説明

沈降炭酸カルシウムのビグアニド保存

ビグアニドで保存された沈降炭酸カルシウム口腔ケア組成物およびその製造の方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] この出願は2009年12月18日に出願された米国仮特許出願第61/287,847号に対して優先権を主張し、それを本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 沈降炭酸カルシウム(PCC)は、様々な工業、化粧、および医薬製品における使用のために商業的規模で製造されている。一般に、沈降炭酸カルシウムは砕いた石灰石を高温で加熱し、未処理の(raw)炭酸カルシウムを石灰(CaO)および二酸化炭素ガス(CO)に分解することにより作られる。石灰への水の添加(“消和”と呼ばれるプロセス)によりCa(OH)が生じる。その消和された石灰(または“石灰乳”)を二酸化炭素ガスで処理する。結果として生じた炭酸カルシウムが水溶液から沈殿し、沈降炭酸カルシウムのスラリーを生じ、それを必要に応じて中和、製粉、濾過、脱水および/または乾燥させることができる。
【0003】
[0003] 沈降炭酸カルシウムのスラリーは微生物の影響を受けやすい。微生物を防ぐため、保存剤、例えばアルデヒドをそのスラリーに添加することができる。例えば、米国特許出願公開第2009/0088483号は、ジアルデヒド(例えばグルタルアルデヒド)およびホルムアルデヒド放出剤、例えば(エチレンジオキシ)ジメタノールの組み合わせを開示している。残念ながら、これらの保存剤はそれらの限界を有する。例えばグルタルアルデヒドはアルカリ性pHにおいて不安定であり、従って長期の保存剤としては効果が無い。さらに、一部の細菌株はホルムアルデヒドを代謝し(例えば、Di Maiuta et al. (2009) International Biodeterioration & Biodegradation 63:769-777を参照)、処理されたPCCスラリーにおいてさえも細菌の増殖を許す。
【0004】
[0004] 沈降炭酸カルシウム組成物のための向上した保存法に関する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0088483号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Di Maiuta et al. (2009) International Biodeterioration & Biodegradation 63:769-777
【発明の概要】
【0007】
[0005] ポリマー性ビグアニドは沈降炭酸カルシウムが含まれる口腔ケア組成物を効果的に保存することができる。そのポリマー性ビグアニドは、アルデヒドに基づく保存剤を必要とすることなく長続きする抗微生物作用を提供する。
【0008】
[0006] 従って、1観点において、口腔ケアにおける、または口腔ケア組成物の製造における使用のための乾燥沈降炭酸カルシウム組成物。その乾燥沈降炭酸カルシウム組成物には、沈降炭酸カルシウムに加えて、ポリマー性ビグアニド、例えばポリヘキサメチレンビグアニドが含まれる。
【0009】
[0007] 口腔ケアにおける、または口腔ケア組成物の製造における使用のための沈降炭酸カルシウムスラリーも提供する。そのスラリーには、水、沈降炭酸カルシウム、およびポリマー性ビグアニド、例えばポリヘキサメチレンビグアニドが含まれる。そのスラリーは場合により他の保存剤、例えばホルムアルデヒドを含まない。そのスラリーには1種類以上の他の口腔ケア成分、例えば湿潤剤、無機性分散剤、重炭酸塩類(bicarbonate salts)、pH修正剤、界面活性剤、発泡調節剤(foam modulators)、増粘剤、粘度修正剤、甘味料、香味料、着色剤、抗齲食剤、抗歯石剤、第1スズイオンの源、亜鉛イオンの源、ブレスフレッシュ剤(breath fresheners)、抗プラーク剤、酵素、ビタミン類、抗接着剤およびそれらの組み合わせが含まれることができる。一部の態様において、そのポリマー性ビグアニドの濃度は0.04%を超えない。例えば、特定の態様において、その濃度は0.01%〜0.04%である。
【0010】
[0008] 口腔ケア組成物を調製する方法も提供する。その方法には、沈降炭酸カルシウムとポリマー性ビグアニド、例えばポリヘキサメチレンビグアニドとの予め形成された複合体を、湿潤剤、無機性分散剤、重炭酸塩類、pH修正剤、界面活性剤、発泡調節剤、増粘剤、粘度修正剤、甘味料、香味料、着色剤、抗齲食剤、抗歯石剤、第1スズイオンの源、亜鉛イオンの源、ブレスフレッシュ剤、抗プラーク剤、酵素、ビタミン類、抗接着剤およびそれらの組み合わせから選択される1種類以上の口腔ケアの成分が含まれる組成物と組み合わせることが含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0009] 全体において用いられるように、範囲はその範囲内にあるそれぞれおよび全ての値を記述するための略記として用いられる。範囲内のあらゆる値は、範囲の末端として選択することができる。加えて、本明細書において引用される全ての参考文献をそのまま本明細書に援用する。本開示における定義および引用された参考文献の定義において不一致がある場合には、本開示が統制する。加えて、その組成物および方法は、そこで記述された要素を含んでいてよく、本質的にそれで構成されていてよく、またはそれで構成されていてよい。
【0012】
[0010] 別途明記されない限り、本明細書において、および明細書中の他の箇所において示されている全ての百分率および量は、重量による百分率を指すものと理解されるべきである。与えられた量はその物質の有効重量に基づく。本明細書における具体的な値の列挙は、その値プラスまたはマイナス測定における誤差を説明するためのある程度の変動性を意味することを意図している。例えば、10%の量には、測定における誤差の程度を考慮すれば、9.5%または10.5%が含まれてよく、当業者はそれを認識および理解しているであろう。
【0013】
[0011] 本明細書で用いられる際、本明細書における“抗細菌活性”は、あらゆる一般に受け入れられているインビトロまたはインビボの抗細菌アッセイまたは試験により決定されるような活性を意味する。本明細書における“抗炎症活性”は、あらゆる一般に受け入れられているインビトロまたはインビボのアッセイまたは試験、例えばプロスタグランジン産生またはシクロオキシゲナーゼ活性の阻害に関するアッセイまたは試験により決定されるような活性を意味する。
