説明

油漏れ検出装置

【課題】機器からの油漏れを検出する油漏れ検出装置に関し、簡易な構成で油の漏れを検出する油漏れ検出装置を提供する。
【解決手段】水に対する減衰が油に対する減衰よりも大きな波長を有する光を油漏れの検出対象領域へ投光する検出用光源部2と、検出用光源部2から投光され検出対象領域で反射された反射光に基づき、油漏れの有無を判定する判定部4と、を備えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器からの油漏れを検出する油漏れ検出装置に関し、簡易な構成で油の漏れを検出する油漏れ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、機器に充填された油の漏れを検出する装置が知られている。この種の油漏れ検出装置としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。この油漏れ検出装置は、例えば、油中に漏油指標物質としてSF6ガスを予め溶解させておき、このガスを検出することにより、油漏れを検出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−213758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の油漏れ検出装置は、予め油に溶解させておいたガスを検出することで油漏れを検出する構成であるため、油漏れの検査対象の機器はガスに対して気密構造である必要がある。したがって、上記従来の油漏れ検出装置では、ガスに対して気密構造でない機器からの油漏れを検出することは困難である。また、予め油にガスを溶解させておく必要があるため、手間がかかる。
【0005】
また、油漏れの検査対象の機器は、屋外に設置されている場合もあり、その場合、雨水に濡れることがあるため、水と油を区別して油漏れを検出する必要がある。
【0006】
そこで、油漏れの検査対象の機器が水に濡れる環境下に設置されている場合であっても、機器からの油漏れを簡易な構成で検出可能な油漏れ検出装置が求められている。
【0007】
本発明は上記課題に着目してなされたもので、油漏れ検出装置において、簡易な構成で、かつ、機器が水に濡れていても、油漏れを検出可能な油漏れ検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一側面による油漏れ検出装置は、水に対する減衰が油に対する減衰よりも大きな波長を有する光を油漏れの検出対象領域へ投光する検出用光源部と、前記検出用光源部から投光され前記検出対象領域で反射された反射光に基づき、前記油漏れの有無を判定する判定部と、を備えて構成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面による油漏れ検出装置によれば、水に対する減衰が油に対する減衰よりも大きな波長を有する光を油漏れの検出対象領域へ投光し、検出対象領域で反射された反射光に基づき、油漏れの有無を判定する構成であるため、油漏れの検出対象の機器が水に濡れる環境下に設置されている場合であっても、水と油を区別して油漏れを検出することができる。また、ガス検知器等の高価な機器を必要とせず、単に、反射光に基づき油漏れの有無を判定する構成であるため、油漏れを簡易な構成で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による油漏れ検出装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】上記実施形態における検出用撮像部により撮像された、水滴のみがついている検出対象領域の画像の一例である。
【図3】上記実施形態における検出用撮像部により撮像された、油のみがついている検出対象領域の画像の一例である。
【図4】上記実施形態における検出用撮像部により撮像された、油と水滴がついている検出対象領域の画像の一例である。
【図5】上記図4の画像をコンター図化して示した図である。
【図6】上記図5に示す油滴エリアの分割画像の輝度の度数分布を示す図で、(a)はアドレス5−5の図で、(b)はアドレス6−3の図で、(a)はアドレス6−5の図で図である。
【図7】上記図5に示す水滴エリアの分割画像の輝度の度数分布を示す図で、(a)はアドレス5−7の図で、(b)はアドレス5−8の図である。
【図8】上記図5に示す塗装面エリアの分割画像の輝度の度数分布を示す図で、(a)はアドレス0−0の図で、(b)はアドレス4−2の図で、(a)はアドレス4−4の図である。
