説明

油圧回路

【課題】トンネル掘進機に搭載される油圧機器の油圧回路を簡素化する。
【解決手段】油タンク2からの圧油を油圧機器1に供給する供給流路5と、油圧機器1からの圧油を油タンク2に戻す戻し流路6と、供給流路5から分岐するリリーフ流路7と、リリーフ流路7に設けられリリーフ流路7内の油圧が所定のリリーフ圧を超えると供給流路5の圧油をリリーフ流路7を通して解放するリリーフ弁16と、戻し流路6に設けられた圧力制御弁17とを備え、リリーフ弁16は、上記リリーフ圧が調整可能であり、圧力制御弁17は、戻し流路6内の油圧がリリーフ弁16のリリーフ圧よりも低い所定圧力を超えると開いて戻し流路6の圧油を解放する第一機能と、戻し流路6内の油圧に関わらず閉じて戻し流路6を閉塞する第二機能とを切換可能であり、油圧機器1の運転時に上記第一機能に切り換えられ、リリーフ弁16のリリーフ圧を調整するときに上記第二機能に切り換えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧回路に係り、特に、トンネル掘進機の油圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル掘進機(シールド掘進機等)には、切羽を切削するカッタを駆動する油圧モータや、カッタ室内の掘削土砂を排出して後方の坑内に搬送するスクリュコンベアを駆動する油圧モータ等、様々な油圧機器が搭載されている。これら油圧機器は、トンネル掘進機の後方に配置された後方台車から圧油が供給され、駆動されるようになっている(特許文献1及び2等参照)。
【0003】
ところで、従来のトンネル掘進機の油圧回路は、油圧機器の過負荷防止用のリリーフ弁(リリーフ圧が調整可能)や、そのリリーフ弁のリリーフ圧を調整する際に油圧回路内の油の流れを遮断するためのストップ弁を備えている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−46368号公報
【特許文献2】特開2007−46369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記ストップ弁は油圧機器が大流量になるほど大型となり、油圧回路の後方台車に対する搭載スペースが大型化するという問題がある。また、狭い後方台車では、上記ストップ弁と他の弁等とを結ぶ配管の取り回しに苦慮するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、トンネル掘進機に搭載される油圧機器の油圧回路を簡素化して、油圧回路の後方台車に対する搭載スペースを小型化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、油タンクからの圧油を油圧機器に供給する供給流路と、上記油圧機器からの圧油を上記油タンクに戻す戻し流路と、上記供給流路から分岐するリリーフ流路と、該リリーフ流路に設けられ、上記リリーフ流路内の油圧が所定のリリーフ圧を超えると上記供給流路の圧油を上記リリーフ流路を通して解放するリリーフ弁と、上記戻し流路に設けられた圧力制御弁とを備えた油圧回路において、上記リリーフ弁は、上記所定のリリーフ圧が調整可能であり、上記圧力制御弁は、上記戻し流路内の油圧が上記リリーフ弁のリリーフ圧よりも低い所定圧力を超えると開いて上記戻し流路の圧油を解放する第一機能と、上記戻し流路内の油圧に関わらず閉じて上記戻し流路を閉塞する第二機能とを切換可能であり、上記油圧機器の運転時に上記第一機能に切り換えられ、上記リリーフ弁のリリーフ圧を調整するときに上記第二機能に切り換えられるものである。
【0008】
ここで、上記油圧機器は、トンネル掘進機に搭載され、上記油タンク、上記供給流路、上記戻し流路、上記リリーフ流路、上記リリーフ弁及び上記圧力制御弁は、上記トンネル掘進機の後方に配置された後方台車に搭載されても良い。
【0009】
また、上記油圧機器は、上記トンネル掘進機のカッタを駆動する油圧モータ又は上記トンネル掘進機のカッタ室から掘削土砂を排出するスクリュコンベアを駆動する油圧モータであっても良い。
