説明

汎用コンバインの刈取装置

【課題】作物の収穫時に発生する塵埃が操縦席に及ばないようにすると共に、作物の穂先側がテーブルの後枠から垂れ下がって停滞することを防ぐ。
【解決手段】掻込みオーガ(20)を横架したテーブル(14)の上部に掻込みリール(18)を昇降調節可能に設けた汎用コンバインにおいて、テーブル(14)の後上部に、テーブル(14)の左右幅の略全幅に亘る板体(1)を前後回動自在に設け、板体(1)の前後回動を掻込みリール(18)の昇降に連動させ、掻込みリール(18)が下降すると板体(1)が前側に回動してテーブル(14)の上部を覆い、掻込みリール(18)が上昇すると板体(1)が後側に回動してテーブル(14)内に供給される穀稈の穂先側を受ける構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒のついたままの穀稈を刈り取って穀粒と共に穀稈全体を脱穀装置に投入して脱穀し収穫する汎用コンバインの刈取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
汎用コンバインは、機体の前部に掻込みオーガを横架した横長のテーブルとその上に横長の掻込みリールを設け、掻込みリールで穀稈を掻込みオーガへ掻き込みながらテーブルの底部に設けた刈取り装置で穀稈の稈身を刈り取る。そして、掻込みオーガで横送りされた穀稈は、テーブルの後側に設けるフィーダーで後上方へ送られて脱穀装置に供給されて脱穀され、穀粒を選別して収穫するのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−321027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
汎用コンバインは、小麦や大豆など稈長が短い作物や稲や大麦等の稈長が長い作物の収穫作業に使用する。稈長が短い作物の場合には掻込みリールを低くして収穫作業を行うが塵埃が多く発生し、機体後部の操縦席に座るオペレータが塵埃を被ることになり、稈長が長い作物の場合には掻込みリールを高くして収穫作業を行うがこの場合には塵埃の発生は少ないが、株元を切断した穀稈の穂先側がテーブルの後枠から垂れ下がって、掻込みリールの横送り作用を受けずにテーブル上に停滞して収穫作業が続けられなくなる。
そこで、本発明では、稈長が短い作物の収穫時に発生する塵埃を操縦席に行かないようにすると共に稈長が長い作物の収穫時に作物の穂先側がテーブルの後枠から垂れ下がって停滞することを防いで収穫作業を続けられるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、掻込みオーガ(20)を横架したテーブル(14)の上部に掻込みリール(18)を昇降調節可能に設けた汎用コンバインにおいて、前記テーブル(14)の後上部に、該テーブル(14)の左右幅の略全幅に亘る板体(1)を前後回動自在に設け、該板体(1)の前後回動を掻込みリール(18)の昇降に連動させ、前記掻込みリール(18)が下降すると板体(1)が前側に回動してテーブル(14)の上部を覆い、掻込みリール(18)が上昇すると板体(1)が後側に回動してテーブル(14)内に供給される穀稈の穂先側を受ける構成としたことを特徴とする汎用コンバインの刈取装置とする。
この構成で、掻込みリール(18)を上昇させて稈長の長い穀稈を収穫している場合には、テーブル(14)の後上部に設けた板体(1)が後側に回動して穀稈の穂先を受けて垂れ下がるのを防ぎ、掻込みリール(18)を下降させて稈長の短い穀稈を収穫している場合には、板体(1)が前側に回動して掻込みオーガ(20)や掻込みリール(18)の作用で生じる塵埃の巻き上がりを防ぐ。
請求項2に記載の発明は、前記板体(1)を、掻込みリール(18)を支持するリール支持アーム(19)に前後回動自在に取り付けた請求項1に記載の汎用コンバインの刈取装置とする。
この構成で、塵埃の巻き上がりを防ぐ場合には板体(1)を前側へ回動させ、長稈を収穫する場合には板体(1)を後側に回動させてテーブル14の端縁からの穂先の垂れ下がりを防ぎ、さらに、板体(1)を後側に大きく回動させることで作業者が刈り取った穀稈の投入作業台として使用できるようになる。
請求項3に記載の発明は、前記板体(1)を透明な素材で形成した請求項1または請求項2に記載の汎用コンバインの刈取装置とする。
