説明

汚染領域の浄化方法

【課題】シアン化水素ガスの発生を抑制しつつ、銅シアン錯体で汚染された汚染領域を浄化できる方法を提供する。
【解決手段】銅シアン錯体で汚染された土壌および/または地下水を含む汚染領域を浄化する方法において、汚染領域のpHが7.0を超える条件下で、当該汚染領域の汚染土壌および/または汚染地下水100質量部に対して、0.1質量部以上の過硫酸塩を添加して汚染領域を浄化することを特徴とする汚染領域の浄化方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染領域の浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銅シアン錯体で汚染された土壌や地下水などを含む汚染領域の浄化方法としては、例えば汚染された土壌を掘削し、掘削した土壌は廃棄処分して、代わりに清浄な土壌を埋め戻す方法や、汚染された土壌や地下水が汚染領域の外に拡がらないように原位置において封じ込める方法などが実施されている。
しかし、汚染物質である銅シアン錯体を化学反応により分解することで汚染領域を浄化する方法は、これまで知られていない。
【0003】
酸化剤を利用し、汚染物質を酸化分解することで汚染領域を浄化する方法としては、pH4以上pH7以下の条件で、酸化剤として過硫酸塩のみを、地下水中の過硫酸塩濃度が0.005〜5重量%になるように添加して地下汚染領域を浄化する方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4405692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、有機塩素化合物や、ベンゼン、トルエンまたはキシレンで汚染された地下汚染領域の浄化には適しているものの、銅シアン錯体で汚染された土壌や地下水を含む汚染領域に適用すると、銅シアン錯体の分解物であるシアン化合物がシアン化水素ガスとして揮発して、周辺へ拡散し、作業環境が著しく損なわれるといった問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、シアン化水素ガスの発生を抑制しつつ、銅シアン錯体で汚染された汚染領域を浄化できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の汚染領域の浄化方法は、銅シアン錯体で汚染された土壌および/または地下水を含む汚染領域を浄化する方法において、汚染領域のpHが7.0を超える条件下で、当該汚染領域の汚染土壌および/または汚染地下水100質量部に対して、0.1質量部以上の過硫酸塩を添加して汚染領域を浄化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シアン化水素ガスの発生を抑制しつつ、銅シアン錯体で汚染された汚染領域を浄化できる方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】汚染領域に過硫酸塩を添加する方法の一例を示す概略図である。
【図2】汚染領域に過硫酸塩を添加する方法の他の例を示す概略図である。
【図3】汚染領域に過硫酸塩を添加する方法の他の例を示す概略図である。
【図4】試験例におけるシアン化水素ガスの濃度とpHの関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について説明する。
本発明の対象となる汚染領域は、銅シアン錯体により汚染された土壌(汚染土壌)および/または地下水(汚染地下水)を含む領域である。
【0011】
本発明の汚染領域の浄化方法(以下、単に「浄化方法」という。)は、汚染領域のpHが7.0を超える条件下で、当該汚染領域の汚染土壌および/または汚染地下水100質量部に対して、0.1質量部以上の過硫酸塩を添加して汚染領域を浄化する方法である。
汚染領域のpHが7.0を超える条件下、特定量の過硫酸塩を汚染領域に添加することで、シアン化水素ガスの発生を抑制しつつ、汚染領域を浄化できる。係る理由は以下のように考えられる。
【0012】
すなわち、汚染領域のpHが7.0を超える条件下、特定量の過硫酸塩を汚染領域に添加すると、土壌や地下水の汚染物質である銅シアン錯体が過硫酸ナトリウムによって銅イオンとシアン化物イオンに分解し、汚染領域が浄化される。さらに、pHが7.0を超える条件下ではシアン化水素ガスの発生が抑制され、銅イオンがシアン化物イオンと過硫酸ナトリウムとの酸化反応の触媒となり、シアン化物イオンの酸化分解が促進されると考えられる。
【0013】
この浄化のメカニズムは、汚染物質である銅シアン錯体の解離定数が、他の金属シアン錯体(例えば鉄シアン錯体など)の解離定数に比べて大きいことを利用したものである。解離定数が小さいと錯体は解離しやすい、すなわち分解しやすいので、銅シアン錯体は他の金属シアン錯体に比べて、pH7.0を超える条件下において過硫酸塩によって分解されやすい。加えて、分解により発生した銅イオンが触媒の役割を果たすので、シアン化物イオンの酸化分解が促進され、また、pH7.0を超える条件下であるためシアン化水素ガスの発生が抑制される。
