沸騰水型原子炉及びその気水分離器用リング
【課題】
本発明の課題は、簡単な構成で、部品点数及び溶接箇所を少なくすることが可能となり、工数低減が図れる構造を提供することにある。
【解決手段】
本発明では、上記課題を解決するために、沸騰水型原子炉の炉内に設置される気水分離器の上端に取付けられ、隣接する気水分離器と連結する少なくとも1つの連結板が一体となっていることを特徴とする。
本発明の課題は、簡単な構成で、部品点数及び溶接箇所を少なくすることが可能となり、工数低減が図れる構造を提供することにある。
【解決手段】
本発明では、上記課題を解決するために、沸騰水型原子炉の炉内に設置される気水分離器の上端に取付けられ、隣接する気水分離器と連結する少なくとも1つの連結板が一体となっていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は沸騰水型原子炉及びその気水分離器用リングに係り、特に、炉心で発生した蒸気と水を含む気水混合流が供給される複数の気水分離器の据付の仕方を改良した沸騰水型原子炉及びその気水分離器用リングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、沸騰水型原子炉は、原子炉圧力容器内に、複数の燃料集合体を装荷した炉心が配置されている。この炉心内の燃料集合体で発生した熱によって冷却材(軽水)を加熱し沸騰させることで、冷却材の一部が蒸気になり、発生した蒸気は、原子炉圧力容器から排出されてタービンへ送られ、タービンを回転させるものである。タービンには発電機が連結されていて、タービンで発電機を回転することで電力が発生する。
【0003】
上記した炉心で発生した蒸気と水を含む気水混合流が供給される気水分離器は、その気水混合流に含まれる蒸気と水とを分離して、蒸気を蒸気乾燥器へ送る機能を有している。
【0004】
この気水分離器は、気水分離器の下に取り付けてあるスタンドパイプを、シュラウドヘッドの鏡板に開けられている気水分離器接続用穴に挿入し、ここを溶接することで接合され鏡板に固定されている。通常、気水分離器は、鏡板の中心から距離が小さい順に取り付けられていく。
【0005】
こうして、気水分離器が全て設置された後、最外周の位置までにある一列全ての気水分離器を、長尺で細長い角柱で形成されたタイバーを用いて繋ぎ、タイバーを全ての気水分離器の上部外側面に溶接して固定している。このタイバーは、1本の気水分離器に対して3方向に交差するよう気水分離器の取り付け位置を変えて溶接され、気水分離器を固定している。タイバーは、気水分離器の上部を一体化することにより、気水分離器全体の剛性を高める役割を担っている。
【0006】
この気水分離器の上部支持構造については、隣接する気水分離器同士を、各気水分離器の上端面に放射状に配置した短冊状の連結板により連結するもの(特許文献1)や、気水分離器間の上部隙間に溶接で固定された連結板を設け、この連結板を介して隣り合う気水分離器同士を連結するもの(特許文献2)が、既に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−24676号公報
【特許文献2】特開2000−105291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来技術の長尺で細長い角柱で形成されたタイバーを用いた場合は、タイバーが通る鏡板上の気水分離器を、鏡板に対してできるだけ垂直に精度良く据付けるか、或いは気水分離器の配置状態に合わせてタイバーを修正加工して据付ける必要がある。
【0009】
また、特許文献1のように隣り合う気水分離器を連結板で連結するタイバーの場合は、これら課題を解消することができるものの、上述した従来技術に比べ連結板が多くなり部品点数が多くなるため、タイバー単品の製作工数、タイバーを気水分離器に溶接する工数は従来と同程度となることが予想される。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成で、部品点数及び溶接箇所を少なくすることが可能となり、工数低減が図れる沸騰水型原子炉及びその気水分離器用リングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングは、上記目的を達成するために、沸騰水型原子炉の炉内に設置される気水分離器の上端に取付けられ、隣接する気水分離器と連結する少なくとも1つの連結板が一体となっていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の沸騰水型原子炉は、上記目的を達成するために、原子炉圧力容器の炉心上方に、該炉心で発生した蒸気から炉内の湿分を分離する複数の気水分離器を備え、前記複数の気水分離器は、該気水分離器の上端に取付けられているリングが連結板を介して連結されている沸騰水型原子炉において、前記リングは、上記構成の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な構成で、部品点数及び溶接箇所を少なくすることが可能となり、工数低減が図れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の沸騰水型原子炉の一実施例を示し、相互に隣り合う気水分離器を連結した状態の平面図である。
