説明

沸点計

【課題】加熱部に流れるPWM制御された交流電流の振幅および実効値を正確に測定する。
【解決手段】加熱部3に流れるPWM制御された交流電流を電圧信号に変換する電流電圧変換部101と、電流電圧変換部101により変換された電圧信号を、当該電圧信号の波形を再現可能なサンプリング周期で、デジタル信号に変換するA/D変換器103と、A/D変換器103により変換されたデジタル信号に基づいて、交流電流の振幅および実効値を算出する測定部105とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱部に流れるPWM(Pulse Width Modulation)制御された交流電流を測定する機能を有する沸点計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ヒータ(加熱部)等の負荷に断線等の故障が生じていないかを検出するため、負荷に流れる交流電流を測定するものが知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に開示される方法では、負荷に流れる交流電流を電圧信号に変換し、この電圧信号を整流・平滑することで直流の電圧信号に変換して、測定を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−91576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の交流電流の測定方法では、交流電流を電圧信号に変換し、この電圧信号を整流・平滑した後に、測定を行っている。
一方、原油や石油製品等の蒸留点を測定する沸点計では、容器内の試料を加熱する際に厳密な温度制御が求められるため、この試料を加熱するヒータに流れる交流電流に対してPWM制御を行っている。このPWM制御では、例えば図8,10に示すように、1周期における交流電流のON/OFF期間の割合(デューティ比)を調整している。
また、沸点計では複数のヒータを用いているため、例えば1個のヒータに断線故障が生じた場合にも、残りのヒータで試料の加熱が継続される。したがって、試料の加熱状況ではヒータ故障を検出することは難しく、PWM制御された交流電流を正しく測定する必要がある。
【0005】
しかしながら、PWM制御された交流電流を従来の測定方法を用いて測定した場合、測定期間(例えば1周期)内で交流電流がOFFとなる期間が含まれる場合があり、このOFF期間も含めて平滑を行うことになる。そのため、図8〜11に示すように、PWM制御によるデューティ比が変化して交流電流801,1001のOFF期間が変化すると、ON期間での交流電流801,1001の振幅は変わらないにも関わらず、平滑を行った電圧信号902,1102(903,1103)が変化してしまう。よって、交流電圧の振幅・実効値を正しく測定することができず、ヒータの断線等の故障を正しく検出することができないという課題があった。なお図9,11において、符号901,1101は交流電流801,1001を電圧信号に変換したものを全波整流した電圧信号であり、電圧信号902,1102は平滑回路の時定数が短い場合での信号であり、電圧信号903,1103は平滑回路の時定数が長い場合での信号である。
また、従来の測定方法のように整流を行う場合、この整流を行うダイオードで電圧降下が発生し、測定値に誤差が発生してしまうという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、加熱部に流れるPWM制御された交流電流の振幅および実効値を正確に測定することができる機能を有した沸点計を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る沸点計は、加熱部に流れるPWM制御された交流電流を電圧信号に変換する電流電圧変換部と、電流電圧変換部により変換された電圧信号を、当該電圧信号の波形を再現可能なサンプリング周期で、デジタル信号に変換するA/D変換器と、A/D変換器により変換されたデジタル信号に基づいて、交流電流の振幅および実効値を算出する測定部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、上記のように構成したので、整流・平滑処理が不要となり、PWM制御によるデューティ比の変動に伴う誤演算がなくなるため、交流電流の振幅および実効値を正確に測定することができる。また、整流・平滑処理を行う構成要素が不要なため、装置の小型化およびコストダウンを図ることができる。