説明

油中水型乳化化粧料

【課題】経時安定性に優れ、べたつきが無くのび広がりの良好な油中水型乳化化粧料を提供すること。
【解決手段】
次の成分(A)〜(E);
(A)トリアルコキシアルキルシランで表面処理された微粒子金属酸化物
(B)ポリヒドロキシステアリン酸
(C)非シリコーン系油剤
(D)HLB2〜7のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン及び/又はHLB2〜7のポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン
(E)水性成分
を配合することを特徴とする油中水型乳化化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアルコキシアルキルシランで表面処理された微粒子金属酸化物をポリヒドロキシステアリン酸で油層中に分散した油中水型乳化化粧料に関し、さらに詳細には、経時安定性に優れ、べたつきが無くのび広がりの良好な油中水型乳化化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料に配合される微粒子金属酸化物は、様々な機能を発揮する一方、凝集性が高いため化粧料中に均一に分散することや経時安定性を保つことは非常に困難であり、様々な検討がなされてきた。例えば、紫外線防御効果を有する化粧料には、有機紫外線吸収剤や無機紫外線散乱剤などが配合されており、無機紫外線散乱剤としては、酸化チタンや酸化亜鉛などの金属酸化物が用いられているが、屈折率が高く塗布後に肌が白くなってしまい化粧料としては好ましくない。塗布後の白さを改良するために、金属酸化物を微粒子化して可視光線の透過性を向上させる技術が報告されている(例えば特許文献1参照)。また、微粒子化した金属酸化物の分散性を向上させ、塗布後の白さを改良するため、分散剤としてスルホコハク酸ジアルキルナトリウムを用いた検討や(特許文献2)、ポリヒドロキシステアリン酸のエステル結合物を用いた検討がある(特許文献3)。
【0003】
更に、微粒子金属酸化物の分散性を向上させるために微粒子金属酸化物を予め分散処理した分散組成物を調製し、化粧料に配合することが行われている。分散組成物としては、分散剤としてトリメチルシロキシケイ酸やジメチルポリシロキサン・メチル(ポリオキシアルキレン)シロキサン共重合体を用いた分散組成物や(例えば特許文献4参照)、分散剤としてアクリル−シリコーングラフトポリマーを用いた分散組成物や(例えば特許文献5参照)、分散剤として両末端シリコーン化ポリグリセリンを用いた分散組成物や(例えば特許文献6参照)、分散剤として特定のオルガノポリシロキサン共重合体を用いる分散組成物や(例えば特許文献7参照)、分散剤としてポリグリセリン変性シリコーンを用いる分散組成物を得る技術があり(例えば特許文献8参照)、分散性向上や使用性の向上のため、分散媒としてデカメチルシクロペンタシロキサンなどの揮発性シリコーン油などが用いられている。デカメチルシクロペンタシロキサンなどの揮発性シリコーン油以外の油を分散媒として用いる検討は、分散剤としてリシノール酸やヒドロキシステアリン酸を用い、分散媒としてパラフィン油やトリグリセリドエステルを用いた検討や(例えば特許文献9参照)、分散剤としてポリヒドロキシステアリン酸を用い、分散媒としてエステル油やトリグリセリドエステルを用いた検討がある(例えば特許文献10参照)。
【0004】
金属酸化物を配合した油中水型乳化化粧料としては、特定のジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体を用いる技術(例えば特許文献11参照)がある。また、微粒子金属酸化物を配合した油中水型乳化化粧料としては、ポリグリセリン変性シリコーンを用いる技術や(例えば特許文献12参照)、長鎖アルキル・ポリオキシアルキレン・オルガノポリシロキサン共変性シロキサン化合物を用いる技術がある(例えば特許文献13参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−175821号公報
【特許文献2】特開2003−226615号公報
【特許文献3】特開2003−335649号公報
【特許文献4】特開平9−208438号公報
【特許文献5】特開2006−131547号公報
【特許文献6】特開2007−161648号公報
【特許文献7】特開平11−263708号公報
【特許文献8】特開2004−169015号公報
【特許文献9】特開平6−39272号公報
【特許文献10】特表2009−508920号公報
【特許文献11】特開昭63−250311号公報
【特許文献12】特開2008−179628号公報
【特許文献13】特開2007−269690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように、透明性を向上させるために金属酸化物を微粒子化すると粉体の表面積が増大し、凝集力が強くなり分散するのが困難となる。特許文献2、3に用いられている分散剤は半固形で粘着性があり、化粧料に用いた場合、べたつきやのび広がりの悪さなど使用性に問題があった。特許文献4〜8に用いられているシリコーン系の分散剤は、シリコーン鎖に親水部分を導入した低HLBの界面活性剤であり、水を配合する水中油型乳化化粧料や油中水型乳化化粧料では、油と水の界面にシリコーン系分散剤が配向してしまい、微粒子金属酸化物の分散性が低下してしまうことがある。また、特許文献4〜8に用いられているシリコーン系の分散剤は、分散安定化のために分子量が大きく設計されており、べたつきや、のび広がりの悪さなど、使用性に問題があった。特に特許文献4のトリメチルシロキシケイ酸は粘着性の樹脂であり、べたつきが著しく使用性に問題があった。さらに、非シリコーン系油剤を分散媒として用いた場合、分散剤として非シリコーン系のリシノール酸やヒドロキシステアリン酸を用いた特許文献9や、分散剤としてポリヒドロキシステアリン酸を用いた特許文献10は、分散剤を多量に配合する必要があり、べたついた使用性となってしまい、のび広がりも悪く、経時安定性も充分とは言えなかった。また、特許文献11〜13のように、シリコーン系界面活性剤とシリコーン油を組み合わせた場合には使用性や安定性は向上するものの、シリコーン油以外の油剤を用いると相溶性や安定性が悪く、良好な使用性を得ることが困難な場合があった。以上のように、微粒子金属酸化物の分散性や経時安定性に優れ、べたつきが無くのび広がりの良好な使用性を有する油中水型乳化化粧料の検討は充分といえるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情において、本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、非シリコーン系油剤を含有する油層中に微粒子金属酸化物を分散する際に、トリアルコキシアルキルシランで表面処理された微粒子金属酸化物を用い、さらに分散剤としてポリヒドロキシステアリン酸を用いることで、微粒子金属酸化物の油層中での分散性が向上し、その上、水性成分を特定のシリコーン界面活性剤で乳化することで、微粒子金属酸化物の分散性や経時安定性に優れ、べたつきが無くのび広がりの良好な使用性を有する油中水型乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
さらに、トリアルコキシアルキルシランで表面処理された微粒子金属酸化物を予め、非シリコーン系油剤中にポリヒドロキシステアリン酸で分散処理した微粒子金属酸化物分散組成物を調製することにより効率的に微粒子金属酸化物を分散することができ、分散性や経時安定性がさらに優れる油中水型乳化化粧料となる。
【0009】
すなわち本発明は、
[1]次の成分(A)〜(E);
(A)トリアルコキシアルキルシランで表面処理された微粒子金属酸化物
(B)ポリヒドロキシステアリン酸
(C)非シリコーン系油剤
(D)HLB2〜7のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン及び/又はHLB2〜7のポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン
(E)水性成分
を配合することを特徴とする油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0010】
[2]前記成分(A)のトリアルコキシアルキルシランによる表面処理量が、質量割合で表面処理剤/微粒子金属酸化物=0.02〜0.25であることを特徴とする前記[1]に記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0011】
[3]前記成分(A)の微粒子金属酸化物が更に(ジメチコン/メチコン)コポリマーで表面処理されていることを特徴とする前記[1]又は[2]記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0012】
[4]前記成分(C)の非シリコーン系油剤が炭化水素油又はエステル油であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0013】
[5]前記成分(C)の非シリコーン系油剤が、40℃における粘度が16mm/s以下の炭化水素油又は炭素数27以下のエステル油であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0014】
[6]前記成分(C)の非シリコーン系油剤がイソドデカン、イソテトラデカン、イソヘキサデカン、40℃における粘度が11mm/s以下の流動パラフィン、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸セチルから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0015】
[7]前記成分(D)のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンが下記一般式(1)
SiO(4―a―b―c)/2 …(1)
(但し、式中のRは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(2)
で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、Rは下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(3)
で表されるポリオキシアルキレン基、Rは下記一般式(4)
−Cn2n−(SiRO)−SiR …(4)
で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦198、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の正数である。)で表されるポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンであることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0016】
[8]前記成分(D)のポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンが下記一般式(5)
pqrSiO(4―p―q―r)/2 ・・・(5)
[(5)式中Rは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基あるいは下記一般式(6)で示される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、
−C2U−O−(CO)(CO)10 ・・・(6)
は下記一般式(7)及び/又は(8)で示されるポリグリセリン誘導体であり、
【化2】