【図2】図1の気水分離器が採用される改良型の沸騰水型原子炉を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例に採用される気水分離器及びスタンドパイプを示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例に採用される連結板同士を連結する一例を示す気水分離器上端のリング周辺部分を示す断面図である。
【図5】図4における連結板の連結部を拡大して側面方向から見た断面図である。
【図6】本発明に一実施例に採用される連結板同士を連結する他の例を示す気水分離器上端のリング周辺部分の断面図である。
【図7】図6における連結板の連結部を拡大して示す平面図である。
【図8】本発明に一実施例に採用される連結板同士を連結する更に他の例を示す気水分離器上端のリング周辺部分の断面図である。
【図9】図8における連結板の連結部を拡大して側面方向から見た断面図である。
【図10】本発明に一実施例に採用される連結板同士を連結する更に他の例を示す気水分離器上端のリング周辺部分の断面図である。
【図11】図10における連結板の連結部を拡大して側面方向から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施例の気水分離器の上端に取り付く気水分離器用リングの詳細を説明する前に、この気水分離器用リングが適用される改良型の沸騰水型原子炉について、図2を用いて説明する。
【0016】
図2に示すように、改良型の沸騰水型原子炉は、原子炉圧力容器1を備え、その内部には炉心2を備えている。炉心2には複数の燃料集合体が装荷されていて、炉心シュラウド9は、これらを取り囲むよう原子炉圧力容器1内に配置されている。
【0017】
シュラウドヘッド4は、炉心シュラウド9の上端部に設置されていて、複数の気水分離器3がシュラウドヘッド4に設置されている。また、蒸気乾燥器10は、気水分離器3の上方で原子炉圧力容器1に設置されている。環状の流路であるダウンカマ11が、原子炉圧力容器1と炉心シュラウド9の間に形成されている。また、複数のインターナルポンプ12が原子炉圧力容器1の底部に設置され、インターナルポンプ12のインペラ(図示せず)は、ダウンカマ11内に配置されている。蒸気をタービンへ送るための主蒸気配管13が、原子炉圧力容器1に接続されている。
【0018】
ダウンカマ11部の冷却水(冷却材)は、インペラにより加圧され、ディフューザ(図示せず)で整流後、シュラウドサポートレグ(図示せず)の間を通って、下部プレナム14に送られる過程を経て炉心2へ供給される。この冷却水は、炉心2を通過する際、炉心2内に配置された燃料集合体内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。この蒸気を含む冷却水は、気水混合流の状態で炉心から気水分離器3内へ供給される。気水分離器3は、内部の固定翼により冷却水を除去し、蒸気を排出する。蒸気は、蒸気乾燥器10によって含まれている液滴が、さらに除去されて乾燥度を増した上で、主蒸気配管13に排出され、この主蒸気配管13を通ってタービンに供給されてタービンを回転させ、タービンに連結された発電機が回転して電力を発生するものである。
【0019】
一方、タービンから排出された蒸気は、復水器で凝縮されて水になる。この水は、給水として給水配管により原子炉圧力容器1内に供給される。
【0020】
また、気水分離器3で分離された冷却水は、ダウンカマ11内に排出される。この冷却水は、給水配管によって供給される給水とダウンカマ11内で混合され、インターナルポンプ12内に流入する。このサイクルを繰り返すことで発電が行われる。
【0021】
次に、上述した気水分離器3について、図3を用いて説明する。
【0022】
沸騰水型原子炉に用いられる気水分離器3は、図3に示すように、縦型軸流遠心式で、二重の円筒より構成されている。炉心2を出た気水混合体は、炉心上部プレナム15(図2参照)からスタンドパイプ16を通って気水分離器3の下端に入り、ここで入り口ベーン17により回転運動が与えられ、円筒内を自由渦巻運動で上向きに移動していく間に、それに伴う遠心効果によって水と蒸気が分離される。
【0023】
リング8は、気水分離器3を構成する円筒内の最上部と中間部、及び下方部の3箇所に設置されており、分離された水は、リング8にて集合して外側の円筒側へ排出され降下し、その後、再び炉心2の領域へ戻る。一方、分離された蒸気部分は、そのまま軸方向に進んで、蒸気乾燥器10に入る。
