説明

決済処理装置

【課題】 読取書込装置に決済カードを長くかざすべきかどうかの判断をつけにくく、決済サーバとのオンライン通信が必要な場合で長く決済カードをかざす必要がある場合に、途中で決済カードをかざすのをやめた場合、オンライン通信後の決済カードへの決済記録の書き込みにおいて書き込みエラーとなる可能性があった。
【解決手段】 入力部102より入力された情報と、記憶部105に記憶された情報を比較し、その比較結果に基づいて報知部101に出力する内容を変化させ、またセンタとの照会処理中に読取書込装置110による読み取りおよび/または書き込み不可能な位置に移動された場合には、再度決済カード140を読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる旨の情報を報知することにより、操作ミスを防止し、決済不可となる可能性を低減した決済処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済カード等を用いて決済処理を行う決済処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、クレジットカードや電子マネーの普及に伴い、決済処理装置が店舗等に設置されている。この決済処理装置は、クレジットカードや電子マネーカードなどの決済カードを用いて取引を行う際に、その決済カードを用いた取引が可能か否かを電話回線等を用いたオンライン通信によりカード会社などの決済サーバに確認したり、カードを用いた決済処理を行うことを目的としたものである。なお、取引金額が小額の場合には決済サーバと決済処理装置とはオンライン通信を行わず、承認されたものとみなしてオフラインで決済処理を行う場合もある。
【0003】
従来の決済処理装置および決済処理システムを図5および図6を用いて説明する。
図5は従来の決済処理装置および決済処理システムにおけるシステムの構成を示す図であり、図6は従来の決済処理装置および決済処理システムにおける処理のフローを示す図である。
【0004】
図5に示す決済カード340には、磁気ストライプを持った磁気カード、IC接点およびICチップをもった接触式ICカード、ループアンテナおよびICチップが内蔵された非接触ICカードなどがあるが、ここでは非接触ICカードを用いた場合の例を示す。
【0005】
図5において、300は決済端末であり、この決済端末300は、操作者等に報知を行う報知部301と、金額情報等を入力する入力部302と、伝票等の印字を行う印字部303と、決済に関する情報等を記憶する記憶部305と、入力部302により入力された情報と記憶部305に記憶されている情報との比較等を行う比較部306を備えている。また、310は決済カード340の情報を読み取る読取書込装置であり、通信ケーブル350により決済端末300に接続されている。また、320はカード会社を示しており、カード会社320には決済情報の管理などを行う決済サーバ321が設けられている。そして、決済端末300は通信回線304により通信網330に接続されており、この通信網330を介して決済サーバ321に接続されている。
【0006】
また、上記した決済端末300と読取書込装置310により決済処理装置10を構成しており、決済処理装置10と決済サーバ321から決済処理システムが構成されている。
次に、上記構成の決済処理装置および決済処理システムの動作について図5と図6を用いて説明する。
【0007】
店舗において、客が決済カード340を用いた決済を希望するとき、店員は、まず、決済金額を決済端末300に設けられたキーボードなどの入力部302から入力する(S601)。報知部301には入力した決済金額が表示され、さらに、客の決済カード340を読取書込装置310にかざすようにガイダンスメッセージが表示される(S602)。その後、客は、客の決済カード340を読取書込装置310にかざす(S603)。このとき、読取書込装置310の発する電波により決済カード340から会員番号等の情報が読取書込装置310により読み出され、決済端末300に送信される。
【0008】
また、記憶部305には、オンラインにより決済サーバ321に確認が不要な金額の上限値情報(以下オフライン決済上限値金額という)が記憶されている。入力部302から入力された決済金額と、記憶部305に記憶されているオフライン決済上限値金額を比較部306により比較する(S604)。入力部302から入力された決済金額が記憶部305に記憶されているオフライン決済上限値金額を超えているか確認し(S605)、オフライン決済上限値金額以下の場合には、オンライン通信を用いた決済サーバ321による承認は不要と判断される。この場合、読取書込装置310により決済カード340に決済の記録を書き込み(S606)、印字部303より売上伝票を印字し(S607)、報知部301に取引承認のメッセージを表示して(S608)決済は終了する。
【0009】
