説明

汚染土壌浄化装置

【課題】重金属や放射性物質の様に毒性が強い汚染物質により汚染された土壌が地中に存在する場合に、その様な汚染土壌を好適に浄化することが出来る汚染土壌浄化装置の提供。
【解決手段】加熱装置(2)と、負圧源(36)と、加熱装置(2)の内部空間と負圧源(36)とを連通する配管系(H)を備え、前記配管系(H)には、気体と固体を分離する分離装置(30)と、気化した汚染物質を捕獲可能な濾過装置(32、34)を介装しており、前記加熱装置(2)は燃料に水素を混合して燃焼可能な燃焼装置(22)を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重金属や放射性物質(例えば、セシウム、特に137Cs)の様な汚染物質によって汚染された土壌を浄化する技術に関し、地表近傍ではなく、地中に存在する汚染土壌を浄化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば工場跡地等においては、地中の領域に重金属等の汚染物質で汚染された土壌が存在する場合がある。その様な汚染土壌が存在する場合には、当該汚染土壌を浄化する必要がある。
また放射性物質が事故により拡散し、拡散したセシウムが地中に浸入してしまう場合も存在する。ここで放射性物質、特にセシウムは半減期が長く、特にその同位体137Csは、半減期がおよそ30年で、毒性も強い。例えば、セシウムが事故により拡散し、地中に浸入してしまうと、セシウムを包含する土壌に起因して、人体に悪影響が生じる恐れがある。
すなわち、重金属のみならず、セシウムの様な放射性物質により、土壌が汚染されてしまう場合もあり、その様な場合は、汚染物質(重金属や放射性物質等)で汚染された地中の土壌を浄化する必要性も生じる。
【0003】
係る汚染土壌に当たっては、専用の汚染土壌処理設備を構築し、地中から汚染土壌を掘削して、当該処理設備に搬送して処理することが考えられる。
しかし、汚染土壌が大量に存在する場合には巨大な汚染土壌処理設備が必要となり、その様な処理設備を構築するのに、膨大な費用及び労力が必要になってしまう。
また、汚染物質の揮発性が高い場合(例えば、揮発性汚染物質VOCの場合)や、放射性物質の場合には、地中から掘削した汚染土壌を処理設備に搬送する際に大気中に拡散してしまうという問題も発生する。
さらに、重金属や放射性物質は毒性が強いので、汚染土壌の掘削作業や、浄化作業を行っている作業者の健康に悪影響を及ぼしてしまう危険性も存在する。
重金属や放射性物質の様に毒性が強い汚染物質により汚染された土壌が地中に存在する場合に、その様な汚染土壌を好適に浄化出来る技術は、未だに提供されていないのが実情である。
【0004】
出願人は、含水率が高い土壌や粘性土地盤においても有害物質(汚染物質)を十分に除去することが出来る土壌浄化工法を、既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、係る技術は、放射性物質の様に毒性が強い汚染物質の除去を企図するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4480169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、重金属や放射性物質の様に毒性が強い汚染物質により汚染された土壌が地中に存在する場合に、その様な汚染土壌を好適に浄化することが出来る汚染土壌浄化装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は、例えば2000℃以上に加熱すれば、重金属のような汚染物質であっても気化することができて、気化した汚染物質をフィルターにより除去することができることに着目した。
また、放射性物質、例えばセシウム(特に137Cs)であれば、最も沸点の低い(357℃)水銀に次いで沸点が低く(671℃)、加熱すると簡単に気化し、気化したセシウムは入手し易いフィルター(例えばバクフィルター)により除去することができることに着目した。
【0008】
本発明の汚染土壌の浄化装置は、加熱装置(例えば、加熱炉2)と、負圧源(例えば、真空ポンプ36)と、加熱装置(2)の内部空間と負圧源(36)とを連通する配管系(H)を備え、前記配管系(H)には、気体と固体(焼却灰等)を分離する分離装置(例えば、サイクロン装置30)と、気化した汚染物質(例えば、重金属、放射性物質)を捕獲可能な濾過装置(例えば、バグフィルター32、34)を介装しており、前記加熱装置(2)は燃料に水素を混合して燃焼可能な燃焼装置(22)を設けていることを特徴としている(図1参照)。
【0009】
