説明

油性固形化粧料

【課題】 撥水性、撥油性に優れる油性固形化粧料で、化粧料のとれ、伸び広がりの良さやべたつきのなさといった使用感が良好で、化粧膜の均一性と化粧膜の持続性に優れ、且つ、保存安定性にも優れた油性固形化粧料を提供する。
【解決手段】特定のシリコーン・ポリアミド共重合体とフルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサンとイソノナン酸と分岐アルコールのエステル油及び/又は2−エチルヘキサン酸と多価アルコールのエステル油とを含有することを特徴とする油性固形化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撥水性、撥油性に優れる油性固形化粧料に関し、詳しくは、化粧料のとれ、伸び広がりの良さやべたつきのなさといった使用感が良好で、化粧膜の均一性と化粧膜の持続性に優れ、且つ、保存安定性にも優れた油性固形化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファンデーションや口紅、アイカラー、チーク等の化粧料においては、べたつきを抑え、さらには、化粧持続性を向上させる目的で、粉体の表面処理剤や重合物として、撥水、撥油性に優れたフッ素含有化合物が使用されている。
【0003】
【特許文献1】特許2939345号
【特許文献2】特許3073240号
【特許文献3】特開平9−268110号
【特許文献4】特開2001−342255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えばフッ素含有油剤を配合した場合、フッ素含有油剤は一般的に化粧料に使用される他の油剤との相溶性が低いことから経時で排液しやすいという問題点があるため、十分な保存安定性を得るためには、固形化剤であるワックスを多量に配合しなければならなかった。その結果として、ワックスを多量に配合した油性固形化粧料は、化粧料のとれ、伸び広がりが悪く、化粧膜の均一性に劣るものであった。一方、フッ素含有油剤を重合物を用いてゲル化させる試みがなされているが、その固形化力は、固形を得るには不十分であるのが現状であった。そこで、化粧料のとれ、伸び広がりの良さやべたつきのなさといった使用感が良好で、化粧膜の均一性と化粧膜の持続性に優れ、且つ、保存安定性にも優れた油性固形化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記実状において鋭意検討を重ねた結果、特定のシリコーン・ポリアミド共重合体と特定のフッ素変性シリコーンと特定のエステル油剤を組み合わせて用いることにより、化粧料のとれ、伸び広がりの良さやべたつきのなさといった使用感が良好で、化粧膜の均一性と化粧膜の持続性に優れ、且つ、保存安定性にも優れた油性固形化粧料が得られることを見出し本発明を完成させた。
【0006】
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(c):
(a)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するシリコーン・ポリアミド共重合体
【0007】
【化3】

【0008】
(但し、式中、Xは炭素数1〜30の二価の炭化水素基、Yは炭素数1〜40の二価の炭化水素基を示し、mは1≦m≦700の正数、nは1≦n≦500の正数を示す。)
(b)フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン
(c)イソノナン酸と分岐アルコールのエステル油、又は2−エチルヘキサン酸と多価アルコールのエステル油を含有することを特徴とする油性固形化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、撥水性、撥油性に優れる油性固形化粧料で、使用性(化粧料のとれ)、使用感(伸び広がりの良さ、べたつきのなさ)が良好で、化粧効果(化粧膜の均一性、化粧膜の持続性)に優れ、且つ、保存安定性にも優れた油性固形化粧料である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の構成について説明する。
本発明の油性固形化粧料に用いられる成分(a)の特定のシリコーン・ポリアミド共重合体は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するものである。
【0011】
【化4】

【0012】
一般式(1)において、Xは炭素数1〜30の直鎖または分岐鎖の二価の炭化水素基であって、より好ましくは炭素数3〜10の直鎖または分岐鎖の二価の炭化水素基である。Yは炭素数1〜40の直鎖または分岐鎖の二価の炭化水素基であって、より好ましくは炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖の二価の炭化水素基である。mは1〜700の正数であり、より好ましくは15〜500の正数であり、さらに好ましくは15〜45の正数である。nは1〜500の正数であり、より好ましくは、1〜100の正数であり、さらに好ましくは4〜25の正数である。このような、成分(a)のシリコーン・ポリアミド共重合体は、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で例えば、NYLON−611/DIMETHICONE COPOLYMERが挙げられ、市販品としては、混合物で例えば、シリコーン・ポリアミド共重合体/PPG−3ミリスチルエーテル(Dow Corning 2−8178 Gellant:ダウコーニング社製)等が挙げられる。
【0013】
本発明の油性固形化粧料における、成分(a)の含有量は、特に限定されるものではないが、固形化することによる化粧料のとれ及び保存安定性と伸び広がりのよさ、べたつきのなさといった使用感の観点から、5〜30質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましく、10〜25%がより好ましい。
【0014】
本発明に用いられる成分(b)のフルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が200mm/s以下のフルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサンが好ましく、特に好ましいのは20〜180mm/sである。この範囲であれば、成分(a)の特定のシリコーン・ポリアミド共重合体との親和性においてより良好なものを得ることができる。
更に、粘度や成分(a)の特定のシリコーン・ポリアミド共重合体との親和性から、下記一般式(2)で示されるフルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサンが特に好ましい。
【0015】
【化5】