【0024】
本実施例では、気水分離器3の最上部に取り付けられているリング8と連結板7を一体化し、気水分離器3自体に相互に隣り合う気水分離器3を連結するための機能を持たせた構造としているので、以下、これについて記述する。
【0025】
まず、先端に溶接開先がある連結板7を一体化したリング8について説明する。先端に溶接開先がある連結板7を一体化したリング8は、図4に示すごとく、先端に溶接開先がある相互の連結板7の溶接開先を突き合わせ、その開先部分を1箇所溶接18することで、連結板7を介して相互に隣り合う気水分離器3を連結するものである。この状態を図1に示す。
【0026】
図1に示す如く、気水分離器3の最上部に取り付けられているリング8は、円周方向に等間隔に、それぞれの先端に溶接開先が6個の連結板7と一体になって形成されている。リング8と連結板7との一体化は、例えば鋳造、機械加工で形成することが可能である。
【0027】
このように形成されたリング8と一体化された6個の各連結板7は、隣接する複数の各気水分離器3の最上部に取り付けられている同一構成のリング8の各連結板7と、その先端にある溶接開先同士を突き合わせて溶接18することで、複数の隣接する気水分離器3同士を連結している。図5は、隣接する連結板7同士の溶接開先に溶接18を実施した後を示すものである。気水分離器3の最上部に取り付けられているリング8と一体化された連結板7同士の溶接開先が溶接18されていることが分かる。
【0028】
このように構成することにより、連結板7を溶接する箇所は6箇所であることから、先行技術に比べて部品点数、及び溶接箇所が少なくなるため工数低減が可能である。また、従来技術の課題であった気水分離器3の据付精度やタイバーの修正加工を考慮する必要は無くなることは勿論、先行技術に比べ、タイバー単品の製作が不要になることから部品点数を減らすこともできる。更に、隣り合う気水分離器3同士を連結するためには、少なくとも1箇所連結板7を設けてあるリング8が必要で、気水分離器3の上部に要求される剛性に応じて、林立する気水分離器3の位置毎に連結板7を増やすことにより、気水分離器3の上部を全体として連結することが可能になる。
【0029】
次に、図6及び図7にリング8と一体に形成された連結板7同士を連結する他の例を示す。
【0030】
図6及び図7に示す例は、先端にはめ込み式連結部がある連結板7を一体化したリング3とする例である。この例は、連結板7の先端の一方側をはめ込み部のオス側7a、他方側をはめ込み部のメス側7bとし、これら連結板7のはめ込み部のオス側7aとメス側7bを組み合わせることで、相互に隣り合う気水分離器3を連結することが可能な構造となっている。両者を組み合わせる際には、一方の気水分離器3を鏡板5に取り付けた後、他方の気水分離器3を上方からはめ込むことで、両者を連結することができる。
【0031】
このような本実施例の構成でも上述した実施例と同様、従来技術の課題は解消しており、先行技術よりも部品点数は少なくなるし、溶接箇所が少なくなるため工数低減が可能である。また、少なくとも1箇所連結板7を設けてあるリング8があれば、隣り合う気水分離器3同士を連結でき、林立する気水分離器3の位置毎に連結板7を増やすことにより剛性を上げることができる。
【0032】
尚、本実施例の構成では、連結部に溶接が不要な構造となっているが、必要に応じて連結部に溶接を施しても良い。
【0033】
次に、図8及び図9にリング8と一体に形成された連結板7同士を連結する更に他の例を示す。
【0034】
図8及び図9に示す例は、先端に摺り合わせ式連結部がある連結板7を一体化したリング8とする例である。この例は、連結板7を、隣接する互いの連結板7の先端を直角に突出させてL字状に形成し、一方の連結板7のL字状の突出部分を他方のL字状の突出部分と摺り合わせるように組み合わせることで、相互に隣り合う気水分離器3を連結することが可能な構造となっている。両者を組み合わせる際には、一方の気水分離器3を鏡板5に取り付けた後、他方の気水分離器3を周方向に回転させてすり合わせ部を回避する形で鏡板5にある穴へ挿入した後、連結板7同士がすり合わさるよう、所定の位置まで回転させて取り付けることで双方を連結することができる。
【0035】
このような本実施例の構成でも上述した実施例と同様、従来技術の課題は解消しており、先行技術よりも部品点数は少なくなるし、溶接箇所が少なくなるため工数低減が可能である。また、少なくとも1箇所連結板7を設けてあるリング8があれば、隣り合う気水分離器3同士を連結でき、林立する気水分離器3の位置毎に連結板7を増やすことにより剛性を上げることができる。
【0036】
尚、本実施例の構成では、連結部に溶接が不要な構造となっているが、必要に応じて連結部に溶接を施しても良い。
【0037】
次に、図10及び図11にリング8と一体に形成された連結板7同士を連結する更に他の例を示す。
【0038】