本発明の汚染土壌の浄化装置において、移動装置(例えば、重機1等)と、先端に土壌掘削装置(例えば、バケットホイールエキスカベータ4)を備えた可動部材(例えば、可動アーム5)を設け、前記加熱装置(例えば加熱炉2)は移動装置(1)に載置されており、土壌掘削装置(4)で掘削された汚染土壌を加熱装置(2)に搬送するための搬送装置(例えば、スクリューコンベア6)が可動部材(5)に設けられており、前記掘削装置(4)及び搬送装置(6)を包囲するカバー部材(カバー8、6CA)が設けられており、前記配管系(H)は、加熱装置(2)の内部空間及びカバー部材(8、6CA)の内部空間と負圧源(36)に連通しているのが好ましい(図2参照)。
【0010】
ここで、前記移動装置(1)としては、いわゆる重機或いは建設機器が好ましい。
そして、加熱装置(2)、負圧源(36)、配管系(H)、分離装置(30)、濾過装置(32、34)は、複数台の重機或いは建設機器に架装しても良く、或いは、単一の重機或いは建設機器に架装しても良い。換言すれば、前記移動装置(1)は、複数台の重機或いは建設機器であっても良く、或いは、単一の重機或いは建設機器であっても良い。
【0011】
本発明において、前記加熱装置(2)は重油バーナー(22)を用いており、供給される燃料としてA重油を用いることが出来る。
ここで、汚染物質の沸点が高い場合(例えば、汚染物質が重金属である場合)には、加熱装置(2)における加熱温度を昇温する必要があるため、A重油噴霧に水素ガスを混相した燃料を使用して、燃焼する。
【0012】
また、前記濾過装置(32、34)は、濾材が織布或いは不織布であり、当該織布或いは不織布を円筒形状にして使用されるタイプの濾過集塵装置(いわゆるバグフィルター)が好ましい。
そして、前記濾過装置(32、34)は、前記配管系(H)に複数個介装しても良いし、或いは、一個のみ介装しても良い。
【発明の効果】
【0013】
上述する構成を具備する本発明によれば、加熱炉(2)内で汚染物質(重金属や放射性物質)を加熱することにより、汚染物質を気化して、土壌(Gp)から容易に分離することが出来る。ここで、加熱炉(2)内で燃焼させる燃料に、例えば水素を混合することにより、当該水素の混合量を調節して、加熱温度を2000℃以上まで昇温させることが出来る。そのため、重金属の様に沸点が高い汚染物質であっても、確実に気化させることが可能である。
汚染物質がセシウム(特に137Cs)である場合には、加熱炉(2)の加熱温度は、セシウムの沸点(137Csでは671℃)よりも高温であれば良いので、水素の混相流とすること無く、安価なA重油のみを燃料として、通常の重油バーナー(22)で加熱することが出来る。
【0014】
加熱炉(2)で汚染物質の沸点よりも高温に加熱されることにより、加熱炉(2)内に投入された汚染土壌(Gp)が包含する汚染物質は気化する。気化した汚染物質は、配管系(H)を介して負圧源(例えば、真空ポンプ36)によって吸引され、負圧源(36)側に介装された濾過装置(例えば、バグフィルター32、34)により捕獲される。
所定量の汚染物質が捕獲され、濾材の濾過能力が限界近傍に達したならば(濾過装置の仕様、規格により、所定の捕獲量は異なる)、濾過装置(32、34)の濾材(バグフィルターであれば、円筒形状の織布或いは不織布)を新しい濾材に交換し、汚染物質を捕獲している濾材を処分する。濾材の交換、処分については、重金属や放射性物質の取り扱い基準に従って行えば、当該交換、処分作業を行なう作業員に危険を及ぼす恐れはない。
ここで、加熱炉(2)は配管系(H)を介して負圧源(36)と連通しているので、加熱炉(2)の開閉扉を開放した際にも、加熱炉(2)内で気化した汚染物質が開閉扉から漏出してしまうことなく、配管系(H)を介して負圧源(36)側に吸引される。そのため、汚染物質が漏出して、大気中に拡散してしまうことは防止される。
【0015】
上述した様に、従来技術では、重金属や放射性物質で汚染された土を除去する場合には、大量の汚染土壌を廃棄することが出来る廃棄場や、大量の汚染土壌を処理する施設が必要となる。
それに対して、本発明によれば、処理するのは濾過装置(32、34)の濾材(バグフィルターであれば、円筒形状の織布或いは不織布)のみであり、大量の土壌の廃棄場や、大量の土壌を処理する施設が不要である。
ここで、汚染土壌が田畑の地中に存在する場合には、田畑表層の泥や植物等が汚染土壌と共に掘削されて、加熱炉(2)内で加熱されて炭化し、焼却灰となって、負圧源側に吸引される。しかし、本発明によれば、配管系(H)に介装された分離装置(例えば、サイクロン装置30)により、焼却灰は気化した汚染物質や空気から分離されて、下方に落下する。その際に、気化した汚染物質は遠心分離装置(30)で焼却灰とは分離され、負圧源(36)側に吸い込まれるので、焼却灰と共に地表(Gf)に落下してしまうことはない。換言すれば、汚染物質が焼却灰と共に地表(Gf)へ落下して排出されることはない。
【0016】
すなわち、本発明によれば、田畑の土壌中に存在する汚染土壌を浄化する際に、田畑内の汚染物質と共に、田畑の表層部に残存する農作物(汚染物質に起因して出荷できない農作物や出荷後の残滓)についても、除去することが出来る。