一方、入力部302から入力された決済金額が、記憶部305に記憶されているオフライン決済上限値金額を越える場合には、オンライン通信を用いた決済サーバ321による承認が必要と判断される。この場合、通信回線304と通信網330を用いて、入力部302より入力した決済金額および読取書込装置310で読み取った会員番号情報などの情報がカード会社320内の決済サーバ321に送信される(S609)。決済サーバ321では、受信した決済金額および会員番号情報から決済の可否を判断し、判断結果を通信回線304と通信網330を用いて決済端末300に返信する。決済端末300は、決済サーバ321からの決済可否の情報を受信し(S610)、決済可能かどうかの判断を行い(S611)、返信された決済可否情報が決済可能である場合、読取書込装置310により決済カード340に決済の記録を書き込み(S612)、印字部303より売上伝票を印字し(S613)、報知部301に取引承認のメッセージを表示して(S614)決済は終了する。また、決済端末300は、返信された判断結果が決済不可である場合、報知部301に取引不可のメッセージを表示して(S615)決済は終了する。
【0010】
また、オンライン処理が不可能な場合、電話での承認作業を支援するために、報知部に電話で通知すべき取引内容を表示して、操作者に案内するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
また、文字表示によるガイダンスのみでなく、音声メッセージによるガイダンスも行い、弱視者等の利便性を高めた決済端末も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−131370号公報
【特許文献2】特開平9−231466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記した従来の決済処理装置および決済処理システムにおいては、決済金額の大小により、決済サーバ321へのオンライン通信が不要なオフライン決済で終了する場合と、決済サーバ321へのオンライン通信が必要となる場合がある。
【0013】
決済サーバ321へのオンラインが不要なオフライン決済の場合は、取引可否は瞬時に判断されるため、客が決済カード340を読取書込装置310にかざす時間は短くて済む。
【0014】
しかし、決済サーバ321へのオンライン通信が必要な場合には、まず決済カード340を読取書込装置310にかざし、会員番号情報などを読み取ったあと、決済サーバ321との通信を行い、決済可能な場合には再度読取書込装置310より決済カード340へ決済記録を書き込むため、この再度の書き込み処理がいつ開始されるか必ずしも明確にはならないため、決済処理の便宜上、決済サーバ321との通信処理の時間中も決済カード340を読取書込装置310にかざしておく必要があり、客が決済カード340をかざす時間は長くなる。
【0015】
このとき、客は決済カード340をかざしておく時間に関する情報等が与えられていないため、決済カード340を長時間かざすべきかどうかの判断が困難である。従って、決済サーバ321とのオンライン通信が必要な場合で、長く決済カード340をかざしておく必要がある場合でも、途中で決済カード340をかざすことをやめてしまい、決済カード340が読取書込装置310の通信可能範囲内に存在しなくなることにより、オンライン通信後の決済カード340への決済記録の書き込みにおいて、決済カード340への書き込みができずエラーとなる場合が生じるという課題があった。
【0016】
なお、特許文献1に記載のものは、オンライン処理が不可能な場合、電話での承認作業を支援するために、報知部に電話で通知すべき取引内容を表示して操作者に案内するものであり、操作者のカードのかざし方などの操作ミスによる取引不可を防止するものではなかった。
【0017】
また、特許文献2に記載のものは、文字表示によるガイダンスのみでなく、音声メッセージによるガイダンスも行い、弱視者等の利便性を高めるものであるが、操作者のカードのかざし方などの操作ミスによる取引不可を防止するものではなかった。
【0018】
本発明は、入力部により入力された情報と、記憶部に記憶された情報とを比較し、その比較結果に基づいて報知部に案内を報知させ、また、決済サーバとの照会処理中に前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み不可能な位置に移動された場合には、再度決済カードを読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる旨の情報を報知することにより、操作ミスを防止し、決済不可となる可能性を低減する決済処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の決済処理装置は、情報記録担体の情報の読み取りおよび/または書き込みを行う読取書込装置と、前記読取書込装置と通信を行い決済処理を行う決済端末とからなる決済処理装置であって、前記決済端末は、決済に関する情報を入力する入力部と、決済に関する所定の情報を記憶する記憶部と、前記入力部により入力された情報と前記記憶部に記憶されている情報とを比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づいて前記情報記録担体を前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させるための異なる情報を報知する報知部とを備えたものである。
