説明

河川用護岸壁及び河川用護岸壁の施工方法

【課題】本発明は、河川に流れる水量の低減化を図り、河川の下流域での氾濫を防ぐことができる河川用護岸壁を提供するものである。
【解決手段】河川用護岸壁Gは、河川側に面して、河川の水の流れを案内する壁1、2と、この壁1、2の前記河川側と反対方向に形成され、前記河川に流れる水を溜める貯留部11、21と、壁1、2に、前記河川の底からの高さが異なる少なくとも2個の開口部が設けられ、前記2個の開口部の内、前記底から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である第一の開口部12、22が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である第二の開口部13、23が配置され、第一の開口部12、22及び第二の開口部13、23は貯留部11、21に連通しているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川用護岸壁及び河川用護岸壁の施工方法に係り、特に、河川に流れる水量の低減化を図り、河川の下流域での氾濫を防ぐことができる河川用護岸壁及び河川用護岸壁の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、河川用護岸壁として、魚巣付L形水路ブロックがある(例えば、特許文献1参照)。
これは、側壁の裏面側に設けられ、底板と、側壁の裏面と、底板から起立した奥壁と、この奥壁の天井とで囲まれた石収容部であり、該石収容部を魚類の棲息に適した魚巣としたものである。
【特許文献1】特許第2771828号公報参照
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この魚巣付L形水路ブロックは、魚巣としては、有効であるが、河川の増水に対する配慮が無く、河川の増水に伴って水位が上昇した場合、水平開口部と石収容部は連通していないため、石収容部は水の貯留として、有効でないという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を除去するようにした河川用護岸壁及び河川用護岸壁の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の河川用護岸壁は、河川側に面して、河川の水の流れを案内する壁と、この壁の前記河川側と反対方向に形成され、前記河川に流れる水を溜める貯留部と、前記壁に、前記河川の底からの高さが異なる少なくとも2個の開口部が設けられ、前記2個の開口部の内、前記底から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である第一の開口部が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である第二の開口部が配置され、前記第一の開口部及び前記第二の開口部は前記貯留部に連通しているものである 。
【0005】
また、請求項2記載の河川用護岸壁は、河川の底に形成された基礎コンクリートと、
この基礎コンクリートの上に置かれ、河川側に面して、河川の水の流れを案内する第一の壁と、前記基礎コンクリートの上に置かれ、前記第一の壁に対向するように設けられた第二の壁と、この第二の壁の頂部と前記第一の壁の頂部とを接続する頂部接続部と、前記第一の壁に設けられ、前記基礎コンクリートの上面からの高さが異なる少なくとも2個の開口部と、前記2個の開口部の内、前記基礎コンクリートの上面から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である第一の開口部が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である第二の開口部が配置され、前記第一の壁と前記第二の壁は、前記基礎コンクリートに立設し、前記第一の壁、前記第二の壁、前記基礎コンクリートとの間に形成された前記河川に流れる水を溜める貯留部と、この貯留部は前記第一の開口部及び前記第二の開口部に連通するものである。
【0006】
また、請求項3記載の河川用護岸壁は、請求項2記載の河川用護岸壁において、第一の壁は河川の水の流れに沿うように長手形状に形成され、前記第一の壁に対向するように設けられた第二の壁は、長手形状に形成され、前記第一の壁及び前記第二の壁の長手方向を横断する方向に設けられ、前記第一の壁と前記第二の壁とを接続する接続部とを備えているものである。
【0007】
