説明

油圧回路

【課題】通過流量が小さい場合にも圧力損失を低減すること。
【解決手段】バネ室54と油タンクTとの間を連通するタンク油通路5に介在し、操作弁40からのパイロット圧に応じて切換動作するパイロット切換弁60と、操作弁40から出力される操作方向に応じたパイロット圧をパイロット切換弁60に対して選択的に作用させるシャトル弁70とを備え、操作弁40が方向切換弁30からボトム室11に向けて油を供給する方向に操作された場合及び操作弁40がボトム室11から方向切換弁30に向けて油を排出する方向に操作された場合にそれぞれシャトル弁70を介してパイロット切換弁60を切換動作させてバネ室54を油タンクTに連通させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧回路に関するもので、方向切換弁から油圧シリンダのボトム室に至るボトム側油通路に、いわゆる降下防止弁を備えた油圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の建設機械では、操作レバーの操作によって方向切換弁を動作させ、油圧シリンダに対する油の供給方向を切り換えることによって油圧シリンダを動作させるようにしている。この種の建設機械では、バケット等の作業機を上方に持ち上げた状態に維持するために操作レバーを中立位置に戻す場合がある。すなわち、操作レバーを中立位置に戻すと、操作弁を介して方向切換弁も中立位置となり、方向切換弁と油圧シリンダとの間で油の流通が遮断されるため、作業機が持ち上がった状態に維持される。
【0003】
しかしながら、方向切換弁が中立位置となった場合にも、油の通過を完全に遮断することができず、バルブ本体とスプールとの隙間を油が流通し、油圧シリンダが縮退して作業機が降下する恐れがある。このため、この種の油圧回路には、降下防止弁が設けられているのが一般的である。
【0004】
降下防止弁は、方向切換弁と油圧シリンダのボトム室との間を連通するボトム側油通路に介在してこれを開閉するもので、弁座に対して離接するポペットと、弁座に対してポペットを常時当接する方向に押圧するポペットバネとを有して構成されている。降下防止弁のポペットには、内部に圧力が加えられた場合にポペットを弁座に押し付けるように機能する受圧部が設けられている。受圧部は、絞りを介して油圧シリンダのボトム室に連通されたものである。
【0005】
上記のように構成された油圧回路では、操作弁を操作し、油圧シリンダのボトム室に向けて油を供給するように方向切換弁を動作させると、油の供給圧力によりポペットバネの押圧力に抗してポペットが弁座から離隔され、ボトム側油通路が開放される。これにより、ボトム室に油が供給されて油圧シリンダが伸長動作する。
【0006】
この状態から、操作弁の操作により方向切換弁を中立位置に戻すと、ポペットの受圧部に作用する圧力及びポペットバネの押圧力によりポペットが弁座に当接された状態に維持されるため、ボトム側油通路が閉鎖される。これにより、方向切換弁のバルブ本体とスプールとの間に隙間があったとしても、作業機が降下する事態を招来する恐れがなくなる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−279905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述した油圧回路において油圧シリンダのボトム室に向けて油を供給できるのは、降下防止弁の前後差圧による力がポペットバネの押圧力を上回った場合のみとなる。従って、通過する油の流量が小さい場合には、降下防止弁の前後差圧も小さいものとなるため、ポペットと弁座との開口面積、つまり油の通過面積を十分に確保できず、降下防止弁において大きな圧力損失が招来されることになる。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みて、通過流量が小さい場合にも圧力損失を低減することのできる油圧回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る油圧回路は、操作弁からの出力信号に応じて動作し、油圧シリンダに対する油の供給方向を切換える方向切換弁と、前記方向切換弁から前記油圧シリンダのボトム室に至るボトム側油通路に介在し、ポペットを弁座に離接させることによって前記ボトム側油通路を開閉する降下防止弁とを備え、前記降下防止弁は、前記弁座に対して前記ポペットを常時当接する方向に押圧するポペットバネと、内部の圧力が前記弁座に対して前記ポペットを当接する方向に作用するように構成し、かつ絞りを介して前記油圧シリンダのボトム室に連通するバネ室とを有したものであり、前記方向切換弁から前記油圧シリンダのボトム室に向けて油を供給した場合には