【0020】
また、本発明の決済処理装置は、記憶部に記憶される決済に関する所定の情報は金額情報であり、入力部により入力された金額情報と前記記憶部に記憶されている金額情報との大小関係によって、報知部により情報記録担体を読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させるための異なる情報を報知するものである。
【0021】
また、本発明の決済処理装置は、入力部により入力された金額情報が記憶部に記憶されている金額情報より大きい場合に報知する情報は、小さい場合と比べて長い時間情報記録担体を読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる旨の情報としたものである。
【0022】
また、本発明の決済処理装置は、入力部により入力された金額情報が記憶部に記憶されている金額情報より大きい場合に報知する情報は、情報記録担体を読取書込装置に載置させる旨の情報としたものである。
【0023】
また、本発明の決済処理装置は、記憶部に記憶される決済に関する所定の情報は製品情報であり、入力部により入力された製品情報と前記記憶部に記憶されている製品情報を比較部において比較するものである。
【0024】
また、本発明の決済処理装置は、入力部により入力された製品情報が記憶部に記憶されている製品情報と一致する場合に報知する情報は、不一致の場合と比べて長い時間情報記録担体を読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる旨の情報としたものである。
【0025】
また、本発明の決済処理装置は、入力部により入力された製品情報が記憶部に記憶されている製品情報と一致する場合に報知する情報は、情報記録担体を読取書込装置に載置させる旨の情報としたものである。
【0026】
また、本発明の決済処理装置は、比較部は比較結果に基づいて外部に設けられた決済処理情報を管理する決済サーバと通信による照会処理が必要か否かを判断し、必要と判断した場合には前記決済サーバとの照会処理を行うものである。
【0027】
また、本発明の決済処理装置は、決済サーバとの照会処理中に情報記録担体が読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み不可能な位置に移動された場合には、前記情報記録担体を前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる旨の情報を報知するものである。
【0028】
また、本発明の決済処理装置は、読取書込装置による情報記録担体の情報の読み取りおよび/または書き込み状態に基づいて決済サーバとの照会処理中に前記情報記録担体が前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み不可能な位置に移動された否かを判断するものである。
【0029】
また、本発明の決済処理装置は、読取書込装置は情報記録担体の存在を検出する検出部を備え、前記検出部の検出結果に基づいてセンタとの照会処理中に前記情報記録担体が前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み不可能な位置に移動された否かを判断するものである。
【0030】
また、本発明の決済処理装置は、報知部は文字情報を表示する機能を備え、情報記録担体を読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる方法を文字情報として報知するものである。
【0031】
また、本発明の決済処理装置は、報知部は音声情報を発する機能を備え、情報記録担体を読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる方法を音声情報として報知するものである。
【0032】
また、本発明の決済処理装置は、読取書込装置にも報知部を備え、読取書込装置の報知部および/または決済処理処理装置の報知部により報知を行うものである。
また、本発明の決済処理装置では、情報記録担体が非接触カードであり、読取書込装置は前記非接触カードと通信を行う機能を有したものである。
【0033】
