状態を解除して簡単に撤去することができる。
【0017】
前記新設T字管には人が出入り可能な口径の突出管部が設けられているため、当該新設T字管の全長は既設T字管よりも長くなり、前記両埋設水道管の端面間に新設T字管を挿入するための寸法調整が必要となるが、このとき、形状の簡素な他方の埋設水道管における直管状の挿口管部を切断するため、切断後の仕上げ加工も容易に行うことができる。
【0018】
前記新設T字管の挿口管部を一方の埋設水道管の受口管部に対して管軸芯方向から内嵌接続するとともに、前記新設T字管の可動接続管を伸長操作して埋設水道管の挿口管部に外嵌接続したのち、新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部、及び、前記新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とをそれぞれ水密状態で連結するのであるが、このとき、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での連結作業が十分に行なえない事態が発生した場合でも、埋設水道管の漏水発生箇所に漏水修復機材を搬入するために前記新設T字管に形成されている突出管部を通して新設T字管内に入り、内部から水密処理を施すことができるから、新設T字管の両端部と両埋設水道管の端部とを水密状態で確実に接続することができる。
【0019】
したがって、水道配管系の所定箇所に設けられている弁室を利用して、この弁室内の空気弁付きの既設T字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替えることにより、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺を掘削することができない条件下でも、漏水事故の復旧作業を工期面、工費面で有利に行うことができ、断水による悪影響を短期間に抑えることができる。
【0020】
本発明による第3の特徴構成は、上述の第1又は第2の特徴構成を備えた水道配管系のT字管交換工法において、前記第1水密連結工程及び第2水密連結工程の終了後に、前記新設T字管の少なくとも下半側部位を防護コンクリートで埋設するコンクリート打設工程が設けられている点にある。
【0021】
上記構成によれば、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での新設T字管と両埋設水道管との連結作業が十分に行なえない場合でも、打設された防護コンクリートで新設T字管の少なくとも下半側部位を埋設固定することにより、新設T字管と両埋設水道管との連結を頑丈に構成することができる。
【0022】
本発明による第4の特徴構成は、上述の第1〜第3の特徴構成のいずれか1つを備えた水道配管系のT字管交換工法において、前記第1水密連結工程が、前記新設T字管と一方の埋設水道管とを外周面側において水密状態で連結する第1外側連結手段と、前記突出管部の開口を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管と一方の埋設水道管とを内周面側において水密状態で連結する第1管内継手とを用いる水密連結工程である点にある。
【0023】
上記構成によれば、前記第1外側連結手段と第1管内継手とにより、新設T字管と一方の埋設水道管とを管外周面側と管内周面側の両方から水密状態で連結することができるので、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での第1外側連結手段による連結作業が十分に行なえない事態が発生しても、第1管内継手によって新設T字管と一方の埋設水道管とを内周面側において確実に水密状態で連結することができる。
【0024】
本発明による第5の特徴構成は、上述の第1〜第4の特徴構成のいずれか1つを備えた水道配管系のT字管交換工法において、前記第2水密連結工程が、前記新設T字管と他方の埋設水道管とを外周面側において水密状態で連結する第2外側連結手段と、前記突出管部の開口を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管と他方の埋設水道管とを内周面側において水密状態で連結する第2管内継手とを用いる水密連結工程である点にある。
【0025】
上記構成によれば、前記第2外側連結手段と第2管内継手とにより、新設T字管と他方の埋設水道管とを管外周面側と管内周面側の両方から水密状態で連結することができるので、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での第2外側連結手段による連結作業が十分に行なえない事態が発生しても、第2管内継手によって新設T字管と他方の埋設水道管とを内周面側において確実に水密状態で連結することができる。
【0026】
本発明による第6の特徴構成は、上述の第2の特徴構成を備えた水道配管系のT字管交換工法において、前記新設T字管が、前記突出管部と挿口管部及び当該挿口管部と同芯状態で可動接続管側に突出する固定接続管部とを一体形成してあるT字本管と、前記固定接続管部に対して伸縮移動自在に嵌合保持される前記可動接続管とから構成されているとともに、前記可動接続管を埋設水道管の挿口管部に外嵌接続した後において、前記T字本管の固定接続管部と可動接続管とを水密状態で連結する第3水密連結工程が設けられている点にある。
【0027】
上記構成によれば、前記T字本管の固定接続管部に対して可動接続管を嵌合保持させてあるので、T字本管の固定接続管部と可動接続管とを水密状態で連結するにあたって、新設T字管の可動接続管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側でのT字本管の固定接続管部と可動接続管との連結作業が十分に行なえない事態が発生しても、T字本管の固定接続管部と可動接続管との嵌合部分とを内周面側から確実に水密状態で連結することができる。
【0028】
本発明による第7の特徴構成は、新設T字管の接続構造であって、人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中で、且つ、弁室内において間隔をおいて管軸芯方向で対面する受口管部と挿口管部とのうち、一方の埋設水道管の受口管部に、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新設T字管の管軸芯方向一端側の挿口管部を嵌合接続し、前記新設T字管の管軸芯方向他端側に設けた伸縮移動可能な可動接続管を、他方の埋設水道管の挿口管部に外嵌接続するとともに、前記新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを外周面側において連結する第1外側連結手段と、前記突出管部を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを内周面側において水密状態で連結する第1管内継手と、前記新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを外周面側において連結する第2外側連結手段と、前記突出管部を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを内周面側において水密状態で連結する第2管内継手とを設けてある点にある。