(式中R10は水素基あるいは炭素数1〜30のアルキル基、又はR11−(CO)−で示される有機基、R11は炭素数1〜30の炭化水素基である。Qはエーテル結合又はエステル結合を含有しても良い炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、sは2〜20の整数、tは1〜20の整数である。)
は下記一般式(9)で示されるケイ素含有基である。
【化3】

(式中p、q、rはそれぞれ1.0≦p≦2.5、0.001≦q≦1.5、0≦r≦1.5であり、U、V、Wはそれぞれ0≦U≦15、0≦V≦50、0≦W≦50の整数であり、jは1≦j≦5の整数であり、kは0≦k≦500の整数である。)]
であらわされるポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンであることを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0017】
[9]予め前記成分(A)を成分(B)及び成分(C)に分散処理した微粒子金属酸化物分散組成物を調製し、次いで該微粒子金属酸化物分散組成物と成分(D)と成分(E)を配合することを特徴とする前記[1]〜[8]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0018】
[10]前記微粒子金属酸化物分散組成物における成分(A)の配合量が30〜70質量%であることを特徴とする前記[9]に記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0019】
[11]前記微粒子金属酸化物分散組成物における成分(A)と成分(B)の配合質量割合(B)/(A)が0.01〜0.5であることを特徴とする前記[9]又は[10]記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【0020】
[12]全ての油剤におけるシリコーン系油剤の配合量が20質量%以下であることを特徴とする前記[1]〜[11]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料を提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明について詳述する。
【0022】
本発明に用いられる成分(A)はトリアルコキシアルキルシランで表面処理された微粒子金属酸化物であり、その成分(A)を構成する微粒子金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄等が挙げられ、これらを一種又は二種以上併用して用いることができる。これらの微粒子金属酸化物の形状等は特に限定はされないが、平均粒子径は1〜100nmが好ましい。ここでの平均粒子径とは、画像解析装置(ルーゼックスIIIU,ニコレス社製)により測定した値である。
【0023】
また、成分(A)を構成するトリアルコキシアルキルシランは、ケイ素原子に三つのアルコキシ基と一つのアルキル基が結合した化合物であり、該アルコキシ基が粉体表面の水酸基等と反応することにより、粉体表面を被覆する化合物である。このようなトリアルコキシアルキルシランは下記一般式(10)で表すことができる。該トリアルコキシアルキルシランにおける、アルコキシ基は、炭素数1〜3のアルコキシ基であるメトキシ、エトキシ、プロポキシ等が好ましい。また、該トリアルコキシアルキルシランにおける、アルキル基は、炭素数6〜18のアルキル基であるヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等が好ましい。このようなトリアルコキシアルキルシランは、例えば、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシラン、トリメトキシデシルシラン、トリメトキシオクタデシルシラン、トリエトキシヘキシルシラン、トリエトキシオクチルシラン、トリエトキシデシルシラン、トリエトキシオクタデシルシラン等が挙げられ、これらより一種又は二種以上用いることができる。
【0024】
【化4】

【0025】
(M、Nはそれぞれ正の整数で、M=6〜20、N=1〜3)
【0026】
これらトリアルコキシアルキルシランの中でも、アルキル基の炭素数が8以上であると成分(A)の油層中での分散安定性が良好となるため好ましく、上記一般式(10)においてM=7、N=2であるトリエトキシオクチルシランを用いると、成分(A)の油層中での分散安定性が非常に優れたものとなるため好ましい。
【0027】
本発明において微粒子金属酸化物の表面にトリアルコキシアルキルシランの表面処理剤を被覆する方法は、特に限定されず、通常公知の処理方法が用いられる。具体的には、アルキルチタネートと微粒子金属酸化物とを直接混合する方法、直接微粒子金属酸化物と混合し加熱して被覆する乾式被覆方法、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン等の溶媒にトリアルコキシアルキルシランを溶解又は分散し、この溶液又は分散液に微粒子金属酸化物を添加し、混合後、前記溶媒を乾燥等により除去、加熱、粉砕する湿式被覆方法、溶媒に溶解又は分散したトリアルコキシアルキルシランを流動層中で粉体にスプレーコートする気相被覆方法、メカノケミカル方法等が挙げられる。これらの中でも湿式被覆方法が好ましい。
【0028】
成分(A)の微粒子金属酸化物のトリアルコキシアルキルシランによる表面処理量は、質量比で、表面処理剤/微粒子金属酸化物=0.02〜0.25が好ましく、更に好ましくは、0.03〜0.18である。この範囲であれば、更に良好な使用性を与えることができ、分散性や経時安定性も向上する。微粒子金属酸化物の表面処理はトリアルコキシアルキルシランだけでも良く、さらに(ジメチコン/メチコン)コポリマーや他の表面処理剤を組み合わせても良い。
【0029】
本発明に用いられる成分(A)は更に(ジメチコン/メチコン)コポリマーで表面処理をすると成分(A)の吸油量が下がり、油中水型乳化化粧料中に成分(A)をより多く配合することができ好ましい。(ジメチコン/メチコン)コポリマーはINTERNATIONAL NOMENCLATURE of COSMETIC INGREDIENTSにDIMETHICONE/METHICONE COPOLYMERとして収載されている化合物であり、ジメチルシロキサンとメチルハイドロジェンシロキサンからなる共重合体である。通常、粉体の表面処理剤として用いられ、粉体に撥水性を付与し、しかも経時的に水素を発生し難い表面処理剤として汎用されている。具体的には、好ましい化合物として下記一般式(11)で示される化合物が例示できる。
【0030】
【化5】

