説明

氷結晶観察用試料作製方法

【課題】浸漬置換・固定に要する時間を大幅に短縮でき、且つ凍結時の氷結晶の状態を正確に観察可能な凍結材料の氷結晶観察用試料作製方法を提供する。
【解決手段】凍結材料の氷結晶を観察するための試料を作製する氷結晶観察用試料作製方法において、凍結材料1を凍結用包埋剤で包埋固定する工程2と、包埋固定した凍結材料に、該凍結材料の温度条件下で粘着性を有する粘着面を備えたフィルムを貼着する工程3と、フィルムに貼着した凍結材料を薄切する工程4と、この薄切片を凍結状態のまま、該薄切片の温度条件下で液体である有機溶剤に浸漬して薄切片の氷を溶出させ置換するとともに該薄切片を固定する工程5と、有機溶剤に浸漬した後の薄切片を染色して薄切試料7を作製する工程6とを備え、薄切試料7のうち染色されていない部分を氷結晶の存在形態として観察するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結材料の内部に形成される氷結晶を観察するための試料を作製する凍結材料の氷結晶観察用試料作製方法に係り、特に、凍結置換により氷結晶形態の痕跡を観察可能とした凍結材料の氷結晶観察用試料作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品や生体組織等の材料を凍結する際に生成される氷結晶の状態把握は、凍結温度、風速、時間等の凍結条件が適切か否かを評価する上で重要な判断項目の一つとなっている。従来、凍結試料における氷結晶の観察には、偏光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡、電子顕微鏡、近赤外顕微鏡、冷凍顕微鏡等を用いた直接観察法と、凍結置換等を用いた間接観察法とがある。しかし、直接観察法は、特殊な装置を必要としコストが高価であり、また凍結材料の全体像を把握しにくかったため、安価で凍結材料の全体像が把握可能な間接観察法が多く普及している。
【0003】
凍結置換は、例えば非特許文献1(冷凍2008年3月号第83巻第965号)に開示されるように、凍結材料を凍結状態のまま有機溶剤と置換し、同時に有機溶剤に溶けている固定剤により固定し、細胞内物質の流出を抑え構造の変化を最小限に抑えることで生鮮組織の状態のまま包埋に導き、凍結試料の氷結晶痕跡を観察するものである。
【0004】
図5に、従来における凍結置換法の氷結晶観察用試料の作製フローを示す。
まず、凍結材料51を有機溶剤に浸漬して凍結材料を浸漬置換・固定52する。このとき、有機溶剤には、例えばホルマリン・エタノール混合液が用いられ、低温下で2〜4週間静置して固定させる。その後、固定が完了した凍結材料の固定液を除去するため、冷蔵状態にて流水で水洗い53する。次いで、水洗いした凍結材料をゼラチン溶液に浸漬54する。これは、凍結材料に均一な硬度をもたせて切片を作りやすくするための包埋処理である。さらに、ゼラチン溶液に浸漬して数日放置した材料を、薄切・染色55して、凍結試料56を作製する。凍結試料56は、標本として観察用に用いられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「冷凍2008年3月号第83巻第965号」(P.143〜P.148)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した凍結置換は、凍結材料の浸漬置換・固定に長い時間がかかり、場合によっては凍結試料の作製に1ヶ月近く要することもあった。凍結試料の作製に時間がかかってしまうと凍結条件の最適化が迅速に行なえず、例えば工場等においては凍結製品の製造効率を低下させたり、不適切な凍結条件での凍結により製品の品質低下を招いてしまうおそれがあった。
また、凍結材料の浸漬置換・固定を長時間行なうことにより凍結材料の組織に脱水収縮が生じることがあり、凍結時の氷結晶の状態を正確に観察することが困難となる場合もあった。
【0007】
したがって、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、浸漬置換・固定に要する時間を大幅に短縮でき、且つ凍結時の氷結晶の状態を正確に観察可能な凍結材料の氷結晶観察用試料作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係る凍結材料の氷結晶観察用試料作製方法は、凍結材料の氷結晶を観察するための試料を作製する氷結晶観察用試料作製方法において、前記凍結材料を凍結用包埋剤で包埋固定する工程と、前記包埋固定した凍結材料に、該凍結材料の温度条件下で粘着性を有する粘着面を備えたフィルムを貼着する工程と、前記フィルムに貼着した凍結材料を薄切する工程と、この薄切片を凍結状態のまま、該薄切片の温度条件下で液体である有機溶剤に浸漬して前記薄切片の氷を溶出させ置換するとともに該薄切片を固定する工程と、前記有機溶剤に浸漬した後の前記薄切片を染色して薄切試料を作製する工程とを備え、前記薄切試料のうち染色されていない部分を前記氷結晶の存在形態として観察するようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、凍結材料をフィルムに貼着して薄切した薄切片を有機溶剤で浸漬置換・固定する構成としているため、浸漬置換・固定に要する時間を大幅に短縮でき、氷結晶観察用試料を短時間で作製可能となる。