また、請求項4記載の河川用護岸壁は、河川側に面して、河川の水の流れを案内する第一の壁と、この第一の壁に対向するように設けられた第二の壁と、この第二の壁の頂部と前記第一の壁の頂部とを接続する頂部接続部と、前記第二の壁の底部と前記第一の壁の底部とを接続する底部接続部と、前記第一の壁に設けられ、前記河川の底からの高さが異なる少なくとも2個の開口部と、前記2個の開口部の内、前記河川の底から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である第一の開口部が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である第二の開口部が配置され、前記第一の壁、前記第二の壁、前記底部接続部との間に形成された前記河川に流れる水を溜める貯留部と、この貯留部は前記第一の開口部及び前記第二の開口部に連通するものである。
【0008】
また、請求項5記載の河川用護岸壁の施工方法は、河川の底に基礎コンクリートを形成する基礎コンクリート工程と、この基礎コンクリート工程の後、前記河川の左側に底部が開口した左壁を置く左壁載置工程と、前記基礎コンクリート工程の後、前記河川の右側に底部が開口した右壁を置く右壁載置工程と、前記左壁載置工程及び前記右壁載置工程の後、露出している前記基礎コンクリートの上にコンクリートを敷き詰めて前記左壁と前記右壁が移動しないようにする敷き詰めコンクリート工程であり、前記左壁は、河川の水の流れを案内する左第一の壁と、前記左第一の壁に対向するように設けられた左第二の壁と 、この左第二の壁の頂部と前記左第一の壁の頂部とを接続する左頂部接続部と、前記左第一の壁に設けられ、前記左第一の壁の下部からの高さが異なる少なくとも2個の左開口部と、前記2個の左開口部の内、前記左第一の壁の下部から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である左第一の開口部が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である左第二の開口部が配置され、前記左第一の壁と前記左第二の壁は、前記基礎コンクリートに立設し、前記左第一の壁、前記左第二の壁、前記基礎コンクリートとの間に形成された前記河川に流れる水を溜める左貯留部と、この左貯留部は前記左第一の開口部及び前記左第二の開口部に連通するものであり、前記右壁は、河川の水の流れを案内する右第一の壁と 、前記右第一の壁に対向するように設けられた右第二の壁と、この右第二の壁の頂部と前記右第一の壁の頂部とを接続する右頂部接続部と、前記右第一の壁に設けられ、前記右第一の壁の下部からの高さが異なる少なくとも2個の右開口部と、前記2個の右開口部の内、前記右第一の壁の下部から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である右第一の開口部が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である右第二の開口部が配置され、前記右第一の壁と前記右第二の壁は、前記基礎コンクリートに立設し、前記右第一の壁、前記右第二の壁、前記基礎コンクリートとの間に形成された前記河川に流れる水を溜める右貯留部と、この右貯留部は前記右第一の開口部及び前記右第二の開口部に連通するものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の河川用護岸壁によれば、河川の増水に伴って水位が上昇し、所定水位に達すると、底から高い位置にある第一の開口部を介して、貯留部内に水が流入し、河川に流れる水量の低減化を図り、河川の下流域での氾濫を防ぎ、河川の水量が低下すれば、底から近い位置にある第二の開口部を介して、貯留部内の水が河川へと自動的に排出され、新たな河川の増水に対応することができる。
【0010】
また、請求項2記載の河川用護岸壁によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、貯留部の一部を基礎コンクリートで兼用するため、河川の設置前において、頂部接続部を介して一体化した第一の壁と第二の壁に、第二の壁の底部と第一の壁の底部とを接続する底部がない分、軽量となり設置し易い。
【0011】
また、請求項3記載の河川用護岸壁によれば、前述した請求項2記載の発明の効果に加え、接続部を設けているため、強度が増す。また、接続部が無く貯留部内が下流域まで連通すると、貯留部内に貯まった土砂は下流域に行くに従って、貯留部内に多く貯まり、下流域での貯留効果が低減する不具合を生じるが、接続部を設けて土砂の流れを遮断して前述した不具合を軽減化することができる。
【0012】
また、請求項4記載の河川用護岸壁によれば、前述した請求項1記載の発明と同様、河川の増水に伴って水位が上昇し、所定水位に達すると、底から高い位置にある第一の開口部を介して、貯留部内に水が流入し、河川に流れる水量の低減化を図り、河川の下流域での氾濫を防ぎ、河川の水量が低下すれば、底に近い位置にある第二の開口部を介して、貯留部内の水が河川へと自動的に排出され、新たな河川の増水に対応することができる。
