説明

沙棘油と酵素類を含むスキンクリーム

【目的】肌の保湿作用を向上し、皮膚の弾力を維持し、肌荒れや皮膚の老化防止作用を向上させることが出来るスキンクリーム。
【構成】スキンクリームにおいて、沙棘の種子から抽出された種子油と熱帯及び亜熱帯の天然果物類、有機無農薬農作物から自然発酵により得られた植物性複合酵素を含有させて調製する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は生薬の複合成分、すなわち沙棘の種子から抽出された種子油(以下沙棘油という)と特定の酵素を含むスキンクリームであって、保湿作用を有し皮膚の弾力を維持し、肌荒れや皮膚の老化の防止作用を有するスキンクリームに関する。
【背景技術】
【0002】
生薬である沙棘(グミ科:Hippophae属)の植物体のエキス、果実油を茶エキス等5種類のエキスと混合したスキンクリームや化粧水は公知であり、例えば特開2004−123563には沙棘から得られた果実油を化粧料に添加して美白作用、皮膚の弾力維持、皮膚の老化防止、紫外線吸収作用等に有効であると提案されている。しかし、この技術においては美白作用、紫外線吸収効果は必ずしも充分でなく、ましてや皮膚の弾力維持、皮膚の老化防止の点では効果が発揮されていなかった。
また天然果物類、有機無農薬農作物から自然発酵により得られた植物性複合酵素類を化粧水やスキンクリームに添加された製品が数多く販売されているが、いずれの製品も皮膚の弾力を維持し、肌荒れや皮膚の老化の防止の観点からは充分に満足のいく製品はなかった。また本発明の沙棘油と天然果物類、有機無農薬農作物から自然発酵により得られた植物性複合酵素類を含有するスキンクリームは知られていなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、沙棘油と複数の天然植物から得られた酵素類を併用する事によりもたらされる相乗効果によって従来のスキンクリームにはない高い保湿作用を有し、皮膚の弾力を維持し、肌荒れや皮膚の老化防止を有するスキンクリームを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決すべく本発明者は鋭意検討した結果、上記の課題は次のような手段によって解決できることがわかった。即ち、スキンクリームの調製において、生薬の複合成分である沙棘油と天然果物類、有機無農薬農作物から自然発酵により得られた植物性複合酵素を含有した事により上記課題を達成できた。
【0005】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明に用いられる沙棘油は沙棘(グミ科:Hippophae属)の種子より得られる油であり、沙棘の種子を圧搾し、遠心分離により粗油を得、粗油をn−ヘキサンと活性炭を投入し攪拌したあと、濾過し、減圧にてn−ヘキサンを除去することにより得られる。
【0006】
沙棘油の有効成分は200種類を超える栄養素を含有していると言われ、主な成分としては人体必須アミノ酸、ビタミンA/B/C/E/K/P、βーカロチン、カルシウム、鉄、亜鉛、セレン、脂肪酸化合物22種類、フラボン類とフェノール類33種類等である。また、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸等不飽和脂肪酸を豊富に含有し、ウルソール酸、ポリフェノール等も含有している。
沙棘油に含有されるビタミンEは果実油においてトップを占めており、例えば、100gの種子油の中に323mgのビタミンEが含有されている。ビタミンA(β−カロチン)は100gの種子油の中に187mg含有されている。
【0007】
沙棘抽の有効成分の主な働きは脂肪分解リパーゼを活性化させ、蓄積された体脂肪の燃焼をサポートしたり、中性脂肪やコレステロールを改善し、血液循環を柔らかくし血液の劣化を防ぐといわれている。また、新陳代謝を高め血行を促進し、抗酸化作用やメラニン色素の除去作用があり、シミやクスミ等の肌のトラブルを防ぐ働きをする。上記の様な有効成分は皮膚の弾力性や光沢を保ち、抗老化性、肌の潤い、筋肉の弾力性の増強、シミや皺とり等の栄養補給作用を持っていると言われている。
【0008】
また、沙棘油のビタミンA、ビタミンE及び大部分のフラボノイド類成分は、中、長波長の紫外線を吸収する作用があり、日焼けクリームにも応用された例が特開昭63−145210号公報に紹介されている。
【0009】
また、沙棘油は乾燥性皮膚疾患(皮膚掻痒症、魚鱗癬、乾燥性湿疹、乾燥肌)に対して、皮膚を潤す作用を持っており、更に沙棘油は抗アレルギー作用を持っていることが報告され、抗原の結合や伝達物質の放出を抑制する作用を持っている可能性があり、殺菌、消炎、肌の保湿作用もある。
【0010】
本発明に用いられる酵素類は、熱帯、及び亜熱帯の天然果物類と有機無農薬農作物と薬草や海草から自然発酵により得られた植物性複合酵素であり、天然のパパイヤ、マンゴー、バナナ、パイナップル、マルメロ、アケビ、オレンジ、カムカム、アボガド、スイカ、メロン、ココナッツ、キウイ、リンゴ、グァバ、ブラナディ、ホマロッサ、イチジク、ピギー、ノニ、大根、胡瓜、生姜、ニンニク、レモン、シークワーサー、トマト、パセリ、椎茸、モロヘイヤ、グアバノ、ライチ他、熱帯、亜熱帯果物と有機無農薬農作物と薬草のイニャメ、ヤーコン、パルミット、田七人参、アガリスク、砂漠人参、天然霊芝、珍珠菜、干夢ト、マカ、アセロラ、人参、海草等に乳酸菌や酵母菌を加え自然に長い時間をかけて自然発酵させエキス分を抽出することにより得られる。好ましくは、酵素類は熱帯、及び亜熱帯の天然果物類と有機無農薬農作物である。
【0011】
