説明

汚染土壌浄化工法

【課題】汚染土壌を容易に除去出来て、汚染土壌掘削後の出来形の確認に必要な程度の止水性を得ることが出来る汚染土壌浄化工法の提供。
【解決手段】地下水位(Lw)よりも下方の領域で且つ土壌が汚染されている領域(Gp)を包囲する様に、当該汚染されている領域の下方領域(2BB)及び側方領域(2BS)を地盤改良し、地下水位よりも上方の領域における土壌を掘削して除去し、地盤改良された領域で包囲された領域内の土壌を掘削して除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば揮発性有機化合物(VOC)によって汚染された土壌を浄化する技術に関する。より詳細には、本発明は、地下水位の深度が比較的浅く、且つ、地下水位よりも下方の領域の土壌まで汚染されている場合に、好適に実施することができる汚染土壌の浄化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
汚染物質は重力が作用する方向に拡散するため、汚染物質により汚染される領域は、鉛直方向下方の深度が深い領域まで到達してしまう。そして、地下水脈の存在する領域では、汚染領域が地下水位よりも下方の領域に達してしまうことも多い。
【0003】
汚染された土壌を浄化するために、汚染土壌を掘削、除去する工法は、従来から広く実施されている。
しかし、従来の掘削、除去する工法では、地下水位よりも下方の領域が汚染されてしまった場合には、地下水位よりも下方の汚染領域の土壌を掘削する際に、湧水によって掘削が困難となってしまう。
【0004】
ここで、地盤改良工法を応用して、汚染土壌の浄化を行なう技術が提案されている。
しかし、地盤改良工法は、軟弱土壌に強固な地中固結杭を造成するための技術であり、建造物の基礎として十分な強度と、十分な止水性を得るための技術である。
それに対して、汚染土壌の浄化工法においては、そのような強大な強度と十分な止水性は必要とはされない。
そのため地盤改良工法は、汚染土壌浄化工法に適用するにはスペックが高過ぎて、コストが嵩んでしまい、汚染土壌浄化工法に適用することが困難であった。
【0005】
その他の従来技術として、例えば、掘削対象領域の周囲に凍結管を埋設し、掘削対象領域の周囲を凍結して掘削孔を削孔する技術が存在する(特許文献1参照)。
しかし、掘削対象領域の周囲を凍結するには多大なコストが必要となり、施工全体のコストが高騰化してしまう、という問題を有している。
また、上述した様に、汚染土壌の浄化に際して要求される止水の程度に比較して、掘削対象領域の周囲を凍結することは、過度の止水性をもたらしてしまうので、非経済的である。
さらに、特許文献1の従来技術は地盤中に埋蔵された自然由来の不要埋蔵物や、過去に廃棄された兵器等の人為的に埋蔵物の除去に関する技術であり、汚染土壌の浄化を目的とするものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−263557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、地下水位よりも深度が深い領域を掘削して、汚染土壌を容易に除去すると共に、汚染土壌掘削後の出来形の確認に必要な程度の止水性を得ることが出来る様な汚染土壌浄化工法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の汚染土壌浄化工法は、地下水位よりも下方の領域で且つ土壌(Gw)が汚染されている領域(Gp)を包囲する様に、当該汚染されている領域(Gp)の下方領域(2BB)及び側方領域(2BS)を地盤改良(固化)する地盤改良工程と、地下水位(Lw)よりも上方の領域(G)における土壌を掘削して除去する第1の掘削工程と、地盤改良された領域(2BB、2BS)で包囲された領域内の土壌(汚染領域Gpを含む土壌)を掘削して除去する第2の掘削工程とを有している(図1〜図10、図12〜図15)。
【0009】
ここで、前記地盤改良工程では貧配合の固化材を使用し、係る貧配合の固化材は、地盤改良後の土壌の透水係数が、1×10−4cm/s〜1×10−6cm/s、より好ましくは、1×10−5cm/s〜1×10−6cm/sとなる様に設定されているのが好ましい。
【0010】
また本発明において、地下水位(Lw)よりも下方の土壌汚染領域(Gp)は、比較的深度が浅い領域(Gps)と、(1箇所或いは複数箇所が深度の深い領域まで到達している)比較的深度が深い領域(Gpd)を有し、前記地盤改良工程は、比較的深度の深い土壌汚染領域(Gpd)直下の領域(第1の底部2BB1)を地盤改良(固化)する第1工程(図18)と、比較的深度の深い土壌汚染領域(Gpd)の側方の領域(第1の側面部2BS1)を地盤改良(固化)する第2工程(図19)と、比較的深度の浅い土壌汚染領域(Gps)直下の領域であって、前記第1工程及び第2工程で地盤改良(固化)された領域以外の領域(第2の底部2BB2)を地盤改良(固化)する第3工程(図20)と、比較的深度の浅い土壌汚染領域(Gps)の側方の領域(第2の側面部2BS2)を地盤改良(固化)する第4工程(図21)とを有しているのが好ましい(図17〜図24)。