【0029】
上記構成によれば、前記弁室内に臨む一方の埋設水道管の受口管部に、新設T字管の管軸芯方向一端側の挿口管部を嵌合接続するとともに、前記新設T字管の管軸芯方向他端側に設けた可動接続管を、伸長側に移動操作して弁室内に臨む他方の埋設水道管の挿口管部に外嵌接続することにより、水道配管系に設けられている弁室を利用して設置された新設T字管の突出管部の開口を通して、作業員が埋設水道管内の漏水事故発生箇所にスムーズに移動することができ、搬入した漏水修復機材で埋設水道管内の漏水事故発生箇所を確実に修復することができる。
【0030】
それ故に、水道配管系における大口径の埋設管路で漏水事故が発生したときの復旧作業時において、例えば、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺にガス管等の他の配管が輻輳していたり、或いは、漏水発生箇所を含めた近辺が公道や河川等の真下に位置している場合であっても、水道配管系に設けられている弁室のうち、漏水事故の発生箇所に最も近い弁室に設置された新設T字管の突出管部を利用して迅速に復旧作業を開始することができる。
【0031】
しかも、前記第1外側連結手段と第1管内継手とにより、新設T字管の挿口管部と一方の埋設水道管の受口管部とを、管外周面側と管内周面側の両方から水密状態で連結することができ、また、前記第2外側連結手段と第2管内継手とにより、新設T字管の可動接続管と他方の埋設水道管の挿口管部とを管外周面側と管内周面側の両方から水密状態で連結することができるので、新設T字管の下側部と弁室の底面との下部空間が狭く、この下部空間に臨む側での第1外側連結手段及び第2外側連結手段による連結作業が十分に行なえない場合でも、第1管内継手及び第2管内継手によって新設T字管と両埋設水道管とを内周面側において確実に水密状態で連結することができる。
【0032】
したがって、水道配管系の所定箇所に設けられている弁室を利用して、この弁室内に臨む埋設水道管の受口管部及び挿口管部を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管で接続することにより、埋設水道管の漏水発生箇所を含めた近辺を掘削できない条件下でも、漏水事故の復旧作業を工期面、工費面で有利に行うことができ、断水による悪影響を短期間に抑えることができる。
【0033】
本発明による第8の特徴構成は、上述の第7の特徴構成を備えた新設T字管の接続構造において、前記新設T字管の挿口管部及び埋設水道管の受口管部の両内周面と前記第1管内継手との相対向する部位には、第1管内継手の管軸芯方向での移動を係合阻止する第1係合手段が設けられているとともに、前記新設T字管の可動接続管及び埋設水道管の挿口管部の両内周面と前記第2管内継手との相対向する部位には、第2管内継手の管軸芯方向での移動を係合阻止する第2係合手段が設けられている点にある。
【0034】
上記構成によれば、前記第1係合手段及び第2係合手段により、新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部との内周面側の所定位置に装着された第1管内継手、及び、新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部との内周面側の所定位置に装着された第2管内継手が水圧で管軸芯方向に位置ずれすることを防止することができる。
【0035】
本発明による第9の特徴構成は、上述の第8の特徴構成を備えた新設T字管の接続構造において、前記第1管内継手及び第2管内継手の各々が、隣接する両内周面にわたって装着される水密用の環状シール材と、当該環状シール材を前記両内周面に押付け固定する圧着手段とから構成されているとともに、前記第1係合手段及び第2係合手段の各々が、少なくとも一方の内周面に突設した係止体と、該係止体に管径方向から係合する状態で前記環状シール材の外周面側に形成された環状の係止溝とから構成されている点にある。
【0036】
上記構成によれば、前記第1管内継手及び第2管内継手を水圧に抗して所定装着位置に確実に保持することができるばかりでなく、このための係止体と係止溝とを、環状シール材を装着するときの位置決め部材に兼用構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態を示す施工前の弁室構造の断面図
【図2】既設T字管の接続構造の拡大断面図
【図3】作業用開口形成時の断面図
【図4】既設T字管の切断分離時の断面図
【図5】端面間寸法調整時の断面図
【図6】新設T字管の搬入配置時の断面図
【図7】新設T字管の半断側面図
【図8】新設T字管の正面図
【図9】第1外側連結手段による連結時の拡大断面図
【図10】第2外側連結手段による連結時の拡大断面図
【図11】固定連結手段による固定連結時の拡大断面図
【図12】第1管内継手及び第2管内継手による連結時の拡大断面図
【図13】第1外側連結手段及び第1管内継手の拡大断面図
【図14】第2外側連結手段及び第2管内継手の拡大断面図
【図15】圧着手段による拡径操作時の正面図
【図16】圧着手段による拡径操作時の斜視図
【図17】圧着手段による固定連結時の斜視図
【図18】新設T字管の連結完了時の断面図
【図19】防護コンクリートの打設時の断面図
【図20】第2実施形態の第1外側連結手段及び第1管内継手の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0038】
〔第1実施形態〕
図1は、水道配管系のうち、幹線道路の直下等の水道配管経路に沿って人による管内作業が可能な大口径(一般的には900mm以上)の埋設水道管Pが布設されている基幹管路の途中に構築された弁室1を示し、この弁室1内には、上流側の埋設水道管Pの受口管部2と下流側の埋設水道管Pの挿口管部3とに嵌合接続された既設T字管4と、当該既設T字管4の分岐管部4Aにフランジ接合された仕切弁5、及び、仕切弁5にフランジ接合された空気弁6が収納されている。
【0039】
前記弁室1は、鉄筋コンクリート製の底壁1A、側壁1B、天井壁1Cでボックス状に構成されているとともに、前記天井壁1Cには、地上に開口する人孔7を形成する鉄筋コンクリート製の円筒壁1Dが形成され、前記円筒壁1Dの上側開口部には鉄蓋1Eが設けられている。
【0040】
前記既設T字管4の管軸芯方向の一端側となる上流側の挿口管部4Bは、図2に示すように、上流側の埋設水道管Pの受口管部2に対して管軸芯方向から内嵌接続され、この挿口管部4Bの外周面と受口管部2の内周面との間には、これらの対向面間を水密状態で密封するためのゴム製のシール材12が装着されているとともに、前記既設T字管4の挿口管部4Bには、前記シール材12を管軸芯方向から圧縮可能な円環状の押輪13が外装され、この押輪13と受口管部2の連結フランジ2Aとの間に装着されるボルト9・ナット10の締め付け操作により、前記シール材12を水密状態に圧縮したときの摩擦力で埋設水道管Pの受口管部2と既設T字管4の挿口管部4Bとを固定連結するように構成されている。
【0041】