また、本発明の決済処理装置は、読取書込装置を決済端末に組み込んで一体構成としたものである。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明は、入力部より入力された情報と、記憶部に記憶された情報とを比較し、その比較結果に基づいて報知部に案内を報知させ、また、決済サーバとの照会処理中に情報記録担体の情報の読み書きを行う読取書込装置の読み取りおよび/または書き込み不可能な位置に情報記録担体が移動された場合には、再度情報記録担体を読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる旨の情報を報知することにより、操作ミスを防止し、決済不可となる可能性を低減する決済処理装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1から図4を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における決済処理装置および決済処理システムの概略構成を示す図であり、図2は実施の形態1における決済処理装置および決済処理システムの処理フローを示す図である。なお、本実施の形態では、後述する決済端末100と読取書込装置110とにより決済処理装置1を構成しており、この決済処理装置1と決済サーバ121により決済処理システムを構成している。
【0036】
図1において、100は決済端末であり、この決済端末100は、操作者等に報知を行う報知部101と、金額情報等を入力する入力部102と、伝票等の印字を行う印字部103と、決済に関する情報等を記憶する記憶部105と、入力部102により入力された情報と記憶部105に記憶されている情報の比較等を行う比較部106とを備えている。なお、比較部106はCPU(Central Processing Unit)等により実現される。
【0037】
また、110は後述する決済カード140の情報の読み取りや書き込みを行う読取書込装置であり、この読取書込装置110には報知部111が設けられており、通信ケーブル150により決済端末100に接続されている。また、140は情報記録担体の一例である非接触方式の決済カードであり、読取書込装置110と通信を行うためのループアンテナ(図示せず)と情報の記憶などを行うICチップ(図示せず)等で構成されている。また、120はカード会社を示しており、カード会社120には決済情報の管理などを行う決済サーバ121が設けられており、この決済サーバ121は一般的にセンタとも呼ばれている。そして、決済端末100は通信回線104により通信網130に接続されており、この通信網130を介して決済サーバ121に接続されている。なお、上記した報知部101と報知部111としては、例えば液晶ディスプレイ等が用いられ、文字を表示する機能を有している。
【0038】
以上のように構成された決済処理装置1および決済処理システムについて、図1と図2を用いてその動作を説明する。
店舗において、客が決済カード140を用いた決済を希望するとき、店員は、まず、決済金額をキーボードなどの入力部102から入力する(S201)。また、記憶部105には、オンラインにより決済サーバ121に確認が不要な金額の上限値情報(以下オフライン決済上限値金額という)が記憶されている。そして、入力部102から入力された決済金額と、記憶部105に記憶されているオフライン決済上限値金額とを比較部106により比較する(S202)。入力部102から入力された決済金額は比較部106に送信され、記憶部105に記憶されているオフライン決済上限値金額もあらかじめ格納されたプログラムを実行することで記憶部105から比較部106に引き出される。比較部106において、決済金額がオフライン決済上限金額を超えているか確認し(S203)、オフライン決済上限値金額以下の場合には、オンライン通信を用いた決済サーバ121による承認は不要と判断される。
【0039】
この場合、決済端末100の報知部101および読取書込装置110の報知部111には決済金額が表示され、さらに、客の決済カード140を読取書込装置110にかざすようにガイダンスメッセージが表示される(S204)。このときのガイダンスメッセージは、例えば、図2に示すオフライン決済用のガイダンスメッセージ201に示すような「金額・・・¥1000円 カードをかざしてください。」といった内容であり、決済カード140をかざす時間が短時間ですむため、客に決済カード140を読取書込装置110にかざすことのみを案内するものである。なお、ここでいうかざすとは、決済カード140を読取書込装置110の通信範囲内に位置させることを意味する。その後、客は、案内に従って客の決済カード140を読取書込装置110にかざす(S205)。このとき、読取書込装置110の発する電波により決済カード140から会員番号等の情報が読取書込装置110により読み出され、読取書込装置110により決済カード140に決済の記録を書き込み(S206)、印字部103より売上伝票を印字して(S207)報知部101に取引承認のメッセージを表示して(S208)決済は終了する。
【0040】
一方、比較部106において比較された結果、入力部102から入力された決済金額が、記憶部105に記憶されているオフライン決済上限値金額を越える場合には、オンライン通信を用いた決済サーバ121による承認が必要と判断される。このとき、報知部101および報知部111には決済金額が表示され、さらに、客の決済カード140を読取書込装置110に置くように、すなわち、上記した単に短時間かざす場合と比べて長い時間決済カード140を読取書込装置110の通信可能範囲内に位置させるようにガイダンスメッセージが表示される(S209)。このときのガイダンスメッセージは、例えば、図2に示すオンライン決済用のガイダンスメッセージ202に示すような「金額・・・¥1000円 オンライン通信を行います。 カードを置いてください。」といった内容であり、決済カード140をかざす時間はオンライン通信を含む長時間となるため、客にカード140を読取書込装置110に短時間かざすのではなく、決済カード140を読取書込装置110の上に置いて長時間かざした状態とすることを案内するものである。