油の供給圧力により前記ポペットバネの押圧力に抗して前記ポペットを前記弁座から離隔させて前記ボトム側油通路を開放する一方、前記方向切換弁が中立位置にある場合には前記バネ室に作用する圧力及び前記ポペットバネの押圧力により前記ポペットを前記弁座に当接させた状態に維持して前記ボトム側油通路を閉鎖するようにした油圧回路において、前記バネ室と油タンクとの間に両者を連通するタンク油通路を設けるとともに、このタンク油通路には前記操作弁が前記油圧シリンダのボトム室に油を供給する方向に操作された場合に前記操作弁からの出力信号に応じて切換動作し、前記バネ室を前記油タンクに連通させるパイロット切換弁を配設したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述した油圧回路において、前記パイロット切換弁は、前記操作弁が前記油圧シリンダのボトム室から前記方向切換弁に向けて油を排出する方向に操作された場合に前記操作弁からの出力信号に応じて切換動作し、前記バネ室を前記油タンクに連通させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述した油圧回路において、前記操作弁は、操作方向に応じたパイロット圧を出力信号として前記方向切換弁に出力するものであり、前記パイロット切換弁に対してはシャトル弁を介して操作方向に応じたパイロット圧を選択的に作用させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る油圧回路は、操作弁からのパイロット圧に応じて動作し、油圧シリンダに対する油の供給方向を切換える方向切換弁と、前記方向切換弁から前記油圧シリンダのボトム室に至るボトム側油通路に介在し、ポペットを弁座に離接させることによって前記ボトム側油通路を開閉する降下防止弁とを備え、前記降下防止弁は、前記弁座に対して前記ポペットを常時当接する方向に押圧するポペットバネと、内部の圧力が前記弁座に対して前記ポペットを当接する方向に作用するように構成し、かつ絞りを介して前記油圧シリンダのボトム室に連通するバネ室とを有したものであり、前記方向切換弁から前記油圧シリンダのボトム室に向けて油を供給した場合には油の供給圧力により前記ポペットバネの押圧力に抗して前記ポペットを前記弁座から離隔させて前記ボトム側油通路を開放する一方、前記方向切換弁が中立位置にある場合には前記バネ室に作用する圧力及び前記ポペットバネの押圧力により前記ポペットを前記弁座に当接させた状態に維持して前記ボトム側油通路を閉鎖するようにした油圧回路において、前記バネ室と油タンクとの間を連通するタンク油通路に介在し、前記操作弁からのパイロット圧に応じて切換動作するパイロット切換弁と、前記操作弁から出力される操作方向に応じたパイロット圧を前記パイロット切換弁に対して選択的に作用させる前記シャトル弁とを備え、前記操作弁が前記方向切換弁から前記油圧シリンダのボトム室に向けて油を供給する方向に操作された場合及び前記操作弁が前記油圧シリンダのボトム室から前記方向切換弁に向けて油を排出する方向に操作された場合にそれぞれ前記シャトル弁を介して前記パイロット切換弁を切換動作させて前記バネ室を前記油タンクに連通させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、操作弁が油圧シリンダのボトム室に油を供給する方向に操作された場合に操作弁からの出力信号に応じてパイロット切換弁が動作し、バネ室が油タンクに連通される。従って、通過する油の流量に関わらず、ポペットと弁座との開口面積を十分に確保することができ、降下防止弁での圧力損失を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態を示す油圧回路図である。
【図2】図2は、図1に示した油圧回路に適用する降下防止弁の具体な構造例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る油圧回路の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態を示す油圧回路図である。ここで例示する油圧回路は、油圧シリンダ10と、油圧シリンダ10に対して油圧ポンプ20からの油の供給方向を切り換える方向切換弁30とを備え、操作レバー41の操作により、操作弁40を介して方向切換弁30を動作させることによって油圧シリンダ10の駆動を制御するものである。
【0018】