【0014】
[0012] 全体において用いられるように、範囲はその範囲内にあるそれぞれおよび全ての値を記述するための略記として用いられる。範囲内のあらゆる値は、範囲の末端として選択することができる。加えて、本明細書において引用される全ての参考文献をそのまま本明細書に援用する。本開示における定義および引用された参考文献の定義において不一致がある場合には、本開示が統制する。
【0015】
[0013] 別途明記されない限り、本明細書において、および明細書中の他の箇所において示されている全ての百分率および量は、重量による百分率を指すものと理解されるべきである。与えられた量はその物質の有効重量に基づく。
【0016】
[0014] 本発明の口腔ケア組成物は、上記で列挙された成分に加えて有効および/またはキャリヤー成分を含有することができる。本明細書における成分の有効薬剤またはキャリヤー成分としての分類は明確さおよび便宜のためになされているのであって、個々の成分がその組成物中で本明細書におけるそれの分類に必ず従って機能するという推論を引き出すべきではない。さらに、個々の成分は複数の機能を果たすことができ、従って本明細書におけるある成分の1つの機能的クラスの例になるものとしての開示は、それが別の機能的クラスの例にもなることができる可能性を排除しない。
【0017】
[0015] 本発明に従って、ポリマー性ビグアニドを沈降炭酸カルシウム(PCC)に保存剤として添加することができる。そのビグアニドは場合により、そのPCCの最初の調製の間:(例えば消和された石灰の炭酸飽和からの)沈殿の後、および最初の乾燥の前に添加される。そのビグアニドはこのプロセスの間そのPCCスラリーを保存する。さらに、本発明者らは、このプロセスの間および乾燥の後にそのビグアニドがPCCと会合したままであることを見出した。従って、そのビグアニドはそのPCCを保存するだけでなく、そのPCC/ビグアニド複合体が含まれる口腔ケア組成物も保存するであろう。
【0018】
[0016] ポリマー性ビグアニドは、多数のビグアニド部分が含まれるポリマー性分子である。重合は組み込まれる小単位の数に依存して大きさが異なるポリマーの集団を生成し得ることが理解されている。本発明は、分子あたり平均少なくとも3個のビグアニド部分のポリマー性ビグアニドを用いる。一般に、分子あたり平均少なくとも5個のビグアニド部分が含まれる。特定の態様において、そのビグアニド部分の平均数は、5から80個まで、5から40個まで、6から27個まで、9から27個まで、または11から18個までである。そのビグアニド部分は一般にリンカーにより連結されており、それには例えばアルキル、置換されたアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、または置換されたヘテロアリールが含まれ得る。そのポリマー性ビグアニドの重量平均分子量は、1000ダルトンを超えてよい。例えば特定の態様において、その重量平均分子量は1000〜15,000ダルトン;1000〜8000ダルトン;1000〜5000ダルトン;1230〜5000ダルトン;1700〜5000ダルトン;2100〜5000ダルトン;2100〜3300ダルトン;または2340〜3300ダルトンである。
【0019】
[0017] 特定の態様において、ポリマー性ビグアニドのクラスは次の式を有する:
【0020】
【化1】

【0021】
ここで、Rは場合により置換されたヒドロカルビジイル(hydrocarbdiyl)基であり、それは脂肪族、芳香脂肪族(araliphatic)または芳香族であってよく、ここでnは5〜80、5から40まで、6から27まで、9から27まで、または11から18までの範囲の整数である。適切なR(場合により置換されたヒドロカルビジイル基)の例には、直鎖および分枝鎖ヒドロカルビジイル基、例えばC1−20アルキレン、例えばC3−9アルキレン(例えばテトラメチレンまたはヘキサメチレン)またはC5−8シクロアルカジイル(cycloalkadiyl)(例えばシクロヘキサ−1,4−ジイル)が含まれる。特定の態様において、Rは式:(CHのものであり、ここでmは3〜20の範囲、または3〜9の範囲の整数である。
【0022】
[0018] 適切なポリマー性ビグアニドの1つの例は、ポリアミノプロピルビグアニドおよびポリ(イミノイミドカルボニル)イミノヘキサメチレン塩酸塩としても知られるポリ[(ヘキサメチレン)ビグアニド](PHMB)である。PHMBは商業的に入手可能である(Arch Chemicals, Inc.)。
【0023】
[0019] そのポリマー性ビグアニドは、あらゆる時点でPCCを含有する組成物に添加することができる。都合よく、そのポリマー性ビグアニドは場合により、そのPCCが最初に製造される時、PCCスラリーを形成するための沈殿の形成の後、およびそのスラリーを乾燥させる前に添加される。例えば、その水酸化カルシウム溶液を過剰量の二酸化炭素で処理した後、PCCが形成され、その結果として得られたスラリーはかなりアルカリ性であり、それを酸、例えば鉱酸(例えばリン酸、硫酸、硝酸、および/または塩酸)または有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、もしくはスルホン酸を用いて中和することができる。特定の態様において、ポリマー性ビグアニドをその中和されたPCCスラリーに添加した後そのスラリーを乾燥させる。
【0024】
[0020] このように、そのポリマー性ビグアニドはPCCを汚染(例えば細菌汚染、真菌汚染、またはウイルス汚染)に対して、それの最初の製造の時から保存することができる。他の保存剤、例えばアルデヒドに基づく保存剤は、それらの機能はそのポリマー性ビグアニドにより提供されるため、そのPCCを含有する組成物から省くことができる。そのポリマー性ビグアニドは、乾燥プロセスの間および後、そのPCCと会合したままである。その乾燥させたPCC−ビグアニド組成物を水中で再懸濁させ、再び口腔ケア組成物において有用なビグアニドで保存されたスラリーを形成することができる。
【0025】