【図9】上記第1実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明による油漏れ検出装置の第2実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による油漏れ検出装置の第1実施形態を示すブロック図である。
図1において、本実施形態の油漏れ検出装置10は、油が封入された機器からの油漏れを検出するものであり、制御部1と、検出用光源部2と、視認用光源部3と、判定部4と、記録部5と、表示部6と、I/F部7とを備えている。
【0012】
前記制御部1は、装置全体の制御を行うものであり、例えば、後述する検出用光源部2と視認用光源部3の点灯切替制御等を行う。
【0013】
前記検出用光源部2は、水に対する減衰が油に対する減衰よりも大きな波長を有する光を油漏れの検出対象領域へ投光するものであり、例えば、図1に示すように、LEDを複数並べて構成されている。本実施形態においては、検出用光源部2は、赤外域の波長、例えば、波長λが940nmの光を投光するように構成されている。この波長(940nm)の光は、水に対する減衰が特に大きく、油に対する減衰はごく小さい。
【0014】
検出用光源部2は、例えば、図1に示すように、検出対象領域における光の反射面Rの法線に対して斜め方向から、上記波長(940nm)の光を投光するように配置されている。
【0015】
前記視認用光源部3は、検出対象領域に可視領域の波長の光を投光して検出対象領域を目視可能にするものであり、一般的な可視光の照明器具である。本実施形態のように、検出用光源部2から投光される光が赤外域の波長の光等の不可視の光の場合、油漏れの検査員等は、視認用光源部3による照明により夜間等に検出対象領域を目視で確認することができる。
【0016】
例えば、検出用光源部2が点灯するタイミングで、後述する検出用撮像部4aが撮像して画像データを取得し、それ以外のときは、視認用光源部3を点灯させる。このように、各光源部2,3と検出用撮像部4aを同期させて、高速で光源の切り替えを行うことにより、検出対象領域の視認性と、油漏れの検出を両立させることができる。
【0017】
前記判定部4は、検出用光源部2から投光され検出対象領域で反射された反射光に基づき、油漏れの有無を判定するものであり、例えば、検出用撮像部4aと、画像解析部4bと、輝度判定部4cと、を備えて構成する。
【0018】
前記検出用撮像部4aは、検出対象領域を撮像して反射光に基づく画像を取得するものであり、例えば、940nmの波長の光のみを受光する画像センサである。
【0019】
ここで、検出用撮像部4aの撮像対象である産業設備等の機器は、一般的に、グレー系等の、パールやメタリック等を含まない一般的な塗料で塗装されている。その結果、撮像対象の機器の表面(反射面R)に入射された光は散乱する。したがって、雨や油で濡れていない機器の表面からの光は、拡散した散乱光の成分が多いため、検出用撮像部4aで取得する画像の輝度の度数分布は、狭くなり標準偏差の小さい分布となる。また、前述したように、検出対象領域は、水に対する減衰が特に大きな波長の光を用いて照明されている。したがって、機器の水に濡れている部分からの光は、図2に示すように、減衰されて暗くなる。一方、油の表面に入射された光は、散乱することなく入射角度に応じた方向へ反射する。このように、油の表面から反射してくる光は、非散乱光(すなわち、散乱せず入射角度に応じた方向へ反射する光)である。したがって、検出対象領域内に油に濡れている部分がある場合、この領域からの光は、図3に示すように、塗装面からの散乱光と油の表面からの非散乱光が混在する。非散乱光は散乱光に比べて明るいため、検出用撮像部4aで取得する画像の輝度の度数分布は、広くなり標準偏差の大きい分布となる。なお、水の表面からの光も非散乱光であるが、減衰すされて暗くなるため、後述する図4から分かるように、水からの非散乱光と油からの非散乱光を容易に区別することができる。
【0020】
また、検出用撮像部4aは、検出用光源部2から投光され検出対象領域における反射面Rで正反射された光を受光可能に配置される。すなわち、反射面Rの法線と検出用光源部2の光軸L1との成す角度と、法線と検出用撮像部4aの軸L2との成す角度が等しくなるように、検出用光源部2と検出用撮像部4aが配置されている。このように配置することにより、検出撮像部4aは、図1に示すように、検出対象領域における光の反射面Rの法線に対して斜め方向から入射され、反射面Rで反射された光(非散乱光)に基づく画像を取得することができるため、非散乱光と散乱光との違いが分かりやすくなる。
【0021】
前記画像解析部4bは、検出用撮像部4aにより取得された画像の輝度を算出するものである。画像解析部4bは、例えば、検出用撮像部4aによって取得された画像の一部の領域を選択し、この選択した領域の画像について輝度を算出するように構成されている。