本発明の酵素類の主な働きは生態内の殆どの化学反応の触媒としての働きを行なう基本的な性質があり、皮膚の細胞の活性化を助長する働きをする。更に、抗菌、防臭作用や制菌作用も持っており、皮膚の傷部分に発生し、増殖する菌類、例えば黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌等の増殖を抑制する効果がある。
【0012】
これら酵素の主な働きは、前記した酵素類の効果に加えて沙棘油の皮膚を潤す保湿作用や肌荒れや皮膚の老化防止作用において、沙棘油単独で使用した時より酵素を共存させた場合の方が大きな効果が現われる。それに加えて、肌荒れや皮膚の炎症が起こった乾燥性皮膚疾患部の完治が早く、一度完治すると再発する事が少ない。
【0013】
本発明に用いられるスキンクリームのその他の成分としては、グリセリン、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタステアリン脂肪酸エステル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ベヘニルアルコール、ラウロイルサルコシンイソプロピル、セタノール、ブチレングリコール、ミツロウ、ステアリン酸グリセリル、海水、ミリスチン酸ポリグリセルー10、硬化油、オリーブ油、アボガド油、コメ胚芽油、ローズマリーエキス、ワサビ根発酵エキス、大豆油、植物性スクワラン、カロットエキス、アルギニン、トコフェロール、シクロメチコン、脂肪酸(CIO−30)ステアリルアルコール、ジメチコン、パルミチン酸イソプロピル、ジメチコンコポリオール、カルポマー、ラノリン脂肪酸、ステアリン酸PEG−150、ステアリン酸、天然ビタミンE、コラーゲン、グリチルリチン酸ジカリウム、EDTA−2Na、メチルパラベン、プロピルパラベン、プロピレングリコール、水酸化ナトリウム、香料、防腐剤等が適宜必要に応じて添加される。
【0014】
次に実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
実施例1 本発明のスキンクリーム
(油相成分) [配合割合(重量%)]
沙棘油 1.00
グリセリン 10.00
ステアリン酸グリセリル 6.00
ペンタステアリン酸デカグリセリル 2.80
ベヘニルアルコール 7.00
ジメチコン 1.00
ステアリン酸 3.00
ラノリン脂肪酸 1.00
脂肪酸(CIO−30) 0.50
植物性スクワラン 5.00
ブチレングリコール 2.00
パルミチン酸イソプロピル 2.00
セタノール 2.00
天然ビタミンE 0.10
コラーゲン 0.10
(水相成分)
EDTA−2Na 0.15
プロピルパラベン 0.50
グリチルリチン酸ジカリウム 0.20
濃グリセリン 5,00
プロピレングリコール 2.00
パラオキシ安息香酸エステル 2.00
香料、防腐剤 適量
精製水 残余
(酵素類)
植物性複合酵素 0.50
【0016】
≪調製法≫
油相成分、水相成分をそれぞれ50〜70℃に加熱しながら混合、均一化したところで両者を混合してクリーム状にし、約30℃まで放冷した後、植物性複合酵素を加えて更に均一になるまで混合してスキンクリームを得た。
【0017】
実施例2
本発明外のスキンクリーム
実施例1に植物性複合酵素を添加しないスキンクリームを実施例1と同様に調製した。
【0018】
実施例3
本発明外のスキンクリーム
実施例1の油相成分の中に沙棘油を添加しないスキンクリームを実施例1と同様に調製した。
【0019】
実施例4
実施例1〜3で調製したスキンクリームを用いて比較テストした。
今までいろいろなスキンクリームを使用してきて、手の肌荒れが治らない20〜50才までの女性各10名に、クリームの成分を教えないで各々手を洗う行為があった後と、夜寝る前に手の肌荒れ部分に塗布する。
これを4週間継続、観察してもらい肌荒れのあった部分の治癒度と肌の保湿性について、使用前と使用後の効果について聞いた。
効果の治癒度については、完全に治癒した、治癒方向にある、変わらない、悪化した、の評価をしてもらい、保湿については、向上した、向上方向にある、変わらない、悪化した、の4段階の評価をしてもらった。
【0020】
評価結果を表1、2に示す。
【表1】

【表2】

【0021】
以上、上記表1,2から本発明の実施例1のスキンクリームは他のスキンクリームより優れていることが分かる。この効果は、沙棘油と複数の天然植物から得られた酵素類を併用することにより、もたらされる相乗効果によるものと理解している。
【発明の効果】
本発明のスキンクリームは沙棘油と天然果物類と有機無農薬農作物から自然発酵により得られた植物性複合酵素類をスキンクリームに含有することによって高い保湿作用を有し、皮膚の弾力を維持し、肌荒れや皮膚の老化防止を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
沙棘の種子から抽出された種子油と酵素を含有する事を特徴とするスキンクリーム。
【請求項2】
前記酵素が熱帯、及び亜熱帯の天然果物類、有機無農薬農作物から発酵により得られた酵素であることを特徴とする請求項ー1記載のスキンクリーム。
【請求項3】
前記酵素が熱帯、及び亜熱帯の天然果物類、有機無農薬農作物から自然発酵により得られた植物性複合酵素であることを特徴とする請求項ー2記載のスキンクリーム。

【公開番号】特開2007−23012(P2007−23012A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−235527(P2005−235527)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(595123081)有限会社レイノ (7)
【出願人】(505307987)
【Fターム(参考)】