また、前記既設T字管4の管軸芯方向の他端側となる下流側の受口管部4Dには、図2に示すように、下流側の埋設水道管Pの挿口管部3が管軸芯方向から内嵌接続され、この埋設水道管Pの挿口管部3の外周面と既設T字管4の受口管部4Dの内周面との間には、これらの対向面間を水密状態で密封するためのゴム製のシール材12が装着されているとともに、前記埋設水道管Pの挿口管部3には、前記シール材12を管軸芯方向から圧縮可能な円環状の押輪13が外装され、この押輪13と受口管部4Dの連結フランジ4Eとの間に装着されるボルト9・ナット10の締め付け操作により、前記シール材12を水密状態に圧縮したときの摩擦力で前記既設T字管4の受口管部4Dと埋設水道管Pの挿口管部3とを固定連結するように構成されている。
【0042】
次に、前記空気弁6付きの既設T字管4を、人が出入り可能な口径(当該実施形態では600mm)の突出管部(分岐管部)15を備えた新たな鋼板製のT字管Aに取り替えたときにおける新設T字管Aの接続構造を、図6〜図18に基づいて説明する。
【0043】
前記新設T字管Aは、図7、図8、図18に示すように、人孔を形成可能な口径で上方に突出する前記突出管部15と前記上流側の埋設水道管Pの受口管部2に対して管軸芯方向から内嵌接続される挿口管部16と、当該挿口管部16と同芯状態で下流側に突出する固定接続管部17とを一体形成してあるT字本管A1と、下流側の埋設水道管Pの挿口管部3に対して管軸芯方向から外嵌接続可能で、且つ、前記固定接続管部17に対して管軸芯方向に伸縮移動自在に内嵌保持される可動接続管A2とから構成されている。
【0044】
前記T字本管A1の挿口管部16と固定接続管部17とは同一径に形成されているとともに、前記挿口管部16及び固定接続管部17の各内径は、モルタルライニング層11が剥離された埋設水道管Pの内径と同一又は略同一に構成されている。
【0045】
前記可動接続管A2は、前記T字本管A1の固定接続管部17の内径よりも僅かに小なる外径に構成された小径管部18と、前記固定接続管部17の内外径と同径に構成された中径管部19、及び、下流側の埋設水道管Pにおける挿口管部3の外径よりも若干大となる内径に構成された大径管部20とを一体形成して構成されているとともに、前記小径管部18と中径管部19との間には、前記固定接続管部17に対して可動接続管A2を管軸芯方向に収縮移動させたとき、固定接続管部17の端面に管軸芯方向から当接するストッパー兼用の環状壁部21が形成されている。
【0046】
前記T字本管A1の挿口管部16の外周面と受口管部2の内周面との間には、図9〜図14に示すように、これらの対向面間への押込みに連れて挿口管部16と受口管部2とを調芯する機能を備えたゴム製のOリング22が装着されているとともに、前記T字本管A1の挿口管部16には、前記Oリング22を管軸芯方向から圧縮しながら押し込む円環板状の押輪27が外装され、この押輪27と受口管部2の連結フランジ2Aとの間に装着されるボルト9・ナット10の締め付け操作により、押し込まれるOリング22で調芯しながら新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを連結するように構成され、この構成をもって、新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを挿口管部16の外周面側において連結する第1外側連結手段Bが構成されている。
【0047】
前記可動接続管A2の大径管部20の内周面には、下流側の埋設水道管Pにおける挿口管部3の外周面との間を密封するゴム製のOリング23が装着されているとともに、前記大径管部20の周方向複数箇所には、管径方向外方から挿口管部3の外周面に締付け固定する固定ボルト24が螺合され、このOリング23と複数の固定ボルト24とをもって、新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3とを当該挿口管部3の外周面側において水密状態で固定連結する第2外側連結手段Cが構成されている。
【0048】
当該実施形態においては、前記可動接続管A2の大径管部20と前記弁室1の底壁1Aとの間の下部スペースが狭くて操作空間を確保することができないため、図8に示すように、前記大径管部20の下部領域には前記固定ボルト24が設けられていない。
【0049】
前記T字本管A1の突出管部15の外周面の上側開口部には連結フランジ15Aが一体形成されているとともに、前記固定接続管部17の周方向複数箇所には、図7に示すように、可動接続管A2の小径管部18の外周面に径方向外方から当接してT字本管A1と可動接続管A2とを同芯状態に調整する調芯用ボルト25が螺合装着され、さらに、前記T字本管A1の固定接続管部17と可動接続管A2の小径管部18との間には、可動接続管A2を管軸芯方向に沿って伸長作動させるネジ式の伸縮操作機構26が設けられている。
【0050】
前記伸縮操作機構26は、図7に示すように、前記T字本管A1の固定接続管部17の周方向複数箇所と可動接続管A2の中径管部19の周方向複数箇所にそれぞれボルト挿通孔を備えた取付け片26A,26Bを固着するとともに、管軸芯方向で相対向する取付け片26A,26Bにわたって、可動接続管A2の伸長作動ストロークよりも長い押出しストロークを有する押出しボルト26Cと四つのナット26Dを装着して構成されている。
【0051】
前記可動接続管A2を管軸芯方向に沿って伸長作動させる場合には、前記可動接続管A2側の二つのナット26Dは取付け片26Bを挾持固定する状態に維持するとともに、前記T字本管A1側の二つのナット26Dのうち、最上流側となる外側のナット26Dを伸長作動分だけ緩み操作し、内側のナット26Dを締付け側に回転操作すると、可動接続管A2が下流側である伸長側に押し出し移動される。
【0052】
前記T字本管A1の突出管部15内を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを挿口管部16の内周面側において水密状態で連結する第1管内継手Dと、前記T字本管A1の突出管部15を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3とを中径管部19の内周面側において水密状態で連結する第2管内継手E、及び、前記第1外側連結手段B及び第2外側連結手段Cによる連結完了後に前記T字本管A1の固定接続管部17と可動接続管A2の小径管部18とを水密状態で固定連結する固定連結手段Fが設けられているとともに、前記第1管内継手Dと第2管内継手Eとが同一構造に構成されている。
【0053】
前記新設T字管Aの挿口管部16及び埋設水道管Pの受口管部2の両内周面と前記第1管内継手Dとの相対向する部位には、図13に示すように、水圧に起因する第1管内継手Dの管軸芯方向での移動を係合阻止する第1係合手段28が設けられているとともに、前記新設T字管Aの可動接続管A2及び埋設水道管Pの挿口管部3の両内周面と前記第2管内継手Eとの相対向する部位には、図14に示すように、水圧に起因する第2管内継手Eの管軸芯方向での移動を係合阻止する第2係合手段29が設けられている。
【0054】
前記第1管内継手Dは、図12〜図18に示すように、隣接する埋設水道管Pの受口管部2の内周面と新設T字管Aの挿口管部16の内周面とにわたって、水密用の環状シール材の一例で、全体が水密用の弾性シール層に構成されている円環状のゴム製の内面バンド31が装着され、この内面バンド31の管軸芯方向両端部を前記両内周面に押し付け固定する圧着手段32が設けられている。
【0055】