【0010】
また、上記圧力制御弁は、上記第二機能を発揮するために、リリーフ弁をシーケンス弁として使用したものであっても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、トンネル掘進機に搭載される油圧機器の油圧回路を簡素化して、油圧回路の後方台車に対する搭載スペースを小型化することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0013】
トンネル掘進機(シールド掘進機等)は、掘進機本体と、掘進機本体の前部に配設され、掘進方向に沿った軸廻りに回転駆動されるカッタと、掘進機本体の内部に設けられ、セグメントをリング状に組み立てるエレクタと、掘進機本体の内部に設けられ、リング状に組み立てられたセグメントに反力を取って掘進機本体を前進させるシールドジャッキとを有している。
【0014】
トンネル掘進機には、上記カッタを駆動する油圧モータや、トンネル掘進機のカッタ室から掘削土砂を排出して後方の坑内に搬送するスクリュコンベアを駆動する油圧モータ等、各種油圧機器が設けられている。
【0015】
本発明に係る油圧回路をカッタ系油圧回路に適用した例を説明する。
【0016】
カッタ系油圧回路の回路図を図1に示す。
【0017】
図1中、1はトンネル掘進機に複数(図示例では、三つ)搭載され、カッタを駆動する油圧モータ(カッタ系油圧モータ)、2は油を貯留する油タンク、3、4は油圧モータ1側の油圧配管、5は油タンク2からの圧油を油圧モータ1に供給する供給流路(供給配管)、6は油圧モータ1からの圧油を油タンク2に戻す戻し流路(戻し配管)、7は供給流路5から分岐するリリーフ流路(リリーフ配管)である。
【0018】
図1に示すように、トンネル掘進機の後方には、後方台車Dが複数連結されて配置されており、本実施形態では、後方台車Dは、第一台車(オペレーション台車)8、第二台車9、第三台車10及び第四台車11を切羽側(トンネル掘進機側)から順に連結して構成されており、トンネル掘進機に連結されるようになっている。後方台車Dは、トンネル掘進機の前進に応じて坑内に敷設されたレール上を走行し、トンネル掘進機に搭載された油圧モータ1等の各種油圧機器に圧油を供給するようになっている。なお、後方台車Dは、トンネル底部を直接走行するものであっても良い。
【0019】
第一台車8には、操作盤12等が搭載されている。操作盤12は、シールド掘進機に搭載された油圧モータ1等の各種油圧機器を制御するためのものである。
【0020】
第二台車9には、油圧モータ1の作動・不作動を切り換えると共に油圧モータ1の回転方向(右転・左転)を切り換えるためのバルブユニット(カッタ系バルブユニット)13と、供給流路5から分岐するパイロット流路14に設けられ、パイロット流路14内の油圧(カッタ圧)を測定するカッタ圧測定用のゲージ15とが搭載されている。
【0021】
バルブユニット13は、リリーフ流路7に設けられ、リリーフ流路7内の油圧が所定のリリーフ圧(本実施形態では、32.3MPa)を超えると開いて供給流路5の圧油をリリーフ流路7を通して解放するリリーフ弁16と、戻し流路6に設けられた圧力制御弁17と、油圧モータ1の作動・不作動を切り換えるための切換弁18とから主に構成されている。バルブユニット13は、内部に油が流れる複数の流路(供給流路5、戻し流路6及びリリーフ流路7等)を収容するマニホールドブロック19を有し、マニホールドブロック19上に、上記リリーフ弁16、圧力制御弁17及び切換弁18が配設されている。
【0022】
リリーフ弁16は、上記所定のリリーフ圧を圧力調整ハンドル或いは圧力調整ネジ(図示せず)によって調整可能なものである。
【0023】