【0022】
画像解析部4bは、例えば、図4に示すように、検出用撮像部4aから油(古油、新油)と水滴がついている検出対象領域の反射面R(図1参照)の画像の画像データが入力されると、図5に示すように、図4の画像の輝度を算出した結果を、コンター(等高線)図化し、このコンター図の情報を記録部5や表示部6に出力し、記録及び表示させる。なお、図4において、反射面R(例えば、板の表面)は、パールやメタリック等を含まない一般的な塗料で塗装されており、例えば、油滴の大きさは直径約5mm、水滴の大きさは直径2mm程度である。また、画像解析部4bは、例えば、図5に示すように、検出用撮像部4aで撮像された画像全体を複数の小ブロックに分割して、記録部5に小ブロックに分割された複数の分割画像のデータ(ファイル)を画像の縦横の座標で表したアドレス(A−B)毎に保存し、アドレス順に分割画像を選択し、この分割画像の各画素の輝度を算出する。この輝度の情報は、分割画像毎に輝度判定部4cに出力される。
【0023】
前記輝度判定部4cは、画像解析部4bにより算出された輝度に基づき油漏れの有無を判定する。輝度判定部4cは、例えば、画像解析部4bによって算出された輝度についての度数分布状態に基づいて、油漏れの有無を判定するように構成されている。輝度判定部4cによる判定結果は、例えば、画像解析部4bを介して記録部5や表示部6等に出力される。以下に、度数分布状態の例を幾つか説明する。
【0024】
図6は、上記図5に示す油滴エリアの分割画像の輝度の度数分布を示す図で、(a)はアドレス5−5の図で、(b)はアドレス6−3の図で、(c)はアドレス6−5の図である。これらの度数分布状態から分かるように、油滴を含む領域の画像は、非散乱光を含むため、その画像の輝度分布には、輝度の高い領域が含まれる。また、図7は、上記図5に示す水滴エリアの分割画像の輝度の度数分布を示す図で、(a)はアドレス5−7の図で、(b)はアドレス5−8の図である。これらの度数分布状態から分かるように、水滴を含む領域の画像は、光の反射が少ない部分を含むため、その画像の輝度分布には、輝度の低い領域が含まれる。そして、図8は、上記図5に示す塗装面エリアの分割画像の輝度の度数分布を示す図で、(a)はアドレス0−0の図で、(b)はアドレス4−2の図で、(c)はアドレス4−4の図である。これらの度数分布状態から分かるように、水滴や油滴を含まない領域の画像、つまり、パールやメタリックを含まない塗装面の画像は、拡散した散乱光による画像が多いため、その画像の輝度分布は、狭くなり標準偏差の小さい分布となる。
【0025】
輝度判定部4cは、上記のように輝度の度数分布状態が、油漏れのときと水に濡れて入るときと、油にも水にも濡れていない状態で異なることを利用して、水と区別して油の有無を検出する。輝度判定部4cは、具体的には、例えば、分割画像の輝度の度数分布を求め、その標準偏差が、予め定めた閾値以下である場合は、油も水も無しと判定する。一方、標準偏差が閾値を超えた場合であって、かつ、輝度の平均値が予め定めた閾値以下である場合は、水有り(水にのみ濡れている)と判定し、標準偏差が閾値を超えた場合であって、かつ、輝度の平均値が予め定めた閾値を越えた場合は、油有り(水無し)と判定する。
【0026】
前記記録部5は、画像解析部4bによる輝度の情報やコンター図の情報及び分割画像の情報、輝度判定部4cの判定結果等のデータを記録保持するものである。
【0027】
前記表示部6は、検出用撮像部4aによって撮像された検出対象領域全体の画像(白黒画像)や分割された画像(白黒画像)を表示したり、画像解析部4bによって算出された輝度のコンター図や、輝度判定部4cの判定結果や、油漏れ箇所を特定してハイライトさせた画像等を表示するものであり、これにより、オペレーターに油漏れ等の情報を視覚的に提供することができる。
【0028】
前記I/F部7は、油漏れの検出結果のデータを外部へ出力するものであり、例えば、判定部4(画像解析部4b)と接続されており、判定結果等のデータを外部へ出力するように構成されている。
【0029】
次に、本実施形態の油漏れ検出装置10の動作を、図9に基づいて説明する。
【0030】
まず、STEP1において、検出用光源部2は、赤外域の特定の波長(940nm)の光を油漏れ検出対象領域に投光し、検出用撮像部4aは、油漏れ検出対象領域を撮像し、その画像データを画像解析部4bへ出力する。
【0031】
STEP2において、画像解析部4bは、検出用撮像部4aで撮像された画像全体を複数の小ブロックに分割して、記録部5に小ブロックに分割された複数の分割画像のデータ(ファイル)を画像の縦横の座標で表したアドレス(A−B)毎に保存する。
【0032】