【0041】
その後、客は、案内に従って、客の決済カード140を読取書込装置110上の読み書き可能な位置に置く(S210)。このとき、読取書込装置110により決済カード140の会員番号等の情報が読み出され、決済端末100に送信される。そして、通信回線104および通信網130を用いて、入力部102より入力した決済金額および読取書込装置110より読み取った会員番号情報などの情報が、決済端末100からカード会社102内の決済サーバ121に送信される(S211)。決済サーバ121は受信した決済金額および会員番号情報より決済の可否を判断し、判断結果を通信回線104および通信網130を用いて決済処理装置100に返信する。決済端末100は、決済サーバより決済可否の情報を受信し(S212)、決済可能かどうかの判断を行い(S213)、返信された判断結果が決済可能である場合、読取書込装置110により決済カード140に決済の記録を書き込み(S214)、印字部103により売上伝票を印字し(S215)、報知部101に取引承認のメッセージを表示して(S216)決済は終了する。
【0042】
なお、決済処理装置100は、返信された判断結果が決済不可である場合には、報知部101および/または報知部111に取引不可のメッセージを表示して(S217)決済は終了する。
【0043】
このように、入力部102から入力された決済金額が、記憶部105に記憶されているオフライン決済上限値金額を越え、オンライン通信を用いた決済サーバ121による承認が必要となった場合、客が決済カード140を読取書込装置110の上に置き、一度会員番号等の情報を読み取ったあと、決済サーバ121とオンライン通信し、決済サーバ121により決済可能と判断されると、その後決済カード140に決済記録を書き込む必要がある。すなわち、決済カード140に対して2度読み書きが発生することになる。そのため、読取書込装置110は、決済サーバ121とオンライン通信をしている間、定期的に決済カード140の情報を読み取るようにする。このとき決済カード140の情報が読み取れなかった場合には、読取書込装置110の通信可能範囲外に決済カード140が離されたものと判断し、報知部101および報知部111に、決済カード140を読取書込装置110にかざすあるいは載置するように注意を促すガイダンスメッセージを表示する。このガイダンスメッセージは、例えば「カードが離されました。 再度カードをかざしてください!!」といった内容のものである。
【0044】
以上のように、本実施の形態によれば、入力部102により入力された決済金額を記憶部105に記憶されているオフライン決済上限値と比較し、その結果により報知部101および/または報知部111に表示するガイダンスメッセージを切り替えることにより、利用者等が決済カード140をかざす時間を誤るといった操作ミスを防止し、決済不可となる可能性を低減することができる。
【0045】
なお、ガイダンスメッセージは記憶部105に記憶されており、比較部106が比較結果に基づいて記憶部106に記憶されている異なるガイダンスメッセージの中から1つのガイダンスメッセージを選択して報知部101および/または報知部111に表示させることにより、利用者等に対して決済カード140を読取書込装置110の通信可能な位置に位置させる方法を報知するものである。
【0046】
次に、オンライン通信が必要となった場合の決済処理装置1の動作について説明する。
オンライン通信が必要となった場合に、オンライン通信中も決済端末100が読取書込装置110を介して決済カード140のデータの定期的な読み込みを行い、読取書込装置110から読取結果を受信することで、読取書込装置110の読取状態に基づいて決済カード140が読取書込装置110の読み書き可能な位置にあるか否かを確認することができる。
【0047】
そして、読取書込装置110から読取結果が受信できない、すなわち、読取書込装置110による決済カード140の情報の読込が不可能な場合には、読取書込装置110の通信可能な範囲から決済カード140が離されたものと判断し、報知部101および報知部111に決済カード140を読取書込装置110にかざすあるいは載置するように注意を促すガイダンスメッセージを表示する。このガイダンスメッセージは、上述したように、例えば「カードが離されました。 再度カードをかざしてください!!」といった内容のものである。このようにすることで、オンライン通信の途中で決済カード140が読取書込装置110の通信可能範囲から離されてしまうといった操作ミスを防止し、決済不可となる可能性を低減することができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、報知部101および報知部111において文字情報によるガイダンスを行う例を示したが、報知部101および報知部111に音声情報を発生する機能をもたせ、音声メッセージによるガイダンスを行うようにしてもよい。