図10及び図11に示す例は、先端にピン接続式の連結部がある連結板7を一体化したリング8とする例である。この例は、先端に円筒穴7cを有する連結板7に、先端にピン7dを有する連結板7を重ね、ピン7dを円筒穴7cに挿入することで、相互に隣り合う気水分離器3を連結することが可能な構造となっている。両者を組み合わせる際には、ピン7dが下向きに連結板7に設けられている場合、円筒穴7cがある連結板7を有する気水分離器3を先に鏡板5に取り付け、上からピン7dが円筒穴7cに挿入されるよう、もう一方の気水分離器3を鏡板5に取り付けることで双方を連結することができる。ピン7dが上向きの場合には、上記と逆の取り付け手順となる。
【0039】
このような本実施例の構成でも上述した実施例と同様、従来技術の課題は解消しており、先行技術よりも部品点数は少なくなるし、溶接箇所が少なくなるため工数低減が可能である。また、少なくとも1箇所連結板7を設けてあるリング8があれば、隣り合う気水分離器3同士を連結でき、林立する気水分離器3の位置毎に連結板7を増やすことにより剛性を上げることができる。
【0040】
尚、本実施例の構成では、連結部に溶接が不要な構造となっているが、必要に応じて連結部に溶接を施しても良い。
【0041】
上述した各実施例では、リング8と一体化された連結板7が6箇所の例(隣接する気水分離器3の全方向に設けてある例)について説明したが、隣り合う気水分離器3同士を連結するためには、少なくとも1箇所連結板7を設けてあるリング8があれば(例えば、気水分離器3をリング8と一体の1箇所の連結板7でうず巻き状に固定することで可能)良く、設置場所の機器に要求される剛性に応じて、連結板7を3箇所或いは4箇所等適宜設定すれば良いことは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
1…原子炉圧力容器、2…炉心、3…気水分離器、4…シュラウドヘッド、5…鏡板、6…タイバー、7…連結板、8…リング、9…炉心シュラウド、10…蒸気乾燥器、11…ダウンカマ、12…インターナルポンプ、13…主蒸気配管、14…下部プレナム、15…炉心上部プレナム、16…スタンドパイプ、17…入り口ベーン、18…溶接
【技術分野】
【0001】
本発明は沸騰水型原子炉及びその気水分離器用リングに係り、特に、炉心で発生した蒸気と水を含む気水混合流が供給される複数の気水分離器の据付の仕方を改良した沸騰水型原子炉及びその気水分離器用リングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、沸騰水型原子炉は、原子炉圧力容器内に、複数の燃料集合体を装荷した炉心が配置されている。この炉心内の燃料集合体で発生した熱によって冷却材(軽水)を加熱し沸騰させることで、冷却材の一部が蒸気になり、発生した蒸気は、原子炉圧力容器から排出されてタービンへ送られ、タービンを回転させるものである。タービンには発電機が連結されていて、タービンで発電機を回転することで電力が発生する。
【0003】
上記した炉心で発生した蒸気と水を含む気水混合流が供給される気水分離器は、その気水混合流に含まれる蒸気と水とを分離して、蒸気を蒸気乾燥器へ送る機能を有している。
【0004】
この気水分離器は、気水分離器の下に取り付けてあるスタンドパイプを、シュラウドヘッドの鏡板に開けられている気水分離器接続用穴に挿入し、ここを溶接することで接合され鏡板に固定されている。通常、気水分離器は、鏡板の中心から距離が小さい順に取り付けられていく。
【0005】
こうして、気水分離器が全て設置された後、最外周の位置までにある一列全ての気水分離器を、長尺で細長い角柱で形成されたタイバーを用いて繋ぎ、タイバーを全ての気水分離器の上部外側面に溶接して固定している。このタイバーは、1本の気水分離器に対して3方向に交差するよう気水分離器の取り付け位置を変えて溶接され、気水分離器を固定している。タイバーは、気水分離器の上部を一体化することにより、気水分離器全体の剛性を高める役割を担っている。
【0006】
この気水分離器の上部支持構造については、隣接する気水分離器同士を、各気水分離器の上端面に放射状に配置した短冊状の連結板により連結するもの(特許文献1)や、気水分離器間の上部隙間に溶接で固定された連結板を設け、この連結板を介して隣り合う気水分離器同士を連結するもの(特許文献2)が、既に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−24676号公報
【特許文献2】特開2000−105291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来技術の長尺で細長い角柱で形成されたタイバーを用いた場合は、タイバーが通る鏡板上の気水分離器を、鏡板に対してできるだけ垂直に精度良く据付けるか、或いは気水分離器の配置状態に合わせてタイバーを修正加工して据付ける必要がある。
【0009】
