説明

油料植物の生物季節的発達をより同時的にするための殺菌剤の使用

本発明は、油料植物の経時的により均一な発達を達成するためのある種の殺菌剤の使用に関するものである。本発明はさらに、油料植物製品の品質を向上させ、適宜に量を増やす方法に関するものでもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油料作物を時間的によりそろって発達させるためのある種の殺菌剤の使用に関するものである。本発明はさらに、油料作物製品の品質および適宜に量を高める方法に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
通常、植物内での発達は一様かつ均一には進まない。従って、植物の異なる「階層」(すなわち、植物の異なる領域、具体的には上側、中間および下側領域、または外側および内側領域)は、異なる時点で開花し得ることから、成熟した果実/種子についても異なる時点で形成し得る。その期間は数週間にも及ぶ可能性があり、それが収穫をかなり困難にしている。通常、個々の植物の階層における成熟度に応じて非常に多くの農業的に重要な植物を繰り返し収穫することは、経済的に意味もなく、収穫技術に関しても実施可能性がないことから、収穫は通常1回のみである。ところが、この時点でまだ未成熟であったりすでに熟れすぎている果実は、非常に多くの場合で使えない可能性があり、少なくとも量および/または質に関して最大の利益性を持たない。これは、実際の生産収穫物および/または生産収穫物の品質が、上記の植物について可能性があるものより顕著に低くなることを意味する。
【0003】
油料作物において、理想的な程度の成熟度を持たない、すなわち熟れすぎたり未成熟である油含有果実/種子を、例えば油生産などのさらなる処理で用いることが非常に多く起こる。結果的に、例えば油またはそれの反応生成物などの植物製品の品質に悪影響がある可能性がある。しかしながら、そのような油料作物製品が高品質であることは、食品および化粧品部門で非常に重要なだけではなく、それを再生可能な自動車燃料および可燃製品として用いる場合も、高い品質基準を満足しなければならない。
【0004】
化石可燃物の消耗が予想されることから、エネルギー部門は徐々に、例えば植物油、バイオディーゼルおよびバイオエタノールなどの再生可能な自動車燃料および可燃物に注目しだしている。バイオディーゼルとは、脂肪酸の低級アルキルエステル、特にはメチルエステルを指す。これらは、菜種油などの植物油(ただし、使用済み脂肪および使用済み油も)およびトリグリセリド類の形態で天然に生じる動物脂肪をアルコール(メタノールなど)でエステル交換することで得ることができる。植物油は通常、油料作物の、例えば油含有果実もしくは種子の油含有植物部分を加圧することで得られる。しかしながら、冷却圧縮、特には温間圧縮によって、比較的高含有量のリン系化合物およびアルカリ金属化合物および特にはアルカリ土類金属化合物、主としてカルシウム化合物およびマグネシウム化合物などの無機化合物を含む油が得られる。油中に存在するだけなく、それの反応生成物中にも存在するこれら化合物は、エンジンおよび炉施設での燃焼時に有害効果を有する可能性がある。さらに、それらはエンジンの材料の寿命に対して悪影響を有する。排気システムに対する悪影響も無視できない。従って、上記の化合物により、燃焼運転時に無視できないほどの灰が生じ、それが例えばディーゼル車の粒子フィルターの変形を生じさせる。灰は粒子フィルターを再生しても除去できないだけでなく、フィルターに保持され、それによって排気ガスの逆圧が高くなる。排気ガスの逆圧が高くなると、ディーゼルエンジンに故障が生じる。さらに、リン系化合物は、触媒毒として作用し、例えばディーゼル車における酸化型触媒コンバータおよびトラックおよびトラクターなどの実用車におけるSCR型触媒コンバータの耐用年数を短くする。同様の問題が、加熱設備でも起こり得る。これらの問題を回避し、さらには非常に近い将来に予想され得る電力燃料としての菜種油についてのDIN基準(EDIN51605)を満たすことができるようにするためには、バイオディーゼルまたはそれの基礎となる植物油については、複雑な処理手順を行っているのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
菜種油について上記のDIN基準を用いる場合であっても、植物油またはそれらの反応生成物の輸送、貯蔵または燃焼に問題がなくなることが保証できるものではない。従って、ある種のリン系化合物、特にはリン脂質は、それらが植物油中でDIN51605によって明記されたリン限度値以下の量で存在している場合であっても、自動車、タンク車および工業生産工場でのモーター燃料フィルターのチョーキングを生じる。従って、DIN51605によって明記された値よりさらに、油中のリン含有量および他の望ましくない不純物の含有量も減らすことが望ましい。
【0006】
食品部門および化粧品部門で植物油を用いる場合、またはやはり食品部門で例えば種子および油カスからの油料作物製品を用い場合、リン化合物、特にはリン酸塩が、例えば健康上の理由で問題となる可能性がある。
【0007】
通常は、油カスおよび種子などの全ての植物部分を再生可能モーター燃料として用いることが可能であることから、これらの油料作物製品が可能な限り低いリンおよび無機物含有量を有することが重要である。
【0008】
油料作物製品、特には植物油および適宜にそれの反応生成物の別の問題は、エンジンおよび例えばボイラーなどの燃焼設備で腐食を生じ得る酸含有量である。
【0009】
さらに、できるだけ低いヨウ素価を有する植物油およびそれの反応生成物を提供することがさらに望ましい。次に、油またはそれの反応生成物の基礎となる脂肪酸分子中のC−C二重結合の数に関して、すなわち油の不飽和特性に関してヨウ素価を測定する。より高いヨウ素価を有する油ほど酸化に対する感受性が高いことから、より飽和度の高い油より急速に粘性となるため、それの貯蔵安定性は低くなる。概して、貯蔵安定性の重要な側面である十分な酸化安定性が商業化が奏功する上で必須であることから、できるだけ高い酸化安定性を有する植物油またはそれの反応生成物を提供することが望ましい。酸化安定性は、油の飽和度だけでなく、ビタミンAまたはビタミンEなどの抗酸化物の存在によっても決まる。
【0010】
特にモーター燃料部門での使用の観点での植物油の別の問題は、鉱物モーター燃料と比較して相対的に高い粘性である。流動性、ポンピングおよび燃料注入装置での噴霧化挙動(ノズルジェットの液滴スペクトラムおよび幾何形状)が弱いために、粘度が高いと、とりわけ常温始動上の問題を生じる。従って、粘度の低い、特には動粘性率が低い植物油を提供できることが望ましい。
【0011】
例えば油料作物製品、特には植物油または反応生成物の高い引火点、高い発熱量、高いセタン価、低い残留炭素、低い硫黄含量、低い窒素含量、低い塩素含量および亜鉛、スズ、ホウ素およびケイ素化合物などのある種の(半)金属化合物の低い含有量など、エネルギー源としての使用に関して、油料作物製品、特には植物油およびそれの反応生成物の特性をさらに改良することも望ましい。
【0012】
引火点とは、外部供給される発火力によって引火可能な上記/空気混合物を生じる蒸気が密閉容器中で生じるのが測定される温度を指す。引火点は、流体を有害材料分類に分類するのに用いられる。当然のことながら、可能なかぎり高い引火点を有する植物油およびそれの反応生成物を提供することが望ましい。
【0013】
発熱量は、体積当たりまたは質量当たりの物質の完全燃焼時に放出されるエネルギー料についての尺度である。総発熱量は、燃焼時に出る蒸気の凝縮で放出されるエネルギーも含むが、正味発熱量はそれを含まない。当然のことながら、できるだけ高い正味発熱量を有する油製品が望ましい。
【0014】
セタン価は、ディーゼル燃料の発火性能の尺度であり、当然のことながら、良好な発火性能を有するモーター燃料が特に望まれる。
【0015】
残留炭素は、モーター燃料の不完全燃焼時に発生する有機および無機材料からなり、燃料注入装置でのコーキングに対するモーター燃料の感受性および燃焼室での残留物形成の尺度である。燃料注入装置のコーキングは、注入モーター燃料の分配が悪くなり、従ってエンジン性能が低下する。モーターにおけるコーキングは現在、特には特定の洗剤および分散剤を加えることで抑制される。当然のことながら、コーキングに対する感受性が低いモーター燃料が望ましい。
【0016】
硫黄、窒素、塩素および上記の(半)金属含有量の低下は主として、硫酸および他の硫黄化合物ならびに含硝硫酸フュームなどの健康上および環境上有害である物質の放出を減らし、油料作物製品、主として植物油およびそれの反応生成物の、それらと接触するようになる金属部分での腐食作用を低下させ、例えば上記の(半)金属化合物の結果としての灰形成を低減させることを目的としたものである。
【0017】
上記の品質基準は、特には油料作物植物および/またはそれの果実/種子の成熟度によって影響を受ける。
【0018】
すでに上記で言及したように、植物成熟の過程において繰り返し収穫することで、植物製品ができるだけ上記の基準に関して高い品質を有するようにすることは、経済的ではなく、通常は技術的に実施が困難であることから、一般的なやり方ではない。すなわち原則として、収穫は1回のみ行われる。
【0019】
従って、本発明の目的は、植物、特には油料作物での個々の発達段階がより均一に進行することで、短い期間内に進行するようにする化合物を提供することにあった。特に、果実/種子の成熟は、可能な限り均一に、すなわち短い期間内に進行すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
驚くべきことに、植物のより均一な発達は、油料作物またはそれの種子をある種の殺菌剤で処理した場合に得られることが認められた。
【0021】
従って、その目的は、適宜に少なくとも一つの成長調節剤と組み合わされていてもよい、アリール-および複素環アミド類、カーバメート類、ジカルボキシイミド類、アゾール類、ストロビルリン類およびモルホリン類の中から選択される少なくとも一つの殺菌剤を用いて、油料作物の経時的により均一な発達を達成することで達せられる。
【0022】
油料作物の経時的により均一な発達とは、所定の殺菌剤による植物または種子の処理を行わない以外は植物の同一の成長条件下での同一の油料作物植物(種類および品種に関して)の発達と比較した調和を指す。
【0023】
「油料作物の経時的により均一な発達」は、植物の個々の成長段階、特には縦成長、伸長、特には開花および/または果実/種子の成熟が、より狭い時間ウィンドウで起こることを意味する。
【0024】
所定の殺菌剤の本発明による使用は好ましくは、本発明に従って処理されなかった植物と比較して、より一様な期間内に、すなわちより狭い期間内に、植物内での縦成長および/または伸長および/または開花および/または植物の果実/種子の成熟をもたらす。
【0025】
特に好ましくは、植物内での開花および/または植物の果実/種子の成熟は、本発明に従って処理されなかった植物と比較して、より一様な期間内に、すなわちより狭い期間内に起こる。特に、植物の果実/種子の成熟は、本発明に従って処理されなかった植物と比較して、より一様な時間枠内に、すなわちより狭い期間内に起こる。
【0026】
「植物内で」とは、一つの同一植物の発達がより集中した形で起こることを意味している。
【0027】
油料作物とは、植物部分、特には果実および/または種子が油を生じる植物である。それは、下記の二つの群に分けることができる。
【0028】
−油が脂肪の多い果肉から得られる果肉油料作物。これには、例えばオリーブの木および油やしなどがある。
【0029】
−油が種子から得られる種子油料作物。これには例えば、アブラナ、セイヨウアブラナ、カラシナ、オイル・ラディッシュ(oil radish)、アマナズナ、キバナスズシロ、ハマナ、ヒマワリ、ベニバナ、アザミ、キンセンカ、大豆、ルピナス、亜麻、麻、オイル・パンプキン(oil pumpkin)、ケシ、トウモロコシおよびナッツ、特には落花生(ピーナッツ)などがある。
【0030】
しかしながら、果肉油料作物(オリーブの木および油やし)について前述した二種類も、両方の種子(核)を同様に油を得るのに用いることから、種子油料作物に含めることができる。
【0031】
好ましい油料作物は、より厳密な意味での種子油料作物、すなわち別のオイル含有果肉を持たない油料作物である。
【0032】
本発明に関して、「果肉油料作物」および「種子油料作物」という用語の定義の元となる「果実」および「種子」という用語は、厳密な形態学的意味においては用いない。すなわち、種子または果実が発達する花の部分に基づいて区別は行わない。むしろ、「種子」という用語は、本発明に関しては、それ自体、すなわちさらなる処理を行わずに、種子として用いることができる植物の部分を意味するものと理解される。対照的に果実は、花から発達し、成熟するまで種子を包み込む器官全体である。果実は、果皮によって囲まれた1以上の種子を含む。本発明に関して、果実はさらに、形態学的意味において種子から容易に分離可能な果肉を含む。さらに、本発明に関する果実の場合、果皮は種子または種皮と分離できないように結合しているわけではない。従って、本発明に関する種子油料作物は、形態学的意味での種子から油が得られる油料作物だけでなく、例えばヒマワリ、ナッツまたはトウモロコシでの場合のように果皮が種子と分離できないように結合している種類の果実から油が得られる油料作物も含む。従って、本発明に関しては、「種皮」という用語は、形態学的意味での種子の皮に限定されるものではなく、果皮が種子と分離できないように結合し、従って本発明に従って使用される「種子」という用語に分類される果実の果皮をも含むものである。
【0033】
しかしながら好ましくは、「果実/種子」という用語は、分離可能な果肉のない種子を意味するものと理解される。
【0034】
さらに本発明は、(生きた)油料作物植物もしくはそれの(生きた)植物部分またはそれの種子(すなわち、植物が成長する種子)を、上記で定義の、少なくとも一つの成長調節剤と組み合わされていても良い、少なくとも一つの殺菌剤で処理し、前記油料作物植物の果実/種子を、油料作物製品が得られる際に前記果実/種子の総重量に基づいて含水量が15重量%以下となった時に収穫する、油料作物製品の品質および適宜に量を高める方法であって、品質向上が下記の基準:
(i)少なくとも一つの油料作物製品のリン含有量の低下;
(ii)少なくとも一つの油料作物製品のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属含有量の低下;
(iii)少なくとも一つの油料作物製品の酸化安定性の上昇;
(iv)少なくとも一つの油料作物製品の全体的汚染の低下;
(v)少なくとも一つの油料作物製品のヨウ素価の低下;
(vi)少なくとも一つの油料作物製品の酸価の低下;
(vii)少なくとも一つの油料作物製品の動粘性率の低下;
(viii)少なくとも一つの油料作物製品の硫黄含有量の低下;
(ix)少なくとも一つの油料作物製品の引火点の上昇;
(x)少なくとも一つの油料作物製品の正味発熱量の増加;
(xi)少なくとも一つの油料作物製品の残留炭素の低減;
(xii)少なくとも一つの油料作物製品のセタン価の上昇;
(xiii)少なくとも一つの油料作物製品の窒素含量の低下;
(xiv)少なくとも一つの油料作物製品の塩素含量の低下;および
(xv)少なくとも一つの油料作物製品のスズ、亜鉛、ケイ素および/またはホウ素含有量の低下
から選択される方法に関するものである。
【0035】
しかしながら、本発明による個々の処理によって改善されない基準は、好ましくは悪化しない。
【0036】
少なくとも一つの油料作物製品の品質向上そして適宜に量の増加は、所定の殺菌剤による植物またはそれの種子の処理を行わず、および/または記載の時点での収穫を行わない以外は植物の同一の成長条件下に同一の油量作物植物(種類および品種に関して)から同じ方法(収穫、処理などに関して)で得られた同じ油料作物の品質および適宜に量と比較しての改善に関係するものである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明に関して、油料作物製品は、油料作物の全てのオイル含有植物部分、それの処理生成物および反応生成物、ならびに処理生成物の反応生成物を意味するものと理解される。それらは、例えば可燃物質およびモーター燃料の形態でのエネルギー源として、潤滑剤として好適であるが、食品および飼料部門、または化粧品部門での使用にも好適である。油料作物製品には主として、油料作物のオイル含有果実および種子、それから得られる油(食品部門で例えば食用油としてまたはマーガリン生産用に、化粧品部門において例えば担体として、潤滑剤として、または可燃物質およびモーター燃料として用いることができる)、オイル抽出時の加圧プロセス中に得られる油カス(動物飼料として飼料部門で、または可燃物質として用いることが可能である)および油の反応生成物、例えばそれのC−C−アルコール、好ましくはメタノールとのそれのエステル交換生成物(バイオディーゼルとして用いることができる)などがある。油のC−Cアルコールとのエステル交換生成物は、主としてグリセリド類(特にはトリグリセリド類として)として油中に存在する脂肪酸のC−Cアルキルエステルを意味するものと理解される。
【0038】
油料作物製品は好ましくは、植物油およびそれの反応生成物から選択され、例えばC−C−アルコール類、好ましくはメタノールとのエステル交換生成物である。
【0039】
本発明に関して、油は、別段の記載がない限り植物油を意味するものと理解される。
【0040】
本発明に関して、使用される一般名は下記の意味を有する。
【0041】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にはフッ素、塩素または臭素である。
【0042】
「部分または完全ハロゲン化」という用語は、特定の基の1以上、例えば1、2、3もしくは4個または全ての水素原子がハロゲン原子、特にはフッ素または塩素によって置き代わっていることを意味する。
【0043】
「C−C−アルキル」という用語(C−C−ハロアルキル、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニルおよびC−C−アルキルスルホニルでも)は、mからn個、例えば1から8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の飽和炭化水素基である。従って、C−C−アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルである。C−C−アルキルはさらに、例えばペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチル−ブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチル−ブチル、1−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシルおよびそれらの構造異性体である。
【0044】
−C−ハロアルキルは、1以上の水素原子がハロゲン原子、特にはフッ素または塩素によって置き代わっているmからn個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基である。従って、C−C−ハロアルキルは、1以上の水素原子がハロゲン原子、特にフッ素または塩素によって置き代わっている直鎖もしくは分岐のC−C−アルキル基である。C−C−ハロアルキルは特には、C−C−ハロアルキルである。C−C−ハロアルキルは例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチルなどである。
【0045】
−C−アルコキシは、酸素原子を介して結合しているmからn個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基である。従って、C−C−アルコキシは、酸素原子を介して結合しているC−C−アルキル基である。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシおよびtert−ブトキシがある。C−C−アルコキシの例にはさらに、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシおよびそれらの構造異性体がある。
【0046】
−C−ハロアルコキシは、1以上の水素原子がハロゲン原子、特にはフッ素または塩素によって置き代わっている直鎖もしくは分岐の、酸素原子を介して結合しているC−C−アルキル基である。例としては、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ブロモメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1−クロロエトキシ、1−ブロモエトキシ、1−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2−クロロ−2−フルオロエトキシ、2,2−ジクロロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、ペンタクロロエトキシなどがある。
【0047】