ここで、掘削床付面(第2の底部2BB2)には釜場(第2の底部2BB2からさらに下方に延在する空間部)を設けて、地盤改良によって適度にしみ出て床付面に溜まる地下水を揚水回収する設備(揚水ポンプ11)を設置することが好ましい。
【0011】
或いは、本発明の汚染土壌浄化工法は、地下水位(Lw)よりも上方の領域(G)における土壌を掘削して除去する第1の掘削工程と、地下水位よりも下方の領域で且つ土壌(Gw)が汚染されている領域(Gp)を包囲する様に、当該汚染されている領域(Gp)の下方領域(2BB)及び側方領域(2BS)を地盤改良して固化する地盤改良工程と、地盤改良された領域(2BB、2BS)で包囲された領域内の土壌(汚染領域Gpを含む土壌)を掘削して除去する第2の掘削工程とを有している(図11、図16)。
【0012】
そして本発明において、地下水位(Lw)よりも下方の土壌汚染領域(Gp)は、比較的深度が浅い領域(Gps)と、(1箇所或いは複数箇所が深度の深い領域まで到達している)比較的深度が深い領域(Gpd)を有し、前記地盤改良工程は、比較的深度の深い土壌汚染領域(Gpd)直下の領域(第1の底部2BB1)を地盤改良(固化)する第1工程と、比較的深度の深い土壌汚染領域(Gpd)の側方の領域(第1の側面部2BS1)を地盤改良(固化)する第2工程と、比較的深度の浅い土壌汚染領域(Gps)直下の領域であって、前記第1工程及び第2工程で地盤改良(固化)された領域以外の領域(第2の底部2BB2)を地盤改良(固化)する第3工程と、比較的深度の浅い土壌汚染領域(Gps)の側方の領域(第2の側面部2BS2)を地盤改良(固化)する第4工程とを有しているのが好ましい(図25)。
【発明の効果】
【0013】
上述する構成を具備する本発明によれば、当該汚染されている領域(Gp)の下方領域(2BB)及び側方領域(2BS)を地盤改良(固化)して、周辺の土壌から汚染土壌に地下水が浸入してしまう事を防止してから、地下水位(Lw)よりも下方の汚染領域(Gp)を掘削する。そのため、地下水位(Lw)よりも下方の汚染領域(Gp)を掘削する際に、周辺の領域の地下水は地盤改良された領域(2BB、2BS)を透過せず、地下水位(Lw)よりも下方の汚染領域(Gp)に浸入しないので、湧水により掘削が阻害されてしまうことが防止される。
その結果、地下水位(Lw)よりも下方の汚染領域(Gp)における汚染土壌を容易に掘削して、除去する事が出来る。
【0014】
ここで、地盤改良された領域(底部2BB、側面部2BS)内の土壌を掘削した後の空間(3A:出来形)は永続的に保持する必要は無く、当該空間(出来形3A)の確認、検査(出来形検測)を行なうのに必要な期間(通常は1日〜2日)だけ、その形状を保持出来れば足りる。
また、地盤改良された領域(底部2BB、側面部2BS)は、汚染土壌を除去した後の掘削面の確認、検査(出来形検測)を行なうのに必要最小限の止水性があれば良い。仮に漏水が生じても、出来形(3A)に溜まった水を揚水ポンプ(11)で汲み上げれば、出来形確認には十分である。
従って、第2の掘削工程では、地盤改良された領域(底部2BB、側面部2BS)のみで出来形(3A)を構成しても、必要な強度及び止水性を十分に確保することが出来る。必要以上の強度及び止水性を出来形に与えて、不必要なコストをかける必要はない。
【0015】
そして、出来形検測に必要な程度の強度及び止水性を獲得すれば足りる本発明によれば、固化材の含有量が少なくても良いので、施工現場周辺の環境に及ぼす影響が少なくて済む。
さらには、固化材を貧配合にすれば(具体的には、地盤改良後の透水係数が、1×10−4cm/s〜1×10−6cm/s、より好ましくは1×10−5cm/s〜1×10−6cm/sとなる様に、固化材含有量を設定すれば)、施工コストを低く抑えることが出来る。
【0016】
さらに本発明において、地下水位(LW)よりも上方の領域を掘削する以前の段階で地盤改良を行えば、汚染領域の直上の位置が平坦であり、地盤改良用機器を当該直上の位置まで移動することが容易に行い得る状況で、当該機器の設置を行うことが出来る。
ただし、地盤改良を行う以前の段階で地下水位(Lw)より上方の領域の掘削を行い、掘削された領域(1)の底部に地盤改良用機械を移動することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】土壌汚染領域を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における施工前の状態を示す断面図である。