[0021] そのポリマー性ビグアニドは、抗微生物活性を提供するのに十分な濃度まで添加される。従って、高めの濃度のポリマー性ビグアニドが用いられる可能性があるが、0.04%より大きくない、または0.03%より大きくない濃度が特定の態様において用いられる。1態様において、ポリマー性ビグアニドの濃度は0.01%から0.04%までである。別の態様において、ポリマー性ビグアニドの濃度は0.01%から0.03%までである。別の態様において、ポリマー性ビグアニドの濃度は0.025%から0.03%までである。
【0026】
[0022] 予め形成されたPCC/ビグアニド複合体は、口腔ケア組成物、例えば歯磨剤中の成分として用いることができる。その口腔ケア組成物は、ペースト、クリーム、ムース、ゲル、粉末、洗浄剤、または同様のものであってよい。その口腔ケア組成物には、特定の態様において、1種類以上の他の口腔ケア成分、例えば湿潤剤、無機性分散剤、重炭酸塩類、pH修正剤、界面活性剤、発泡調節剤、増粘剤、粘度修正剤、甘味料、香味料、着色剤、抗齲食剤、抗歯石剤、第1スズイオンの源、亜鉛イオンの源、ブレスフレッシュ剤、抗プラーク剤、酵素、ビタミン類、抗接着剤およびそれらの組み合わせが含まれる。その口腔ケア組成物には、場合により上記の他の口腔ケア成分の少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、少なくとも5種類、または少なくとも6種類が含まれる。例として(少数の例ではあるが)、その口腔ケア組成物には、湿潤剤;湿潤剤および増粘剤(thickner、thickeing agent);湿潤剤、増粘剤および界面活性剤;湿潤剤、増粘剤、界面活性剤、およびフッ化物の源;湿潤剤、界面活性剤、フッ化物の源、および重炭酸(塩)(bicarbonate (salt));湿潤剤、界面活性剤、フッ化物の源、重炭酸(塩)、および無機性分散剤;または湿潤剤、界面活性剤、フッ化物の源、重炭酸(塩)、無機性分散剤、および香味料が含まれることができる。1種類以上の他の口腔ケア成分は、これらの成分のいずれかの代わりをする、またはそれを増強することができる。これらの口腔ケア成分がそのPCCがそのポリマー性ビグアニドに結合した予め形成された複合体と組み合わせられる態様において、そのポリマー性ビグアニドのそのPCCとの組み合わせは、それらのその他の添加される口腔ケア成分との組み合わせより前に行われる。
【0027】
[0023] 様々な態様において、沈降炭酸カルシウム、ポリマー性ビグアニド、少なくとも1種類の湿潤剤、およびキャリヤーを含有する練り歯磨きおよび歯用ゲルが配合される。様々な態様において、その練り歯磨きまたは歯用ゲル組成物は、1重量%〜70重量%のPCC、0.01%〜0.04%のポリマー性ビグアニド;1重量%〜70重量%の少なくとも1種類の湿潤剤をキャリヤーに加えて含有する。
【0028】
[0024] 湿潤剤は、例えば練り歯磨きまたはゲルが空気に曝露された際に硬化するのを防ぐために有用である。あらゆる口に許容できる湿潤剤を用いることができ、それには多価アルコール類、例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、マンニトール、または低分子量PEG類が含まれるが、それらに限定されない。ほとんどの湿潤剤は、甘味料としても機能する。1種類以上の湿潤剤は、場合によりその組成物の1重量%〜70重量%、例えば1重量%〜50重量%、2重量%〜25重量%、または5重量%〜15重量%の総量で存在する。
【0029】
[0025] 本発明の組成物中に任意で含ませるための有用なキャリヤーの中には、希釈剤(例えば水)、重炭酸塩類、pH修正剤、界面活性剤、発泡調節剤、増粘剤、粘度修正剤、甘味料、香味料、および着色剤がある。1種類のキャリヤー物質、または同じもしくは異なるクラスの1種類より多くのキャリヤー物質が場合により存在することができる。キャリヤーは、互いと、およびその組成物の他の成分と適合するように選択されるべきである。
【0030】
[0026] その炭酸カルシウムスラリーを安定化するために用いることができる無機性分散剤には、ピロホスフェート類、トリポリホスフェート類、トリメタホスフェート類、テトラメタホスフェート類、およびヘキサメタホスフェート類のような縮合ホスフェート類、亜鉛塩類ならびにシリケート類が含まれる。有機性分散剤には、ポリカルボキシレート類、例えばポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、およびポリマレエート類ならびにポリビニルアルコールが含まれる。そのような分散剤は当技術で既知である。例えば、米国特許第4,818,783号は、分散剤としてそれぞれ100重量部の炭酸カルシウムに基づいて(1)0.1〜2重量部の(a)2,000〜80,000の範囲の数平均分子量を有するカルボキシル基含有水溶性ポリマーおよび(b)水溶性縮合ホスフェート、ならびに0.03〜1重量部の水溶性陰イオン性修飾ポリビニルアルコールを含有する水性媒体中で炭酸カルシウムを分散させることを開示している。
【0031】
[0027] さらなる態様において、本発明の組成物は、例えば発泡および二酸化炭素の放出により歯および歯肉に“清潔な感触”を与えるのに有用な少なくとも1種類の重炭酸塩を含む。あらゆる口に許容できる重炭酸塩を用いることができ、それにはアルカリ金属重炭酸塩類、例えば重炭酸ナトリウムおよびカリウム、重炭酸アンモニウム、ならびに同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の重炭酸塩類は場合によりその組成物の0.1重量%〜50重量%、例えば1重量%〜20重量%の総量で存在する。
【0032】
[0028] さらに別の態様において、本発明の組成物は少なくとも1種類のpH修正剤を含む。そのような薬剤には、pHを低くするための酸性化剤、pHを上げるための塩基性化剤、およびpHを望まれる範囲内で制御するための緩衝剤が含まれる。例えば、酸性化、塩基性化および緩衝剤から選択される1種類以上の化合物を含ませることができる。あらゆる口に許容できるpH修正剤を用いることができ、それにはカルボン酸、リン酸およびスルホン酸、酸塩類(例えば、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、リンゴ酸一ナトリウム等)、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、カーボネート類、例えば炭酸ナトリウム、重炭酸(塩)類、セスキカーボネート類、ボレート類、シリケート類、ホスフェート類(例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸塩類等)、イミダゾールおよび同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上のpH修正剤は場合によりその組成物を口に許容できるpH範囲内に維持するのに有効な総量で存在する。
