説明

油性化粧料

【課題】色味や艶の創出の機能発現において重要な成分であるタルク、カオリン、マイカ、セリサイト、シリカ等の粘土鉱物を良好に分散が出来ることにより、色ムラがなく、艶及び艶の持続性等に優れた、且つ保存安定性が良好な油性化粧料組成物であり、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション、アイカラー等幅広い用途に利用が可能な油性化粧料を提供する。
【解決手段】本発明は、水酸基価から算出した平均重合度10のポリグリセリンと、炭素数18の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルを含有する油性化粧料を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘土鉱物等の粉体分散に優れた、特定のポリグリセリン分枝脂肪酸エステルを含有する油性化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション、アイカラー等の油性化粧料は主に液状油、固形油、半固形油などの油成分、顔料や体質粉体などの粉体成分から構成されている。粘土鉱物等の粉体成分は、色味や艶の創出の機能発現において重要な成分である。これら粉体は金属酸化物を主成分としており、比重も非常に大きい。またその表面は等電点を有しており、これらの要因が相まって化粧料組成物に安定性良く分散させることは、非常に困難なものとされていた。これらの粉体は、通常、油中に界面活性剤と共に分散させた後、乳化あるいは固化させて製品化しているのが現状である。しかしながら、油等の油性成分は粉体の分散性がさほど強くなく、その粉体成分の構成にばらつきが出て、色ムラや目的の艶が出ない等の問題があった。これを解決する技術として、特許文献1が報告されている。しかしながら、必須成分であるジグリセリンのテトラ脂肪酸エステルは熱安定性や耐熱性が悪く、それを配合した製品は臭気や経時安定性面において問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−251126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、色味や艶の創出の機能発現において重要な成分である粉体、特にタルク、カオリン、マイカ、セリサイト、シリカ等の粘土鉱物を良好に分散が出来ることにより、色ムラがなく、艶及び艶の持続性等に優れた、且つ保存安定性が良好な油性化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、特定のポリグリセリン分枝脂肪酸エステル及び粘土鉱物を含有する油性化粧料が、上記課題を解決し得ることを見出だし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、水酸基価から算出した平均重合度10のポリグリセリンと、炭素数18の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステル及びタルク、カオリン、マイカ、セリサイト、シリカ等の粘土鉱物とを含有する油性化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、色味や艶の創出の機能発現において重要な成分であるタルク、カオリン、マイカ、セリサイト、シリカ等の粘土鉱物を良好に分散が出来ることにより、色ムラがなく、艶及び艶の持続性等に優れた、且つ保存安定性が良好な油性化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明で使用するポリグリセリン分枝脂肪酸エステルは、水酸基価から算出した平均重合度10のポリグリセリンと、炭素数18の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルを使用する、その中でポリグリセリン分枝脂肪酸エステルの原料であるポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度10のポリグリセリン、分枝脂肪酸は炭素数18のイソステアリン酸が好ましく、そのエステル化率は40〜60%の範囲でエステル化したポリグリセリンイソステアリン酸エステルが好ましい。
【0009】
本発明において、ポリグリセリン分枝脂肪酸エステルの配合量は油性化粧料に対して1〜99重量%、本発明の効果の点から5〜85重量%が特に好ましい。
【0010】
本発明で使用する粘土鉱物としては、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、シリカ(無水ケイ酸)等が挙げられ、化粧品に適用可能なものであれば特に制限はない。
【0011】
本発明において、粘土鉱物の配合量は油性化粧料に対して1〜45重量%、本発明の効果の点から5〜40重量%が特に好ましい。
【0012】
本発明においては、上記のポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと粘土鉱物を加熱混合し、均一に溶解して油性化粧料とする。
【0013】
本発明に係る油性化粧料の具体的な用途としては、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション、アイカラー等が挙げられる。
【0014】
本発明化粧料には必要に応じて水及び通常化粧料に配合される添加成分、例えば油性基剤、界面活性剤、アルコール類、保湿剤、高分子・増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、キレート剤、pH調整剤・酸・アルカリ、紫外線吸収剤、美白剤、溶剤、角質剥離・溶解剤、鎮痒剤、消炎剤、制汗剤、清涼剤、還元剤・酸化剤、高分子粉体、ビタミン類及びその誘導体類、糖類及びその誘導体類、有機酸類、無機粉体類、香料、色素、顔料等を配合することができる。
【0015】