また、従来の凍結置換法は有機溶剤への浸漬時間が長かったため組織の脱水収縮が生じることがあったが、本発明の凍結置換法によれば浸漬時間を大幅に短縮できるため、組織の脱水収縮を最小限に抑えることが可能となり、凍結時の氷結晶の状態を正確に観察することができる。
【0010】
さらに、薄切片の浸漬置換・固定には、薄切片の温度条件で液体である有機溶剤を用いているため、試料内に形成される氷結晶の痕跡をそのまま残すと同時に組織の固定も行うことが可能となる。
さらにまた、凍結材料をフィルムに貼着した状態で薄切しているため、薄切時や浸漬置換・固定時における組織の変形を防ぐことが可能となり、氷結晶形態の痕跡を良好な状態のまま維持することが可能となる。
【0011】
また、前記有機溶剤が、濃度65〜85%のエタノールを含むことが好ましい。
このように、濃度65〜85%のエタノールを含む有機溶剤を用いて浸漬置換・固定することにより、氷の溶出速度を速くし、固定化時間を短くすることができるため、氷の融解による復水や組織の変形を最小限に抑制することが可能である。これにより常温または零度以下の低温のいずれにおいても観察に十分な氷結晶形態の痕跡を残すことが可能となる。
さらに、前記有機溶剤が、−20°以下に冷却したエタノールを含むことが好ましく、これにより有機溶剤による薄切片の置換・固定作用が円滑に行なわれることとなる。
【0012】
さらにまた、前記薄切片は、3〜10μmの厚さであることが好ましい。
これは、薄切片の厚さが3μm以下の場合、氷結晶の痕跡が明瞭に残らない可能性があり、10μm以上の場合、薄切片の浸漬置換・固定に時間を要してしまうとともに、染色後の顕微鏡等の観察において鮮明な像を得られないため、上記厚さ範囲とすることで、短時間で薄切片の浸漬置換・固定が可能で、氷結晶の痕跡を精度良く観察可能となる。
【発明の効果】
【0013】
以上記載のように本発明によれば、凍結材料をフィルムに貼着して薄切した薄切片を有機溶剤で浸漬置換・固定する構成としているため、浸漬置換・固定に要する時間を大幅に短縮でき、氷結晶観察用試料を短時間で作製可能となる。
また、従来の凍結置換法は有機溶剤への浸漬時間が長かったため組織の脱水収縮が生じることがあったが、本発明の凍結置換法によれば浸漬時間を大幅に短縮できるため、組織の脱水収縮を最小限に抑えることが可能となり、凍結時の氷結晶の状態を正確に観察することができる。
【0014】
さらに、薄切片の浸漬置換・固定には、薄切片の温度条件で液体である有機溶剤を用いているため、試料内に形成される氷結晶の痕跡をそのまま残すと同時に組織の固定も行うことが可能となる。
さらにまた、凍結材料をフィルムに貼着した状態で薄切しているため、薄切時や浸漬置換・固定時における組織の変形を防ぐことが可能となり、氷結晶形態の痕跡を良好な状態のまま維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の氷結晶観察用試料の作製フロー図である。
【図2】(A)は凍結材料へのフィルム貼着工程を説明する図で、(B)は凍結材料の薄切工程を説明する図である。
【図3】本発明の方法により作製された氷結晶観察用試料の顕微鏡写真である。
【図4】有機溶剤(固定液)ごとの氷結晶面積変化率を示す表である。
【図5】従来における氷結晶観察用試料の作製フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0017】
図1は本発明の氷結晶観察用試料の作製フロー図である。
本発明の氷結晶観察用試料の作製方法は、凍結材料1を包埋固定する包埋固定工程2と、該凍結材料1にフィルムを貼着するフィルム貼着工程3と、該凍結材料1を薄切する薄切工程4と、この薄切片を浸漬置換・固定する浸漬置換・固定工程5と、浸漬置換・固定工程後の薄切片を染色して薄切試料7を作製する染色工程6とを備え、作製された薄切試料7のうち染色されていない部分を氷結晶の存在痕跡として観察するようにしたものである。
【0018】
本発明に係る氷結晶観察用試料の作製方法は、生体、食品を始めとして、凍結に関わる各種の産業分野、特に、農林水産業、食品産業、医療及び工業分野において利用することができる。好ましくは、食品産業分野に用いられ、凍結食品製造時の凍結温度、風速、時間等の凍結条件を最適化することを目的として凍結食品の氷結晶観察を行なう。