前記内面バンド31は、前記両内周面の内径と同一又は略同一寸法の外径で円環状に成形されており、この内面バンド31の外周面における管軸芯方向の三箇所には、前記両内周面及びそれらの境界箇所に接触する円環状シール部31aが管径方向外方に一体的に突出形成されているとともに、前記内面バンド31の管軸芯方向両端部31bの各々は、前記両内周面に対して前記円環状シール部31aと略同じシール状態で接触するべく、前記円環状シール部31aの先端を通る管軸芯方向の仮想直線と同じ位置まで管径方向外方側に屈曲形成されている。
【0056】
また、前記内面バンド31の内周面における少なくとも管軸芯方向の3箇所には環状リブ31cが一体形成され、この環状リブ31cの隣接間に形成される環状溝31dが、前記圧着手段32を構成する二つの圧着具に対する装着用環状溝に構成されている。
【0057】
前記第1係合手段28は、図13に示すように、新設T字管Aの挿口管部16の内周面に円周方向に沿って突設されたレール状の係止体28Aと、該係止体28Aに管径方向から係合する状態で内面バンド31の外周面側に形成された環状の係止溝28Bとから構成されている。
【0058】
前記第2係合手段29は、上述の第1係合手段28と同一構造であり、図14に示すように、可動接続管A2の中径管部19の内周面に円周方向に沿って突設されたレール状の係止体29Aと、該係止体29Aに管径方向から係合する状態で内面バンド31の外周面側に形成された環状の係止溝29Bとから構成されている。
【0059】
前記係止体28A及び係止体29Aは、新設T字管Aの挿口管部16の内周面及び可動接続管A2の中径管部19の内周面に予め溶接で固着されている。
【0060】
前記圧着手段32を構成する二つの圧着具の各々は、図15〜図17に示すように、前記内面バンド31の装着用環状溝31dの内径と同一又は略同一寸法の外径で円環状に湾曲形成され、かつ、その周方向の一箇所で分断された管径方向(拡径側と縮径側)に弾性変形可能な金属製の圧着帯状体33の内周面の両端部には、管径方向内方に突出する角柱状の係止突起34が設けられているとともに、前記両係止突起34に対して管径方向内方側から係脱自在な係止凹部35aを形成してある係止体35を備え、かつ、両係止体35を内面バンド31の内周面に沿って離間移動させる拡径操作機構32Aと、該拡径操作機構32Aで拡径された間隔で両係止突起34を固定連結する固定連結機構32Bとが設けられている。
【0061】
前記拡径操作機構32Aは、両側に螺合方向が逆となる右用と左用のネジ部36aが形成されている操作ネジ軸36のネジ軸芯方向中央位置に断面六角形の回転操作部36bを一体形成するとともに、前記回転操作部36bに回転自在に枢支された枢支ピン37には、前記操作ネジ軸36の両ネジ部36aに螺合されるネジ孔を形成して、前記操作ネジ軸36の回転操作部36bの回転操作によって前記両枢支ピン37をネジ軸芯方向に沿って遠近方向に移動させるように構成されている。
【0062】
前記固定連結機構32Bを構成するに、前記両係止突起34に形成された管軸芯方向に沿うネジ孔34aに対してボルト38で螺合固定される固定連結板39の片面に、内面バンド31の内周面に沿って前記圧着帯状体33の両端面間に入り込み可能な先端側ほど幅狭となる両傾斜面39aを備えた台形状の間隔保持板39Aと、該間隔保持板39Aと同一形状のガイド板39Bとが、前記圧着帯状体33の内周面の両端部に固着される外れ止め板40の厚みに相当する間隔を隔てて固着されている。
【0063】
他方、前記圧着帯状体33の両端面には、前記間隔保持板39Aの両傾斜面39aに当接可能な同一勾配の傾斜面33aが形成されているとともに、前記外れ止め板40が、圧着帯状体33の両傾斜面33aに当て付けられた間隔保持板39Aの管径方向内方への外れ移動を接当阻止するべく、前記傾斜面33aよりも間隔保持板39Aの進入経路側に張り出す状態で圧着帯状体33の内周面の両端部に固着されている。
【0064】
さらに、前記固定連結板39のボルト挿通孔39bは、前記拡径操作機構32Aの拡径操作に伴う両係止突起34のネジ孔34aの中心間隔(取付け間隔)の変動を吸収可能な長孔に構成されている。
【0065】
そして、前記拡径操作機構32Aの拡径操作で圧着帯状体33が内面バンド31の内周面に所定押圧力で押し付け固定されたとき、前記固定連結機構32Bの間隔保持板39Aの両傾斜面39aを、前記圧着帯状体33の両端面に形成された傾斜面33aに当て付け、この状態で固定連結板39の両ボルト挿通孔39bに挿通されたボルト38を圧着帯状体33の両係止突起34のネジ孔34aに螺合固定する。
【0066】
尚、前記第2管内継手Eは、上述の第1管内継手Dと同一構造に構成されているため、同一の構成箇所には、第1管内継手Dと同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0067】
前記固定連結手段Fは、前記T字本管A1の固定接続管部17の端面と可動接続管A2の小径管部18の外周面とに当て付けた状態で部分溶接にて固着される二分割構造の外側リング42と、前記T字本管A1の固定接続管部17の内周面と可動接続管A2の小径管部18の端面とに当て付けた状態で全周溶接にて固着される二分割構造の内側リング43とから構成されている。
【0068】
次に、前記空気弁6付きの既設T字管4を、人が出入り可能な口径(当該実施形態では600mm、一般的には500mm以上あればよい)の突出管部15を備えた新たな鋼板製のT字管Aに断水状態で取り替える水道配管系のT字管交換工法を、図1〜図18に基づいて説明する。
【0069】
[1]図3は、前記弁室1を構成する底壁1A及び側壁1Bを残す状態で、天井壁1C及び円筒壁1Dを含めた弁室1の上側構成層を掘削等の手段で撤去し、弁室1の上部に、既設T字管4の撤去及び新設T字管Aの搬入が可能な作業用開口8を形成する工程と、前記既設T字管4の分岐管部4Aから空気弁6及び仕切弁5を撤去する工程を示す。
【0070】
[2]図4は、既設T字管4の撤去工程を示し、前記既設T字管4の上側管周壁に、分岐管部4Aの軸芯を略中心として人が出入可能な半径で円形状にエンジンカッター等で切断し、この切断形成された出入口(人孔)4Cを通して管内に入り、前記出入口4Cの直径よりも少し大きな幅で円周方向の切断線a,bに沿って切断し、既設T字管4を管軸芯方向で三つに切断分離したのち、中央側の切断分離片から順番に撤去する。
【0071】
一般の弁室1においては、当該弁室1を構成する底壁1A及び側壁1Bと既設T字管4の外周面との間が狭く、特に、既設T字管4と底壁1Aとの間の下部空間が狭く、作業空間を十分に確保することができない現場が多い。そのため、前述の如く、既設T字管4の上側管周壁に出入口4Cを形成することにより管内側に作業スペースを確保したものであり、既設T字管4の切断分離作業能率の向上を図ることができる。
【0072】
また、切断分離される中央側の切断分離片の管軸芯方向長さLは、前記既設T字管4の挿口管部4Bと上流側の埋設水道管Pの受口管部2との嵌合接続、及び、既設T字管4の受口管部4Dと下流側の埋設水道管Pの挿口管部3との嵌合接続を解除することができ、且つ、人が無理なく出入りできる寸法に設定されている。
【0073】