この構成で、テーブル(14)後方の操縦席から、板体(1)を通して、テーブル(14)内での掻込みオーガ(20)による穀稈の横送り状態を観察できる。
請求項4に記載の発明は、前記リール支持アーム(19)の基部に、テーブル(14)内に供給された穀稈を掻込みオーガ(20)の移送作用域へ導くコーナーガイド(2)を設けた請求項2または請求項3に記載の汎用コンバインの刈取装置とする。
この構成で、リール支持アーム(19)の基部に停滞しようとする穀稈がコーナーガイド(2)で導かれて掻込みオーガ(20)へ取り込まれる。
請求項5に記載の発明は、前記テーブル(14)の後上部に設けた横フレーム(52)の上面(52a)よりも、フィーダーケース(22)の上面(22a)を高くした請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の汎用コンバインの刈取装置とする。
この構成で、フィーダーケース(22)の上面(22a)に載った塵埃や穀稈が横フレーム(52)の上面52aを通って滑り落ちる。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、掻込みリール(18)を上昇させて稈長の長い穀稈を収穫している場合には、テーブル(14)の後上部に設けた板体(1)が後側に回動して穀稈の穂先を受けて垂れ下がるのを防ぎ、穀稈の詰まりによる収穫作業の中断が無くなる。また、掻込みリール(18)を下降させて稈長の短い穀稈を収穫している場合には、板体(1)が前側に回動して、掻込みオーガ(20)や掻込みリール(18)が穀稈の穂先に作用することによって生じる塵埃が巻き上がるのを防ぎ、操縦席のオペレータの衛生環境を維持しながら収穫作業を行える。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、板体(1)を大きく後側に回動させることで、この板体(1)を、手刈りした穀稈の投入作業台として使用することが出来る。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、操縦席のオペレータが、板体(1)を通して、テーブル(14)内での掻込みオーガ(20)による穀稈の横送り状態を観察することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2または請求項3に記載の発明の効果に加えて、リール支持アーム(19)の基部に停滞しようとする穀稈がコーナーガイド(2)で導かれて掻込みオーガ(20)に取り込まれ、穀稈が停滞しにくくなる。
請求項5に記載の発明によれば、収穫作業中にフィーダーケース(22)の上面(22a)に載った塵埃や穀稈が横フレーム(52)の上面(52a)を通って滑り落ちるので、塵埃が操縦席側に舞い上がることが少なくなり、オペレータの前方視界が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】汎用コンバインの側断面図である。
【図2】刈取前処理装置の側断面図である。
【図3】刈取前処理装置の平断面図である。
【図4】別実施例の刈取前処理装置の側断面図である。
【図5】ロークロップ装置を備えた刈取前処理装置の平面図である。
【図6】ロークロップ装置を備えた刈取前処理装置の側断面図である。
【図7】ロークロップ装置を備えた刈取前処理装置の拡大側断面図である。
【図8】ロークロップ装置を備えた刈取前処理装置の一部拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に示す実施例を参照しながら説明する。
汎用コンバインは、図1に示すように、左右に一対のクロ−ラ11,11を装備した車体12上に穀稈供給口を前側にして脱穀装置60を搭載し、その前方に刈取前処理装置13を設けて、小麦や大豆及び稲や大麦等の刈取脱穀作業ができる構成としている。そして、脱穀装置60は、刈り取った穀稈の全部を扱室に投入する全稈投入式の構成であって、上側に扱室を、下側に選別室をそれぞれ配置した汎用コンバイン用脱穀装置に構成している。
刈取前処理装置13は、取付けのベースとなるテーブル14を低位置に横向きに配置し、そのテーブル14を左右両側の垂直な支持枠15,15と後上部の横フレーム52と底面枠とでバケット形状に構成し、主刈取り装置16と掻込みリール18を取り付けている。