【0033】
[0029] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えばその組成物の他の構成要素の適合性を向上させてそれにより増進された安定性を提供する、界面活性により歯の表面をきれいにするのを助ける、そして撹拌の際に、例えば本発明の歯磨組成物を用いたブラッシングの間に泡を提供するのに有用な、少なくとも1種類の界面活性剤を含む。あらゆる口に許容できる界面活性剤を用いることができ、そのほとんどは陰イオン性、非イオン性または両性である。適切な陰イオン性界面活性剤には、C8−20アルキルサルフェート類、C8−20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド類の水溶性塩類、サルコシネート類、タウレート類、および同様のものが含まれるが、それらに限定されない。これらおよび他のクラスの説明的な例には、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウム ココナッツ(coconut) モノグリセリド スルホネート、ナトリウム ラウリルサルコシネート、ナトリウム ラウリルイセチオネート、ナトリウム ラウレスカルボキシレートおよびナトリウム ドデシルベンゼンスルホネートが含まれる。適切な非イオン性界面活性剤には、ポロキサマー類、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類、脂肪アルコールエトキシレート類、アルキルフェノールエトキシレート類、第三級アミンオキシド類、第三級ホスフィンオキシド類、ジアルキルスルホキシド類、および同様のものが含まれるが、それらに限定されない。適切な両性界面活性剤には、C8−20脂肪族第二級および第三級アミン類の陰イオン基、例えばカルボキシレート、サルフェート、スルホネート、ホスフェートまたはホスホネートを有する誘導体が含まれるが、それらに限定されない。例には、ココアミドプロピルベタイン、N−アルキルジアミノエチルグリシン類(N−ラウリルアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジエチルグリシン等)、N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウムおよびラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインが含まれる。1種類以上の界面活性剤は場合によりその組成物の0.01重量%〜10重量%、例えば0.05重量%〜5重量%または0.1重量%〜2重量%の総量で存在する。
【0034】
[0030] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えば撹拌の際にその組成物により生成される泡の量、濃密さ(thickness)または安定性を増大させるのに有用な、少なくとも1種類の発泡調節剤を含む。あらゆる口に許容できる発泡調節剤を用いることができ、それにはポリオキシエチレン類としても知られるポリエチレングリコール類(PEG類)が含まれるが、それらに限定されない。高分子量PEG類が適切であり、それには200,000〜7,000,000、例えば500,000〜5,000,000または1,000,000〜2,500,000の平均分子量を有するPEG類が含まれる。1種類以上のPEG類は場合によりその組成物の0.1重量%〜10重量%、例えば0.2重量%〜5重量%または0.25重量%〜2重量%の総量で存在する。
【0035】
[0031] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えばその組成物に望ましい粘稠度(consistency)および/または口の感触を与えるのに有用な、少なくとも1種類の増粘剤を含む。あらゆる口に許容できる増粘剤を用いることができ、それには以下のものが含まれるが、それらに限定されない:カルボキシビニルポリマー類としても知られるカルボマー類、アイリッシュモス(Irish moss)としても知られるカラギーナン類、より詳細にはι−カラギーナン(イオタ−カラギーナン)、セルロース系ポリマー類、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびそれらの塩類、例えばCMCナトリウム、天然ガム類、例えばカラヤ(karaya)、キサンタン、アラビアガムおよびトラガカント(tragacanth)ガム、コロイド性ケイ酸アルミニウムマグネシウム、コロイド性シリカ、アルギネート類、ベントナイトおよび他の自然粘土および合成無機性粘度。1種類以上の増粘剤は場合によりその組成物の0.01重量%〜15重量%、例えば0.1重量%〜10重量%または0.2重量%〜5重量%の総量で存在する。
【0036】
[0032] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えば成分の沈降もしくは分離を抑制するのに、または液体組成物の撹拌の際の再分散性を促進するのに有用な少なくとも1種類の粘度修正剤を含む。あらゆる口に許容できる粘度修正剤を用いることができ、それには鉱油、ワセリン、粘土および有機改質粘土、シリカ、ならびに同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の粘度修正剤は場合によりその組成物の0.01重量%〜10重量%、例えば0.1重量%〜5重量%の総量で存在する。
【0037】