[3]図5は、両埋設水道管Pの端面間寸法調整工程を示し、上流側の埋設水道管Pの受口管部2の端面と下流側の埋設水道管Pの挿口管部3の端面との間隔が、前記新設T字管Aを挿入配置可能な設定端面間寸法となるように、この設定端面間寸法から実測の端面間寸法を減算した切断寸法で前記埋設水道管Pの挿口管部3を切断して寸法調整する。
【0074】
また、前記挿口管部3の切断端面の外周面側に面取り加工を施し、当該挿口管部3に対して新設T字管Aの可動接続管A2を外嵌させる際、この可動接続管A2の大径管部20の内周面に装着されているOリング23の損傷を回避する。
【0075】
さらに、上流側の埋設水道管P及び下流側の埋設水道管Pの各内周面に施されているモルタルライニング層11を、第1管内継手D及び第2管内継手Eの各内面バンド31が装着される領域よりも若干広い装着作業領域を剥離し、この剥離された両埋設水道管Pの装着作業領域の金属表面を平滑に仕上げ、下地形成用のパテを塗布したのち、下地塗装として合成樹脂塗料を塗布する。
【0076】
[4]図6は、前記新設T字管Aを作業用開口8から搬入して上流側の埋設水道管Pの受口管部2の端面と下流側の埋設水道管Pの挿口管部3の端面との間に配置する配置工程を示す。
搬入される新設T字管Aの事前作業として、前記可動接続管A2を最大限に収縮した状態で伸縮操作機構26にて固定保持するとともに、前記T字本管A1の挿口管部16には
円環板状の押輪27を外装しておく。
【0077】
[5]図9、図10は、前記T字本管A1の挿口管部16を上流側の埋設水道管Pの受口管部2に内嵌接続するとともに、前記可動接続管A2を伸長操作して下流側の埋設水道管Pの挿口管部3に外嵌接続する接続工程を示す。
【0078】
先ず、図9に示すように、上流側の埋設水道管Pの受口管部2の端面と下流側の埋設水道管Pの挿口管部3の端面との間に配置された新設T字管Aを上流側に移動させ、上流側の埋設水道管Pの受口管部2に対してT字本管A1の挿口管部16を管軸芯方向から内嵌させ、押輪27と受口管部2の連結フランジ2Aとをボルト9・ナット10で締め付け操作し、押し込まれるOリング22で調芯しながら新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを連結する。
【0079】
この新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2との連結は、前記新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを水密状態で連結する第1水密連結工程の一部を構成する。つまり、前記新設T字管Aと上流側の埋設水道管Pとを挿口管部16の外周面側において連結する第1外側連結手段Bを用いた第1水密連結工程の前半を構成している。
【0080】
次に、図10に示すように、前記T字本管A1の固定接続管部17と可動接続管A2の中径管部19との間に設けたネジ式の伸縮操作機構26を伸長操作し、前記可動接続管A2の大径管部20を、下流側の埋設水道管Pにおける挿口管部3に管軸芯方向から外嵌させたのち、可動接続管A2の大径管部20の周方向複数箇所に螺合されている固定ボルト24を締め付け操作し、新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3とを水密状態で固定連結する。
【0081】
この新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3との連結は、前記新設T字管Aの可動接続管A2と下流側の埋設水道管Pの挿口管部3とを水密状態で連結する第2水密連結工程の一部を構成する。つまり、前記新設T字管Aと下流側の埋設水道管Pとを挿口管部3の外周面側において水密状態で連結する第2外側連結手段Cを用いた第2水密連結工程の前半を構成している。
【0082】
[6]図11は、前記可動接続管A2を埋設水道管Pの挿口管部3に外嵌接続した後において、前記T字本管Aの接続管部17と可動接続管A2の小径管部18とを水密状態で連結する第3水密連結工程を示す。
【0083】
先ず、管外側において、前記T字本管A1の固定接続管部17の端面と可動接続管A2の小径管部18の外周面とに二分割構造の外側リング42を当て付けた状態で部分溶接にて固着したのち、管内側において、前記T字本管A1の固定接続管部17の内周面と可動接続管A2の小径管部18の端面とに二分割構造の内側リング43を当て付けた状態で全周溶接にて固着する。
【0084】
[7]図12〜図14は、前記突出管部15の開口を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aと上流側の埋設水道管Pとを挿口管部16の内周面側において水密状態で連結する第1管内継手Dを用いた第1水密連結工程の後半と、前記突出管部15の開口を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aと下流側の埋設水道管Pとを挿口管部3の内周面側において水密状態で連結する第2管内継手Eを用いた第2水密連結工程の後半とを示す。
【0085】
まず、第1水密連結工程の後半においては、図12、図13に示すように、隣接する埋設水道管Pの受口管部2の内周面と新設T字管Aの挿口管部16の内周面とにわたって、円環状のゴム製の内面バンド31を、それの外周面側に形成された環状の係止溝28Bが新設T字管Aの挿口管部16の内周面に円周方向に沿って突設されたレール状の係止体28Aに係合する状態で装着し、この内面バンド31の内周面側の両装着用環状溝31dに、圧着手段32を構成する二つの圧着具の圧着帯状体33を装着する。
【0086】
次に、図15、図16に示すように、前記圧着帯状体33の内周面の両端部に設けた係止突起34に、圧着具の拡径操作機構32Aにおける両係止体35の係止凹部35aを係合し、前記拡径操作機構32Aの回転操作部36bを拡径側に回転操作すると、両係止体35が内面バンド31の内周面に沿って離間移動することに伴う圧着帯状体33の拡径変形により、内面バンド31の管軸芯方向両側部を埋設水道管Pの受口管部2の内周面と新設T字管Aの挿口管部16の内周面に水密状態で押し付け固定する。
【0087】
次に、図17、図18に示すように、前記拡径操作機構32Aの拡径操作で圧着帯状体33が内面バンド31の内周面に所定押圧力で押し付け固定されたとき、前記固定連結機構32Bの間隔保持板39Aの両傾斜面39aを、前記圧着帯状体33の両端面に形成された傾斜面33aに当て付け、この状態で固定連結板39の両ボルト挿通孔39bに挿通されたボルト38を圧着帯状体33の両係止突起34のネジ孔34aに螺合固定する。
【0088】
第2水密連結工程の後半においては、図12、図14に示すように、隣接する可動接続管A2の中径管部19の内周面と埋設水道管Pの挿口管部3の内周面とにわたって、円環状のゴム製の内面バンド31を、それの外周面側に形成された環状の係止溝29Bが新設T字管Aの中径管部19の内周面に円周方向に沿って突設されたレール状の係止体29Aに係合する状態で装着し、この内面バンド31の内周面側の両装着用環状溝31dに、圧着手段32を構成する二つの圧着具の圧着帯状体33を装着する。
【0089】