そして、田の稲や畑の作物は焼却灰となって当該田や畑に散布可能である。上述した様に焼却灰には汚染物質は包含されないので、焼却灰を田畑に散布しても環境に悪影響を与えることは無い。そのため、汚染土壌を除去した田や畑に、肥料として焼却灰を散布することが出来る。
【0017】
さらに本発明では、実施のためのコストを低減させることが出来る。
上述した様に、本発明によれば、大量の廃棄土壌を処理する必要が無く、膨大なコストと長期間を費やして処理施設を構築する必要がない。
そして本発明によれば、燃料として、安価なA重油を用いて汚染土壌の浄化を行うことが出来るので、燃料に費やすコストを低減することが出来る。
さらに本発明では、気化した汚染物質は、入手が容易な安価な濾過装置(例えばバグフィルター)により除去することが出来るので、高価な濾過装置(例えば、HEPAフィルター)を使用する必要が無く、その分、製造コストを低く抑えることが出来る。
【0018】
本発明において、移動装置(1)を設けて加熱炉(2)を移動可能にせしめ、地中(G)の汚染土壌(Gp)を連続的に掘削して加熱炉(2)に搬送出来る様に構成することにより、地中の汚染土壌に包含される汚染物質を連続的に気化して、濾過装置(32、34)で捕獲することが出来る。
その様に構成すれば、汚染物質が存在する領域が広範囲に及ぶ場合においても、連続的に汚染土壌(Gp)を処理することにより、浄化作用に要する時間や費用を節減することが可能である。
ここで、移動装置(1)として、いわゆる「重機」等を用いることが出来るので、当該重機等を簡単に改造することにより、新たに移動装置を製造することなく、田、畑、学校の校庭、その他の箇所を自由に走行して、地中に存在する汚染土壌(Gp)を連続的に掘削して、汚染土壌中の汚染物質(重金属、放射性物質等)を連続的に除去することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を示す。
図1において、全体を符号101で示す汚染土壌浄化装置は、履帯走行式の重機であるパワーショベル1Aと、加熱炉2と、真空ポンプ36と、濾過装置(フィルター)32、34と、燃料タンク40を備えている。
フィルター32、34は、濾材が織布或いは不織布であり、当該織布或いは不織布を円筒形状にして使用されるタイプの濾過集塵装置(いわゆるバグフィルター)である。なお、フィルター32、34の何れか一方を省略することも可能である。
燃料タンク40と加熱炉2における重油バーナー22は、燃料供給ラインLfにより接続されている。燃料タンク40内には、安価なA重油が貯留されている。
【0021】
パワーショベル1Aは、ショベル4Aと複数のアーム51、52、53からなる可動アーム5を有している。
図1において、矢印Aで示す状態では、汚染土壌Gpを掘削して掘削した汚染土壌Gpをショベル4Aに充填した状態を示す。図1では、ショベル4Aに充填されている汚染土壌が、符号Gpxで示されている。
一方、図1において、矢印Bで示す状態では、ショベル4Aに充填した汚染土壌Gpxを、天蓋25の開いた加熱炉内2iに投入している状態を示す。
加熱炉2の天蓋25は自動開閉式に構成されており、天蓋25が閉鎖した状態で、ショベル4Aが天蓋25から所定距離以内に接近した場合に、天蓋25が開放されるように構成されている。前記所定距離は、天蓋25が開放する際に、ショベル4Aと干渉しない様な距離に設定されている。
【0022】
図1の矢印Aで示す位置(仮想線で示す位置)において、アーム52にはカバー6Cが取り付けられており、カバー6Cはショベル4Aに充填した汚染土壌Gpxを覆っている。
図1の矢印Bで示す様に、カバー6Cは、カバー本体60C、カバー格納シリンダ61C、シリンダ支持部材62Cを備えている。シリンダ支持部材62Cは、アーム52に配置(固着)されている。
【0023】
図1では明確には示されていないが、カバー本体60Cは、ショベル4A内に汚染土壌が充填されていない場合には、カバー格納シリンダ61C内に格納されている。
一方、ショベル4A内に汚染土壌が充填された際には、格納シリンダ61C内に格納されていたカバー本体60Cが、公知の手段により、格納シリンダ61Cの開口部(シリンダ61Cのショベル4A側或いは先端側の端部)から押し出されて、ショベル4A内に充填された汚染土壌を覆うように構成されている。
カバー本体60Cは、例えば、ゴム等の弾性体で構成されている。
【0024】
パワーショベル1Aのショベル4Aは、土壌を掘削する際は、ショベル4A内に汚染土壌は充填されていないので、ショベル4Aはカバー6Cで覆われておらず、開放状態となっている。係る状態で、地中の汚染土壌を掘削して、ショベル4A内に充填する。