従って、本発明の浄化方法は、シアン化水素ガスの発生を抑制でき、作業環境を配慮した方法である。
【0014】
過硫酸塩としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどのペルオキソ二硫酸塩が挙げられる。中でも、溶解度が高く土壌間隙水に溶け、土の粒子に接触する効果が期待される点から、過硫酸ナトリウムが好ましい。ここで、「土壌間隙水」とは、地下水によって飽和している飽和帯(帯水層)の上に位置する不飽和帯中の水のことである。
過硫酸塩は、そのまま直接、汚染領域に添加してもよいし、水に溶解し、溶液の状態で添加してもよい。
【0015】
汚染領域を浄化する際の、汚染領域のpHは7.0を超えれば特に制限されない。汚染領域のpHが7.0以下であると、銅シアン錯体の分解により生成したシアン化物イオンがシアン化水素ガスとして揮発して、周辺へ拡散し、作業環境を損なうこととなる。
ここで、汚染領域のpHとは、土壌が銅シアン錯体で汚染されている場合は、汚染土壌のpHのことであり、地下水が銅シアン錯体で汚染されている場合は、汚染地下水のpHのことである。また、汚染領域中の土壌および地下水が銅シアン錯体で汚染されている場合は、汚染土壌および汚染地下水のpHのことである。
【0016】
汚染土壌のpHは、以下のようにして測定される値である。
すなわち、土壌中の全シアン溶出量(T−CN溶出量)を分析する検液を調製する方法(具体的には、平成3年8月環境省告示第46号「土壌の汚染に係る環境基準について」の付表に掲げる方法)に準じて、汚染土壌を風乾した後、純水で6時間振とう溶出した検液を、pHメータを用い、常温(25℃)で測定する。
一方、汚染地下水のpHは、pHメータを用い、常温で測定される値である。
【0017】
汚染領域のpHが7.0以下となる場合は、当該汚染領域に塩基類を添加して、pHが7.0を超えるように調整すればよい。塩基類としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などが挙げられ、具体的には水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。塩基類は、直接汚染土壌に添加してもよいが、汚染土壌のpHを均一にできる点で、水溶液の状態で添加するのが好ましい。
【0018】
なお、上述した過硫酸塩の水溶液は弱酸性から中性を示すため、過硫酸塩を汚染領域に添加した後でも、土壌自身が持つpHの緩衝効果から浄化中の汚染土壌のpHは影響を受けにくい。ただし、過硫酸塩の添加前の汚染領域のpHが7.0を超えていても、過硫酸塩を添加することでpHが7.0以下になる懸念がある場合は、良好な作業環境を確保するために、以下のようにすることが好ましい。
すなわち、汚染領域を浄化する前に、汚染土壌や汚染地下水を少量採取して過硫酸塩の添加によるpHの変化を確認し、pHが7.0以下になる場合は、汚染領域に塩基類を添加して浄化中の汚染領域のpHが7.0を超えるように調整する。
【0019】
汚染領域に添加する過硫酸塩の添加量は、土壌が銅シアン錯体で汚染されている場合は、汚染土壌100質量部に対して、0.1質量部以上である。一方、地下水が銅シアン錯体で汚染されている場合は、汚染地下水100質量部に対して、0.1質量部以上である。なお、土壌および地下水が銅シアン錯体で汚染されている場合は、汚染土壌および汚染地下水のそれぞれ100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましい。
【0020】
過硫酸塩の添加量が0.1質量部以上であれば、過硫酸塩が汚染領域中に行渡るので、ムラなく浄化できる。過硫酸塩の添加量は多くなるほど、特に1.0質量部以上であれば、過硫酸塩が汚染領域中に均一に行渡りやすくなるので、浄化効率が向上する。ただし、添加量が多すぎると過硫酸塩によって酸化分解されたシアン化物イオンの分解物がシアン化物イオンに再合成される場合があり、分解率が低下することがある。従って、添加量の上限値は10質量部以下が好ましい。
【0021】
汚染領域への過硫酸塩の添加方法としては、例えば以下に示す方法(1)〜(3)などが挙げられる。
(1)図1に示すように、土壌混練機10を用いて、汚染領域Xに過硫酸塩を添加し、汚染領域Xの汚染土壌と過硫酸塩とを混合する方法。
(2)図2に示すように、掘削した汚染土壌Aと過硫酸塩Bとを、回転式粉砕混合機20に投入し、汚染土壌を粉砕しながら過硫酸塩と混合して、混合物Cを埋め戻す方法。
(3)図3に示すように、汚染領域Xに達する注入井戸30を設け、ブロワ31から注入井戸30へ過硫酸塩溶液を供給し、該注入井戸30を介して汚染領域Xに過硫酸塩溶液を注入する方法。
なお、図1、3中、符号「Y」は不飽和帯、「Z」は飽和帯(帯水層)である。