−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニルおよびC−C−アルキルスルホニルは、硫黄原子(アルキルチオ)、S(O)基(アルキルスルフィニル)またはS(O)基(アルキルスルホニル)を介して結合した直鎖もしくは分岐のC-C−アルキル基である。C−C−アルキルチオの例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオなどがある。C−C−アルキルスルフィニルの例には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニルなどがある。C−C−アルキルスルホニルの例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニルなどがある。
【0048】
−C−アルキルチオは、硫黄原子を介して結合した直鎖もしくは分岐のC−C−アルキル基である。例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオおよびそれらの構造異性体などがある。
【0049】
−C−ハロアルキルチオは、硫黄原子を介して結合し、1以上の水素原子がハロゲン原子、特にフッ素または塩素によって置き代わっている直鎖もしくは分岐のC−C−アルキル基である。例としては、クロロメチルチオ、ジクロロメチルチオ、トリクロロメチルチオ、フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、ブロモメチルチオ、クロロフルオロメチルチオ、ジクロロフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、1−クロロエチルチオ、1−ブロモエチルチオ、1−フルオロエチルチオ、2−クロロエチルチオ、2−ブロモエチルチオ、2−フルオロエチルチオ、2,2−ジフルオロエチルチオ、2−クロロ−2−フルオロエチルチオ、2,2−ジクロロエチルチオ、2,2,2−トリクロロエチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ、ペンタクロロエチルチオなどがある。
【0050】
−C−アルコキシ−C−C−アルキルは、1個の水素原子がC−C−アルコキシ基によって置き換わっているC−C−アルキル基である。従って、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルは、1個の水素原子がC−C−アルコキシ基によって置き換わっているC−C−アルキル基である。例としては、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロポキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、プロポキシプロピルなどがある。
【0051】
−C−アルキルチオ−C−C−アルキルは、1個の水素原子がC−C−アルキルチオ基によって置き換わっているC−C−アルキル基である。従って、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキルは、1個の水素原子がC−C−アルキルチオ基によって置き換わっているC−C−アルキル基である。例としては、メチルチオメチル、エチルチオメチル、プロピルチオメチル、メチルチオエチル、エチルチオエチル、プロピルチオエチル、メチルチオプロピル、エチルチオプロピル、プロピルチオプロピルなどがある。
【0052】
−C−ハロアルキルチオ−C−C−アルキルは、1個の水素原子がC−C−ハロアルキルチオ基によって置き換わっているC−C−アルキル基である。従って、C−C−ハロアルキルチオ−C−C−アルキルは、1個の水素原子がC−C−ハロアルキルチオ基によって置き換わっているC−C−アルキル基である。例としては、クロロメチルチオメチル、ジクロロメチルチオメチル、トリクロロメチルチオメチル、クロロエチルチオメチル、ジクロロエチルチオメチル、トリクロロエチルチオメチル、テトラクロロエチルチオメチル、ペンタクロロエチルチオメチルなどがある。
【0053】
カルボキシルは、基−COOHである。
【0054】
−C−アルキルカルボニルは、基−CO−R(RはC−C−アルキルである)である。
【0055】
−C−アルキルオキシカルボニル(C−C−アルコキシカルボニルとも称される)は、基−C(O)O−R(RはC−C−アルキルである)である。
【0056】
−C−アルキルカルボニルオキシは、基−OC(O)−R(RはC−C−アルキルである)である。
【0057】
−C−アルキルアミノカルボニルは、基−CO−NH−R(RはC−C−アルキルである)である。
【0058】
ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニルは、基−CO−N(RR′)(RおよびR′は互いに独立に、C−C−アルキルである)である。
【0059】
−C−アルケニルは、2から8個の炭素原子およびいずれかの位置の1個の二重結合を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素である。例には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、1-メチルエテニル、1−、2−および3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−、2−、3−および4−ペンテニル、1−、2−、3−、4−および5−ヘキセニル、1−、2−、3−、4−、5−および6−ヘプテニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−および7−オクテニルおよびそれらの構造異性体がある。
【0060】
−C−アルケニルオキシは、酸素原子を介して結合しているC−C−アルケニル基である。例には、エテニルオキシ、プロペニルオキシなどがある。
【0061】
−C−アルケニルチオは、硫黄原子を介して結合しているC−C−アルケニル基である。例には、エテニルチオ、プロペニルチオなどがある。
【0062】
−C−アルケニルアミノは、基−NH−R(RはC−C−アルケニルである)である。
【0063】
N−C−C−アルケニル−N−C−C−アルキルアミノは、基−N(RR′)(RはC−C−アルケニルであり、R′はC−C−アルキルである)である。
【0064】
−C−アルキニルは、2から8個の炭素原子および少なくとも1個の三重結合を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素である。例には、エチニル、プロピニル、1−および2−ブチニルなどがある。
【0065】
−C−アルキニルオキシは、酸素原子を介して結合しているC−C−アルキニル基である。例には、プロピニルオキシ、ブチニルオキシなどがある。
【0066】
−C−アルキニルチオは、硫黄原子を介して結合しているC−C−アルキニル基である。例には、エチニルチオ、プロピニルチオなどがある。
【0067】
−C−アルキニルアミノは、基−NH−R(RはC−C−アルキニルである)である。
【0068】
N−C−C−アルキニル−N−C−C−アルキルアミノは、基−N(RR′)(RはC−C−アルキニルであり、R′はC−C−アルキルである)である。
【0069】
−C−シクロアルキルは、単環式3から8員飽和脂環式基である。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルがある。C−C10−シクロアルキルは、単環式3から10員飽和脂環式基である。例には、C−C−シクロアルキルについて言及した基に加えて、シクロノニルおよびシクロデシルがある。
【0070】
−C−シクロアルキルオキシ(またはC−C−シクロアルコキシ)は、酸素を介して結合しているC−C−シクロアルキル基である。例には、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシおよびシクロオクチルオキシがある。
【0071】
−C−シクロアルキルチオは、硫黄原子を介して結合しているC−C−シクロアルキル基である。例には、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロヘプチルチオおよびシクロオクチルチオがある。
【0072】
−C−シクロアルキルアミノは、基−NH−R(RはC−C−シクロアルキルである)である。
【0073】
N−C−C−シクロアルキル−N−C−C−アルキルアミノは、基−N(RR′)(Rは、C−C−シクロアルキルであり、R′はC−C−アルキルである)である。
【0074】
−C−シクロアルケニルは、少なくとも1個の二重結合を有する単環式3から8員不飽和脂環式基である。例には、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクチル、シクロオクタジエニル、シクロオクタトリエニルおよびシクロオクタテトラエニルがある。
【0075】
−C−シクロアルケニルオキシは、酸素を介して結合しているC−C−シクロアルケニル基である。例には、シクロプロペニルオキシ、シクロブテニルオキシ、シクロペンテニルオキシ、シクロペンタジエニルオキシ、シクロヘキセニルオキシ、シクロヘキサジエニルオキシ、シクロヘプテニルオキシ、シクロヘプタジエニルオキシ、シクロオクテニルオキシ、シクロオクタジエニルオキシ、シクロオクタトリエニルオキシおよびシクロオクタテトラエニルオキシがある。
【0076】
−C−アルキレンは、mからn個、例えば1から8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキレン基である。従って、C−C−アルキレンは例えば、メチレン、1,1−または1,2−エチレン、1,1−、1,2−、2,2−または1,3−プロピレンである。C−C−アルキレンは例えば、1,1−または1,2−エチレン、1,1−、1,2−、2,2−または1,3-プロピレン、1,1−、1,2−、1,3−または1,4−ブチレンである。C−C−アルキレンは例えば、1,1−、1,2−、2,2−または1,3-プロピレン、1,1−、1,2−、1,3−または1,4−ブチレン、1,1−ジメチル−1,2−エチレン、2,2−ジメチル−1,2−エチレン、1,1−、1,2−、1,3−、1,4−または1,5−ペンチレンなどである。
【0077】
オキシ−C−C−アルキレンは、基−O−R−(RはC−C−アルキレンである)である。従って、オキシ−C−C−アルキレンは、基−O−R−(RはC−C−アルキレンである)である。例には、オキシエチレン、オキシプロピレンなどがある。
【0078】
オキシ−C−C−アルキレンオキシは、基−O−R−O−(RはC−C−アルキレンである)である。従って、オキシ−C−C−アルキレンオキシは、基−O−R−O−(RはC−C−アルキレンである)である。例には、オキシメチレンオキシ、オキシ−1,2−エチレンオキシ、オキシ−1,3−プロピレンオキシなどがある。
【0079】
−C−アルケニレンは、mからn個、例えば2から8個の炭素原子およびいずれかの位置でのC−C二重結合を有する直鎖もしくは分岐のアルケニレン基である。従って、C−C−アルケニレンは例えば、1,1−または1,2−エテニレン、1,1−、1,2−または1,3-プロペニレン、1,1−、1,2−、1,3−または1,4−ブチレンである。C−C−アルケニレンは例えば、1,1−、1,2−または1,3-プロペニレン、1,1−、1,2−、1,3−または1,4−ブテニレン、1,1−、1,2−、1,3−、1,4−または1,5−ペンテニレンなどである。
【0080】
オキシ−C−C−アルケニレンは、基−O−R−(RはC−C−アルケニレンである)である。従って、オキシ−C−C−アルケニレンは、基−O−R−(RはC−C−アルケニレンである)である。例には、オキシエテニレン、オキシプロペニレンなどがある。
【0081】
オキシ−C−C−アルケニレンオキシは、基−O−R−O−(RはC−C−アルケニレンである)である。従って、オキシ−C−C−アルケニレンオキシは、基−O−R−O−(RはC−C−アルケニレンである)である。例には、オキシエテニレンオキシ、オキシプロペニレンオキシなどがある。
【0082】
−C−アルキニレンは、mからn個、例えば2から8個の炭素原子およびいずれかの位置のC−C三重結合を有する直鎖もしくは分岐のアルキニレン基である。従って、C−C−アルキニレンは例えば、1,1−または1,2−エチニレン、1,1−、1,2−または1,3−プロピニレン、1,1−、1,2−、1,3−または1,4−ブチニレンである。C−C−アルキニレンは例えば、1,1−、1,2−または1,3−プロピニレン、1,1−、1,2−、1,3−または1,4−ブチニレン、1,1−、1,2−、1,3−、1,4−または1,5−ペンチニレンなどである。
【0083】
−C−アルカノール(=C−C−アルコール)は本発明に関して、1個の水素原子がヒドロキシル基によって置き換わっている脂肪族C−C−炭化水素である。例には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノールおよびtert−ブタノールがある。
【0084】
アリールは、6から14個の炭素原子を有する置換されていても良い芳香族炭化水素基であり、フェニル、ナフチル、アントラセニルまたはフェナントレニル、特にはフェニルなどがある。好適な置換基の例は、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、OH、NO、CN、COOH、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニル、NH、C−C−アルキルアミノ、(C−C−アルキル)アミノおよび下記で言及される他の置換基である。
【0085】
アリールオキシは、酸素原子を介して結合しているアリール基である。例としては、置換されていても良いフェノキシがある。
【0086】
アリールチオは、硫黄原子を介して結合しているアリール基である。例としては、置換されていても良いフェニルチオがある。
【0087】
アリール−C−C−アルキルは、1個の水素原子がアリール基によって置換されているC−C−アルキル基である。例には、ベンジルおよび2−フェニルエチルがある。
【0088】
アリール−C−C−アルケニルは、1個の水素原子がアリール基によって置換されているC−C−アルケニル基である。例としては、2−フェニルエテニル(スチリル)がある。
【0089】
アリール−C−C−アルキニルは、1個の水素原子がアリール基によって置換されているC−C−アルキニル基である。例としては、2−フェニルエチニルがある。
【0090】
アリール−C−C−アルコキシは、1個の水素原子がアリール基によって置き換わっているC−C−アルコキシ基である。
【0091】
アリールチオ−C−C−アルキルは、1個の水素原子がアリール基によって置換されているC−C−アルキル基であり、例えば置換されていても良いフェニルチオ−C−C−アルキルである。置換されていても良いフェニルチオ−C−C−アルキルの例には、フェニルチオメチル(C−S−CH)およびフェニルチオエチル(C−S−CHCH)があり、そのフェニル基は、例えば1以上の塩素原子によって置換されていることができる。
【0092】
複素環は、好ましくは環員として3から7個の環員およびO、NおよびSの中から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子および/またはSO、SOおよびNR(RはHまたはC−C−アルキルである)の中から選択されるヘテロ原子基を有し、さらには環員として1、2もしくは3個のカルボニル基を有していても良い非芳香族飽和もしくは不飽和または芳香族(「ヘタリール」)複素環基である。非芳香族複素環基の例には、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、ピロリジンジオニル、ピラゾリニル、ピラゾリノニル、イミダゾリニル、イミダゾリノニル、イミダゾリンジオニル、ピロリニル、ピロリノニル、ピロリンジオニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、イミダゾリノニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3−ジオキソラニル、ジオキソレニル、チオラニル、ジヒドロチエニル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、ピペリジノニル、ピペリジンジオニル、ピペラジニル、ピリジノニル、ピリジンジオニル、ピリダジノニル、ピリダジンジオニル、ピリミジノニル、ピリダジンジオニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、チオピラニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チアジニルなどがある。芳香族複素環基(ヘタリール)の例には、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルなどがある。
【0093】
複素環オキシまたはヘタリールオキシは、酸素原子を介して結合している複素環またはヘタリール基である。
【0094】
ヘタリール−C−C−アルキルは、1個の水素原子がヘタリール基によって置換されているC−C−アルキル基である。例には、ピロリルメチル、ピリジニルメチルなどがある。
【0095】
ヘタリール−C−C−アルケニルは、1個の水素原子がヘタリール基によって置換されているC−C−アルケニル基である。
【0096】
ヘタリール−C−C−アルキニルは、1個の水素原子がヘタリール基によって置換されているC−C−アルキニル基である。
【0097】
ヘタリール−C−C−アルコキシは、1個の水素原子がヘタリール基によって置換されているC−C−アルコキシ基である。
【0098】
本発明の好ましい特徴に関して行った上記および下記の見解は、それ自体で適用されるが、他の好ましい特徴と組み合わせても適用される。
【0099】
「品質向上」とは、好ましくは、少なくとも一つの油料作物製品が、基準(i)から(xi)、より好ましくは(i)から(viii)、さらに好ましくは(i)から(vii)、特には(i)から(iii)および(vi)のうちの少なくとも一つ、具体的には(i)、(ii)または(vi)、より具体的には(i)または(vi)を満足しなければならないことを意味する。
【0100】
好適な油料作物の例には、アブラナ、セイヨウアブラナ、カラシナ、オイル・ラディッシュ、アマナズナ、キバナスズシロ、ハマナ、ヒマワリ、ベニバナ、アザミ、キンセンカ、大豆、ルピナス、アマ、麻、オイル・パンプキン、ケシ、トウモロコシ、油やしおよびピーナッツがある。
【0101】
油料作物は好ましくは、より厳密な意味で種子油料作物の中から選択される。
【0102】
種子油料作物は好ましくは、アブラナ、セイヨウアブラナ、カラシナ、オイル・ラディッシュ、アマナズナ、キバナスズシロ、ハマナ、ヒマワリ、ベニバナ、アザミ、キンセンカ、大豆、ルピナス、アマ、麻、オイル・パンプキン、ケシおよびトウモロコシの中から選択される。
【0103】
油料作物/種子油料作物は特別に好ましくは、アブラナ、セイヨウアブラナ、ヒマワリ、大豆、アマおよびトウモロコシの中から、より好ましくはアブラナ、セイヨウアブラナおよびヒマワリの中から、さらに好ましくはアブラナおよびセイヨウアブラナの中から選択され、特にはアブラナである。
【0104】
食品および飼料部門での利用に特に好ましいものは、0アブラナ (0 oilseed rape)、特には、00アブラナ(00 oilseed rape)である。他の種類のアブラナ、例えばエルカ酸およびグルコシノレートを含む品種は、他の用途にも好適である。
【0105】
本発明に従って用いられる殺菌剤は、アリール-および複素環アミド類(以下において、アミド殺菌剤とも称される)、カーバメート類、ジカルボキシイミド類、アゾール類、ストロビルリンおよびモルホリンの中から選択される。本発明の1実施形態において、使用される殺菌剤は、アリール-および複素環アミド類、カーバメート類、ジカルボキシイミド類、アゾール類およびストロビルリンの中から選択される。好ましくは、本発明に従って使用される殺菌剤は、アリール-および複素環アミド類、ストロビルリン類およびアゾール類の中から選択される。特別に好ましくは、本発明に従って使用される殺菌剤は、アリール-および複素環アミド類およびアゾール類の中から選択される。具体的には、少なくとも一つのアリール-または複素環アミドを、少なくとも一つのアゾールと併用する。
【0106】
アリール-および複素環アミド類(アミド系殺菌剤)は、置換されていても良いアニリンまたは置換されていても良いヘタリールアミンからアミン部分が誘導され、カルボニル基に置換されていても良いアリールまたは複素環基が結合しているカルボキサミド基を含む殺菌剤を意味するものと理解される。
【0107】
カルボキサミド系殺菌剤とも称されるか、具体的にはアミン部分がアニリンから誘導される場合にはアニリド系殺菌剤とも称されるアミド系殺菌剤ならびにそれの製造方法は当業者には原則として公知であり、文献(例えば、Farm Chemicals Handbook, Meister Publishing Companyまたはthe Compendium of Pesticide Common Names, http ://www .hclrss.demon.co.uk/;参照によって全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0108】
好ましいアミド殺菌剤は、下記式Iのものである。
【化1】