地中の汚染土壌を掘削して、ショベル4A内に充填すると、カバー6Cで覆われて密閉される。そのため、地中の汚染土壌を掘削した後、加熱炉2に投入するまでの間に、ショベル4Aに充填された汚染土壌中の汚染物質が、大気中に放散されることは防止される。
【0025】
ショベル4A内の汚染土壌Gpxを加熱炉2に投入する際に、加熱炉2の天蓋25が開放する。
加熱炉2には真空ポンプ36からの負圧が作用しているので、天蓋25が開放している際に、ショベル4A内の汚染土壌Gpx中の汚染物質が大気中に拡散することは防止され、加熱炉2内の汚染物質が加熱炉2外に漏れ出てしまうことはない。
【0026】
加熱炉2は、安価なA重油が使用可能な重油バーナー22が設けられている。
図1では明確には図示されていないが、重油バーナー22は、重油の噴流に水素を混合して、重油と水素の混相流を燃焼することが可能に構成されている。
重油バーナー22の燃焼温度は、水素の供給量を調整することにより制御可能であり、最高で2000℃以上まで加熱することが出来る。そのため、汚染物質が重金属であっても、気化することが可能である。
【0027】
加熱炉2で加熱された汚染土壌Gpxは、図示しない排出口、図示しない排出装置(例えば、排出様コンベア)を介して、加熱炉2内から排出される。
ここで、汚染土壌Gpxに包含された重金属、放射性物質であるセシウム等の汚染物質は、加熱炉2内で加熱されることにより気化して、汚染土壌Gpxから分離する。そのため、加熱後に加熱炉2内に残存している土壌(加熱された土壌)には、重金属、放射性物質であるセシウム等の汚染物質は包含されていない。
したがって、図示しない排出口、図示しない排出装置(例えば、排出様コンベア)を介して、加熱炉2内から排出して、施工現場に残存させたとしても、施工現場の環境を悪化させてしまうことはない。
図示はされていないが、加熱炉2で加熱されて汚染物質とは分離され、加熱炉2内から排出された土壌を適宜運搬して、原位置まで埋め戻す機器を設置することも出来る。
【0028】
加熱炉2と真空ポンプ36は、配管系H(搬送ホースH1、H2)により連通されている。
流路Hにおいて、加熱炉2に近い側の領域の搬送ホースH1では、気化した汚染物質や微粒子状の土壌、舞い上がった粉塵が流れている。
配管系Hには、固気分離装置であるサイクロン装置30が介装されている。サイクロン装置30の下流側には、流路H2を介して、フィルター32、34(例えば、不職布製のバグフィルター)が介装されている。
フィルター34のさらに下流側には、負圧源である真空ポンプ36が設けられている。
【0029】
真空ポンプ36の負圧により、気化した汚染物質、粉塵、微粒子状の土壌は流路H内に吸引され、サイクロン装置30に流入する。
サイクロン装置30において、気化した汚染物質(気体)は、粉塵や粒子状の土壌(固体)と分離して、流路Hの下流側(真空ポンプ36側)に吸引される。そして、搬送ホースH1、H2間に介装されたフィルター32、34により、気化した汚染物質は捕獲される。
【0030】
図1の第1実施形態によれば、人体に悪影響を及ぼす様な汚染物質はフィルター32、34により捕獲されるので、フィルター32、34の交換或いは処分に関する作業を除くと、汚染物質を取り扱う作業者に危険が及ぶ心配はない。
フィルター32、34を交換して、処分するに際しては、汚染物質或いは放射性物質の処理基準に準拠して、例えば、公知の自動制御機器や機械化処理を採用することにより、安全に行うことが出来る。
【0031】
図1の第1実施形態では、パワーショベル1Aにより汚染土壌Gpxを加熱炉内2iに投入する作業は、断続的に行なわれる。そのため、汚染土壌処理も、全体的に、断続的に行なわれている。
これに対して、図2で示す第2実施形態では、汚染土壌処理を連続して行なうことが出来る。
【0032】
図2を参照して、第2実施形態を説明する。
図2において、全体を符号102で示す汚染土壌浄化装置は、移動装置1と、加熱装置(例えば、ロータリーキルン)2と、サイクロン装置30と、濾過装置32、34と、真空ポンプ36と、燃料タンク40と、土壌掘削装置(例えば、バケットホイールエキスカベータ)4と、可動アーム5と、スクリューコンベア6を備えている。
図2の左方が、移動装置1の前方である。但し、土壌掘削作業中は、移動装置1を後退しながら(図2の右方に進みながら)、作業を行うことが可能である。
【0033】
図2の第2実施形態では、移動装置1として、例えば土木建設作業で用いられるパワーシャベルであって、履帯式走行装置11を有する大型のパワーショベルを改造して使用している。当該パワーショベルは、可動アーム5を有している。
移動装置1における履帯式走行装置11の概略中央上部に、第1のターンテーブル12が取り付けられている。そして、第1のターンテーブル12の上方に、オペレータ室13Cを含む操作部13が搭載されている。
操作部13には、第2のターンテーブル14が設置されている。第2のターンテーブル14の回転中心LC2は、操作部13における第1のターンテーブル12の回転中心LC1に対して、オペレータ室13Cの反対側の領域(図2の右側の領域)に位置している。