【0022】
方法(1)であれば、汚染土壌を掘削したり、搬出したりする手間がかからず、汚染領域の原位置浄化が可能であり、コストも削減できる。
方法(2)であれば、汚染土壌と過硫酸塩とを均一に混合できるので、浄化効率が向上する。
方法(3)であれば、汚染領域の原位置浄化が可能であると共に、図3に示すように、例えば地下水によって飽和している飽和帯Zに汚染領域Xがある場合、方法(1)、(2)に比べてより簡便かつ低コストで汚染領域Xを浄化できる。なお、注入井戸30としては、汚染領域Xに埋まっている部分がスクリーン加工されたスクリーン井戸が好ましい。また、注入井戸30は、地下水の流れを考慮し、汚染領域Xに対して地下水の流れの上流側に設けられるのが好ましい。
【0023】
以上説明したように、本発明の浄化方法によれば、汚染領域のpHが7.0を超える条件下で、特定量の過硫酸塩を添加して汚染領域の浄化を行うので、汚染物質である銅シアン錯体が過硫酸塩によって分解され、汚染領域が浄化される。さらに、銅イオン錯体の分解によって生成する銅イオンが、シアン化物イオンと過硫酸塩との酸化反応の触媒となるため、シアン化物イオンの酸化分解が促進される。従って、本発明の浄化方法によれば、シアン化水素ガスの発生を抑制できる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
[試験例]
以下、試験例について説明する。
以下の試験例では、シアン化水素ガスの発生とpHの関係を確認するために行った。
【0026】
銅シアン錯体により汚染された汚染地下水(150mL)をガラス瓶に採取し、これに任意のpHとなるように塩酸を加えた後、pHメータを用いてガラス瓶内の汚染地下水のpHを常温で測定した。
pHを測定した後、ガラス瓶を密栓し、24時間静置した。その後、ガラス瓶を開栓して速やかにシアン化水素ガス検知管でガス濃度を測定した。
【0027】
各pHと、このときのHCN濃度とをプロットして、図4に示すように、pH−HCN濃度のグラフを作成した。
その結果、pHが7.0を超える範囲においてHCN濃度が5ppm以下であり、労働安全衛生法に基づく作業環境評価基準で規定するHCN濃度の許容値(5ppm以下)の範囲内であった。
従って、pHが7.0を超える条件下において、シアン化水素ガスの発生が抑制されることが示された。
【0028】
[評価用原土(1)、(2)の作製]
銅シアン錯体により汚染された汚染土壌(1)を掘り出し、掘り出した汚染土壌(1)の状態を均一にするために混合機にて混合し、これを評価用原土(1)とした。
別の場所から、銅シアン錯体により汚染された汚染土壌(2)を掘り出し、掘り出した汚染土壌(2)の状態を均一にするために混合機にて混合し、これを評価用原土(2)とした。
【0029】
これらの評価用原土(1)、(2)について、以下のようにしてT−CN溶出量およびpHの測定を行った。
原土から乾燥質量として50gのサンプルを採取し、平成15年3月環境省告示第18号「土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件」に準じて、原土中のT−CN溶出量を測定した。これを初期T−CN溶出量とする。
また、上記原土中のT−CN溶出量を分析する検液を調製し、pHメータを用い、常温で検液のpHを測定した。検液は、平成3年8月環境省告示第46号「土壌の汚染に係る環境基準について」の付表に掲げる方法に準じて、原土を風乾した後、純水で6時間振とう溶出して調製した。
【0030】
また、参考値として、評価用原土(1)、(2)の同じサイト内、かつ別の場所から掘り出したサンプル原土について、以下のようにしてサンプル原土中の銅濃度の測定を行ったところ、3200mg/kgであった。
掘り出したサンプル原土から乾燥質量として50g採取し、底質調査法(平成13年3月1日、環境省環境管理局水環境部、底質調査法II5.3.2 ICP発光分光分析法)に準じて、サンプル原土中の銅濃度を測定し、これをサンプル原土1kgあたりの量に換算した。
【0031】
[実施例1−1]
評価用原土(1)100質量部に対して、1質量部の過硫酸ナトリウムを添加し、ハンドミキサーで5分間混合した後、乾燥質量として50g採取し、採取した試料を密閉したガラス瓶中で24時間静置し、浄化処理を行った。
浄化処理後の試料を乾燥質量として50g採取し、これと純水(500mL)とを混合して試料液とし、振とう機(200rpm、振幅4〜5cm)で6時間連続振とうし、溶出処理を行った。ついで、試料液を30分間静置した後、遠心分離機(3000rpm)で20分間遠心分離した。上澄み液を採取し、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液を検液として得た。なお、溶出処理時に、残留した過硫酸ナトリウムによるシアンの分解を防ぐため、純水500mLに対して濃度10質量%のアスコルビン酸水溶液5mL(過硫酸ナトリウム添加量の当量×1.35倍に相当)と、濃度10質量%の水酸化ナトリウム水溶液20mLを添加した。