【0016】
(式中、pは4〜6の整数である。)
具体的には、特開平09−268110号公報に記載されているものが挙げられ、例えばINCI名でトリフルオロプロピルシクロテトラシロキサン/トリフルオロプロピルシクロペンタシロキサン(KF−5002:信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0017】
本発明の油性固形化粧料における、成分(b)の含有量は、特に限定されるものではないが、化粧料のとれ及び保存安定性と化粧膜の持続性、べたつきのなさといった観点から、0.1〜20%が好ましく、1〜15%がより好ましい。
【0018】
本発明に用いられる成分(c)のイソノナン酸と分岐アルコールのエステル油、又は2−エチルヘキサン酸と多価アルコールのエステル油は、一般的に化粧料に用いられるものであれば、特に限定されない。これらの中でも、化粧料のとれ、保存安定性の観点から、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソドデシル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールから選ばれる1種又は2種以上であるであることが特に好ましい。
【0019】
本発明の油性固形化粧料における、成分(c)の含有量は、特に限定されるものではないが、化粧料のとれ及び保存安定性と伸び広がりのよさ、べたつきのなさといった使用感の観点から、25〜95%が好ましく、30〜85%がより好ましい。
【0020】
本発明の油性固形化粧料には、上記必須成分の他に、通常化粧料に用いられる成分として、例えば、他の油剤、油ゲル化剤、界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、粉体、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、防腐剤、着色剤、美容剤等を本発明の効果を損なわない範囲にて配合することができる。
【0021】
本発明の油性固形化粧料に用いられる油性成分としては、成分(b)及び成分(c)のほかにも、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシュトロプスワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体等が挙げられる。これら油性成分は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0022】
本発明の油性固形化粧料に用いられる粉体としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられ、通常化粧品に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用することができる。
具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、無水ケイ酸等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これら粉体は、1種又は2種以上を用いることができ、必要に応じて、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等を用いて、公知の方法により表面処理を施したものでも良い。
【0023】
本発明の油性固形化粧料としては、ファンデーション、口紅、リップクリーム、リップグロス、チーク、アイライナー、マスカラ、アイカラー、日焼け止め等のメーキャップ化粧料、ヘアワックス、ヘアカラー等の頭髪化粧料、化粧油、クレンジング、コロン等の基礎化粧料等が挙げられ、その形状としてはスティック状、ケーキ状、皿流し込み状等が挙げられる。また、本発明の油性固形化粧料は、成分(a)のシリコーン・ポリアミド共重合体と成分(c)の特定のエステル油剤を約110℃で均一に混合溶解し、成分(b)の特定のフッ素変性シリコーン、を添加混合後、容器に充填、冷却することにより得ることができる。
【0024】
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0025】
本発明品1〜9及び比較品1〜8:ケーキ状アイカラー
下記表1に示す組成のケーキ状アイカラーを調製し、(1)使用性(化粧料のとれ)、(2)使用感(伸び広がりの良さ、べたつきのなさ)、(3)化粧効果(化粧膜の均一性、化粧膜の持続性)、(4)保存安定性の評価項目について下記の方法により評価し、結果を併せて表1に示した。
【0026】
【表1】