また、特許文献1のように隣り合う気水分離器を連結板で連結するタイバーの場合は、これら課題を解消することができるものの、上述した従来技術に比べ連結板が多くなり部品点数が多くなるため、タイバー単品の製作工数、タイバーを気水分離器に溶接する工数は従来と同程度となることが予想される。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成で、部品点数及び溶接箇所を少なくすることが可能となり、工数低減が図れる沸騰水型原子炉及びその気水分離器用リングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングは、上記目的を達成するために、沸騰水型原子炉の炉内に設置される気水分離器の上端に取付けられ、隣接する気水分離器と連結する少なくとも1つの連結板が一体となっていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の沸騰水型原子炉は、上記目的を達成するために、原子炉圧力容器の炉心上方に、該炉心で発生した蒸気から炉内の湿分を分離する複数の気水分離器を備え、前記複数の気水分離器は、該気水分離器の上端に取付けられているリングが連結板を介して連結されている沸騰水型原子炉において、前記リングは、上記構成の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な構成で、部品点数及び溶接箇所を少なくすることが可能となり、工数低減が図れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の沸騰水型原子炉の一実施例を示し、相互に隣り合う気水分離器を連結した状態の平面図である。
【図2】図1の気水分離器が採用される改良型の沸騰水型原子炉を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例に採用される気水分離器及びスタンドパイプを示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例に採用される連結板同士を連結する一例を示す気水分離器上端のリング周辺部分を示す断面図である。
【図5】図4における連結板の連結部を拡大して側面方向から見た断面図である。
【図6】本発明に一実施例に採用される連結板同士を連結する他の例を示す気水分離器上端のリング周辺部分の断面図である。
【図7】図6における連結板の連結部を拡大して示す平面図である。
【図8】本発明に一実施例に採用される連結板同士を連結する更に他の例を示す気水分離器上端のリング周辺部分の断面図である。
【図9】図8における連結板の連結部を拡大して側面方向から見た断面図である。
【図10】本発明に一実施例に採用される連結板同士を連結する更に他の例を示す気水分離器上端のリング周辺部分の断面図である。
【図11】図10における連結板の連結部を拡大して側面方向から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施例の気水分離器の上端に取り付く気水分離器用リングの詳細を説明する前に、この気水分離器用リングが適用される改良型の沸騰水型原子炉について、図2を用いて説明する。
【0016】
図2に示すように、改良型の沸騰水型原子炉は、原子炉圧力容器1を備え、その内部には炉心2を備えている。炉心2には複数の燃料集合体が装荷されていて、炉心シュラウド9は、これらを取り囲むよう原子炉圧力容器1内に配置されている。
【0017】
シュラウドヘッド4は、炉心シュラウド9の上端部に設置されていて、複数の気水分離器3がシュラウドヘッド4に設置されている。また、蒸気乾燥器10は、気水分離器3の上方で原子炉圧力容器1に設置されている。環状の流路であるダウンカマ11が、原子炉圧力容器1と炉心シュラウド9の間に形成されている。また、複数のインターナルポンプ12が原子炉圧力容器1の底部に設置され、インターナルポンプ12のインペラ(図示せず)は、ダウンカマ11内に配置されている。蒸気をタービンへ送るための主蒸気配管13が、原子炉圧力容器1に接続されている。
【0018】
ダウンカマ11部の冷却水(冷却材)は、インペラにより加圧され、ディフューザ(図示せず)で整流後、シュラウドサポートレグ(図示せず)の間を通って、下部プレナム14に送られる過程を経て炉心2へ供給される。この冷却水は、炉心2を通過する際、炉心2内に配置された燃料集合体内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。この蒸気を含む冷却水は、気水混合流の状態で炉心から気水分離器3内へ供給される。気水分離器3は、内部の固定翼により冷却水を除去し、蒸気を排出する。蒸気は、蒸気乾燥器10によって含まれている液滴が、さらに除去されて乾燥度を増した上で、主蒸気配管13に排出され、この主蒸気配管13を通ってタービンに供給されてタービンを回転させ、タービンに連結された発電機が回転して電力を発生するものである。