【0013】
また、請求項5記載の河川用護岸壁の施工方法によれば、貯留部の一部を基礎コンクリートで兼用するため、河川の設置前において、左頂部接続部を介して一体化した左第一の壁と左第二の壁及び右頂部接続部を介して一体化した右第一の壁と右第二の壁に、それぞれ左第一の壁と左第二の壁とを接続する底部及び右第一の壁と右第二の壁とを接続する底部がない分、軽量となり設置し易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施例である河川用護岸壁及び河川用護岸壁の施工方法を図面を参照して説明する。
図1乃至図4において、Gは河川用護岸壁で、河川用護岸壁Gは、河川側に面して、河川の水の流れを案内する壁1、2(河川の上流から見て左に位置する左壁1、右に位置する右壁2)と、この壁1、2の河川側と反対方向に形成され、河川に流れる水を溜める貯留部11、21(左貯留部11、右貯留部21)とを備えている。
そして、壁1、2に、河川の底からの高さが異なる少なくとも2個の開口部12、13又は22、23(左開口部12、13、右開口部22、23)が設けられ、2個の開口部12、13又は22、23の内、底から高い位置に河川に流れる水の流入口である第一の開口部12、22(左第一の開口部12、右第一の開口部22)が、低い位置に河川に排出する水の流出口である第二の開口部13、23(左第二の開口部13、右第二の開口部23)が配置され、つまり、第一の開口部12、22は、第二の開口部13、23
より、河川の底から高い位置にある。そして、第一の開口部12、22及び第二の開口部13、23は貯留部11、21に連通するようになっている。
【0015】
従って、河川の増水に伴って水位が上昇し、所定水位に達すると、底から高い位置にある第一の開口部12、22を介して、貯留部11、21内に水が流入し、河川に流れる水量の低減化を図り、河川の下流域での氾濫を防ぎ、河川の水量が低下すれば、底に近い位置にある第二の開口部13、23を介して、貯留部11、21内の水が河川へと自動的に排出され、新たな河川の増水に対応することができる。
【0016】
詳述すれば、壁1、2は、例えば、鉄筋(図示せず)を内在したコンクリートで形成され、底部が開口している。壁1、2は、略三角柱形状(例えば、図3に示す底部は50cm×2mの長方形状をなし、高さ1m)をなし、該略三角柱形状の三角形の頂部は後述するように、平坦となって頂部接続部1c、2c(左頂部接続部1c、右頂部接続部2c)を形成し、頂部接続部1c、2cと対向する面が前述の底部となり、開口している。図2及び図3に示す壁1、2を図4に示すように、河川の水の流れに沿って、河川の左壁側と右壁側に順次設けていく。
【0017】
3は河川の底に形成された基礎コンクリートで、この基礎コンクリート3の上に河川の水の流れを案内する第一の壁1a、2a(左第一の壁1a、右第一の壁2a)は、置かれ、第一の壁1a、2aは河川側に面している。
第一の壁1a、2aに対向するように設けられた第二の壁1b、2b(左第二の壁1b、右第二の壁2b)は、基礎コンクリート2の上に置かれている。この第二の壁1b、2bの頂部と第一の壁の頂部1a、2aとは、頂部接続部1c、2c(左頂部接続部1c、右頂部接続部2c)で接続されている。
そして、第一の壁1a、2aには、基礎コンクリート3の上面からの高さが異なる少なくとも2個の開口部12、13(開口部12、13の開口形状は、例えば、縦10cm×横60cmの長方形状で、河川の水の流れに沿って横長の長方形状となっている。)又は22、23(開口部22、23の開口形状は、例えば、縦10cm×横60cmの長方形状で、河川の水の流れに沿って横長の長方形状となっている。)が設けられている。
2個の開口部12、13又は22、23の内、基礎コンクリート3の上面から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である第一の開口部12、22が、低い位置に河川に排出する水の流出口である第二の開口部13、23が配置されている。
即ち、図1に示すように、第一の壁1a、2aと第二の壁1b、2bは、基礎コンクリート3に立設し、第一の壁1a、2a、第二の壁1b、2b、基礎コンクリート3との間に河川に流れる水を溜める貯留部11、21が形成されている。
なお、貯留部11、21は第一の開口部12、22及び第二の開口部13、23に連通するようになっている。
このように、貯留部11、21の一部を基礎コンクリート3で兼用するため、河川の設置前において、頂部接続部1c、2cを介して一体化した第一の壁1a、2aと第二の壁1b、2bに、第一の壁1a、2aの底部と第二の壁1b、2bの底部を接続する部位がない分、壁1、2は、軽量となり設置し易い。