【0019】
前記包埋固定工程2は、凍結用包埋材で凍結材料1を包埋固定する工程であり、凍結用包埋材1には、例えば、CMC(carboxymethylcellulose)又はOCT(Optimal Cutting Temperature)コンパウンドが用いられる。この包埋固定により、凍結材料1に均一な硬度を持たせて後工程の薄切にて凍結材料が変形することを防止する。
フィルム貼着工程3は、包埋固定した凍結材料1に、該凍結材料1の温度条件下で粘着性を有する粘着面を備えたフィルムを貼着する。図2(A)に示すように、凍結用包埋材10で包埋固定された凍結材料1を、後述する薄切装置に固定するための支持台11に固定しておき、該支持台11と対面する側の凍結材料面にフィルム15を貼着する。
【0020】
前記薄切工程4は、フィルムに貼着した状態の凍結材料1を所定厚さに薄切する。薄切には、例えば、ミクロトーム等の薄切装置が用いられる。図2(B)に示すように、凍結材料1の支持台11を薄切装置に固定し、フィルム15に平行となるように凍結材料1に刃12を挿入し、凍結材料1を所定厚さに薄切する。このとき、薄切片の厚さは、3〜10μmであることが好ましい。これは、薄切片の厚さが3μm以下の場合、氷結晶の痕跡が明瞭に残らない可能性があり、10μm以上の場合、薄切片の浸漬置換・固定に時間を要してしまうとともに、染色後の顕微鏡等の観察において鮮明な像を得られないため、上記厚さ範囲とすることで、短時間で薄切片の浸漬置換・固定が可能で、氷結晶の痕跡を精度良く観察可能となる。
【0021】
前記浸漬置換・固定工程5は、凍結材料1が薄切された薄切片を凍結状態のまま、該薄切片の温度条件下で液体である有機溶剤に浸漬して、薄切片の氷を溶出させるとともに該薄切片を固定する。有機溶剤には、例えば、エタノール、ホルマリン、アセトン、又はこれらのうち少なくとも2以上の溶剤を混合した混合液が用いられる。この浸漬置換・固定工程では、凍結材料1中に含まれる氷を溶出させて有機溶剤と置換し、同時に有機溶剤により凍結材料1の組織を固定することにより、組織内物質の流出を抑えるとともに凍結材料1の構造変化を最小限に抑え、氷結晶を凍結時の状態に保持するようになっている。
【0022】
好ましくは、濃度65〜85%のエタノールを含む有機溶剤を用いて薄切片を浸漬置換・固定する。これにより氷の溶出速度を速くし、固定化時間を短くすることができるため、氷の融解による復水や組織の変形を最小限に抑制することができ、常温または零度以下の低温のいずれにおいても観察に十分な氷結晶形態の痕跡を残すことが可能となる。さらに、有機溶剤は−20°以下に冷却したエタノールを含むことが好ましく、これにより有機溶剤による薄切片の置換、固定作用が円滑に行なわれることとなる。
【0023】
前記染色工程6は、薄切片を染色剤により染色し、封入剤を浸透させた薄切試料7を作製する。なお、染色には、例えばHE(Hematoxylin-Eosin)染色等の周知の方法を用いることができる。
薄切試料7は、フィルムに貼着した状態のまま、プラスチックフィルムとガラス板の間に挟みこみ、正立型顕微鏡等の顕微鏡により、薄切試料7のうち染色されていない部分で示される氷結晶痕跡の大きさや形状等を観察する。
【0024】
上記した方法においては、包埋固定工程2から染色工程6までの所要時間は数十分で行なうことができる。
このように本発明では、凍結材料1をフィルムに貼着して薄切した薄切片を有機溶剤で浸漬置換・固定する構成としているため、浸漬置換・固定工程5に要する時間を大幅に短縮でき、氷結晶観察用試料(薄切試料7)を短時間で作製可能となる。
また、従来の凍結置換法は有機溶剤への浸漬時間が長かったため組織の脱水収縮が生じることがあったが、本発明の凍結置換法によれば浸漬時間を大幅に短縮できるため、組織の脱水収縮を最小限に抑えることが可能となり、凍結時の氷結晶の状態を正確に観察することができる。
【0025】
さらに、薄切片の浸漬置換・固定には、薄切片の温度条件で液体である有機溶剤を用いているため、試料内に形成される氷結晶の痕跡をそのまま残すと同時に組織の固定も行うことが可能となる。
さらにまた、凍結材料1をフィルムに貼着した状態で薄切しているため、薄切時や浸漬置換・固定時における組織の変形を防ぐことが可能となり、氷結晶形態の痕跡を良好な状態のまま維持することが可能となる。
【0026】
(実施例)
次に、本発明の具体的な実施例を以下に説明する。なお、この実施例は本発明の構成の一例であり、その数値や材料等はこれらに限定されるものではない。
本実施例では、凍結材料として、庫内温度−45℃、噴出口風速17m/sに設定した連続衝突噴流式フリーザで急速凍結させた生メバチマグロを用いた。
この凍結材料を、凍結用包埋材(CMC又はOCTコンパウンド)で包埋固定し、−20℃以下に設定したクリオスタットCM−1510(Leica Microsystems製)にセットし、トリミングした後、凍結材料1の表面にCryofilm(Leica Microsystems製)からなるフィルムを貼着した。