【0019】
一方、タービンから排出された蒸気は、復水器で凝縮されて水になる。この水は、給水として給水配管により原子炉圧力容器1内に供給される。
【0020】
また、気水分離器3で分離された冷却水は、ダウンカマ11内に排出される。この冷却水は、給水配管によって供給される給水とダウンカマ11内で混合され、インターナルポンプ12内に流入する。このサイクルを繰り返すことで発電が行われる。
【0021】
次に、上述した気水分離器3について、図3を用いて説明する。
【0022】
沸騰水型原子炉に用いられる気水分離器3は、図3に示すように、縦型軸流遠心式で、二重の円筒より構成されている。炉心2を出た気水混合体は、炉心上部プレナム15(図2参照)からスタンドパイプ16を通って気水分離器3の下端に入り、ここで入り口ベーン17により回転運動が与えられ、円筒内を自由渦巻運動で上向きに移動していく間に、それに伴う遠心効果によって水と蒸気が分離される。
【0023】
リング8は、気水分離器3を構成する円筒内の最上部と中間部、及び下方部の3箇所に設置されており、分離された水は、リング8にて集合して外側の円筒側へ排出され降下し、その後、再び炉心2の領域へ戻る。一方、分離された蒸気部分は、そのまま軸方向に進んで、蒸気乾燥器10に入る。
【0024】
本実施例では、気水分離器3の最上部に取り付けられているリング8と連結板7を一体化し、気水分離器3自体に相互に隣り合う気水分離器3を連結するための機能を持たせた構造としているので、以下、これについて記述する。
【0025】
まず、先端に溶接開先がある連結板7を一体化したリング8について説明する。先端に溶接開先がある連結板7を一体化したリング8は、図4に示すごとく、先端に溶接開先がある相互の連結板7の溶接開先を突き合わせ、その開先部分を1箇所溶接18することで、連結板7を介して相互に隣り合う気水分離器3を連結するものである。この状態を図1に示す。
【0026】
図1に示す如く、気水分離器3の最上部に取り付けられているリング8は、円周方向に等間隔に、それぞれの先端に溶接開先が6個の連結板7と一体になって形成されている。リング8と連結板7との一体化は、例えば鋳造、機械加工で形成することが可能である。
【0027】
このように形成されたリング8と一体化された6個の各連結板7は、隣接する複数の各気水分離器3の最上部に取り付けられている同一構成のリング8の各連結板7と、その先端にある溶接開先同士を突き合わせて溶接18することで、複数の隣接する気水分離器3同士を連結している。図5は、隣接する連結板7同士の溶接開先に溶接18を実施した後を示すものである。気水分離器3の最上部に取り付けられているリング8と一体化された連結板7同士の溶接開先が溶接18されていることが分かる。
【0028】
このように構成することにより、連結板7を溶接する箇所は6箇所であることから、先行技術に比べて部品点数、及び溶接箇所が少なくなるため工数低減が可能である。また、従来技術の課題であった気水分離器3の据付精度やタイバーの修正加工を考慮する必要は無くなることは勿論、先行技術に比べ、タイバー単品の製作が不要になることから部品点数を減らすこともできる。更に、隣り合う気水分離器3同士を連結するためには、少なくとも1箇所連結板7を設けてあるリング8が必要で、気水分離器3の上部に要求される剛性に応じて、林立する気水分離器3の位置毎に連結板7を増やすことにより、気水分離器3の上部を全体として連結することが可能になる。
【0029】
次に、図6及び図7にリング8と一体に形成された連結板7同士を連結する他の例を示す。
【0030】
図6及び図7に示す例は、先端にはめ込み式連結部がある連結板7を一体化したリング3とする例である。この例は、連結板7の先端の一方側をはめ込み部のオス側7a、他方側をはめ込み部のメス側7bとし、これら連結板7のはめ込み部のオス側7aとメス側7bを組み合わせることで、相互に隣り合う気水分離器3を連結することが可能な構造となっている。両者を組み合わせる際には、一方の気水分離器3を鏡板5に取り付けた後、他方の気水分離器3を上方からはめ込むことで、両者を連結することができる。
【0031】
このような本実施例の構成でも上述した実施例と同様、従来技術の課題は解消しており、先行技術よりも部品点数は少なくなるし、溶接箇所が少なくなるため工数低減が可能である。また、少なくとも1箇所連結板7を設けてあるリング8があれば、隣り合う気水分離器3同士を連結でき、林立する気水分離器3の位置毎に連結板7を増やすことにより剛性を上げることができる。
【0032】
尚、本実施例の構成では、連結部に溶接が不要な構造となっているが、必要に応じて連結部に溶接を施しても良い。
【0033】
次に、図8及び図9にリング8と一体に形成された連結板7同士を連結する更に他の例を示す。
【0034】