【0049】
また、本実施の形態では、非接触方式の決済カード140および非接触方式の読取書込装置110を用いたが、IC接点を持った接触式ICカードおよび接触式ICカードの情報の読み書きを行う読取書込装置を用いても同様の効果を得ることができる。この場合、オンラインが必要と判断すると、接触式ICカードを読取装置内に挿入したままの状態とすることを指示するガイダンスを報知することが必要である。
【0050】
また、本実施の形態では、決済端末100と読取書込装置110の両方に報知部101、報知部111を設ける例を示したが、どちらか一方のみに報知部を設けるようにしてもよい。
【0051】
また、入力部102により金額情報を入力し、さらに比較部106により比較を行って報知部101および/または報知部111により報知を行った後に、読取書込装置110の読み取りおよび/または書きこみを開始させるように決済端末100に設けられた図示しない制御部で制御することで、客は決済カード140の読み取りに関する情報を報知された後に決済カード140の読み取りを行うことができるので、より操作ミスを防止し、決済不可となる可能性を低減することができる。
【0052】
なお、本実施の形態では決済カード140の情報を読み取るに際し、決済カード140の情報を読み、また、決済カード140に情報を書き込める読取書込110を用いたが、本発明を実施するにあたっては、読取専用機でもよい(以下の実施の形態において同じ)。
(実施の形態2)
本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】
図3は実施の形態2の決済処理装置および決済処理システムの概略構成を示す図である。図3において、112は読取書込装置110に設けられた検出部であり、決済カード140が読取書込装置110の読み書き可能な位置にあるか否かを光学的に検知するものである。なお、この検出部112は、上部に位置する発光部112aと、下部に位置する受光部112bとから構成され、上部の発光部112aから発光される光を下部の受光部112bで感知することで決済カード140の有無を検出するものである。上部の発光部112aから発光された光が下部の受光部112bで感知できるとき、上部の発光部112aと下部の受光部112bとの間に決済カード140が無いと判断される。一方、上部の発光部112aから発光された光が下部の受光部112bで感知できなくなったとき、上部の発光部112aと下部の受光部112bとの間に決済カード140が有ると判断される。なお、上部の発光部112aを読取書込装置110の読取書込可能範囲の上限部分に配置し、下部の受光部112bを読取書込装置110の読取書込可能範囲の下限部分に配置することにより、上部の発光部112aから発光された光が下部の受光部112bで感知できるときは、決済カード140が読取書込み可能な範囲に無いと判定され、上部の発光部112aから発光された光が下部の受光部112bで感知できないときは、決済カード140が読取書込み可能な範囲にあると判定される。
【0054】
実施の形態1と異なるのは、実施の形態1では、オンライン通信が必要となった場合に、オンライン通信中も決済カード140のデータを定期的に読み込むことにより、決済カード140が読み書き可能な位置にあることを確認し、読込不可能な場合には読取書込装置110から決済カード140が離されたものと判断するようにしたが、本実施の形態では、読取書込装置110に決済カード140を検出する上述した検出部112を設け、この検出部112により読取書込装置110の読取可能範囲から決済カード140が読み取り可能な範囲にあるかどうかを判断するようにした点である。そして、決済カード140が読取可能な範囲にない場合には、実施の形態1の場合と同様に、例えば「カードが離されました。 再度カードをかざしてください!!」といったガイダンスメッセージが表示される。
【0055】
本実施の形態においては、オンライン通信が必要となった場合に、オンライン通信中も検出部112により読取書込装置110から決済カード140が離されたかどうか検出することにより、決済カード140が読み書き可能な位置にあるか否かを確認し、決済カード140が読取書込装置110の読取可能な位置から離された場合には、報知部101および報知部111に決済カード140を読取書込装置110にかざすあるいは載置するように注意を促すガイダンスメッセージを表示する。このようにすることで、オンライン通信の途中で利用者等が決済カード140を読取書込装置110から離してしまうといった操作ミスを防止し、決済不可となる可能性を低減することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0056】