次に、図15、図16に示すように、前記圧着帯状体33の内周面の両端部に設けた係止突起34に、圧着具の拡径操作機構32Aにおける両係止体35の係止凹部35aを係合し、前記拡径操作機構32Aの回転操作部36bを拡径側に回転操作すると、両係止体35が内面バンド31の内周面に沿って離間移動することに伴う圧着帯状体33の拡径変形により、内面バンド31の管軸芯方向両側部を可動接続管A2の中径管部19の内周面と埋設水道管Pの挿口管部3の内周面に水密状態で押し付け固定する。
【0090】
次に、図17、図18に示すように、前記拡径操作機構32Aの拡径操作で圧着帯状体33が内面バンド31の内周面に所定押圧力で押し付け固定されたとき、前記固定連結機構32Bの間隔保持板39Aの両傾斜面39aを、前記圧着帯状体33の両端面に形成された傾斜面33aに当て付け、この状態で固定連結板39の両ボルト挿通孔39bに挿通されたボルト38を圧着帯状体33の両係止突起34のネジ孔34aに螺合固定する。
【0091】
第1水密連結工程の後半及び第2水密連結工程の後半が終了すると、内面バンド31とモルタルライニング層11との間において露出している埋設水道管Pの装着作業領域の金属表面にエポキシ樹脂塗料を塗布する。
【0092】
[8]図19は、前記第1水密連結工程及び第2水密連結工程の終了後において、前記新設T字管Aの少なくとも下半側部位を防護コンクリート13で埋設するコンクリート打設工程を示す。
当該実施形態では、前記新設T字管Aの突出管部15の上下中間位置にまで防護コンクリート13が打設されている。
【0093】
この防護コンクリート13の打設で工事は完了し、爾後の作業に備えることになるが、一般的には、前記新設T字管Aの突出管部15にフランジ蓋又は仕切弁を介して空気弁を取付ける。
【0094】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記新設T字管Aと前記弁室1の底壁1Aとの間の下部スペースが狭くて操作空間を確保することができないため、前記新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを挿口管部16の外周面側において連結する第1外側連結手段Bと、前記新設T字管Aの突出管部15を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの挿口管部16と埋設水道管Pの受口管部2とを挿口管部16の内周面側において水密状態で連結する第1管内継手Dと、前記新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3とを当該挿口管部3の外周面側において連結する第2外側連結手段Cと、前記新設T字管Aの突出管部15を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの可動接続管A2と埋設水道管Pの挿口管部3とを内周面側において水密状態で連結する第2管内継手Eとを設けたが、前記新設T字管Aと前記弁室1の底壁1Aとの間の下部スペースが広くて操作空間を確保することができる場合には、前記第1外側連結手段Bと第2外側連結手段Cとで水密状態に固定連結してもよい。
【0095】
この場合、前記第1外側連結手段Bにおいては、図20に示すように、前記押輪27として、前記T字本管A1の挿口管部16の外周面と受口管部2の内周面との間に装着されるシール材22を管軸芯方向から押圧圧縮可能な押圧部27aを形成してある押輪27Aを用いる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0096】
〔その他の実施形態〕
(1)前記第1外側連結手段Bとしては、前記新設T字管Aの挿口管部16と一方の埋設水道管Pの受口管部2とを挿口管部16の外周面側において水密状態又は非水密状態で連結することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0097】
(2)前記第1管内継手Dとしては、前記突出管部15を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの挿口管部16と一方の埋設水道管Pの受口管部2とを内周面側において水密状態で連結することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0098】
(3)前記第2外側連結手段Cとしては、新設T字管Aの可動接続管A2と他方の埋設水道管Pの挿口管部3とを当該挿口管部3の外周面側において水密状態又は非水密状態で連結することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0099】
(4)前記第2管内継手Eとしては、突出管部15を通して新設T字管A内に搬入可能で、且つ、新設T字管Aの可動接続管A2と他方の埋設水道管Pの挿口管部3とを当該挿口管部3の内周面側において水密状態で連結することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0100】
(5)前記固定連結手段Fとしては、可動接続管A2を埋設水道管Pの挿口管部3に外嵌接続した後において、前記T字本管A1の固定接続管部17と可動接続管A2とを水密状態で連結することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0101】
(6)上述の第1実施形態では、前記第1係合手段28の係止体28Aを新設T字管Aの挿口管部16の内周面に突設したが、この係止体28Aを埋設水道管Pの受口管部2の内周面に突設してもよく、さらに、前記係止体28Aを両方の内周面に突設してもよい。これに対応して内面バンド31の外周面側に形成される係止溝28Bの形成位置、数を変更する。
また、前記係止体28Aを管周方向で断続する複数の突起から構成してもよい。
【0102】
(7)上述の第1実施形態では、前記第2係合手段29の係止体29Aを、可動接続管A2の中径管部19の内周面に突設したが、この係止体29Aを埋設水道管Pの挿口管部3の内周面に突設してもよく、さらに、前記係止体29Aを両方の内周面に突設してもよい。これに対応して内面バンド31の外周面側に形成される係止溝29Bの形成位置、数を変更する。
また、前記係止体29Aを管周方向で断続する複数の突起から構成してもよい。
【0103】
(8)人による管内作業が可能な口径の埋設水道管Pの途中で、且つ、弁室1内において管軸芯方向で間隔をおいて対面する両管端部と空気弁6付きの既設T字管4の両端部とがフランジ接合されている場合には、弁室1内において対面する両埋設水道管Pの端部と新設T字管Aの両端部とをフランジ接合して実施してもよい。
【符号の説明】
【0104】
A 新設T字管
A1 T字本管
A2 可動接続管
B 第1外側連結手段
C 第2外側連結手段
D 第1管内継手
E 第2管内継手
F 固定連結手段
P 埋設水道管
1 弁室
2 受口管部
3 挿口管部
4 既設T字管
6 空気弁
8 作業用開口
13 防護コンクリート
15 突出管部
16 挿口管部
28 第1係合手段
28A 係止体
28B 係止溝
29 第2係合手段
29A 係止体
29B 係止溝
31 環状シール材(内面バンド)
32 圧着手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中に連結されている空気弁付きの既設T字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替える水道配管系のT字管交換工法であって、