これらの添加成分を例示すると、油性基剤としては、例えば高級アルコール類としてセタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ダイマージオール等が挙げられる。またラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の脂肪酸類及びそのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム塩等の金属石けん類、及びアミド等の含窒素誘導体類;流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、固型パラフィン等の炭化素類;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類;ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類;牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類;鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類;液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等のラノリン類;ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類;水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類;コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール等のステロール類;酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のステロールエステル類;オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、セバチン酸ジエチル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、コハク酸ジオクチル等の低級アルコール脂肪酸エステル類;ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油等の高級アルコール脂肪酸エステル類;乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油等のオキシ酸エステル類;トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水素添加ロジングリセリル(水素添加エステルガム)、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8等の多価アルコール脂肪酸エステル類;ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド類等;低粘度ジメチルポリシロキサン、高粘度ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルシロキサン(デカメチルシクロペンタシロキサン)、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性ポリシロキサン、カチオン変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリグリセリン変性ポリシロキサン、糖変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類;パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類等が挙げられる。
【0016】
界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルポリグリコシド、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、エチル硫酸長鎖分岐脂肪酸(12〜31)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、短鎖ポリオキシエチレンアルキルアミン及びその塩または四級塩、塩化ベンザルコニウム等の陽イオン性界面活性剤;脂肪酸アミドアミン及びその塩;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤;ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体、トラガントガム、アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体等の高分子界面活性剤等を例示することができる。
【0017】
保湿剤としては、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、DPG、1,2−アルカンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、ヒアルロン酸ナトリウム、クエン酸塩、尿素、乳酸菌培養液、酵母抽出液、卵殻膜タンパク、牛顎下腺ムチン、ヒポタウリン、ゴマリグナン配糖体、ベタイン、コンドロイチン硫酸、グルタチオン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、カルビトール、乳酸ナトリウム、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、アルブミン、トリメチルグリシン;コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、シルク蛋白分解ペプチド、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド等の蛋白ペプチド類及びその誘導体;アルギニン、セリン、グリシン、スレオニン、グルタミン酸、システイン、メチオニン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類;胎盤抽出液、エアラスチン、コラーゲン、アロエ抽出物、ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス、コンフリーエキス等の動物・植物抽出成分、天然型セラミド(タイプ1、2、3、4、5、6)、ヒドロキシセラミド、疑似セラミド、スフィンゴ糖脂質等のセラミド類を例示することができる。
【0018】
高分子・増粘剤・ゲル化剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、クィーンスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、タラガム、タマリンド、ファーセレラン、カラヤガム、トロロアオイ、キャラガム、トラガントガム、ペクチン、アルギン酸及びその塩、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸及びその塩、ザンサンガム、プルラン、ジェランガム、キチン、キトサン、寒天、コンドロイチン硫酸塩、カゼイン、ゼラチン、アルブミン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリ酢酸ビニル部分けん化物、マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸エステル共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・メタアクリル酸エステル共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、アクリル酸・ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、アクリル酸・カチオン化メタアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸・カチオン化メタアクリル酸アミド共重合体、塩化メタクリル酸コリンエステル重合体、カチオン化グアーガム、ニトロセルロース;12−ヒドロキシステアリン酸及びその塩、デキストリン脂肪酸エステル、無水ケイ酸、金属石鹸、有機変性粘土鉱物、ショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステル等を例示することができる。