【0109】
式中、
Aは、アリール基、あるいは、O、S、NおよびNRの中から選択される1から3個のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基を環員として含む芳香族もしくは非芳香族5員もしくは6員複素環であり、Rは水素またはC−C−アルキルであり、前記アリール基または前記複素環は互いに独立にハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニルおよびC−C−アルキルスルホニルの中から選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良く;
Mは、チエニル環またはフェニル環であり、前記チエニルおよび前記フェニル環に1、2もしくは3個のハロゲン原子が結合していても良く、前記フェニル環は、1、2もしくは3個のC−C−アルキル基によって置換されていても良く、および/または環員として、OおよびSの中から選択されるヘテロ原子を含んでいても良い飽和5員環に縮合していても良く;
Qは、結合、C−C−アルキレン、C−C−アルケニレン、C−C−アルキニレン、C−C−シクロアルキレン、C−C−シクロアルケニレン、−O−C−C−アルキレン、−O−C−C−アルケニレン、-O−C−C−アルキニレン、−O−C−C−シクロアルキレン、−O−C−C−シクロアルケニレン、−S−C−C−アルキレン、−S−C−C−アルケニレン、−S−C−C−アルキニレン、−S−C−C−シクロアルキレン、−S−C−C−シクロアルケニレン、−SO−C−C−アルキレン、−SO−C−C−アルケニレン、−SO−C−C−アルキニレン、−SO−C−C−シクロアルキレン、−SO−C−C−シクロアルケニレン、−SO−C−C−アルキレン、−SO−C−C−アルケニレン、−SO−C−C−アルキニレン、−SO−C−C−シクロアルキレン、−SO−C−C−シクロアルケニレン、O、S、SOまたはSOであり;
Qにおける前記脂肪族および脂環式基は、部分的または完全にハロゲン化されていても良く、および/または前記脂環式基は、1、2もしくは3個のC−C−アルキル基によって置換されていても良く;
は、水素、ハロゲン、C−C−シクロアルキルまたはフェニルであり、前記シクロアルキル基にはメチルが結合していても良く、フェニルは1から5個のハロゲン原子および/または互いに独立にC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオおよびC−C−ハロアルキルチオの中から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されていても良い。
【0110】
式Iのアミドおよびそれの製造方法自体は公知であり、例えばEP−A−545099、EP−A−589301、EP−A737682、EP−A824099、WO97/08952、WO99/09013、WO03/010149、WO03/070705、WO03/074491、WO2004/005242およびWO2004/067515ならびにそれらに引用されている文献(参照によって全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0111】
カルボキサミド基および基Qは好ましくは、基Mの隣接する炭素原子に結合している。
【0112】
好ましい実施形態において、Qは単結合であり、Rは水素である。
【0113】
別の好ましい実施形態において、Qは単結合であり、Rは1、2もしくは3個の水素原子によって置換されているフェニルである。
【0114】
別の好ましい実施形態において、QはC−C−アルキレンであり、Rは水素である。
【0115】
別の好ましい実施形態において、QおよびRが一体となって、−O−C−C−ハロアルキルまたは−S−C−C−ハロアルキルを形成している。
【0116】
別の好ましい実施形態において、Qはシクロプロピレンであり、Rはメチル基が結合していても良いシクロプロピルである。好ましくは、前記2個の環はトランス位置で置換されている。
【0117】
Aは、好ましくは下記に示した式(A1)から(A8)の中から選択される基であり、特に好ましくは下記に記載の式(A1)、(A2)、(A5)および(A7)の基の中から選択される基である。
【0118】
好ましい実施形態において、Mはチエニルである。
【0119】
別の好ましい実施形態において、Mはフェニルである。この場合、Mには好ましくは、唯一の置換基としての基Q−Rが結合している。あるいは好ましくは、Mには基Q−R以外に、ハロゲン原子(フッ素が好ましい)が結合している。好ましくはそのハロゲン原子は、カルボキサミド基に関してパラ位で結合している。
【0120】
式Iのアミドは、特別に好ましくは下記式I.1のアニリドの中から選択される。
【化2】