前記既設T字管の周囲に構築されている弁室の上部に、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入が可能な作業用開口を形成する開口形成工程、
前記弁室内において一方の埋設水道管の端部と他方の埋設水道管の端部とに接続されている既設T字管を撤去する既設T字管撤去工程、
前記作業用開口を通して搬入された前記新設T字管を両埋設水道管の端面間に配置する配置工程、
前記新設T字管の一端部と一方の埋設水道管の端部とを接続するとともに、前記新設T字管の他端部と他方の埋設水道管の端部とを接続する接続工程、
前記新設T字管の一端部と一方の埋設水道管の端部とを水密状態で連結する第1水密連結工程、
前記新設T字管の他端部と他方の埋設水道管の端部とを水密状態で連結する第2水密連結工程、
が備えられている水道配管系のT字管交換工法。
【請求項2】
人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中に連結されている空気弁付きの既設T字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替える水道配管系のT字管交換工法であって、
前記既設T字管の周囲に構築されている弁室の上部に、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入が可能な作業用開口を形成する開口形成工程、
前記弁室内において一方の埋設水道管の受口管部と他方の埋設水道管の挿口管部とに嵌合接続されている既設T字管を切断撤去する既設T字管撤去工程、
前記両埋設水道管の端面間に前記新設T字管が挿入可能となるように、前記埋設水道管の挿口管部を切断して寸法調整する端面間寸法調整工程、
前記一方の埋設水道管の受口管部に対して管軸芯方向から内嵌接続可能な挿口管部と、他方の埋設水道管の挿口管部に対して管軸芯方向から外嵌接続可能な可動接続管を備えた前記新設T字管を、前記作業用開口から搬入して両埋設水道管の端面間に配置する配置工程、
前記新設T字管の挿口管部を埋設水道管の受口管部に内嵌接続するとともに、前記可動接続管を伸長操作して埋設水道管の挿口管部に外嵌接続する接続工程、
前記新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを水密状態で連結する第1水密連結工程、
前記新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを水密状態で連結する第2水密連結工程、
が備えられている水道配管系のT字管交換工法。
【請求項3】
前記第1水密連結工程及び第2水密連結工程の終了後において、前記新設T字管の少なくとも下半側部位を防護コンクリートで埋設するコンクリート打設工程が設けられている請求項1又は請求項2記載の水道配管系のT字管交換工法。
【請求項4】
前記第1水密連結工程が、前記新設T字管と一方の埋設水道管とを外周面側において連結する第1外側連結手段と、前記突出管部の開口を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管と一方の埋設水道管とを内周面側において水密状態で連結する第1管内継手とを用いる水密連結工程である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水道配管系のT字管交換工法。
【請求項5】
前記第2水密連結工程が、前記新設T字管と他方の埋設水道管とを外周面側において水密状態で連結する第2外側連結手段と、前記突出管部の開口を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管と他方の埋設水道管とを内周面側において水密状態で連結する第2管内継手とを用いる水密連結工程である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水道配管系のT字管交換工法。
【請求項6】
前記新設T字管が、前記突出管部と挿口管部及び当該挿口管部と同芯状態で可動接続管側に突出する固定接続管部とを一体形成してあるT字本管と、前記固定接続管部に対して伸縮移動自在に嵌合保持される前記可動接続管とから構成されているとともに、前記可動接続管を埋設水道管の挿口管部に外嵌接続した後において、前記T字本管の固定接続管部と可動接続管とを水密状態で連結する第3水密連結工程が設けられている請求項2記載の水道配管系のT字管交換工法。
【請求項7】
人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中で、且つ、弁室内において管軸芯方向で間隔をおいて対面する受口管部と挿口管部とのうち、一方の埋設水道管の受口管部に、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新設T字管の管軸芯方向一端側の挿口管部を嵌合接続し、前記新設T字管の管軸芯方向他端側に設けた伸縮移動可能な可動接続管を、他方の埋設水道管の挿口管部に外嵌接続するとともに、前記新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを外周面側において連結する第1外側連結手段と、前記突出管部を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを内周面側において水密状態で連結する第1管内継手と、前記新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを外周面側において連結する第2外側連結手段と、前記突出管部を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを内周面側において水密状態で連結する第2管内継手とを設けてある新設T字管の接続構造。
【請求項8】
前記新設T字管の挿口管部及び埋設水道管の受口管部の両内周面と前記第1管内継手との相対向する部位には、第1管内継手の管軸芯方向での移動を係合阻止する第1係合手段が設けられているとともに、前記新設T字管の可動接続管及び埋設水道管の挿口管部の両内周面と前記第2管内継手との相対向する部位には、第2管内継手の管軸芯方向での移動を係合阻止する第2係合手段が設けられている請求項7記載の新設T字管の接続構造。
【請求項9】
前記第1管内継手及び第2管内継手の各々が、隣接する両内周面にわたって装着される水密用の環状シール材と、当該環状シール材を前記両内周面に押付け固定する圧着手段とから構成されているとともに、前記第1係合手段及び第2係合手段の各々が、少なくとも一方の内周面に突設した係止体と、該係止体に管径方向から係合する状態で前記環状シール材の外周面側に形成された環状の係止溝とから構成されている請求項8記載の新設T字管の接続構造。
【請求項1】
人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中に連結されている空気弁付きの既設T字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替える水道配管系のT字管交換工法であって、
前記既設T字管の周囲に構築されている弁室の上部に、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入が可能な作業用開口を形成する開口形成工程、