また、整流処理が不要なため、ダイオードによる電圧降下がなくなり、高精度に測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る沸点計の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る交流電流測定装置の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る交流電流測定装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係る交流電流測定装置により測定された交流波形を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る交流電流測定装置の構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る交流電流測定装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2に係る交流電流測定装置により測定された交流波形を示す図である。
【図8】PWM制御された交流電流の波形を示す図である。
【図9】従来の測定方法を用いて図8に示す交流電流を測定した際の波形を示す図である。
【図10】図8に示す交流電流に対して、PWMのデューティ比を変化させた場合での交流電流の波形を示す図である。
【図11】従来の測定方法を用いて図10に示す交流電流を測定した際の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
まず、沸点計1の構成について説明する。
沸点計1は、原油や石油製品等の蒸留点を測定するものである。この沸点計1は、図1に示すように、フラスコ(容器)2、ヒータ(加熱部)3、導入部4、凝縮部5、留出量検出部6、留出温度検出部7、制御部8、排出部9および交流電流測定装置10から構成されている。
【0011】
フラスコ2は、原油や石油製品等の試料(液体)が導入されるものである。
ヒータ3は、制御部8によりPWM制御された交流電流に応じて、フラスコ2内の試料を加熱するものである。なお、ヒータ3は複数設けられ、それぞれ並列接続されている(図2参照)。
【0012】
導入部4は、フラスコ2内に試料を導入する部位である。この導入部4は、フラスコ2に連結された試料導入管41と、試料導入管41の上端に連結された計量カップ42と、計量カップ42に連結されたオーバーフロー管43と、試料導入管41内での試料の通過を規制する第1電磁バルブ44と、計量カップ42と第1電磁バルブ44との間の試料導入管41に連結された試料流通管45と、試料流通管45での試料の通過を規制する第2電磁バルブ46とを有している。
【0013】
凝縮部5は、フラスコ2内で加熱され蒸気となった試料を冷却して、液化する部位である。この凝縮部5は、フラスコ2の上方で連結された凝縮管51と、凝縮管51の周囲に配設された冷却水流通管52とを有している。
【0014】
留出量検出部6は、凝縮部5により液化された試料の留出量を検出する部位である。この留出量検出部6は、凝縮管51の端部に連結された試料留出管61と、試料留出管61の下端に連結された受器62と、受器62にU字管63aを介して連結された透明な液面検出管63と、液面検出管63に配設され、異なる所定の留出点で液面を検出する複数の検出端64aを具備するレベルセンサ64とを有している。
【0015】
留出温度検出部7は、留出量検出部6で試料の留出量が検出された際の、フラスコ2内の試料蒸気温度(留出温度)を検出するものである。この留出温度検出部7は、凝縮管51内に挿入され、検知部7aがフラスコ1の上部に位置するように配設されている。
【0016】
制御部8は、留出量検出部6(レベルセンサ64)により検出された試料の留出量および留出温度検出部7により検出されたその際の留出温度に基づいて、試料の蒸留点を算出するものである。
また、制御部8はヒータ3に交流電流を流して、加熱させている。この際、制御部8は、ヒータ3のパワー制御を行うため、この交流電流に対してPWM制御を行っている。すなわち、1周期における交流電流のON/OFF期間の割合(デューティ比)を調整している。
【0017】
排出部9は、制御部8により試料の蒸留点が測定された後、受器62および液面検出管63内の試料を外部に排出する部位である。この排出部9は、受器62の下端に連結された試料排出管91と、試料排出管91での試料の通過を規制する第3電磁バルブ92とを有している。
交流電流測定装置10は、ヒータ3に流れるPWM制御された交流電流を測定することで、各ヒータ3に断線等の故障が生じていないかを検出するものである。