【0034】
汚染土壌浄化装置102の移動装置1におけるオペレータ室13Cは、その内部が汚染物質(例えば、重金属や、セシウムの様な放射性物質)からの影響が少ない様に構成されている。
或いは、オペレータが汚染物質(例えば、重金属や、セシウムの様な放射性物質)からの影響を受けない様に、汚染土壌浄化装置102の操作部13を、遠隔操作可能に構成することも出来る。
【0035】
第2のターンテーブル14の上には、移動装置1後方(図2の右側)に水平方向に延在する架台15が取り付けられている。架台15は、回転中心軸LC2を中心に旋回或いは回動する様に構成されている。そして架台15の上面には、密閉式のスチールコンベア50が設けられている。
操作部13におけるオペレータ室13Cに隣接して(図2では、オペレータ室13Cの紙面裏側)、加熱装置用架台16が設けられている。加熱装置用架台16上に、加熱装置2が取り付けられている。
【0036】
加熱装置用架台16の前方(図2の左側)には、可動アーム5用の架台17が設けられ、架台17は斜め前方に傾斜して配置されている。
可動アーム用架台17の先端には、回転支持部(図示せず)が設けられている。可動アーム用架台17先端の回転支持部(図示せず)は、可動アーム5における加熱装置2側(図2の右側)端部における回転支持部(図示せず)を、回転支持用のピン5Pにより、回動自在に軸支している。
【0037】
操作部13の前端(図2では左端)にはブラケットB7が設けられている。
可動アーム5を駆動するための油圧シリンダ7が設けられており、可動アーム駆動用油圧シリンダ7の一端は、回転支持用のピン7P1を介して、ブラケットB7に回動自在に軸支されている。
可動アーム駆動用の油圧シリンダ7における他端は、回転支持用のピン7P2を介して、図示しないブラケットに回動自在に軸支されている。
【0038】
図2の第2実施形態では、土壌掘削装置として、バケットホイールエキスカベータ4を用いている。バケットホイールエキスカベータ4は、ホイール41と、複数(図示では12個)のバケット42と、回転軸4Pを有している。
複数(図示では12個)のバケット42は、ホイール41の外周部に同一間隔で取り付けられている。
可動アーム5の先端近傍には、バケットホイールエキスカベータ4の回転軸4Pが配置されており、回転軸4Pにより、可動アーム5はバケットホイールエキスカベータ4を回動自在に軸支している。
図2において、矢印R4は、バケットホイールエキスカベータ4の回転方向を示し、矢印R5は、可動アーム5が回動(揺動)する際における回転軸4Pの中心点の軌跡を示している。
【0039】
バケットホイールエキスカベータ4は、土壌を掘削している状態(図2の状態)においては、地表Gf近傍までがカバー8によって覆われている。
カバー8の下端近傍から地表Gfまでの領域、すなわち、カバー8では覆うことが出来ない領域は、ベローズ9によって覆われている。
図2において、符号Gcは、バケット42が汚染土壌Gpを掘削した掘削面を示している。
【0040】
可動アーム5において、その上方側の領域には、スクリューコンベア6が配置されている。
スクリューコンベア6は全体がカバー6Cで包囲されており、概略円筒状の搬送通路の全長に亘ってスクリューが配置されている。
図2では明示されていないが、スクリューコンベア6の投入口(バケットホイールエキスカベータ4で掘削された汚染土壌を、スクリューコンベア6に投入するための投入口)は、ホイール41の外周縁部に設けたバケット42内に充填された土壌が落下する位置に形成されている。
スクリューコンベア6の排出口(図示せず)は、スクリューコンベア6の右端に形成されており、加熱炉2の内部空間に連通している。
【0041】
加熱炉2は、例えばロータリーキルンで構成され、円筒状搬送路20と、搬送用スクリュー21と、重油バーナー22とを備えている。
円筒状搬送路20は密閉式に構成されている。それと共に、円筒状搬送路20の投入口(図示せず)が、スクリューコンベア6の排出口(図示せず)と整合しており、スクリューコンベア6と円筒状搬送路20を、漏れのない状態(密閉状態)にて連通している。
重油バーナー22は、第1実施形態で説明したのと同様に、安価なA重油が使用可能である。それと共に、重油バーナー22は、重油の噴流に水素を混合した混相流を形成し、係る混相流を燃焼する様に構成されている。重油バーナー22の燃焼温度は、水素の供給量を調整することにより制御可能であり、最高で2000℃以上にすることが出来る。
【0042】
加熱炉2における円筒状搬送路20の排出口(図示せず)は、密閉式のスチールコンベア50の供給口(図示せず)に、漏れのない状態(密閉状態)にて連通している。
スチールコンベア50の排出口は、垂直方向に配置されたベローズ10の上端部によって包囲されている。ベローズ10の下端は、地表Gfに接している。