【0031】
(v、wはそれぞれ正の整数で、v+w=7〜50、v:w=1:0.2〜1:4)
【0032】
成分(A)の(ジメチコン/メチコン)コポリマーによる表面処理量は、質量比で(表面処理剤)/(トリアルコキシアルキルシランで表面処理された微粒子金属酸化物)=0.01〜0.15が好ましく、更に好ましくは、0.03〜0.08である。この範囲であれば、更に良好な使用性を与えることができ、分散性や経時安定性も向上する。
【0033】
本発明における成分(A)の配合量は、3〜60質量%(以下、%と略す)であることが好ましく、更に好ましくは5〜30%である。この範囲であれば、更に良好な使用性を与えることができる。
【0034】
本発明に用いられる成分(B)のポリヒドロキシステアリン酸は、成分(A)を油層中に分散させるために用いられ、ヒドロキシステアリン酸の水酸基は12位が好ましく、ヒドロキシステアリン酸の重合度は3〜12が好ましく、更に好ましくは重合度4〜8である。市販品としては、ARLACEL P−100(ユニケマ社製)を挙げることが出来る。
【0035】
本発明において、成分(A)と成分(B)の配合質量比(B)/(A)は0.01〜0.5が好ましく、更に好ましくは、0.02〜0.3である。この範囲であれば、更に良好な使用性を与えることができ、分散性や経時安定性も向上する。
【0036】
本発明に用いられる成分(C)の非シリコーン系油剤は、成分(A)を分散させる媒体であり、ポリシロキサン骨格を持たない油剤であれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わないが、常温(25℃)で液状である液体油が成分(A)の分散性の観点から好ましい。例えば、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、フッ素系油剤類、ラノリン誘導体類等を用いることができ、より具体的には流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、ドデカン、イソドデカン、テトラデカン、イソテトラデカン、ヘキサデカン、イソヘキサデカン、スクワラン、植物性スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、カメリア油、ローズピップ油、アボカド油等の油脂類、ホホバ油、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、ラノリン脂肪酸コレステリル、オレイン脂肪酸フィトステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)等のエステル油類、p−アミノ安息香酸エチルヘキシルジメチル、サリチル酸エチルヘキシル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、オクトクリレン、ジネオペンチル−4’−メトキシベンザルマロナート等の油溶性紫外線吸収剤類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類等を例示することができ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。これらのうち、炭化水素油及びエステル油が好ましく、そのなかでも、40℃における粘度が16mm/s以下の炭化水素油又は炭素数27以下のエステル油が好ましく、更には、イソドデカン、イソテトラデカン、イソヘキサデカン、40℃における粘度が11mm/s以下の流動パラフィン、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸セチルが好ましい。これらの油剤であると、べたつきが無くのび広がりの良好な油中水型乳化化粧料を得ることができる。なおここでの粘度はJIS−K−2283記載の原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法に基づき測定したものである。
【0037】
本発明における成分(C)の配合量は、5〜90%が好ましく、更に好ましくは10〜60%である。この範囲であると、のび広がりに優れた油中水型乳化化粧料を得ることができる。
【0038】
さらに、予めトリアルコキシアルキルシランで表面処理された微粒子金属酸化物(成分(A))を分散媒である非シリコーン系油剤(成分(C))中に分散剤であるポリヒドロキシステアリン酸(成分(B))を用いて分散処理して微粒子金属酸化物分散組成物を調製し、次いで該微粒子金属酸化物分散組成物を油中水型乳化化粧料に配合することがより好ましい。このような方法を行うことで、成分(A)の分散性や経時安定性がさらに優れる油中水型乳化化粧料となる。
【0039】
上記の微粒子金属酸化物分散組成物における成分(A)の配合量は30〜70%であることが好ましく、更に好ましくは40〜60%である。この範囲であれば、経時安定性にさらに優れた油中水型乳化化粧料となる。
【0040】
また、上記の微粒子金属酸化物分散組成物における成分(B)及び成分(C)の配合量はそれぞれ以下の範囲が好ましい。成分(B)の配合量は0.3〜15%が好ましく、0.5〜10%がより好ましく、また、成分(C)の配合量は30〜70%が好ましく、40〜60%がより好ましい。この範囲であると各種微粒子金属酸化物の特性を十分に発揮することができ、経時安定性にさらに優れる油中水型乳化化粧料となる。
【0041】
上記の微粒子金属酸化物分散組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、成分(B)と成分(C)を混合し、これに成分(A)を添加し、均一に分散処理することにより得ることができる。この際に、分散処理する機器としては、ディスパーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル等が挙げられるが、より好ましくは媒体を用いたボールミルやビーズミル等の湿式粉砕処理機器である。
【0042】
上記の微粒子金属酸化物分散組成物には、上記成分(A)〜(C)に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲において、上記成分以外の油剤や粉体、界面活性剤、ゲル化剤、酸化防止剤、防腐剤、着色剤、香料、化粧料用成分等を配合することができる。
【0043】
本発明における上記の微粒子金属酸化物分散組成物の配合量は1〜80%が好ましく、5〜60%がより好ましい。この範囲であると、べたつきが無くのび広がりに優れる油中水型乳化化粧料を得ることができる。また微粒子金属酸化物分散組成物は一種又は二種以上を用いることができる。
【0044】
本発明に用いられる成分(D)はHLB2〜7のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン及び/又はHLB2〜7のポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンであり、油中水型乳化化粧料の乳化剤として用いられる。
【0045】
成分(D)のHLB2〜7のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンは、HLBが2〜7で直鎖又は分岐シリコーンにポリオキシアルキレンおよびアルキルで変性されているものであればよい。具体的には、好ましい化合物として下記一般式(1)で示される化合物が例示できる。
SiO(4―a―b―c)/2 …(1)
(但し、式中のRは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(2)
で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、Rは下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(3)
で表されるポリオキシアルキレン基、Rは下記一般式(4)
−Cn2n−(SiRO)−SiR …(4)
で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦198、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の正数である。
【0046】
さらに好ましい化合物として下記一般式(12)で示される化合物が例示できる。
【化1】