【0027】
*1:シリコーン・ポリアミド共重合体/PPG−3ミリスチルエーテル(Dow Corning 2−8178 Gellant(ダウコーニング社製))
*2:フッ素変性架橋型シリコーン/トリフルオロプロピルシクロペンタシロキサン(KSG−51(20:80)(信越化学工業社製))
*3:ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末(オーロラフレーク レッド(角八魚燐箔社製))
*4:トリフルオロプロピルシクロテトラシロキサン/トリフルオロプロピルシクロペンタシロキサン(KF−5002(信越化学工業社製))
【0028】
(製造方法)
A:1〜9を110℃に加熱し、均一に混合溶解する。
B:Aに10〜13を添加し、混合する。
C:Bを金皿に充填、冷却し、アイカラーを得た。
【0029】
(評価項目1〜3及びその評価方法)
化粧歴10年以上の女性20名をパネルとし、(1)使用性(化粧料のとれ(指を使用))、(2)使用感(伸び広がりの良さ、べたつきのなさ)、(3)化粧効果(化粧膜の均一性、化粧膜の持続性)、それぞれの評価項目について、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し試料ごとに平均値を算出し、下記判定基準(A)により判定した。但し、化粧持続性については、試料をまぶたに塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後の化粧効果について評価した。
【0030】
(絶対評価)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(判定基準(A))
(評点平均値) :(判定)
5点を超える :非常に良好:◎
3点を超えて5点以下:良好 :○
1点を超えて3点以下:やや不良 :△
1点以下 :不良 :×
【0031】
(評価項目4及びその評価方法)
保存安定性の評価方法としては、表1に示す油性固形化粧料を調製し、調製後の状態と比べ40℃及び5℃で1ヶ月間保存した時の状態を、以下の基準Bに従い評価した。
【0032】
(基準B)
変化なし:◎
わずかに分離しているが支障なく使用できる:○
かなりの分離が見られる:×
【0033】
上記表1の結果から明らかなように、本発明品1〜9のケーキ状アイカラーは、比較品1〜8に比較して、使用性(化粧料のとれ)、使用感(伸び広がりの良さ、べたつきのなさ)が良好で、化粧効果(化粧膜の均一性、化粧膜の持続性)に優れ、且つ、保存安定性に優れたものであった。
一方、成分(a)のシリコーン・ポリアミド共重合体を配合しない比較品1は固形状にならず、成分(a)の代わりにフッ素変性架橋型シリコーンを用いた比較品2はゲル状にはなるもの固形化力が低く、使用性の点で、成分(a)の代わりにセレシンを用いた比較品3は保存安定性の点で、更にセレシンを多くした比較品4は、5℃の保存安定性は改善されたが、化粧膜の均一性、伸び広がりの点で劣るものであった。また、成分(b)の特定のフッ素系油剤を配合しない比較品5は化粧持続性の点で劣るものであった。また、成分(c)の特定のエステル油剤と類似の構造、感触を持つエステル油剤を配合した比較品6〜8は保存安定性の点で劣るものであった。
【0034】
本発明品10:固形状ファンデーション
(成分) (%)
1.(a)シリコーン・ポリアミド共重合体(*1) 10
2.パルミチン酸デキストリン 3
3.(c)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 31.7
4.酸化チタン 20
5.微粒子酸化チタン 20
6.ベンガラ 0.5
7.黄酸化鉄 2.5
8.黒酸化鉄 0.3
9.トリイソステアリン酸ジグリセリル 7
10.(b)フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン(*5) 5
*5:テトラ−3,3,3−トリフルオロプロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン/ペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサン混合物(1/1質量比、粘度60mm/s(25℃))
【0035】
(製造方法)
A:1〜3を110℃に加熱し、均一に混合溶解する。
B:Aに4〜9を添加し、ロールミルにて均一に分散する。
C:Bを90℃に加熱し、10を添加混合する。
D:Cを金皿に充填、冷却し、ファンデーションを得た。
本固形状ファンデーションは、化粧料のとれ、伸び広がりの良さやべたつきのなさといった使用感が良好で、化粧膜の均一性と化粧膜の持続性に優れ、且つ、保存安定性にも優れたものであった。
【0036】
本発明品11:スティック状口紅
(成分) (%)
1.(a)シリコーン・ポリアミド共重合体(*1) 20
2.リンゴ酸ジイソステアリル 10
3.(c)イソノナン酸イソトリデシル 10
4.(b)フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン(*6) 10
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 10
6.赤色201号 0.5
7.赤色202号 1
8.黄色4号 1
9.煙霧状シリカ 2
10.酸化チタン被覆ガラス末 1
11.(c)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 34.5
*6:トリフロオロプロピルシクロペンタシロキサン
【0037】
(製造方法)
A:6〜11をロールミルで混合する。
B:1〜3を110℃に加熱し、均一に混合溶解する。
C:BにA,4、5を添加し、分散する。
D:Cをスティック容器に充填、冷却し、スティック状口紅を得た。
本スティック状口紅は、唇への塗りやすさ、伸び広がりの良さやべたつきのなさといった使用感が良好で、化粧膜の均一性と化粧膜の持続性に優れ、且つ、保存安定性にも優れたものであった。
【0038】
本発明品12:スティック状日焼け止め
(成分) (%)
1.(a)シリコーン・ポリアミド共重合体(*1) 20
2.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 7
3.オクチルトリアゾン 2
4.t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 0.5
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 10
6.(c)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 55.5
7.(b)フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン(*4) 5
【0039】
(製造方法)
A:1〜6を110℃に加熱し、均一に混合溶解する。
B:Aに7を添加し、分散する。
C:Bをスティック容器に充填、冷却し、スティック状日焼け止めを得た。
本スティック状日焼け止めは、肌への塗りやすさ、伸び広がりの良さやべたつきのなさといった使用感が良好で、化粧膜の均一性と化粧膜の持続性に優れ、且つ、保存安定性にも優れたものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)〜(c):
(a)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するシリコーン・ポリアミド共重合体
【化1】

(但し、式中、Xは炭素数1〜30の二価の炭化水素基、Yは炭素数1〜40の二価の炭化水素基を示し、mは1≦m≦700の正数、nは1≦n≦500の正数を示す。)
(b)フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン
(c)イソノナン酸と分岐アルコールのエステル油及び/又は2−エチルヘキサン酸と多価アルコールのエステル油
を含有することを特徴とする油性固形化粧料。
【請求項2】
前記成分(b)が下記一般式(2)で表されるフルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン
【化2】

(式中、pは4〜6の整数である。)
である請求項1記載の油性固形化粧料。
【請求項3】
成分(c)のエステル油が、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソドデシル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の油性固形化粧料。

【公開番号】特開2006−241003(P2006−241003A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−55272(P2005−55272)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】