スチールコンベア50は、架台15と一体で回転軸LC2を中心に回動(旋回)する。
【0043】
スチールコンベア50の真上には補機ベース18が設けられている。補機ベース18も、スチールコンベア50及び架台15と一体に、回転軸LC2を中心にして回動(旋回)する。
補機ベース18上には、サイクロン装置30と、真空ポンプ36と、燃料タンク40が載置されている。
サイクロン装置30の上方には、バグフィルター32が、サイクロン装置30と一体に、且つ、同心に配置されている。
真空ポンプ36の吸い込み側(真空ポンプ36の上方)には、バグフィルター34が、真空ポンプ36と同心に配置されている。
バクフィルター32、34の何れか一方を省略することも可能である。
【0044】
スクリューコンベア6の投入口近傍には気化汚染物質排出口6xが配置され、気化汚染物質排出口6xを介して、スクリューコンベア6内の気化した汚染物質(例えば、重金属や、セシウムの様な放射性物質)が、搬送ホースH1に吸引される。
気化汚染物質排出口6xとサイクロン装置30の吸入口は、搬送ホースH1を介して連通している。ここで、搬送ホースH1の材料としては、耐熱ホースが好ましい。
【0045】
加熱炉2の投入口近傍には気化汚染物質排出口2xが配置され、気化汚染物質排出口2xを介して、加熱炉2で気化した汚染物質(例えば、重金属や、セシウムの様な放射性物質)が、搬送ホースH2に吸引される。
気化汚染物質排出口2xとサイクロン装置30の吸入口とは、搬送ホースH2によって連通している。搬送ホースH2の材料も、耐熱ホースが好ましい。
バグフィルター32とバグフィルター34とは、搬送ホースH3で接続されている。搬送ホースH3も、耐熱ホースを用いるのが好ましい。
【0046】
次に、汚染土壌浄化装置102による汚染土壌の浄化作業を説明する。
先ず、移動装置1を操作して施工領域まで自走させる。明確には図示されていないが、施工領域まで自走している間は、バケットホイールエキスカベータ4の最下部が地表に接しない様に、油圧シリンダ7を伸張している。
【0047】
移動装置1が施工領域に到達したなら、油圧シリンダ7を収縮させつつ、バケットホイールエキスカベータ4のホイール41を回転させて、ホイール41に取り付けた複数のバケット42で汚染土壌Gpを掘削する。
バケットホイールエキスカベータ4が汚染土壌中の所定の深度に到達したならば(掘削面Gcまで到達したならば)、油圧シリンダ7の収縮を停止させて、ホイール41の高さを固定する。
その状態で、移動装置1を連続して移動する。図2の例では、移動装置1は汚染土壌を掘削しつつ、後退(図2の右方向に移動)している。
【0048】
ここで、バケットホイールエキスカベータ4はカバー8で包囲されており、カバー8には、スクリューコンベア6、搬送ホースH1、H3を介して、真空ポンプ36からの負圧が作用している。
従って、バケットホイールエキスカベータ4で掘削された汚染土壌中の汚染物質が気化したとしても、カバー8外に拡散してしまうことは無く、スクリューコンベア6、搬送ホースH1、H3を介して、吸い込まれ、バグフィルター32、34で捕獲される。換言すれば、バケットホイールエキスカベータ4で掘削された汚染土壌中の汚染物質が気化しても、大気中に拡散することはない。
【0049】
バケット42で掘削した汚染土壌Gpxは、スクリューコンベア6の投入口からスクリューコンベア6内に投入され、スクリューの回転によって加熱炉2の投入口と連通した排出口(スクリューコンベア6の右端側)に向かう。
スクリューコンベア6と加熱炉2とは密閉状態で連通されており、スクリューコンベア6内には、加熱炉2から多大な熱量が伝達される。スクリューコンベア6においては、汚染土壌Gpxに含まれる汚染物質(重金属やセシウム等)の一部が、加熱炉2から伝達される熱量によって加熱されて気化する。
また、スクリューコンベア6により搬送される汚染土壌の一部は、粉塵となってスクリューコンベア6内で舞い上がる。
【0050】
スクリューコンベア6内で気化した汚染物質や汚染土壌の粉塵は、真空ポンプ36で発生する負圧によって、気化汚染物質排出口6x、搬送ホースH1を経由して、サイクロン装置30に吸い込まれる。
スクリューコンベア6内の汚染土壌Gpxは、そこに残留した汚染物質と共に、加熱炉2に搬入(投入)されて、加熱される。
【0051】
加熱炉2はA重油を燃料とする重油バーナー22を用いており、さらに、汚染物質の沸点が高い場合(例えば、汚染物質が重金属である場合)には、加熱炉2における加熱温度を昇温する必要があるため、A重油噴霧に水素ガスを混合して、A重油と水素ガスの混相流を燃料として燃焼する。
加熱炉2の投入口から加熱炉2に投入された汚染土壌Gpxは、重油バーナー22により、汚染物質が気化するのに十分な温度まで加熱される。