【図3】第1実施形態において、地下水位より下方の汚染領域直下に円盤状の地盤改良体を造成した状態を示す図である。
【図4】図3で示す円盤状の地盤改良体の周縁部に、垂直方向へ延在する連続した複数の地盤改良体を造成した状態を示す図である。
【図5】図4で示す直方向へ延在する連続した複数の地盤改良体を、地下水位から見た水平断面図である。
【図6】第1実施形態において、地下水位より上方の領域が掘削された状態を示す図である。
【図7】第1実施形態において、地盤改良体における汚染土壌を含んだ部分を掘削した状態を示す図である。
【図8】第1実施形態において、地下水位より下方の領域の湧水を地上側に排出する状態を示す図である。
【図9】第1実施形態において、出来形検測の際にリフト・アップ力が作用する状態を示す図である。
【図10】図9で示すリフト・アップ力により出来形が破損されない様にする例を示す図である。
【図11】第1実施形態の変形例において、地盤改良体を造成する以前の段階で地下水位より上方の領域を掘削した状態を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態において、地下水位よりも下方に地盤改良体を造成する状態を説明する図である。
【図13】第2実施形態において、地下水位よりも上方の領域を掘削した状態を示す図である。
【図14】第2実施形態において、地盤改良体で包囲された領域の汚染領域を含む土壌を掘削した状態を示す図である。
【図15】第2実施形態において、地下水位より下方の領域の湧水を地上側に排出する状態を示す図である。
【図16】第2実施形態の変形例において、地盤改良体を造成する以前の段階で地下水位より上方の領域を掘削した状態を示す図である。
【図17】本発明の第3実施形態の施工前における状態を示す断面図である。
【図18】第3実施形態において、地下水位より下方の深度が深い領域直下に地盤改良体を造成した状態を示す図である。
【図19】第3実施形態において、地下水位より下方の深度が深い領域の側方に地盤改良体を造成した状態を示す図である。
【図20】第3実施形態において、地下水位より下方の深度が浅い領域直下に地盤改良体を造成した状態を示す図である。
【図21】第3実施形態において、地下水位より下方の深度が浅い領域の側方に地盤改良体を造成した状態を示す図である。
【図22】第3実施形態において、地下水位より上方の領域を掘削した状態を示す図である。
【図23】第3実施形態において、地盤改良体で包囲された領域を掘削した状態を示す図である。
【図24】第3実施形態において、地下水位より下方の領域の湧水を地上側に排出する状態を示す図である。
【図25】第3実施形態の変形例において、地盤改良体を造成する以前の段階で地下水位より上方の領域を掘削した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
ここで、添付図面においては、同様な部材や機器に対しては同様の符号が付されている。
先ず、図1〜図11を参照して、第1実施形態について説明する。
【0019】
図1では、例えば、揮発性有機化合物(VOC)を内蔵したタンク20が地上30fに設置されており、このタンク20が老朽化のため、タンク底部に亀裂が入り、タンク内部のVOCが漏出した状態が示されている。漏出したVOCは、重力の作用によって、地下(土壌)Gの深くまで浸透し、VOCで汚染された領域Gpが地下深くに到達している。そして、VOCにより汚染された領域は、地下水位Lwよりも深い領域まで到達している。
図1において、符号Gwは地下水を含む地層を示している。
【0020】
図2は、タンク20を撤去し、タンク20の跡地を利用するために実施される汚染土壌浄化工法において、施工直前の状態を示している。
次に、図3で示す様に、地下水位Lw以下の領域(或いは土壌)Gwの一部であって且つ汚染領域Gp直下の領域に、固化材を供給して、円盤状の地中固結体(地盤改良体:底部)2BBを形成する。ここで、底部2BBは円盤状に限定される訳ではなく、その他の平板状に造成しても良い。
底部2BBを地盤改良するに当たっては、図3では図示しない地盤改良用の機器を汚染領域Gpの直上に設置して、公知技術に係る工法を適用して行うことができる。公知技術に係る工法としては、例えば、いわゆる注入工法や、いわゆるグラウト工法、その他が適用可能である。なお「グラウト工法」とは、固化材を供給して土壌を切削しつつ、固化材と土壌とを撹拌、混合して地中固結体を造成する工法である。
【0021】