(式中xは10〜100の整数、yは3〜25の整数、zは8〜25の整数、Dは0〜2の整数、Aは5〜7の整数、Bは5〜10の整数、iは8〜16の整数である)
【0047】
また、成分(D)のHLB2〜7のポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンは、HLBが2〜7で直鎖又は分岐シリコーンにポリグリセリンおよびアルキルで変性されているものであればよい。具体的には、好ましい化合物として下記一般式(5)で示される化合物が例示できる。
pqrSiO(4―p―q―r)/2 (5)
[(5)式中Rは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基あるいは下記一般式(6)で示される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、
−C2U−O−(CO)(CO)10 (6)
は下記一般式(7)及び/又は(8)で示されるポリグリセリン誘導体であり、
【化2】

(式中R10は水素基あるいは炭素数1〜30のアルキル基、又はR11−(CO)−で示される有機基、R11は炭素数1〜30の炭化水素基である。Qはエーテル結合又はエステル結合を含有しても良い炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、sは2〜20の整数、tは1〜20の整数である。)
は下記一般式(9)で示されるケイ素含有基である。
【化3】

(式中p、q、rはそれぞれ1.0≦p≦2.5、0.001≦q≦1.5、0≦r≦1.5であり、U、V、Wはそれぞれ0≦U≦15、0≦V≦50、0≦W≦50の整数であり、jは1≦j≦5の整数であり、kは0≦k≦500の整数である。)]
【0048】
成分(D)のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンの市販品としてはセチルPEG/PPG−10/1ジメチコン(ABIL EM90(EVONIC GOLDSCHMIDT社製))、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(KF−6038(信越化学工業社製))等を挙げげることができ、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンの市販品としてはラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(KF−6105(信越化学工業社製))等を挙げることができる。
【0049】
本発明における成分(D)の配合量は0.1〜10%が好ましく、1〜5%がより好ましい。この範囲であると、べたつきが無くのび広がりに優れる油中水型乳化化粧料を得ることができる。また成分(D)は一種又は二種以上を用いることができる。
【0050】
本発明に用いられる成分(E)の水性成分は、油中水型乳化化粧料の内水相を構成する成分であり、化粧料に一般的に用いられる精製水の他に、エチアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等を挙げることができる。本発明における成分(E)の配合量は、特に限定されるものではないが、10〜70%が好ましい。
【0051】
本発明の油中水型乳化化粧料には感触調整等のためにさらにシリコーン系油剤を配合してもよい。シリコーン系油剤とはポリシロキサン骨格を持つ油剤であり、例えば、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0052】
本発明の油中水型乳化化粧料においてシリコーン系油剤の配合量はできるだけ少量であることが好ましい。本発明の油中水型乳化化粧料中の全ての油剤におけるシリコーン系油剤の配合量は20%以下であることが好ましく、更に好ましくは10%以下であり、最も好ましくはシリコーン系油剤を配合しないことである。また、微粒子金属酸化物分散組成物においても同様にシリコーン系油剤の配合量はできるだけ少量であることが好ましい。全ての油剤中のシリコーン系油剤の配合量が多くなると、微粒子金属酸化物分散組成物の粘度が高くなり、成分(A)の分散性が低下する。
【0053】
本発明の油中水型乳化化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記必須成分以外の油剤や無機顔料、有機顔料及び体質顔料等の粉体、界面活性剤や水溶性高分子、保湿剤等の水性成分、糖類、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防腐剤、薬効成分、安定化剤、色素、香料等の通常化粧料に配合される成分を各種の効果の付与のために適宜配合することができる。
【0054】
粉体成分としては、成分(A)の微粒子金属酸化物の他に、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、硫酸バリウム等の白色無機顔料、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、炭化珪素、二酸化珪素、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、カオリン、ベントナイト、スメクタイト、ヘクトライト、モンモリロナイト等の粘土鉱物、およびそれらの有機変性物、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられる。これら粉体はその一種又は二種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。なお、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の一種又は二種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
【0055】
界面活性剤としては成分(D)の他に非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、非イオン性界面活性剤としては、リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシドポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・シロキシエチル共変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、ポリグリセリン・シロキシエチル共変性シリコーンなどを挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸のナトリウム塩又はトリエタノールアミン塩、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウムなどのNアシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸などのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。例えば、カチオン性界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム、臭化ジベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、臭化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(15E.O.)ヤシ油アルキルメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(4E.O.)ラウリルエーテルジメチルアンモニウム、塩化ステアリン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム、ジココイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム・メチル硫酸塩等を挙がられる。例えば、両性界面活性剤としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質、大豆レシチン、卵黄レシチン、あるいはそれらの水素添加物等のリン脂質及びリン脂質・コレステロール複合体、リン脂質・フィトステロール複合体等のリン脂質複合体を挙げられる。
【0056】
水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のもの、他にタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。
【0057】
本発明の油中水型乳化化粧料の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば成分(A)〜成分(D)と任意の油性成分を均一に混合したものに、成分(E)と任意の水性成分を均一に混合したものを添加し、乳化した後、これを容器又は型に充填して得ることができる。また、上述のように成分(A)〜(C)を予め混合分散してから配合することが好ましい。
【0058】
本発明の油中水型乳化化粧料は、特に限定されないが、形状として液状、半固形状、固形状のものが挙げられる。また、また製品形態としては、洗顔フォーム・クリーム、クレンジング、マッサージクリーム、パック、化粧水、乳液、クリーム、美容液、化粧下地、日焼け止めなどの皮膚用化粧料、ファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、コンシーラー、口紅、リップクリーム等の仕上げ用化粧料、ヘアミスト、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアトニック、ヘアクリーム、ポマード、チック、液体整髪料、セットローション、ヘアスプレー、染毛料等の頭髪用化粧料などを例示することができる。この中でも、日焼け止め、ファンデーション、化粧下地等が本発明の効果が発揮されやすい油中水型乳化化粧料である。
【実施例】
【0059】
次に製造例及び実施例をもって本発明をより詳細に説明する。本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【0060】
製造例1〜7:表面処理微粒子金属酸化物
表1に示す組成の表面処理微粒子金属酸化物を下記の製造方法により調製した。
【0061】
【表1】