【0018】
また、第一の壁1a、2aは河川の水の流れに沿うように長手形状に形成され、第一の壁1a、2aに対向するように設けられた第二の壁1b、2bは、第一の壁1a、2aと同様に、長手形状に形成されている(図3参照)。
そして、第一の壁1a、2a及び第二の壁1b、2bの長手方向を横断する方向に、第一の壁1a、2aと第二の壁1b、2bとを接続する接続部1d、2dが設けられている。接続部1d、2dは、例えば、図2に示すように、両側と貯留部11、21を中央において2分割する位置の3箇所に設けられている。
このように接続部1d、2dを設けていると、壁1、2の強度を増加させることができ、また、接続部1d、2dが無い場合、貯留部11、21内が下流域まで連通することとなり、貯留部11、21内に貯まった土砂は下流域に行くに従って、貯留部11、21内に多く貯まり、下流域での貯留効果が低減する不具合を生じるが、接続部1d、2dを設けて土砂の流れを遮断して前述した不具合を軽減化することができる。
【0019】
次に、河川用護岸壁の施工方法について、説明する。
施工現場G1を掘った後、図5に示すように、河川の底に基礎コンクリート3を形成する(基礎コンクリート工程)。
この基礎コンクリート工程の後、図6に示すように、河川の左側に底部が開口した左壁1を図示しないクレーン等を使って置く(左壁載置工程)。また、基礎コンクリート工程の後、河川の右側に底部が開口した右壁2を図示しないクレーン等を使って置く(右壁載置工程)。
なお、左壁1及び右壁2は、施工現場G1ではなく予め工場等で製造したものを使用すれば作業性が良好となる。なお、左壁載置工程と右壁載置工程とは、同時に行っても、また、何れかを先に行っても良い。
次に、左壁載置工程及び右壁載置工程の後、露出している基礎コンクリート3の上にコンクリートを敷き詰めて左壁1と右壁2が移動しないようにする敷き詰めて敷き詰めコンクリート4を形成する(敷き詰めコンクリート工程)。その後、第二の壁1b、2bが露出しないように土砂等G2を充填して埋める(図7参照)。
【0020】
なお、上述した実施例では、壁1、2の底部は開口しているが、図8に示すように、第二の壁1b、2bの底部と第一の壁1a、2aの底部とを底部接続部1e、2e(左底部接続部1e、右底部接続部2e)により接続するようにしても良い。かかる場合、上述した実施例のような第一の壁1a、2aと第二の壁1b、2bとを接続する接続部1d、2dは設けないようにする方が良い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の一実施例の河川用護岸壁の概略的断面図である。
【図2】図2は、図1の壁の概略的側断面図である。
【図3】図3は、図2の壁の概略的底面図である。
【図4】図4は、図1の概略的一部平面図である。
【図5】図5は、基礎コンクリート工程を示す概略的断面図である。
【図6】図6は、左壁載置工程及び右壁載置工程が終了した状態を示す概略的断面図である。
【図7】図7は、敷き詰めコンクリート工程図を示す概略的断面図である。
【図8】図8は、図1と異なる実施例の河川用護岸壁の概略的断面図である。
【符号の説明】
【0022】
G 河川用護岸壁
1 壁
2 壁
11 貯留部
21 貯留部
12 第一の開口部
22 第一の開口部
13 第二の開口部
23 第二の開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川側に面して、河川の水の流れを案内する壁と、
この壁の前記河川側と反対方向に形成され、前記河川に流れる水を溜める貯留部と、
前記壁に、前記河川の底からの高さが異なる少なくとも2個の開口部が設けられ、前記2個の開口部の内、前記底から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である第一の開口部が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である第二の開口部が配置され、前記第一の開口部及び前記第二の開口部は前記貯留部に連通していることを特徴とする河川用護岸壁。
【請求項2】
河川の底に形成された基礎コンクリートと、
この基礎コンクリートの上に置かれ、河川側に面して、河川の水の流れを案内する第一の壁と、
前記基礎コンクリートの上に置かれ、前記第一の壁に対向するように設けられた第二の壁と、
この第二の壁の頂部と前記第一の壁の頂部とを接続する頂部接続部と、
前記第一の壁に設けられ、前記基礎コンクリートの上面からの高さが異なる少なくとも2個の開口部と、