【0121】
式中、
Aは式A1からA8の基であり、
【化3】

【0122】
Xは、CH、S、SOまたはSOであり;
は、CH、CHF、CF、Cl、BrまたはIであり;
は、CFまたはClであり;
は、水素またはCHであり;
は、CH、CHF、CFまたはCl;
は、水素、CHまたはClであり;
は、CH、CHFまたはCFであり;
は、水素、CH、CHF、CFまたはClであり;
10は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオまたはハロゲンである。
【0123】
基Aは、好ましくはRがハロゲンである基A2である。好ましくは、R10は同時にハロゲンである。
【0124】
特に、式Iのアミド系殺菌剤は、下記式I.1.1およびI.1.2のアニリドの中から選択される。
【化4】

【0125】
これらの中で、アニリドI.1.1が特に好ましい。この化合物は、それの一般名ボスカリドでも知られており、市販されている。
【0126】
別の好ましいものは、Aが式(A1)から(A8)の基であり、Mがフェニルまたはチエニルであり、QがC−C−アルキレンであり、Rが水素であるアミドIである。
【0127】
別の好ましいものは、Aが式(A1)から(A8)の基であり、Mがフェニルであり、Qがシクロプロピレンであり、Rがメチル基が結合していても良いシクロプロピルであるアミドIである。好ましくは、両方の環がトランス位置で置換されている。
【0128】
アニリド(I.1)、特に(I.1.1)および(I.1.2)に関して、特別に好ましい化合物は、
2−ヨード−N−フェニルベンズアミド、2−クロロ−N−(4′−クロロビフェニル−2−イル)ニコチンアミド、
N−[2−(1,3−ジメチルブチル)チオフェン−3−イル]−3−トリフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2−ビシクロプロピル−2−イルフェニル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−1,3−ジメチル−5−フルオロピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−フルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−(クロロフルオロメチル)−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−5−フルオロ−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−5−クロロ−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−(クロロジフルオロメチル)−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−5−フルオロ−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−5−クロロ−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−1,3−ジメチル−5−フルオロピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−フルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−(クロロフルオロメチル)−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−5−フルオロ−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−5−クロロ−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−(クロロジフルオロメチル)−1−メチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−5−フルオロ−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(2′,4′,5′−トリフルオロビフェニル−2−イル)−5−クロロ−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−4−イルカルボキサミド、
N−(3′,4′−ジクロロ−3−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジクロロ−3−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジフルオロ−3−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジフルオロ−3−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′−クロロ−4′−フルオロ−3−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジクロロ−4−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジフルオロ−4−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジクロロ−4−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジフルオロ−4−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′−クロロ−4′−フルオロ−4−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジフルオロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジフルオロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′,4′−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3′−クロロ−4′−フルオロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4′−フルオロ−4−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4′−フルオロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4′−クロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4′−メチル−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4′−フルオロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4′−クロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4′−メチル−5−フルオロビフェニル−2−イル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4′−フルオロ−6−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4′−クロロ−6−フルオロビフェニル−2−イル)−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−[2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)−フェニル]−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4-カルボキサミド、
N−[4′−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニル−2−イル]−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4-カルボキサミドおよび
N−[4′−(トリフルオロメチルチオ)ビフェニル−2−イル]−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの中から選択される。
【0129】
カーバメート系殺菌剤は、カーバメート基(NRR′−CO−OR′′)を含む殺菌活性化合物である。
【0130】
カーバメート系殺菌剤およびそれの製造については、原則として当業者には公知であり、文献(例えば、Farm Chemicals Handbook, Meister Publishing Companyまたはthe Compendium of Pesticide Common Names, http ://www .hclrss.demon.co.uk/;参照によって全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0131】
好ましいカーバメート殺菌剤は、ベンチアバリカルブ、フロファネート、イプロバリカルブ、プロパモカルブ、チオファネート、チオファネート−メチル、チオファネート−エチル、ベノミル、カルベンダジム、シペンダゾール(cypendazol)、デバカルブおよびメカルビンジドの一般名で知られているものである。これらの中で、カルベンダジム、チオファネート、チオファネート−メチルおよびチオファネート−エチルが特に好ましい。特に、チオファネート−メチルが使用される。
【0132】
ジカルボキシイミド系殺菌剤は、ジカルボン酸のイミド基を含む殺菌剤活性化合物である。従って、これらの化合物は、−CO−NR−CO−基を有する環状構造を含む。
【0133】
ジカルボキシイミド殺菌剤およびそれらの製造方法は、原則として、当業者には公知であり、文献(例えば、Farm Chemicals Handbook, Meister Publishing Companyまたはthe Compendium of Pesticide Common Names, http: //www .hclrss.demon.co.uk/;参照によって全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0134】
好ましいジカルボキシイミド類は、下記式IIのものである。
【化5】

【0135】
式中、
Aは、−CR1213−CR1415−、−CR1213−O−、−CR1213−NR16−または−CR12=CR14−であり;
11は、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルチオ−C−C−アルキル、フェニルチオ、フェニルチオ−C−C−アルキル、フェニル、フェニルアミノであり、最後に言及した4個の基におけるフェニルが部分的もしくは完全にハロゲン化され、および/またはそれにハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニルおよびフェノキシの中から選択される1から3個の置換基が結合していることが可能であり、またはR11はジ(C-C−アルキル)ホスホネートまたはジ(C−C−アルキル)チオホスホネートであり;
12、R13、R14およびR15は互いに独立に、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、カルボキシル(=COOH)、C−C−アルキルオキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、フェニル(部分的もしくは完全にハロゲン化されていることができ、および/またはハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニル、フェノキシ、ベンジルおよびベンジルオキシの中から選択される1から3個の置換基が結合していても良い)であり、
12およびR14がそれらが結合している炭素原子とともに、置換されていないかハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニル、フェノキシ、ベンジルまたはベンズオキシの中から選択される1から3個の置換基によって置換されていることができる3から6員の飽和または不飽和芳香族または非芳香族環を形成していても良く;
16は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルオキシカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルまたはジ(C−C−アルキル)アミノカルボニルである。
【0136】
好ましいジカルボキシイミド系殺菌剤は、ファモキサドン、フルオルイミド、クロゾリネート、ジクロゾリン、イプロジオン、イソバレジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン、カプタホール、キャプタン、ジタリムホス、ホルペットおよびチオクロルフェンフィムの一般名で知られるものである。特に好ましいものは、イプロジオン、ビンクロゾリンおよびプロシミドンである。特に、イプロジオンが用いられる。
【0137】
コナゾール系殺菌剤とも称されるアゾール系殺菌剤は、芳香族5員窒素複素環、特にはイミダゾール環(「イミダゾール系コナゾール」)またはトリアゾール環(「トリアゾール系コナゾール」)を有する殺菌剤活性化合物である。
【0138】
アゾール系殺菌剤およびそれの製造方法は、原則として、当業者には公知であり、文献(例えば、Farm Chemicals Handbook, Meister Publishing Companyまたはthe Compendium of Pesticide Common Names, http:// www .hclrss.demon.co.uk/;参照によって全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0139】
好ましいアゾール殺菌剤は、ビテルタノール、ブロモコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニトロコナゾール(dinitroconazole)、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキコナゾール(fluquiconazole)、フルシラゾール、ヘキサコナゾール、イマザリル、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾールおよびトリチコナゾールの一般名で知られているものである。特に好ましいものは、ジフェノコナゾール、フルシラゾール、メトコナゾール、パクロブトラゾール、プロチオコナゾールおよびテブコナゾールである。より好ましいものは、フルシラゾール、メトコナゾール、プロチオコナゾールおよびテブコナゾールである。さらに好ましいものは、メトコナゾール、プロチオコナゾールおよびテブコナゾールである。特に、メトコナゾールが用いられる。
【0140】
ストロビルリン系殺菌剤は、ストロビルルス(Strobilurus)属の真菌が産生する防衛物質である天然ストロビルリン類由来の殺菌剤活性化合物である。それらの構造に関しては、それは、1)エノールエーテル類、オキシムエーテル類およびO−アルキルヒドロキシルアミン類(群I)の中から選択される少なくとも一つの官能基および2)少なくとも一つのカルボキシル誘導体(群II)を含む。好ましいカルボキシル誘導体は、エステル、環状エステル、アミド、環状アミド、ヒドロキサム酸および環状ヒドロキサム酸という官能基である。好ましくは、群Iの基および群IIの基は、互いに直接隣接しており、すなわち単結合を介して連結されている。
【0141】
ストロビルリン系殺菌剤は、原則として、当業者には公知であり、文献(例えば、Farm Chemicals Handbook, Meister Publishing Companyまたはthe Compendium of Pesticide Common Names, http:// www .hclrss.demon.co.uk/;参照によって全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0142】
好ましいストロビルリン類は、下記式IIIAまたはIIIBのものである。
【化6】

【0143】
式中、
...は、二重結合または単結合であり;
は、−C[COCH]=CHOCH、−C[COCH]=NOCH、−C[CONHCH]=NOCH、-C[COCH]=CHCH、−C[COCH]=CHCHCH、−C[COCH]=NOCH、-C[COCHCH]=NOCH、−N(OCH)−COCH、−N(CH)−COCHまたは−N(CHCH)-COCHであり;
は、直接または酸素原子、硫黄原子、アミノ基もしくはC−C−アルキルアミノ基を介して結合している有機基であり;または
それらが結合している基Xおよび環QもしくはTとともに、炭素環員に加えて、独立に酸素、硫黄および窒素の中から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有していても良い置換されていても良い二環式の部分もしくは完全不飽和系を形成しており;
は、−OC[COCH]=CHOCH、−OC[COCH]=CHCH、−OC[COCH]=CHCHCH、−SC[COCH]=CHOCH、−SC[COCH]=CHCH、−SC[COCH]=CHCHCH、−N(CH)C[COCH]=CHOCH、−N(CH)C[COCH]=NOCH、−CHC[COCH]=CHOCH、−CHC[COCH]=NOCHまたは−CHC[CONHCH]=NOCHであり;
は、酸素、硫黄、=CH−または=N−であり;
nは、0、1、2または3であり;n>1の場合、基Xは同一であるか異なっていることができ;
Xは、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシまたはC−C−アルキルチオであり、または
n>1の場合、前記フェニル環の2個の隣接するC原子に結合しているC−C−アルキレン、C−C−アルケニレン、オキシ−C−C−アルキレン、オキシ−C−C−アルキレンオキシ、オキシ−C−C−アルケニレン、オキシ−C−C−アルケニレンオキシまたはブタジエンジイル基であり;そしてこれらの鎖に、互いに独立にハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびC−C−アルキルチオの中から選択される1から3個の基が結合していることが可能であり;
Yは、=C−または−N−であり;
Qは、フェニル、ピロリル、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、2−ピリドニル、ピリミジニルまたはトリアジニルであり;
Tは、フェニル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルまたはトリアジニルである。
【0144】
特に、置換基Rは、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、アリール、ヘタリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリール−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルケニル、ヘタリール−C−C−アルケニル、アリール−C−C−アルキニルまたはヘタリール−C−C−アルキニル基であり、それはO、S、SO、SO、NR(R=HまたはC−C−アルキル)、CO、COO、OCO、CONH、NHCOおよびNHCONHまたは下記で定義の式CHON=CRαCRβもしくはCHON=CRγCRδ=NORεの基の中から選択される1以上の基によって中断されていても良い。これらの基は、互いに独立にC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、C−C−ハロアルキル(特にCFおよびCHF)、ヘタリールおよびアリールの中から選択される1以上の(好ましくは1、2または3個)置換基を有していても良い。ヘタリールおよびアリールは次に、互いに独立にハロゲン、C−C−ハロアルキル(特にCFおよびCHF)、フェニル、CN、フェノキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−ハロアルコキシの中から選択される1、2または3個の置換基を有することができる。
【0145】
そのような化合物は公知であり、例えばWO97/10716およびそこに引用の文献(これらは参照によって全体が組み込まれる)に記載されている。
【0146】
好ましいストロビルリン類は、Rがアリールオキシ、ヘタリールオキシ、アリールオキシメチレン、ヘタリールオキシメチレン、アリールエテニレンまたはヘタリールエテニレンである式IIIAまたはIIIBのものであり、これらの基は互いに独立にC−C−アルキル、ハロゲン、CF、CHF、CN、C−C−アルコキシおよびフェニル(互いに独立にハロゲン、CF、CHF、フェニル、CN、フェノキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−ハロアルコキシの中から選択される1、2もしくは3個の置換基を有していることができる)の中から選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良く;
あるいはRはCHON=CRαβまたはCHON=CRγCRδ=NORεであり、
αは、C−C−アルキルであり;
βは、互いに独立にC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロゲン、C−C−ハロアルコキシ、CFおよびCHFの中から選択される1、2または3個の置換基を有していても良いフェニル、ピリジルまたはピリミジルであり;
γは、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロゲン、C−C−ハロアルキルまたは水素であり;
δは、水素、シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルケニルチオ、C−C−アルケニルアミノ、N−C−C−アルケニル−N−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキニル、C−C−アルキニルオキシ、C−C−アルキニルチオ、C−C−アルキニルアミノ、N−C−C−アルキニル−N−C−C−アルキルアミノであり、これらの基の炭化水素基は部分的もしくは完全にハロゲン化されていることができ、および/またはそれに互いに独立にシアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルオキシ、複素環、複素環オキシ、アリール、アリールオキシ、アリール−C−C−アルコキシ、ヘタリール、ヘタリールオキシおよびヘタリール−C−C−アルコキシの中から選択される1、2または3個の基が結合していることができ、前記環状基が部分的もしくは完全にハロゲン化されていることができ、および/またはそれに互いに独立にシアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニルおよびC−C−アルケニルオキシの中から選択される1、2もしくは3個の基が結合していることができ;
あるいは
−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−シクロアルキルチオ、C−C−シクロアルキルアミノ、N−C−C−シクロアルキル−N−C−C−アルキルアミノ、複素環、複素環オキシ、複素環チオ、複素環アミノ、N−複素環−N−C−C−アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリールアミノ、N−アリール−N−C−C−アルキルアミノ、ヘタリール、ヘタリールオキシ、ヘタリールチオ、ヘタリールアミノまたはN−ヘタリール−N−C−C−アルキルアミノであり、前記環状基が部分的もしくは完全にハロゲン化されていることができ、および/またはそれに互いに独立にシアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−アルケニルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘタリールおよびヘタリールオキシの中から選択される1、2もしくは3個の基が結合していることができ、そして前記芳香族基が部分的もしくは完全にハロゲン化されていることができ、および/またはそれにシアノ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、ニトロの基のうちの1、2または3個が結合していることができ;
εは、C−C−アルキル、C−C−アルケニルまたはC−C−アルキニルであり、これらの基は部分的もしくは完全にハロゲン化されていることができ、および/またはそれにシアノ、C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキルの基のうちの1、2もしくは3個が結合していることができる。
【0147】
式IIIAまたはIIIBの特に好ましい化合物は、Rが下記の意味のうちの一つを有するものである。
【0148】
a)フェニルオキシメチレン、ピリジニルオキシメチレン、ピリミジニルオキシメチレンまたはピラゾリルオキシメチレン(芳香族基は、互いに独立にC−C−アルキル、ハロゲン、CF、CHF、−C(CH)=NOCHおよび1、2もしくは3個のハロゲン原子および/またはC−C−アルキル基によって置換されていても良いフェニルの中から選択される1、2または3個の置換基を有していても良い);
b)1、2もしくは3個のハロゲン原子によって、またはハロゲンまたはシアノ置換基を有していても良いフェノキシ基によって置換されていても良いフェノキシまたはピリミジニルオキシ;
c)フェニルエテニレンまたはピラゾリルエテニレン(そのフェニルまたはピラゾリル基は、互いに独立にハロゲン、CF、CHFおよびフェニルの中から選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良い);
d)CHON=CRαβ
[Rαは、C−C−アルキルであり;
βは、互いに独立にC−C−アルキル、ハロゲン、CFおよびCHFの中から選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良いフェニルまたは1もしくは2個のC−C−アルコキシ基によって置換されていても良いピリミジニルである。];
e)CHON=CRγCRδ=NORε
[Rγは、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはハロゲンであり;
δは、C−C−アルキル、シアノ、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルまたは1、2もしくは3個のハロゲン原子によって置換されていても良いフェニルであり;
εはC−C−アルキルである。]。
【0149】
式IIIAの特に好ましい化合物は、Qがフェニルであり、nが0であるものである。
【0150】
特に好ましいストロビルリン類は、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン(methaminostrobin)、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビンおよびトリフロキシストロビンの一般名で知られているものである。より好ましいものは、ピラクロストロビン、アゾキシストロビンおよびジモキシストロビンである。さらにより好ましいものは、アゾキシストロビンおよびジモキシストロビン、特にはジモキシストロビンである。
【0151】
モルホリン系殺菌剤は、下記のモルホリン基を有する殺菌剤活性化合物である。
【化7】