【0062】
(注1)MT−100SA(テイカ社製)
(注2)MZ−500(テイカ社製)
(注3)KF−9901(信越化学工業社製)
(注4)KF−96A−100cs(信越化学工業社製)
【0063】
(製造方法)
イソプロピルアルコール100部と成分3〜5を混合し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)中で成分1、2と混合する。その後、減圧下、60℃でイソプロピルアルコールを回収し、粉砕処理して表面処理微粒子金属酸化物を得た。
【0064】
製造例8〜15:微粒子金属酸化物分散組成物
表2に示す組成の微粒子金属酸化物分散組成物を下記の製造方法により調製した。
【0065】
【表2】

【0066】
(注5)ARLACEL P−100(ユニケマ社製)
(注6)KLEAROL(SONNEBORN社製)
(注7)KF−96A−6cs(信越化学工業社製)
【0067】
(製造方法)
成分(1)〜(9)を均一に混合し、アシザワ(株)製のビーズミル(LMZ−0.6)にてジルコニアビーズ3mmを用い、ビーズ充填率60%、アジテーター回転数2000rpmにて5時間分散させ、微粒子金属酸化物分散組成物を得た。
【0068】
実施例1〜17および比較例1〜7;油中水型乳化化粧料
表3〜5に示す組成の油中水型乳化化粧料を下記の製造方法により調製し、各試料について、「経時安定性」、「のびの良さ」について評価を行い、その結果も併せて表3〜5に示した。
【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
【表5】