[0033] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えばその組成物の味を高めるのに有用な少なくとも1種類の甘味料を含む。あらゆる口に許容できる天然または人工甘味料を用いることができ、それにはデキストロース、スクロース、マルトース、デキストリン、乾燥した転化糖、マンノース、キシロース、リボース、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ(高フルクトースコーンシロップおよびコーンシロップの固体が含まれる)、部分的に加水分解されたデンプン、水素化デンプン加水分解物、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト(isomalt)、アセスルファムカリウム、グリチルリチン(glycyrrhizin)、ペリランチン(perillantine)、タウマチン(thaumatin)、アスパルテーム、ネオテーム(neotame)、サッカリンおよびその塩類、ジペプチドに基づく強い甘味料、シクラメート類、ならびに同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の甘味料は、場合により、選択される個々の甘味料(単数または複数)に強く依存するが典型的にはその組成物の0.005重量%〜5重量%の総量で存在する。
【0038】
[0034] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えばその組成物の味を高めるのに有用な少なくとも1種類の香味料を含む。あらゆる口に許容できる天然または人工香味料を用いることができ、それには以下のものが含まれるが、それらに限定されない:バニリン、セージ、マヨラマ、パセリ油、スペアミント油、桂皮油、ウィンターグリーンの油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、柑橘油、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、アプリコット、バナナ、ブドウ、リンゴ、イチゴ、サクランボ、パイナップル等に由来する果実油およびエッセンス剤(essences)が含まれる果実油およびエッセンス剤、豆および木の実由来の香味、例えばコーヒー、ココア、コーラ、ピーナッツ、アーモンド等、吸着された、および封入された(encapsulated)香味料、ならびに同様のもの。芳香および/または冷却または昇温作用が含まれる口の中の他の感覚作用を提供する成分も、本明細書における香味料の範囲内に含まれる。そのような成分には、説明的には、メントール、酢酸メンチル、乳酸メンチル、カンファー、ユーカリ油、ユーカリプトール、アネトール、ユージノール、カシア(cassia)、オキサノン(oxanone)、α−イリゾン、プロペニルグエトール(propenyl guaiethol)、チモール、リナロール、ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミン(N−ethyl−p−menthan−3−carboxamine)、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、3−(1−メントキシ)−プロパン−1,2−ジオール、桂皮アルデヒドグリセロールアセタール(CGA)、メントングリセロールアセタール(MGA)、および同様のものが含まれる。1種類以上の香味料は場合によりその組成物の0.01重量%〜5重量%、例えば0.1重量%〜2.5重量%の総量で存在する。
【0039】
[0035] さらに別の態様において、本発明の組成物は少なくとも1種類の着色剤を含む。本明細書における着色剤には、顔料、染料、レーキ、細片および特定の光沢または反射性を与える薬剤、例えばパール化剤(pearling agent)が含まれる。着色剤は多くの機能を果たすことができ、それには例えば歯の表面上に白色または淡色のコーティングを提供すること、その組成物により有効に接触された歯の表面上の位置の指標として働くこと、および/またはその組成物の外観、特に色および/または不透明度を改変して消費者への魅力を増進することが含まれる。あらゆる口に許容できる着色剤を用いることができ、それにはタルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、赤色、黄色、茶色および黒色酸化鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、マンガンバイオレット、ウルトラマリン、チタン化雲母(titaniated mica)、オキシ塩化ビスマス、ならびに同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の着色剤は、場合によりその組成物の0.001重量%〜20重量%、例えば0.01重量%〜10重量%または0.1重量%〜5重量%の総量で存在する。
【0040】
[0036] 練り歯磨きおよび歯用ゲル組成物は、場合により抗齲食剤、追加の抗細菌剤、抗歯石または歯石制御剤、および同様のものが含まれるがそれらに限定されない追加の成分を配合される。
【0041】
[0037] 様々な態様において、その組成物は口に許容できるフッ化物イオンの源を含み、それは抗齲食剤として役立つ。1種類以上のそのような源が存在することができる。適切なフッ化物イオンの源には、以下のものが含まれる:フッ化物、モノフルオロリン酸塩類およびフルオロケイ酸塩類、ならびにオラフルール(olaflur)(N’−オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−トリス(2−エタノール)−ジヒドロフルオリド)が含まれるアミンフッ化物類。
【0042】
[0038] 抗齲食剤として、1種類以上のフッ化物を放出する塩類は場合により合計100〜20,000ppm、200〜5,000ppm、または500〜2,500ppmのフッ化物イオンを提供する量で存在する。フッ化ナトリウムまたはモノフルオロホスフェートが存在する唯一のフッ化物を放出する塩である場合、説明的には0.01重量%〜5重量%、0.05重量%〜1重量%または0.1重量%〜0.5重量%の量のフッ化ナトリウムがその組成物中に存在することができる。
【0043】