方向切換弁30は、操作レバー41の操作に伴って操作弁40から出力されるパイロット圧により動作し、2つの入出力ポートa,bに対する給油ポートdとドレンポートcとの接続態様を選択的に切り換えるものである。具体的には、方向切換弁30が図1に示す中立位置にある場合、2つの入出力ポートa,bと、給油ポートd及びドレンポートcとの間を遮断した状態に維持する。この状態から図1中の左方に移動して方向切換弁30が伸長位置に切り換わると、第1入出力ポートaと給油ポートdとの間を接続するとともに、第2入出力ポートbとドレンポートcとの間を接続する。これに対して中立位置から図1中の右方に移動して方向切換弁30が縮退位置に切り換わると、第1入出力ポートaとドレンポートcとの間を接続するとともに、第2入出力ポートbと給油ポートdとの間を接続した状態となる。
【0019】
方向切換弁30の第1入出力ポートaは、ボトム側油通路1を通じて油圧シリンダ10のボトム室11に接続してあり、第2入出力ポートbは、ヘッド側油通路2を通じて油圧シリンダ10のヘッド室12に接続してある。方向切換弁30の給油ポートdには、油圧ポンプ20の吐出口との間を接続する供給油通路3が接続してあり、方向切換弁30のドレンポートcには、油タンクTとの間を接続するドレン油通路4が接続してある。
【0020】
操作弁40は、操作レバー41のレバー中立位置からの操作量に応じたパイロット圧を、操作レバー41の操作方向に応じた個別のパイロット油通路42,43を通じて方向切換弁30のそれぞれの圧力室31,32に出力するものである。
【0021】
本実施の形態では、操作レバー41を図1に示すレバー中立位置から、図1中の矢印A方向に操作した場合、伸長側パイロット油通路42を通じて図1中の右側に位置する圧力室32にパイロット圧が出力され、方向切換弁30が中立位置から伸長位置に切り換わる。方向切換弁30が伸長位置に切り換わると、油圧シリンダ10のボトム室11に接続されたボトム側油通路1が、方向切換弁30の第1入出力ポートa及び給油ポートdを介して供給油通路3に接続されるとともに、油圧シリンダ10のヘッド室12に接続されたヘッド側油通路2が方向切換弁30の第2入出力ポートb及びドレンポートcを介してドレン油通路4に接続される。
【0022】
これとは逆に、操作レバー41がレバー中立位置から図1中の矢印B方向に操作された場合には、縮退側パイロット油通路43を通じて図1中の左側に位置する圧力室31にパイロット圧が出力され、方向切換弁30が中立位置から縮退位置に切り換わる。方向切換弁30が縮退位置に切り換わると、油圧シリンダ10のボトム室11に接続されたボトム側油通路1が方向切換弁30の第1入出力ポートa及びドレンポートcを介してドレン油通路4に接続されるとともに、ヘッド室12に接続されたヘッド側油通路2が方向切換弁30の第2入出力ポートb及び給油ポートdを介して供給油通路3に接続されることになる。
【0023】
図1からも明らかなように、方向切換弁30の第1入出力ポートaと油圧シリンダ10のボトム室11との間を接続するボトム側油通路1には、その中間部に降下防止弁50が設けてある。降下防止弁50は、図2に示すように、弁本体51に形成した弁通路52を連通/遮断することにより、ボトム側油通路1を開閉するものである。
【0024】
弁通路52は、弁本体51の一方の端面から形成し、方向切換弁30の第1入出力ポートaに接続される第1通路部52aと、弁本体51の他方の端面から形成し、油圧シリンダ10のボトム室11に接続される第2通路部52bと、これら第1通路部52a及び第2通路部52bの間を連通させる連絡通路部52cとによって構成したものである。第1通路部52a及び第2通路部52bは、互いに平行となるように延びている。一方、連絡通路部52cは第1通路部52a及び第2通路部52bに対して直角方向に延びたものである。
【0025】
また、弁本体51には、第1通路部52aと連絡通路部52cとの接続部に弁座53が形成してあるとともに、第1通路部52aに連通する部位にバネ室54が形成してある。弁座53は、連絡通路部52cの軸心を中心として形成したもので、第2通路部52bに向けて漸次内径が減少するテーパ状を成している。バネ室54は、第1通路部52aにおいて連絡通路部52cに対向する部位に連通し、かつ第2通路部52bから離隔する方向に延びた空所であり、その内部にポペット55及びポペットバネ56を収容している。
【0026】
ポペット55は、先端部にテーパ面55aを有した柱状を成すもので、テーパ面55aを弁座53に対して離接させる態様で、弁本体51のバネ室54に移動可能に配設してある。バネ室54の内部に圧力が加えられた場合、ポペット55は、テーパ面55を弁座53に当接する方向に移動することになる。このポペット55には、中心部に絞り通路57が形成してあるとともに、第1通路部52aに位置する部位の外周に段部55bが形成してある。絞り通路57は、ポペット55の先端面から基端面に渡る部位に貫通し、バネ室54と第2通路部52bとの間を常時連通する貫通孔であり、中間部に絞り57aを有している。段部55bは、ポペット55の先端部に比べて基端部を太径に形成することによって構成したものである。第1通路部52aの圧力が上昇した場合には、段部55bの円環状の面積に第1通路部52aの圧力が作用し、ポペット55を弁座53から離隔する方向に移動させるように機能する。