底部2BBの改良(固化)を行った後、図4で示すように、底部2BB周縁部と地下水位Lwとの間で、鉛直方向へ延在する領域(側面部)2BSを固化する。側面部2BSを固化することにより、地下水位Lwよりも下方の汚染領域Gpは、底部2BBと側面部2BSとにより包囲されることになる。なお本明細書において、底部2BBと側面部2BSとを包括的に、「地盤改良体2」と表現する場合がある。
図4において、底部2BBと側面部2BSとにより包囲されている領域であって、汚染領域Gp以外の領域は、地下水位Lwよりも下方の領域Gwと同一の状態となっている。
【0022】
側面部2BSを地下水位Lwから見た状態が図5で示されている。側面部2BSは、例えば、図5で示すように、底部2BB周縁部に連続して形成されている複数の円柱状の地中固結体により構成されている。
側面部2BSを造成するに際しては、例えば、底部2BB周縁部をオーガで掘削し、底部2BBまで到達せしめる。そして、地下水位Lwと底部2BBとの間の領域において、固化材をオーガ先端から注入して、当該固化材と原位置土とをオーガの回転により混練して、円柱状の地中固結体を造成する。底部2BB周縁部を包囲する様に、当該円柱状の地中固結体を複数本に亘って造成すれば、側面部2BSが築造される。
底部2BB及び側面部2BSの地盤改良については、第2実施形態、第3実施形態と共通している。
【0023】
地下水位Lw以下の汚染領域Gpを包含する領域を包囲する様に地盤改良体2を形成したならば(図4参照)、図6で示すように、地下水位Lwよりも上方の領域、或いは地盤改良体2よりも上方の領域における土壌Gを掘削する(第1の掘削工程)。土壌Gの掘削に際しては、公知の手段、例えば図示しない小型のバックホー等を用いて、地下水位Lwに至るまで、土壌Gを掘削する。
図6で示すように、地下水位Lwよりも上方の領域を掘削する(第1の掘削工程)ことにより、地下水位Lwよりも上方の汚染領域Gpの土壌は掘削される。明確には図示されていないが、掘削された土壌は図示しない処理設備に搬送されて、汚染物質が分離され、除去される。
【0024】
図6で示す掘削工程の実施にあたっては、土壌Gを掘削して出来た空間領域1の掘削面1nが水平面と形成する角度θ(図6参照)は、施工領域における土壌の崩壊角よりも大きくしなければならない。角度θが土壌の崩壊角よりも小さいと、土壌Gを掘削した領域の斜面が崩落する可能性が存在するからである。
図6で示す様に土壌Gを掘削するに際して、汚染土壌を含む掘削土は、図示しない汚染土壌処理設備に搬送され、処理される。土壌Gを掘削して出来た空間領域1を埋め戻す場合には、汚染物質が分離された原位置土壌を用いることが出来る。施工領域の環境に悪影響を及ぼさないのであれば、現位置土以外の清浄な土壌や充填材料により、空間領域1を埋め戻すことが出来る。
【0025】
次に、図7で示すように、底部2BB及び側面部2BSで包囲された領域(地盤改良体2で包囲された領域)を掘削する(第2の掘削工程)。図7の掘削(第2の掘削工程)に際しては、地盤改良体2(底部2BB及び側面部2BS)は掘削されること無く、地盤中に残存される。地盤改良体2で包囲された領域を掘削することにより、地下水位Lwよりも下方に残存する汚染領域は掘削、除去される。地下水位Lwよりも下方の汚染領域Gpにおける汚染土壌も、図示しない処理設備に搬送されて、汚染物質が分離され、除去される。
図7において、地盤改良体2(底部2BB及び側面部2BS)により、出来形3A(地盤改良体2を掘削した後の掘削面)が形成されている。換言すれば、出来形3Aは、地盤改良体2が掘削されて形成された空間により構成されている。
【0026】
地下水位Lwよりも深い領域Gwでは、掘削すると地下水が発生する(湧水)ため掘削が困難であるのに対して、第1実施形態では地下水位Lw下方の地盤改良体2で包囲された領域を掘削する際には、地盤改良体2は法面形状が崩壊しない程度の強度及び止水性を保持し、地下水が透過し難い。そのため、地盤改良体2周辺に地下水が存在しても、当該地下水は地盤改良体2を透過し難く、地盤改良体2で包囲された領域内には浸入し難い。
そのため、地下水位Lwよりも下方であっても、地盤改良体2で包囲された領域、すなわち地下水位Lwよりも下方の汚染領域Gpを包含する領域は、掘削しても湧水量は少なく、湧水により掘削作業(地盤改良体2で包囲された領域の掘削作業)が阻害される事態は防止される。
【0027】
図7において、地盤改良体2における側面部2BSの鉛直方向距離は、例えば2mである。労働安全衛生法の基準によれば、素掘り或いは直掘り可能な鉛直方向距離の上限が2mだからである。
換言すれば、第1実施形態では、地盤改良体2を掘削する鉛直方向距離が2m以内となるような施工条件、例えば、汚染領域Gpの最下端が地下水位Lwから2m以内である場合が対象となる。
【0028】