得られた検液について、JIS K0102.38に準じて、T−CN濃度を測定した。これを浄化処理後のT−CN溶出量とする。さらに、下記式(1)よりシアン除去率を求めた。また、検液のpHについてpHメータを用い、常温で測定した。これらの結果を表1に示す。
シアン除去率(%)={(初期T−CN溶出量−浄化処理後のT−CN溶出量)/初期T−CN溶出量}×100 ・・・(1)
【0032】
[実施例1−2]
評価用原土(1)100質量部に対する過硫酸ナトリウムの添加量を3質量部に変更した以外は、実施例1−1と同様にして浄化処理を行い、浄化処理後のT−CN溶出量とシアン除去率、および検液のpHを求めた。これらの結果を表1に示す。
【0033】
[実施例1−3]
評価用原土(1)100質量部に対する過硫酸ナトリウムの添加量を5質量部に変更した以外は、実施例1−1と同様にして浄化処理を行い、浄化処理後のT−CN溶出量とシアン除去率、および検液のpHを求めた。これらの結果を表1に示す。
【0034】
[実施例2−1]
評価用原土(2)を用いた以外は、実施例1−1と同様にして浄化処理を行い、浄化処理後のT−CN溶出量とシアン除去率、および検液のpHを求めた。これらの結果を表1に示す。
【0035】
[実施例2−2]
評価用原土(2)を用い、評価用原土(2)100質量部に対する過硫酸ナトリウムの添加量を3質量部に変更した以外は、実施例1−1と同様にして浄化処理を行い、浄化処理後のT−CN溶出量とシアン除去率、および検液のpHを求めた。これらの結果を表1に示す。
【0036】
[実施例2−3]
評価用原土(2)を用い、評価用原土(2)100質量部に対する過硫酸ナトリウムの添加量を5質量部に変更した以外は、実施例1−1と同様にして浄化処理を行い、浄化処理後のT−CN溶出量とシアン除去率、および検液のpHを求めた。これらの結果を表1に示す。
【0037】
【表1】

【0038】
表1から明らかなように、各実施例において銅シアン錯体で汚染された汚染土壌(1)、(2)を浄化することができた。また、浄化処理後の検液のpHは7.0を超えた値を維持しており、試験例の結果から、シアン化水素ガスの発生が抑制されたことが示された。
従って、各実施例では、シアン化水素ガスの発生を抑制しつつ、汚染土壌(1)、(2)を浄化することができた。
【0039】
[実施例3]
銅シアン錯体により汚染された汚染土壌(3)を掘り出し、掘り出した汚染土壌(3)の状態を均一にするために混合機にて混合し、これを評価用原土(3)とした。評価用原土(3)について、評価用原土(1)、(2)と同様にしてT−CN溶出量(初期T−CN溶出量)およびpHを測定した。これらの結果を表2に示す。
ついで、図2に示す回転式粉砕混合機20を用い、評価用原土(3)と過硫酸ナトリウムとを回転式粉砕混合機20に投入し、評価用原土(3)を粉砕しながら過硫酸ナトリウムと混合し、24時間養生して、浄化処理を行った。なお、過硫酸ナトリウムの割合は、評価用原土(3)100質量部に対して1部とした。
得られた混合物について、実施例1−1と同様にして検液を調製し、浄化処理後のT−CN溶出量とシアン除去率、および検液のpHを求めた。これらの結果を表2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
表2から明らかなように、実施例3では、銅シアン錯体で汚染された汚染土壌(3)を浄化することができた。また、浄化処理後の検液のpHは7.0を超えた値を維持しており、試験例の結果から、シアン化水素ガスの発生が抑制されたことが示された。
従って、実施例3では、シアン化水素ガスの発生を抑制しつつ、汚染土壌(3)を浄化することができた。
【符号の説明】
【0042】
10:土壌混練機、20:回転式粉砕混合機、30:注入井戸、A:汚染土壌、B:過硫酸塩、C:混合物、Y:不飽和帯、Z:飽和帯、X:汚染土壌。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅シアン錯体で汚染された土壌および/または地下水を含む汚染領域を浄化する方法において、
汚染領域のpHが7.0を超える条件下で、当該汚染領域の汚染土壌および/または汚染地下水100質量部に対して、0.1質量部以上の過硫酸塩を添加して汚染領域を浄化することを特徴とする汚染領域の浄化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−183466(P2012−183466A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47604(P2011−47604)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】(000236610)株式会社不動テトラ (136)
【Fターム(参考)】