主刈取り装置16は、前記支持枠15,15の前部両側から前方に向けて延長して設けた分草杆17,17の間において、前記テーブル14の底面枠の前縁部に沿わせて設けた構成としている。
主刈取り装置16は、図3に示す如く、多数のフィンガ3と可動主刈刃4で構成し、刈刃駆動ケース7の出力軸に固着のL型駆動アーム8と可動主刈刃4を連結して左右往復揺動する。
前記左右両側の支持枠15,15の後上部の横フレーム52の上にリール支持ブラケット59を取り付け、このリール支持ブラケット59に支持する回動支持軸53に、リール支持アーム19,19の基部を横軸で回動自在に取り付け、このリール支持アーム19,19に掻込みリール18を支持する。前記支持枠15,15における外側の部位とリール支持アーム19,19との間には、このリール支持アーム19,19を昇降させる油圧シリンダ10を設け、このリール支持アーム19,19の先端部分に、掻込みリール18側の側面視五角形の側板54を軸架している。油圧シリンダ10は、掻込みリール18のタイン56の回転軌跡より外側に設けているために、タイン56で掻き込まれる穀稈が油圧シリンダ10に引っ掛かることが無く、掻込みオーガ20に取り込まれる。
そして、左右の側板54の各角部に横架した横タイン軸57に多数のタイン56を横方向に所定間隔で配置すると共に、掻込みリール18の回転に拘わらずにこれらのタイン56が常に下向きになるようにリンク機構を設けている。
前記回動支持軸53には左右側板54,54間の全幅に亘って板体1を固着している。この板体1は周囲を線状の枠杆1aで補強し、掻込みリール18を下降させた位置では前上がり傾斜状態になってテーブル14上を覆って掻込みオーガ20の回転に伴って巻き上がる塵埃が後方の操縦席側に流れないようになり、掻込みリール18を上昇させた位置では後上がり状態になってテーブル14の横フレーム52上に倒れる穀稈の穂先側を受けて折れ曲がりを防いで、掻込みオーガ20への取り込みが支障なく行われるようになる。
また、側板54,54を支持するリール支持アーム19,19の取付側(基部)にコーナーガイド2を内側に向かって傾斜状に取り付けている。その位置は上方から見て掻込みリール18のタイン56の回転軌跡より後方で掻込みオーガ20の回転軌跡上であるために、リール支持アーム19,19と回動支持軸53の取付隅部に来る穀稈がコーナーガイド2で内側に案内されて引っ掛かることが無い。
図4には板体1の取付構成の別実施例を示し、回動支持軸53の左右側部に複数固定位置を設けた取付板1bを固着し、この取付板1bに板体1を前傾斜状態と後傾斜状態とさらに後倒れ状態に固定出来るようにしている。板体1を後倒れ状態に固定すると、作業者が刈り取った穀稈を一時的にこの板体1に載せて掻込みオーガ20に投入する際のいわゆる手扱ぎ作業台として使える。
左右の支持枠15,15内に設ける掻込みオーガ20は、前記刈取装置16の刈幅と同等の長さに形成して横向きに設け、その両端を左右の支持枠15,15に横軸55で軸受支持し、フィーダーケース22の取り込み口に向けて搬送作用するラセンと左右適宜間隔で設ける掻込フィンガを有し、掻込フィンガが刈取装置16の先端よりも前に突き出して穀稈を引き込み、回転に伴って刈取穀稈をラセンと掻込フィンガで掻き込みながらテーブル14の右側寄りに設けるフィーダーケース22の入り口に集める。
このフィーダーケース22内のフィーダー21の搬送始端部を掻込みオーガ20の背後に臨ませて、搬送終端部を前記脱穀装置60の穀稈供給口に連通させて設け、前記掻込みオーガ20が集めた刈取穀稈を脱穀装置60の供給口まで搬送して供給する。
フィーダーケース22の横フレーム52下部の内側に全横幅に亘って傾斜ガイド板58を設けてフィーダーケース22の入口側を補強すると共にフィーダー21によって巻き上げられる穀稈の上方への飛び出しを防いで後方へ案内する。この傾斜ガイド板58の前下方に向かう延長線58aは掻込みオーガ20の円筒上端より後側に向かわせてフィーダー21に付き回りする穀稈を前に飛び出させない。
また、フィーダーケース22の上面22aの下端は横フレーム52の上面52aよりも高くし、前記リール支持ブラケット59もフィーダーケース22の左右幅よりも外側に設けているので、フィーダーケース22の上面22aに載った穀稈や塵埃が溜まることなく横フレーム52上を通ってテーブル14内の掻込みオーガ20上に落下する。