上述した様に、掘削された汚染土壌は図示しない汚染土壌処理設備へ搬送され、汚染物質が原位置土壌から分離されて処理される。そして汚染物質及び個化材が分離された原位置土壌は、地盤改良体2で構成された出来形3Aにおける出来形検測が終了した後、当該出来形3Aを埋め戻すのに用いられる。
ここで施工領域の環境に悪影響を及ぼさないのであれば、現位置土以外の清浄な土壌や、充填材料により、出来形3Aを埋め戻しても良い。
【0029】
次に、図8で示す様に、地盤改良体2の外縁部2aの空間部(出来形3A)の底部3bに、出来形3Aに溜まった水を地上側へ揚水するために揚水ポンプ11が設置される。
施工領域1近傍の地表30fには水処理装置10が設置されており、水処理装置10は揚水された地下水を貯蔵し、必要に応じて処理を行なう様に構成されている。
水処理装置10と揚水ポンプ11とは揚水管12によって接続されている。揚水ポンプ11は、底部3bに所定量の水が溜まると作動して、溜まった水を水処理装置10に揚水する。
【0030】
図8で示す状態では、必要に応じて、地盤改良体2で構成された出来形3Aにおいて、掘削面の確認及び検査(いわゆる「出来形検測」)を行なうことが出来る。係る出来形検測では、汚染物質(例えばVOC)濃度を計測し、以って、汚染土壌が掘削、除去されて、VOCが発生していないことを確認する。
図示はされていないが、出来形検測や汚染物質が発生していない事の確認を終了したならば、出来形3Aを良質土(例えば、図示しない浄化設備で汚染物質と分離された原位置土)で埋め戻す。或いは、出来形3Aを埋め戻さずに、集水枡として利用する事が可能である。
【0031】
地盤改良体2で構成された出来形3Aは、永続的に保持する必要は無い。地盤改良体2で構成された出来形3Aにおける確認、検査(出来形検測)を行なうのに必要な期間(通常は1日〜2日)だけ、その形状を保持出来れば足りる。換言すれば、地盤改良体2は、1日〜2日だけ出来形3Aを構成するのに必要最低限な強度があれば足りるのである。
【0032】
また、地盤改良体2は、完璧な止水性を発揮する必要はない。
汚染領域Gpを除去した後の出来形3Aの確認、検査(出来形検測)を行なうのに必要最低限の止水性があれば良いからである。そして、仮に漏水が生じたとしても、出来形3Aに溜まった水を揚水ポンプで汲み上げれば、出来形確認には支障を来たさない。
【0033】
この様に、地盤改良体2は、1日〜2日だけ出来形3Aを構成するのに必要最低限な強度が得られれば良く、出来形3Aの確認、検査(出来形検測)を行なうのに必要最低限の止水性を得れば良いので、図3〜図5で示す様に底部2BB、側面部2BSを造成する際に、固化材の供給量を多くする必要が無い。
そして、固化材の供給量が少なくても良いのであれば、周辺環境に及ぼす影響が少なくて済む。また、固化材の供給量が減少すれば、施工コストを低く抑えることが出来る。
以上の理由により、第1実施形態で用いられる固化材は、貧配合のもの、すなわち固化成分(セメント等)の含有量が少ない種類を選択することが可能である。
【0034】
発明者の研究によれば、貧配合の固化材としては、地盤改良体2の透水係数が、1×10−4cm/s〜1×10−6cm/s、より好ましくは、1×10−5cm/s〜1×10−6cm/sとなるものが選択される。
換言すれば、地盤改良体2の透水係数が、1×10−4cm/s〜1×10−6cm/s、より好ましくは、1×10−5cm/s〜1×10−6cm/sとなる様に、固化材含有量を設定したものが、貧配合の固化材として使用される。
係る固化材における地盤改良後の透水係数については、図示の各実施形態において共通している。
【0035】
図8で示すように、地盤改良体2で包囲された領域内の土壌を掘削して地上側30に搬出した状態では、図9で示すように、底部2BBには上方向への力(いわゆる「リフト・アップ力」:複数の矢印Fuで示す)が作用する。このリフト・アップ力Fuは、底部2BBが地下水位Lwよりも下方に位置するほど大きくなり、場合によっては底部2BBを破損し、或いは、亀裂を生じさせる恐れがある。そして底部2BBが破損してしまうと、出来形検測に支障をきたす可能性も有る。
なお、図9において矢印Fsで示すのは、水平方向へ作用する土圧及び水圧による力であり、地盤改良体2全体では平衡を保っている。
【0036】
リフト・アップ力Fuにより底部2BBが破損することを防止するためには、図10で示すように、底部2BBの一部(例えば中央部)に貫通孔Hbを形成してやれば良い。その様な貫通孔Hbを形成すれば、地下水圧が貫通孔Hbから抜けるので、リフト・アップ力も図10の矢印Fsmで示すように小さくなる。
発明者の経験では、貫通孔Hbから地盤改良体2で包囲された領域の内側の空間(出来形3A)内に流入する地下水量(湧水量)は少なく、出来形検測に悪影響は与えない。
貫通孔Hbからの湧水量が多い場合には、図10で示すように、貫通孔Hb内にポンプ11を配置して、湧水を地上側に汲み出せば良い。