【0027】
ポペットバネ56は、ポペット55の基端部とバネ室54を閉塞するプラグ58との間に介在し、弁座53に対してポペット55を常時当接する方向に押圧するものである。
【0028】
さらに、弁本体51のバネ室54には、図1に示すように、タンク油通路5が接続してある。タンク油通路5は、油タンクTとの間を連通するもので、中間部にパイロット切換弁60を備えている。パイロット切換弁60は、内蔵バネ61の押圧力によってタンク油通路5を常時閉塞した状態に維持する一方、圧力室62に圧力が加えられた場合に降下防止弁50のバネ室54を油タンクTに連通させるものである。パイロット切換弁60の圧力室62には、シャトル弁70を介して操作弁40の2つのパイロット油通路42,43が分岐接続してある。
【0029】
上記のように構成した油圧回路では、操作レバー41をレバー中立位置から図1中の矢印A方向に操作した場合、操作弁40から出力されたパイロット圧が伸長側パイロット油通路42を通じて図1中の右側に位置する方向切換弁30の圧力室32に出力され、方向切換弁30が中立位置から伸長位置に切り換わる。従って、油圧ポンプ20から吐出された油が、供給油通路3、方向切換弁30、ボトム側油通路1及び降下防止弁50を介して油圧シリンダ10のボトム室11に供給されるとともに、ヘッド室12の油がヘッド側油通路2、方向切換部及びドレン油通路4を介して油タンクTに排出されることになり、油圧シリンダ10が伸長動作する。
【0030】
このとき、操作弁40から伸長側パイロット油通路42に出力されたパイロット圧がシャトル弁70を介してパイロット切換弁60の圧力室62にも加えられるため、タンク油通路5を介して降下防止弁50のバネ室54が油タンクTに接続されることになる。従って、油の供給圧力がポペットバネ56の押圧力を上回りさえすれば、通過する油の流量に関わらず、ポペット55と弁座53との開口面積を十分に確保することができ、油圧シリンダ10を伸長動作させる際の降下防止弁50での圧力損失を低減することが可能となる。
【0031】
油圧シリンダ10が伸長動作した状態から、操作弁40の操作により方向切換弁30を中立位置に戻すと、パイロット切換弁60が内蔵バネ61によってタンク油通路5を閉鎖した状態に復帰する。従って、弁本体51のバネ室54に作用する圧力及びポペットバネ56の押圧力により、油圧シリンダ10の負荷圧力に抗してポペット55が弁座53に当接された状態に維持され、ボトム側油通路1が閉鎖される。これにより、方向切換弁30のバルブ本体とスプールとの間に隙間があったとしても、油圧シリンダ10が縮退して作業機が降下する事態を招来する恐れがなくなる。
【0032】
さらに、上述の状態から操作レバー41を図1中の矢印B方向に操作すると、操作弁40から出力されたパイロット圧が縮退側パイロット油通路43を通じて図1中の左側に位置する方向切換弁30の圧力室31に出力され、方向切換弁30が中立位置から縮退位置に切り換わる。
【0033】
このとき、操作弁40から縮退側パイロット油通路43に出力されたパイロット圧がシャトル弁70を介してパイロット切換弁60の圧力室62にも加えられるため、タンク油通路5を介して降下防止弁50のバネ室54が油タンクTに接続されることになり、油圧シリンダ10の負荷圧力によりポペットバネ56の押圧力に抗してポペット55が弁座53から離隔する。従って、油圧ポンプ20から吐出された油が、供給油通路3、方向切換弁30、ヘッド側油通路2を介して油圧シリンダ10のヘッド室12に供給されるとともに、ボトム室11の油がボトム側油通路1、降下防止弁50、方向切換弁30及びドレン油通路4を介して油タンクTに排出されることになり、油圧シリンダ10が縮退動作する。
【0034】
尚、上述した実施の形態では、シャトル弁70を介して操作弁40からのパイロット圧をパイロット切換弁60の圧力室62に択一的に加えるようにしているため、パイロット切換弁60に伸長側パイロット油通路42及び縮退側パイロット油通路43に対して個別に圧力室を設ける必要がない。しかしながら、本発明はこれに限定されず、それぞれのパイロット油通路42,43に対して個別の圧力室を備えたパイロット切換弁を適用しても良いし、パイロット切換弁自体を個別に設けるようにしても良い。また、操作弁40からパイロット圧を出力するものを例示しているが、例えば操作弁40から操作信号として電気信号を出力し、これに応じて方向切換弁及びパイロット切換弁を動作させるように油圧回路を構成することも可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 ボトム側油通路