圧力制御弁17は、戻し流路6内の油圧がリリーフ弁16のリリーフ圧よりも低い所定圧力(本実施形態では、2.0MPa)を超えると開いて戻し流路6の圧油を解放して油タンク2に戻す第一機能と、戻し流路6内の油圧に関わらず閉じて戻し流路6を閉塞する第二機能とを切換可能なものである。本実施形態では、圧力制御弁17として、上記所定圧力を圧力調整ハンドル或いは圧力調整ネジ17aによって調整可能なシーケンス弁、或いはリリーフ弁をシーケンス弁と同機能にしたものを用いている。詳しくは、圧力制御弁17は、油圧モータ1の運転時に上記第一機能に切り換えられ、リリーフ弁16のリリーフ圧を調整するときに上記第二機能に切り換えられるようになっている。
【0024】
切換弁18は、第一台車8に搭載された操作盤12に電気的に接続されており、操作盤12からの操作で作動されるようになっている。切換弁17は、作動(ON)に切り換えられることで、油圧モータ1側の油圧配管3を供給流路5に接続すると共に油圧モータ1側の油圧配管4を戻し流路6に接続し、或いは、油圧モータ1側の油圧配管3を戻し流路6に接続すると共に油圧モータ1側の油圧配管4を供給流路5に接続するようになっており、作動に切り換えられたとき、油圧モータ1をその回転方向を右転或いは左転として作動するようになっている。また、切換弁18は、不作動(OFF)に切り換えられることで油圧モータ1側の油圧配管3、4をそれぞれ戻し流路6に接続すると共に供給流路5を戻し流路6に接続するようになっており、不作動に切り換えられたとき、後述する油圧ポンプ20からの圧油を戻し流路6を通して油タンク2に戻すようになっている。
【0025】
ゲージ15は、パイロット配管14に設けられた圧力計21及びストップ弁22を有している。圧力計21は直結式のものである。また、圧力変換器26が第一台車8に搭載された操作盤12に電気的に接続されており、操作盤12で油圧モータ1に供給する油圧(上記カッタ圧)を確認できるようになっている。本実施形態では、圧力計21及び圧力変換器26を併設しているが、どちらか片方のみを設けても良い。
【0026】
第三台車10には、油タンク2が搭載されている。
【0027】
第四台車11には、圧油を油圧モータ1に供給するためのポンプユニット(カッタ系ポンプユニット)23が複数(図示例では、二つ)搭載されている。各ポンプユニット23は、油圧ポンプ20と、油圧ポンプ20を駆動する電動機24とから構成されている。
【0028】
本実施形態の作用を説明する。
【0029】
リリーフ弁16のリリーフ圧を調整する際には、切換弁18を不作動に切り換えた状態で、戻し流路6に設けた圧力制御弁17の圧力調整ハンドル或いは圧力調整ネジ17aを目一杯締め込むことで、戻し流路6内の油圧に関わらず圧力制御弁17が閉じて、圧力制御弁17が戻し流路6を閉塞する第二機能を発揮するように切り換えられる。リリーフ弁16のリリーフ圧の調整は、油圧ポンプ20を電動機24により駆動して、リリーフ流路7内の油圧を32.3MPa以上とした状態で行う。
【0030】
一方、リリーフ弁16のリリーフ圧の調整が終了したら、戻し流路6に設けた圧力制御弁17の圧力調整ハンドル或いは圧力調整ネジ17aを適宜緩めることで、圧力制御弁17が戻し流路6の圧油を解放する第一機能を発揮するように切り換えられる。これにより、油圧モータ1が駆動されないときには油圧モータ1の吐出側の油圧が2.0MPaに保持される。
【0031】
要するに本実施形態によれば、圧力制御弁17にリリーフ弁16のリリーフ圧を調整する際に油圧回路内の油の流れを遮断する機能をもたせることで、油圧回路内の油の流れを遮断するためのストップ弁を省略することができ、油圧回路を簡素化して、油圧回路の後方台車Dに対する搭載スペースを小型化することができる。
【0032】
また、油圧回路内の油の流れを遮断するためにストップ弁を設けると戻し流路6とリリーフ流路7との合流部をバルブユニット13のマニホールドブロック19外に設けなければならないところ、本実施形態では上記ストップ弁を省略できるので、戻し流路6とリリーフ流路7との合流部(図1中の符号25参照)をマニホールドブロック19内に収容することができ、油圧機器の油圧回路を簡素化することができ、狭い後方台車であっても配管の取り回しに苦慮することはない。
【0033】
次に、本発明に係る油圧回路をスクリュコンベア系油圧回路に適用した例を説明する。
【0034】
スクリュコンベア系油圧回路の回路図を図2に示す。