【0037】
図11は、図1〜図10の第1実施形態の変形例を示している。
上述した様に、図1〜図10の第1実施形態では、地下水位Lwよりも下方の汚染領域Gpを包囲する様に地盤改良体2を造成した後(図3〜図5)、地下水位Lw上方の領域を掘削している(図6)。
これに対して、図11の変形例では、地盤改良体2を造成する以前の段階で、地下水位Lw上方の領域を掘削する。そして、汚染領域Gpを包含する領域の直上に図示しない地盤改良用機器を設置して、地下水位Lwよりも下方の汚染領域Gpを包囲する様に、地盤改良体2を造成する。
【0038】
図11においては、地盤改良体2の造成工程の図示は省略している。
図11の変形例におけるその他の構成及び作用効果については、図1〜図10の第1実施形態と同様である。
【0039】
図12〜図16は、本発明の第2実施形態を示す。
第2実施形態は、地下水位Lwから汚染領域Gpの最下端までの距離dc(図12参照)が5m以内である場合が対象となる。地下水位Lwから汚染領域Gpの最下端までの距離dcについては、汚染領域の掘削に関する法規制が5m以内となっているからである。
また、5mを超える掘削を行なう際には、法規制において、幅1.5m以上の小段の形成が義務付けられている。そのため第2実施形態は、地下水位Lwの地表からの距離(深度)dw(図12参照)が5mを超えている場合を対象としている。
【0040】
図12では、図1〜図11の第1実施形態と同様に、地下水位Lwよりも下方の汚染領域Gpを包囲する様に、地盤改良体2を造成する。
図12において、地下水位Lwから汚染領域Gpの最下端までの距離dcは例えば5mであり、地下水位Lw深度dwは例えば11mである。
地盤改良体2を造成した後、図13で示すように、地下水位Lw(或いは地盤改良体2)よりも上方の領域を掘削する。
【0041】
上述した様に、地下水位Lwの深度dw(図12参照)は5mを超えているため(例えばdw=12m)、小段s1、s2を形成して、掘削を行っている。ここで、小段s1、s2の幅は符号wsで示されている。
図13において、地表30fから小段s1までの鉛直方向距離(深度)と、小段s1、s2間の鉛直方向距離(深度)とは等しく、共に符号hcで示されている。
第2実施形態では、小段s1、s2の幅wsは1.5m、鉛直方向距離(深度)hcは5mである。法規制を遵守するためである。
なお、図13において、掘削された空間は符号1で示されている。
【0042】
次に図14で示すように、地盤改良体2で包囲された領域の土壌を掘削する。
図14において、地盤改良体2で包囲された空間により、出来形3Aが構成されている。より正確に表現すれば、出来形3Aは、地盤改良体2で包囲された領域の土壌が掘削されて形成された空間により構成されている。
地盤改良体2の厚さ寸法は、出来形3Aを1日〜2日だけ維持するのに必要最低限な強度を得ることが出来て、且つ、汚染土壌を除去した後の掘削面の確認、検査(出来形検測)を行なうのに必要最低限の止水性を得ることが出来る程度であれば良い。例えば、500mm程度である。
ここで、地盤改良体2の透水性も、出来形3Aを1日〜2日だけ維持するのに必要最低限な強度を得ることが出来て、且つ、汚染土壌を除去した後の掘削面の確認、検査(出来形検測)を行なうのに必要最低限の止水性を得ることが出来る程度に設定されており、第1実施形態と同様に、固化した後の透水係数が、1×10−4cm/s〜1×10−6cm/s、より好ましくは、1×10−5cm/s〜1×10−6cm/sとなる様に設定されている。
【0043】
図15は、第2実施形態の汚染土壌の掘削及び除去が完了した時点での施工領域を示している。
出来形3Aの底部2BBには、当該底部2BBに湧水等が溜まった水を排出するために揚水ポンプ11が設置されている。
施工領域1近傍の地表30fには、揚水ポンプ11で揚水された地下水を貯蔵し、必要な場合には処理を行なう水処理装置10が設置されており、この水処理装置10と揚水ポンプ11とは揚水管12によって接続されている。
図12〜図15の第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、図1〜図11の第1実施形態と同様である。
【0044】
図16は、第2実施形態の変形例を示している。
図16の変形例では、図11の変形例(第1実施形態の変形例)と同様に、地盤改良体2を造成する以前の段階で、地下水位Lw上方の領域を掘削している。そして、汚染領域Gpを包含する領域の直上に図示しない地盤改良用機器を設置して、地下水位Lwよりも下方の汚染領域Gpを包囲する様に地盤改良体を造成するのである(地盤改良体の造成工程の図示は省略)。
その他については、図16の変形例は、図12〜図15の第2実施形態と同様である。