図8及び図9に示す例は、先端に摺り合わせ式連結部がある連結板7を一体化したリング8とする例である。この例は、連結板7を、隣接する互いの連結板7の先端を直角に突出させてL字状に形成し、一方の連結板7のL字状の突出部分を他方のL字状の突出部分と摺り合わせるように組み合わせることで、相互に隣り合う気水分離器3を連結することが可能な構造となっている。両者を組み合わせる際には、一方の気水分離器3を鏡板5に取り付けた後、他方の気水分離器3を周方向に回転させてすり合わせ部を回避する形で鏡板5にある穴へ挿入した後、連結板7同士がすり合わさるよう、所定の位置まで回転させて取り付けることで双方を連結することができる。
【0035】
このような本実施例の構成でも上述した実施例と同様、従来技術の課題は解消しており、先行技術よりも部品点数は少なくなるし、溶接箇所が少なくなるため工数低減が可能である。また、少なくとも1箇所連結板7を設けてあるリング8があれば、隣り合う気水分離器3同士を連結でき、林立する気水分離器3の位置毎に連結板7を増やすことにより剛性を上げることができる。
【0036】
尚、本実施例の構成では、連結部に溶接が不要な構造となっているが、必要に応じて連結部に溶接を施しても良い。
【0037】
次に、図10及び図11にリング8と一体に形成された連結板7同士を連結する更に他の例を示す。
【0038】
図10及び図11に示す例は、先端にピン接続式の連結部がある連結板7を一体化したリング8とする例である。この例は、先端に円筒穴7cを有する連結板7に、先端にピン7dを有する連結板7を重ね、ピン7dを円筒穴7cに挿入することで、相互に隣り合う気水分離器3を連結することが可能な構造となっている。両者を組み合わせる際には、ピン7dが下向きに連結板7に設けられている場合、円筒穴7cがある連結板7を有する気水分離器3を先に鏡板5に取り付け、上からピン7dが円筒穴7cに挿入されるよう、もう一方の気水分離器3を鏡板5に取り付けることで双方を連結することができる。ピン7dが上向きの場合には、上記と逆の取り付け手順となる。
【0039】
このような本実施例の構成でも上述した実施例と同様、従来技術の課題は解消しており、先行技術よりも部品点数は少なくなるし、溶接箇所が少なくなるため工数低減が可能である。また、少なくとも1箇所連結板7を設けてあるリング8があれば、隣り合う気水分離器3同士を連結でき、林立する気水分離器3の位置毎に連結板7を増やすことにより剛性を上げることができる。
【0040】
尚、本実施例の構成では、連結部に溶接が不要な構造となっているが、必要に応じて連結部に溶接を施しても良い。
【0041】
上述した各実施例では、リング8と一体化された連結板7が6箇所の例(隣接する気水分離器3の全方向に設けてある例)について説明したが、隣り合う気水分離器3同士を連結するためには、少なくとも1箇所連結板7を設けてあるリング8があれば(例えば、気水分離器3をリング8と一体の1箇所の連結板7でうず巻き状に固定することで可能)良く、設置場所の機器に要求される剛性に応じて、連結板7を3箇所或いは4箇所等適宜設定すれば良いことは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
1…原子炉圧力容器、2…炉心、3…気水分離器、4…シュラウドヘッド、5…鏡板、6…タイバー、7…連結板、8…リング、9…炉心シュラウド、10…蒸気乾燥器、11…ダウンカマ、12…インターナルポンプ、13…主蒸気配管、14…下部プレナム、15…炉心上部プレナム、16…スタンドパイプ、17…入り口ベーン、18…溶接
【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸騰水型原子炉の炉内に設置される気水分離器の上端に取付けられ、隣接する気水分離器と連結する少なくとも1つの連結板が一体となっていることを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項2】
請求項1に記載の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングおいて、
前記連結板の先端に開先が形成され、該連結板の開先を突き合わせ、該突き合わせ部を溶接することで、隣接する少なくとも1方向の前記気水分離器を連結することを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項3】
請求項1に記載の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングおいて、
前記連結板の先端の一方側をはめ込み部のオス側、他方側をはめ込み部のメス側とし、該はめ込み部のオス側とメス側を組み合わせることで、隣接する少なくとも1方向の気水分離器を連結することを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項4】
請求項1に記載の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングおいて、