【0035】
図1と同様の構成については説明を省略し、同符号を付す。
【0036】
図2中、31はトンネル掘進機に搭載され、スクリュコンベアを駆動する油圧モータ(スクリュ系油圧モータ)であり、32、33は油圧モータ31側の油圧配管、34は油タンク2からの圧油を油圧モータ31に供給する供給流路(供給配管)、35は油圧モータ31からの圧油を油タンク2に戻す戻し流路(戻し配管)、36は供給流路34から分岐するリリーフ流路(リリーフ配管)である。
【0037】
第二台車9には、油圧モータ31の作動・不作動を切り換えると共に油圧モータ31の回転方向(正転・逆転)を切り換えるためのバルブユニット(スクリュ系バルブユニット)37と、供給流路34から分岐するパイロット流路38に設けられ、パイロット流路38内の油圧(スクリュ圧)を測定するスクリュ圧測定用のゲージ39と、圧油を油圧モータ31に供給するためのポンプユニット(スクリュ系ポンプユニット)40と、供給流路34に設けられた圧力制御弁42とが搭載されている。
【0038】
バルブユニット37は、リリーフ流路36に設けられ、リリーフ流路36内の油圧が所定のリリーフ圧(本実施形態では、32.3MPa)を超えると開いて供給流路34の圧油をリリーフ流路36を通して解放するリリーフ弁43と、戻し流路35に設けられた圧力制御弁44と、油圧モータ31の作動・不作動を切り換えるための切換弁45とから主に構成されている。バルブユニット37は、内部に油が流れる複数の流路(供給流路34、戻し流路35及びリリーフ流路36等)が収容されたマニホールドブロック46を有し、マニホールドブロック46上に、上記リリーフ弁43、圧力制御弁44及び切換弁45が配設されている。
【0039】
リリーフ弁43は、リリーフ圧を圧力調整ハンドル或いは圧力調整ネジ(図示せず)によって調整可能なものである。
【0040】
戻し流路35に設けられた圧力制御弁44は、戻し流路35内の油圧がリリーフ弁43のリリーフ圧よりも低い所定圧力(本実施形態では、2.0MPa)を超えると開いて戻し流路35の圧油を解放して油タンク2に戻す第一機能と、戻し流路35内の油圧に関わらず閉じて戻し流路35を閉塞する第二機能とを切換可能なものである。本実施形態では、圧力制御弁44として、上記所定圧力を圧力調整ハンドル或いは圧力調整ネジ44aによって調整可能なシーケンス弁、或いはリリーフ弁をシーケンス弁と同機能にしたものを用いている。詳しくは、圧力制御弁44は、油圧モータ31の運転時に上記第一機能に切り換えられ、リリーフ弁43のリリーフ圧を調整するときに上記第二機能に切り換えられるようになっている。
【0041】
切換弁45は、第一台車8に搭載された操作盤12に電気的に接続されており、操作盤12からの操作で作動されるようになっている。切換弁45は、作動(ON)に切り換えられることで、油圧モータ31側の油圧配管32を供給流路34に接続すると共に油圧モータ31側の油圧配管33を戻し流路35に接続し、或いは、油圧モータ31側の油圧配管32を戻し流路35に接続すると共に油圧モータ31側の油圧配管33を供給流路34に接続するようになっており、作動に切り換えられたとき、油圧モータ31をその回転方向を正転或いは逆転として作動するようになっている。また、切換弁45は、不作動(OFF)に切り換えられることで油圧モータ31側の油圧配管32、33をそれぞれ閉塞すると共に供給流路34を戻し流路35に接続するようになっており、不作動に切り換えられたとき、油圧ポンプ41からの圧油を戻し流路35を通して油タンク2に戻すようになっている。
【0042】
ゲージ39は、パイロット配管38に設けられた圧力計47及びストップ弁48を有している。圧力計47は直結式のものである。また、圧力変換器50が第一台車8に搭載された操作盤12に電気的に接続されており、操作盤12で油圧モータ31に供給する油圧(上記スクリュ圧)を確認できるようになっている。本実施形態では、圧力計47及び圧力変換器50を併設しているが、どちらか片方のみを設けても良い。
【0043】