【0072】
(注8) KP−540(信越化学工業社製)
(注9) KF-6038 (信越化学工業社製)
(注10) KF-6105 (信越化学工業社製)
(注11) KF-6017 (信越化学工業社製)
(注12) KF-6014 (信越化学工業社製)
【0073】
(製造方法)
成分(1)〜(24)を均一に混合したものに、成分(25)〜(30)を均一に混合したものを加え乳化し、脱泡して油中水型乳化化粧料を得た。
【0074】
(評価方法)経時安定性
経時安定性については次に示す加速試験にて評価した。ここでの加速試験とは50℃恒温槽に4週間保管することである。油中水型乳化化粧料の経時安定性が良好であれば微粒子金属酸化物の凝集が抑えられ加速試験前後の化粧料の粘度変化は小さい。一方、経時安定性が悪い場合は微粒子金属酸化物が凝集し、それによって体積効果が発生したり、微粒子金属酸化物が沈降したりすることで加速試験前後の粘度変化が大きくなる。加速試験の具体的方法としては、各試料を製造後、30℃恒温槽にて1日保管した後にB型粘度計で測定した粘度値を基準値とし、50℃恒温槽に4週間保管した後30℃の恒温槽に1日保管した後に粘度値を測定し、その粘度値を基準値と比較し、基準値からの変化を下記の基準に従って判断した。
(評価):(判定)
粘度変化が0mPa・s以上、±10000mPa・s未満 ;◎
粘度変化が±10000mPa・s以上、±20000mPa・s未満 ;○
粘度変化が±20000mPa・s以上、±40000mPa・s未満 ;△
粘度変化が±40000mPa・s以上 ;×
【0075】
(評価方法)のびの良さ
各試料を化粧品評価専門パネル20名に使用してもらい、下記絶対評価基準にて6段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
【0076】
絶対評価基準
(評点):(評価)
6点:非常に良好
5点:良好
4点:やや良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎:5点を超える
○:3.5点を超える5点以下
△:2点を超える3.5点以下
×:2点以下
【0077】
表3〜5に示したように、実施例1〜17は「経時安定性」、「のびの良さ」の両項目において優れていた。また、そのなかでも成分(A)〜(C)で予め微粒子金属酸化物分散組成物を調製して配合した実施例13〜17は経時安定性に更に優れていた。一方、ポリヒドロキシステアリン酸を配合していない比較例1は不均一な乳化状態であり、「経時安定性」、「のびの良さ」の両項目において劣っていた。ポリヒドロキシステアリン酸の替わりに(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーを配合した比較例2は、経時安定性は良いが、のび広がりが劣っていた。トリエトキシカプリリルシランの替わりにジメチルポシリロキサンで表面処理された微粒子金属酸化物を配合した比較例3や、流動パラフィンの替わりにジメチルポシリロキサン(6cs)を配合した比較例4は、流動性がなく、「経時安定性」、「のびの良さ」の両項目において劣っていた。ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンの替わりにポリオキシアルキレン変性シリコーンを配合した比較例5やポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンの替わりにポリグリセリン変性シリコーンを配合した比較例6、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンの替わりにセスキイソステアリン酸ソルビタンを配合した比較例7は均一な乳化状態とはならず、「経時安定性」、「のびの良さ」の両項目において劣っていた。
【0078】
実施例18:油中水型乳化日焼け止め料
(成分) (%)
1.2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)
アニリノ]−1,3,5−トリアジン 1
2.メトキシケイヒ酸オクチル 7
3.イソノナン酸イソノニル 5
4.ステアリン酸イヌリン 1
5.製造例11の微粒子金属酸化物分散組成物 20
6.製造例13の微粒子金属酸化物分散組成物 15
7.軽質流動イソパラフィン 15
8.ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン
・セチル共変性シリコーン(注13) 3
9.精製水 残量
10.メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール
水分散体(注14) 5
11.塩化ナトリウム 1
12.メチルパラベン 0.2
13.香料 0.1
(注13)ABIL EM90(EVONIC GOLDSCHMIDT GMBH社製)
(注14)TINOSORB M(BASF社製)
【0079】
(製造方法)
A:成分1〜4を90℃に加温して溶解し混合する。
B:Aに成分5〜8、13を加え混合する。
C:成分9〜12を混合する。
D:BにCを加え乳化する。
E:Dを脱泡して油中水型乳化日焼け止め料を得た。
【0080】
実施例18は、経時安定性に優れ、のび広がりがよくべたつきの無い油中水型乳化日焼け止め料であった。
【0081】
実施例19:油中水型乳化ファンデーション
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 2
2.酸化チタン 3
3.酸化鉄 2
4.タルク 5
5.レシチン 0.5
6.トリオクタン酸グリセリル 8
7.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1
8.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
9.ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン (注9) 3
10.製造例14の微粒子金属酸化物分散組成物 15
11.デカメチルシクロペンタシロキサン 3
12.オクトクリレン 10
13.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエイト 2
14.精製水 残量
15.エタノール 5
16.1,2−ペンタンジオール 1
【0082】
(製造方法)
A:成分1〜6を90℃に加温し、3本ロ−ラーで分散する。
B:Aに成分7〜13を加え90℃に加温し分散する。
C:Bを45℃まで冷却する。
D:成分14〜16を混合する
E:CにDを加え乳化する。
F:Eを脱泡して油中水型乳化ファンデーションを得た。
【0083】
実施例19は、経時安定性に優れ、のび広がりがよくべたつきの無い油中水型乳化ファンデーションであった。
【0084】
実施例20:油中水型乳化美容液
(成分) (%)
1.ジカプリン酸プロピレングリコール 20
2.ジメチルポリシロキサン(2cs) 5
3.製造例15の微粒子金属酸化物分散組成物 3
4.メチルトリメチコン 5
5.ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン (注10) 3
6.(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー(注15) 2
7.(PEG15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー (注16) 3
8.1,3−ブチレングリコール 10
9.キサンタンガム 0.2
10. 1,2−ペンタンジオール 0.5
11.精製水 残量
(注15)KSG−820(信越化学工業社製)
(注16)KSG−310(信越化学工業社製)
【0085】
(製造方法)
A:成分1〜7を混合する。
B:成分8〜11を75℃に加温し混合する。
C:BにAを加え乳化する。
D:Cを30℃まで冷却する。
E:Dを脱泡して油中水型乳化美容液を得た。
【0086】
実施例20は、経時安定性に優れ、のび広がりがよくべたつきの無い油中水型乳化美容液であった。