図4は実施の形態3における決済処理装置および決済処理システムの処理フローを示す図である。
実施の形態1と異なるのは、記憶部105に、オンラインにより決済サーバ121に確認が必要な製品の商品コードを記憶しておき、入力部102から入力された商品コードと、記憶部105に記憶されている商品コードとを比較部106により比較し、その比較結果に基づいてオンライン通信を用いた決済サーバ121による承認の必要あるいは不要の判断を行うようにした点である。
【0057】
本実施の形態において、客が決済カード140を用いた決済を希望するとき、店員は、まず、決済金額および商品コード等の製品情報をキーボードなどの入力部102から入力する(S401)。そして、記憶部105には、オンラインにより決済サーバ121に確認が必要な製品の商品コードが記憶されており、入力部102から入力された商品コードと、記憶部105に記憶されている商品コードとを比較部106により比較し(S402)、比較部106は同一かどうかの比較結果によりオンライン通信を用いた決済サーバ121による承認の必要または不要を判断する(S403)。図4では、製品コードが同一の場合にオンライン処理を行う例を示している。
【0058】
なお、判断した後の処理については、実施の形態1と同様である。
本実施の形態によれば、入力部102より入力された商品コードと予め記憶部105に記憶されている商品コードと比較し、その比較結果に基づいて報知部101あるいは報知部111に表示するガイダンスメッセージを切り替えることにより、利用者等が決済カード104をかざすあるいは載置する時間を誤るといった操作ミスを防止し、決済不可となる可能性を低減することができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、製品コードが同一の場合にオンライン処理を行う例を示したが、製品コードが異なる場合にオンライン処理を行うようにしてもよい。
なお、上記実施の形態1から3では、決済端末100と読取書込装置110とが別体で存在し、これらを通信ケーブル150を用いて接続した例を示したが、読取書込装置110を決済端末100に組み込み、これらを一体として決済処理装置1を構成するようにしてもよく、このようにすることで決済処理装置1全体の小型化を実現することができる。
【0060】
また、決済に決済カード140を用いる例を示したが、これに限らず、非接触ICタグ等、アンテナとICチップを備えた情報記録担体を用いて決済を行う場合についても同様の効果を有するものである。
【0061】
また、決済端末100の例としては、CAT(Credit Authorization Terminal)と呼ばれるもの等がある。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の決済処理装置は、操作ミスを防止し、決済不可となる可能性を低減することができ、決済カード等を用いて決済処理を行う決済処理装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施の形態1における決済処理装置および決済処理システムの概略構成を示す図
【図2】実施の形態1における決済処理装置および決済処理システムの処理フローを示す図
【図3】実施の形態2の決済処理装置および決済処理システムの概略構成を示す図
【図4】実施の形態3における決済処理装置および決済処理システムの処理フローを示す図
【図5】従来の決済処理装置および決済処理システムにおけるシステムの構成を示す図
【図6】従来の決済処理装置および決済処理システムにおける処理のフローを示す図
【符号の説明】
【0064】
1 決済処理装置
10 決済処理装置
100 決済端末
101 報知部
102 入力部
103 印字部
104 通信回線
105 記憶部
106 比較部
110 読取書込装置
111 報知部
112 検出部
112a 発光部
112b 受光部
120 カード会社
121 決済サーバ
130 通信網
140 決済カード
150 通信ケーブル
201 オフライン通信用のガイダンスメッセージ例
202 オンライン通信用のガイダンスメッセージ例
300 決済端末
301 報知部
302 入力部
303 印字部
304 通信回線
305 記憶部
306 比較部
310 読取書込装置
320 カード会社
321 決済サーバ
330 通信網
340 決済カード
350 通信ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録担体の情報の読み取りおよび/または書き込みを行う読取書込装置と、前記読取書込装置と通信を行い決済処理を行う決済端末とからなる決済処理装置であって、
前記決済端末は、
決済に関する情報を入力する入力部と、
決済に関する所定の情報を記憶する記憶部と、
前記入力部により入力された情報と前記記憶部に記憶されている情報とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づいて前記情報記録担体を前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させるための異なる情報を報知する報知部とを備えた決済処理装置。