【0152】
モルホリン系殺菌剤およびそれの製造方法は、原則として、当業者には公知であり、文献(例えば、Farm Chemicals Handbook, Meister Publishing Companyまたはthe Compendium of Pesticide Common Names, http:// www .hclrss.demon.co.uk/;参照によって全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0153】
好ましいモルホリン系殺菌剤は、アルジモルフ、ベンザモルフ、カルバモルフ、ジメトモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フルモルフおよびトリデモルフの一般名で公知のものである。これらの中では、ジメトモルフが特に好ましい。
【0154】
成長調節剤は、好ましくは、
(a)下記式(IV)のアシルシクロヘキサンジオン類:
【化8】

【0155】
[式中、
は、HまたはC−C10−アルキルであり;
は、C−C10−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルである。]またはそれの塩;
(b)下記式(V)の4級アンモニウム化合物:
【化9】

【0156】
[式中、
およびRは互いに独立に、少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されていても良いC−C10−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルであり;または
およびRが一体となって、架橋単位−(CH−、−(CH−O−(CH−または−(CH)−CH=CH−(CH)−NH−を形成しており;
nは4または5であり;
は、ハライドイオン、硫酸イオン、C−C10−アルキルスルホン酸イオン、ホウ酸イオン、炭酸イオンおよびそれらの混合物の中から選択される対アニオンである];および
(c)エセフォン(2−クロロエチルホスホン酸)
の中から選択される。
【0157】
硫酸イオンは、純粋な硫酸アニオンSO2−だけでなく、C−C10−アルキル硫酸イオンRO−S(O)−O(RはC−C10−アルキルである)、例えばメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンなどでもある。好ましくはそれは、純粋な硫酸アニオンSO2−である。
【0158】
−C10−アルキルスルホン酸イオンは、式R−S(O)−O、(Rは、C−C10−アルキルである)のアニオンであり、例えばメチルスルホン酸イオン、エチルスルホン酸イオンなどがある。
【0159】
ホウ酸アニオンは、好ましくは下記式VIのものである。
【化10】

【0160】
式中、
Mは、農業的に許容される金属のカチオン、プロトンまたはアンモニウムであり;
Aは、少なくとも1個のホウ素原子またはカチオンMと会合しているキレート形成基または錯形成基であり;
xは、0から10の数字であり;
yは、1から48の数字であり;
zは、1から48の数字であり;
vは、0から24の数字であり;
mは、1から6の数字であり;
wは、0から24の数字である。
【0161】
Mは好ましくは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、マンガンおよび銅、プロトンまたはアンモニウムの中から選択される金属のカチオンである。
【0162】
Aは、好ましくはヒドロキシカルボン酸、カルボン酸、アルコール類、グリコール類、アミノアルコール類、糖類などの中から選択される。
【0163】
好適なヒドロキシカルボン酸の例には、グリコール酸、乳酸、マンデル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、他のフルーツ酸ならびにリシノール酸などのヒドロキシ脂肪酸がある。
【0164】
好適なカルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸および他の脂肪酸などのモノカルボン酸類、ならびにシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸類などである。
【0165】
好適なアルコールの例は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、ペンチルアルコール類(ペンタノールおよびアミルアルコールなど)、ヘキシルアルコール類(ヘキサノールなど)、ヘプチルアルコール類(ヘプタノールなど)およびオクチルアルコール類(オクタノールおよび2−エチルヘキサノールなど)のようなC−C−アルコールである。
【0166】
好適なグリコール類の例は、グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのC−C10−ジオール類である。
【0167】
好適なアミノアルコール類の例には、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどがある。
【0168】
好適な糖の例は、果糖、グルコース、マンノースなどの五炭糖類および六炭糖類、ならびにショ糖などの二糖類である。
【0169】
xは、特にMが上記の好ましい意味のうちのいずれも持たない場合、好ましくは0である。
【0170】
yは好ましくは、2から20、特に好ましくは2から10、より好ましくは3から10、さらに好ましくは3から7、特には3から5の数字である。具体的には、yは5を表す。
【0171】
zは好ましくは、6から10、特に好ましくは6から8、特には8の数字である。
【0172】
vは好ましくは0である。
【0173】
wは好ましくは、2から10、特に好ましくは2から8、特には2または3の数字である。
【0174】
mは好ましくは、1または2であり、特には1である。
【0175】
好ましいものは、xがゼロであり;またはMがナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、マンガンおよび銅の中から選択される金属のカチオン、プロトンまたはアンモニウムであり;および/またはyが2から20、好ましくは2から10、特に好ましくは3から10、より好ましくは3から7、特には3から5の数字であり;および/またはzが6から10、特には6から8の数字であり;および/またはvがゼロであり;および/またはmが1または2であり;および/またはwが0から24の数字である式(VI)のホウ酸イオンである。
【0176】
特別に好ましいものは、yが3から7、特には3から5の数字であり;zが6から10、特には6から8の数字であり;vがゼロであり;wが2から10、特には2から8の数字である式(VI)のホウ酸イオンである。
【0177】
非常に好ましいものは、y=5;z=8;v=0;m=1;w=2から3(ペンタボレート)である式(VI)のホウ酸イオンである。
【0178】
必要である場合、ホウ酸イオンにおける電荷は、カチオンMによって釣り合っている。
【0179】
ホウ酸イオンは、例えば遊離型もしくは配位型での結晶水として、またはホウ素結合ヒドロキシル基の形態での結合水として水構成成分を含むことができる。
【0180】
好適かつ好ましいホウ酸イオンおよびそれの製造方法は、それ自体公知であり、例えばWO02/083732およびそれに引用の文献に記載されており、それらは参照によって全体が本明細書に組み込まれる。他の好適なホウ酸イオンは、例えばWO99/09832(参照によって全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0181】
式(IV)および(V)の化合物は公知である(例えば、EP−A−123001、EP−A−126713、W. Rademacher, ″Growth Retardants: Effects on Gibberellin Biosynthesis and Other Metabolic Pathways″, Annu. Rev. Plant. Mol. Biol. 2000, 51, 501-531参照)。
【0182】
式(IV)の化合物は、トリオン型(トリケト型)IV.aおよびそれぞれケト−エノール型IV.bおよびIV.cの両方で存在し得る。
【化11】

【0183】
式IVの化合物において、Rは好ましくはHまたはC−C−アルキルである。
【0184】
は好ましくはC−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルであり、特にはエチルまたはシクロプロピルである。
【0185】
がH以外であるアシルシクロヘキサンジオン化合物IVの塩はモノアニオンの塩であるが、R=Hの場合には、それらはこれら化合物のモノアニオンおよびジアニオンの形態を取ることができる。モノアニオンは、カルボン酸アニオンIV.dおよびそれぞれエノレートアニオンIV.eおよびIV.fの両方として存在し得る。
【化12】