【0087】
実施例21:油中水型乳化日焼け止め料
(成分) (%)
1.2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)
アニリノ]−1,3,5−トリアジン 1
2.メトキシケイヒ酸オクチル 5
3.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエイト 2
4.ポリシリコーン−15(注17) 1
5.オクトクリレン 10
6.ブチル−メトキシジベンゾイルメタン(注18) 1
7.製造例11の微粒子金属酸化物分散組成物 10
8.製造例13の微粒子金属酸化物分散組成物 10
9.軽質流動イソパラフィン 20
10.ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン
・セチル共変性シリコーン(注13) 3
11.ポリヒドロキシステアリン酸(注5) 0.5
12.精製水 残量
13.メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール水分散体
(注14) 5
14.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2
15.トリエタノールアミン 1
16.メチルパラベン 0.2
17.香料 1
(注17)PARSOL SLX(DSM NUTRITIONAL PRODUCTS社製)
(注18)PARSOL 1789(DSM NUTRITIONAL PRODUCTS社製)
【0088】
(製造方法)
A:成分1〜6を90℃に加温して溶解し混合する。
B:Aに成分7〜11、17を加え混合する。
C:成分12〜16を混合する。
D:BにCを加え乳化する。
E:Dを脱泡して油中水型乳化日焼け止め料を得た。
【0089】
実施例21は、経時安定性に優れ、のび広がりがよくべたつきの無い油中水型乳化日焼け止め料であった。
【0090】
実施例22:油中水型乳化日焼け止め料
(成分) (%)
1.2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)
アニリノ]−1,3,5−トリアジン 1
2.メトキシケイヒ酸オクチル 5
3.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエイト 2
4.オキシベンゾン−3(注19) 1
5.オクトクリレン 5
6.ブチル−メトキシジベンゾイルメタン(注18) 1
7.製造例3の表面処理微粒子金属酸化物 10
8.製造例6の表面処理微粒子金属酸化物 10
9.軽質流動イソパラフィン 30
10.ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン
セチル共変性シリコーン(注13) 3
11.ポリヒドロキシステアリン酸(注5) 5
12.精製水 残量
13.メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール水分散体
(注14) 5
14.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2
15.トリエタノールアミン 1
16.メチルパラベン 0.2
17.香料 1
(注19)バイオソープ110(共同薬品社製)
【0091】
(製造方法)
A:成分1〜6を90℃に加温して溶解し混合する。
B:Aに成分7〜11、17を加え混合する。
C:成分12〜16を混合する。
D:BにCを加え乳化する。
E:Dを脱泡して油中水型乳化日焼け止め料を得た。
【0092】
実施例22は、経時安定性に優れ、のび広がりがよくべたつきの無い油中水型乳化日焼け止め料であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(E);
(A)トリアルコキシアルキルシランで表面処理された微粒子金属酸化物
(B)ポリヒドロキシステアリン酸
(C)非シリコーン系油剤
(D)HLB2〜7のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン及び/又はHLB2〜7のポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン
(E)水性成分
を配合することを特徴とする油中水型乳化化粧料。
【請求項2】
成分(A)のトリアルコキシアルキルシランによる表面処理量が、質量割合で表面処理剤/微粒子金属酸化物=0.02〜0.25であることを特徴とする請求項1記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項3】
成分(A)の微粒子金属酸化物が更に(ジメチコン/メチコン)コポリマーで表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項4】
成分(C)の非シリコーン系油剤が炭化水素油又はエステル油であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項5】
成分(C)の非シリコーン系油剤が、40℃における粘度が16mm/s以下の炭化水素油又は炭素数27以下のエステル油であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項6】
成分(C)の非シリコーン系油剤がイソドデカン、イソテトラデカン、イソヘキサデカン、40℃における粘度が11mm/s以下の流動パラフィン、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸セチルから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の油中水型乳化化粧料
【請求項7】
成分(D)のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンが下記一般式(1)
SiO(4―a―b―c)/2 …(1)
(但し、式中のRは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、あるいは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(2)
で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、Rは下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R …(3)
で表されるポリオキシアルキレン基、Rは下記一般式(4)
−Cn2n−(SiRO)−SiR …(4)
で表されるオルガノシロキサンであって、Rは炭素数4〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜30の炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5であり、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数であり、f、gはそれぞれ2≦f≦200、0≦g≦198、かつf+gが3〜200の整数である。また、mは0≦m≦15の整数、hは0≦h≦500の整数であり、nは1≦n≦5の正数である。)で表されるポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項8】
成分(D)のポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンが下記一般式(5)
pqrSiO(4―p―q―r)/2 ・・・(5)
[(5)式中Rは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基あるいは下記一般式(6)で示される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、
−C2U−O−(CO)(CO)10 ・・・(6)
は下記一般式(7)及び/又は(8)で示されるポリグリセリン誘導体であり、
【化2】