前記弁室内において一方の埋設水道管の端部と他方の埋設水道管の端部とに接続されている既設T字管を撤去する既設T字管撤去工程、
前記作業用開口を通して搬入された前記新設T字管を両埋設水道管の端面間に配置する配置工程、
前記新設T字管の一端部と一方の埋設水道管の端部とを接続するとともに、前記新設T字管の他端部と他方の埋設水道管の端部とを接続する接続工程、
前記新設T字管の一端部と一方の埋設水道管の端部とを水密状態で連結する第1水密連結工程、
前記新設T字管の他端部と他方の埋設水道管の端部とを水密状態で連結する第2水密連結工程、
が備えられている水道配管系のT字管交換工法。
【請求項2】
人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中に連結されている空気弁付きの既設T字管を、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新たなT字管に取り替える水道配管系のT字管交換工法であって、
前記既設T字管の周囲に構築されている弁室の上部に、既設T字管の撤去及び新設T字管の搬入が可能な作業用開口を形成する開口形成工程、
前記弁室内において一方の埋設水道管の受口管部と他方の埋設水道管の挿口管部とに嵌合接続されている既設T字管を切断撤去する既設T字管撤去工程、
前記両埋設水道管の端面間に前記新設T字管が挿入可能となるように、前記埋設水道管の挿口管部を切断して寸法調整する端面間寸法調整工程、
前記一方の埋設水道管の受口管部に対して管軸芯方向から内嵌接続可能な挿口管部と、他方の埋設水道管の挿口管部に対して管軸芯方向から外嵌接続可能な可動接続管を備えた前記新設T字管を、前記作業用開口から搬入して両埋設水道管の端面間に配置する配置工程、
前記新設T字管の挿口管部を埋設水道管の受口管部に内嵌接続するとともに、前記可動接続管を伸長操作して埋設水道管の挿口管部に外嵌接続する接続工程、
前記新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを水密状態で連結する第1水密連結工程、
前記新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを水密状態で連結する第2水密連結工程、
が備えられている水道配管系のT字管交換工法。
【請求項3】
前記第1水密連結工程及び第2水密連結工程の終了後において、前記新設T字管の少なくとも下半側部位を防護コンクリートで埋設するコンクリート打設工程が設けられている請求項1又は請求項2記載の水道配管系のT字管交換工法。
【請求項4】
前記第1水密連結工程が、前記新設T字管と一方の埋設水道管とを外周面側において連結する第1外側連結手段と、前記突出管部の開口を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管と一方の埋設水道管とを内周面側において水密状態で連結する第1管内継手とを用いる水密連結工程である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水道配管系のT字管交換工法。
【請求項5】
前記第2水密連結工程が、前記新設T字管と他方の埋設水道管とを外周面側において水密状態で連結する第2外側連結手段と、前記突出管部の開口を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管と他方の埋設水道管とを内周面側において水密状態で連結する第2管内継手とを用いる水密連結工程である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水道配管系のT字管交換工法。
【請求項6】
前記新設T字管が、前記突出管部と挿口管部及び当該挿口管部と同芯状態で可動接続管側に突出する固定接続管部とを一体形成してあるT字本管と、前記固定接続管部に対して伸縮移動自在に嵌合保持される前記可動接続管とから構成されているとともに、前記可動接続管を埋設水道管の挿口管部に外嵌接続した後において、前記T字本管の固定接続管部と可動接続管とを水密状態で連結する第3水密連結工程が設けられている請求項2記載の水道配管系のT字管交換工法。
【請求項7】
人による管内作業が可能な口径の埋設水道管の途中で、且つ、弁室内において管軸芯方向で間隔をおいて対面する受口管部と挿口管部とのうち、一方の埋設水道管の受口管部に、人が出入り可能な口径の突出管部を備えた新設T字管の管軸芯方向一端側の挿口管部を嵌合接続し、前記新設T字管の管軸芯方向他端側に設けた伸縮移動可能な可動接続管を、他方の埋設水道管の挿口管部に外嵌接続するとともに、前記新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを外周面側において連結する第1外側連結手段と、前記突出管部を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管の挿口管部と埋設水道管の受口管部とを内周面側において水密状態で連結する第1管内継手と、前記新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを外周面側において連結する第2外側連結手段と、前記突出管部を通して新設T字管内に搬入可能で、且つ、新設T字管の可動接続管と埋設水道管の挿口管部とを内周面側において水密状態で連結する第2管内継手とを設けてある新設T字管の接続構造。
【請求項8】
前記新設T字管の挿口管部及び埋設水道管の受口管部の両内周面と前記第1管内継手との相対向する部位には、第1管内継手の管軸芯方向での移動を係合阻止する第1係合手段が設けられているとともに、前記新設T字管の可動接続管及び埋設水道管の挿口管部の両内周面と前記第2管内継手との相対向する部位には、第2管内継手の管軸芯方向での移動を係合阻止する第2係合手段が設けられている請求項7記載の新設T字管の接続構造。
【請求項9】
前記第1管内継手及び第2管内継手の各々が、隣接する両内周面にわたって装着される水密用の環状シール材と、当該環状シール材を前記両内周面に押付け固定する圧着手段とから構成されているとともに、前記第1係合手段及び第2係合手段の各々が、少なくとも一方の内周面に突設した係止体と、該係止体に管径方向から係合する状態で前記環状シール材の外周面側に形成された環状の係止溝とから構成されている請求項8記載の新設T字管の接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−64310(P2011−64310A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217481(P2009−217481)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(396020361)株式会社水道技術開発機構 (113)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(396020361)株式会社水道技術開発機構 (113)
【Fターム(参考)】
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