5 タンク油通路
10 油圧シリンダ
11 ボトム室
20 油圧ポンプ
30 方向切換弁
40 操作弁
42,43 パイロット油通路
50 降下防止弁
51 弁本体
52 弁通路
53 弁座
54 バネ室
55 ポペット
56 ポペットバネ
57 絞り通路
57a 絞り
60 パイロット切換弁
61 内蔵バネ
62 圧力室
70 シャトル弁
T 油タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作弁からの出力信号に応じて動作し、油圧シリンダに対する油の供給方向を切換える方向切換弁と、
前記方向切換弁から前記油圧シリンダのボトム室に至るボトム側油通路に介在し、ポペットを弁座に離接させることによって前記ボトム側油通路を開閉する降下防止弁と
を備え、前記降下防止弁は、前記弁座に対して前記ポペットを常時当接する方向に押圧するポペットバネと、内部の圧力が前記弁座に対して前記ポペットを当接する方向に作用するように構成し、かつ絞りを介して前記油圧シリンダのボトム室に連通するバネ室とを有したものであり、
前記方向切換弁から前記油圧シリンダのボトム室に向けて油を供給した場合には油の供給圧力により前記ポペットバネの押圧力に抗して前記ポペットを前記弁座から離隔させて前記ボトム側油通路を開放する一方、前記方向切換弁が中立位置にある場合には前記バネ室に作用する圧力及び前記ポペットバネの押圧力により前記ポペットを前記弁座に当接させた状態に維持して前記ボトム側油通路を閉鎖するようにした油圧回路において、
前記バネ室と油タンクとの間に両者を連通するタンク油通路を設けるとともに、このタンク油通路には前記操作弁が前記油圧シリンダのボトム室に油を供給する方向に操作された場合に前記操作弁からの出力信号に応じて切換動作し、前記バネ室を前記油タンクに連通させるパイロット切換弁を配設したことを特徴とする油圧回路。
【請求項2】
前記パイロット切換弁は、前記操作弁が前記油圧シリンダのボトム室から前記方向切換弁に向けて油を排出する方向に操作された場合に前記操作弁からの出力信号に応じて切換動作し、前記バネ室を前記油タンクに連通させることを特徴とする請求項1に記載の油圧回路。
【請求項3】
前記操作弁は、操作方向に応じたパイロット圧を出力信号として前記方向切換弁に出力するものであり、前記パイロット切換弁に対してはシャトル弁を介して操作方向に応じたパイロット圧を選択的に作用させることを特徴とする請求項2に記載の油圧回路。
【請求項4】
操作弁からのパイロット圧に応じて動作し、油圧シリンダに対する油の供給方向を切換える方向切換弁と、
前記方向切換弁から前記油圧シリンダのボトム室に至るボトム側油通路に介在し、ポペットを弁座に離接させることによって前記ボトム側油通路を開閉する降下防止弁と
を備え、前記降下防止弁は、前記弁座に対して前記ポペットを常時当接する方向に押圧するポペットバネと、内部の圧力が前記弁座に対して前記ポペットを当接する方向に作用するように構成し、かつ絞りを介して前記油圧シリンダのボトム室に連通するバネ室とを有したものであり、
前記方向切換弁から前記油圧シリンダのボトム室に向けて油を供給した場合には油の供給圧力により前記ポペットバネの押圧力に抗して前記ポペットを前記弁座から離隔させて前記ボトム側油通路を開放する一方、前記方向切換弁が中立位置にある場合には前記バネ室に作用する圧力及び前記ポペットバネの押圧力により前記ポペットを前記弁座に当接させた状態に維持して前記ボトム側油通路を閉鎖するようにした油圧回路において、
前記バネ室と油タンクとの間を連通するタンク油通路に介在し、前記操作弁からのパイロット圧に応じて切換動作するパイロット切換弁と、
前記操作弁から出力される操作方向に応じたパイロット圧を前記パイロット切換弁に対して選択的に作用させる前記シャトル弁と
を備え、前記操作弁が前記方向切換弁から前記油圧シリンダのボトム室に向けて油を供給する方向に操作された場合及び前記操作弁が前記油圧シリンダのボトム室から前記方向切換弁に向けて油を排出する方向に操作された場合にそれぞれ前記シャトル弁を介して前記パイロット切換弁を切換動作させて前記バネ室を前記油タンクに連通させることを特徴とする油圧回路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−40639(P2013−40639A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176932(P2011−176932)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】