【0019】
酸化防止剤としては、BHT、BHA、没食子酸プロピル、ビタミンE(トコフェロール)および/またはその誘導体、ビタミンC(アスコルビン酸)および/またはその誘導体、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩等を例示することができる。防腐剤としては、フェノール類、フェノキシエタノール、ヒドロキシ安息香酸及びその塩類、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ハロゲン化ビスフェノール類、酸アミド類、四級アンモニウム塩類等を例示することができる。殺菌剤としては、トリクロロカルバニド、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ハロカルバン、ヒノキチオール、フェノール、イソプロピルフェノール、感光素類等を例示することができる。キレート剤としては、エデト酸塩、フィチン酸、ホスホン酸類、シュウ酸ナトリウム、ポリアミノ酸類等を例示することができる。pH調整剤・酸・アルカリとしては、クエン酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、酢酸、塩酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アルギニン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、炭酸グアニジン等を例示することができる。
【0020】
紫外線吸収剤としては、オキシベンゾン等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシケイヒ酸誘導体、サリチル酸誘導体、フェルラ酸及びその誘導体、ウロカニン酸及びウロカニン酸エチル等の誘導体、ブチルメトキシベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、フェルラ酸、アントラニル酸メチル、ルチン及びその誘導体等を例示することができる。美白剤としては、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸リン酸エステル塩、アスコルビン酸分岐脂肪酸エステル、アスコルビン酸アルキルエーテル等のアスコルビン酸誘導体、コウジ酸、グルタチオン,エラグ酸、プラセンタエキス、オリザノール、ブチルレゾルシノール、カモミラエキス等植物エキスを例示することができる。
【0021】
溶剤類としては、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類;アセトン、酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、トルエン等を例示することができる。
【0022】
角質剥離・溶解剤としては、サリチル酸、イオウ、レゾルシン、硫化セレン、ピリドキシン等を例示することができる。鎮痒剤としては、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、カンファー等を例示することができる。消炎剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グアイアズレン、酢酸ヒドロコーチゾン、プレドニゾン等を例示することができる。制汗剤としては、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛等を例示することができる。清涼剤としては、メントール、サリチル酸メチル等を例示することができる。抗ヒスタミン剤としては、塩酸ジフェドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルレチン酸誘導体等を例示することができる。収れん剤としては、クエン酸、酒石酸、乳酸、硫酸アルミニウム・カリウム、タンニン酸等を例示することができる。刺激剤としては、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキ、ニコチン酸ベンジル等を例示することができる。育毛用薬剤・血行促進剤としては、センブリエキス、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、カンタリスチンキ等の植物エキス・チンキ類;セファランチン、ビタミンE及びその誘導体、γ−オリザノール、ニコチン酸及びニコチン酸ベンジルエステル等の誘導体、アラントイン、感光素301、感光素401、ペンタデカン酸モノグリセリド、フラバノノール誘導体、ミノキシジル等を例示することができる。
【0023】
還元剤としては、チオグリコール酸、システイン、システアミン等を例示することができる。酸化剤としては、過酸化水素水、過硫酸アンモニウム、臭素酸ナトリウム等を例示できる。
【0024】
高分子粉体としては、デンプン、ナイロンパウダー、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等、及び、これらの表明処理粉体を例示することができる。
【0025】
α−ヒドロキシ酸類及びその誘導体類としては、乳酸、グリコール酸、フルーツ酸、ヒドロキシカプリン酸、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等を例示することができる。
【0026】
ビタミン類及びその誘導体類としては、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、ニコチン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、リノール酸トコフェロール、フェルラ酸トコフェロール等のビタミン誘導体類を例示することができる。
【0027】