【0018】
次に、上記のように構成された沸点計1において、試料の蒸留点を測定する際の動作について説明する。
沸点計1の動作では、まず、導入部4がフラスコ2内に試料を導入する。すなわち、まず、第1電磁バルブ44を閉じ、第2電磁バルブ46を開くことによって、試料流通管45から試料導入管41に試料を導入する。これにより、所定量の試料が計量カップ42に貯えられ、余分な試料がオーバーフロー管43から排出される。その後、第2電磁バルブ46を閉じ、第1電磁バルブ44を開くことによって、計量カップ42内の試料をフラスコ2内に入れる。
【0019】
次いで、ヒータ3が、制御部8によりPWM制御された交流電流に応じて、フラスコ2内の試料を連続的に加熱する。これによりフラスコ2内の試料が加熱され、蒸気となる。
次いで、凝縮部5が、フラスコ2内で加熱され蒸気となった試料を冷却し、液化する。すなわち、まず、フラスコ2からの試料蒸気が凝縮管51に流れる。そして、凝縮管51の周囲に配設された冷却水流通間52内を循環する冷却水によって、この試料蒸気を冷却し、液化する。
【0020】
次いで、留出量検出部6が、凝縮部5により液化された試料の留出量を検出する。すなわち、まず、凝縮部5で冷却され液化された試料が、試料留出管61を介して受器62内に滴下する。そして、この試料がU字管63aを介して液面検出管63内に流れる。これにより、液面検出管63内の液面が上昇する。そして、レベルセンサ64が、液面検出管63内の液面から留出量を検出する。このレベルセンサ64による検出結果は制御部8に送られる。またこの際、留出温度検出部7で検出された留出温度も制御部8に送られる。
【0021】
次いで、制御部8が、留出量検出部6(レベルセンサ64)により検出された試料の留出量および留出温度検出部7により検出されたその際の留出温度に基づいて、試料の蒸留点を算出する。
その後、ヒータ3による加熱を停止し、受器62および液面検出管63内の試料を排出部9を介して排出する。
【0022】
次に、交流電流測定装置10の構成について説明する。
ヒータ3に流れるPWM制御された交流電流を測定する交流電流測定装置10は、図2に示すように、電流電圧変換部101、増幅器102、A/D変換器103、記憶部104および測定部105から構成されている。なお図2では、ヒータ3、制御部8および交流電流測定装置10のみを示し、また、ヒータ3を3個設けた場合を示している。
【0023】
電流電圧変換部101は、ヒータ3と制御部8との間に直列接続され、電流が流れることによって生じる両端の電圧を検出することで、ヒータ3に流れる交流電流を電圧信号に変換するものである。この電流電圧変換部101は、例えば抵抗、トランスやホール素子等から構成される。
増幅器102は、電流電圧変換部101により変換された電圧信号を増幅するものである。
【0024】
A/D変換器103は、増幅器102により増幅された電圧信号を、この電圧信号の波形を再現可能なサンプリング周期(例えば1ms)で、デジタル信号に変換するものであり、ソフトウェアで実現される。なお、A/D変換器103は、所定の測定期間(例えば1周期や複数周期)を計るタイマを保持しており、このタイマに従い、測定期間での交流電圧に対するA/D変換を行う。
記憶部104は、A/D変換器103により変換されたデジタル信号を記憶するものである。
【0025】
測定部105は、記憶部104に記憶された測定期間での各デジタル信号に基づいて、交流電流の振幅およびその実効値を算出するものであり、ソフトウェアで実現される。この測定部105は、測定期間での各デジタル信号の中から最大値を検出し、この最大値の倍を交流電流の振幅として算出する。また、測定部105は、算出した振幅に、交流電流の波形に応じた係数を乗算することで、実効値を算出する。この測定部105により算出された交流電流の実効値はディスプレイ(不図示)上に表示される。
【0026】
次に、上記のように構成された交流電流測定装置10の動作について説明する。なお、ヒータ3には図8に示す交流電流が流れ、交流電流測定装置10の測定期間は1周期とする。
交流電流測定装置10の動作では、図3に示すように、まず、電流電圧変換部101が、ヒータ3に流れる交流電流を電圧信号に変換する(ステップST1,電流電圧変換ステップ)。次いで、増幅器102が、電流電圧変換部101により変換された電圧信号を増幅する(ステップST2,増幅ステップ)。これにより、図4に示すような電圧信号401となる。
【0027】