なお、汚染物質がセシウム(特に137Cs)のみである場合には、加熱炉2の加熱温度は、セシウムの沸点(671℃)よりも高温であれば良いので、水素の混相流とすること無く、安価なA重油のみを燃料とする通常の重油バーナーにより、重油バーナー22を構成しても良い。
【0052】
加熱炉2内で汚染物質は気化し、気化した汚染物質は、真空ポンプ36で発生する負圧によって、気化汚染物質排出口2x、搬送ホースH2を経由して、サイクロン装置30に吸い込まれる。
一方、汚染物質が気化して浄化された土壌は、図2において加熱炉2の右端に位置する排出口(図示せず)からスチールコンベア50に押し出される。
【0053】
サイクロン装置30には、気化した汚染物質のみならず、汚染土壌の粉塵や塵芥が包含される。汚染土壌の粉塵や塵芥は比重が大きいので、サイクロン装置30の固気分離機能によって、サイクロン装置30下端の排出口(図示せず)からスチールコンベア50上に落下する。
一方、気化した汚染物質の比重は小さいので、サイクロン装置30上方に吸い込まれ、バグフィルター32で捕獲される。
【0054】
前述したように、バグフィルター32と隣接したバグフィルター34とは耐熱の搬送ホースH3によって連通しており、バグフィルター34は真空ポンプ34の吸入口に接続されている。そして、浄化装置102が稼働中は、真空ポンプ34も稼動している。
バグフィルター32で捕獲できなかった汚染物質は、バグフィルター34に捕獲される。すなわち、気化した汚染物質は、その全量がバグフィルター32、34によって、確実に捕獲される。
バグフィルター34に捕獲された汚染物質は、バグフィルター34の濾材交換時に所定の容器に収容され、定められた安全基準に則って安全に保管される。
【0055】
加熱炉2及びサイクロンからスチールコンベア50に投入された土壌(汚染物質が除去されて浄化された土壌)は、スチールコンベア50の図示しない排出口から、ベローズ10を経由して地表に散布(矢印Gs)される。
図示はされていないが、スチールコンベア50の排出口には開閉制御可能な蓋体が設けてあり、当該蓋体は、架台15すなわちスチールコンベア50が所定の角度以上旋回した場合に開放されるように構成することが出来る。その様に構成すれば、汚染物質が除去されて浄化された土壌を広範囲に散布することが可能である。
【0056】
図示の実施形態によれば、加熱炉2内で汚染物質(重金属や放射性物質)を加熱することにより、汚染物質を気化して、土壌Gpから容易に分離することが出来る。ここで、加熱炉2内で燃焼させる燃料に、例えば水素を混合することにより、当該水素の混合量を調節して、加熱温度を2000℃以上まで昇温させることが出来る。そのため、汚染物質を確実に気化させることが可能である。
汚染物質がセシウム(特に137Cs)である場合には、加熱炉2の加熱温度は、セシウムの沸点(671℃)よりも高温であれば良いので、水素の混相流とすること無く、安価なA重油のみを燃料として、通常の重油バーナー22で加熱することが出来る。
【0057】
加熱炉2で汚染物質の沸点よりも高温に加熱されることにより、加熱炉2内に投入された汚染土壌Gpが包含する汚染物質は気化する。気化した汚染物質は、
配管系H(搬送ホースH1、H2)を介して真空ポンプ36によって吸引され、真空ポンプ36側に介装されたバグフィルター32、34により捕獲される。
所定量の汚染物質が捕獲されたならば(バグフィルター32、34の仕様、規格により、所定の捕獲量は異なる)、バグフィルター32、34の濾材(円筒形状の織布或いは不織布)を新しい濾材に交換し、汚染物質を捕獲している濾材を処分する。濾材の交換、処分については、重金属や放射性物質の取り扱い基準に従って行えば、当該交換、処分作業を行う作業員に危険を及ぼす恐れはない。
【0058】
ここで、加熱炉2は配管系Hを介して真空ポンプ36と連通しているので、図1の第1実施形態において、加熱炉2の開閉扉を開放した際に、加熱炉2内で気化した汚染物質が開閉扉から漏出してしまうことなく、配管系Hを介して真空ポンプ36側に吸引される。そのため、汚染物質が漏出して、大気中に拡散してしまうことは防止される。
図2の第2実施形態では、バケットホイールエキスカベータ4がカバー8で包囲されており、カバー8には、スクリューコンベア6、搬送ホースH1、H3を介して、真空ポンプ36からの負圧が作用している。そのため、バケットホイールエキスカベータ4で掘削された汚染土壌中の汚染物質が気化したとしても、カバー8外に拡散してしまうことは無い。
スクリューコンベア6はカバー6CAで包囲された閉鎖構造であり、加熱炉2は閉鎖構造であり、搬送ホースH1またはH2、搬送ホースH3を介して、真空ポンプ36と連通されている。従って、スクリューコンベア6、加熱炉2から、大気中に汚染物質(重金属やセシウム等)が拡散してしまうことはない。
【0059】
上述した様に、従来技術において、セシウムで汚染された土を除去する場合には、汚染された大量の土壌の廃棄場や、大量の土壌を処理する施設が必要となる。