【0186】
カルボキシレートおよびエノレート基は、同様に互いに同時にジアニオンで存在する。
【0187】
式IVの化合物の塩における好ましいカチオンは、アルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウムおよびカリウム、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウムおよびマグネシウム、そして遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛および鉄のイオン、さらにはアンモニウム(NH)および置換アンモニウム(1から4個の水素原子がC−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、フェニルまたはベンジルによって置き代わっている)、好ましくはアンモニウム、メチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、2−(2−ヒドロキシエト−1−オキシ)エト−1−イルアンモニウム、ジ(2−ヒドロキシエト−1−イル)アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、さらにはホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリメチルスルホニウムなどのトリ(C−C−アルキル)スルホニウム、およびスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C−C−アルキル)スルホキソニウムである。好ましいカチオンはさらには、クロルメコート[(2−クロロエチル)トリメチルアンモニウム]、メピコート(N,N−ジメチルピペリジニウム)およびN,N−ジメチルモルホリニウムである。特に好ましいカチオンは、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンおよびアンモニウムカチオン(NH)である。特に、それはカルシウム塩である。
【0188】
本発明の文脈において、「式IVの化合物」、「式IVのアシルシクロヘキサンジオン」または「式IVの成長調節剤」という用語は、中性の化合物IVおよびそれの塩の両方を指す。
【0189】
本発明に従って特に好ましく用いられる化合物IVは、プロヘキサジオン(R=H、R=エチル)、プロヘキサジオンカルシウム(プロヘキサジオンのカルシウム塩)、トリネキサパックエチル(R=H、R=シクロプロピル)およびトリネキサパックエチル−エチル(R=エチル、R=シクロプロピル)である。
【0190】
式(V)の化合物において、基RまたはRのうちの一方が好ましくはC−C10−アルキルであり、他方の基がハロゲン原子、好ましくは塩素原子によって置換されているC−C10−アルキルである。Rは特に好ましくはメチルであり、Rは特に好ましくは2−クロロエチルである。
【0191】
別の好ましい実施形態では、RおよびRが一体となって、架橋単位−(CH−を形成している。
【0192】
本発明の好ましい実施形態において、化合物VでのアニオンZは、ハライドイオン、硫酸イオンおよび炭酸イオンの中から選択される。
【0193】
本発明別の好ましい実施形態では、化合物VにおけるアニオンZは、ハライドイオン、特には塩素イオン、ホウ酸イオン、特にはペンタボレート、およびこれらの混合物の中から選択される。
【0194】
特に好ましくは、Zはハライドアニオン、特には塩素イオンである。
【0195】
特に、式(V)の4級アンモニウム化合物は、クロルメコートの塩(2−クロロエチルトリメチルアンモニウムの塩)、特にクロルメコート−クロライド(2−クロロエチルトリメチルアンモニウムクロライド)、またはメピコートの塩(1,1-ジメチルピペリジニウムの塩)、特にメピコート−クロライド(1,1−ジメチルピペリジニウムクロライド)である。
【0196】
さらに、上記成長調節剤(IV)、(V)および/またはエセフォンの混合物も用いることができる。
【0197】
具体的には、使用される成長調節剤は化合物(V)である。
【0198】
本発明によれば、同じ種類または異なる種類の殺菌剤から選択される2以上の上記殺菌剤を用いることも可能である。併用使用(本発明の文脈では2以上の殺菌剤の組み合わせとも称する)は、異なる殺菌剤の混合物の使用およびそれらの別個の使用の両方を含むものであり、この場合、同時にまたは順次に、すなわち例えば数秒から数ヶ月の期間で殺菌剤を用いることが可能である。
【0199】
本発明に従って使用される殺菌剤は、好ましくはアリール-および/または複素環アミド類、ストロビルリン類およびアゾール類の中から選択される。これらの種類の殺菌剤の好適なおよび好ましい代表例に関しては、上記で言及したものが挙げられる。これらの種類の殺菌剤の少なくとも二つの代表的なものの併用も好ましい。具体的には、少なくとも一つのアリール-または複素環アミドを、少なくとも一つのアゾールと併用する。
【0200】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも一つのアリール-および/または複素環アミドを殺菌剤として用いる。好適なおよび好ましいアミドに関しては、上記で言及したものが挙げられる。特に、使用されるアミド殺菌剤はボスカリドである。
【0201】
本発明の別の好ましい実施形態において、少なくとも一つのアゾールを殺菌剤として用いる。好適なおよび好ましいアゾールに関しては、上記で言及したものが挙げられる。メトコナゾール、プロチオコナゾールまたはテブコナゾールまたはそれらの殺菌剤としての組み合わせアゾールを用いることが好ましい。特に、使用されるアゾール系殺菌剤はメトコナゾールである。
【0202】
本発明の別の好ましい実施形態では、少なくとも一つのストロビルリンを殺菌剤として用いる。好適なおよび好ましいストロビルリン類に関しては、上記で言及したものが挙げられる。アゾキシストロビンまたはジモキシストロビンまたはそれらのストロビルリン殺菌剤としての組み合わせを用いることが好ましい。特に、使用されるストロビルリン系殺菌剤は、ジモキシストロビンである。
【0203】
本発明の別の好ましい実施形態では、少なくとも一つのアリール-または複素環アミド殺菌剤を、少なくとも一つのアゾール系殺菌剤と併用する。この場合に、好ましいアミド殺菌剤はボスカリドである。好ましいアゾール系殺菌剤はメトコナゾールである。
【0204】
本発明の別の好ましい実施形態では、少なくとも一つのアリール-または複素環アミド殺菌剤を、少なくとも一つのストロビルリン系殺菌剤と併用する。ここでは好ましいアミド殺菌剤はボスカリドである。好ましいストロビルリン系殺菌剤はジモキシストロビンである。
【0205】
特に好ましくは、少なくとも一つのアリール-または複素環アミドを殺菌剤として、少なくとも一つのアゾール系殺菌剤、特別にはメトコナゾールと併用しても良く、または少なくとも一つのストロビルリン系殺菌剤、特別にはジモキシストロビンと併用しても良く、特別にはボスカリドを用い、または特に好ましくは少なくとも一つのアゾール系殺菌剤を用い、特別にはメトコナゾールを用いる。特に少なくとも一つのアリール-または複素環アミドを殺菌剤として、少なくとも一つのアゾール殺菌剤、特別にはメトコナゾールと併用し、特別にはボスカリドを用いる。
【0206】
少なくとも一つの殺菌剤を少なくとも一つの成長調節剤と併用する場合、殺菌剤の成長調節剤に対する重量比は、好ましくは15:1000から1000:15、特に好ましくは3:50から25:7、特には6:50から15:7である。
【0207】
本発明による使用は、油料作物もしくはそれの植物部分または油料作物の種子をこれらの化合物で処理するような形で実施される。油料作物またはその種子の処理は好ましくは、油料作物もしくはそれの植物部分または種子が、本発明に従って用いられる殺菌剤のうちの少なくとも一つおよび少なくとも一つの成長調節剤と接触するような形で行う。このためには、少なくとも一つの殺菌剤を、植物もしくはそれの植物部分または種子に施用する。本発明に従って使用される複数の殺菌剤を併用する場合、それらは混合物として、または別個に施用することができる。別個の施用の場合、個々の活性物質の施用は、同時にまたは一連の処理の文脈の範囲内で分けて行うことができ、順次施用の場合、それらは数秒もしくは数分から数週間または数ヶ月(例えば10ヶ月以内)の期間で施用することができる。例えば数秒もしくは数分から数週間または数ヶ月(例えば10ヶ月以内)の個々の施用間の期間で、単一の活性物質を繰り返し施用することも可能である。同じことが、少なくとも一つの成長調節剤による適宜の処理にも同様に適用され、すなわち少なくとも一つの殺菌剤および少なくとも一つの成長調節剤を混合物としてもしくは別個に施用することができ、後者の場合は同時または順次で施用する。活性物質の順次施用の場合、後者は植物の異なる発達段階で施用することも可能である。従って、例えば、一つの活性物質を植物が生長する種子に施用することができ、別の活性物質または同一の活性物質を発芽後の発達段階でその植物またはそれの植物部分に施用する。
【0208】
当然のことながら、処理される油料作物またはそれの部分は、生きた植物または生きた植物の植物部分である。
【0209】
施用のタイミング、施用回数および各場合で施用される施用量は、一般的な条件に適合させるべきであり、各個々の場合について当業者が決定しなければならない。各場合で使用される活性物質は別として、特には無傷の植物を圃場条件下で処理すべきか否か、または種子を処理すべきか否かに関して、区別を行うべきである。
【0210】
植物または植物部分を処理する場合、その処理は好ましくは、成長段階1から6、特に好ましくは2から6、より好ましくは3から6、特には3から5中に行う(BBCH Makrostadien; Biologische Bundesanstalt fur Land- und Forstwirtschaft[BBCH Macrostages; German Federal Biological Research Center for Agriculture and Forestry]による;www .bba.de/veroeff/bbch/bbch.htm参照)。
【0211】
少なくとも一つのアゾール系殺菌剤、特別にはメトコナゾールと併用される少なくとも一つのアリール-または複素環アミド、特別にはボスカリドである本発明に従って使用される最も好ましい殺菌剤の場合、植物またはそれの植物部分を、開花前に、好ましくは秋および/または春に、特別に好ましくは秋と春に1回以上、少なくとも一つのアゾールで処理し、開花中に少なくとも一つのアリール-または複素環アミドで処理することが好ましい。
【0212】
秋および春は、地球の半球ならびに個々の植物帯および植物によって決まる相対的概念であり、本発明に関して、後者はこれら季節中の中央ヨーロッパでのものになると考えられる植物の発育相を指す。概して、秋は油料作物が成長段階01から39にある季節であり、開花前の春は、油料作物が成長段階07から49にある季節である(拡大BBCHスケールによる;Biologische Bundesanstalt fur Land- und Forstwirtschaft[Federal Biological Research Center for Agriculture and Forestry];www .bba.de/veroeff/bbch/bbch.htm参照)。成長段階の重なりは、個々の年における気候および個々の植物種によって決まる。
【0213】
油料作物またはそれの植物部分を、植物が成長段階01から29にある時は、少なくとも一つのアゾールで1回もしくは複数回、好ましくは1回もしくは2回処理し、植物が成長段階30から39にある時は再度1回もしくは複数回、好ましくは1回もしくは2回処理することが特に好ましく;その後、植物が成長段階50から69にある時は、油料作物またはそれの植物部分を、少なくとも一つのアリール-または複素環アミドで1回もしくは複数回、好ましくは1回もしくは2回処理する。
【0214】
活性物質は、それ自体で、または他の製剤の形態で、またはそれから製造される使用形態で、注入、噴霧、霧化、散粉、拡散、注液または粉衣によって施用することができる。使用形態は、完全に、所期の用途、特には植物の種類および品種および/または植物部分、ならびに施用を受ける植物の発達段階によって決まるものであり、いずれの場合もそれは、本発明に従って用いられる活性物質および補助剤の分布を可能な限り細かくするようにすべきである。
【0215】
本発明に従って使用される殺菌剤本発明および使用されても良い成長調節剤は代表的には、作物保護および貯蔵製品の保護の分野で通常行われているような製剤の形態で用いられる。
【0216】
一般的な製剤の例には、液剤、乳濁液、懸濁液、分散液、ペースト、微粉剤、散布用材料、粉剤および粒剤がある。
【0217】
製剤は公知の方法、例えば、所望により乳化剤および分散剤を用いて、活性物質を溶媒および/または担体で希釈することにより製造される。好適な溶媒/補助剤は主として、
−水、芳香族溶媒(例えばソルベッソ(Solvesso)製品、キシレン)、パラフィン類(例えば鉱油留分)、アルコール類(例えばメタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(例えばシクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン)、ピロリジノン類(NMP、NOP)、酢酸エステル類(二酢酸グリコール)、グリコール類、脂肪酸ジメチルアミド類、脂肪酸および脂肪酸エステル。原則的に、溶媒混合物も使用可能である。
【0218】
−天然鉱物類(例えば、カオリン、粘土、タルク、白亜)および合成鉱物類(例えば、高分散シリカ、ケイ酸塩)等の担体。
【0219】
−リグニンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸およびジブチルナフタレンスルホン酸ならびに脂肪酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩、スルホン酸アルキルアリール、硫酸アルキル、スルホン酸アルキル、硫酸脂肪族アルコール、脂肪酸および硫酸化脂肪族アルコールグリコールエーテル類、さらにはスルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノールもしくはノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、アルコールおよび脂肪族アルコール/エチレンオキサイド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンもしくはポリオキシプロピレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸廃液、メチルセルロースおよびシロキサン類などの界面活性物質。好適なシロキサンの例は、「展着剤」または「浸透剤」とも称されるポリエーテル/ポリメチルシロキサンコポリマーである。
【0220】
特に好適である直接噴霧可能な液剤、乳濁液、ペーストまたはオイル分散液を製造するための不活性製剤補助剤は、本質的に、ケロセンまたはディーゼル油などの中ないし高沸点の鉱油留分、さらにはコールタール油、ならびに植物もしくは動物起源の油、脂肪族、環状および芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、パラフィン類、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン類またはそれらの誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびシクロヘキサノールなどのアルコール類、シクロヘキサノンおよびイソホロンなどのケトン類、強極性溶媒、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンまたは水である。
【0221】
粉剤、散布用材料および微粉剤は、活性物質を固体担体とともに混合または同時粉砕することで製造することができる。
【0222】
粒剤、例えばコート粒剤、含浸粒剤および均一粒剤は、活性物質を固体担体に結合させることで製造することができる。
【0223】
固体担体の例は、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アッタクレー(attaclay)、石灰岩、石灰、白亜、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの鉱物、粉砕合成材料、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素)、および植物由来産物(穀物粗挽き粉、樹皮粗挽き粉、木材粗挽き粉およびナットシェル粗挽き粉等)、セルロース粉末ならびにその他の固体担体である。
【0224】
一般に製剤は、本発明に従って用いられる殺菌剤を、製剤の総重量に基づいて0.01から95重量%、好ましくは0.1から90重量%含む。
【0225】
希釈水溶液用の製品(製剤)は、例えば水溶性濃縮液(SL)、分散性濃縮液(DC)、乳化性濃縮液(EC)、乳濁液(EW、EO)、懸濁液(SC、OD、SE)、水分散性および水溶性粒剤(WG、SG)ならびに水分散性および水溶性粉剤(WP、SP)である。直接施用用の製品(製剤)は例えば、微粉剤(DP)、粒剤(GR、FG、GG、MG)およびULV液剤(UL)である。
【0226】
水系製剤は、水を加えることで濃縮溶液、乳濁濃縮液、懸濁液、ペースト、水和剤(噴霧用粉剤、オイル分散剤)または水分散性粒剤などの原液製剤から調製することができ、例えば噴霧によって施用することができる。
【0227】
乳濁液、ペーストまたはオイル分散液を調製するには、本発明に従って用いられる殺菌剤それ自体またはそれをオイルもしくは溶媒に溶かしたものを、湿潤剤、粘着剤、分散剤または乳化剤によって水中で均質化することができる。しかしながら、活性物質、湿潤剤、粘着剤、分散剤または乳化剤ならびに適切な場合は、溶媒もしくはオイルからなる濃縮液を調製することもでき、そのような濃縮液は水での希釈に好適である。当然のことながら、使用形態は、貯蔵製剤で用いられる補助剤を含む。
【0228】
水で希釈される製剤中の活性物質濃度は、かなり広い範囲内で変動し得る。それは、0.0001から10重量%、好ましくは0.01から1重量%である。
【0229】
各種のオイルならびに湿潤剤、薬害軽減剤、佐剤、他の殺菌剤、殺虫剤、除草剤、殺細菌剤または例えば微量元素および/または少数元素を含む茎葉肥料を、施用直前にも活性物質に加えることができる(タンク混合)。これらの薬剤は、本発明に従って用いられる殺菌剤に別々に加えることもでき、その殺菌剤の施用の前、同時または後に別個の施用を実施することが可能である。これらの薬剤は、1:200から200:1、好ましくは1:100から100:1の重量比で本発明に従って用いられる殺菌剤と混合することができる。
【0230】
本発明に従って用いられる殺菌剤の、作物保護で従来使用される別の活性物質との併用、例えば他の殺菌剤との併用は、これら活性物質の混合物(例えば混合製剤またはタンク混合)を用いることで、または個々の活性物質を別個、同時または順次に施用することで行うことができる。
【0231】
本発明に従って使用される殺菌剤を少なくとも一つの上記薬剤と併用する場合、上記以外の少なくとも一つの殺菌剤および/または少なくとも一つの殺虫剤とのそれらの併用が特に好適である。
【0232】
本発明に従って用いられる殺菌剤を併用可能である殺菌剤の下記のリストは、可能な組み合わせを示すことを意図したものであって、いかなる限定も課すものではない。
【0233】
・ベナラキシル、メタラキシル、オフレース、オキサジキシルなどのアシルアラニン類;
・アルジモルフ、ドジン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、グアザチン、イミノクタジン、スピロキサミン、トリデモルフなどのアミン誘導体;
・ピリメタニル、メパニピルムまたはシプロジニルなどのアニリノピリミジン類;
・シクロヘキシミド、グリセオフルビン、カスガマイシン、ナタマイシン、ポリオキシンまたはストレプトマイシンなどの抗生物質;
・フェルバム、ナーバン、マンネブ、マンコゼブ、メタム、メチラム、プロピネブ、ポリカーバメート、チラム、ジラム、ジネブなどのジチオカーバメート類;
・アニラジン、シアゾファミド、ダゾメット、ジチアノン、フェナミドン(fenamidon)、フェナリモル、フベリダゾール、イソプロチオラン、ヌアリモル、プロベナゾール、プロキナジド、ピリフェノックス、ピロキロン、キノキシフェン、シルチオファム(silthiofam)、チアベンダゾール、トリシクラゾール、トリホリンなどの複素環化合物;
・ボルドー液、酢酸銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅などの銅系殺菌剤;
・ビナパクリル、ジノカップ、ジノブトン、ニトロフタル−イソプロピルなどのニトロフェニル誘導体;
・フェンピクロニルまたはフルジオキソニルなどのフェニルピロール類;
・硫黄;
・アシベンゾラル−S−メチル、カルプロパミド、クロロタロニル、シフルフェナミド、シモキサニル、ジクロメジン、ジクロシメット、ジエトフェンカルブ、エジフェンホス(edifenphos)、エタボキサム、フェンヘキサミド、酢酸フェンチン、フェノキサニル、フェリムゾン、フルアジナム、ホセチル、ホセチル−アルミニウム、ヘキサクロロベンゼン、メトラフェノン、ペンシクロン、フタリド、トルクロホス−メチル、キントゼン、ゾキサミドなどの他の殺菌剤;
・フルメトバーまたはフルモルフなどの桂皮酸アミド類および類縁体。
【0234】
本発明に従って用いられる殺菌剤および使用しても良い成長調節剤は好ましくは、油料作物植物またはそれの部分に施用される。当然のことながら、処理は、生存植物に対して行われる。植物の地上部に対して施用を行うことが好ましい。
【0235】
しかしながら、一部の殺菌剤の場合、種子処理も好適である。
【0236】
圃場施用、すなわち生存植物またはそれの植物部分への施用に好ましい実施形態では、本発明に従って用いられる殺菌剤および使用しても良い成長調節剤は、水系噴霧混合物の形態で用いられる。施用は好ましくは、噴霧によって行われる。この場合、植物の地上部全体または花、果実、葉または個々の芽などの個々の植物部分のみのいずれかを処理する。処理されるべき個々の植物部分の選択は、植物の種類およびそれの発達段階によって決まる。植物の地上部全体を処理することが好ましい。
【0237】
本発明に従って用いられる殺菌剤は、好ましくは季節当たり1から5回、特に好ましくは1から3回、特には1回もしくは2回施用される。処理を繰り返し行う場合、少なくとも2回目、3回目などの処理は、基本的に、圃場施用の形態を取る。少なくとも一つのアゾールとの併用での、少なくとも一つのアリール-または複素環アミドの好ましい使用での施用の好ましい経路および回数に関しては、上記で言及したものが挙げられる。
【0238】
種子の場合、本発明に従って使用される殺菌剤は、この種類の施用に従来用いられる製剤で使用される。
【0239】
種子処理の場合、原則的に、例えば乾式種子処理、溶媒に基づく液体処理、湿式種子処理、スラリー処理または被覆などの全ての従来の種子処理法または種子粉衣法を用いることが可能である。具体的には、好適な装置、例えば固体もしくは固体/液体混合相手用の混合装置にて、所望の量の種子粉衣製造物製剤自体またはその製造物が種子中に均一に分布するまでの事前の水による希釈後のものと種子を混合する手順に、その処理で従う。適宜に、これの次に乾燥操作を行う。
【0240】
圃場施用の場合、本発明に従って使用される殺菌剤は、個々の活性物質5から3000g/ha/季節、好ましくは個々の活性物質10から1000g、特に好ましくは50から500g/ha/季節の量で用いる。
【0241】
種子への施用の場合、本発明に従って使用される殺菌剤は、個々の活性物質0.01gから500g、好ましくは0.5gから200g/種子kgの量で用いられる。
【0242】
圃場施用の場合、使用しても良い成長調節剤は、個々の活性物質10から1500g/ha/季節、好ましくは個々の活性物質25から650g、特に好ましくは70から450g/ha/季節の量で用いられる。
【0243】
使用しても良い成長調節剤は、季節当たり、好ましくは1から4回、特に好ましくは1から3回、特には1回もしくは2回施用される。
【0244】
本発明のさらに別の主題は、油料作物もしくはそれの植物部分またはそれの種子を、少なくとも一つの成長調節剤と組み合わせても良い少なくとも一つの上記殺菌剤で処理する段階、前記油料作物植物の種子を、前記種子の総重量に基づいて含水量が15重量%以下となった時点で収穫する段階、および前記油料作物製品を得る段階を有する、油料作物製品の品質および適宜に量を高める方法である。
【0245】
油料作物製品の品質および適宜に量を高めるとは、上記で定義の通りである。
【0246】
好適なおよび好ましい油料作物、油料作物製品および殺菌剤ならびに施用の量および種類に関しては、上記で言及したものが挙げられる。
【0247】
成長期1から6、特に好ましくは2から6、より好ましくは3から6、特には3から5(BBCH Makrostadien; Biologische Bundesanstalt fur Land- und Forstwirtschaft[BBCH Macrostages; German Federal Biological Research Center for Agriculture and Forestry]による;www .bba.de/veroeff/bbch/bbch.htm参照)の間に、油料作物またはそれの植物部分を処理することが好ましい。この文脈では、油料作物は好ましくは、開花期中に少なくともある程度処理するものであり、すなわち、少なくとも一つの殺菌剤を開花期中に施用し、適宜に同一の殺菌剤もしくは異なる殺菌剤を異なる植物期間中に用いる。本発明に従って用いられる複数の殺菌剤を組み合わせる場合、開花期中に一つの殺菌剤を用い、開花期前、例えば春および/または秋に他の殺菌剤を用いることが好ましい。アミド系殺菌剤をアゾール系殺菌剤と組み合わせる場合、開花期にアミド系殺菌剤を施用し、それより早い時点で、例えば春および/または秋にアゾール系殺菌剤を施用することが好ましい。さらなる詳細に関しては、前記で言及したものが挙げられる。
【0248】
収穫は、種子の含水量が種子総重量に基づいて15重量%以下、例えば6から15重量%、特に好ましくは14重量%以下、例えば14重量%、特には12重量%以下、例えば6から12重量%、具体的には9重量%以下、例えば6から9重量%の時に行う。ここで、至適な含水量は、対象とする油料作物によって決まる。従って、大豆およびトウモロコシでは、それは比較的上限に近く、例えば15重量%以下、例えば10から15重量%、具体的には14重量%以下、例えば10から14重量%であり、中間範囲のヒマワリの場合には、例えば13重量%以下、例えば9から13重量%以下、具体的には12重量%以下、例えば9から12重量%であり、比較的低い範囲のアブラナの場合は、例えば11重量%以下、例えば7から11重量%以下、具体的には9重量%以下、例えば7から9重量%であり、さらに低い範囲のアマの場合、例えば9重量%以下、例えば6から9重量%、具体的には7重量%以下、例えば6から7重量%である。
【0249】
含水量は、従来の分析方法を用いて測定することができ、例えば所定の条件下(例えば、所定期間にわたり100℃)での乾燥時の重量減少の測定により、または例えば穀物水分メータであるプフォイファー(Pfeuffer)HEライト(Pfeuffer HE Lite;ドイツのプフォイファー社(Pfeuffer GmbH)から)を用いる所定条件下(特別には、温度)での導電率の測定によって測定することができる。
【0250】
油料作物の種子、果実および/またはナッツである植物の油生産部分からの油の取得は、対象となる植物または植物製品について従来用いられている方法で行われ、例えば圧搾および/または抽出によって行われる。当業者は、個々の植物またはそれの植物製品の各場合で必要とされる処理前または処理後の処置については十分に精通している。
【0251】
圧搾によって油を得ることで、残滓として、油カスと称されるものが生じ、それは次に例えば飼料または燃焼材料として再利用可能である。
【0252】
本発明による方法により、好ましくは、処理される植物の製品の、特には油料作物から得られる油および/またはそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルのリン含有量が減る。
【0253】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品の、特には油料作物から得られる油および/またはそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルのアルカリおよび/またはアルカリ土類金属含有量、特別にはアルカリ土類金属含有量、具体的にはカルシウムおよびマグネシウム含有量が低下する。
【0254】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの酸含有量(酸価として測定)が低下する。
【0255】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および/またはそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルのヨウ素価が低下する。
【0256】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの酸化安定性が高くなる。
【0257】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの全体的汚染が低減される。
【0258】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの動粘性率が低下する。
【0259】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの硫黄含量が低下する。
【0260】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの引火点が上昇する。
【0261】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの発熱量が上昇する。
【0262】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの残留炭素が低下する。
【0263】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルのセタン価が上昇する。
【0264】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの窒素含量が低下する。
【0265】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの塩素含量が低下する。
【0266】
あるいはまたはさらに、本発明による方法により、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルのスズ、亜鉛、ケイ素および/またはホウ素の含有量が低下する。
【0267】
本発明による方法によって特に好ましくは、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および適宜にそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルの(i)から(xi)下に挙げた特性が改善され、より好ましくは(i)から(viii)下に挙げた特性が改善され、特には(i)から(vii)下に挙げた特性が改善される。
【0268】
本発明による方法によって特別に好ましくは、処理される植物の製品、特には油料作物から得られる油および/またはそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルのリン含有量および/またはアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属含有量および/または酸含有量が低下し、特にはリン含有量および/または酸含有量が低下する。従って、本発明による方法は特に好ましくは、リン含有量および/またはアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属含有量および/または酸含有量が低い、特にはリン含有量および/または酸含有量が低い油料作物製品、特には植物油および/またはそれの反応生成物、例えばそれのC−C−アルキルエステルを製造する上で用いられる。
【0269】
油料作物製品、特には油および適宜にそれの反応生成物の酸含有量は、例えばDIN EN 14104に規定の方法に従って求めることができる(酸価として)。酸化安定性は、DIN EN 14112に規定の方法に従って測定することができる。リン含有量の測定はDIN EN 14107に規定の方法に従って行うことができ、アルカリ金属(特別には.NaおよびK)およびアルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム)含有量の測定はDIN EN 14538に規定の方法に従って行うことができる。ヨウ素価の測定は、EN 14111に規定の方法に従って行うことができる。全体的汚染は、例えばEN 12662に規定の方法に従って測定することができる。動粘性率は、例えばEN ISO 3104に規定の方法に従って測定することができる。引火点は、例えばEN ISO 2719に規定の方法に従って測定することができ、正味発熱量はDIN 51900−1および−3に規定の方法に従って測定することができ、コンラドソン残留炭素はEN ISO 10370に規定の方法に従って測定することができ、セタン価はDIN 51773に規定の方法に従って測定することができ。硫黄含量の測定はEN ISO 20884に規定の方法に従って行うことができ、塩素含量の測定はDIN 51577−3に規定の方法に従って行うことができる。スズ、亜鉛およびケイ素含有量はDIN 51396−1に規定の方法に従って測定することができ、ホウ素含有量はDIN 51443−2に規定の方法に従って測定することができる。
【0270】
本発明の範囲内で用いられる「リン含有量」、「アルカリ金属含有量」、「アルカリ土類金属含有量」、「酸含有量/酸価」、「ヨウ素価」、「酸化安定性」、「全体的汚染」、「動粘性率」、「引火点」、「正味発熱量」、「残留炭素」、「セタン価」、「硫黄含量」、「塩素含量」、および「亜鉛含有量」、「スズ含有量」、「ケイ素含有量」および「ホウ素含有量」という用語は好ましくは、それの大きさを測定するための関連する基準で定義されている通りである。
【0271】
本発明に従って処理される油料作物の果実および/または種子から得られる油は、食品部門で例えば食用油としてまたはマーガリン製造用に、化粧品部門で例えば担体として、潤滑剤として、またはエネルギー源として、すなわち燃焼材料もしくはモーター燃料として用いることができる。得られる油を食品部門で用いる場合、さらなる精製段階を行って、望ましくない香味、芳香物質、色、食べられない成分などを除去しても良い。
【0272】
その油は好ましくは、燃焼材料またはモーター燃料として用いられる。
【0273】
本発明による油は、特に、未処理の油料作物から得られる油と比較して、低い酸含有量および/または改善された酸化に対する安定性および/または低いリン含有量および/またはアルカリ金属および特別にはアルカリ土類金属化合物の低い含有量および/または懸濁物および他の妨害成分の低い含有量によって区別される。さらにまたはあるいは、本発明による油は、(iv)、(v)および(vii)から(xv)下で言及した少なくとも一つの特徴により、例えば低いヨウ素価、低い動粘性率および/または低い全体的汚染など(本発明に従って処理されていない植物から得られた油と比較して)によって区別される。
【0274】
油の反応生成物は好ましくは、C−C−アルコールとのそれの反応生成物の形態、すなわち油の基礎となる脂肪酸のC−C−アルキルエステルの形態を取る。特別に好ましくは、それらは、メタノールもしくはエタノールと、特にはメタノールと油のエステル交換生成物の形態、すなわち油の基礎となる脂肪酸のメチルもしくはエチルエステル、特にはメチルエステルの形態を取る。C−C−アルキルエステルは、通常は触媒(通常は塩基)の存在下に植物油をC−C−アルコールでエステル交換することで得ることが可能である。このプロセス中、油の脂肪酸トリグリセリドは、対象の脂肪酸のC−C−アルキルエステルに変換される。これらのエステルは、本発明に関しては、植物油のC−C−アルキルエステルと称される。
【0275】
油の反応生成物および特にはそれのC−C−アルコールとのエステル交換生成物は、エネルギー源として、すなわちモーター燃料または燃焼材料としての使用に特に好適である。
【0276】
油の反応生成物および特には油のC−C−アルキルエステルは、油について言及した特徴によって区別される。
【0277】
油料作物の果実および/または種子を圧搾する場合、得られる残滓は油カスであり、それは果実および種子と同様に、リンおよび/またはアルカリ金属および特別にはアルカリ土類金属化合物の低い含有量および/または低い酸含有量により、特には低いリン含有量および/または酸含有量によって区別される。この油カスは、飼料部門だけでなく、直接のエネルギー源として、すなわち特別には炉施設での燃焼材料としても用いることができ、エネルギー源としての使用が好ましい。
【0278】
油料作物製品は特別に好ましくは、種子、植物油およびそれらの反応生成物、例えばC−C−アルコールとのエステル交換生成物の中から選択される。油料作物製品は特に、油およびそれの反応生成物、例えばC−C−アルコールとのエステル交換生成物の中から選択される。
【0279】
成長調節剤と併用されていても良い、上記の殺菌剤で油料作物またはそれが成長する種子を処理することで、植物の発達がより均一となる。従って、例えば、芽の発達および特には果実/種子成熟の場合のように、個々の植物階層(すなわち、異なるレベルにある植物(一つで同一の植物)内の領域)内での開花が、より同時的に、すなわちかなり狭い時間間隔内に起こる。中心としての茎周囲の長径方向に延びる植物部分、例えばヒマワリにおける種子を有する植物での発達にも、同じことが同様に適用される。例えばリン含有量および/またはアルカリ金属含有量および/またはアルカリ土類金属含有量および/または酸含有量における低下および/または酸化安定性における上昇などの形で現れる油料作物製品の品質向上が、少なくとも部分的に、植物のこのより均一な発達の原因となっている可能性が高い。この点と、特には有利な収穫時期が同時に保持されることで、上記基準に関して至適な品質を有する油料作物の種子/果実が得られる。同時に、収穫時期に果実/種子がより同時的に成熟するほど、未成熟であったり成熟しすぎる果実/種子が減り、それは収穫損失が少なくなることを意味することから、量も至適化される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油料作物の経時的により均質な生物季節的発達を達成するための、少なくとも一つの成長調節剤と併用されていても良い、アリール-および複素環アミド類、カーバメート類、ジカルボキシイミド類、アゾール類、ストロビルリン類およびモルホリン類の中から選択される少なくとも一つの殺菌剤の使用。
【請求項2】
油料作物の種子のより均質な成熟を得るための請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記油料作物が、アブラナ、セイヨウアブラナ、カラシナ、オイル・ラディッシュ、アマナズナ、キバナスズシロ、ハマナ、ヒマワリ、ベニバナ、アザミ、キンセンカ、大豆、ルピナス、アマ、麻、オイル・パンプキン、ケシ、トウモロコシ、油やしおよびピーナッツの中から選択される前記請求項のうちのいずれか1項に記載の使用。
【請求項4】
前記油料作物がアブラナおよびセイヨウアブラナの中から選択される請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記アリール-および複素環アミドが、下記式Iの化合物の中から選択される前記請求項のうちのいずれか1項に記載の使用。
【化1】