【請求項2】
前記記憶部に記憶される決済に関する所定の情報は金額情報であり、前記入力部により入力された金額情報と前記記憶部に記憶されている金額情報との大小関係によって、前記報知部により前記情報記録担体を読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させるための異なる情報を報知する請求項1記載の決済処理装置。
【請求項3】
前記入力部により入力された金額情報が前記記憶部に記憶されている金額情報より大きい場合に報知する情報は、小さい場合と比べて長い時間前記情報記録担体を前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる旨の情報である請求項2記載の決済処理装置。
【請求項4】
前記入力部により入力された金額情報が前記記憶部に記憶されている金額情報より大きい場合に報知する情報は、前記情報記録担体を前記読取書込装置に載置させる旨の情報である請求項2記載の決済処理装置。
【請求項5】
前記記憶部に記憶される決済に関する所定の情報は製品情報であり、前記入力部により入力された製品情報と前記記憶部に記憶されている製品情報を前記比較部において比較する請求項1記載の決済処理装置。
【請求項6】
前記入力部により入力された製品情報が前記記憶部に記憶されている製品情報と一致する場合に報知する情報は、不一致の場合と比べて長い時間前記情報記録担体を前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる旨の情報である請求項5記載の決済処理装置。
【請求項7】
前記入力部により入力された製品情報が前記記憶部に記憶されている製品情報と一致する場合に報知する情報は、前記情報記録担体を前記読取書込装置に載置させる旨の情報である請求項5記載の決済処理装置。
【請求項8】
前記比較部は比較結果に基づいて外部に設けられた決済処理情報を管理する決済サーバと通信による照会処理が必要か否かを判断し、必要と判断した場合には前記決済サーバとの照会処理を行う請求項1から7のいずれか1項に記載の決済処理装置。
【請求項9】
前記決済サーバとの照会処理中に前記情報記録担体が前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み不可能な位置に移動された場合には、前記情報記録担体を前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる旨の情報を報知する請求項8に記載の決済処理装置。
【請求項10】
前記読取書込装置による前記情報記録担体の情報の読み取りおよび/または書き込み状態に基づいて前記決済サーバとの照会処理中に前記情報記録担体が前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み不可能な位置に移動されたか否かを判断する請求項9記載の決済処理装置。
【請求項11】
前記読取書込装置は前記情報記録担体の存在を検出する検出部を備え、前記検出部の検出結果に基づいてセンタとの照会処理中に前記情報記録担体が前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み不可能な位置に移動された否かを判断する請求項9記載の決済処理装置。
【請求項12】
前記報知部は文字情報を表示する機能を備え、前記情報記録担体を前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる方法を文字情報として報知する請求項1から11のいずれか1項に記載の決済処理装置。
【請求項13】
前記報知部は音声情報を発する機能を備え、前記情報記録担体を前記読取書込装置による読み取りおよび/または書き込み可能な位置に位置させる方法を音声情報として報知する請求項1から11のいずれか1項に記載の決済処理装置。
【請求項14】
前記読取書込装置にも報知部を備え、前記読取書込装置の報知部および/または前記決済処理処理装置の報知部により報知を行う請求項1から13のいずれか1項に記載の決済処理装置。
【請求項15】
前記情報記録担体は非接触カードであり、前記読取書込装置は前記非接触カードと通信を行う機能を有している請求項1から14のいずれか1項に記載の決済処理装置。
【請求項16】
前記読取書込装置を前記決済端末に組み込んで一体構成とする請求項1から15のいずれか1項に記載の決済処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−85207(P2006−85207A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−266143(P2004−266143)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【出願人】(594103301)三井住友カード株式会社 (39)
【Fターム(参考)】