[0039] 好都合にも、その練り歯磨きおよび歯用ゲル組成物にはそのポリマー性ビグアニドの他に抗細菌剤が含まれる必要が全く無い(そして、特定の態様において、全く含まれない)。それでも、場合により他の抗細菌剤が本発明の組成物に含まれ、または本発明の組成物から除外され;そのような抗細菌剤には、例えばハロゲン化ジフェニルエーテル化合物、塩化セチルピリジニウム、ポリフェノール類、フェノール化合物、第1スズイオン類、亜鉛イオン類、および同様のものが含まれる。ハロゲン化ジフェニルエーテル化合物の限定的でない例はトリクロサンである。
【0044】
[0040] 別の態様において、その組成物は口に許容できる抗歯石剤を含む。1種類以上のそのような薬剤が存在することができる。適切な抗歯石剤には以下のものが含まれるが、それらに限定されない:ホスフェート類およびポリホスフェート類(例えばピロホスフェート類)、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリペプチド類、例えばポリアスパラギン酸およびポリグルタミン酸、ポリオレフィンスルホネート類、ポリオレフィンホスフェート類、ジホスホネート類、例えばアザシクロアルカン−2,2−ジホスホネート類(例えば、アザシクロヘプタン−2,2−ジホスホン酸)、N−メチルアザシクロペンタン−2,3−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸(EHDP)およびエタン−1−アミノ−1,1−ジホスホネート、ホスホノアルカンカルボン酸ならびにこれらの薬剤のいずれかの塩類、例えばそれらのアルカリ金属およびアンモニウム塩類。有用な無機リン酸およびポリリン酸塩類には、説明的には、一塩基性、二塩基性および三塩基性リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸一、二、三および四ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムおよび同様のものが含まれ、ここでナトリウムは場合によりカリウムまたはアンモニウムで置き換えることができる。他の有用な抗歯石剤には、陰イオン性ポリカルボキシレートポリマー類が含まれる。その陰イオン性ポリカルボキシレートポリマー類は炭素主鎖上にカルボキシル基を含有し、それにはアクリル酸、メタクリル酸、および無水マレイン酸のポリマーまたはコポリマーが含まれる。限定的でない例には、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸(PVME/MA)コポリマー類、例えばISP(ニュージャージー州ウェイン)からのGantrez(商標)商標の下で入手可能なそれらが含まれる。さらに他の有用な抗歯石剤には、ヒドロキシカルボン酸類、例えばクエン酸、フマル酸、リンゴ酸、グルタル酸およびシュウ酸、ならびにそれらの塩類、ならびにアミノポリカルボン酸類、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が含まれる封鎖剤が含まれる。1種類以上の抗歯石剤は場合によりその組成物中に抗歯石に有効な総量、典型的には0.01重量%〜50重量%、例えば0.05重量%〜25重量%または0.1重量%〜15重量%で存在する。
【0045】
[0041] 様々な態様において、その抗歯石系はトリポリリン酸ナトリウム(STPP)およびピロリン酸四ナトリウム(TSPP)の混合物を含む。様々な態様において、TSPPのSTPPに対する比率は1:2〜1:4の範囲である。特定の態様において、第1の抗歯石有効成分であるTSPPは1〜2.5%で存在し、第2の抗歯石有効成分であるSTPPは1〜10%で存在する。
【0046】
[0042] 1態様において、その陰イオン性ポリカルボキシレートポリマーは0.1%〜5%で存在する。別の態様において、その陰イオン性ポリカルボキシレートポリマーはその口腔ケア組成物の0.5%〜1.5%、または1%で存在する。本発明に従う1態様において、その抗歯石系は、例えば上記で論じたGantrez S−97製品のような無水マレイン酸およびメチルビニルエーテルのコポリマーを含む。
【0047】
[0043] 様々な態様において、そのTSPP対STPP対合成陰イオン性ポリカルボキシレートの比率は5:10:1〜5:20:10(または1:4:2)の範囲である。1態様において、その口腔ケア組成物の抗歯石系はTSPP、STPP、ならびにポリカルボキシレート、例えば無水マレイン酸およびメチルビニルエーテルのコポリマーを1:7:1の比率で含む。限定的でない態様において、その抗歯石系は本質的に、0.5%〜2.5%で存在するTSPP、1%〜10%で存在するSTPP、ならびに0.5%〜1.5%で存在する無水マレイン酸およびメチルビニルエーテルのコポリマーからなる。
【0048】
[0044] 別の態様において、その組成物は、例えば歯肉炎、プラーク、歯石、齲食または敏感性を低減するのを助けるのに有用な口に許容できる第1スズイオンの源を含む。1種類以上のそのような源が存在することができる。適切な第1スズイオンの源には、フッ化第1スズ、他のハロゲン化第1スズ類、例えば塩化第1スズ二水和物、ピロリン酸第1スズ、有機第1スズカルボン酸塩類、例えばギ酸第1スズ、酢酸第1スズ、グルコン酸第1スズ、乳酸第1スズ、酒石酸第1スズ、シュウ酸第1スズ、マロン酸第1スズおよびクエン酸第1スズ、第1スズエチレングリオキシド(stannous ethylene glyoxide)、ならびに同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の第1スズイオンの源は、場合により、および説明的には、その組成物の0.01重量%〜10重量%、例えば0.1重量%〜7重量%、または1重量%〜5重量%の総量で存在する。
【0049】
[0045] 別の態様において、その組成物は、例えば抗歯石またはブレスフレッシュ剤として有用な口に許容できる亜鉛イオンの源を含む。1種類以上のそのような源が存在することができる。適切な亜鉛イオンの源には、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グリシン亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、クエン酸亜鉛ナトリウムおよび同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の亜鉛イオンの源は、場合により、および説明的には、その組成物の0.05重量%〜3重量%、例えば0.1重量%〜1重量%の総量で存在する。
【0050】