STEP3において、画像解析部4bは、アドレス順に分割画像を選択し、STEP4において、画像解析部4bは、この分割画像の各画素の輝度を算出する。この輝度の情報は、分割画像毎に輝度判定部4cに出力される。
【0033】
STEP5において、輝度判定部4cは、分割画像の輝度の度数分布を求め、STEP6において、その標準偏差が、予め定めた閾値以下であるか否か判定する。標準偏差が閾値以下であると判定した場合(STEP5:Yes)、油も水も無しと判定(STEP6a)し、STEP10に進む。一方、標準偏差が閾値以下でないと判定した場合(STEP5:No)、次のSTEP7に進み、輝度の平均値が予め定めた閾値以下である否か判定する。輝度の平均値が閾値以下であると判定した場合(STEP7:Yes)、水有り(水にのみ濡れている)を検出(STEP7a)し、STEP10に進む。一方、輝度の平均値が閾値以下でないと判定した場合(STEP7:No)、油有り(水は無し)を検出(STEP8)し、次のSTEP9に進む。
【0034】
STEP9において、輝度判定部4cは、例えば、輝度が予め定めた閾値以上である画素位置を油漏れ箇所として特定し、表示部6は、輝度判定部4cによって特定された油漏れ箇所の画素をハイライト等させて表示して警告動作を行う。
【0035】
STEP10において、記録部5は、画像解析部4bによる輝度の情報やコンター図の情報及び分割画像の情報、輝度判定部4cの判定結果等のデータを記録保持し、次のSTEP11に進む。
【0036】
STEP11において、輝度判定部4cは、複数の分割画像は全て画像解析部4bで解析されたか否かを判定し、全て解析されたと判定した場合(STEP11:Yes)は、STEP12に進み。全て解析されていないと判定した場合(STEP11:No)は、STEP3に戻り、STEP3〜STEP11までの動作を行う。
【0037】
STEP12において、表示部6は、記録部5から分割画像毎に特定された油漏れ箇所の情報等を全て読取り、分割前の画像全体における油漏れ箇所を全てハイライトさせて、検査結果全体を表示し、油漏れの検査が終了する。
【0038】
上記実施形態によれば、水に対する減衰が油に対する減衰よりも大きな波長を有する光を油漏れの検出対象領域へ投光し、検出対象領域で反射された反射光に基づき、油漏れの有無を判定する構成であるため、油漏れの検出対象の機器が水に濡れる環境下に設置されている場合であっても、水と油を区別して油漏れを検出することができる。また、ガス検知器等の高価な機器を必要とせず、単に、画像処理によって油漏れの有無を判定する構成であるため、簡易な構成で油漏れを検出することができる。
【0039】
図10は、本発明に係る油漏れ検出装置の第2実施形態を示すブロック図である。ここでは、図1の第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。なお、下記の記録用撮像部8以外の動作については、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
本実施形態においては、記録用撮像部8を備えて構成する。
【0040】
前記記録用撮像部8は、可視領域の波長の光を受光して検出対象領域を記録用に撮像するものであり、例えば、撮像したカラー画像のデータを外部へ出力可能な一般的なものである。記録用撮像部8は、例えば、視認用光源部3と同期して撮像動作を行うように、制御部1によって制御され、撮像したカラー画像のデータは記録部5に検出用撮像部4aによって撮像された白黒画像のデータと対応付けて保存されている。
【0041】
上記実施形態によれば、記録用撮像部8を備えることにより、可視画像(カラー画像)と対応つけて検出用画像(白黒画像)を記録することができるため、オペレーター等が後に検査対象領域の画像を白黒画像だけでなく、カラー画像(可視画像)で確認することができる。
【0042】
本実施形態において、記録用撮像部8は、図10に示すように、検出用撮像部4aと別体で設けた場合で説明したが、これに限らず、図示省略するが、一つの撮像部で検出用撮像部4aと記録用撮像部8とを兼用可能に構成してもよい。例えば、受光可能な光の波長域を高速切替可能なフィルターを設けた一つの撮像部で検出用撮像部4aと記録用撮像部8とを兼用するように構成する。
【0043】
なお、上記第1及び第2実施形態において、画像解析部4bは、画像の一部の領域を選択し、この選択した領域の画像について輝度を算出する構成としたが、これに限らず、画像を分割せず、画像全体について各画素の輝度を算出するように構成してもよい。
【0044】