左側支持枠15の外側に縦刈刃装置5を立ち上げて左側支持枠15から延ばす縦刈刃支持アーム6で縦刈刃装置5を支持している。この縦刈刃装置5は主刈取り装置16よりも前側で分草杆17の真後或いは若干内側上方に立設し、絡み合って植立する作物を縦に分断して掻込みリール18による取り込みを行い易くすると共に、クロ−ラ11によって未刈作物を踏み付けることが無いようにする。
この縦刈刃装置5は、前後に位置調整可能で、固定刃と可動縦刈刃で構成し、前記刈刃駆動ケース7の出力軸に固着のL型駆動アーム8と縦駆動アーム9を可動縦刈刃に連結して可動縦刈刃を上下往復揺動する。
図5から図8に示す実施例は、掻込みリール18と主刈取り装置16と縦刈刃装置5を取り外して、前方低位置の刈刃73から上方にかけて左右一対のラグベルト62,62からなるロークロップ装置80を横方向三組設けて豆やそば等の丈の低い茎稈を両側から係止して、挟持状態にしながら搬送する刈取前処理装置13に構成する汎用コンバインを示している。
ロークロップ装置80は左側一組と右側二組或いは左側二組と右側一組をセットとして各セットが一体で昇降するようにしている。
例えば、図5に示すように、左側で前部の接地位置に設けた一対の分草杆17,17と、それに後続した部位に左右一対の掻込みラグベルト62,62と、低位置の刈刃73と、前部に軸架したゲージホイル63とを一組構成とし、右側で前部の接地位置に設けた二対の分草杆17,17と、それぞれに後続した部位に設ける掻込みラグベルト62,62と、それぞれ低位置の刈刃73と、前部に軸架したゲージホイル63とを一体組構成として昇降し、その後部にテーブル14と、掻込みオーガ20と、後側のフィーダー21を装備して刈取前処理装置13を構成している。
ロークロップ装置80を構成する左右一対の掻込みラグベルト62,62は、図5に示すように、ベルトに所定間隔ごとに搬送ラグ65を装着し、左右から各搬送ラグ65を互いに内側に向けて対向させて配置し、茎稈を左右両側から挟持状態に係止して搬送可能に巻回しているが、その配置において、図面から解るように、各搬送ラグ65に搬送方向(後方)に対して後退角を持たせて構成している。そして、左右一対の掻込みラグベルト62,62は、図6に示すように、搬送終端部側を、下部をテーブル14に固着した支持筒64の上部に軸架している上下2段の駆動プーリ61、61に巻回し、搬送始端部側を、上下2段の支持枠66,66の先端部に軸架した遊動プーリ67、67に巻回して構成している。
そして、左右一対の掻込みラグベルト62,62は、図6に示すように、搬送始端部側では搬送ラグ65が地表近くまで届く程度に低くし、搬送終端部側を高くして側面視傾斜状に構成している。
実施例の場合、左右一対の掻込みラグベルト62、2は、図面から解るように、左右のものを上下に若干の段差を設けて架設しており、両外側から内側に向けて突出している搬送ラグ65が相互に上下に交差(平面視で重合して同じ搬送通路を通過できる。)した構成としている。この構成によって、左右の搬送ラグ65は、回動中に干渉したり、衝突したりするのを回避できる。
そして、上記左右一対の掻込みラグベルト62,62は、全体がベルトカバー68で覆われ、この実施例の場合は、前部にある左右の分草杆17、7を、上記左右一対の掻込みラグベルト62、2の遊動プーリ67、67を軸架した左右の支持枠66,66に連結した構成としている。この場合、左右の両支持枠66,66は、図5に示すように、左側には左の分草杆17と左の掻込みラグベルト62(遊動プーリ67を軸受している。)を取付けて支持し、右側には同様に、右の分草杆17と右の掻込みラグベルト62(遊動プーリ67を軸受している。)を取り付けて支持した構成としている。そして、上記左右の支持枠66,66は、左右一対の掻込みラグベルト62,62の間に形成される茎稈搬送通路69の下側を横切って配置した連結フレーム70によって枢着状態に連結して一体に構成している。
そして、上記の如く一体構成とした左右一対の掻込みラグベルト62,62は、搬送後部にある前記支持筒64の上部に軸架した駆動プーリ65、65の中心部を回動支点Pにして搬送始端部側が左右方向へ回動調節できる構成としている。この場合、上記支持筒64は、具体的な図面は省略しているが、回転する支持筒64の下部側に円弧形状の長孔を形成し、固定側(テーブル14側)に設けている係止ねじで係脱自由に固定する構成としている。したがって、掻込みラグベルト62,62は、支持筒64の下部に形成した円弧形状長孔の範囲内において回転調節ができ、係止ねじで固定することが可能になっている。この場合、前記左右の両支持枠66,66は、連結フレーム70によって枢着状態に連結され、平行リンク状に組まれた構成となっている。