【0045】
図17〜図25は、本発明の第3実施形態を示している。
第3実施形態は、地下水位Lwよりも深い領域において、汚染領域Gpが水平方向に浅く広がっているが、部分的に深度の深い領域まで到達している場合に適用される。
図17において、地下水位Lwよりも下方の領域に存在する汚染領域Gpは、地下水位Lwよりも下方の比較的浅い部分に比較的広範囲に存在している部分(浅い汚染領域)Gpsと、地下水位Lwから比較的深い領域まで到達しているが比較的狭い部分(深い汚染領域)Gpdによって構成されている。
ここで「比較的」なる文言は、汚染領域Gpsと汚染領域Gpdとの鉛直方向位置(深度)を相対的に表現する文言である。すなわち、汚染領域Gpsは汚染領域Gpdに対して上方に位置しており、汚染領域Gpdは汚染領域Gpsに対して下方に位置していることを表現している。
【0046】
図18で示すように、先ず、地下水位Lw下方の深い汚染領域Gpdの下方を、例えば円盤状に地盤改良する(或いは、固化される)。図18において、符号2BB1は、深い汚染領域Gpd下方で円盤状に地盤改良された部分(第1の底部)を示している。
なお、第1の底部2BB1は、円盤状に限定される訳ではない。その他の平板状に地盤改良することも可能である。
【0047】
次に、図19で示すように、第1の底部2BB1の周縁部から浅い汚染領域Gpsに至る部分(垂直方向上方に延在する部分:第1の側面部)2BS1を地盤改良(固化)する。
換言すれば、第1の側面部2BS1は、第1の底部2BB1の周部から浅い汚染領域Gpsの間を、垂直方向に延在している。
図19において、第1の底部2BB1及び第1の側面部2BS1により、深い汚染領域Gpdが包囲される。
第1の底部2BB1及び第1の側面部2BS1の地盤改良或いは固化についても、従来の地盤改良技術をそのまま適用可能である。
【0048】
第1の底部2BB1及び第1の側面部2BS1を地盤改良或いは固化した後、図20で示すように、浅い汚染領域Gpsの下方の領域であって、第1の側面部2BS1よりも外側の領域に、円盤状に、より詳細には、深い汚染領域Gpd及び第1の側面部2BS1と同心の円環状に、第2の底部2BB2を地盤改良(固化)する。
そして図21で示すように、浅い汚染領域Gpsの側方の領域(第2の側面部)2BS2を地盤改良或いは固化する。第2の側面部2BS2は、第2の底部2BB2の周縁部から地下水位Lwの間を、垂直方向に延在している。
第2の底部2BB2及び第2の側面部2BS2の地盤改良或いは固化についても、従来の地盤改良技術をそのまま適用可能である。
【0049】
図21において、第2の2BB2及び第2の側面部2BS2により、浅い汚染領域Gpsが包囲される。すなわち、第1の底部2BB1、第1の側面部2BS1、第2の2BB2、第2の側面部2BS2によって、深い汚染領域Gpdと浅い汚染領域Gpsとから成る地下水位Lw下方の汚染領域Gpが包囲される。
なお、本明細書において、第1の底部2BB1と第1の側面部2BS1を、「地盤改良体2B1」と包括的に表現する場合がある。
【0050】
地下水位Lw下方の汚染領域Gpが地盤改良(固化)されたならば(図21)、図22で示すように、地下水位Lwよりも上方の土壌を掘削する。掘削された汚染土壌は地上側30fに移動されて、図示しない汚染土壌処理設備に搬送される。
なお、本明細書において、第2の底部2BB2と第2の側面部2BS2を、「地盤改良体2B2」と包括的に表現する場合がある。
【0051】
地下水位Lwよりも上方の土壌を掘削して、地上側30fに移動したならば(図22)、図23で示す様に、浅い汚染領域Gps及び深い汚染領域Gpdにおける汚染された土壌を、公知の手法によって掘削して地上側30fに移動する。換言すれば、地盤改良体2B1、2B2で包囲された領域内の汚染土壌を掘削して、地上側30fに移動する。
地上側30fに移動された汚染土壌は、図示しない汚染土壌処理設備に搬送される。
図23において、符号3Aは、浅い汚染領域Gps及び深い汚染領域Gpdにおける汚染土壌を、掘削して除去して構成された出来形を示している。
【0052】
地盤改良体2B1、2B2の厚さ寸法は、出来形3Aを1日〜2日だけ維持するのに必要最低限な強度を得ることが出来て、且つ、汚染土壌を除去した後の掘削面の確認、検査(出来形検測)を行なうのに必要最低限の止水性を得ることが出来る程度であれば良い。例えば、500mm程度である。
ここで、地盤改良体2B1、2B2の透水性も、出来形3Aを1日〜2日だけ維持するのに必要最低限な強度を得ることが出来て、且つ、汚染土壌を除去した後の掘削面の確認、検査(出来形検測)を行なうのに必要最低限の止水性を得ることが出来る程度に設定されており、例えば、第1実施形態及び第2実施形態と同じ透水係数に設定されている。