糖類及びその誘導体類としては、シクロデキストリン、β−グルカン、キチン、キトサン、グルコース、トレハロース、ペクチン、アラビノガラクタン、デキストリン、デキストラン、メタクリル酸グルコシルエチル重合物若しくは共重合物等を例示することができる。有機酸類としては、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、アビエチン酸、酒石酸等を例示することができる。
【0028】
酵素類としては、塩化リゾチーム、パパイン、パンクレアチン、プロテアーゼ等を例示することができる。核酸類としては、アデノシン三リン酸二ナトリウム等を例示することができる。ホルモン類としては、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等を例示することができる。
【0029】
無機粉体類としては、マイカ、タルク、カオリン、モンモリロナイト、セリサイト、カオリナイト、炭酸カルシウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、煙霧状シリカ(超微粒子無水ケイ酸)、雲母チタン、魚鱗箔、窒化ホウ素、ホトクロミック顔料、合成フッ素金雲母、微粒子複合粉体、金、アルミニウム等の無機粉体及びこれらを表明処理により疎水化した粉体等を例示することができる。
【0030】
香料としては、リモネン、リナノール、シトラール、β−イオノン、ベンジルベンゾエート、インドール、オイゲノール、オーランチオール、ゲラニオール、リラール、ダマスコン、ベンジルアセテート、ジャスミンラクトン、ガラクソリッド、精油等が例示することができる。
【0031】
色素としては、β−カロチン、カルサミン、ルチン、コチニール、クロロフィル等の天然色素;法定色素、塩基染料、レーキ、有機顔料;p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、m−フェニレンジアミン、o−,m−,若しくはp−アミノフェノール、レゾルシン等の酸化染料中間体等等を例示することができる。
【0032】
その他公知の化粧料、医薬品、食品等成分などに使用される成分を本発明の効果を損なわない範囲において、適宜配合することができる。
【0033】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0034】
表1に示す処方にて、油性化粧料に係るリップグロスを調製した。リップグロスは、全成分を加熱しながらディスパーミキサーで均一に加熱混合し、金皿に流し込み冷却することにより調製した。
【0035】
表1に示した実施例及び比較例の油性化粧料に係るリップグロスを用いて、以下に示す評価を実施した。
(官能評価)
20名の健常女性パネラーにより、「色ムラのなさ」、「艶」、「塗布3時間後の艶(化粧持ちの良さ)」の項目について官能評価した。尚、各評価項目を5点満点とし、20名の平均点を算出し、以下の基準により評価した、その結果を表1に示す。
◎:4.5点以上(非常に良好である)
○:4.0点以上、4.5点未満(良好である)
△:3.0点以上、4.0点未満(やや悪い)
×:3.0点未満(悪い)
(保存安定性評価)
実施例1〜5及び比較例1〜2の油性化粧料組成物に係るリップグロスを、50℃の恒温槽にて1ヶ月暴露し、その時の経時変化臭について評価した。尚、以下の基準により評価した、その結果を表1に示す。
○:調製直後品の臭気と比べ差がない。
△:調製直後品の臭気と比べ、僅かに異臭がある。
×:調製直後品の臭気と比べ、異臭がある。
【0036】
【表1】

【0037】
表1に示したとおり、実施例1〜5の油性化粧料に係るリップグロスは官能面及び保存安定性が共に良好であった。これに対し、比較例1〜2のリップグロスは官能面若しくは、保存安定性の何れか一方において不十分な結果であった。
【0038】
実施例6 口 紅
A 相 (重量%)
ペンタイソステアリン酸デカグリセリル 30.00
ホホバワックス 22.00
ヒマシ油 17.00
流動パラフィン 15.00
カルナウバロウ 7.00
サラシミツロウ 5.00
B 相
酸化チタン 2.00
赤色201号 0.50
赤色202号 1.00
赤色233号 0.50
A相を80℃にて加温して均一溶解した後、冷却しロールミルで均一に練る。これにB相を添加し脱泡後、型に流し込み急冷して口紅を得た。
【0039】
実施例7 油性ファンデーション(スティックタイプ)
A 相 (重量%)
ヘキサイソステアリン酸デカグリセリル 15.00
固形パラフィン 7.50
マイクロクリスタリンワックス 7.00
ジメチルポリシロキサン 15.00
ステアリン酸カルシウム 5.00
B 相
タルク 3.00
カオリン 20.00
マイカ 3.00
酸化チタン 20.00
ベンガラ 1.00
黄酸化鉄 3.00
黒酸化鉄 0.50
A相を85℃にて加温して均一溶解した後、これに予め混合粉砕したB相を撹拌しながら添加し、コロイドミルで磨砕分散する。脱気後70℃で型に流し込み急冷して、油性ファンデーションを得た。
【0040】
実施例6〜7に示した油性化粧料について、上記と同様に官能評価及び保存安定性評価を実施した。その結果を表2に示す。
【0041】
【表2】

【0042】
表2に示したとおり、実施例6〜7に示した油性化粧料は官能面及び保存安定性共に良好な結果であった。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の油性化粧料は、色味や艶の創出の機能発現において重要な成分であるタルク、カオリン、マイカ、セリサイト、シリカ等の粘土鉱物を良好に分散が出来ることにより、色ムラがなく、艶及び艶の持続性等に優れた、且つ保存安定性が良好な油性化粧料であり、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション、アイカラー等幅広い用途に利用が可能なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸基価から算出した平均重合度が10のポリグリセリンが有する水酸基を、炭素数18の分枝脂肪酸でエステル化し、そのエステル化率が40〜60%の範囲であるポリグリセリン分枝脂肪酸エステル。
【請求項2】
請求項1記載のポリグリセリン分枝脂肪酸エステルを配合した油性化粧料。
【請求項3】
粘土鉱物を含有する請求項2記載の油性化粧料。

【公開番号】特開2012−197242(P2012−197242A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62074(P2011−62074)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(390028897)阪本薬品工業株式会社 (140)
【Fターム(参考)】