次いで、A/D変換器103が、増幅器102により増幅された電圧信号を、この電圧信号の波形を再現可能なサンプリング周期で、デジタル信号に変換する(ステップST3,A/D変換ステップ)。なおA/D変換器103は、タイマに従い、測定期間での交流電圧に対するA/D変換を行う。このA/D変換器103により変換されたデジタル信号は記憶部104に記憶される。これにより、図4に示すようなサンプリング周期でデジタル信号402を取得することができる。
【0028】
次いで、測定部105が、記憶部104に記憶された測定期間での各デジタル信号の中から最大値を検出する(ステップST4)。これにより、図4に示す測定期間(1周期)でのデジタル信号の最大値403を検出することができる。
次いで、測定部105が、検出した最大値の倍を交流電流の振幅として算出する(ステップST5)。次いで、測定部105が、算出した振幅に、交流電流の波形に応じた係数を乗算して、交流電流の実効値を算出する(ステップST6)。例えば、図4に示すような歪のない波形(サイン波)の場合には、係数は1/(2×√2)となる。
なお、ステップST4〜6は本願発明の測定ステップに対応する。
【0029】
このように動作することで、ヒータ3に流れる交流電流の振幅および実効値を正確に測定することができる。その後、この測定結果に基づいて、ヒータ3に交流電流が正常に流れているかを判断し、ヒータ3に断線等の故障が生じているかを判断する。具体的には、図2に示すような3個のヒータ3を設けた場合において、1個のヒータ3に断線故障が生じた場合、交流電流測定装置10により測定された交流電流の実効値は通常の2/3の値となる。また、2個のヒータ3に断線故障が生じた場合には、交流電流の実効値は通常の1/3の値となる。よって、交流電流測定装置10により測定された交流電流の実効値から、いくつのヒータ3に断線等の故障が生じているかを判断することができる。
【0030】
以上のように、この実施の形態1によれば、ヒータ3に流れるPWM制御された交流電流を電圧信号に変換し、この電圧信号の波形を再現可能なサンプリング周期で直接A/D変換するように構成したので、整流・平滑処理が不要となり、PWM制御によるデューティ比の変動に伴う誤演算がなくなるため、交流電流の振幅および実効値を正確に測定することができる。また、整流・平滑処理を行う構成要素が不要なため、装置の小型化およびコストダウンを図ることができる。また、整流処理が不要なため、ダイオードによる電圧降下がなくなり、高精度に測定を行うことができる。
【0031】
実施の形態2.
実施の形態1では、交流電流を電圧信号に変換して増幅した後、そのままA/D変換を行っている。そのため、得られるデジタル信号は、図4に示すような0Vを基準とした信号となる。しかしながら、オペアンプやA/D変換器などの回路では、0V付近の電圧は扱うことができため、図4に示すデジタル信号を交流電流測定以外の用途に使用することはできない。そこで、このデジタル信号を他の用途にも使用可能とするため、電圧信号をレベルシフトした後A/D変換を行うようにしたものについて示す。
【0032】
図5に示す実施の形態2に係る交流電流測定装置10は、図2に示す実施の形態1に係る交流電流測定装置10の構成に加算器106を追加し、測定部105を測定部105bに変更したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
加算器106は、A/D変換器103の前段に設けられ、A/D変換器103で用いる電圧信号に所定値を加算して、レベルシフトを行うものである。
また、測定部105bは、記憶部104に記憶された測定期間での各デジタル信号に基づいて、交流電流の振幅およびその実効値を算出するものであり、ソフトウェアで実現される。この測定部105bは、測定期間での各デジタル信号の中から最大値および最小値を検出し、この最大値と最小値との差分から交流電流の振幅を算出する。また、測定部105bは、算出した振幅に、交流電流の波形に応じた係数を乗算することで、実効値を算出する。この測定部105bにより算出された交流電流の実効値はディスプレイ(不図示)上に表示される。
【0033】
次に、上記のように構成された交流電流測定装置10の動作について説明する。なお、図6に示す実施の形態2に係る交流電流測定装置10の動作において、図3に示す実施の形態1に係る交流電流測定装置10の動作と同様の動作については、同一の符号を付しその説明を簡略化する。また、ヒータ3には図8に示す交流電流が流れ、交流電流測定装置10の測定期間は1周期とする。
交流電流測定装置10の動作では、図6に示すように、まず、電流電圧変換部101が、ヒータ3に流れる交流電流を電圧信号に変換し(ステップST1)、増幅器102が、この電圧信号を増幅する(ステップST2)。