また、上記第1及び第2実施形態においては、輝度判定部4cは、画像解析部4bによって算出された輝度についての度数分布状態に基づいて、油漏れの有無を判定する場合で説明したが、これに限らず、単に、画像解析部4bによって算出された輝度が予め定めた閾値以上のときに油が漏れていると判定するように構成してもよい。
【0045】
上記第1及び第2実施形態においては、視認用光源部3を設けた場合で説明したが、これに限らず、設けなくてもよい。また、検出用光源部2から投光される光の波長は、赤外域の波長、特に、940nmであるとしたが、これに限らず、水に対する減衰が油に対する減衰よりも大きな波長であれば、どのような波長域の波長であってもよい。
【0046】
上記第1及び第2実施形態においては、判定部4は、検出対象領域を撮像して反射光に基づく画像を取得する検出用撮像部4aと、検出用撮像部4aにより取得された画像の輝度を算出する画像解析部4bと、画像解析部4bにより算出された輝度に基づき油漏れの有無を判定する輝度判定部4cと、を備えて構成した場合で説明したが、これに限らず、検出用光源部2から投光され検出対象領域で反射された反射光に基づき、油漏れの有無を判定する構成であれば、どのような構成であってもよい。具体的には、例えば、反射光の受光強度を測定する受光部と、反射光の強度に基づいて油漏れの有無を判定する強度判定部とを備えて判定部4を構成する。
【符号の説明】
【0047】
2・・・検出用光源部
3・・・視認用光源部
4・・・判定部
4a・・検出用撮像部
4b・・画像解析部
4c・・輝度判定部
8・・・記録用撮像部
10・・油漏れ検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に対する減衰が油に対する減衰よりも大きな波長を有する光を油漏れの検出対象領域へ投光する検出用光源部と、
前記検出用光源部から投光され前記検出対象領域で反射された反射光に基づき、前記油漏れの有無を判定する判定部と、
を備えて構成したことを特徴とする油漏れ検出装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記検出対象領域を撮像して前記反射光に基づく画像を取得する検出用撮像部と、前記検出用撮像部により取得された画像の輝度を算出する画像解析部と、該画像解析部により算出された前記輝度に基づき前記油漏れの有無を判定する輝度判定部と、を備えて構成することを特徴とする請求項1に記載の油漏れ検出装置。
【請求項3】
前記輝度判定部は、前記画像解析部によって算出された前記輝度についての度数分布状態に基づいて、前記油漏れの有無を判定することを特徴とする請求項2に記載の油漏れ検出装置。
【請求項4】
前記輝度判定部は、前記画像解析部によって算出された前記輝度が予め定めた閾値以上のときに前記油が漏れていると判定することを特徴とする請求項2に記載の油漏れ検出装置。
【請求項5】
前記画像解析部は、前記画像の一部の領域を選択し、該選択した領域の画像について前記輝度を算出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の油漏れ検出装置。
【請求項6】
前記検出用光源部は、前記検出対象領域における光の反射面の法線に対して斜め方向から、前記波長の光を投光するように配置され、
前記検出用撮像部は、前記検出用光源部から投光され前記検出対象領域における前記反射面で正反射された光を受光可能に配置されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の油漏れ検出装置。
【請求項7】
前記波長は、赤外域の波長であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の油漏れ検出装置。
【請求項8】
前記検出対象領域に可視領域の波長の光を投光して前記検出対象領域を目視可能にする視認用光源部を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の油漏れ検出装置。
【請求項9】
前記可視領域の波長の光を受光して前記検出対象領域を記録用に撮像する記録用撮像部を備えたことを特徴とする請求項8に記載の油漏れ検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−101028(P2013−101028A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244430(P2011−244430)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000222037)東北電力株式会社 (228)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】