【0027】
そして、フィルムを貼着した状態で、凍結材料1を回転式ミクロトームに設置し、該凍結材料1を低温下で薄切した。
この薄切片を、フィルムに貼着した状態のまま、−20℃以下で液体である有機溶剤で浸漬置換・固定した。ここでは、有機溶剤は濃度65〜85%のエタノールを用い、この有機溶剤に薄切片を0.5〜2分程度浸漬させ、固定化させるようにした。
【0028】
次いで、固定化した薄切片の染色を行なった。染色は、HE染色を用い、カラッチのヘマトキシリン→水洗→0.2%→エオシンY→水洗→エタノール洗浄→水洗の手順で行なった。エオシンY染色では、0.2%エオシンY→水洗にて薄切試料の作製を行った。
このようにして作製された薄切試料7の顕微鏡写真を図3に示す。同写真において、染色されている部分が凍結材料1の組織20を示し、染色されていない部分が氷結晶の痕跡21を示す。本実施例によれば、20〜30分程度の短時間で薄切試料を作製することができ、且つ氷結晶の痕跡を明瞭に観察可能となる。
【0029】
図4は有機溶剤(固定液)ごとの氷結晶面積変化率を示す表である。
同図は、薄切片の浸漬置換・固定に用いられる有機溶剤の適正を評価する試験を行なった結果である。実験方法は、上記した実施例と同様の方法を採用し、有機溶剤として、等張ホルマリン、99.5%エタノール、90%エタノール、85%エタノール、80%エタノール、70%エタノール、65%エタノール、60%エタノール、アルコール・ホルマリン混合液、冷アセトン、カルノアを用いてそれぞれ薄切試料を作製し、各試料ごとに氷結晶面積変化率を求めた。
【0030】
この結果から、85%エタノール、80%エタノール、70%エタノール、65%エタノールを有機溶剤として用いた薄切試料は、他の試料よりも面積変化率が極めて小さく、この結果から、濃度65〜85%のエタノールを用いることにより浸漬置換・固定工程での脱水収縮、復水の影響を最小限に抑えることができ、凍結状態の氷結晶の状態をほぼ正確に観察可能であることが明らかとなった。なお、アルコール・ホルマリン混合液は、80%エタノールとホルムアルデヒドとをエタノール:ホルムアルデヒド=9:1で混合した混合液を採用しており、このときエタノール最終濃度が72%となることから、上記と同様に面積変化率が小さくなる結果が得られたものと考えられる。
【符号の説明】
【0031】
1 凍結材料
2 包埋固定工程
3 フィルム貼着工程
4 薄切工程
5 浸漬置換・固定工程
6 染色工程
7 薄切試料
10 凍結用包埋材
11 支持台
12 刃
15 フィルム
20 組織
21 氷結晶痕跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結材料の氷結晶を観察するための試料を作製する氷結晶観察用試料作製方法において、
前記凍結材料を凍結用包埋剤で包埋固定する工程と、前記包埋固定した凍結材料に、該凍結材料の温度条件下で粘着性を有する粘着面を備えたフィルムを貼着する工程と、前記フィルムに貼着した凍結材料を薄切する工程と、この薄切片を凍結状態のまま、該薄切片の温度条件下で液体である有機溶剤に浸漬して前記薄切片の氷を溶出させ置換するとともに該薄切片を固定する工程と、前記有機溶剤に浸漬した後の前記薄切片を染色して薄切試料を作製する工程とを備え、前記薄切試料のうち染色されていない部分を前記氷結晶の存在形態として観察するようにしたことを特徴とする凍結材料の氷結晶観察用試料作製方法。
【請求項2】
前記有機溶剤が、濃度65〜85%のエタノールを含むことを特徴とする請求項1に記載の凍結材料の氷結晶観察用試料作製方法。
【請求項3】
前記有機溶剤が、−20°以下に冷却したエタノールを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の凍結材料の氷結晶観察用試料作製方法。
【請求項4】
前記薄切片は、3〜10μmの厚さであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の凍結材料の氷結晶観察用試料作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−209067(P2011−209067A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76265(P2010−76265)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2009年度 社団法人日本冷凍空調学会 年次大会 講演論文集(平成21年10年月20日発行)
【出願人】(000148357)株式会社前川製作所 (267)
【Fターム(参考)】