【0034】
次いで、加算器106が、増幅器102により増幅された電圧信号に所定値を加算して、レベルシフトを行う(ステップST7,加算ステップ)。これにより、図4に示す電圧信号401を図7に示す電圧信号701にレベルシフトすることができる。
次いで、A/D変換器103が、加算器106によりレベルシフトされた電圧信号を、この電圧信号の波形を再現可能なサンプリング周期で、デジタル信号に変換する(ステップST3)。このA/D変換器103により変換されたデジタル信号は記憶部104に記憶される。これにより、図7に示すようなサンプリング周期でデジタル信号702を取得することができる。
【0035】
次いで、測定部105bが、記憶部104に記憶された測定期間での各デジタル信号の中から最大値および最小値を検出する(ステップST8)。これにより、図7に示す測定期間(1周期)でのデジタル信号の最大値703および最小値704を検出することができる。
次いで、測定部105bが、検出した最大値から最小値を差分して交流電流の振幅を算出する(ステップST9)。次いで、測定部105bが、算出した振幅に、交流電流の波形に応じた係数を乗算して、実効値を算出する(ステップST6)。
なお、ステップST8,9,6は本願発明の測定ステップに対応する。
このように動作することで、ヒータ3に流れる交流電流の振幅および実効値を正確に測定することができる。その後、この測定結果に基づいて、ヒータ3に交流電流が正常に流れているかを判断し、ヒータ3に断線等の故障が生じているかを判断する。
【0036】
以上のように、この実施の形態2によれば、交流電圧をレベルシフトした後A/D変換するように構成したので、実施の形態1における効果に加えて、得られたデジタル信号を交流電流測定以外の用途にも使用することが可能となる。
【0037】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 沸点計
2 フラスコ(容器)
3 ヒータ(加熱部)
4 導入部
5 凝縮部
6 留出量検出部
7 留出温度検出部
7a 検知部
8 制御部
9 排出部
10 交流電流測定装置
41 試料導入管
42 計量カップ
43 オーバーフロー管
44 第1電磁バルブ
45 試料流通管
46 第2電磁バルブ
51 凝縮管
52 冷却水流通管
61 試料留出管
62 受器
63 液面検出管
63a U字管
64 レベルセンサ
64a 検出端
91 試料排出管
92 第3電磁バルブ
101 電流電圧変換部
102 増幅器
103 A/D変換器
104 記憶部
105,105b 測定部
106 加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内の試料を加熱する複数の加熱部を備えた沸点計において、
前記加熱部に流れるPWM制御された交流電流を電圧信号に変換する電流電圧変換部と、
前記電流電圧変換部により変換された電圧信号を、当該電圧信号の波形を再現可能なサンプリング周期で、デジタル信号に変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器により変換されたデジタル信号に基づいて、前記交流電流の振幅および実効値を算出する測定部と
を備えた沸点計。
【請求項2】
前記測定部は、前記デジタル信号の最大値を検出し、当該最大値の倍を前記交流電流の振幅として算出し、当該振幅に基づいて実効値を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の沸点計。
【請求項3】
前記A/D変換部の前段で、当該A/D変換部で用いる電圧信号に所定値を加算して、レベルシフトを行う加算器をさらに有し、
前記測定部は、前記デジタル信号の最大値および最小値を検出し、当該最大値と最小値との差分から振幅を算出し、当該振幅に基づいて実効値を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の沸点計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−181134(P2012−181134A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45033(P2011−45033)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000219451)東亜ディーケーケー株式会社 (204)
【Fターム(参考)】