(式中R10は水素基あるいは炭素数1〜30のアルキル基、又はR11−(CO)−で示される有機基、R11は炭素数1〜30の炭化水素基である。Qはエーテル結合又はエステル結合を含有しても良い炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、sは2〜20の整数、tは1〜20の整数である。)
は下記一般式(9)で示されるケイ素含有基である。
【化3】

(式中p、q、rはそれぞれ1.0≦p≦2.5、0.001≦q≦1.5、0≦r≦1.5であり、U、V、Wはそれぞれ0≦U≦15、0≦V≦50、0≦W≦50の整数であり、jは1≦j≦5の整数であり、kは0≦k≦500の整数である。)]
であらわされるポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項9】
予め前記成分(A)を成分(B)及び成分(C)に分散処理した微粒子金属酸化物分散組成物を調製し、次いで該微粒子金属酸化物分散組成物と成分(D)と成分(E)を配合することを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項10】
前記微粒子金属酸化物分散組成物における成分(A)の配合量が30〜70質量%であることを特徴とする請求項9記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項11】
前記微粒子金属酸化物分散組成物における成分(A)と成分(B)の配合質量割合(B)/(A)が0.01〜0.5であることを特徴とする請求項9又は10記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項12】
全ての油剤におけるシリコーン系油剤の配合量が20質量%以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかの項に記載の油中水型乳化化粧料。

【公開番号】特開2013−71931(P2013−71931A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214448(P2011−214448)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】