[式中、
Aは、アリール基、あるいは、O、S、NおよびNRの中から選択される1から3個のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基を環員として含む芳香族もしくは非芳香族5員もしくは6員複素環であり、Rは水素またはC−C−アルキルであり、前記アリール基または前記複素環は互いに独立にハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニルおよびC−C−アルキルスルホニルの中から選択される1、2もしくは3個の置換基を有していても良く;
Mは、チエニル環またはフェニル環であり、前記チエニルおよび前記フェニル環に1、2もしくは3個のハロゲン原子が結合していても良く、前記フェニル環は、1、2もしくは3個のC−C−アルキル基によって置換されていても良く、および/または環員として、OおよびSの中から選択されるヘテロ原子を含んでいても良い飽和5員環に縮合していても良く;
Qは、結合、C−C−アルキレン、C−C−アルケニレン、C−C−アルキニレン、C−C−シクロアルキレン、C−C−シクロアルケニレン、−O−C−C−アルキレン、−O−C−C−アルケニレン、-O−C−C−アルキニレン、−O−C−C−シクロアルキレン、−O−C−C−シクロアルケニレン、−S−C−C−アルキレン、−S−C−C−アルケニレン、−S−C−C−アルキニレン、−S−C−C−シクロアルキレン、−S−C−C−シクロアルケニレン、−SO−C−C−アルキレン、−SO−C−C−アルケニレン、−SO−C−C−アルキニレン、−SO−C−C−シクロアルキレン、−SO−C−C−シクロアルケニレン、−SO−C−C−アルキレン、−SO−C−C−アルケニレン、−SO−C−C−アルキニレン、−SO−C−C−シクロアルキレン、−SO−C−C−シクロアルケニレン、O、S、SOまたはSOであり;
Qにおける前記脂肪族および脂環式基は、部分的または完全にハロゲン化されていても良く、および/または前記脂環式基は、1、2もしくは3個のC−C−アルキル基によって置換されていても良く;
は、水素、ハロゲン、C−C−シクロアルキルまたはフェニルであり、前記シクロアルキル基にはメチルが結合していても良く、フェニルは1から5個のハロゲン原子および/または互いに独立にC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオおよびC−C−ハロアルキルチオの中から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されていても良い。]
【請求項6】
前記式Iのアミドが、下記式I.1のアニリドの中から選択される請求項5に記載の使用。
【化2】