ポンプユニット40は、油圧ポンプ41と、油圧ポンプ41を駆動する電動機49とから構成されている。
【0044】
供給流路34に設けられた圧力制御弁42は、油圧ポンプ41と圧力制御弁42との間の供給流路34内の油圧がリリーフ弁43のリリーフ圧よりも低い所定圧力(本実施形態では、3.9MPa)を超えると開いて油圧ポンプ41からの圧油を供給流路34の油圧モータ31側に流すようになっている。本実施形態では、圧力制御弁42として、上記所定圧力を圧力調整ハンドル或いは圧力調整ネジ(図示せず)によって調整可能なシーケンス弁を用いている。
【0045】
図2に示す実施形態によれば、図1に示す実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
【0047】
例えば、戻し流路6(35)に設けた圧力制御弁17(44)の制御ハンドル或いは制御ネジ17a(44a)に、戻し流路6(35)内の油圧がリリーフ弁16(43)のリリーフ圧よりも低い所定圧力を超えると開いて戻し流路6(35)の圧油を解放して油タンク2に戻す第一機能と戻し流路6(35)内の油圧に関わらず閉じて戻し流路6(35)を閉塞する第二機能とを切り換えるアクチュエータを接続すると共に、そのアクチュエータを第一台車8に搭載された操作盤12に電気的に接続し、操作盤12からの操作で圧力制御弁17(44)の第一機能と第二機能とを切り換えるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係るカッタ系油圧回路の回路図である。
【図2】本発明の実施形態に係るスクリュコンベア系油圧回路の回路図である。
【符号の説明】
【0049】
1 油圧モータ(油圧機器)
2 油タンク
5 供給流路
6 戻し流路
7 リリーフ流路
16 リリーフ弁
17 圧力制御弁
31 油圧モータ(油圧機器)
34 供給流路
35 戻し流路
36 リリーフ流路
43 リリーフ弁
44 圧力制御弁
D 後方台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油タンクからの圧油を油圧機器に供給する供給流路と、上記油圧機器からの圧油を上記油タンクに戻す戻し流路と、上記供給流路から分岐するリリーフ流路と、該リリーフ流路に設けられ、上記リリーフ流路内の油圧が所定のリリーフ圧を超えると上記供給流路の圧油を上記リリーフ流路を通して解放するリリーフ弁と、上記戻し流路に設けられた圧力制御弁とを備えた油圧回路において、
上記リリーフ弁は、上記所定のリリーフ圧が調整可能であり、
上記圧力制御弁は、
上記戻し流路内の油圧が上記リリーフ弁のリリーフ圧よりも低い所定圧力を超えると開いて上記戻し流路の圧油を解放する第一機能と、上記戻し流路内の油圧に関わらず閉じて上記戻し流路を閉塞する第二機能とを切換可能であり、
上記油圧機器の運転時に上記第一機能に切り換えられ、上記リリーフ弁のリリーフ圧を調整するときに上記第二機能に切り換えられることを特徴とする油圧回路。
【請求項2】
上記油圧機器は、トンネル掘進機に搭載され、
上記油タンク、上記供給流路、上記戻し流路、上記リリーフ流路、上記リリーフ弁及び上記圧力制御弁は、上記トンネル掘進機の後方に配置された後方台車に搭載される請求項1に記載の油圧回路。
【請求項3】
上記油圧機器は、上記トンネル掘進機のカッタを駆動する油圧モータ又は上記トンネル掘進機のカッタ室から掘削土砂を排出するスクリュコンベアを駆動する油圧モータである請求項2に記載の油圧回路。
【請求項4】
上記圧力制御弁は、上記第二機能を発揮するために、リリーフ弁をシーケンス弁として使用したものである請求項1から3いずれかに記載の油圧回路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−162315(P2009−162315A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1170(P2008−1170)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】