前記2個の開口部の内、前記基礎コンクリートの上面から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である第一の開口部が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である第二の開口部が配置され、
前記第一の壁と前記第二の壁は、前記基礎コンクリートに立設し、
前記第一の壁、前記第二の壁、前記基礎コンクリートとの間に形成された前記河川に流れる水を溜める貯留部と、
この貯留部は前記第一の開口部及び前記第二の開口部に連通することを特徴とする河川用護岸壁。
【請求項3】
第一の壁は河川の水の流れに沿うように長手形状に形成され、
前記第一の壁に対向するように設けられた第二の壁は、長手形状に形成され、
前記第一の壁及び前記第二の壁の長手方向を横断する方向に設けられ、前記第一の壁と前記第二の壁とを接続する接続部と、
を備えていることを特徴とする請求項2記載の河川用護岸壁。
【請求項4】
河川側に面して、河川の水の流れを案内する第一の壁と、
この第一の壁に対向するように設けられた第二の壁と、
この第二の壁の頂部と前記第一の壁の頂部とを接続する頂部接続部と、
前記第二の壁の底部と前記第一の壁の底部とを接続する底部接続部と、
前記第一の壁に設けられ、前記河川の底からの高さが異なる少なくとも2個の開口部 と、
前記2個の開口部の内、前記河川の底から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である第一の開口部が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である第二の開口部が配置され、
前記第一の壁、前記第二の壁、前記底部接続部との間に形成された前記河川に流れる水を溜める貯留部と、
この貯留部は前記第一の開口部及び前記第二の開口部に連通することを特徴とする河川用護岸壁。
【請求項5】
河川の底に基礎コンクリートを形成する基礎コンクリート工程と、
この基礎コンクリート工程の後、前記河川の左側に底部が開口した左壁を置く左壁載置工程と、
前記基礎コンクリート工程の後、前記河川の右側に底部が開口した右壁を置く右壁載置工程と、
前記左壁載置工程及び前記右壁載置工程の後、露出している前記基礎コンクリートの上にコンクリートを敷き詰めて前記左壁と前記右壁が移動しないようにする敷き詰めコンクリート工程であり、
前記左壁は、
河川の水の流れを案内する左第一の壁と、
前記左第一の壁に対向するように設けられた左第二の壁と、
この左第二の壁の頂部と前記左第一の壁の頂部とを接続する左頂部接続部と、
前記左第一の壁に設けられ、前記左第一の壁の下部からの高さが異なる少なくとも2個の左開口部と、
前記2個の左開口部の内、前記左第一の壁の下部から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である左第一の開口部が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である左第二の開口部が配置され、
前記左第一の壁と前記左第二の壁は、前記基礎コンクリートに立設し、
前記左第一の壁、前記左第二の壁、前記基礎コンクリートとの間に形成された前記河川に流れる水を溜める左貯留部と、
この左貯留部は前記左第一の開口部及び前記左第二の開口部に連通するものであり、

前記右壁は、
河川の水の流れを案内する右第一の壁と、
前記右第一の壁に対向するように設けられた右第二の壁と、
この右第二の壁の頂部と前記右第一の壁の頂部とを接続する右頂部接続部と、
前記右第一の壁に設けられ、前記右第一の壁の下部からの高さが異なる少なくとも2個の右開口部と、
前記2個の右開口部の内、前記右第一の壁の下部から高い位置に前記河川に流れる水の流入口である右第一の開口部が、低い位置に前記河川に排出する水の流出口である右第二の開口部が配置され、
前記右第一の壁と前記右第二の壁は、前記基礎コンクリートに立設し、
前記右第一の壁、前記右第二の壁、前記基礎コンクリートとの間に形成された前記河川に流れる水を溜める右貯留部と、
この右貯留部は前記右第一の開口部及び前記右第二の開口部に連通する
ことを特徴とする河川用護岸壁の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−138401(P2007−138401A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−329614(P2005−329614)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(505423380)株式会社アースシフト (3)
【Fターム(参考)】