[0046] 別の態様において、その組成物は口に許容できるブレスフレッシュ剤を含む。1種類以上のそのような薬剤が、ブレスフレッシュに有効な総量で存在することができる。適切なブレスフレッシュ剤には、亜鉛塩類、例えばグルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛および亜塩素酸亜鉛、α−イオノンおよび同様のものが含まれるが、それらに限定されない。
【0051】
[0047] 別の態様において、その組成物は口に許容できる抗プラーク剤(プラーク破壊(disrupting)剤が含まれる)を含む。1種類以上のそのような薬剤が、抗プラークに有効な総量で存在することができる。適切な抗プラーク剤には、第1スズ、銅、マグネシウムおよびストロンチウム塩類、ジメチコンコポリオール類、例えばセチルジメチコンコポリオール、パパイン、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、尿素、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、ポリアクリル酸ストロンチウム類ならびにキレート剤、例えばクエン酸および酒石酸ならびにそれらのアルカリ金属塩類が含まれるが、それらに限定されない。
【0052】
[0048] 別の態様において、その組成物は口に許容できる抗炎症剤を含む。1種類以上のそのような薬剤が、抗炎症に有効な総量で存在することができる。適切な抗炎症剤には、ステロイド系薬剤、例えばフルシノロン(flucinolone)およびヒドロコルチゾン、ならびに非ステロイド系薬剤(NSAID)、例えばケトロラック(ketorolac)、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、ジクロフェナク、エトドラク(etodolac)、インドメタシン、スリンダク(sulindac)、トルメチン(tolmetin)、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ピロキシカム、ナブメトン(nabumetone)、アスピリン、ジフルニサル(diflunisal)、メクロフェナメート(meclofenamate)、メフェナム酸(mefenamic acid)、オキシフェンブタゾンおよびフェニルブタゾンが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の抗炎症剤は場合によりその組成物中に抗炎症に有効な量で存在する。
【0053】
[0049] 本発明の組成物は場合により他の成分、例えば酵素、ビタミン類および抗接着剤を含有する。酵素、例えばプロテアーゼを汚れ防止および他の作用のために添加することができる。ビタミン類の限定的でない例には、ビタミンC、ビタミンEおよびその類似体、ビタミンB5、および葉酸が含まれる。様々な態様において、そのビタミン類は抗酸化特性を有する。抗接着剤にはsolbrol、フィシン、およびクオラムセンシング阻害剤が含まれる。
【0054】
[0050] 1態様において、本発明の組成物は、沈降炭酸カルシウムに加えて少なくとも1種類の研磨剤を含む。あらゆる口に許容できる研磨剤を用いることができるが、研磨剤のタイプ、粉末度(粒径)および量は、その組成物の通常の使用において歯のエナメル質が過度にすり減らされないように選択されるべきである。適切な研磨剤には、シリカ、例えばシリカゲル、水和シリカまたは沈降シリカの形のもの、アルミナ、不溶性ホスフェート類、樹脂性研磨剤、例えば尿素−ホルムアルデヒド縮合産物および同様のものが含まれるが、それらに限定されない。研磨剤として有用な不溶性ホスフェート類の中には、オルトホスフェート類、ポリメタホスフェート類およびピロホスフェート類がある。説明的な例は、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸β−カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウムおよび不溶性ポリメタリン酸ナトリウムである。1種類以上の研磨剤は、場合により、研磨に有効な総量、典型的にはその組成物の5重量%〜70重量%、例えば10重量%〜50重量%または15重量%〜30重量%で存在する。存在する場合、研磨剤の平均粒径は、一般には0.1〜30μm、例えば1〜20μmまたは5〜15μmである。
【実施例】
【0055】
[0051] 本発明を以下の実施例においてさらに記述する。その実施例は単に説明的なものであり、記述され、特許請求される本発明の範囲を決して制限しない。
実施例1
[0052] ポリ[(ヘキサメチレン)ビグアニド](PHMB)をPCC製造プロセスの間に添加する。具体的には、その新しく沈降させた炭酸カルシウムのスラリーのリン酸による中和の後に、PHMBを添加する。そのスラリーの試料に対して、以下のものが含まれる微生物のプールに対するPHMBの抗微生物有効性を評価する負荷試験である微小堅牢性試験(Micro Robustness Test)(MRT)を行う:
ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)
エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)
大腸菌
クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)
クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)
セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)
プロビデンシア・レットゲリ(Providencia rettgeri)
シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)
シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)
黄色ブドウ球菌
スタフィロコッカス・サプロフィティカス(Staphylococcus saprophyticus)

【0056】
上記で列挙したプールからの10細菌の接種材料により、試料に30分間隔で3回負荷をかける。4、6および24時間後、分割量(aliquots)を試験して細菌の対数低減を測定する。これらのデータを用いて、曲線下面積(AUC)を計算する。結果を表1に示す:
【0057】
【表1】

【0058】

表において明らかであるように、250ppm(0.025%)のPHMBでさえも生物汚染度を非常に著しく低減させる。実際、0.03%PHMBを用いて保存されたPCCは、250ppm PHMBに関する24時間における7−対数低減が1%ホルムアミドで観察された24時間における8−対数低減に近いため、1.0%ホルムアミドを用いて保存されたPCCの抗微生物堅牢性に匹敵する抗微生物堅牢性を示すはずである。
【0059】
[0053] さらに、乾燥プロセスの後にPHMBがPCCと会合したままであることが観察された。PHMBは水溶性であるが、PCCに関して用いられる乾燥プロセス(ドラム乾燥機)では、水だけが蒸発し;PHMBはPCCと会合したままである。
【0060】
実施例2
[0054] そのPHMBと会合したPCCを、練り歯磨き配合物における保存活性に関して試験する。PHMBと会合したPCCを、ソルビトール、カルボキシメチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、モノフルオロホスフェート、重炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、香味料、および水が含まれる2種類の練り歯磨き配合物(formulas)(配合物AおよびB)のそれぞれの中に配合し、それに対して実施例1で記述したようにMRT試験を行う。
【0061】
【表2】

【0062】
[0055] 配合物Aには、ソルビトール、サッカリンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水、香味A、およびPHMBで保存されたPCCが含まれており;配合物Bには、ソルビトール、サッカリンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水、香味B、およびPHMBで保存されたPCCが含まれていた。実施例1からのデータと一致して、0.03%のPHMB濃度は練り歯磨き配合物を保存するのに十分であることが確認され、目標レベルである0.75より上の微小堅牢性指数(MRI)を提供した。さらに、そのPHMBで保存された配合物を40℃で12週間古びさせ(aged)、その貯蔵寿命の間ホルムアルデヒドで保存された配合物と同じくらいよく保存されていたことを確認した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)沈降炭酸カルシウムとポリマー性ビグアニドとの予め形成された複合体を、
(ii)湿潤剤、無機性分散剤、重炭酸塩類、pH修正剤、界面活性剤、発泡調節剤、増粘剤、粘度修正剤、甘味料、香味料、着色剤、抗齲食剤、抗歯石剤、第1スズイオンの源、亜鉛イオンの源、ブレスフレッシュ剤、抗プラーク剤、酵素、ビタミン類、抗接着剤およびそれらの組み合わせから選択される1種類以上の口腔ケア成分を含む組成物
と組み合わせることを含む、口腔ケア組成物を調製する方法。
【請求項2】
その口腔ケア成分が湿潤剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
その口腔ケア成分が無機性分散剤を含む、いずれかの前記の請求項に記載の方法。
【請求項4】
その口腔ケア成分が増粘剤を含む、いずれかの前記の請求項に記載の方法。
【請求項5】
その口腔ケア成分がフッ化物の源および甘味料を含む、いずれかの前記の請求項に記載の方法。
【請求項6】
その口腔ケア成分が香味料を含む、いずれかの前記の請求項に記載の方法。
【請求項7】
その口腔ケア成分が界面活性剤を含む、いずれかの前記の請求項に記載の方法。
【請求項8】
その口腔ケア成分が重炭酸(塩)を含む、いずれかの前記の請求項に記載の方法。
【請求項9】
そのポリマー性ビグアニドがポリヘキサメチレンビグアニドを含む、いずれかの前記の請求項に記載の方法。
【請求項10】
以下:
a)沈降炭酸カルシウム;および
b)0.04%より大きくない濃度のポリマー性ビグアニド
を含む組成物。
【請求項11】
その組成物が水を含むスラリーである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
その組成物が乾燥した組成物である、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
その組成物を口の表面に適用することができる、またはその組成物を口の表面に適用することができる組成物中で用いることができる、請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
その組成物が他の保存剤を含まない、請求項10〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
その組成物がホルムアルデヒドを含まない、請求項10〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
そのポリマー性ビグアニドがポリヘキサメチレンビグアニドを含む、請求項10〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
さらに湿潤剤、無機性分散剤、重炭酸塩類、pH修正剤、界面活性剤、発泡調節剤、増粘剤、粘度修正剤、甘味料、香味料、着色剤、抗齲食剤、抗歯石剤、第1スズイオンの源、亜鉛イオンの源、ブレスフレッシュ剤、抗プラーク剤、酵素、ビタミン類、抗接着剤およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される1種類以上の口腔ケア成分を含む、請求項10〜16のいずれかに記載の組成物。

【公表番号】特表2013−514998(P2013−514998A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544905(P2012−544905)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061069
【国際公開番号】WO2011/075662
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】