前記連結板は、隣接する互いの連結板の先端を直角に突出させてL字状に形成され、一方の連結板のL字状の突出部分を他方のL字状の突出部分と摺り合わせるように組み合わせることで、隣接する少なくとも1方向の気水分離器を連結することを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項5】
請求項1に記載の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングおいて、
前記連結板の先端の一方側に円筒穴が、隣接する連結板の先端の他方側にピンがそれぞれ形成され、かつ、これら両者の連結板を重ね合わせ、前記ピンを円筒穴に挿入することで、隣接する少なくとも1方向の気水分離器を連結することを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングおいて、
前記連結板は、隣接する前記気水分離器の全方向に対して設けてあることを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項7】
原子炉圧力容器の炉心上方に、該炉心で発生した蒸気から炉内の湿分を分離する複数の気水分離器を備え、前記複数の気水分離器は、該気水分離器の上端に取付けられているリングが連結板を介して連結されている沸騰水型原子炉において、
前記リングは、請求項1乃至6のいずれかに記載の気水分離器用リングであることを特徴とする沸騰水型原子炉。
【請求項1】
沸騰水型原子炉の炉内に設置される気水分離器の上端に取付けられ、隣接する気水分離器と連結する少なくとも1つの連結板が一体となっていることを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項2】
請求項1に記載の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングおいて、
前記連結板の先端に開先が形成され、該連結板の開先を突き合わせ、該突き合わせ部を溶接することで、隣接する少なくとも1方向の前記気水分離器を連結することを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項3】
請求項1に記載の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングおいて、
前記連結板の先端の一方側をはめ込み部のオス側、他方側をはめ込み部のメス側とし、該はめ込み部のオス側とメス側を組み合わせることで、隣接する少なくとも1方向の気水分離器を連結することを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項4】
請求項1に記載の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングおいて、
前記連結板は、隣接する互いの連結板の先端を直角に突出させてL字状に形成され、一方の連結板のL字状の突出部分を他方のL字状の突出部分と摺り合わせるように組み合わせることで、隣接する少なくとも1方向の気水分離器を連結することを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項5】
請求項1に記載の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングおいて、
前記連結板の先端の一方側に円筒穴が、隣接する連結板の先端の他方側にピンがそれぞれ形成され、かつ、これら両者の連結板を重ね合わせ、前記ピンを円筒穴に挿入することで、隣接する少なくとも1方向の気水分離器を連結することを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の気水分離器用リングおいて、
前記連結板は、隣接する前記気水分離器の全方向に対して設けてあることを特徴とする沸騰水型原子炉の気水分離器用リング。
【請求項7】
原子炉圧力容器の炉心上方に、該炉心で発生した蒸気から炉内の湿分を分離する複数の気水分離器を備え、前記複数の気水分離器は、該気水分離器の上端に取付けられているリングが連結板を介して連結されている沸騰水型原子炉において、
前記リングは、請求項1乃至6のいずれかに記載の気水分離器用リングであることを特徴とする沸騰水型原子炉。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−145521(P2012−145521A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5465(P2011−5465)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
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