それに対して、図示の実施形態によれば、処理するのはバグフィルター32、34の濾材(円筒形状の織布或いは不織布)のみであり、大量の土壌の廃棄場や、大量の土壌を処理する施設が不要である。
【0060】
ここで、汚染土壌Gpが田畑の地中に存在する場合には、泥や植物等が汚染土壌と共に掘削されて、加熱炉内で加熱されて炭化し、焼却灰となって、負圧源側に吸引される。しかし、図示の実施形態よれば、配管系Hに介装されたサイクロン装置30により、焼却灰は気化した汚染物質や空気から分離されて、下方に落下する。そして、気化した汚染物質はサイクロン装置30で焼却灰とは分離され、真空ポンプ36側に吸い込まれるので、焼却灰と共に地表Gfに落下してしまうことはない。換言すれば、汚染物質が焼却灰と共に落下して排出されることはない。
【0061】
すなわち、図示の実施形態によれば、田畑の土壌中に存在する汚染土壌Gpを浄化する際に、田畑の表層部よりも深い領域に存在する汚染物質と共に、土壌や植物(汚染物質に起因して出荷できない農作物や出荷後の残滓を含む)についても、除去することが出来る。
そして、田畑の土壌や植物の焼却灰は、肥料として田畑に散布可能である。上述した様に焼却灰には汚染物質は包含されないので、環境に悪影響を与えることは無い。
【0062】
さらに図示の実施形態では、実施のためのコストを低減させることが出来る。
上述した様に、図示の実施形態によれば、大量の廃棄土壌を処理する必要が無く、膨大なコストと長期間を費やして処理施設を構築する必要がない。
そして図示の実施形態によれば、燃料として、安価なA重油を用いて汚染土壌の浄化を行うことが出来るので、燃料に費やすコストを低減することが出来る。
さらに図示の実施形態では、気化した汚染物質は、入手が容易な安価なバグフィルター32、34により除去することが出来るので、高価な濾過装置(例えば、HEPAフィルター)を使用する必要がなく、その分、製造コストを低く抑えることが出来る。
【0063】
図2の第2実施形態では、移動装置1により加熱炉2を移動可能にせしめ、地中の汚染土壌Gpを連続的に掘削して加熱炉2に搬送出来る様に構成しているので、地中の汚染土壌に包含される汚染物質が連続的に気化され、バグフィルター32、34で捕獲される。
そのため、汚染物質が存在する領域が広範囲に及ぶ場合においても、連続的に汚染土壌Gpを処理することにより、浄化作用に要する時間や費用を節減することが可能である。
ここで、移動装置1としては重機等を用いることが出来るので、当該重機1を簡単に改造することにより、新たに移動装置を製造することなく、校庭、田、畑等、どの様な施工現場でも走行して、地中に存在する汚染土壌Gpを連続的に掘削して、汚染土壌中の汚染物質(重金属、放射性物質等)を連続的に除去することが出来る。
【0064】
図示の実施形態は例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【符号の説明】
【0065】
1・・・移動装置
1A・・・パワーショベル
2・・・加熱炉
4・・・バケットホイールエキスカベータ
4A・・・ショベル
5・・・可動アーム
6・・・搬送装置
7・・・油圧シリンダ
8・・・カバー
9、10・・・ベローズ
30・・・サイクロン装置
32、34・・・フィルター
36・・・真空ポンプ
40・・・燃料タンク
50・・・スチールコンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱装置と、負圧源と、加熱装置の内部空間と負圧源とを連通する配管系を備え、前記配管系には、気体と固体を分離する分離装置と、気化した汚染物質を捕獲可能な濾過装置を介装しており、前記加熱装置は燃料に水素を混合して燃焼可能な燃焼装置を設けていることを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
【請求項2】
移動装置と、先端に土壌掘削装置を備えた可動部材を設け、前記加熱装置は移動装置に載置されており、土壌掘削装置で掘削された汚染土壌を加熱装置に搬送するための搬送装置が可動部材に設けられており、前記掘削装置及び搬送装置を包囲するカバー部材が設けられており、前記配管系は、加熱装置の内部空間及びカバー部材の内部空間と負圧源に連通している請求項1の汚染土壌の浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−22490(P2013−22490A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157587(P2011−157587)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(390002233)ケミカルグラウト株式会社 (79)
【Fターム(参考)】