【0053】
出来形3Aにおいて、第1の底部2BB1と第2の底部2BB2には、それぞれ揚水ポンプ11が設置されている(図24)。
各揚水ポンプ11は、揚水管12によって地上30f側の水処理設備10に接続される。
図24において、第1の底部2BB1と第1の側面部2BS1の厚みは符号t2で示されており、第2の底部2BB2の厚みは符号t1で示されている。
例えば、t1=500mmであり、t2=1000mmである。
【0054】
図17〜図24では、比較的深い領域まで到達している汚染領域Gpdは1箇所のみ図示されているが、比較的深い領域まで到達している汚染領域Gpdが複数箇所存在している場合にも、第3実施形態は適用可能である。
係る場合には、図18の工程では、複数の深い汚染領域Gpdの直下の各々に第1の底部2BB1を固化し、図19の工程では、複数の深い汚染領域Gpdの各々の側方に第1の側面部2BS1を固化する。そして、図20の工程では、浅い汚染領域Gps直下の領域であって、複数の第1の底部2BB1及び第1の側面部2BS1を除いた領域に第2の底部2BB2を造成する。
図17〜図24の第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、図1〜図16の各実施形態と同様である。
【0055】
図25は、第3実施形態の変形例を示している。
図25の変形例では、地盤改良体2B1、2B2(図23参照)を造成する以前の段階で、地下水位Lw上方の領域を掘削している。そして、汚染領域Gpを包含する領域の直上に図示しない地盤改良用機器を設置して、地盤改良体2B1、2B2を造成するのである(地盤改良体の造成工程の図示は省略)。
その他については、図25の変形例は、図17〜図24の第3実施形態と同様である。
【0056】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【符号の説明】
【0057】
1・・・土壌を掘削して出来た空間領域
2,2A、2B・・・地盤改良体
3A・・・出来形
10・・・水処理設備
11・・・揚水ポンプ
12・・・揚水管
13・・・ケーシング
15・・・シートパイル
16・・・地盤改良体
17・・・揚水用井戸
G・・・地盤
Gp、Gps、Gpd・・・汚染領域
Gw・・・地下水を含む地層
Lw・・・地下水位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下水位よりも下方の領域で且つ土壌が汚染されている領域を包囲する様に、当該汚染されている領域の下方領域及び側方領域を地盤改良する地盤改良工程と、地下水位よりも上方の領域における土壌を掘削して除去する第1の掘削工程と、地盤改良された領域で包囲された領域内の土壌を掘削して除去する第2の掘削工程とを有していることを特徴とする汚染土壌浄化工法。
【請求項2】
地下水位よりも下方の土壌汚染領域は、比較的深度が浅い領域と、比較的深度が深い領域を有し、前記地盤改良工程は、比較的深度の深い土壌汚染領域直下の領域を地盤改良する第1工程と、比較的深度の深い土壌汚染領域の側方の領域を地盤改良する第2工程と、比較的深度の浅い土壌汚染領域直下の領域であって、前記第1工程及び第2工程で地盤改良された領域以外の領域を地盤改良する第3工程と、比較的深度の浅い土壌汚染領域の側方の領域を地盤改良する第4工程とを有している請求項1の汚染土壌浄化工法。
【請求項3】
地下水位よりも上方の領域における土壌を掘削して除去する第1の掘削工程と、地下水位よりも下方の領域で且つ土壌が汚染されている領域を包囲する様に、当該汚染されている領域の下方領域及び側方領域を地盤改良する地盤改良工程と、地盤改良された領域で包囲された領域内の土壌を掘削して除去する第2の掘削工程とを有していることを特徴とする汚染土壌浄化工法。
【請求項4】
地下水位よりも下方の土壌汚染領域は、比較的深度が浅い領域と、比較的深度が深い領域を有し、前記地盤改良工程は、比較的深度の深い土壌汚染領域直下の領域を地盤改良する第1工程と、比較的深度の深い土壌汚染領域の側方の領域を地盤改良する第2工程と、比較的深度の浅い土壌汚染領域直下の領域であって、前記第1工程及び第2工程で地盤改良された領域以外の領域を地盤改良する第3工程と、比較的深度の浅い土壌汚染領域の側方の領域を地盤改良する第4工程とを有している請求項3の汚染土壌浄化工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−5385(P2011−5385A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149443(P2009−149443)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】