そして、株元案内板71は、図7と図8に示すように、前側の連結フレーム70と後方のテーブル14との間にできる空間を塞ぐように配置して、前部を連結フレーム70に取り付け、後部をテーブル14側にまで延長して固定している。この場合、茎稈株元の搬送ラインHは、図8に仮想線で示すように、株元案内板71の上方を通過する関係になっている。株元案内板71の下側には、左側のロークロップ装置80を横スライドさせて右側のロークロップ装置80との間隔を調整するスライドシリンダ81を設けている。このスライドシリンダ81を作動させることで、左側ロークロップ装置80と右側ロークロップ装置80の間隔を作物の植生する畝の間隔に合わせることが出来る。
つぎに、円盤刈刃73は、図6から解るように、油圧モータ75からチェン76を介して駆動スプロケット77に伝動して駆動する構成としている。そして、円盤刈刃73は、図5に示すように、各刈取条列ごとに縦軸に軸着して配置しており、左右一対の掻込みラグベルト62,62の搬送ラグ65によって保持されて搬送中の茎稈株元を刈取るように構成している。そして、円盤刈刃73は、前記した左側の支持枠66に支持され、ロークロップ装置80と一体となって関係位置を狂わせない状態で横方向に調節移動する構成となっている。
つぎに、ゲージホイル63は、図6と図7に仮想線で示すように、これの上下調節によってロークロップ装置80の地上高さが決まる。そして、掻込みオーガ20は、図1と図2に示すように、テーブル14の後部上方に横向きに軸装しており、その図に示すように、外周には搬送螺旋78を巻き付けて設け、前側から茎稈を掻き込みながら側方へ搬送し、フィーダー21側に達すると、掻込みクランクフィンガー79により後側のフィーダー21に供給する構成としている。
そして、フィーダー21は、始端部を上述のとおり、掻込みオーガ20に臨ませて設け、終端部を後部上方の脱穀装置60に連結して扱室の供給部に接続して設け、刈取穀稈の全部を脱穀装置60に投入する構成にしている。
【符号の説明】
【0009】
1 板体
2 コーナーガイド
14 テーブル
18 掻込みリール
19 リール支持アーム
20 掻込みオーガ
22 フィーダーケース
22a 上面
52 横フレーム
52a 上面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掻込みオーガ(20)を横架したテーブル(14)の上部に掻込みリール(18)を昇降調節可能に設けた汎用コンバインにおいて、前記テーブル(14)の後上部に、該テーブル(14)の左右幅の略全幅に亘る板体(1)を前後回動自在に設け、該板体(1)の前後回動を掻込みリール(18)の昇降に連動させ、前記掻込みリール(18)が下降すると板体(1)が前側に回動してテーブル(14)の上部を覆い、掻込みリール(18)が上昇すると板体(1)が後側に回動してテーブル(14)内に供給される穀稈の穂先側を受ける構成としたことを特徴とする汎用コンバインの刈取装置。
【請求項2】
前記板体(1)を、掻込みリール(18)を支持するリール支持アーム(19)に前後回動自在に取り付けた請求項1に記載の汎用コンバインの刈取装置。
【請求項3】
前記板体(1)を透明な素材で形成した請求項1または請求項2に記載の汎用コンバインの刈取装置。
【請求項4】
前記リール支持アーム(19)の基部に、テーブル(14)内に供給された穀稈を掻込みオーガ(20)の移送作用域へ導くコーナーガイド(2)を設けた請求項2または請求項3に記載の汎用コンバインの刈取装置。
【請求項5】
前記テーブル(14)の後上部に設けた横フレーム(52)の上面(52a)よりも、フィーダーケース(22)の上面(22a)を高くした請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の汎用コンバインの刈取装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate