説明

汚泥の処理方法

【課題】脱水助剤の投入における運転管理上の作業性が改善された、汚泥の処理方法及び汚泥の処理装置を提供すること。
【解決手段】1)(1)汚泥貯留槽内の汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、(2)汚泥貯留槽に追加投入される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、(3)上記工程(1)及び(2)から該汚泥貯留槽内の汚泥の固形物量、及び添加すべき脱水助剤量を算出する工程、(4)前記算出された量の脱水助剤を投入機構により該汚泥貯留槽内の汚泥に一括投入する工程、を含む汚泥の処理方法。2)汚泥貯留槽に追加される汚泥の固形物量に対応した脱水助剤量と先に脱水される汚泥の脱水助剤量を別個に算出し、各々の汚泥に相当する量の脱水助剤を別個に各々の汚泥に投入する方法。3)(1)脱水工程に供給される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、(2)上記工程(1)から該汚泥に単位時間当たりに添加すべき脱水助剤量を算出する工程、(3)上記工程(2)で算出された量の脱水助剤を投入機構により汚泥貯留槽、汚泥流路、汚泥計量槽、及び凝集槽から選択される少なくとも1箇所の汚泥に投入する工程、を含む汚泥の処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、下水、し尿、産業排水等の排水処理に伴って発生する汚泥の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から下水処理施設、し尿処理施設、その他排水処理施設から発生する汚泥に、有機高分子凝集剤を添加し機械脱水する処理が行われているが、近年生活様式の変化等により汚泥が難脱水性となり、汚泥の含水率が低下し難いものとなっている。特に、オキシデーションディッチ処理された汚泥の脱水性は、混合生汚泥、標準活性汚泥、消化汚泥等に比較して脱水性が非常に悪い。オキシデーションディッチ法は、エアレーション時間が非常に長いため、硝化・脱窒が進み、汚泥中の繊維分がかなり分解され、凝集の核となる汚泥中の繊維分が少なくなるためであると考えられている。更には、ベルトプレス脱水機やフィルタープレス脱水機のような加圧式脱水機を使用する場合には、ろ布からの剥離性が不良になり、生じたろ布目詰まりの影響でろ過不良を起し、安定した脱水ができなくなると共に、ろ布の洗浄に時間が掛かるといった問題も生じている。
【0003】
同様に、し尿処理施設から発生する汚泥も、生物処理前段に設けられているスクリーンにより殆どの夾雑物が除去されるため、発生する汚泥には繊維分が少なくなり、汚泥の含水率低下が難しい。
【0004】
汚泥の含水率を低下させる手段として、短繊維状物を汚泥に添加した後に機械脱水する方法が従来から提案されており、例えば汚泥に含水率が30〜80重量%の繊維状物のビスコースレーヨンからなる汚泥用脱水助剤を混合した後、高分子凝集剤を添加し脱水する方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−283225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の短繊維状物を添加する方法では、ケーキ含水率の低減は認められるが、その形態から目的とする添加場所への添加方法に問題があった。即ち、液体や粉体の薬剤であればそのまま或いは水に溶解した状態でポンプによる注入が可能であるが、長さが数mm〜数cmの短繊維状物であるため薬注ポンプによる定量注入は困難で作業者が量り取り添加する必要があった。添加場所としては汚泥貯留槽が適当であるが実装置では連続的或いは間欠的に曝気槽や濃縮槽から汚泥が引抜かれてくるのでそれらのタイミングに合わせて作業者が脱水助剤を添加するのは現実的ではない。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、脱水助剤の投入における運転管理上の作業性が改善された、汚泥の処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下のとおりである。
1)(1)汚泥貯留槽内の汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(2)汚泥貯留槽に追加投入される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(3)上記工程(1)及び(2)から該汚泥貯留槽内の汚泥の固形物量、及び添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(4)前記算出された量の脱水助剤を投入機構により該汚泥貯留槽内の汚泥に一括投入する工程、
(5)上記工程(4)で得られた脱水助剤が混合された汚泥を脱水する工程、を含む汚泥の処理方法。
2)(1)汚泥貯留槽内の汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(2)汚泥貯留槽に追加投入される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(3)上記工程(1)における該汚泥貯留槽内の汚泥の固形物量、及び添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(4)上記工程(3)で算出された量の脱水助剤を投入機構により該汚泥貯留槽内の汚泥に一括投入する工程、
(5)上記工程(4)で得られた脱水助剤が混合された汚泥の脱水を開始する工程、
(6)上記工程(2)における追加の汚泥の固形物量、及び添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(7)上記工程(6)で算出された量の脱水助剤を該追加の汚泥に連動して投入機構により該汚泥貯留槽に添加する工程、を含む汚泥の処理方法。
3)(1)脱水工程に供給される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(2)上記工程(1)から該汚泥に単位時間当たりに添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(3)上記工程(2)で算出された量の脱水助剤を投入機構により汚泥貯留槽、汚泥流路、汚泥計量槽、及び凝集槽から選択される少なくとも1箇所の汚泥に投入する工程、
(4)上記工程(3)で得られる脱水助剤が混合された汚泥を脱水する工程、を含む汚泥の処理方法。
【0009】
本発明は、脱水助剤を、投入機構を用いて汚泥に投入することが大きな特徴であり、これにより運転管理を改善するものである。この投入機構は、脱水工程前段の処理工程に存在する汚泥に対して脱水助剤を機械的に投入する手段を具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、脱水助剤の投入機構を適用した汚泥処理を行うことによって、脱水助剤の添加場所において、連続的或いは間欠的に投入することができ、運転管理上の作業性の問題も解決され、且つ、汚泥脱水の含水率が低下し、汚泥ケーキ発生量が削減される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る、脱水助剤の投入機構を用いた本発明の汚泥の処理方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の汚泥の処理方法1)(以下、本方法1)ともいう)は、少なくとも以下の工程(1)〜(5)を含む。
(1)汚泥貯留槽内の汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(2)汚泥貯留槽に追加投入される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(3)上記工程(1)及び(2)から該汚泥貯留槽内の汚泥の固形物量、及び添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(4)前記算出された量の脱水助剤を投入機構により該汚泥貯留槽内の汚泥に一括投入する工程、
(5)上記工程(4)で得られた脱水助剤が混合された汚泥を脱水する工程、を含む汚泥の処理方法。
上記工程(1)は、汚泥容量、及び汚泥濃度を計測することで、汚泥貯留槽内の汚泥の固形物量を求めるものである。本発明において、固形物量とは、固形物の質量を意味する。同様に該工程(2)では、該追加投入される固形物量を求める。そして、該工程(3)では、該工程(1)及び(2)から汚泥貯留槽内に存在する全汚泥の固形物量を求めるとともに該固形物量に基づいて添加すべき脱水助剤量を算出する。該工程(4)では、該脱水助剤量を汚泥貯留槽内の汚泥に投入機構により一括投入し、該工程(5)では、該脱水助剤が混合された汚泥を脱水する。
【0013】
本発明の汚泥の処理方法2)(以下、本方法2)ともいう)は、少なくとも以下の工程(1)〜(7)を含む。
(1)汚泥貯留槽内の汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(2)汚泥貯留槽に追加投入される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(3)上記工程(1)における該汚泥貯留槽内の汚泥の固形物量、及び添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(4)上記工程(3)で算出された量の脱水助剤を投入機構により該汚泥貯留槽内の汚泥に一括投入する工程、
(5)上記工程(4)で得られた脱水助剤が混合された汚泥の脱水を開始する工程、
(6)上記工程(2)における追加の汚泥の固形物量、及び添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(7)上記工程(6)で算出された量の脱水助剤を該追加の汚泥に連動して投入機構により該汚泥貯留槽に添加する工程、を含む汚泥の処理方法。
本方法2)が本方法1)と相違する点は、本方法2)では、汚泥貯留槽に追加される汚泥の固形物量に対応した脱水助剤量と先に脱水される汚泥の脱水助剤量を別個に算出し、各々の汚泥に相当する量の脱水助剤を別個に各々の汚泥に投入する点である。本方法2)においても、本方法1)と同様に該別個の脱水助剤は、何れも汚泥貯留槽内の汚泥に投入される。
本方法2)は、先の汚泥と汚泥濃度等が異なった汚泥を処理する場合に有効であり、本方法1)は、汚泥濃度等が一定の場合に有効である。
本方法1)及び2)において、汚泥貯留槽で脱水助剤と混合された汚泥は、脱水工程に移送されるが、脱水工程の前段で任意の処理が施されてもよい。後述の本発明3)についても上記と同様である。
【0014】
本発明の汚泥の処理方法3)(以下、本方法3)ともいう)は、少なくとも以下の工程(1)〜(4)を含む。
(1)脱水工程に供給される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(2)上記工程(1)から該汚泥に単位時間当たりに添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(3)上記工程(2)で算出された量の脱水助剤を投入機構により汚泥貯留槽、汚泥流路、汚泥計量槽、及び凝集槽から選択される少なくとも1箇所の汚泥に投入する工程、
(4)上記工程(3)で得られる脱水助剤が混合された汚泥を脱水する工程、を含む汚泥の処理方法。
本方法3)において、工程(1)では、脱水工程に供給される固形物量が算出され、工程(2)では、この固形物量に応じた、該汚泥に単位時間当たりに添加すべき脱水助剤量(以下、脱水助剤単位量ともいう)が算出され、工程(3)では、該脱水助剤単位量に時間を乗じて得た値に相当する量の脱水助剤が、該汚泥に添加される脱水助剤の総量となるように、汚泥の処理経路、即ち、汚泥貯留槽、汚泥流路、汚泥計量槽、及び凝集槽から選択される少なくとも1箇所の汚泥に投入機構により投入され、工程(4)では、該脱水助剤の総量が添加された汚泥が脱水処理される。
上記脱水助剤単位量の単位としての時間は、任意に設定できる。本方法3)は、汚泥性状が時間的に変動する場合、例えば、種々の汚泥自体への処理を介在させた場合等に好適であり、最適な脱水助剤量を汚泥に添加することができる。
【0015】
本方法1)〜3)(以下、単に本発明ともいう)において、投入機構は、脱水助剤の収容部を有し、連続運転又は間欠運転にて該脱水助剤を該汚泥に投入できるようにタイマ制御できる手段が設けられた装置であることが好ましい。ここで、連続運転とは、脱水助剤が時間の経過とともに連続的に汚泥に投入されることを意味し、間欠運転とは、脱水助剤が時間の経過とともに断続的に汚泥に投入されることを意味する。なお、該断続的には、瞬間的からある一定の幅を持った時間の連続的な脱水助剤の投入も包含される。
また、該投入の態様は、単に重力による脱水助剤の落下や、案内装置又は部材等により脱水助剤を移送又はスライドさせ、次いで脱水助剤を槽、管内に落下させる等が挙げられる。これらの態様は、1つの投入機構を備えた装置に上記案内装置又は部材等を具備させることにより異なる投入位置に脱水助剤を投入することができる。
【0016】
本発明、特に本方法3)は、汚泥の処理条件、即ち、汚泥貯留槽から脱水工程直前までの汚泥の移送時間、即ち、汚泥の処理の種類(例えば、嫌気性処理、好気性処理、脱窒処理等)により変化する処理時間、又は槽内での滞留時間及び汚泥の槽間移送時間の総和、並びに汚泥の処理の種類、条件を勘案して、脱水助剤が投入される位置、脱水助剤の投入量を適宜設定することができる。そして、本発明は、該設定事項と投入機構のタイマ制御手段とを関連づけ、タイマ制御手段は予め設定した時間に脱水助剤の汚泥への機械的部材の駆動による投入が実行されるように設定される。そのために、タイマ制御手段は、該駆動手段の駆動のオン、オフを時間的に制御する。例えば、本方法3)の投入位置としては、脱水助剤を投入した後に脱水助剤が消化されないような位置、例えば、汚泥貯留槽、汚泥流路、汚泥計量槽、又は凝集槽で投入することが挙げられるが、特にこられのみに限定されるものではない。投入位置は、本方法1)及び2)では、該汚泥貯留槽であり、本方法3)では、上記槽、汚泥流路の内1箇所以上等で実施でき、適宜、投入量が投入機構の駆動手段の投入出力、投入時間、単位時間当たりの投入量等を調整することにより設定できる。投入機構を備えた装置は、各投入位置に各々設けてもよいし、1装置に脱水助剤を投入位置に投入可能な前記手段を設けたものでもよい。
【0017】
本発明において、該脱水助剤の投入量は、汚泥の種類、性状(含水率等)、凝集剤、pH調整剤等の薬の使用の有無等により適宜選定されるが、脱水助剤投入前の汚泥の固形物量に対して0.5〜10%の脱水助剤が投入、混合された状態で脱水されることが好ましい。
本発明の汚泥の処理方法では、上述のように脱水助剤が、少なくとも上記特定の位置で投入機構により投入されるのであれば、汚泥の処理に関しては、上述のように基本的に任意の処理を行うことができる。
【0018】
本発明において、固形物量は、汚泥容量に汚泥濃度を乗じて得られる。汚泥容量及び汚泥濃度を計測する手段としては、特に制限はなく、任意の手段が適用できる。また、上記計測は、断続的であってもよいし、連続的であってもよい。例えば、脱水すべき汚泥の性状あるいは種類が、汚泥の脱水処理において、時間的に断続的に変化するか、連続的に変化するかにより上記測定法を選択できる。例えば、汚泥容量は、汚泥計量槽等に表示してある目盛を視認する方法、汚泥濃度は、容器に汚泥を分取し、汚泥の沈降性から目視で算出する方法の他、汚泥を流量計に通過させることより汚泥容量を計測するとともに同汚泥を光学装置に通過させ光学的に汚泥濃度を計測する方法等が挙げられる。また、後者の装置の場合、固形物量及びそれに対応する脱水助剤量を自動で計算する手段が備えられていることが好ましい。また、同装置は、該脱水助剤量の情報を投入機構のタイマ制御手段に連絡する手段を備えることもできる。
【0019】
本発明に用いられる脱水助剤は、汚泥の脱水性を改善できる吸水性の繊維素材であれば何でも使用でき、木綿、リンター、麻、わら、ヤシガラ、ジュート、ケナフ等の植物性繊維、クラフトパルプ、サルファイトパルプ等の木材パルプ、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、アセテート、リヨセル等のセルロース系再生繊維、絹、羊毛などの動物性繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、ナイロン等の合成繊維を親水化、中空化して吸水性を付与したもの、木材、竹、笹、わら、古紙などの粉砕物、その他オカラ、オガクズ、コーヒーカス、落葉、イネワラ、ムギワラ、野菜クズなどが挙げられる。
中でもセルロース系の繊維は吸水力が大きく好ましい。また、セルロース系の繊維は長さ等の形状が均質化された短繊維状物に加工できる利点を有している。短繊維状物とはフィラメントのように一本ずつの繊維の単位が区別できるものを言う。材質としてはビスコースレーヨンが最も好ましい。
上記短繊維は、長さが1〜20mmが好ましく、脱水助剤の含水率は、30〜80質量%が好ましい。
【0020】
本発明の汚泥の処理方法に用いられる装置としては、該汚泥を槽又は脱水装置へ移送する管、該脱水助剤と汚泥との混合物を脱水するための脱水装置を含むが、適宜、バルブ、ポンプ、ブロワ、並びにそれらの駆動制御装置等を設け、汚泥の移送を自動的、又は手動により行うこともできる。
【0021】
次に上述のような脱水助剤の投入機構を用いた本発明の汚泥の処理方法の一例を、図1を参照して説明する。
汚泥3は、汚泥貯留槽4に注入される前に汚泥流路5aから汚泥を採取し、脱水すべき汚泥の濃度が測定される。汚泥3は、汚泥貯留槽4に貯留されるとともに汚泥容量が計測され、固形物量、汚泥に混合される脱水助剤量、又は脱水助剤単位量が求められる。次いで該汚泥は汚泥流路5b、汚泥計量槽6、汚泥流路5c、混和槽7、及び脱水機8の順に移送される。脱水助剤2は、汚泥貯留槽4、汚泥流路5b、汚泥計量槽6、汚泥流路5c、及び混和槽7の少なくとも何れか1箇所以上の汚泥に一括乃至分割して上記脱水助剤量となるように投入機構1より投入される。このとき、脱水助剤2の投入は、投入機構1に連絡した管路を用いてもよいし、投入機構1から直接、槽等に落下させてもよい。脱水助剤が投入、混合された汚泥3aは、脱水機8にて脱水される。また、所望により、凝集剤7aを混和槽7に投入し、汚泥3aを濃縮してから、脱水機8にて脱水してもよい。なお、上記処理方法では、汚泥自体の処理を含まないが、前記のような消化処理等を槽間に適宜介在させることができる。
【0022】
上記で添加される脱水助剤量を求めるための汚泥濃度又は汚泥容量の計測は、上記脱水助剤が投入可能な何れかの位置で汚泥を採取等して測定し、決定してもよく、例えば、汚泥計量槽等を用いて汚泥容量及び汚泥濃度を計測してもよい。更に、汚泥貯留槽の汚泥が収容量不足、上記移送等による減量等、新たな汚泥が追加可能となった場合等の汚泥貯留槽への追加量に相当する固形物量を上記汚泥の固形物量と合算して新たな脱水助剤量としたものを一括乃至分割して汚泥に投入してもよいし、該追加可能となった場合の追加量を合算しないで、先の汚泥とは別個に、該追加量を新たな汚泥の固形物量としたものに相当する脱水助剤量を別途算出して追加汚泥に一括乃至分割して汚泥に投入、脱水してもよい。
【符号の説明】
【0023】
1…投入機構、2…脱水助剤、3…汚泥、3a…脱水助剤が混合された汚泥、4…汚泥貯留槽、5a、5b、5c…汚泥流路、6…汚泥計量槽、7…混和槽、7a…凝集剤、8…脱水機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)汚泥貯留槽内の汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(2)汚泥貯留槽に追加投入される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(3)上記工程(1)及び(2)から該汚泥貯留槽内の汚泥の固形物量、及び添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(4)前記算出された量の脱水助剤を投入機構により該汚泥貯留槽内の汚泥に一括投入する工程、
(5)上記工程(4)で得られた脱水助剤が混合された汚泥を脱水する工程、を含む汚泥の処理方法。
【請求項2】
(1)汚泥貯留槽内の汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(2)汚泥貯留槽に追加投入される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(3)上記工程(1)における該汚泥貯留槽内の汚泥の固形物量、及び添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(4)上記工程(3)で算出された量の脱水助剤を投入機構により該汚泥貯留槽内の汚泥に一括投入する工程、
(5)上記工程(4)で得られた脱水助剤が混合された汚泥の脱水を開始する工程、
(6)上記工程(2)における追加の汚泥の固形物量、及び添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(7)上記工程(6)で算出された量の脱水助剤を該追加の汚泥に連動して投入機構により該汚泥貯留槽に添加する工程、を含む汚泥の処理方法。
【請求項3】
(1)脱水工程に供給される汚泥容量、及び汚泥濃度を計測する工程、
(2)上記工程(1)から該汚泥に単位時間当たりに添加すべき脱水助剤量を算出する工程、
(3)上記工程(2)で算出された量の脱水助剤を投入機構により汚泥貯留槽、汚泥流路、汚泥計量槽、及び凝集槽から選択される少なくとも1箇所の汚泥に投入する工程、
(4)上記工程(3)で得られる脱水助剤が混合された汚泥を脱水する工程、を含む汚泥の処理方法。
【請求項4】
前記投入機構は、脱水助剤の収容部を有し、連続運転又は間欠運転にて該脱水助剤を該汚泥に投入できるようにタイマ制御できる手段が設けられた装置である、請求項1〜3のいずれか1項の汚泥の処理方法。
【請求項5】
前記脱水助剤は、セルロース短繊維である、請求項1〜4のいずれか1項の汚泥の処理方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−34956(P2013−34956A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173998(P2011−173998)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(591030651)水ing株式会社 (94)
【Fターム(参考)】