[式中、
Aは式A1からA8の基であり、
【化3】


Xは、CH、S、SOまたはSOであり;
は、CH、CHF、CF、Cl、BrまたはIであり;
は、CFまたはClであり;
は、水素またはCHであり;
は、CH、CHF、CFまたはCl;
は、水素、CHまたはClであり;
は、CH、CHFまたはCFであり;
は、水素、CH、CHF、CFまたはClであり;
10は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオまたはハロゲンである。]
【請求項7】
Aが、Rがハロゲンであり、R10がハロゲンである基A2である請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記アミドIが下記式I.1.1およびI.1.2のアニリドの中から選択される請求項7に記載の使用。
【化4】

【請求項9】
前記アゾール類が、ジフェノコナゾール、フルシラゾール、メトコナゾール、パクロブトラゾール、プロチオコナゾールおよびテブコナゾールの中から選択される前記請求項のうちのいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
前記ストロビルリン類が、アゾキシストロビン、ジモキシストロビンおよびピラクロストロビンの中から選択される前記請求項のうちのいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
前記モルホリン殺菌剤がジメトモルフである前記請求項のうちのいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
少なくとも一つのアゾールを組み合わせた少なくとも一つのアリールまたは複素環アミドの前記請求項のうちのいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
前記使用されるアリールまたは複素環アミドがボスカリドであり、前記使用されるアゾールがメトコナゾールである請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記成長調節剤が、
(a)下記式(IV)のアシルシクロヘキサンジオン類:
【化5】

[式中、
は、HまたはC−C10−アルキルであり;
は、C−C10−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルである。]またはそれの塩;
(b)下記式(V)の4級アンモニウム化合物:
【化6】

[式中、
およびRは互いに独立に、少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されていても良いC−C10−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルであり;または
およびRが一体となって、架橋単位−(CH−、−(CH−O−(CH−または−(CH)−CH=CH−(CH)−NH−を形成しており;
nは4または5であり;
は、ハライドイオン、硫酸イオン、C−C10−アルキルスルホン酸イオン、ホウ酸イオン、炭酸イオンおよびそれらの混合物の中から選択される対アニオンである]
の中から選択される前記請求項のうちのいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
前記式(IV)の化合物が、RがHである該化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である請求項14に記載の使用。
【請求項16】
がエチルである請求項15に記載の使用。
【請求項17】
カルシウム塩である請求項15または16のうちのいずれか1項に記載の使用。
【請求項18】
前記式(IV)の化合物において、Rがエチルであり、Rがシクロプロピルである請求項14に記載の使用。
【請求項19】
前記式(V)の化合物において、Rがメチルであり、Rが2−クロロエチルである請求項14に記載の使用。
【請求項20】
前記式(V)の化合物において、RおよびRが一体となって架橋単位−(CH−を形成している請求項14に記載の使用。
【請求項21】
前記式(V)の化合物において、Zが塩素イオンである請求項14または18から20のうちのいずれか1項に記載の使用。
【請求項22】
油料作物もしくは該作物の植物部分または該作物の種子を請求項1から21のうちのいずれか1項で定義の、少なくとも一つの成長調節剤と併用されていても良い、少なくとも一つの殺菌剤で処理する、油料作物の生物季節的発達の経時的により均質な経過を達成する方法。
【請求項23】
前記油料作物または該作物の植物部分を、少なくとも一つのアゾールと組み合わせた少なくとも一つのアリール-もしくは複素環アミドで処理する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記油料作物または該作物の植物部分を、開花前に前記少なくとも一つのアゾールで1回もしくは複数回処理し、開花中に前記少なくとも一つのアリール-もしくは複素環アミドで処理する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
油料作物植物もしくは該植物の植物部分または該植物の種子を、請求項1から21のうちのいずれか1項で定義の、少なくとも一つの成長調節剤と組み合わされていても良い、少なくとも一つの殺菌剤で処理し、前記油料作物植物の種子を、前記種子の総重量に基づいて含水量が15重量%以下となった時に収穫し、前記油料作物製品を得る、油料作物製品の品質および適宜に量を高める方法であって、前記品質向上が下記の基準:
(i)少なくとも一つの油料作物製品のリン含有量の低下;
(ii)少なくとも一つの油料作物製品のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属含有量の低下;
(iii)少なくとも一つの油料作物製品の酸化安定性の上昇;
(iv)少なくとも一つの油料作物製品の全体的汚染の低下;
(v)少なくとも一つの油料作物製品のヨウ素価の低下;
(vi)少なくとも一つの油料作物製品の酸価の低下;
(vii)少なくとも一つの油料作物製品の動粘性率の低下;
(viii)少なくとも一つの油料作物製品の硫黄含有量の低下;
(ix)少なくとも一つの油料作物製品の引火点の上昇;
(x)少なくとも一つの油料作物製品の正味発熱量の増加;
(xi)少なくとも一つの油料作物製品の残留炭素の低減;
(xii)少なくとも一つの油料作物製品のセタン価の上昇;
(xiii)少なくとも一つの油料作物製品の窒素含量の低下;
(xiv)少なくとも一つの油料作物製品の塩素含量の低下;および
(xv)少なくとも一つの油料作物製品のスズ、亜鉛、ケイ素および/またはホウ素含有量の低下
から選択される方法。
【請求項26】
前記油料作物製品が前記油料作物から得られた果実、種子、油カス、油および油の反応生成物の中から選択される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記油の前記反応生成物が、前記油のC−C−アルコールとのエステル交換生成物である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記油料作物製品が、前記油料作物から得られた前記油および該油の反応生成物の中から選択される請求項25から27のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記油料作物がアブラナ、セイヨウアブラナ、カラシナ、オイル・ラディッシュ、アマナズナ、キバナスズシロ、ハマナ、ヒマワリ、ベニバナ、アザミ、キンセンカ、大豆、ルピナス、アマ、麻、オイル・パンプキン、ケシ、トウモロコシ、油やしおよびピーナッツの中から選択される請求項25から28のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記油料作物がアブラナ、セイヨウアブラナ、ヒマワリおよびトウモロコシの中から選択される請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記油料作物がアブラナおよびセイヨウアブラナの中から選択される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記油料作物植物の種子を、それの水含有量が種子総重量に基づいて5から15重量%である時に収穫する請求項25から31のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記アブラナまたはセイヨウアブラナ植物の種子を、それの水含有量が種子総重量に基づいて10重量%以下、好ましくは7から9重量%である時に収穫する請求項31に記載の方法。

【公表番号】特表2010−529172(P2010−529172A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511643(P2010−511643)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057393
【国際公開番号】WO2008/152096
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】